【連結財務諸表注記】
1.報告企業
カゴメ株式会社(以下、「当社」)は、日本の会社法に基づく株式会社であり、本社は愛知県名古屋市に所在しております。2023年12月31日に終了する連結財務諸表は、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」)、並びに当社グループの関連会社に対する持分から構成されております。
当社グループは、飲料や調味料等の製造・販売を行っている国内加工食品事業、トマトを中心とした生鮮野菜の生産・販売を行っている国内農事業、種子開発から農業生産、商品開発、加工、販売までの垂直統合型ビジネスを国際事業として展開しております。
したがって、当社グループは「国内加工食品事業」、「国内農事業」、「国際事業」及び「その他」の4つを報告セグメントとしております。その詳細については、注記「5.セグメント情報」に記載しております。
2.作成の基礎
当社グループの連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第93条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。
当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要な会計方針」に記載のとおり、公正価値で測定されている金融商品、及びトルコの子会社における超インフレ会計の適用等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を切り捨てして表示しております。
連結財務諸表の承認日までに新設又は改定が行われた新基準書及び新解釈指針のうち、当連結会計年度において当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりです。新しいIFRS適用による当社グループへの影響は検討中であり、現時点で見積もることはできません。
3.重要な会計方針
当社グループの会計方針は2023年12月31日現在で強制適用が要求されるIFRSに基づいて作成しております。
連結財務諸表において適用する重要な会計方針は、本連結財務諸表に記載されているすべての期間について、特段の記載があるものを除き、同一の会計方針が適用されております。
子会社とは、当社グループにより支配されているすべての事業体であります。支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、当社グループの連結財務諸表に含まれております。
当社及び子会社間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社及び子会社間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社持分の割合が変動した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社グループに帰属する持分として資本の部に直接認識されております。
子会社の非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別されております。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。子会社の決算日は一部当社と異なっております。決算日の異なる子会社については、当社決算日において、仮決算を実施しております。
関連会社とは、当社グループがその財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。保有する議決権が20%未満であっても、財務及び営業の方針の決定に重要な影響力を行使しうる場合は関連会社に含めます。
関連会社に対する投資は、取得時には取得原価で認識され、当社グループが重要な影響力を有することとなった日からその影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しております。
関連会社の、取得日に認識した資産、負債及び偶発負債の正味の公正価値に対する持分を取得対価が超える額はのれん相当額として計上し投資の帳簿価額に含めており、償却はしておりません。
持分法適用会社への投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは、他の部分と区分せず、持分法適用会社に対する投資を一体の資産として、減損テストの対象としております。
関連会社の決算日は一部当社と異なっております。決算日の異なる関連会社については、当社決算日において、仮決算を実施しております。
企業結合は、取得法を用いて会計処理しております。移転された対価は、取得企業が移転した資産及び取得企業に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債の金額並びに取得企業が発行した資本持分の取得日の公正価値の合計額として計算しております。非支配持分を公正価値で測定するか、又は被取得企業の識別可能な純資産の比例持分で測定するかを、取得日に個別の企業結合ごとに選択しております。移転された対価、従来保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値及び被取得企業のすべての非支配持分の金額の総計が、取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日の公正価値を超過する場合は、その超過額をのれんとして認識しております。反対に下回る場合は、結果として生じた利得を、取得日において純損益で認識しております。
企業結合が生じた期間の末日までに企業結合の当初の会計処理が完了しない場合は、暫定的な金額で会計処理を行っております。取得日から1年以内の測定期間において取得日時点に存在した事実及び状況に関する新しい情報を入手した場合は、暫定的な金額を遡及修正しております。
取得関連費用は、発生した期間の費用として会計処理しております。なお、非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識しておりません。
また、共通支配下における企業結合取引、すなわち、すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的ではない企業結合取引については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としております。またグループ内の各社は、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各社の取引はその機能通貨により測定しております。
外貨建取引は、取引日における直物為替レート、又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。
報告日において、外貨建貨幣性項目は、決算日の為替レートにより機能通貨に換算しております。取得原価で測定している外貨建非貨幣性項目は、取得日の為替レートにより機能通貨に換算しております。
