文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「私達は、お客様に満足していただける最高の商品とサービスを追求し、情熱を持った行動を通じて、心豊かな生活環境の実現に貢献します。」を経営理念として、当社グループの主力商品である「CSセット」の提供を中心に事業活動を行っております。お客様のニーズに合った商品及びサービスの提供を行うことにより、競争力を一層強化するとともに、株主の皆様、従業員なども含めたステークホルダーの期待に応えることにより、企業価値の最大化を図ることを基本方針としております。
(2)経営戦略等
当社グループは、経営理念に掲げる「心豊かな生活環境の実現」に向けて、介護医療関連事業(CSセット)を展開しておりますが、今後は、将来的な行政施策の変更や法改正、または新規参入業者の出現といった諸々の事業リスクにも適宜・適切に対応していくことが必要不可欠と考えております。
中長期的な経営戦略としては、当面はCSセットの全国シェア拡大に注力してまいります。CSセットの利用者や病院その他関係者が求めるサービスとなるよう改善を継続し、一人でも多くの方にCSセットをご利用頂けるよう営業展開をいたします。また、新たな付加価値の開発も重要な課題です。CSセット利用者の個人情報や病院その他関係者との強固な関係を用いた新規ビジネスへの参入を事業提携・M&Aを含めて推進していきます。また、事業規模の拡大、売上高の増加に伴い、人件費等の費用面が増加しておりますが、システム化を含めた生産性の向上にも取り組んでまいります。
さらに、インドや東南アジア諸国等、著しい経済成長を遂げている新興国における事業展開についても積極的に検討してまいります。
(3)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う各種行動制限が解除され、経済・社会活動が正常化に向けて回復基調で進んだことで景気の緩やかな回復が見られました。その一方で、長期化するウクライナ情勢をはじめとする不安定な世界情勢や円安の進行による、資源・エネルギー価格の高騰を起因とする物価上昇などもあり、依然として、景気の先行き不安感が継続しております。
当社グループが属する医療・介護業界につきましては、2024年1月1日現在、65歳以上人口が3,620万人、総人口の29.2%(総務省統計局人口推計-2024年1月報-)を占めるなど高齢化が確実に進行しており、当社グループに係るサービスの市場規模はますます拡大するものと思われます。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの主力事業であるCSセットは、「衣類、タオル類の洗濯サービス付きレンタルと日常生活用品の提供を組み合わせたサービス」であり、お客様の「困った」を解決し、「笑顔」を届けるサービスです。
当社グループを取り巻く今後の経営環境につきましては、老齢人口の増大に伴い、医療・介護業界の市場規模全体の伸び率が継続的に拡大する方向で推移することが予想されるものの、決して楽観できる状況とは考えておりません。今後の行政施策の変更や法改正が当社グループ事業に多大な影響を及ぼす可能性、また当社グループの業態に類似した新規参入業者の出現など外部環境の変化により、競争が激化することも考えられます。
当社グループといたしましては、そのような外部環境の変化の中にあっても、さらなる事業規模の拡大を推進し、中長期的に企業価値を向上させるべく、第6次中期経営計画において、以下の点に注力していくこととしております。
① 全国的な営業網整備と事業継続対応
当社グループは、2023年11月に釧路営業所を開設いたしました。釧路営業所の開設により、北海道道東エリアにおいて、地域に密着したより細やかで迅速なサービスを提供することができるようになりました。
当社グループは、過年度からの計画的な拠点開設及び大規模支店の二分割化の結果、2023年12月末時点で全国28ヶ所の本支店網となり、これらの本支店から全国の病院及び介護老人保健施設等に対して、CSセットの営業活動を進めております。今後も新たな支店又は営業所を開設し、営業拠点から施設までの距離を短縮し、迅速かつ細やかなサービスを提供するための体制を整備してまいります。
さらに、世界規模で進行する気候変動の影響により、台風や豪雨、豪雪による災害が増えることが予想されます。我が国では、火山列島特有の大規模地震災害のリスクも懸念されます。また、新しい感染症の流行にも備える必要があります。これらの災害リスクやパンデミックによる社会経済活動の事業停滞リスクは、当社グループにとっても重要な事業リスクであります。当社グループは、平時の段階から、情報システム強化、バックオフィス業務の地域分散化及び早期復旧体制の構築等を進めております。また、当社は、自社物流機能の強化及び在庫の備蓄の充実を図るために、2023年10月に物流子会社である株式会社エラン・ロジスティクスを設立しました。
事業リスクが顕在化しても安定的に事業継続を図ることができるよう、今後も、グループ一体となって体制を整備してまいります。
② 物価高騰に伴う価格転嫁及びシステム化の促進による収益性の改善
CSセットは、サービス提供を行う施設ごとに各種の仕様決定を行うオーダーメイドタイプのサービスです。そして、CSセットに対するニーズの多様化に伴い、施設に常駐の受付スタッフを配置することや、日常生活用品の納品業務を外部委託すること等が求められるようになりました。このようなニーズの多様化に伴うコストの増加並びに近年の人件費の上昇及び物価高騰に伴う仕入価格の上昇により、売上原価率が押し上げられる傾向にあります。さらに、CSセット利用者数の増大に伴うバックオフィス業務量の増加及び近年の人件費の上昇により、売上高販管費率が押し上げられる傾向にあります。
このような状況下において、当社グループの中長期的な企業価値の向上のためには、当社オリジナル患者衣「lifte」や環境に配慮した日用生活用品を提供する等、当社サービスの付加価値を高めながら利用者価格への適正な価格転嫁を推進すること及びシステム化の促進による生産性向上を図ることが必要不可欠であると認識しております。利用者価格への適正な価格転嫁を実施するために、利用者、契約者及び施設関係者に対する丁寧な説明を継続し、利用者価格の値上げに対する理解醸成に努めてまいります。また、システム化の促進を継続し、各種オペレーションの生産性を向上させるとともに、医療機関のデジタル化を促進する電子カルテ事業を本格展開していくなど、情報技術を活用した新たなビジネス展開の可能性を探ってまいります。
③ 顧客満足度の向上
当社グループのお客様は、病院の入院患者や介護老人保健施設等の入所者である個人です。このため、当社グループとしては、当該個人の顧客満足度を高めることが重要な課題であると認識しております。
例えば、当社グループでは、定期的にお客様アンケートを実施し、顧客満足度を調査するとともに、顧客満足度を高めるために、顧客対応業務を行っている株式会社エランサービスにおいて、クレジットカード決済等の支払方法の多様化や外国人からの問い合わせに対応した電話対応の多言語化等を実施しております。また、コンタクトセンターの営業時間を拡大するなど、顧客満足度の向上に積極的に取り組んでおります。
当社グループは、引き続き、お客様であるCSセット利用者の顧客満足度の向上に向けた取り組みを推進してまいります。
④ 新事業開発
当社グループの主力事業であるCSセットは、お客様の「困った」を解決し、「笑顔」を届けるサービスであり、継続的に品質の向上に努めてまいりました。
今後は、さらにお客様へ「笑顔」を届けるべく、当社のオリジナル患者衣「lifte」の普及拡大、在宅セットやエランHOTLINE TVを使った新サービスの展開等、付加価値のさらなる向上を図ります。また、お客様の生涯を通して必要なサービスを展開するプラットフォームの開発等、新たな事業領域の創出にも注力いたします。
⑤ 海外展開
当社グループは、これまで、インドのランドリーサービス企業などへの出資を通じて、海外展開の可能性を検討してまいりました。そして、インドに次ぐ二ヵ国目の海外投資として、2024年1月に大手病院向けランドリーサービス事業を行うベトナム企業の子会社化を決定しております。ベトナムは、今後も人口増加及び経済成長が見込まれるとともに、将来的には、平均寿命及び平均年齢の上昇に伴う高齢化が見込まれております。さらに、ベトナムでは、医療機関数及び病床数の増加に加え、医療関連サービスの需要がより一層高まることが予想されます。当社グループは、これらの海外投資を通じて、グローバル展開に向けた取組みを強化し、海外においても当社の主力サービスである「CSセット」の普及拡大を目指してまいります。
⑥ 人材の育成とグローバル人材の登用
当社グループは、従業員の成長なくして企業の成長はなく、当社グループが永続的に成長するためには、従業員の教育、育成による従業員の成長が必要不可欠な重要な課題であると認識しております。先輩従業員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)に加え、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムとしてのメンター制度の確立や中堅・幹部従業員向けの各種研修を行っております。
