当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営理念および経営方針
当社は「JINUSHIビジネス(※)を通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。」を経営理念として掲げております。
土地のみに投資をし、建物を保有しないことから自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができるJINUSHIビジネスを基本戦略に事業を展開しており、地主リートの成長とともに日本の大地主を目指しております。
当社独自の不動産金融商品の開発・提供により、長期かつ安定的な運用を目指す機関投資家の皆さまのニーズに応えることで社会に貢献し、その結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努めてまいります。
(※)JINUSHIビジネスとは、土地のみに投資を行い、テナントと長期の定期借地契約を締結し、建物投資はテナントが行うため追加投資を必要としない、安定的な収益が長期にわたって見込めるビジネスモデルを指します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2022年2月に5年間(2022年12月期~2026年12月期)を計画期間とする中期経営計画(以下、「中計」という。)を発表しております。また、中計の達成ならびに持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上を目指して、ESG方針を策定しております。
中計の概要およびサステナビリティ/ESGの取組みについては、以下を参照ください。
(ご参考)
・中計の概要:https://www.jinushi-jp.com/ir/mid_term/main/0/link/pdfFile.pdf
・サステナビリティ/ESGの取組み:https://www.jinushi-jp.com/sustainability/
・決算説明資料:https://www.jinushi-jp.com/ir/library/other.html
(3) 目標とする経営指標
当社は中計において、2026年12月期の計画数値を目標として掲げており、高い資本効率・安定した財務基盤の下、更なる成長を目指しております。
(2026年12月期の計画数値)
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売上高 |
1,000億円 |
|
当期純利益 |
70億円 |
|
地主リート資産規模 |
3,000億円程度 |
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ROE |
13%程度 |
|
自己資本比率 |
30%以上 |
(4) 経営環境及び会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①経営環境
・底地市場について
当社は、2000年の創業来、国内における底地マーケットの創出・拡大に注力してまいりました。その結果、長期にわたり安定的に収益を得ることができる底地商品への投資家の理解が深まり、底地商品の流動性が大きく向上いたしました。現在では、新たな投資対象として「底地」というアセットタイプを確立しております。
なお、一般財団法人日本不動産研究所の調査によると、底地マーケットは、リーマンショック後の2009年の0.86兆円の規模から、2022年現在5.8兆円と13年で6.7倍まで拡大しております。中計の最終年度である2026年には、約10兆円への市場拡大が予測されているなど、今後も更なる成長が期待できるマーケットと認識しております。
・JINUSHIビジネスに対する投資家からの需要について
自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができる、当社の不動産金融商品は、引き続き投資家からの強い需要が継続しています。
不動産市場ならびに金融資本市場の変動等を注視する必要はありますが、インフレや金利上昇局面においても、JINUSHIビジネスの強みは一段と増し、他の不動産金融商品と比べた時に相対的な魅力が高まっていくものと考えております。
・資金調達環境について
当社グループのJINUSHIビジネスは、その安定したトラックレコードを背景に、多くの金融機関にご理解ならびに支持を頂いており、資金調達環境は引き続き良好に推移しております。
一方で、資源・エネルギー価格の高騰や世界的なインフレや、欧米各国の金融政策による急激な為替変動、国内においても日本銀行における金融政策の影響等により長期金利の緩やかな上昇がみられるなど、資金調達環境の先行きについては注視する必要があります。
②対処すべき課題
上記①経営環境を踏まえた上で、中計の達成およびESG方針に沿った事業推進にむけ、優先的に対処すべき課題および取り組み内容は以下のとおりであります。
・中計の達成に向けた取り組みおよび進捗状況
2022年2月に発表した中計は、JINUSHIビジネスの拡大と地主リートの成長を両輪とした成長戦略となります。JINUSHIビジネスの更なる拡大に向けた取り組み内容として「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」「土地のオフバランス提案」を積極的に推進しております。
また、地主リートにおいては、国内唯一の底地特化型私募リートという先行者利益を活用しながら、中計の資産規模3,000億円を通過点に、早期に5,000億円の達成を目指して取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における、経営指標の進捗状況は以下の通りです。
|
|
当期 (2023年12月期) |
前期 (2022年12月期) |
|
中計目標値 (2026年12月期) |
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売上高 |
315億円 |
498億円 |
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1,000億円 |
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当期純利益 |