公正価値で測定している外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日における為替レートにより機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定したデリバティブから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債については決算日の為替レート、収益及び費用については当該期間中の為替レートが著しく変動していない限り、期中平均為替レートを用いて換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の累積換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益に振り替えられます。
当社グループは、金融資産を、当該金融資産の契約当事者となった日に認識しております。
当初認識時において、すべての金融資産は公正価値で測定しておりますが、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類されない場合は、当該公正価値に金融資産の取得に直接帰属する取引コストを加算した金額で測定しております。純損益を通じて公正価値で測定される金融資産の取引コストは、純損益に認識しております。
当社グループは、保有する金融資産を、(a) 償却原価で測定される金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産、(c)純損益を通じて公正価値で測定される金融資産のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しており、金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下の通り測定しております。
(a) 償却原価で測定される金融資産
当社グループが保有する金融資産のうち、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、償却原価で測定される金融資産については実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失は、当期の純損益に認識しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産
当社グループは、資本性金融資産については、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産に分類しております。
当該金融資産は、当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動はその他の包括利益に含めて認識しております。投資を処分した場合に、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産からの配当金については、金融収益として純損益に認識しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
上記以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。純損益を通じて公正価値で測定される金融資産は、公正価値で測定し、その変動額を純損益として認識しております。
償却原価で測定される金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して損失評価引当金を認識しております。当社グループは、各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12か月の予想信用損失と同額で測定しております。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。ただし、営業債権等については常に損失評価引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積ります。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・報告日時点で過大なコスト又は労力なしに利用可能である、過去の事象、現在の状況、並びに将来の経済状況の予測についての合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る金額は、純損益で認識しております。
減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻入れております。
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にのみ金融資産の認識を中止しております。
当社グループは、金融負債を、当該金融負債の契約当事者となった日に認識しております。当初認識時において、すべての金融負債は公正価値で測定しておりますが、償却原価で測定される金融負債については、公正価値から直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の取引コストは、純損益に認識しております。
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債と償却原価で測定される金融負債のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下の通り測定しております。
当社グループの純損益を通じて公正価値で測定される金融負債としては、デリバティブ負債が該当します。
当初認識時において純損益を通じて公正価値で測定される金融負債として、取消不能の指定を行ったものはありません。純損益を通じて公正価値で測定される金融負債は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。
償却原価で測定される金融負債については、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失については、当期の純損益に認識しております。
当社グループは、金融負債が消滅した時すなわち、債務が履行された時、契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しております。
公正価値で測定される金融商品は、さまざまな評価技法やインプットを使用して算定しております。公正価値の測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて算定した公正価値を以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1・・・企業が測定日現在でアクセスできる同一の資産又は負債に関する活発な市場における(無調整の)相場価格
レベル2・・・レベル1以外の、資産又は負債について、直接又は間接的に観察可能なインプットにより測定した公正価値
レベル3・・・資産又は負債についての観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定した公正価値
