(継続企業の前提に関する注記)
当社グループは、医療製品の研究開発投資を行う先行投資型企業であります。主力製品である止血材は、既にグローバルに販売を開始しておりますが、現時点でも止血材の営業体制確立等のために相当額の先行費用を計上していることから、前連結会計年度以前より継続して営業損失を計上しております。また、当第3四半期連結累計期間においても、営業損失1,618,293千円を計上しております。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。
今後、当社グループは当該状況をいち早く解消し、経営基盤の安定化を実現するために、以下の改善策に取り組んでまいります。
(1)事業収益拡大とコスト削減
当社グループは、外科領域では止血材、癒着防止材、粘膜隆起材等、組織再生領域では創傷治癒材等、DDS領域では核酸医薬等のパイプラインを開発しておりますが、これらの早期の製品上市、製品販売による収益獲得が、当社グループ経営の安定化に向けた課題であると認識しております。
主力製品である止血材については、欧州及びオーストラリアに続き、内視鏡先進国である日本及び世界最大の市場を有する米国においても、前連結会計年度より本格的に製品販売を開始しております。売上成長を最大化するために、各極において営業体制を確立・拡大し、相応の営業費用を投じてまいりましたが、短期的には奏功せず当第3四半期連結累計期間も営業損失が継続する結果となりました。今後一時的には、当社止血材の優位性が高く、売上成長が確実に見込まれる消化器内視鏡領域に事業領域を絞り込み、他領域の営業体制は利益貢献が確実に見込まれる範囲内での活動に留めることで、マーケティング費用を含む営業経費を削減し、収益確保を最優先に進めてまいります。
研究開発に関しては、次世代止血材や粘膜炎の創傷治癒等の注力分野を除き、新規開発を一時的に中断し、注力分野においても、臨床試験を必要としない又は最小規模で実施できる等グローバルで見て最も有利な市場を選びながらコストと時間の最小化に努めております。さらに、資本提携や事業提携についても検討を続けており、グループ全体で、グローバルの視点から早期の収益性の改善に努めてまいります。
(2)資金調達
当社グループの事業運営及び研究開発を進めるための十分な資金確保に向けて、米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対し、2023年7月に第8回無担保転換社債型新株予約権付社債、第35回及び第36回新株予約権を発行しました。これにより、当第3四半期連結累計期間において、第8回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行により660,660千円、第35回及び第36回新株予約権の発行並びに第35回新株予約権の全部権利行使により1,688,450千円、さらに既発行の第34回新株予約権の残り全ての権利行使により342,600千円を調達することができました。一方で、第8回無担保転換社債型新株予約権付社債について期間内に転換されなかったため、2024年1月に660,660千円を満期償還いたしております。
また、株式会社りそな銀行とコミットメントライン契約を締結しており、安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。今後も引き続き、金融機関からの借入を含む様々な資金調達を検討し、継続的な財務基盤の強化に努めてまいります。
しかしながら、「(1)事業収益拡大とコスト削減」については製品販売の拡大、収益構造の改善、資本提携や事業提携が想定どおりに進まないリスクがあります。また、「(2)資金調達」については、株式市場の動向や株価の下落等により新株予約権の行使による資金調達に関して当初想定した調達額を確保できないリスクや、借入金にかかる財務制限条項又は転換社債型新株予約権付社債にかかる早期償還条項への抵触により、当社が期限の利益を喪失し返済義務を負うリスクがあります。
これらのリスクにより、事業運営及び研究開発のための十分な資金が確保できない可能性があり不確実性があるため、現時点において継続企業の前提に重要な不確実性が認められます。
なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提としており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を四半期連結財務諸表には反映しておりません。
※1 財務制限条項
株式会社りそな銀行からの貸出コミットメント契約については、財務制限条項が付されております。
(1) 2024年4月期第3四半期末日の連結貸借対照表における純資産の部の金額を5億円以上に維持すること。
(2) 2024年4月期第3四半期末日の連結貸借対照表における借入金を合算した金額の1.2倍以上の現預金を維持すること。