47億円 |
36億円 |
|
70億円 |
|
地主リート資産規模(※) |
2,216億円 |
1,800億円 |
|
3,000億円程度 |
|
ROE |
15.1% |
12.4% |
|
13%程度 |
|
自己資本比率 |
30.9% |
42.8% |
|
30%以上 |
(※)前期については第7次募集(2023年1月に実施)、当期については第8次募集(2024年1月に実施)において取得した物件を考慮した数値(取得時の鑑定評価額ベース)を記載しております。
・財務戦略について
当社は、中計の目標とする経営指標の一つとして「自己資本比率30%以上」を掲げており、金融危機等の有事に備えた財務基盤の構築ならびにリスク管理を徹底しながら、JINUSHIビジネスの成長に資する財務施策を実行しております。
借入金については、メガバンクを中心とした強固なバンクフォーメーションを構築しつつ、かつ、従前より借入期間の長期化や財務制限条項を撤廃するなど、金融市場の変動に備えた調達を実施しております。また、仕入への高い機動性を確保すべく、2023年12月末現在、金融機関4行とコミットメントライン契約12,000百万円および金融機関3行と借入枠設定契約39,000百万円をそれぞれ締結しております。
なお、不動産市況が悪化し、売却が難しくなる局面においても、当社は安定的かつ健全な財務基盤を構築しているため、自ら保有することで安定した賃貸収益を獲得しながら、市況の回復を待つ選択肢を取ることも可能です。
・ESGの取組みについて
当社は、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しております。また、ESGに配慮し、そのリスクと機会を考慮した取り組みを継続することは、中長期的な株主価値の向上に不可欠であると認識しております。
具体的な取り組み、対処すべき課題等については、後述する「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社は「JINUSHIビジネスを通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。」を経営理念に掲げ、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しております。また、環境・社会・ガバナンス(以下、「ESG」と言います。)に配慮し、そのリスクと機会を考慮した取り組みを継続することは、中長期的な株主価値の向上に不可欠であると認識しております。
2022年2月には、中期経営計画の策定とあわせ、以下のとおりESG方針の策定ならびにESGロードマップを発表しております。また、自社の取り組みだけではなく、テナントとの定期借地契約のひな型にESG条項を組入れることで環境配慮型設備の導入を働きかけるなど、各種施策を推し進めております。
2024年3月には、経営理念の実現および地主リートの成長とともに日本の大地主を目指すために、マテリアリティ(重点課題)を特定しております。
◇経営理念
JINUSHIビジネスを通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。
◇行動規範
・「大人」であること。
・取り組む仕事に対して自らの頭で考えること。
・常識を疑うこと。そこに商品は生まれる。
・市場を知り、冷静に向き合うこと。市場は自らの手で作るものだと思うこと。
・利益を出さないことは悪徳であると思うこと。
・変化しない社会も会社もないと思うこと。
・社内で他の人間の仕事ぶりを見て見ぬふりをしないこと。
・社内で他の人間への批判は大きな声ですること。でも怒鳴らないこと。
・嘘をつかないこと。開き直らないこと。批判されたら、笑顔で真面目に対応すること。
・議論は大いにすること。反対意見は目上にも上司にも部下にも遠慮せず話すこと。
・ただし、その結論が出たら文句を言わずそれに従うこと。
・ビジネスチャンスのスペースを潰さないようにすること。
・苦しいときこそ笑顔でいること。
◇ESG方針
建物を持たずに、土地のみに投資を行う当社独自の不動産投資手法「JINUSHIビジネス」は、自然災害に強く、かつ、温室効果ガスや産業廃棄物等の排出が極めて少ない不動産投資モデルです。当社は、このJINUSHIビジネスを通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
また、ESGに配慮し、そのリスクと機会を考慮した取り組みを継続することは、中長期的な株主価値の向上に不可欠であると認識しています。
以上に基づき、当社は以下の「ESG方針」を定め、当社及びグループ会社の事業活動を通じたESG推進を実践します。
・気候変動への対応
長期的で不確実性の高い気候変動に対する事業影響を評価し、脱炭素社会への移行ならびに気候変化や海面上昇などによる物理的な影響といった中長期的な変化に対しても適切に対応できるよう、社内体制の構築や対応の実施に努めます。
・温室効果ガス排出の削減
気候変動の緩和に向け、当社オフィスの使用や役職員の通勤・移動時など、当社の事業運営にあたって使用するエネルギーの利用効率化を推進し、温室効果ガス排出の低減を目指します。
・資源の有効活用
JINUSHIビジネスは、テナントが自社に最も適した建物を建設、保有したうえで使用するため、過剰な開発・建設を行わないことから、一般的な不動産デベロッパーの開発事業と比して、資源の有効活用に資する不動産投資モデルです。当社は、JINUSHIビジネスの推進を通じて、限りある資源の有効活用に寄与します。
・地域社会の活性化
JINUSHIビジネスの展開によるテナントの出店を通じて、地域社会の活性化に寄与します。
・外部ステークホルダーとの協働
テナント、地域社会、金融機関、投資家等のステークホルダーと良好な関係を構築・協働し、温室効果ガス排出の削減や地域社会活性化等、環境・社会リスクの低減を目指します。
・多様な人材の確保と育成
人材獲得戦略を通じて多様な人材を確保するとともに、公平に機会を与えることによって、競争力を高めます。
・役職員の健康及び安全の取り組み
役職員が心身ともに健康であることが、最大限のパフォーマンスを発揮する原動力となるため、健康で安全な職場づくりへの取り組みや社内体制・制度の整備を推進します。
・法令等の遵守
法令や倫理規範の遵守、公正な取引、情報管理、腐敗防止、利益相反防止などを徹底し、公正な事業活動を通してより一層社会から信頼される企業を目指します。