当社グループは、日本国内の農産原料の大半を海外から調達しており、これらの取引から生ずる為替リスクの回避又は軽減を目的として、デリバティブ取引を利用しております。当社グループは、一部のデリバティブについてヘッジ手段として指定を行っており、これらのヘッジ取引については、ヘッジ取引開始時に、ヘッジ関係並びにヘッジの実行に関する企業のリスク管理目的及び戦略の公式な指定と文書化を行っております。当該文書には、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを判定する方法を記載しております。また、当社グループでは、ヘッジ関係の開始時及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価しております。継続的な判定は、各報告日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方において実施しております。
デリバティブは公正価値で当初認識しております。当初認識後も公正価値で測定し、その事後的な変動は以下の通り処理しております。
キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段として指定されたデリバティブの公正価値変動のうち、有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益に認識しております。ヘッジ有効部分以外は純損益で認識しております。その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額は、ヘッジ対象から生じるキャッシュ・フローが純損益に影響を与える期に純損益に振り替えております。ただし、ヘッジ対象の予定取引が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額は、当該非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。なお、先渡契約については、先渡要素と直物要素を区分し、先渡要素の価値の変動をヘッジ指定から除外しております。先渡要素の価値の変動はヘッジコストとして、その公正価値変動をその他の包括利益を通じて、その他の資本の構成要素に認識しております。ヘッジ対象の予定取引が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の資本の構成要素に累積された金額は、当該非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。
ヘッジ手段が消滅、売却、終了又は行使された場合等、ヘッジ会計の要件をもはや満たさなくなった場合は、ヘッジ会計を将来に向けて中止しております。予定取引の発生がまだ見込まれる場合は、その他の包括利益を通じて認識された金額は、引き続きその他の資本の構成要素に認識しておりますが、予定取引の発生がもはや見込まれない場合は、その他の包括利益を通じて認識された金額は、直ちにその他の資本の構成要素から純損益に振り替えております。
なお、当社グループでは公正価値ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジは行っておりません。
また、ヘッジ指定されていないデリバティブの公正価値変動は、純損益として認識しております。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期的投資からなっております。
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する原価の見積額及び販売に要する費用の見積額を控除した額であります。原価は、購入原価、加工費、現在の場所及び状態に至るまでに発生したすべての費用を含んでおり、総平均法に基づいて算定しております。
有形固定資産の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び敷地の原状回復費用の当初見積額が含まれております。土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上されております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下の通りであります。
・建物及び構築物 10-35年
・機械装置及び運搬具 7-20年
・工具器具及び備品 3-10年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各連結会計年度末に再検討し、変更が必要となった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上されます。
なお、のれんの当初認識時における測定は、注記「3.重要な会計方針(2) 企業結合」に記載しております。
無形資産の測定は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しております。
個別に取得した無形資産の取得原価は、資産の取得に直接起因する費用を含めて測定しております。
企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として認識しております。資産化の要件を満たす開発費用は、ソフトウェアのみになります。
当初認識後は、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却されております。主要な無形資産の見積耐用年数は以下の通りであります。なお、耐用年数を確定できない無形資産はありません。
・商標権 10年
・ソフトウェア 5年
耐用年数を確定できる無形資産の耐用年数及び償却方法は、各連結会計年度末に見直しを行い、これらを変更する場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって調整しております。
借手のリース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分を、リース計算利子率(当該利子率を容易に算定できる場合)又は借手の追加利子率を用いて現在価値に割り引いて測定を行っております。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた金額で当初の測定を行っております。使用権資産は、資産の耐用年数及びリース期間のいずれか短い年数にわたり定額法により、減価償却を行っております。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態をとらないものであっても、契約の実質に基づき判断しております。
なお、リース期間が12か月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについて、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法により費用として認識しております。
投資不動産は、賃貸収益もしくは資本増価又はその両方を目的として保有する不動産であります。
投資不動産の測定は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
各資産について減損の兆候の有無の判定を行い、兆候がある場合、減損テストを実施しております。また、耐用年数を確定できない無形資産及びのれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、主に第4四半期において、その資産の属する資金生成単位又は資金生成単位グループごとに回収可能価額を見積り、減損テストを実施しております。