また、今後は、グローバルに活躍できる社員の育成及び登用が重要と考えております。グローバル人材の積極採用を開始するとともに、計画的にグローバル人材の育成を行い、海外展開を担う次世代リーダーへの登用、多様な人材が活躍できる組織づくりに注力してまいります。
⑦ SDGs・ESGへの対応
当社は、「私達は、お客様に満足していただける最高の商品とサービスを追求し、情熱を持った行動を通じて、心豊かな生活環境の実現に貢献します。」との経営理念のもと、事業活動を通じて社会に貢献することにより、持続可能な社会の実現を目指しております。サステナビリティへの取り組みを重要な経営課題と位置づけ、事業を通じた「社会課題の解決」及び「企業と人の成長」の両立を実現するため、2023年3月に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。同委員会を中心にして、SDGs・ESGに係る諸施策を実施してまいります。
環境面では、当社グループが提供するCSセットの普及拡大を通じて、ご家庭の電気や水の消費量を抑制するなどの環境負荷の低減に貢献します。また、CSセットで提供される商品を環境に優しい日用生活用品に切り替えるなど、環境配慮型の商品構成を検討します。さらに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、気候変動が当社に与える影響などに関して積極的な情報開示に努めてまいります。
社会面では、少子高齢化の進展や単身世帯の増加という社会課題に貢献するCSセットをさらに普及拡大させるとともに、従業員の雇用拡大と成長促進、公的団体を通じた寄付などによる医療・福祉への貢献、障がい者の積極的な採用と継続的な雇用維持、スポーツ・文化振興を通じた地域貢献などに取り組みます。なお、当社は、障がい者雇用の促進と安定を図るため、2023年1月に株式会社エランクルールを設立し、同社が2023年8月に「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく「特例子会社」の認定を受けました。当該認定の取得後は、障がいのある方が多種多様な業務において十分に能力を発揮して働くことができる雇用機会の創出を進めております。
ガバナンス面では、当社グループの取締役会及び経営会議の実効性を高めるとともに、当社グループが事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、環境・社会・経済の各側面から地域社会とともに持続的な発展を実現するサステナビリティ経営を推進してまいります。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高営業利益率及び営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。売上高の増大を図りながら徹底したコスト管理を行い、付加価値の高い商品及びサービスを提供していくとともに、売上債権を確実に回収する体制を構築・維持し、売上高営業利益率の向上及び営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものとなります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループは、事業活動を推進していくことで、より多くの人々、ひいては社会全体に笑顔があふれる状態を目指すことをVisionとしており、ELAN Credoに表現されるカルチャーに支えられた行動が、Visionを実現させる力になると考えております。このVisionの実現のため、医療・ヘルスケア領域における社会の課題を解決していくことをMissionと位置づけ、「私達は、お客様に満足していただける最高の商品とサービスを追求し、情熱を持った行動を通じて心豊かな生活環境の実現に貢献します。」との経営理念のもと、事業活動を通じて社会に貢献したいと考えております。さらに、PurposeやVisionの実現という当社グループの目標と、持続可能性の実現という社会の目標を同時に実現することを目指すために、事業活動の基盤となる環境及び社会の持続可能性を考慮しながら当社グループ事業の成長拡大を追求する「サステナビリティ経営」を推進してまいります。
こうしたことから、当社グループは、2023年3月に「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。
「サステナビリティ委員会」は、代表取締役社長COOが委員長となり、執行役員ならびに次世代を担う幹部社員及び若手社員が、委員や部会メンバーとなって活動しております。
「サステナビリティ委員会」におきましては、委員による定例会を毎月開催し、サステナビリティ経営に関する基本方針の策定、重要なサステナビリティ項目(マテリアリティ)についての議論、各部会の目標設定及び活動計画ならびにその進捗報告及び管理、そして、それらの情報開示に関する審議及び業務指示を行っております。また、必要に応じて経営会議等に対して、業務執行の意思決定に資する報告及び提案を行っております。さらに、四半期に一度、委員会を構成する全部会のメンバーによる会議を開催し、サステナビリティへの取組について社内への浸透を図っております。このように「サステナビリティ委員会」は、重要テーマごとに設置された各部会及び経営会議等の意思決定機関と連携しながら活動しております。
リスク管理としては、「サステナビリティ委員会」が各部会及び推進部署の活動を通じて、当社グループの経営及び事業活動に重大な影響を及ぼすリスクを管理します。部会及び推進部署によって識別されたサステナビリティ関連のリスク及び機会は、「サステナビリティ委員会」にエスカレーションされ、「サステナビリティ委員会」ではその評価、優先順位付けに関する協議を行ったうえで、経営会議や危機管理委員会に情報伝達し、業務執行の意思決定を行います。そして、当該意思決定の内容を部会及び推進部署に伝達し、当該部会及び推進部署が中心となって具体的な対応を進めるとともに、「サステナビリティ委員会」がそれぞれの対応状況をモニタリングします。
「サステナビリティ委員会」の推進体制は、以下のとおりであります。
当社グループは、サステナビリティ経営を推進し、「心豊かな生活環境の実現に貢献する」という目的を果たすため、優先的に取り組むべき重要なサステナビリティ項目(マテリアリティ)を特定しております。マテリアリティの特定にあたっては、まず企業が将来にわたり社会から解決を要請されるであろうと予想される課題を抽出いたしました。次に、抽出した課題の解決に対し当社グループがどれほど貢献できるかという観点から重要度を評価し、経営会議における議論や社外有識者の知見による妥当性の確認を経て、マテリアリティを特定いたしました。
(2)重要なサステナビリティ項目(マテリアリティ)
当社グループにおける重要なサステナビリティ項目(マテリアリティ)は、以下のとおりであります。
①全ての人の健康と福祉の増進をサポートする
入院セット自体が健康と福祉の増進をサポートするものであるため、CSセットの導入施設を増やすことが社会貢献に直結いたします。加えて、国策として入院から在宅へのシフトが進められる中で、在宅で看護や介護を受ける方をサポートするサービスの展開は、入院セットの顧客を日本で一番抱えている当社グループだからこそできることであります。
②安定したサービス提供と環境負荷の低減
マテリアリティ①を実践するためには、激甚災害やパンデミックなど不確実性の高まる世界でも、安定してサービスの提供を継続できる体制が不可欠であります。
さらに、医療機関・介護施設やサプライヤーといった重要取引先との協力体制を構築して、環境負荷の軽減につながる施策を実行し、気候変動リスク低減につなげていきたいと考えております。
③自らそして関わりのある人全てを笑顔にする
私たちのVisionの通り、価値あるビジネスを長く継続するためには、私たちだけでなく関わり合う人全ての笑顔が不可欠です。
④健全かつ持続可能な事業基盤の構築と維持
我が国においても、企業不祥事により、企業の存在意義が問われ、事業継続が困難となる事例が発生しています。当社グループがマテリアリティ①②③を実現するためには、企業不祥事につながるリスクを排除し、健全かつ事業継続可能な事業基盤を構築する必要があります。そのために必ず守らなければならないことを明確にしておくべきと考えております。
取組の進捗を管理する指標及び目標につきましては、当社の統合報告書『ELAN REPORT2023』P.37~38に掲載しております。
(3)人的資本経営に関する取組
当社グループにとって人材は、事業の価値を創出していくうえで何よりも重要かつ不可欠なものであります。CSセット事業を中心とするサービスの品質の向上において継続的な投資を行うことと同様に、国内外問わず、医療・ヘルスケア領域における課題解決に当該事業が永続的に関わっていくサービスであることから、従業員の高いワーク・エンゲージメントが必要であると考えております。