・ESG情報の開示とコミュニケーション
多様なステークホルダーに対し、ESGに関する情報を適時、適切に開示するとともに、ステークホルダーからの意見や要望に真摯に対応し ESG課題への取組みを推進します。
◇ESGロードマップ
①ガバナンス
当社は、ESG推進委員会を設置の上、ESGの取り組みを推進しています。
◇ESG推進体制/役割
②戦略
当社は、経営理念の実現および地主リートの成長とともに日本の大地主を目指すために、2024年3月に、マテリアリティ(重点課題)を特定しております。各マテリアリティ(重点課題)において、機会とリスクを整理しており、これらへの取り組みおよび事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
◇マテリアリティ(重点課題)
③リスク管理
ESGに関するリスク管理体制については、ESG推進委員会にてモニタリングおよび対応策等を検討するとともに、代表取締役社長を委員長とし、取締役や各本部長等で構成される「コンプライアンス・リスク管理委員会」と連携の上、必要な対応策を策定・実施することとしています。なお、両委員会での審議内容等は取締役会に6カ月に1回以上、報告されています。
④指標及び目標
当社はマテリアリティ(重点課題)に沿って、2026年12月期の目標を設定しています。具体的には以下のとおりです。
|
|
目標値 (2026年12月期) |
直近実績 (対象期) |
|
|
地主リート資産規模 |
3,000億円 |
2,216億円※1 |
(2023年12月期) |
|
テナントとの定期借地権設定契約へのESG条項組入率100%の継続達成※2 |
100% |
100% |
(2023年12月期) |
|
CO2排出量(自社排出分) |
カーボンニュートラル 継続達成 |
カーボンニュートラル 達成 |
(2022年12月期) |
|
経営理念への共感度 |
4点以上(5点満点中) |
4.06点(5点満点中)※3 |
(2023年12月期) |
※1. 2024年1月に実施した地主リートによる第8次増資後の数値
※2. 定期借地権設定契約の雛形にESG条項を組み入れた2022年6月9日以降の契約を対象(当社の新規開発案件かつ国内契約のみ対象)
※3. 当社グループ(一部子会社を除く)の従業員(回答率97.7%)を対象に2023年12月に実施したエンゲージメントサーベイによるスコア(他社平均3.56点)
(2)気候変動への対応
当社は、気候変動は当社事業に大きな影響を及ぼす重要な経営課題として認識するとともに、環境・社会課題の解決に向けて積極的に取り組み、リスク・機会に関する開示の充実にも努める方針です。また、気候関連財務情報開示の重要性を鑑み、当社は2022年8月にTCFD提言に賛同し、TCFDの取組みについて議論する国内組織である「TCFDコンソーシアム」にも参加しています。TCFDの提言を活用し、「ガバナンス」「リスク管理」「指標と目標」の枠組みで各施策を推進しています。
①ガバナンス
上記(1)サステナビリティに関する考え方①ガバナンスを参照ください。
②リスク管理
上記(1)サステナビリティに関する考え方③リスク管理を参照ください。
③戦略
当社は、気候変動が当社の事業にもたらす影響について、TCFDが提言する枠組みに基づき、シナリオ分析を行いました。当社の事業は、建物を持たずに、土地のみに投資を行う当社独自の不動産投資手法「JINUSHIビジネス」により構成されており、本ビジネスを分析対象とし、2030年および2050年時点での移行リスクと物理リスク・機会等を検討いたしました。
また、シナリオ分析では、パリ協定の達成及び脱炭素の実現を念頭に置いた「1.5℃シナリオ」、また気候変動対策が十分に進展せず自然災害が激甚化するケースである「4℃シナリオ」の双方を採用して、分析しています。
◇シナリオ分析の概要
◇リスクと機会
脱炭素社会への移行および気候変動により、JINUSHIビジネスにもたらされる移行リスク、物理リスクならびに機会について、発生可能性と財務影響の観点から検討し、2030年および2050年時点における各影響を下表のとおり特定、財務影響の定性分析を行いました。定量的な財務影響の試算は、今後検討いたします。本分析により、土地のみに投資するJINUSHIビジネスは、気候変動や自然災害に強く、1.5℃シナリオ、4℃シナリオいずれにおいても、一定の対応力を有していることが確認できております。
◇シナリオ分析を踏まえた対応策
自社排出分のカーボンニュートラル化や、テナントへの環境配慮型設備導入等の働きかけにより、2050年カーボンニュートラル社会実現への貢献を目指します。
④目標と指標
当社は、事業活動を通じて、環境・社会課題の解決に向けて積極的に取り組むにあたり、気候変動に関する目標と指標を掲げております。
◇目標
・カーボンニュートラル(自社排出分:Scope1,2※1)の継続
・テナントとの定期借地契約のESG条項組入率※2100%
◇指標
・GHG排出量
単位:CO2排出量(t-CO2)
|
分類 |
21/12期実績 |
22/12期実績 |
2030年目標 |
2050年目標 |
|
|
Scope1※1 |
(+) |
32 |
26 |
カーボンニュートラル |
カーボンニュートラル |
|
Scope2※1 |
(+) |
20 |
14 |
||
|
排出権購入 |
(-) |
▲52 |
▲40 |
||
|
Scope1,2※1 計 |
|
0 (カーボンニュートラル) |
0 (カーボンニュートラル) |
||
|
|
|||||
|
Scope3※1 |
(+) |
3,434 |
4,619 |
― |
― |
・その他の指標
|
分類 |
22/12期実績 |
23/12期実績 |
2030年目標 |
2050年目標 |
|
テナントとの定期借地契約のESG条項組入率※2 |
100% |
100% |
100% |
100% |
※1.Scope1:自社使用による温室効果ガスの直接排出(社用車でのガソリン使用等)
Scope2:自社使用の電気や熱等の使用に伴う間接排出(本支店の電力消費等)
Scope3:事業者の活動に関連する他社の排出(取引先の土壌改良工事、解体工事等)
※2.定期借地権設定契約の雛形にESG条項を組み入れた2022年6月9日以降の契約を対象(当社の新規開発案件かつ国内契約のみ対象)