各資産及び資金生成単位又は資金生成単位グループごとの回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方で算定しております。公正価値を算定するために用いる評価技法として、主に当該資産等の使用及び最終処分価値から期待される見積将来キャッシュ・フローに基づくインカム・アプローチ(現在価値法)又は類似する公開企業との比較や当該資産等の時価総額等、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定するマーケット・アプローチを用いております。公正価値算定上の複雑さに応じ、外部専門家を適宜利用しております。使用価値は、経営者により承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を、加重平均資本コストをもとに算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しております。事業計画の予測の期間を超えた後のキャッシュ・フロー見積額は、当該資産等が属する市場の長期平均成長率の範囲内で見積った成長率をもとに算定しております。
各資産及び資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超える場合には、その超過額を減損損失として認識しております。
のれん以外の各資産又は資金生成単位もしくは資金生成単位グループに関しては、過年度に認識された減損損失について、その回収可能価額の算定に使用した前提事項に重要な変更が生じ、損失の減少又は消滅の可能性を示す兆候が認められる場合に、当該資産等を対象に回収可能価額の見積りを行っております。算定した回収可能価額が当該資産等の帳簿価額を超える場合には、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却控除後の帳簿価額を上限として、減損損失を戻し入れております。
当社グループは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を有しております。
当社グループは、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて各制度ごとに個別に算定しております。
割引率は、将来の給付支払見込日までの期間に対応した報告期間の末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額を、負債又は資産として計上しております。ただし、確定給付制度が積立超過である場合は、確定給付資産の純額は、制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としております。また、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は金融費用(金融収益)として純損益に認識しております。
確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として処理しております。
確定拠出型の退職給付に係る掛金は、従業員が勤務を提供した時点で費用として認識しております。
退職後給付以外の長期従業員給付に対する債務は、従業員が過年度及び当年度において提供した勤務の対価として獲得した将来給付額を現在価値に割り引くことによって算定しております。
短期従業員給付については、割引計算は行わず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
賞与については、それらの支払を行う現在の法的債務もしくは推定的債務を有しており、信頼性のある見積りが可能な場合に、支払われると見積られる額を負債として認識しております。
有給休暇費用は累積型有給休暇制度に係る法的債務又は推定的債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
当社は、ストック・オプション制度を採用しております。これは持分決済型の株式に基づく報酬取引であり、所定の条件の新株予約権を付与するものであります。
ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたってその額を費用並びに資本剰余金の増加として、認識しております。
付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズモデルを用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
当社は、取締役及び執行役員に対するインセンティブ制度として、持分決済型の役員報酬BIP制度を採用しております。本制度は、当社が拠出する取締役及び執行役員の報酬額を原資として、信託が当社株式を取得し、当該信託を通じて取締役及び執行役員に当社株式の交付および当社株式の換価処分金相当額の金銭の給付を行う株式報酬制度であります。受領するサービスの対価は、付与日における当社株価の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたって費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
引当金として認識した金額は報告日における現在の債務を決済するために要する支出に関して、リスク及び不確実性を考慮に入れた最善の見積りであります。貨幣の時間価値の影響が重要な場合には、引当金は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しております。
当社グループでは、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。
① ステップ1:顧客との契約を識別する
② ステップ2:契約における履行義務を識別する
③ ステップ3:取引価格を算定する
④ ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
⑤ ステップ5:企業の履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する
当社グループは、生トマト等生鮮野菜の生産、農原料を加工した飲料や食品を製造し、卸・小売市場へ、また通信販売事業として、消費者への販売を行っております。このような製品販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。なお、これらの収益は契約に定める価格から値引き及びリベート等の見積りを控除した金額で算定しており、重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。また、取引対価は、通常、履行義務の充足から1年以内に支払いを受けており、重大な金融要素は含んでおりません。
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、補助金を受領することに合理的な保証が得られる場合に、公正価値で測定し認識しております。収益に関する補助金は、費用の発生と同じ連結会計年度に収益として認識しております。資産に関する補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しており、減価償却費の減額として当該償却資産の耐用年数にわたって規則的かつ合理的な基準により純損益として認識しております。
税金費用は、当期の純損益の計算に含まれる当期税金費用と繰延税金費用の合計として表示しております。