営業職については、新卒採用を中心に増員し事業進捗を図ってきました。営業の「やり方」よりも営業としての「マインド」が重要だと位置づけ、当社グループの文化や哲学、イズムを深く理解したうえで、先輩の行動を手本としながら自己の成長を図り、事業全体の成長を目指してまいりました。この部分は、他社に対する優位性になっていると評価し、さらに加速させたいテーマであります。その一方で、会社の成長に伴って必要となる「法務」や「システム開発」部門などの専門性を有した人材の中途採用が課題となっております。
当社グループには、想いある若手人材が多く在籍しており、価値認識が多様化していますが、その中でも成長実感・就労障害の排除にどのようにアプローチできるかが、ワーク・エンゲージメントの向上の成否を分けるポイントとなると考えております。
①人的資本経営に関するガバナンス
当社グループは、「私達は、お客様に満足していただける最高の商品とサービスを追求し、情熱を持った行動を通じて、心豊かな生活環境の実現に貢献します」という経営理念のもと、持続的な成長と永続的な企業価値向上を目指し、「サステナビリティ委員会」の下部組織である「人的資本経営」部会を中心として、「社員と組織の成長」を推進してまいりました。
同時に、企業価値向上に向けた取組として、「人材価値を最大限に引き出す」「多様性を高める」「働き方改革と女性活躍の推進」「健康経営の推進」「コンプライアンスと倫理」「経営戦略への反映」等の人的資本経営における重要テーマを掲げ施策を進めております。
②企業価値向上のための取組
a. 人材価値を最大限に引き出す
1)人材教育制度・人事制度
人材価値を最大限に引き出すために、先輩従業員から直接指導を受ける実践型の人材教育(OJT)に加え、より短期間で優秀な人材を育成すべく、新卒採用者への教育プログラムとしてのメンター制度の確立や中堅・幹部従業員向けの各種研修を行っております。また、持続的な社員の成長と持続的な組織の成長を目指し、2017年には人事制度の抜本的改革を行い、翌年2018年に新人事制度を取り入れました。従業員の能力や目標の達成度に対して「行動」と「業績」の軸で適正な評価を行い、その内容を踏まえて課題等のフィードバックを行うことにより従業員の成長へと繋げています。このように、従業員へ求める行動や数値目標を明確に提示することで、能力向上や生産性向上に繋がっております。
2)社内表彰制度「エランアワード」
当社グループでは、その年に活躍した従業員を表彰する「エランアワード」を年に一度開催しております。当社グループが大切にする「失敗を恐れずに挑戦する姿勢」を最も体現した社員を表彰する「ベストチャレンジ賞」や、全社員の推薦・投票によってELAN Credoを体現する社員に贈られる「ベストクレド賞」をはじめ、「ベストチーム賞」「新人賞」「ベストマネジメント賞」「社長賞」「MVP賞」など多様な表彰を設けております。従業員の頑張りを讃えることで、更なるモチベーションの向上に繋がっております。
b. 多様性を高める
1)外国人採用の推進
外国籍の登用においては、国内事業のみで事業を推進してきたこともあり、意識が十分ではありませんでした。グローバル化含めてマーケットが拡大する中で多様な思考・能力を有する人材を積極的に採用すること、受け入れる文化を創造することを課題とし、直近では新卒・中途問わず採用を行っております。文化の違いや多様な価値観を持つ人材がお互いを尊重し合い、共に成長する環境を実現しています。
(国内連結会社の状況)
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採用年 |
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
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外国人社員数(人) |
3 |
4 |
5 |
7 |
9 |
2)障がい者アスリートの雇用
2022年、パラリンピック出場を目指すアスリートを採用しました。企業所属アスリートとして競技活動に配慮した雇用契約により、安心して競技に集中できるようサポートしております。また、自社のアスリートの活躍を社内ポータルサイトで全社に共有し、社員一丸となって応援しております。夢の実現に向けて努力し、第一線で活躍する社員が同じ組織に存在することで、他の社員に良い刺激と活気を与えると考えております。
3)特例子会社の設立
障がい者雇用は社会的責務の1つでありますが、当社グループにおける重点取組の1つに位置付けております。法定雇用率は、今春から2.5%、その先2.7%と段階的に増加していくことが予定されておりますが、法定雇用率を遵守するにとどまらず、ヘルスケア業界で事業を展開する会社として障がいをお持ちの方がより良い環境で社会参画できる機会を多く創造するために、2023年8月18日に当社の子会社であるエランクルールが「特例子会社」の認定を受け、同社では12月31日現在において出向者を含めて12名の障がい者がCSセットの院内駐在員業務や物流倉庫内の物品管理業務、カスタマーサポート部門での事務業務に従事しております。今後、病院から院内業務の一部を受託するほか、病院側の障がい者雇用のサポートも視野に入れ、雇用機会の創造に努めてまいります。
c. 働き方改革と女性活躍の推進
1)働き方改革
当社グループは、女性に限らず全従業員が活き活きと働けるよう、2017年より「エラン輝きプロジェクト」を発足し、人事課と協働で労働環境の整備や新たな制度設計を行ってまいりました。
<残業時間>
年間360時間以上残業している従業員を、長時間残業者として継続的に観測しています。各部署の業務見直しと並行して、フレックスタイム制度やテレワーク制度など柔軟な勤務制度を導入し定着させることで、年間360時間以上残業している従業員は、2021年の10.1%から2022年は7.0%に改善されました。
<有給休暇取得率>
年次有給休暇の計画的取得を推進するための施策として2021年に「アニバーサリー休暇制度」を導入して以来、2022年の有給休暇取得率は78.1%と世の中の平均56.6%(厚生労働省「令和3年就労条件総合調査の概況」)を上回る水準で推移しております。その他、2023年には時効消滅してしまう年次有給休暇残日数を積立できる「ストック休暇制度」の導入など、社員のワークライフバランスを推進するための取組を多面的に行っております。
(提出会社の状況)
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2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
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有給休暇取得率 |
74.9% |
78.1% |
71.6% |
80.0% |
85.0% |
<育休取得率>
男性の育児参加を推奨する経営者メッセージの発信をはじめ、育児・介護休業法改正時には法改正のポイント解説資料の全社周知、男性社員の育児レポートのポータル掲載など、プロジェクト主導で男性が育児休暇を取りやすい環境作りに努めております。
(提出会社の状況)
|
|
2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
|
育休取得率 |
68.8% |
60.0% |
75.0% |
80.0% |
85.0% |
|
男性育休取得率 |
44.4% |
41.2% |
50.0% |
55.0% |
60.0% |
2)女性活躍推進
提出会社においては女性活躍推進法に基づく行動計画を実行しています。
<行動計画>
|
目的:従業員のライフステージに柔軟に対応し、従業員が会社と共に成長し、活き活きと働ける雇用環境の実現 |
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2023年12月期 目標 |
2023年12月期 実績 |
2024年12月期 目標 |
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1 |
時間外労働月平均28時間以下を達成する |
18時間49分 |
20時間 |
|
2 |
有給休暇取得率50%以上を達成する |
78.3% |
80.0% |
|
3 |
ライフイベントに伴う離職を防ぐための施策として年6回交流イベントの開催等を行う |
6回開催 |
6回開催 |
|
4 |
女性管理職比率10%以上を維持し続ける |
10.2%(役員除く) |
12.5%(役員を除く) |
※ 出向者を含んでおります。
<実施策>
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キャリア形成支援 |
・男女問わず勤務地を考慮してキャリアを選択するエリア制度 |
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男女格差の解消 |
・男性育児休暇取得の啓蒙活動 (トップメッセージ発信・パパ会開催・すくすく子育てレポート) |
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働き方改革の継続実施 |