(3)人的資本経営
当社は、地主リートの成長とともに日本の大地主を目指しております。その原動力となるのは、経営理念および行動規範に共感し、JINUSHIビジネスの更なる拡大を担う社員一人ひとりであり、人材を重要な経営資源と認識しております。
年齢や性別に捉われない人材登用、オープンかつフラットな社風を醸成するには、行動規範の『「大人」であること』が必要不可欠と考えております。これをマテリアリティ(重点課題)として定め、人的資本経営に取り組んでおります。
①ガバナンス
上記(1)サステナビリティに関する考え方①ガバナンスを参照ください。
②リスク管理
上記(1)サステナビリティに関する考え方③リスク管理を参照ください。
③戦略
◇人材育成に関する方針
a.エンゲージメント強化
地主リートの成長とともに日本の大地主を目指すうえで、価値観の共有が重要であると考え、経営理念および行動規範の浸透活動を実施しています。また、その共感度を計る調査(エンゲージメントサーベイ)を実施し、目標を設定しております。
b.充実した人材投資
資格取得やセミナー参加費、図書費用等、従業員のスキルアップのための費用について、幅広く会社負担を認めております。
◇社内環境整備に関する方針
a.多様な働き方への体制整備
働きやすさの向上のため、リモートワーク、7時間勤務制、フレックスタイム制、短時間勤務制(中学校就学に満たない子を養育する従業員を育児短時間勤務の対象として設定)などを導入しております。
また、女性だけではなく男性の育児休業取得も推進しております。2023年度の当社の男性従業員の育児休業取得率は100%、その平均取得日数は16.3日となりました。
b.従業員の健康促進
従業員の健康維持・増進のため、ストレスチェックの実施、健康診断への充実投資(オプション追加奨励、45歳以上のPET検診・脳ドック検診等)などに積極的に取り組んでおります。
④指標及び目標
当社がマテリアリティ(重点課題)に沿って定める指標及び目標は以下のとおりです。
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指標 |
23/12期実績 |
目標 |
|
経営理念への共感度 |
4.06点(5点満点中)※ |
26/12月期 4.0点以上(5点満点中) |
※ 当社グループ(一部子会社を除く)の従業員(回答率97.7%)を対象に2023年12月に実施したエンゲージメントサーベイによるスコア(他社平均3.56点)
以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針でありますが、当社グループの株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業について
① 事業環境について
当社グループは、自らが土地を買って、建物建設を望むテナントを誘致し、定期借地権により長期に賃貸し、当該テナントから賃貸収入を確保したうえで、その土地を不動産金融商品として地主リート等に売却するというJINUSHIビジネスをメインに事業展開を行っております。
当社グループが展開する事業は、景気あるいは不動産市況の変動、金利の上下動等の諸情勢の変化によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
当社グループは、従来、一定の人口集積があり、住宅地として価値の高い地方都市や大都市近郊の物件を取扱い対象としておりましたが、加えて、現在では東京圏・大都市近隣の物件の取得にも注力しております。
当該東京圏・大都市近隣は特に大手デベロッパー等との厳しい競合が考えられ、当社グループが優良な物件を取得できなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、不動産を取得する際には、その土地の立地条件・周辺環境・地盤・土壌汚染・価格等について調査・検討を行い、その結果に基づいて適正な条件で不動産を取得しております。しかしながら、適正な条件により不動産を取得できなかった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 資産の取得及び売却について
当社グループは不動産投資事業において、不動産保有リスクの低減を図るために、誘致するテナントとの間で定期借地権設定予約契約の締結を行い、地主リートや、事業会社、不動産ファンド等の売却先とは購入意向を確認した上で不動産を取得することを原則としております。
また、安定的な売却先を確保し、また当社の今後の成長を見据えて、2016年11月10日付で、当社と地主リート及び当社の100%子会社である地主AMの3社間で「スポンサーサポート契約」を締結しております。
そのほか安定的な売却先を確保するために、2014年11月17日付で、KDX不動産投資法人(旧ケネディクス商業リート投資法人)およびその資産運用会社であるケネディクス不動産投資顧問株式会社との間で、サポート契約(その後の変更も含む)を締結しております。
加えて、当社及び地主AMは、2019年11月18日付で三井住友ファイナンス&リース株式会社の100%子会社であるSMFLみらいパートナーズ株式会社と、2019年12月10日付でみずほリース株式会社の100%子会社であるエムエル・エステート株式会社とそれぞれ、販売用不動産(信託受益権を含む)の包括的な売買取引に係る枠を設定する旨の基本協定書を締結しております。さらに、2022年11月14日に売買枠設定期間、並びに優先交渉権の行使期間を延長する変更覚書をそれぞれ締結しております。
しかしながら、テナントの出店方針に合致した土地の確保ができない場合、又は上記スポンサーサポート契約、基本協定書の内容に変更が生じ、不動産の売却先が確保できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 災害等のリスクについて
JINUSHIビジネスは経年劣化の無い土地のみを主に取扱い、定期借地契約により、変動のない長期安定収益が見込めるため、自然災害と収益ボラティリティに強い特徴があります。
しかしながら、当社グループが保有する不動産が地震、津波、テロ、暴動等の不測の事故・自然災害により滅失、劣化又は毀損した場合、賃貸料収入の激減等の事態が発生する可能性があります。このため、当社グループは、かかるリスクを可能な限り回避するため、保険加入を行っておりますが、保険事故に該当しない事由により不動産が滅失、劣化又は毀損した場合や、保険事故に該当する事由により不動産が滅失、劣化又は毀損したときでも保険金によって損失を補填できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 土壌汚染及び地中埋設物の対策について
