第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「ご縁がある皆様を幸せにする」という経営理念のもと、様々な婚活サービスとライフデザインサービスを提供し、結婚カップルを生み出すことで、社会に貢献することを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、社会問題に歯止めをかけるべく、2024年2月9日開示の修正中期経営計画(2021年-2027年)において、重要指標の成婚組数、加盟相談所数及びサブ指標のお見合い会員数、マッチング会員数の目標値を再設定いたしました。

収益はもちろんのこと、事業価値を高めるために、より重要な経営指標は何かを議論し策定した計画となっており、経営目標として2027年度には、「成婚組数2万組」「加盟相談所数7千社」「お見合い会員数17.3万人」「マッチング会員数25万人」と定めております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、東証プライム上場の信用力に加え、ITとサービスを融合させた複合的なビジネスモデルを展開するとともに、成婚サポート力、お見合いシステム、圧倒的な会員基盤という同業他社にはない独自の強みをもっております。

また、成婚者及び婚活会員に対して不動産・住宅ローン、保険などの周辺サービスを提供するライフデザイン事業を展開し、総合ライフデザインカンパニーとして、基盤強化及び領域拡大を図っております。

当社グループは、このような強みや事業展開を背景に、工夫と創造や、変革と挑戦に取り組む姿勢を全社的に持ち、顧客満足度の高いサービスを提供し続けることで、収益性の高い事業を展開してまいります。

さらに、少子高齢化問題、人口減少問題、地方問題など日本における複数の社会問題の解決に貢献していくことは当社グループの強みでありビジョンであります。成婚数と加盟相談所数の増加は、これらの日本の社会問題解決に直接的に資するものだと考えており、特に注力してまいります。

今後は、収益性のある高付加価値な事業展開と、社会問題に歯止めをかけるべく、課題に取り組んでまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき課題

当社グループは、上記の経営目標を達成していく上で、今後は次の課題に取り組んでまいります。

① 株式会社オーネットとの資本業務提携によるIBJ結婚相談所プラットフォームの事業価値の大幅向上

重要指標として掲げる成婚数を伸ばすためには、マッチング(引き合わせ)だけでなく、マッチング後の婚約や結婚までのアナログなサポートが重要であり、その担い手である仲人の増加のため、全国に加盟相談所を拡大してまいります。

2023年12月27日に株式会社オーネットと戦略的な資本業務提携契約を締結。オーネットが加盟することで、IBJの結婚相談所プラットフォームはさらに強固なものとなり、全国の新規加盟店の増加やそれに伴う会員数、お見合い件数及び成婚数の大幅な増加が見込まれます。IBJは引き続き重要指標である加盟店の拡大に向け積極的な営業活動を推進すると同時に、組織体制の強化や、人材育成にも注力し、さらなる拡大を図ってまいります。

② パーティー事業の刷新とアプリユーザーの取り込み

パーティー事業のメインターゲットである若年層は他社マッチングアプリと顧客層のバッティングにより参加者数が低迷。

2024年はパーティー形態を大幅に一新することで課題の解決を図ります。主な取り組みといたしましては、プレミアムパーティーと呼ばれる、マッチングしやすい会員に向けたプレミアム婚活パーティーの開催。それに伴う顧客単価の向上により参加者数と収益の増加を図ります。

また参加者数の増加により、婚活パーティーをメインの集客チャネルとして活用する、直営店の入会数も連動し向上することが見込まれ、中期経営計画に定める重要指標への寄与を目指します。

③ 新たに「マッチングプラットフォーム」を構築

台頭するマッチングアプリとの差別化を図るべく、結婚相談所プラットフォームを運営するIBJならではのノウハウやシステムを活かしたマッチングサービス向けの婚活プラットフォームを構築してまいります。これにより結婚相談所事業の見込み客となるマッチング会員基盤の拡大や他社マッチングアプリとの連携を図ってまいります。中期的には海外のマッチングアプリの参画も視野に入れ、飛躍的な成長を狙っております。

④ ライフデザイン分野のM&A

既存事業の成長投資に加え、2026年までに営業利益5から10億円規模のM&A実施により、収益及び事業拡大を図ってまいります。M&A対象としては、IBJの会員基盤及び加盟店基盤を活用できるウエディング、家事代行、教育、美容、地域創生など既存事業とのシナジーが高い事業を狙っております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、長期にわたる着実な成長を目指し、ESGの観点から経営基盤の強化に取り組んでいます。

ガバナンスでは意思決定の透明性、リスクマネジメントの強化など、業界をリードする企業に相応しいレジリエントな体制づくりを進め、環境面では省エネルギーの推進、グリーン調達の検討など環境に配慮した事業運営に努め、環境と調和した企業活動の推進で「未来世代の健全な地球環境」への貢献を目指します。

 

(2)戦略

当社グループは、結婚カップル創出により未婚化・少子化問題解決に貢献し、「ご縁がある皆さまを幸せにする」という経営理念のもと、社会・経済・環境に配慮した事業運営と持続可能な成長の実現を目指します。

 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

従業員は当社グループの大切な経営資源であり、企業の持続的成長のためには、IBJの経営理念に込められた熱い想いを次世代に引き継ぐために人材の採用と育成が極めて重要であると認識しています。このため、通年採用や新卒採用を積極的に推進し、経営理念を深く理解し、クレド(行動指針)を高いレベルで実践できる人材を育てていくため、育成専門部署である人事部が中心となり、多彩なプログラムを定期的・計画的に実施し、人的資源の高度化を図っています。

また、各業務に求められるスキルや専門技術・知識などについても、一人ひとりがプロフェッショナルとして高い専門性を持って仕事に取り組むことができるよう、それぞれの資質・能力を伸ばすプログラムを提供しています。