・フレックス制度、テレワーク制度等柔軟な勤務制度 |
|
離職防止 |
・子育てサロンの開催 ・育児短時間勤務制度※1 ・ライフサポート短時間勤務制度※2 |
※1 育児短時間勤務制度
出産や育児、子育て中の従業員が復帰活躍できるように、育児短時間勤務制度は子が小学校就学開始まで可能。給与減額を補填する「育児応援手当」の支給を充実させております。その結果、離職率(定年退職者は除く)は11.9%と、世の中の平均13.9%(厚生労働省「令和3年雇用労働調査の結果の概要」より)を下回る水準で推移しております。
※2 ライフサポート短時間勤務制度
育児短時間勤務制度を中学校就業開始まで適用可能とした制度。
<女性管理職比率・男女間賃金格差>
新卒で入社して管理職となるまでの期間に男女差は無く、女性の登用は高まってきているものの、一般的に言われる結婚・出産・育児というライフイベントが障害とならない制度の整備が急務です。男女間賃金格差においても、制度上の賃金制度における男女差はありませんが、内閣府が発表する令和3(2021)年の男性一般労働者の給与水準を100としたときの女性一般労働者の給与水準75.2を下回っており、こちらも並行して検討が必要だと認識しております。
(連結会社の状況)
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2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
|
女性管理職比率 |
9.9% |
20.0% |
25.0% |
(連結会社の状況)
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男女間賃金格差 (男性の賃金に対する女性の賃金の割合) |
2023年12月期 |
補足説明 |
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全労働者 |
37.3% |
正社員の賃金に対するパート・有期社員の賃金の割合は26.7%であり、パート・有期社員の96.7%が女性であるため、全労働者の男性の賃金に対する女性の賃金は37.3%となっております。 |
|
正社員 |
71.3% |
正社員の賃金格差については管理監督者の男女比率によるものであり、同一給与号棒、役職であれば賃金格差はありません。 |
|
パート・有期社員 |
90.0% |
パート・有期社員の賃金格差については、勤務の種類の違いによる総労働時間の差異によるものです。 |
d. 健康経営の推進
当社グループは、企業が健全であるためには、従業員一人ひとりが心身ともに健康であることが重要だと考え、積極的に従業員の健康管理を推進してまいりました。また、従業員の健康管理の一環として定期的にストレスチェックを行い健康状態の把握に努めております。
<定期健康診断受診率>
(提出会社の状況)
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2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
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定期健康診断受診率 |
91.0% |
100.0% |
100.0% |
100.0% |
100.0% |
※集計期間については、各年度4月1日~翌3月31日となります。
e. コンプライアンスと倫理
当社はコンプライアンス違反を法令、社会規範、企業倫理の包括的な遵守と認識し、従業員の教育を継続的に行っております。
2022年以前は、全社的な基礎の定着を優先し、平易な内容での毎月の教育を実施しておりましたが、未受講者の存在(2022年未受講のべ12名)や、実務レベルに届かない教育内容への問題意識から、2023年4月にコンプライアンス教育体制を一新しました。
具体的な変更点は以下の通りです。
・役職に応じた階層別の教育内容の設定
立場によって陥りやすいコンプライアンス違反に応じて、eラーニングの内容を変更しております。
・内容を大幅に充実させ、頻度を毎月⇒3カ月に1回に変更
従来はコラムを読み2択の確認テスト5問に回答するのみでしたが、階層別のeラーニング(1時間程度)を受講し4択の修了テスト10問に回答し、合格することを必須としております。
・業務スケジュールを考慮した適切な受講督促の実施
当社はコンプライアンス違反を法令、社会規範、企業倫理の包括的な遵守と認識し、従業員の教育を継続的に行っており、過去に大きなコンプライアンス違反となった事象は生じておりません。
f. 経営戦略への反映
海外事業展開と国内事業の拡充のためにこれまで以上に人材開発が必要となるため、英語やMBAなど経営を担う上で必要な能力開発、高度プロフェッショナル人材の積極採用などを進めてまいります。社員が必要なスキルを認識し、能動的に学びたくなる仕組みづくりや評価制度への組み込みを開始し、新たな人事制度や研修制度を通して個々の人材力の最大化を図っております。また、資格取得を奨励するため技能手当を支給しており、その資格が社内昇格試験の受験資格となるため、スキルアップが評価へ直結する仕組みとなっております。当社の将来を担う社員には、次世代リーダー育成のため社外講師による経営塾やMBA講座の受講を推進し戦略思考や行動変革の意識を持たせる機会を増やしております。
<人材育成研修の内容及び頻度>
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1.研修内容 下図参照 ・社内研修 新卒社員 年次研修:入社時・入社半年・入社1年半・入社2年半 中途社員研修 :入社時・入社後 メンター研修 :着任前・着任後半年 管理職評価者研修 :着任後
・社外研修 幹部育成研修A(マネージャー対象) :随時 幹部育成研修B(部次長対象) :随時
2.研修参加率 64.8% ※グループ正社員数378名に対して研修受講者数245名 ※集計期間 2023年1月1日~2023年12月31日
3.社員一人当たり研修時間平均 25.1時間/年 ※研修受講者数245名に対して研修受講時間累計6,156時間
4.人材育成・開発費用 105,615千円 (2023年12月期)
5.研修以外の人材育成施策 ・eラーニング ・メンター制度 ・昇格試験(日経テスト、小論文、資格試験、eラーニング) |
<受電研修>
当社グループでは、2022年より役職者を対象とした「受電研修」を行っております。
日頃、お客様と直接関わることのない役員をはじめとする管理監督者が、お客様のあるがままの声を聴くことで「私たちの日々の業務の先には必ずお客様の存在がある」ことを意識付けております。当研修により役職者自らが得た気づきを課員へ伝え広め、お客様満足度をより高められるよう、日頃の業務の改善・修正をすることで更なるサービスの向上に努めております。
<人的投資額>
(連結会社の状況)
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2022年12月期 |
2023年12月期 |
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人的投資額 |
86,910千円 |
105,615千円 |
<若手人材の経営参画>
さまざまな価値観を経営に活かすため、若手幹部社員を積極的に役員登用しております。
(連結会社の状況)
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2021年12月期 |
2022年12月期 |
2023年12月期 |
2024年12月期 |
2025年12月期 |
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20~30代の役員数(参画時、グループ会社・執行役員を含む)(人) |
4 |
4 |
6 |
6 |
6 |
<ELAN Credo>
当社グループでは、全ての活動を支えるELAN Credoを定義し、1冊の本にまとめたものを入社時に配布しております。当社グループが大切にしている価値観や行動を明確に提示することで、従業員一人一人が主体性を持って全ての活動に取り組み、MissionやVisionの達成に繋がると考えております。
(4)気候変動に関する取組
国際社会において気候変動問題は、早急な解決が求められる重要な社会課題として認識されており、世界全体で脱炭素化に向けた取組が進められています。日本においても、猛暑日の増加、豪雨被害の頻発等の気候変動の具体的影響が生じており、ESG投資の加速や炭素税の本格的な導入が議論されるなど、気候変動及びその対策が企業経営にもたらす影響は一層増大することが予想されます。
当社グループといたしましては、このような経営環境であることを踏まえ、環境規制や関連法規等の遵守は当然として、気候変動などの環境問題への対応を重要課題として捉え、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言に対して、その取組を推進し、積極的な情報開示に努めてまいります。
①ガバナンス