当社グループが不動産を取得する際には、土壌汚染及び地中埋設物による当社グループの費用負担や建築スケジュールへの影響を回避するために、原則売主負担による土壌汚染及び地中埋設物の調査及び除去をしております。土壌汚染及び地中埋設物が確認された場合は、当該不動産の取得中止又は専門業者による土壌汚染及び地中埋設物の除去等を売主の負担で実施した後に取得しておりますが、上記の調査によっても土壌汚染及び地中埋設物の状況について事前にすべてを認識及び除去できないことがあります。そのため、取得した不動産に事前の調査においても認識されていなかった土壌汚染及び地中埋設物が発見された場合、当初の事業スケジュールの変更や追加費用等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 海外事業について
イ.海外における事業
当社グループは、米国で事業を行っております。当該各国の経済、政情や政府による規制等に起因した予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を与える可能性があります。
ロ.為替レートの変動
当社グループは、各地域における現地の財務諸表等を、連結財務諸表作成のために円換算しております。換算時の為替レートが変動した場合には、もとの現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値に影響を与える可能性があります。
⑦ 情報セキュリティリスクについて
当社グループは事業等において個人情報を取り扱っております。サイバー攻撃や当社グループ役職員による情報漏洩が発生した場合およびシステム障害等により、当社グループの利用するシステムが停止した場合には、当社グループの社会的信用力の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 経営成績、財政状態について
① 経営成績の変動について
当社グループの不動産投資事業は、投資案件1件当たりの取引金額が多額であること、またテナントによる店舗建築に係る許認可・工期等に相当の期間を要し、当初の売却スケジュールが変更になる等により、投資案件の売上計上時期等が変更される可能性があります。そのような場合、各期の経営成績が大きく変動するため、過年度の財政状態及び経営成績だけで今後の当社グループの業績を判断するには不十分な面があります。
なお、当社グループの主要な経営指標等の推移は次のとおりであります。
|
回次 |
第20期 (連結) |
第21期 (連結) |
第22期 (連結) |
第23期 (連結) |
第24期 (連結) |
|
|
決算年月 |
2020年3月 |
2020年12月 |
2021年12月 |
2022年12月 |
2023年12月 |
|
|
売上高合計(百万円) |
74,187 |
29,886 |
56,177 |
49,887 |
31,597 |
|
|
|
不動産投資事業 |
73,533(注)1 |
29,455 |
55,157 |
48,236 |
29,948 |
|
|
サブリース・賃貸借・ファンドフィー・個人投資家向け事業 |
647 |
415 |
996 |
1,457 |
1,638 |
|
|
企画・仲介事業 |
6 |
16 |
23 |
194 |
10 |
|
営業利益(百万円) |
5,244 |
2,420 |
5,475 |
6,411 |
6,154 |
|
|
経常利益(百万円) |
4,599 |
2,157 |
5,002 |
5,943 |
5,718 |
|
|
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円) |
3,177 |
1,644 |
3,124 |
3,641 |
4,709 |
|
|
純資産額(百万円) |
23,870 |
24,841 |
27,781 |
30,960 |
31,501 |
|
|
総資産額(百万円) |
75,054 |
71,220 |
86,337 |
72,153 |
101,482 |
|
(注)1.セグメント間の取引相殺消去後の金額であります。
2.第21期より決算期を3月31日から12月31日に変更しました。また、国内子会社の決算期も3月31日から12月31日に変更しました。これに伴い、決算期変更の経過期間となる第21期は、2020年4月1日から2020年12月31日までの9ヶ月間となります。当社及び国内子会社は4月1日から12月31日までの9ヶ月間、12月決算の海外子会社は1月1日から12月31日までの12ヶ月間であります。
3.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第23期の期首から適用しており、第23期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標となっております。
② 引渡し等に係る業績変動について
不動産の販売における売上は、売買契約を締結した時点ではなく、不動産の引渡し時点において計上されます。そのため、何らかの理由により、引渡し時期が決算期末を越えて遅延した場合には、各期の当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 有利子負債への依存について
当社グループはJINUSHIビジネスを基本戦略に据えた事業展開に注力しており、その不動産取得資金については、大半を金融機関からの借入により調達していることから、有利子負債残高及び総資産に占める有利子負債の占める割合(有利子負債依存度)は、他業種・業界と比べて高くなっております(当社グループの有利子負債残高及び有利子負債依存度等は、下表のとおりであります)。そのため、今後、金融市場や金融政策の動向等に変動が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは資金調達にあたって、特定の金融機関に集中しないように努めておりますが、何らかの理由により資金調達が不調に終わった場合には、不動産の取得や開発等に支障が生じ違約金等が発生することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