 

(3)リスク管理

当社グループは、事業活動において発生しうるリスクの発生の防止、発生したリスクの対応及びリスク管理のための体制の整備を行い、業務の円滑な運営に努めております。

企業経営の透明性、公平性を高めるために迅速な情報開示に取り組むとともにグループ経営の健全性の確保と企業倫理確立のためのリスク管理体制の整備を図るため「リスク管理規程」を制定しています。また、当該規程により、リスク管理を効果的かつ効率的に実施するための「リスク管理委員会」を設置し、リスク管理に対する基本方針及び体制の策定、各リスクの重大性、緊急性等の評価に応じた対策の検討及び決定等の必要な措置を速やかに講じております。

 

(4)指標及び目標

当社グループは、市場のニーズに応えることで、「未婚化・少子化」が解決された未来の形成を目指し、中期経営計画(2021年-2027年)では下記を目標に掲げて事業を展開しております。


 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

指標

目標(2024年12月末まで)

実績(2023年12月末時点)

女性の管理職比率

50%

48.4%

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で、行われる必要があると考えております。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

1.事業環境に関するリスクについて

(1) 婚活市場について

我が国においては、近年、合計特殊出生率の低下や平均寿命の延びに起因して少子化及び高齢化が急速に進展しており、完結出生児数に変化はないものの、国民の晩婚化及び未婚化傾向の増大が少なからず起因している可能性があることから、国民の晩婚化及び未婚化の進展に歯止めをかける婚活及び婚活支援は、我が国の少子高齢化傾向の進展ペースの緩和策として重要な意味を持ち、それ故に、当社グループでは、婚活市場は今後も更なる成長が期待できるマーケットであると考えております。

なお、婚活市場規模は拡大傾向にあると思われるものの、結婚に対する一般的な価値観の多様化又は低下、あるいは非婚化又は晩婚化に対する社会的な許容度の向上及びかかる傾向の定着、又はその他の要因により婚活市場の成長が阻害され、あるいは婚活市場規模が縮小に転じた場合には、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 競合について

当社グループが営む事業は、不動産業、保険代理店業及び人材紹介事業を除き、すべての事業で特段の許認可を要しないなどの理由から参入障壁が比較的低く、手元資金と一定のノウハウさえあれば、かかる事業を開始することは多くの事業者にとって比較的容易であるものの、当社グループと同等のサービスの提供を可能にするシステムの開発、ノウハウの蓄積、厳重なプライバシー保護を実現する情報管理システムの構築、顧客の大規模な確保などを行い、短期間のうちに当社グループと同等程度に市場からの信頼を獲得することは困難であろうと考えております。

しかしながら、今後、資本力、マーケティング力、幅広い顧客基盤、高い知名度や専門性を有する企業などが当社グループの事業領域に新規参入し、また事業規模を拡大すれば、競争の激化による顧客流出やそれに対処するための様々なコストの増加などが、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3) システムやインターネット接続環境の不具合について

当社グループが提供するサービスを支える当社グループのシステム並びにインターネット接続環境の安定的稼動は、当社グループの事業運営の大前提であります。

そこで、当社グループは、システムが稼動している複数のサーバーが不測の事態によって停止し、又はそれらのサーバー上に蓄積されたデータが失われることにより当社グループの事業の遂行に支障を来たさないよう一定のセキュリティレベルを実現し、かつデータの日次バックアップ、バックアップデータの分散格納を実施するなど、考えられる範囲で起こり得るトラブルを想定し、その回避策を講じております。

また、当社グループが提供するサービスを支える当社グループのシステムは原則として内製開発されており、それらのリリース前には入念に品質チェックなどを行うことにより、システムの品質管理に努めております。

しかしながら、予期せぬ自然災害や事故、ユーザー数及びトラフィックの急増やソフトウェアの不具合、ネットワーク経由の不正アクセスやコンピュータウィルスの感染などの様々な問題、又は当社グループのシステムそのものに起因する予期せぬトラブルが発生し、かかる問題の影響を十分に軽減できない場合には、当社グループの情報管理体制の信頼性が毀損され、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) サービスの安全性及び健全性の維持について

当社グループは、本人確認などの厳格な実施に加え、それぞれのサービスの利用規約などに利用可能年齢や利用可能資格を含む制限事項並びに他人の知的財産権や名誉、プライバシーその他の権利を侵害しないよう、また、わいせつ情報の投稿、誹謗中傷、商業利用、その他法律に照らして犯罪性が高いと思われる利用を未然に防ぐために各種の禁止事項を明記し、利用規約などに基づいたサービス利用が行われていることを確認するための専任スタッフによるユーザーサポート並びにモニタリング体制を整備するなど、然るべき対応を実施しております。

しかしながら、急速なサービス利用者数の増加に伴う事業規模の拡大にかかる対応の拡充が追いつかず、またかかる対応そのものが機能している状況下においても、不適切行為の実行を完全に防止できなかった場合には、当社グループのサービスの信頼性やブランドが毀損され、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事業に係る法律等の規制について
① 特定商取引に関する法律について

当社グループが提供する対面式の結婚相手紹介サービスは多くの場合「特定商取引に関する法律(以下、「特定商取引法」という。)」が規定する「特定継続的役務」に該当するため、当社グループは、契約の相手方に事前に契約の概要について記載した書面を交付し、また、契約後遅滞なく契約の内容を明らかにする書面を交付するほか、クーリング・オフへの対応などを実施し、特定商取引法の遵守に努めております。

また、婚活サイトなどにおけるインターネットを介したサービス提供は特定商取引法が規定する「通信販売」に該当するため、当社グループは、かかるサービスの提供に係る広告などにおいて法定の事項を表示し、特定商取引法の遵守に努めております。