代表取締役社長COOが委員長を務める「サステナビリティ委員会」の下部組織として、「気候変動(TCFD)部会」を設置しています。
設置初年度の2023年は、月に一度、気候変動部会が進捗状況をサステナビリティ委員会で報告し、代表取締役社長COOが取締役会や経営会議に報告し、審議・決定しております。
②戦略
当社グループでは、商品の仕入・物流配送・サービス提供までのサプライチェーン全体の維持が重要な経営課題であるとの認識のもと、「安定したサービス提供と環境負荷の低減」をマテリアリティとして設定しています。このサプライチェーンの各プロセスにおいて、気候変動に伴う影響を「移行リスク」「物理リスク」に分類し、それぞれのリスクと機会の重要度、及び財務影響を評価しています。
当社グループでは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書のSSPシナリオに基づいて、重要度が高いと判断されたリスクおよび機会の各項目につき、以下の2つの気候関連シナリオに基づき、 IEA(国際エネルギー機関)等の科学的根拠を用いて2030年時点における影響を考察・検討いたしました。
・4℃シナリオ(SSP5-8.5) 化石燃料依存型の発展の下で気候政策を導入しない最大排出量シナリオ
・2℃未満シナリオ(SSP1-2.6) 持続可能な発展の下で気温上昇を2℃未満におさえるシナリオ
シナリオ分析の結果は以下のとおりとなり、2030年時点では物理リスクはそれほど顕在化しないと見られる一方、炭素価格・各国の炭素排出目標/政策・低炭素技術の普及等が、サプライヤーであるリネン会社や、紙おむつメーカー等に影響することで、当社グループの仕入コストに一定の影響を及ぼすとの結果を得ています。
尚、財務影響の把握は完了しましたが、アクションプランは未策定です。今後の進捗に合わせてアクションプランは適宜開示いたします。
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区分 |
事業インパクト |
財務影響 |
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リスク |
機会 |
4℃ |
2℃ |
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移行リスク |
炭素価格 |
カーボンプライシングの適用により、CSセットに含まれる商品(衣類・タオル類・紙おむつ・日用消耗等)の仕入コストや、配送時の燃料使用に係るコストが増加する。 |
環境性能向上のための投資を優先させたサプライヤーからの仕入や、自社での環境性能向上のための投資により、コストが低下する。 |
- |
中 |
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各国の炭素排出目標/政策 |
プラスチック等の製品・梱包材への規制が各国で導入され、CSセットに含まれるプラスチック製品・紙おむつ等(紙おむつの3割はプラスチック)への対応コストが発生し、支出が増加する。 |
低炭素・非プラスチック製品の活用により医療機関や介護施設等のエシカル志向に沿った製品提供が可能になり、企業価値の向上・収益の増加に寄与する可能性がある。 |
小 |
中 |
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森林吸収源対策に関する政府・伐採税等により木材調達コストが増加し、CSセットに含まれる紙おむつ等木材を原料とする商品の調達原価が増加する。 |
該当なし |
小 |
中 |
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GHG削減義務が強化され、「提携先リネンサプライ工場及び配送車両」「外部委託配送業者や自社の物流施設及び配送車両」などの環境性能向上に係るコストが増加する。 |
大幅に炭素排出量の抑制を実現したサプライヤーが、排出権取引などの仕組みが導入された場合に排出権を売却することが可能となれば、仕入コストが低下する可能性がある。 |
小 |
中 |
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脱炭素化の影響でペーパーレスが進展した結果、CSセット運営に関わる紙の申込書・請求書等の廃止への対応コストが発生し、支出が増加する。 |
デジタルな申込・請求の更なる促進により、紙の帳票類の印刷コストや、個人請求に関わる人件費の削減により、コストが低下する。 |
- |
小 |
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エネルギー価格推移 |
化石燃料・電力価格の高騰により、「提携先リネンサプライ工場及び配送車両」「外部委託配送業者や自社の物流施設及び配送車両」などのコストが増加する。 |
該当なし |
小 |
- |
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低炭素技術の普及 |
低炭素技術・機械や環境対応車両の導入が「提携先リネンサプライ工場及び配送車両」「外部委託配送業者や自社の物流施設及び配送車両」等で実施された場合、コストが増加する。 |
省エネ機器の導入、物流効率化によりエネルギーコストが低下する。また、環境配慮車両の燃費性能向上により配送時の燃料費などのコストが低下する。 |
小 |
中 |
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顧客の評判変化 |
気候変動に対する世評の高まりに対し、適切に対応できない場合、レピュテーションリスクが高まる。 |
気候変動に対する世評の高まりに対し、適切に対応することで、良い評判となり、サービス導入施設や利用顧客が増加する。 |
- |
- |
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投資家の評判変化 |
投資家から環境対策に消極的であると評価された場合、資本調達が行いにくくなり、資本調達コストが増加する。 |
低炭素・環境配慮型の事業に移行し、十分な発信を行った結果、投資家から環境対策に積極的であると評価された場合、ESG投資等資本調達が容易になり、資本調達コストが低下する。 |
- |
- |
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物理リスク |
海面上昇/異常気象の激甚化 |
高潮・高波・大雨等による浸水リスクの増加に伴い、「提携先リネンサプライ工場」の操業停止による供給ストップや、「医療機関・介護施設等」の水害によるサービス提供ストップによって、売上の機会損失が生ずる。 |
該当なし |
小 |
小 |
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平均気温の上昇/降水・気象パターンの変化 |
森林火災・樹木の病害虫等の発生・植生の変化・木材調達地域の変化等により、木材調達コストが増加し、CSセットに含まれる紙おむつ等木材を原料とする商品の調達原価が増加する。 |
該当なし |
小 |
小 |
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平均気温の上昇 |
「提携先リネンサプライ工場及び配送車両」「外部委託配送業者や自社の物流施設及び配送車両」等の冷房に必要なエネルギーコストが増加する。 |
該当なし |
小 |
小 |
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動物由来感染症が拡大することにより、サプライヤーの稼働率が低下し、調達リスクが生ずる。 |
動物由来感染症の拡大に伴う入院患者の増加により、CSセット利用者数が増加し、売上が増加する。 |
小 |
小 |
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降水・気象パターンの変化/異常気象の激甚化 |
大雨・洪水・強風等によって、配送の遅延や事故等が増加し、配送費・人件費・補償費・保険料支払等のコストが増加する。 |
該当なし |
小 |
小 |
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降水・気象パターンの変化 |
干ばつにより「提携先リネンサプライ工場」が操業停止し供給がストップすることで、売上の機会損失が生ずる。 |
該当なし |
小 |
小 |
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異常気象の激甚化 |
異常気象の影響による強靭化のための設備投資コストが増加する。 |
配送および物流センターにおいて、異常気象激甚化の影響に対応することにより、サプライチェーンを維持できる。 |
小 |
小 |
|
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個人請求の入力・請求書発行などの外注先が機能停止する。 |
オンライン決済等の導入により、請求書発行や郵送に係るコストが低下する。 |