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回次 |
第20期 (連結) |
第21期 (連結) |
第22期 (連結) |
第23期 (連結) |
第24期 (連結) |
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決算年月 |
2020年3月 |
2020年12月 |
2021年12月 |
2022年12月 |
2023年12月 |
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有利子負債残高 |
(百万円) |
46,564 |
43,300 |
49,812 |
37,165 |
62,774 |
|
総資産額 |
(百万円) |
75,054 |
71,220 |
86,337 |
72,153 |
101,482 |
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有利子負債依存度 |
(%) |
62.04 |
60.80 |
57.7 |
51.5 |
61.86 |
(注)有利子負債残高は、短期借入金、長期借入金(1年内返済予定額を含む。)及びリース債務の合計額であります。
④ 保有不動産に評価損等が生じる可能性について
当連結会計年度におきましても、販売用不動産の総資産に占める割合は高く、さらにJINUSHIビジネスの拡大に伴い、販売用不動産は今後も増加するものと考えております。
当社グループは、不動産投資事業において、過去の実績や経験等を活かし、在庫リスクの削減に努めておりますが、不動産取得から販売まで長期間を要し、その間に土地価格等が変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当連結会計年度末日において、業績に重要な影響を与えるような減損が生じる可能性は低いものと判断しておりますが、今後の経済情勢の悪化等により、減損処理が必要となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 法令等について
① 法的規制について
当社グループの事業は、「宅地建物取引業法」「大規模小売店舗立地法」「都市計画法」「国土利用計画法」等の多岐にわたる法的規制を受けております。当社グループはこれらの法令等を遵守して事業活動を行っておりますが、将来において法令等の改正が行われた場合又は新たな法的規制が設けられた場合には、当初の事業計画、スケジュールの変更や追加費用等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 法令遵守について
当社グループは、「会社法」、「金融商品取引法」、「個人情報保護法」、「労働基準法」等の多岐にわたる法令等のもとで事業活動を行っており、法令遵守のための体制を整備し、これらの法令等を遵守しております。しかしながら、将来何らかの法令違反により、当社グループの社会的信用力の低下や当社グループの許認可及び登録の取消し等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 組織について
① 特定の人物への依存について
当社の代表取締役社長である西羅弘文は、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは、適切な権限委譲や合議制による意思決定等を行うことによって、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社グループの経営に関与することが困難になった場合には、当社グループの今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
② 人材確保について
当社グループの主力事業である不動産投資事業においては、その事業活動において複雑な権利調整や近隣対策等の高度な知識や経験が要求される場合があります。当社グループは組織的に蓄積したノウハウをもって既存従業員各人の能力を向上させるとともに、外部から優秀な人材を採用することで、より効率的な事業運営の実現に努める方針であります。しかしながら、これらの人材の育成・採用が予定通りに進まない場合や、在籍している人材が流出した場合には、当社グループの今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他
重要な訴訟事件等の発生及び発生の可能性
当社グループは、現時点において重要な訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社グループが売却した物件における瑕疵の発生、当社グループが管理する物件における管理状況に対するクレーム又はこれらに起因する訴訟、その他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進み、個人消費や企業の設備投資を中心に持ち直しがみられ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、資源・エネルギー価格の高騰や世界的なインフレや、欧米各国の金融政策による急激な為替変動など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
国内の不動産投資市場全体では、日本銀行における金融政策の影響等により長期金利の緩やかな上昇がみられるなか、国内投資家の投資意欲は引き続き高い状況にありますが、今後の動向については注視する必要があります。
当社は「JINUSHIビジネスを通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。」ことを経営理念として掲げており、土地のみに投資をし、建物を保有しないことから自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることができるJINUSHIビジネスを基本戦略に事業を展開しており、地主リートの成長とともに日本の大地主を目指しております。