しかしながら、上記の対応を以てしても、今後、不測の事態などにより、万が一、特定商取引法の規定に抵触しているとして当社グループが何らかの法的責任を問われた場合、また、今後、特定商取引法の改正、解釈の変更、新たな規制法令の制定などが行われ、かかる変化に迅速に対応できない、又は対応に要するコストが過大となるなどの事態に至った場合には、当社グループのサービスの信頼性やブランドが毀損され、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 婚活サイトに係る法的規制について

「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(以下、「出会い系サイト規制法」という。)」は、出会い系サイトの特殊性に鑑み、出会い系サイトの利用に起因する買春その他の犯罪から児童を保護し、以て児童の健全な育成に資することを目的として、出会い系サイト事業者に届出、サイト利用者が児童でないことの確認、禁止誘引行為に係る書き込みの削除などの義務を課しております。

当社グループが運営する婚活サイトのうち、「ブライダルネット」「youbride」については、出会い系サイト規制法の規制を受けるものであります。当社グループは、上記サービスはもちろん、その他のサービスにおいても当該法令規制を遵守し運営に当たっております。

しかしながら、今後、不測の事態などにより、万が一、出会い系サイト規制法の規定に抵触しているとして当社グループが何らかの法的責任を問われた場合、また、今後、出会い系サイト規制法の改正、解釈の変更、新たな規制法令の制定などが行われ、かかる変化に迅速に対応できない、又は対応に要するコストが過大となるなどの事態に至った場合には、当社グループのサービスが制約を受け、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 不当景品類及び不当表示防止法、並びに広告等に係るその他の法的規制等について

当社グループは、自らのサービスの広告宣伝及び販売促進活動ならびに一部の事業(ライフデザイン事業)における広告などの取り扱いについて「不当景品類及び不当表示防止法(以下、「景表法」という。)」に基づく規制を受けているため、「広告掲載及び自社サイト表示基準」を制定し、その基準に沿って広告などの制作及び校閲、校正を実施し、景表法の遵守に努めております。

また、当社グループは美容などに係る広告などの掲載依頼を受注する場合があり、これらについては前出の景表法に加え、直接的又は間接的に「薬事法」や「医療法」等の規制を受ける場合があること、更にかかる法的規制以外にも、当社グループが取り扱う広告などの方法や内容などについては、広告主、当社グループともに各業界団体の自主ルールに規制される場合があることから、かかる自主規制の遵守にも努めております。

しかしながら、今後、不測の事態などにより、万が一、景表法を始めとする上記の法的規制や自主規制に抵触しているとして当社グループが何らかの法的責任を問われた場合、また、今後、上記の法的規制や自主規制の改正、解釈の変更、新たな法的規制や自主規制の制定などが行われ、かかる変化に迅速に対応できない、又は対応に要するコストが過大となるなどの事態に至った場合には、当社グループのサービスの信頼性やブランドが毀損され、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 不動産業に係る法的規制について

連結子会社であるIBJファイナンシャルアドバイザリー株式会社は、宅地建物取引業法に定める免許を受けた不動産代理店であります。宅地建物取引業法に違反した場合には、免許の取り消し、業務停止などの行政処分が行われる可能性があります。そのため、関係法令が求める水準の管理体制を整備しており、コンプライアンスを重視した不動産募集を行っております。現時点でIBJファイナンシャルアドバイザリー株式会社は、不動産業法に定める免許の取り消し又は業務停止処分に抵触する事由に該当する事実はないと認識しておりますが、何らかの理由で免許の取り消しや業務停止処分を受けた場合には、当社グループのサービスの信頼性やブランドが毀損され、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 保険業に係る法的規制について

当社は、保険業法に定める代理店登録を受けた保険代理店であります。保険業法に違反した場合には、代理店登録の取り消し、業務停止などの行政処分が行われる可能性があります。そのため、関係法令が求める水準の管理体制を整備しており、コンプライアンスを重視した保険募集を行っております。現時点で保険業法に定める登録の取り消し又は業務停止処分に抵触する事由に該当する事実はないと認識しておりますが、何らかの理由で登録の取り消しや業務停止処分を受けた場合には、当社グループのサービスの信頼性やブランドが毀損され、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 人材紹介事業に係る法的規制について

連結子会社である株式会社K Village Tokyoは職業安定法に定める有料職業紹介事業を営んでおります。当該法令に違反した場合には、許可の取消し、業務停止命令などの処分を受けるリスクがあります。そのため、関係法令が定める水準の管理体制を整備し、人材の紹介を行っております。現時点で株式会社K Village Tokyoが、関係法令に定める許可の取り消し又は業務停止命令に抵触する事由に該当する事実はないと認識しておりますが、何らかの理由で許可の取り消しや業務停止処分を受けた場合には、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ その他の法的規制について

当社グループが営む事業の推進にインターネットメディアは欠かせないものとなっていることから、インターネットに関連する法的規制の遵守は当社グループにおける経営上の重要課題の1つであり、当社グループは、当社グループの事業に関連するインターネット関連の主な法的規制である「電気通信事業法」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」並びに「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の遵守に努めております。

当社グループの提供するサービスは主に一般消費者を対象としていることから、サービス提供契約について「消費者契約法」の適用を受けます。当社グループは、「消費者契約法」の精神に則り、契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、契約の勧誘にあたり消費者の理解を深めるために必要な情報を提供するよう努めております。

上記の他、当社グループが営む「IBJ(旧:日本結婚相談所連盟)」の提供については、「独占禁止法」の適用を受けます。当社グループは、「独占禁止法」の遵守をはじめとするコンプライアンスの徹底をより一層強化し努めております。