小 |
小 |
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営業利益に与える影響度[小:10億円未満 中:10億円~30億円 大:30億円以上]
③リスク管理
当社グループは気候関連問題を、経営上重大な影響を及ぼすリスクとして認識し、リスク管理しています。
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調査 |
識別・評価 |
管理 |
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・年度ごとに大雨による被害(主に施設・リネン工場・物流が停止することによる売上機会の損失)を集計 ・その他、社会動向の調査等 |
・「第6次中期経営ビジョン」や長期的ビジョン達成のための施策から、リスクや機会を洗い出し ・「TCFD部会」にて重要度を評価 |
・代表取締役社長COOを委員長とする「サステナビリティ委員会」にて「TCFD部会」よりリスクの重要度評価の報告を行い、組織全体の総合的リスク管理に統合 |
④指標と目標
(単位:t-CO2)
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実績 |
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2022年12月期 |
2023年12月期 |
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Scope1 |
609 |
651 |
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Scope2 |
314 |
346 |
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Scope3 |
90,039 |
105,645 |
自社によるGHG排出量については、GHGプロトコルに則して、自社による温室効果ガスの直接排出量(Scope1)に、他社から供給された電気などのエネルギー使用に伴う間接排出量(Scope2)を加えたものと定義し、2050年までにScope1、Scope2の排出量実質ゼロを目指します。
環境に配慮したインフラ設備、再生可能エネルギーの導入など全社を挙げてGHG排出量低減活動に取り組んでいきます。
また、当社GHG排出量の約99%を占めるScope3につきましては、サプライヤーへの継続的な働きかけを通じて、GHG排出量低減に努めてまいります。
なお、子会社化を目的として株式譲渡契約を締結したベトナム社会主義共和国のGREEN LAUNDRY JOINT STOCK COMPANY(GREEN社)のGHG排出量は、算定が完了次第、適宜開示いたします。
GREEN社は、ベトナム国内で最多の人口を擁するホーチミン市を中心とする地域において、大手病院向けランドリーサービスを行っている主要企業であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
また、以下の記載は、投資判断に影響を及ぼすすべてのリスクを網羅するものではないことにご留意ください。
(1) 他社との競合について
当社グループが行う介護医療関連事業については、当社グループの株式上場及び業容の拡大等により、サービスとしての認知度が増したことにより、入院セットに対するニーズの高まりとともに、当社グループ同様に入院セットを主たる事業とする他業者のほか、その他病院・介護関連の事業者なども当社グループ同様のサービスを提供することにより、市場が活性化しつつあるものと認識しております。
当社グループは、引き続きCSセットサービス利用者に対する質の向上と、リネンサプライ業者及び日常生活用品等販売業者等との良好な関係を維持・向上することに努めてまいりますが、当社グループに比べ、資本力、知名度、顧客基盤に優れる会社が新規参入する等他社との競合状況が激化した場合には、既存顧客の喪失や収益力の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(2) 商品の安全性について
当社グループでは、CSセットの利用者に対し、寝巻き、タオル等のレンタルや紙おむつや身の回り品の販売を行っております。リネンサプライ業者については、医療関連サービスマーク(注)取得の有無や洗濯工程における衛生面の確認など安全性には十分な配慮をしておりますが、何らかの理由により提供したこれら物品に重大な問題が発生した場合は、当社グループへの損害賠償請求や当社グループに対する信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(注)「一般財団法人医療関連サービス振興会」が、良質な医療関連サービスに対して認定を行っているものです。
(3) 特定の取引先との取引について
タオル類・衣類等の洗濯物やその他消耗品としてCSセットサービスにより提供する物資についてはリネンサプライ業者等から洗濯業務の提供と商品の供給を受けております。CSセットサービスの展開は、既にその病院・介護老人保健施設等において寝具などのリース、洗濯業務を行っている既存のリネンサプライ業者等と提携することを基本としている為、市場シェアの高いリネンサプライ業者等との取引割合が高くなる傾向にあります。これらリネンサプライ業者等とは相互協力関係にあり、良好な関係の維持に努めておりますが、リネンサプライ業者等の事業方針や当社グループとの関係等に変化が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループはCSセットサービスにより提供する消耗品(日常生活用品)の配送、納品作業、在庫管理等の物流業務の一部を、当社グループの運営ノウハウを用いて特定業者へ外部委託しておりますが、当該外部委託先の事業方針や当社グループとの関係等に変化が生じた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 新規導入施設への導入計画が想定どおり進まないことによるリスク
当社グループは、2003年5月のサービス開始以来、病院・介護老人保健施設等を対象にCSセットサービスを提供してまいりました。営業エリアの開拓にあたっては、新規に営業拠点を配置し、当該拠点を中心に新たな施設への提案・導入を行っております。
今後も、当社独自の営業活動のほか、提携しているリネンサプライ業者等との連携等によって、新規の契約施設の獲得に努めていきますが、当社グループにおける人材面・物流面等の問題や提携先との関係変化等が生じた場合、あるいは、感染症等の長期間の流行により病院や介護老人保健施設等に対する営業活動を自粛せざるを得ない場合には、新規導入施設への導入計画が想定どおり進まず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(5) 売上債権の貸倒に関するリスク
当社グループが提供するCSセットの利用者は、病院・介護老人保健施設等に入院、入所する個人です。CSセットの利用代金は、原則として後払いですが、必ずしもその全てが回収できるとは限らず、利用料金の一部について滞留及び貸倒れが発生します。病院・介護老人保健施設等の窓口において利用申込みが行われますが、申込み時に利用者個人の信用能力の調査を行うことや経済力が乏しい個人からの利用申込みをお断りすることは現実的ではなく実施しておりません。また、利用中や退院・退所後に経済状態が悪化されることやお亡くなりになることもあります。
当社グループでは、今後の請求件数の増加に耐えうる債権回収体制を構築し、回収能力を向上するよう努めるとともに、貸倒れによる損失に備えるため、貸倒引当金の計上を行っておりますが、利用者の経済状態の変化や当社グループの債権回収体制構築の遅れ等によって、多額の不良債権が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(6) 各種規制について
当社グループは、病院の入院患者や介護老人保健施設等の入所者に対して医療保険や介護保険制度の対象とならない独自のサービスとしてCSセットを提供しております。当該事業を行うにあたって必要となる許認可、免許、登録、行政指導等はありませんが、サービス提供の場である病院や介護老人保健施設等は、医療法、健康保険法、介護保険法等の法律や厚生労働省等の行政・所管官庁による指導・規制のもと運営されていることから、当社グループにおいても各種規制について特段の注意を払っております。
しかしながら、医療法、健康保険法、介護保険法等の法令の改正や、行政指導の運用の見直し等が行われ、当社グループが何らかの対応を余儀なくされた場合や、これらに対応できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(7) 個人情報の管理について