当連結会計年度におきましても、2022年2月に発表した中期経営計画(2022年12月期~2026年12月期)の達成に向け、JINUSHIビジネスを基本戦略に、新規仕入及び販売用不動産の売却を推進いたしました。売上高は前年対比で減少いたしましたが、JINUSHIビジネスの評価向上並びに底地マーケットの創出・拡大により、売上高営業利益率は19.5%(前連結会計年度比6.6ポイント増)に向上いたしました。また、テナント業種の多様化、事業エリアの拡大、土地のオフバランスといった成長戦略により、仕入(契約ベース)については、83件・58,800百万円(前連結会計年度比50件増・38,300百万円増)と大きく拡大、契約件数については過去最高となりました。
地主リートにつきましては、国内唯一の底地特化型私募リートとして、年金基金や生損保といった長期投資家からご評価をいただいております。足元では、地主リートは運用開始後8年連続で増資を実現し、2024年1月時点における運用資産規模は2,216億円となっております。当社は地主アセットマネジメント株式会社及び地主リートとの間でスポンサーサポート契約を締結しており、引き続き、JINUSHIビジネスによる不動産金融商品の売却を中心に、スポンサーとして地主リートのサポートを強化してまいります。
このような結果、当連結会計年度の売上高は31,597百万円(前連結会計年度比36.7%減)、営業利益は6,154百万円(同4.0%減)、経常利益は5,718百万円(同3.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,709百万円(同29.3%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
a.不動産投資事業
不動産投資事業におきましては、売上高は29,948百万円(前年同期比37.9%減)、セグメント利益は9,116百万円(同0.7%減)となりました。
b.サブリース・賃貸借・ファンドフィー・個人投資家向け事業
サブリース・賃貸借・ファンドフィー・個人投資家向け事業におきましては、売上高は1,638百万円(前年同期比12.4%増)、セグメント利益は1,195百万円(同11.1%増)となりました。
c.企画・仲介事業
企画・仲介事業におきましては、売上高は10百万円(前年同期比94.8%減)、セグメント利益は10百万円(同94.6%減)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ29,329百万円増加し、101,482百万円となりました。これは主に、順調に仕入が進み、販売用不動産が31,867百万円増加した一方で、固定資産(土地)が2,094百万円減少したこと等によります。
負債の部は前連結会計年度末に比べ、28,787百万円増加し、69,980百万円となりました。これは主に、販売用不動産の取得により長期借入金が25,117百万円増加したこと等によります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ541百万円増加し、31,501百万円となりました。これは主に、利益剰余金が3,703百万円増加した一方で、3,499百万円の自己株式の取得を行ったこと等によります。なお、当連結会計年度末における自己資本比率は30.9%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末比で392百万円減少し、22,747百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、税金等調整前当期純利益が7,168百万円となり、販売用不動産が32,176百万円増加したこと等により、減少した資金は25,212百万円(前期比45,206百万円の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、増加した資金は3,691百万円(前期比3,847百万円の増加)となりました。尚、主な要因は有形固定資産の売却による4,150百万円の資金増加です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、保有する販売用不動産の売却等に伴う長期借入金の返済による支出は21,714百万円となり、一方で新規販売用不動産の仕入に伴う長期借入金による資金調達45,874百万円を行った結果、増加した資金は21,112百万円(前期比35,087百万円の増加)となりました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、不動産投資事業、サブリース・賃貸借・ファンドフィー・個人投資家向け事業及び企画・仲介事業を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における各セグメントの売上高は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
前期増減比(%) |
|
不動産投資事業(百万円) |
29,948 |
△37.9 |
|
サブリース・賃貸借・ ファンドフィー・ 個人投資家向け事業(百万円) |
1,638 |
12.4 |
|
企画・仲介事業(百万円) |
10 |
△94.8 |
|
合計(百万円) |
31,597 |
△36.7 |
(注) 1. 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
エムエル・エステート株式会社 |
- |
- |
11,678 |
37.0 |
|
地主プライベートリート投資法人 |
9,164 |
18.4 |
8,465 |
26.8 |
|
野村不動産株式会社 |
- |
- |
3,986 |
12.6 |
|
SMFLみらいパートナーズ株式会社 |
9,750 |
19.5 |
- |
- |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり、当社グループによる会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。当社グループは、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
また、当社グループが採用する会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