しかしながら、今後、不測の事態などにより、万が一、上記の法的規制に抵触しているとして当社グループが何らかの法的責任を問われた場合、また、今後、上記の法的規制の改正、解釈の変更、新たな規制法令の制定などが行われ、かかる変化に迅速に対応できない、又は対応に要するコストが過大となるなどの事態に至った場合には、当社グループのサービスの信頼性やブランドが毀損され、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 趣味・コミュニティ事業について

連結子会社株式会社K Village Tokyoは、韓国語の語学教室事業を営んでおります。日本国内での事業展開ではあるものの、講師の多くは韓国出身であるなど、韓国との結びつきが強くなっております。韓国と日本との法規制や慣習などの違い、政策変更、経済情勢や為替相場の変動、テロ、戦争などの発生などによるカントリーリスクが、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 保険代理店事業について

当社は、保険代理店業を営んでおります。売上の大半が保険契約に係る保険代理店手数料であることから、新規保険契約の減少・解約などにより保有契約件数が当初の目標に未達となった場合には、売上が減少する可能性があります。また、保険代理店手数料は、取引保険会社の営業政策に左右されることから、取引保険会社の業績が悪化した場合にも、当社グループの事業、業績又は財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 住まい・住宅ローン事業について

連結子会社であるIBJファイナンシャルアドバイザリー株式会社は、住まい・住宅ローン事業を営んでおります。入居率の悪化や家賃相場の下落により売上が減少する可能性があります。また、不動産を取得する為の資金調達により、一時的に有利子負債が増加し、流動比率が低下することがあります。現時点においては、当社グループの経営を圧迫するには至っておりませんが、今後の金利水準及び営業キャッシュ・フローの推移により、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

2.事業内容に関するリスクについて

(1) 知的財産権に係る方針について

当社グループは、当社グループが営む事業に関連する知的財産権の確保に努め、また第三者に帰属する知的財産権を侵害しないよう十分に留意しております。

しかしながら、今後、当社グループが営む事業分野において当社グループによる知的財産権の確保に先駆けて第三者の権利が成立したり、当社グループが認識していない第三者に帰属する知的財産権が既に成立している場合、また、今後、知的財産権関連法令の改正、解釈の変更、新たな規制法令の制定などが行われ、第三者に帰属する知的財産権に係る侵害リスクへの対応に関連してかかる変化に迅速に対応できない、又は対応に要するコストが過大となるなどの事態に至った場合には、当社グループのサービスの信頼性やブランドが毀損され、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 個人情報等を含む情報資産の管理について

当社グループは、サービス利用者などの登録情報など、個人情報を取得し、利用していることから、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての規制を受けております。

そこで、当社グループは、個人情報の外部漏洩、改竄などの防止のため、個人情報の厳正な管理を事業運営上の重要課題と位置付け、個人情報保護に関する各種規程を定めて運用するとともに、JISQ15001(個人情報保護マネジメントシステム)に基づいて、当社グループのサービス利用者、役員、従業員及び取引先等に係る個人情報を含む法人基本情報等(以下、「個人情報等」という。)、並びにすべての重要な業務管理情報に係る厳正な管理及び漏洩防止手続きを実施しております。

また、当社グループ内はもちろんのこと、取引先などの社外の関係先においても、扱う情報に応じて機密保持に係る誓約書などを個別に徴求し、これらの情報資産の保護、ならびに漏洩の未然防止に努めるとともに、当社グループの婚活サイトや情報提供サイト上にプライバシーポリシーを掲出し、各種サービス利用者に対しても個人情報保護に係る取り組みを明示しております。

しかしながら、かかる対策を以てしても個人情報などを含むすべての重要な業務管理情報に係る社外漏洩を防止できず、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求の対象となる可能性があります。また、当社グループの情報管理体制に係る否定的な風評が発生し、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業拡大に伴う継続的な設備投資について

当社グループは、今後のサービス利用者数の増加に備え、システムインフラや営業拠点の新設、改修などに係る設備投資を計画し、継続的に実行していく予定であります。

なお、今後、サービス利用者数又は婚活サイトや各種の情報提供サイトなどへのアクセス数が当社グループの計画を上回るペースで急激に増加した場合、設備投資の時期、内容、規模などについて変更せざるを得なくなる可能性があり、かかる事態が生じた場合には、設備投資額や減価償却負担について当初の計画額を上回ることも想定され、かかる場合には、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4) サービス利用料金の決済について

当社グループは、提供するサービスに係る利用料金について、クレジットカード決済をサービス利用者に対して推奨しており、一部の決済代行会社に売掛金残高が集中する傾向があります。

したがって、相手先のシステム不良など、何らかの事情によりサービス利用料金の決済に支障が生じた場合などには、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 事業拡大について

当社は、「婚活事業をメインとした総合ライフデザインカンパニー」としての認知を広めるために、既存事業の強化及び今後ライフデザイン事業領域への拡大が将来において既存事業との相乗効果で業績に貢献するものと考えており、ライフデザイン事業の強化を目的として、引き続き投資を行う予定ですが、かかる投資が期待されるリターンをもたらすという保証はありません。

当社グループは、趣味・コミュニティ事業の株式会社K Village Tokyo、直営店事業の株式会社サンマリエ、株式会社ZWEIなどの株式取得をはじめとして、事業の拡大に向け、積極的に外部の経営資源を獲得してまいりました。当社グループは、事業の拡大のために、他企業の買収、他企業への出資、他企業との提携及び協力体制構築などの検討を行い、その結果、将来の当社グループの業績に貢献すると判断した場合には、これらを実行することもあり得ます。