当社グループは、介護医療関連事業において、利用者の個人情報を入手しており、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務が課せられております。当社グループでは、個人情報の取扱と管理には細心の注意を払い、社内でのルール化やその手続きの明確化・徹底化を図っております。また、2009年3月に、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の発行するプライバシーマークの付与認定を受けております(2023年3月更新)。
しかしながら、個人情報管理に関する全てのリスクを完全に排除することは困難であり、個人情報の漏洩等のトラブルが発生する可能性は否定できず、かかる事態となった場合には、損害賠償請求や信用の低下等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(8) 今後の事業展開について
当社グループは、事業基盤の拡大と収益の安定化を図り、成長を加速させるために、介護医療関連事業で培ったノウハウを活かせる関連・周辺事業への積極展開を推進していく予定です。新規事業展開にあたっては慎重な検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該事業を取り巻く環境の変化等により、当初の計画通りの成果が得られない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(9) 人材の確保と育成について
当社グループが今後事業をさらに拡大し、成長を続けていくためには、優秀な人材の確保が重要課題となっております。こうした人材の確保が計画通りに進まなかった場合、あるいは、人材育成が計画通りに進まず、重要な人材が社外に流出した場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(10) 気候変動に関するリスク
国際社会において気候変動問題は、早急な解決が求められる重要な社会課題として認識されており、世界全体で脱炭素化に向けた取り組みが進められています。日本においても、猛暑日の増加、豪雨被害の頻発等の気候変動の具体的影響が生じており、ESG投資の加速や炭素税の本格的な導入が議論されるなど、気候変動及びその対策が企業経営にもたらす影響は一層増大することが予想されます。
当社グループといたしましては、このような経営環境であることを踏まえ、環境規制や関連法規等の遵守は当然として、気候変動などの環境問題への対応を重要課題として捉え、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に沿った情報開示への取り組みや環境保全、環境負荷低減に努める活動など、リスクの低減に向けた取り組みを開始いたしました。しかし、気候変動は年々深刻さを増しており、将来、気候変動を主因とする不測の事態や環境規制への適応が極めて困難な事象が発生する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(11) 自然災害によるリスク
当社グループは、地震・風水害等の大災害発生に備え、平時の段階から、物流機能の強化及び在庫の備蓄、情報システム強化、バックオフィス業務の地域分散化及び早期復旧体制の構築等を進めております。早期復旧体制の構築に関する具体的な取組みといたしましては、災害発生時の初動対応方針、行動フロー、意思決定及び指示系統のルールを定めるとともに、安否確認システムの導入により、実際の対応時に必要となる情報伝達手段を確立しております。
しかしながら、首都直下型地震や南海トラフ地震等の大規模災害が発生した場合、CSセットサービス導入施設や提携しているリネンサプライ業者等の被災、被災地域における社会インフラの混乱等により、CSセットサービスの提供が長期かつ広範囲にわたり停止し、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a. 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う各種行動制限が解除され、経済・社会活動が正常化に向けて回復基調で進んだことで景気の緩やかな回復が見られました。その一方で、長期化するウクライナ情勢をはじめとする不安定な世界情勢や円安の進行による、資源・エネルギー価格の高騰を起因とする物価上昇などもあり、依然として、景気の先行き不安感が継続しております。
当社グループが属する医療・介護業界につきましては、2024年1月1日現在、65歳以上人口が3,620万人、総人口の29.2%(総務省統計局人口推計-2024年1月報-)を占めるなど高齢化が確実に進行しており、当社グループに係るサービスの市場規模はますます拡大するものと思われます。
こうした環境の中、当社グループは、介護医療関連事業の主力サービスである「CS(ケア・サポート)セット」をより普及・拡大させるために、当連結会計年度に営業を開始した釧路営業所(北海道釧路市)を含めた全国28ヶ所の本支店及び営業所から、営業活動を施設(病院及び介護老人保健施設等)に対して展開してまいりました。
これにより、当社グループにおける当連結会計年度の新規契約の施設数は340施設、契約終了施設数は80施設となり、当連結会計年度末のCSセット導入数は、前連結会計年度末より260施設増加し2,320施設となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は41,425,501千円(前期比14.2%増)、営業利益は3,665,409千円(同8.1%増)、経常利益は3,681,575千円(同7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,518,738千円(同20.9%増)となりました。
b. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、18,993,237千円となり、前連結会計年度末と比べて2,921,087千円増加しました。
このうち、流動資産は15,506,819千円となり、前連結会計年度末と比べて1,431,100千円増加しました。これは主に、現金及び預金が547,460千円減少したものの、売掛金及び契約資産が701,166千円、未収入金が815,814千円、商品が137,048千円、貯蔵品が430,731千円増加したためであります。
一方、固定資産は、3,486,418千円となり、前連結会計年度末と比べて1,489,986千円増加しました。これは主に、投資有価証券が1,434,529千円増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、8,178,874千円となり、前連結会計年度末と比べて1,096,433千円増加しました。このうち、流動負債は8,088,663千円と前連結会計年度末と比べて1,076,772千円の増加となりました。これは主に、買掛金が859,458千円、未払法人税等が129,588円増加したためであります。
固定負債は、90,211千円と前連結会計年度末と比べて19,660千円の増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、10,814,362千円となり、前連結会計年度末に比べて1,824,654千円の増加となりました。自己資本比率は前連結会計年度末から比べて1.0%上昇し、56.9%となりました。
純資産合計の増加は、主に利益剰余金の増加によるものであり、株主に対する配当金の支払い666,589千円が生じたものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上2,518,738千円により利益剰余金が1,852,149千円増加したためであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ547,461千円減少し、5,464,270千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は1,780,782千円(前期比199,339千円の収入増加)となりました。法人税等の支払いで1,098,465千円の資金が減少したものの、年間を通じた営業活動により2,879,179千円の資金が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は1,661,156千円(前期比1,036,643千円の支出増加)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出1,474,870千円、有形固定資産の取得による支出143,240千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は667,086千円(前期比114,128千円の支出増加)となりました。これは主に株主への配当金の支払665,755千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業セグメントは、介護医療関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1)生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