2 偶発債務
第5回乃至第7回無担保転換社債型新株予約権付社債については、早期償還条項が付されております。
(1) 転換価額修正日に当該修正価額が下限転換価額を下回る場合、当社は、①転換社債型新株予約権付社債5個又は②未転換の転換社債型新株予約権付社債のいずれか小さい方を早期償還するものとし、当該償還額と未払社債利息の合計額に0.9を除した金額を支払わなければならない。但し、社債権者は、上記の早期償還を次の転換価額修正日まで延期させることができる。
(2) 第35回及び第36回新株予約権の行使による当社の累計資金調達額が660,660千円を超えた場合(以下、かかる超過分を「本超過調達分」という)、社債権者は、本超過調達分を上限として、第5回乃至第第7回無担保転換社債型新株予約権付社債の全部又は一部を償還を請求することができる。
2024年1月31日時点において、第5回乃至第7回無担保転換社債型新株予約権付社債が上記(1)に抵触しております(約845百万円の早期償還義務発生)が、社債権者からは期限の利益の喪失に係る権利行使をご猶予いただく旨の同意を得ております。(2)につきましては、第35回新株予約権の行使による当社の累計資金調達額が660,660千円を超えております(約1,002百万円の早期償還義務発生)が、社債権者からは償還の請求を受けておりません。
当社は、2024年1月31日時点において、元従業員1名より、当社による雇用契約終了に関して解雇無効を主張して、従業員としての地位確認及び未払賃金(月額約1百万円及び年度末支払分約2百万円)の支払並びに損害賠償3百万円を求める訴訟の提起を受けております。現時点において当社グループの今後の業績に与える影響額を合理的に予測することは困難であります。
前第3四半期連結累計期間(自 2022年5月1日 至 2023年1月31日)
株主資本の著しい変動
当社は、米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対して2020年4月に発行した第3回無担保転換社債型新株予約権付社債の全部権利行使、2021年8月に発行した第4回無担保転換社債型新株予約権付社債の全部権利行使及び2022年4月に発行した第5回無担保転換社債型新株予約権付社債の一部権利行使による新株式発行により、当第3四半期連結累計期間において資本金及び資本剰余金が970,636千円増加し、当第3四半期連結会計期間末において、資本金が12,521,474千円、資本剰余金が12,511,194千円となっております。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年5月1日 至 2024年1月31日)
株主資本の著しい変動
当社は、米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対して2023年2月に発行した第34回新株予約権の全部権利行使及び2023年7月に発行した第35回新株予約権の全部権利行使による新株式発行により、当第3四半期連結累計期間において資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,016,907千円増加し、当第3四半期連結会計期間末において、資本金が13,692,293千円、資本剰余金が13,682,013千円となっております。
【セグメント情報】
前第3四半期連結累計期間(自 2022年5月1日 至 2023年1月31日)
当第3四半期連結累計期間(自 2023年5月1日 至 2024年1月31日)
(収益認識関係)
顧客との契約から生じる収益を分解した情報
前第3四半期連結累計期間(自 2022年5月1日 至 2023年1月31日)
(単位:千円)
(注1) 事業収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年5月1日 至 2024年1月31日)
(単位:千円)
(注1) 事業収益は顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
(注2) 従来区分して表示しておりました「ドイツ」での収益につき、相対的重要性が低下したことから「その他」に含めて表示しております。この表示方法の変更を反映させるため、前第3四半期連結累計期間について注記の組替えを行っております。
この結果、前第3四半期連結累計期間において、組替え前に比べ「その他」が118,752千円増加しております。
1株当たり四半期純損失金額及び算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(注) 潜在株式調整後1株当たり四半期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、1株当たり四半期純損失であるため、記載しておりません。
該当事項はありません。