しかしながら、異なる地理的又は文化的背景により営業、人員、技術及び組織の統合ができない場合、買収又は提携した事業におけるサービスに対する継続的な需要を維持し、又は、かかるサービスを提供することができない場合や現在行われている事業を継続することができない場合、買収した事業における優秀な人財を保持し、又は、従業員の士気を維持することができない場合、当社グループの内部統制体制を買収した事業に適用することができない場合、効果的なブランド及び事業ポートフォリオを構築することができない場合、異なるサービスにおける販売及び市場戦略の連携ができない場合、ならびに、現在行われている事業から経営者の注意が分散される場合などにより、当社グループの期待する成果が得られない場合、又は、想定しなかった重大な問題点が買収後に発見された場合などには、当社グループの事業、業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、株式取得に伴い、相当額ののれんを連結貸借対照表に計上しており、当連結会計年度末現在、のれんの金額は、連結総資産の8.4%を占めております。当社グループは、当該のれんにつきまして、それぞれの事業価値及び事業統合による将来のシナジー効果が発揮された結果得られる将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、事業環境や競合状況の変化などにより期待する成果が得られないと判断された場合、減損損失が発生し、当社グループの事業、業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 賃貸用不動産に関するリスクについて

賃貸住宅需要は景気の動向やそれに伴う雇用環境等に影響を受けやすく、景気の後退やマンションの供給過剰等により、不動産市況が停滞あるいは下落した場合、賃貸住宅用不動産の入居率又は賃料水準が低下することが考えられます。この場合、当社グループが所有する賃貸用不動産の収益においては、地価動向等に伴い不動産価格が下落し、自社保有資産の価値が低下したり家賃収入が減少する等、当社グループの事業、業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 営業投資有価証券及び投資有価証券の減損リスクについて

当社グループでは、営業投資有価証券及び投資有価証券を保有しております。営業投資有価証券及び投資有価証券の評価は発行会社の財政状態や経営成績などに依存しており、当社グループでは投資先の経営状態を把握できる様に情報収集を行い、事前にリスクの軽減に努めております。今後実質価額が低下した場合、減損損失の計上により当社グループの事業、業績又は財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3.その他のリスクについて

(1) 財務報告に係る内部統制の構築等に関するリスク

当社グループは、東京証券取引所プライム市場上場企業であり、金融商品取引法において、当社グループ経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価及び経営者評価に対する監査法人の意見を内部統制報告書及び内部統制監査報告書により報告することが求められております。

当社グループは、上記に従い財務報告に係る内部統制の構築を行っており、評価の過程で発見された問題点は速やかに改善するべく努力しております。しかしながら、改善が間に合わない場合や事業拡大に伴う買収などで当社グループに必要とされる内部統制が構築できない場合、当社グループの財務報告の信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループでは、役員及び従業員に対するインセンティブを目的として、当社の新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。また、今後におきましても、役員及び従業員に対してインセンティブとしてストック・オプションを付与する可能性があります。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

 

(3) 人材の確保と育成について

当社グループは、人材こそが最高の財産であると考えており、当社グループの事業成長を継続させるため、直接人員と間接人員の別を問わず、関連する技術又は技能を有する人材を今後も着実に確保及び育成していく方針であります。

しかしながら、これらの人材の確保及び育成が質量両面において事業の成長スピードに追いつかない場合、又は当社グループの役職員が社外流出した場合には、当社グループの事業、業績又は財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 訴訟等について

当社グループにおいて、現在係争中の業績に重要な影響を及ぼす訴訟等はありませんが、事業遂行の過程において当社グループ会員や取引先などその他の関係者から、訴訟を提起される可能性があります。訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自然災害及び有事に関するリスク

地震、台風、降雪をはじめとする自然災害、火災、停電、戦争、テロ攻撃及び国際紛争などが発生した場合、当社グループの事業運営及び業績に重大な悪影響を与える可能性があります。

自然災害による一定の影響は見込んでおりますが、多くの利用者が見込まれる営業日の悪天候は利用者数減少の要因となります。

また、これらの自然災害又は有事などにより、当社グループのITシステムに障害などが生じた場合、インターネット関連サービスの提供が困難となり、当社グループのユーザー及びクライアントの満足度が低下し、当社グループの業績、事業運営及び社会的信用に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 各種感染症に係るリスク

各種感染症のまん延に伴う長期的な経済活動の停滞や外出制限の長期化等により、会員活動が制限され、当社グループ収益の停滞や減少の影響が生じる可能性があります。また、当社グループの従業員に感染が拡大した場合、営業活動への制限が生じる可能性があります。

当社グループは、各種感染症に関する情報収集や感染拡大に伴う経済活動への影響を引き続き注視するとともに、各種感染症の影響を最小限に留めるための対応を継続的に行い、想定外のリスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築を図ってまいります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済状況は、企業収益や個人消費・インバウンド需要の改善を背景に、穏やかな回復基調で推移しました。また、海外経済においては、不安定な国際情勢による地政学リスクや中国景気の減速懸念に加え、欧米各国の金融引き締め長期化観測から、先行き不透明な状況が続きました。

このような状況のもと、中期経営計画(2021年1月~2027年12月)については、約2年半にわたるコロナ禍の影響を少なからず受けており、加盟店数や会員数の不足、マッチングアプリとのバッティングによるイベントの低迷を受け、「成婚組数2万組」「加盟相談所数7千社」「お見合い会員数17.3万人」「マッチング会員数25万人」へ修正いたしました。なお、成婚数の純増トレンドは変わらず、加盟店数、会員数の純増も引き続き継続する見込みです。修正中期経営計画に向けては、以下の3つの施策でプラットフォームを強化することで、引き続き業容の拡大に努めて参ります。