(2)受注実績
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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介護医療関連事業 |
41,425,501 |
114.2 |
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合計 |
41,425,501 |
114.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。
a. 財政状態
(資産・負債)
当社の資産、負債の大部分を占める現金及び預金、売掛金、未収入金、貸倒引当金、買掛金の年度別残高推移は以下のとおりとなっております。
(単位:千円)
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回次 |
第26期 |
第27期 |
第28期 |
第29期 |
第30期 |
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決算年月 |
2019年12月 |
2020年12月 |
2021年12月 |
2022年12月 |
2023年12月 |
|
売掛金 |
2,779,071 |
3,279,413 |
3,891,204 |
4,246,702 |
4,947,868 |
|
未収入金 |
1,697,463 |
1,765,497 |
1,957,416 |
2,858,068 |
3,673,883 |
|
貸倒引当金 |
△431,490 |
△441,059 |
△486,903 |
△478,813 |
△593,924 |
|
小計 |
4,045,043 |
4,603,851 |
5,361,717 |
6,625,957 |
8,027,827 |
|
買掛金 |
3,340,056 |
4,157,946 |
4,868,493 |
5,567,979 |
6,427,437 |
|
差引 |
704,987 |
445,904 |
493,223 |
1,057,978 |
1,600,390 |
|
現金及び預金 |
3,472,071 |
4,497,677 |
5,632,051 |
6,036,023 |
5,488,563 |
|
合計 |
4,177,058 |
4,943,582 |
6,125,275 |
7,094,002 |
7,088,953 |
当社の主力サービスであるCSセットを導入する施設が順調に増加するとともに、利用者数が増加していることを背景に、売掛金、未収入金、買掛金の各期末残高も増加傾向となっております。
当連結会計年度は投資有価証券の取得があり、現金及び預金は減少しておりますが、請求回収業務の運用改善を継続することで、営業キャッシュ・フローは増加傾向にあります。このことから、当社グループのキャッシュ・フロー獲得能力は年々、向上しているものと考えております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、10,814,362千円となり、前連結会計年度末に比べて1,824,654千円の増加となりました。自己資本比率は前連結会計年度末から比べて1.0%上昇し、56.9%となりました。
また、自己資本利益率は、前連結会計年度に比べて0.1%上昇し、25.4%となりました。
b. 経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ14.2%増の41,425,501千円となりました。これは、当連結会計年度に営業を開始した釧路営業所(北海道釧路市)を含めた全国28ヶ所の本支店から、当社グループの主力サービスであるCSセットを全国に普及・拡大させるために営業活動を施設(病院及び介護老人保健施設等)に対して展開した結果、本サービスを導入する施設が2,060施設から2,320施設と順調に増加したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べ16.3%増の31,674,226千円となりました。これは主に、売上高拡大に伴い商品仕入が増加したことによるものです。
当連結会計年度における売上総利益率は、仕入価格高騰の影響もあり、前連結会計年度に比べて1.4%低下し、23.5%となりました。
この結果、当連結会計年度における売上総利益は前連結会計年度に比べ8.0%増の9,751,274千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ8.0%増の6,085,865千円となりました。従業員数の増加による給与手当の増加及び法定福利費の増加、請求件数等の増加に伴う通信費、外注費の増加などの増加要因があったものの、社内におけるコスト削減の取り組みにより、販管費率は前連結会計年度に比べ0.8%低下し、14.7%となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益率は前連結会計年度に比べ0.6%低下し、8.8%となり、当連結会計年度における営業利益は前連結会計年度に比べ8.1%増の3,665,409千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外損益は、営業外収益32,635千円、営業外費用16,469千円となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ7.9%増の3,681,575千円となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は、特別損益が発生しませんでした。
当連結会計年度の法人税等合計は、1,162,837千円となりました。
この結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ20.9%増の2,518,738千円となりました。
c. 経営戦略の現状と見通し
当連結会計年度は、2025年12月期を最終年度とする第6次中期経営計画期間の初年度であります。
国内事業につきましては、前中期経営計画期間において開始した各種の取り組みをさらに推進し、CSセット事業の付加価値向上と競争力強化を図り、さらなる事業規模の拡大を図ってまいりました。
また、海外事業については、投資先企業とのより一層の関係強化を図るとともに、積極的な成長投資を検討しております。この検討結果のひとつとして、2024年1月5日開催の取締役会において、ベトナム社会主義共和国に拠点を持つGREEN LAUNDRY JOINT STOCK COMPANYを子会社化することを目的とした株式譲渡契約を締結することを決議し、2024年1月22日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
今後も当社グループのさらなる事業拡大に向けて、各種取り組みをさらに進化させるとともに、新たな収益の柱も継続して検討を行い、第6次中期経営計画の達成に向けて邁進してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の源泉及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要としては、人材投資、システム投資及び新規事業投資が挙げられます。
人材投資については、今後の契約施設数の増加を見据えて、引き続き、従業員の採用を計画しており、これによる人件費の増加を見込んでおります。システム投資については、規模の拡大に伴い、効率的な事業運営へ変化させるためのシステム化の推進に取り組んでまいります。また、新規事業投資については、新たな収益の柱を構築するため、新規事業の検討を積極的に進めてまいります。
上記の各資金需要に係る財源は、当面、営業キャッシュ・フローを基礎とした自己資金を考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、採用している重要な会計方針は、本書「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますので、あわせてご参照ください。
当社グループの連結財務諸表の作成においては、経営者による会計方針の選択や適用、資産・負債、収益・費用の報告及び開示に影響を与える見積りを行う必要があります。その見積りは、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づく合理的と考えられる様々な要因を考慮して行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社は、2024年1月5日開催の取締役会において、ベトナム社会主義共和国に拠点を持つGREEN LAUNDRY JOINT STOCK COMPANYを子会社化することを目的とした株式譲渡契約を締結することを決議し、2024年1月22日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。