特に、収益性の低下により、投資額の回収が見込めなくなった資産の帳簿価額については、正味売却価額まで減額する会計処理を適用しております。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営環境及び会社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2) 経営成績、財政状態について ③ 有利子負債への依存について」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりであります。
当連結会計年度の進捗状況は以下のとおりです。
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|
2023年12月期 (計画) |
2023年12月期 (実績) |
2023年12月期 (計画比) |
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売上高 |
32,000百万円 |
31,597百万円 |
△403百万円 (△1.3% ) |
|
経常利益 |
5,500百万円 |
5,718百万円 |
218百万円 (4.0% ) |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
4,400百万円 |
4,709百万円 |
309百万円 (7.0% ) |
|
売上高総利益率 |
- |
33.2% |
- |
|
売上高経常利益率 |
17.2% |
18.1% |
0.9% |
|
自己資本利益率(ROE) |
- |
15.1% |
- |
(注)2023年12月期(計画)には2023年8月10日付公開の修正予想数値を記載しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4
経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①
経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(1)私募リートに係るスポンサーサポート契約の締結
当社は、2016年11月10日付で、当社と地主リート及び当社100%子会社である地主AMとの間でスポンサーサポート契約(その後の変更等を含む。)を締結しております。
① 本契約の目的
当社(※)が、地主リート及び地主AMに対してスポンサーサポート業務(その内容は次の「②本契約の概要」を参照のこと。)を行うことで、地主リートの安定的かつ継続的な不動産等の取得の機会を提供し、また、地主リート及び地主AMの不動産運営管理を向上させ、地主リートの持続的な成長及び安定運用を図ることを目的としております。
(※)当社の100%子会社である地主フィナンシャルアドバイザーズ株式会社について、同社における不動産特定共同事業の許認可取得および個人投資家向け事業の開始を踏まえ、2023年8月28日付の変更契約により、スポンサーサポート業務を提供する会社から除外しております。
② 本契約の概要
有効期間 2026年11月9日迄(以後5年ごとの自動更新)
スポンサーサポート業務の主な内容
・優先的物件情報の提供及び優先的売買交渉権の付与
・売却先候補者等に関する情報の提供
・リーシングサポート業務の提供
・プロパティ・マネジメント業務の提供
・人材の派遣及びノウハウの提供
・その他の情報の提供等
(2)KDX不動産投資法人とのサポート契約の締結
当社は、2014年11月17日付で、KDX不動産投資法人(旧ケネディクス商業リート投資法人)およびその資産運用会社であるケネディクス不動産投資顧問株式会社との間で、サポート契約(その後の変更も含む。)を締結しております。
① サポート契約締結の目的
本サポート契約締結は、当社の企業価値向上やJINUSHIビジネス案件の売却等による同投資法人の成長、同投資法人の資産運用会社の親会社であるケネディクス株式会社と当社との良好な関係性の維持向上を目的としております。
② サポート契約の概要
有効期間 2026年11月2日迄(以後1年ごとの自動更新)(※)
サポート契約の主な内容
・JINUSHIビジネスに関する情報の提供および順位2位の優先交渉権の付与
(順位1位は、地主リート)
(※)2023年9月29日締結の変更後のサポート契約の有効期間を記載しております。
(3)包括的な売買取引に係る枠を設定する基本協定書の締結
当社は、2019年11月12日開催の取締役会で、SMFLみらいパートナーズ株式会社、当社及び当社100%子会社の地主AMとの間で、販売用不動産(信託受益権を含む)の包括的な売買取引に係る枠を設定する基本協定書を締結することを決議し、2019年11月18日に締結し、2022年11月14日に売買枠設定期間、並びに優先交渉権の行使期間を延長する変更覚書を締結しております。
また、2019年12月10日開催の取締役会で、エムエル・エステート株式会社、当社及び当社100%子会社の地主AMとの間で、同基本協定書を締結することを決議し、同日付で締結し、2022年11月14日に売買枠設定期間、並びに優先交渉権の行使期間を延長する変更覚書を締結しております。
① 本協定書締結の目的
当社は本売買枠に係る基本協定書2件の合計600億円の売買枠を活用することにより、総資産回転率(不動産の仕入から売却までの期間の短縮)及び自己資本比率等財務指標の改善や有利子負債削減による新規資金調達力の拡大、並びに早期開発利益の獲得等を目的とした財務体質の更なる強化を図るとともに、地主リートの成長・資産規模の拡大を目指します。
② 本協定書の概要
・締結先 SMFLみらいパートナーズ株式会社
(1)売買枠設定額
300億円
(2)売買枠設定期
2019年11月18日~2030年1月31日まで
(3)備考
SMFLみらいパートナーズ株式会社が売買枠にて取得する不動産を売却する際は、地主AMが指定する第三者(地主リートを想定するが、これに限らない。)が取得に係る優先交渉権を有します。
・締結先 エムエル・エステート株式会社
(1)売買枠設定額
300億円
(2)売買枠設定期
2019年12月10日~2030年1月31日まで
(3)備考
エムエル・エステート株式会社が売買枠にて取得する不動産を売却する際は、地主AMが指定する第三者(地主リートを想定するが、これに限らない。)が取得に係る優先交渉権を有します。
該当事項はありません。