当連結会計年度の売上高は17,649,498千円(前年同期比19.9%増)、営業利益は2,230,827千円(同11.9%増)、経常利益は2,292,344千円(同11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,629,463千円(同9.1%増)となり、IBJ個別での当事業年度の業績は、売上高は7,523,124千円(前年同期比7.0%増)、営業利益は1,481,844千円(同7.2%増)、経常利益は1,616,334千円(同10.6%減)、当期純利益は1,326,713千円(同3.3%減)となりました。

 


 

各セグメントの売上高及び事業利益は以下のとおりであります。

事業利益は、営業利益+減価償却費+のれん償却費+長期前払費用償却費としております(内部取引調整済み)。

 

(加盟店事業)

加盟店事業は、当連結会計年度において、株式会社オーネットと、会員基盤の拡大及び成婚者数の増加を図ることを目的に資本提携を伴う戦略的な業務提携契約を締結しました。

この提携は、IBJグループ全体のお見合い件数、成婚数、会員基盤の拡大への寄与はもとより、IBJ加盟店のお見合いの促進、加盟店の収益機会への大幅な拡大、IBJ加盟相談所数の伸長、市場全体の活性化、地方創生にも寄与するものです。

また、結婚相談所数は右肩上がりで順調に推移しており、七十七銀行を始めとする地銀との提携(17例目)をはじめ、法人開業の機運は様々な業界に広がりを見せております。

これらの理由により、セグメント売上高は2,973,730千円(前年同期比7.5%増)、事業利益は1,827,083千円(同8.9%増)となりました。

 

(直営店事業)

直営店事業は、当連結会計年度において、入会者数が19,401名(前年同期比3.6%増)、お見合い件数が295,627件(前年同期比11.2%増)となり、いずれも増加しました。主な増加要因としては、直営3ブランド(IBJメンバーズ、ZWEI、サンマリエ)による積極的なノウハウの共有と、カウンセラーによる活動を促す手厚いサポートの相乗効果によるものです。

これらの理由により、セグメント売上高は8,379,771千円(前年同期比5.4%増)、事業利益は1,850,892千円(同4.4%減)となりました。

 

(マッチング事業)

マッチング事業は、20~30代の参加者数の増加を狙い、年代に応じたプライシングの最適化を実施しております。

また「恋愛リアリティショー」を配信しており、従来の顕在層に加え、潜在層へ向けた企画にも注力し、さらにアプリのUI・UX向上策、高品質なサービスの認知を高めることで、これから婚活を始める20~30代の「相談所入会予備軍」を囲い込み、相談所入会者数の増加を図りました。

その結果、当連結会計年度においてマッチング数が437,594件(前年同期比57.5%増)と高水準で推移しました。

なお、マッチング事業に含まれておりました株式会社Diverseを2022年第2四半期連結会計期間において、連結除外した影響により、セグメント売上高は減少しております。

これらの理由により、当連結会計年度において、セグメント売上高は1,838,423千円(前年同期比29.6%減)、事業利益は335,422千円(同31.0%増)となりました。

 

(ライフデザイン事業)

ライフデザイン事業は、当連結会計年度において、結婚相談所事業の成婚組数増加に伴い、指輪の成約件数は3,354件(前年同期比9.8%増)、保険の面談件数は1,843件(同45.3%増)と各KPIが好調に推移、結婚相談所事業からの送客を基盤として、安定的に収益を確保することができております。

住まい事業については、新婚向けの物件を増やし(当連結会計年度末の保有物件数52件、前年同期比173.7%増)、受け入れ強化を図ることで、さらなる収益拡大へ向けた取り組みを実施しております。

また、趣味・コミュニティ事業においては、韓国語教室やボイトレスクールを運営する株式会社K Village TokyoはK-POPブームを発端としたボイストレーニングやダンス需要を捉え、各教室生徒数が韓国語教室12,643名、ボイトレスクール2,053名と校舎数の増加に伴い順調に増加しております。

この結果、セグメント売上高は4,457,574千円(前年同期比220.0%増)、事業利益は509,881千円(同260.8%増)となりました。

 


 


 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて964,840千円増加(前年同期は521,607千円の減少)し、4,805,205千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりです。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動により得られた資金は、3,517,856千円(前連結会計年度に得られた資金は2,140,377千円)でした。

主な増加要因は、税金等調整前当期純利益2,361,882千円、減価償却費419,169千円、のれん償却費267,121千円、投資有価証券評価損180,609千円、減損損失102,334千円、棚卸資産の減少額851,626千円、仕入債務の増加額243,549千円、未払金及び未払費用の増加額139,440千円などです。主な減少要因は、投資有価証券売却益379,773千円、法人税等の支払額663,653千円などです。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、4,165,709千円(前連結会計年度に使用した資金は1,935,780千円)でした。

主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入535,775千円などです。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出1,621,300千円、無形固定資産の取得による支出881,125千円、投資有価証券の取得による支出1,991,358千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出112,104千円、敷金及び保証金の差入による支出132,580千円などです。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動により得られた資金は、1,608,796千円(前連結会計年度に使用した資金は731,008千円)でした。主な増加要因は、短期借入れによる収入2,745,817千円、長期借入れによる収入1,093,290千円などです。主な減少要因は、短期借入金の返済による支出450,000千円、長期借入金の返済による支出513,800千円、自己株式の取得による支出1,093,966千円、配当金の支払額241,468千円などです。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

ロ.受注実績

当社グループが営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。

ハ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2023年1月1日

至 2023年12月31日)

販売高(千円)

前期比(%)

加盟店事業

2,973,730

7.5%

直営店事業

8,379,771

5.4%

マッチング事業

1,838,423

△29.6%

ライフデザイン事業

4,457,574

220.0%

合計

17,649,498

19.9%

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える経営者の判断に基づく見積りや判断が必要となります。この判断及び見積りに関しては過去の実績や状況を勘案し合理的に行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要な会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.経営成績の分析

経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

ロ.財政状態の分析

財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

ハ.キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

ニ.資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの運転資金需要の内、主なものは、人件費、広告宣伝費などの販売費及び一般管理費などの営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、M&Aなどによるものであります。

当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持ならびに健全な財政状態を常にめざし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出を最優先事項と考えております。

手元流動性につきましては、通常運転資金の3か月分を目安として確保することとしており、当連結会計年度末の現金及び預金の残高は3,789,025千円であり、十分に確保している状況であることから、健全な財務状況と認識しております。

また、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、M&Aの資金については、事業運営上適切と思われる借入期間にて調達しております。

なお、当連結会計年度末における長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)の残高は2,501,276千円であります。また、当連結会計年度末において、金融機関との間で合計6,910,000千円の当座貸越契約等を締結しております(借入実行残高2,866,817千円、借入未実行残高4,043,182千円)。

 

ホ.中期経営計画(2021年-2027年)及び2024年12月期の連結業績予想について

2021年2月10日に開示した中期経営計画(2021年-2027年)では、収益はもちろんのこと、事業価値を高めるために、より重要な経営指標は何かを議論し策定した計画となっておりましたが、約2年半にわたるコロナ禍の影響を少なからず受けており、加盟店数や会員数の不足、マッチングアプリとのバッティングによるイベントの低迷を受け、「成婚組数2万組」「加盟相談所数7千社」「お見合い会員数17.3万人」「マッチング会員数25万人」へ修正いたしました。なお、成婚数の純増トレンドは変わらず、加盟店数、会員数の純増も引き続き継続する見込みです。修正中期経営計画に向けては、引き続き業容の拡大に努めて参ります。

 

実績

(2023年)

フェーズ1

(2021年-2024年)

フェーズ2

(2025年-2027年)

成婚組数

12,527組

15,136組

20,000組

加盟相談所数

4,125社

4,600社

7,000社

お見合い会員数

9.4万人

13.9万人

17.3万人

マッチング会員数

20.4万人

22.3万人

25.0万人

 

2024年12月期の連結業績予想については、売上高18,200,854千円(当連結会計年度比3.1%増)、営業利益2,323,963千円(同4.2%増)、経常利益2,303,313千円(同0.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,529,031円(同6.2%減)となっております。

 

 

ヘ.経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループ経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針の立案及びその実施に努めており、流動的な市場環境においても継続的に利益を確保するために、工夫と創造や、変革と挑戦に取り組む姿勢を全社的に持ち、顧客満足度及び社会貢献度の高いサービスを提供し続けることが重要と認識しております。

取り組むべき課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(資本業務提携契約締結)

(株式会社ノバレーゼ)

当社は、2023年5月26日付取締役会の書面決議にて、ポラリス・キャピタル・グループ株式会社が運営するファンドの子会社で婚礼プロデュース等のブライダル事業を主力事業として展開する株式会社ノバレーゼ(以下「ノバレーゼ」)と資本業務提携契約を締結いたしました。

 

(1)業務提携の理由

当社は、「ご縁がある皆様を幸せにする」という経営理念に基づき、結婚カップルを生み出すことで日本の社会問題である人口減少や少子化問題の解決を目指しております。中期経営計画(2021-2027年)達成に向けて、婚活の周辺にある潜在的な商流を捉え収益ポイントの拡大を図ることを成長戦略の一つとして掲げています。

その一環として、当社グループから創出した結婚カップルをノバレーゼが運営する婚礼施設へ式場送客する資本業務提携契約を締結することといたしました。

ノバレーゼは、「世の中に元気を与え続ける会社でありたい」という企業理念に基づき、利便性の高い都市部を中心に「上質かつシンプル・モダンなテイスト」を実現する婚礼施設を展開しております。さらにブライダル事業に付随するドレスや引き出物等を内製化することによって、顧客満足度の向上と収益拡大を図っております。

本提携により、両社の持つ知見やノウハウ等の相互シナジーにより収益拡大と企業価値向上に寄与し、当社の中期経営計画実現に向けた事業のさらなる発展に資するものと判断いたしました。

 

(2)業務提携の内容等

①業務提携の内容

当社グループにて創出した成婚カップルにノバレーゼが運営する婚礼施設を紹介します。ノバレーゼは、成婚カップルに対し、式場のご案内から結婚式当日のプランニング、料理や引き出物の選定、当日の運営まで結婚式に関する総合的なプロデュースを行い、洗練されたクオリティの高い結婚式を実現します。

②新たに取得する相手方の株式又は持分の取得価額

当社は、ノバレーゼの株式について取得価額765,000,000円を上限として取得いたしました。

 

(3)業務提携の相手先の概要

名称

株式会社ノバレーゼ

所在地

東京都中央区銀座1-8-14 銀座YOMIKOビル4F

代表者の役職・氏名

代表取締役社長 荻野洋基

事業内容

ブライダル事業(婚礼プロデュース部門・婚礼衣裳部門・レストラン部門)

資本金

100百万円(2022年12月31日現在)

創立年月日

2000年11月1日

大株主及び持株比率

ポラリス第三号投資事業有限責任組合

普通株式 18,798,200株 75.2%

Tiara CG Private Equity Fund 2013,L.P.

普通株式 6,201,800株 24.8%

上場会社と該当会社との間の関係

資本関係

記載すべき該当事項はございません。

人的関係

記載すべき該当事項はございません。

取引関係

記載すべき該当事項はございません。

関連当事者への該当状況

記載すべき該当事項はございません。

当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態

決算年月

2020年12月期

2021年12月期

2022年12月期

親会社の所有者に帰属する持分

5,218百万円

5,587百万円

7,234百万円

連結総資産

33,194百万円

32,626百万円

31,980百万円

1株当たり親会社所有者帰属持分

208円73銭

223円48銭

289円37銭

連結売上収益

7,334百万円

11,191百万円

17,222百万円

連結営業利益(△損失)

△3,941百万円

822百万円

2,775百万円

連結税引前利益(△損失)

△4,326百万円

539百万円

2,485百万円

親会社の所有者に帰属する

当期純利益(△損失)

△2,947百万円

374百万円

1,656百万円

基本的1株当たり

連結当期利益(△損失)

△120円70銭

14円96銭

66円27銭

 

なお、当該会社は、IFRSを採用していることから、連結経常利益に代えて連結税引前利益を記載しております。

 

(株式会社オーネット)

当社は、2023年12月27日付取締役会の書面決議にて、ポラリス・キャピタル・グループ株式会社が運営するファンドの投資先で結婚情報サービス事業を主力事業として全国展開する株式会社オーネット(以下「オーネット」)と資本業務提携契約を締結いたしました。

 

(1)業務提携の理由

当社が運営する結婚相談所ネットワークをオーネットが最大活用することで当社グループのお見合い会員及びオーネットの会員のお見合いを促進し、成婚者数の増加及び会員基盤の拡大を図ることを目的に資本提携を伴う戦略的な業務提携契約を締結することといたしました。

オーネットは、「会員様のご成婚を通じて、人生のパートナー・家族を持つことによって得られる「生きがい」・「笑顔」・「愛しみ」・「尊び」・「感謝」・「信頼」といった気持ちがもっともっとあふれるような社会形成に貢献していきます。」というベーシックポリシーに基づき、結婚相手紹介サービスを開始して43年の高いブランド力と全国39カ所に支社を展開する大手結婚相談所です。さらにオーネットの会員数は2023年1月1日時点で42,859名(※1)、2022年の成婚退会者実績は4,652名(※2)と出会いの数を増やすだけではなく、出会いの質にもこだわったサービスを提供し、顧客満足度の向上と収益拡大を図っております。

本提携により、オーネットが当社の戦略的事業パートナーとなることで、当社の運営する結婚相談所ネットワークがさらに強固となり、両社会員のさらなるお見合いの活性化と成婚者数の増加が期待されます。また両社の持つ知見やノウハウ等の相互シナジーにより収益拡大と企業価値向上に寄与し、当社の中期経営計画実現に向けた事業のさらなる発展に資するものと判断いたしました。

※1  既に会費の支払いが終了した会員、自己都合・交際等により一時的に活動を休止中の会員10,850人を含みます。

※2  2022年1月から12月までの実績。会員同士の成婚退会者とは、会員同士で成婚することとなったとの退会届を提出した会員のことを言い、会員以外の方との婚約・結婚による退会者は含みません。

 

(2)業務提携の内容等

①業務提携の内容

当社が運営する結婚相談所連盟組織「IBJ」にオーネットが加盟することで当社にとって最大の戦略事業パートナーとして協力体制を確立し、全国の独身者の結婚支援を実現します。専任の結婚アドバイザーによる手厚いサポートを通して、結婚にむけた様々なニーズに応え、成婚へ導きます。

②新たに取得した相手方の株式又は持分の取得価額

当社は2023年12月27日にオーネットの種類株式43,050株を取得価格1,030,014,300円で相対取引により取得いたしました。なお、本業務提携によりオーネットとのシナジー効果の業績実績に応じて、種類株式から普通株式へ転換後の議決権比率が17~23%の間で変動する取得請求権を付与されており、普通株式に転換後はオーネットの主要株主となる予定です

 

(3)業務提携の相手先の概要

名称

株式会社オーネット

所在地

東京都中央区晴海一丁目8番12号 晴海アイランド

トリトンスクエア オフィスタワーZ 22階

代表者の役職・氏名

代表取締役社長 梶村徹

事業内容

結婚情報サービス事業

資本金

98百万円(2022年12月現在)

創立年月日

1980年4月5日

大株主及び持株比率

ポラリス第四号投資事業有限責任組合

普通株式 112,448株 47.2%

Tiara CG Private Equity Fund 2017, L.P.

普通株式 55,776株 23.4%

Crown CG Private Equity Fund 2017, L.P.

普通株式 55,776株 23.4%

ジャパン・コインベスト2号投資事業有限責任組合

普通株式 14,000株 5.8%

上場会社と該当会社との間の関係

資本関係

記載すべき該当事項はございません。

人的関係

記載すべき該当事項はございません。

取引関係

記載すべき該当事項はございません。

関連当事者への該当状況

記載すべき該当事項はございません。

当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財政状態

決算年月

2020年12月期

2021年12月期

2022年12月期

親会社の所有者に帰属する持分

9,281百万円

8,887百万円

9,253百万円

連結総資産

33,174百万円

31,958百万円

30,897百万円

1株当たり親会社所有者帰属持分

38,997円77銭

37,341円81銭

38,882円32銭

連結売上収益

8,025百万円

8,306百万円

8,234百万円

連結営業利益

259百万円

213百万円

1,008百万円

連結税引前利益(△損失)

△294百万円

△334百万円

454百万円

親会社の所有者に帰属する

当期純利益(△損失)

3百万円

△394百万円

366百万円

基本的1株当たり

連結当期利益(△損失)

16円37銭

△1,655円95銭

1,540円49銭

 

なお、当該会社は、IFRSを採用していることから、連結経常利益に代えて連結税引前利益を記載しております。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。