当期税金費用及び繰延税金費用は、当該税金費用がその他の包括利益又は資本に直接に認識される取引又は事象及び企業結合から生じる場合を除いて、純損益で認識しております。
当期税金費用は、報告日において制定され、又は実質的に制定されている税率(及び税法)を使用して、税務当局に納付(又は税務当局から還付)されると予想される額で算定しております。
繰延税金費用は、報告日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との間の一時差異に基づいて算定しております。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高い範囲内で認識しております。繰延税金資産の帳簿価額は報告日に再検討しており、繰延税金資産の便益を実現させるのに十分な課税所得を稼得する可能性が高くなくなった範囲で繰延税金資産の帳簿価額を減額しております。
未認識の繰延税金資産についても報告日に再検討し、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲で認識しております。
繰延税金負債は、原則としてすべての将来加算一時差異について認識しております。繰延税金資産及び負債は、報告日において制定され、又は実質的に制定されている税率(及び税法)を使用して、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しております。
次の場合は、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識で生じる将来加算一時差異
・企業結合以外の取引で、取引時に会計上の利益にも課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引における資産
又は負債の当初認識
・子会社、関連会社に対する投資並びに共同支配企業に対する持分に係る将来加算一時差異について、当該一時差異を解消する時期をコントロールすることができ、かつ予測可能な期間にその一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社、関連会社に対する投資並びに共同支配企業に対する持分に係る将来減算一時差異について、当該一時差異が予測し得る期間内に解消、又は当該一時差異を活用できる課税所得が稼得される可能性が高くない場合
税務当局が不確実な税務処理を認める可能性が高くないと判断した際には、不確実性の影響を、関連する課税所得、税務基準額、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除又は税率を決定する際に反映しております。不確実な税務処理のそれぞれについて、不確実性の影響を、最も可能性の高い金額又は期待値のいずれかの適切な方法を用いて反映しております。
繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金資産及び当期税金負債とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、売却目的保有に分類しております。売却目的保有に分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限っております。売却目的保有に分類した後は、帳簿価額又は売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、減価償却又は償却を行っておりません。
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に認識しております。また、株式発行費用は発行価額から控除しております。
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において、利益又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本として認識しております。
当社の株主に対する配当について、期末配当、中間配当は取締役会により決議された日の属する期間の負債として認識しております。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っております。見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した連結会計年度と将来の連結会計年度において認識されます。
翌連結会計年度において資産や負債の帳簿価額に重要な修正を加えることにつながる重要なリスクを伴う見積り及びその基礎となる仮定は以下の通りであります。
・非金融資産の減損(注記「3.重要な会計方針(1)連結の基礎 ②関連会社」、「3.重要な会計方針(11) 非金融資産の減損」、注記「12.非金融資産の減損」及び注記「13.持分法で会計処理されている投資」)
・金融商品の公正価値(注記「3.重要な会計方針(4) 金融商品」、注記「14.その他の金融資産」及び注記「30.金融商品」)
・確定給付制度債務の測定(注記「3.重要な会計方針(12) 従業員給付」及び注記「20.従業員給付」)
5.セグメント情報
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社の取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、国内において、飲料や調味料の製造・販売を行っている国内加工食品事業、トマトを中心とした生鮮野菜の生産・販売を行っている国内農事業の2つを主たる事業としております。また、種子開発から農業生産、商品開発、加工、販売までの垂直統合型ビジネスを国際事業として展開しております。なお、当社グループは製品、顧客等の要素及び経済的特徴の類似性を考慮し、飲料、通販及び食品他については事業セグメントを集約して「国内加工食品事業」を報告セグメントとしております。
したがって、当社グループは「国内加工食品事業」、「国内農事業」、「国際事業」及び「その他」の4つを報告セグメントとしております。また、セグメント利益は、「事業利益(※)」であり、取締役会は事業利益に基づいて事業セグメントの業績を評価しております。
※「事業利益」は、「売上収益」から「売上原価」、「販売費及び一般管理費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えた、経常的な事業の業績を測る利益指標です。
各報告セグメントの主要な製品は、以下の通りであります。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注)事業利益の調整額には、事業セグメントに配分していないグループ本社機能に関する連結共通費用が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注)事業利益の調整額には、事業セグメントに配分していないグループ本社機能に関する連結共通費用20億17百万円及び連結財務諸表上金融収益に含まれる、第1四半期連結累計期間から開始した国内農事業の商品購入価格スワップに係る決済損益14百万円が含まれております。
セグメント情報に同様の情報を開示しているため、記載を省略しております。
(注) 売上収益は顧客の所在地を基礎としております。
(注) 非流動資産は資産の所在地を基礎とし、その他の金融資産及び繰延税金資産を含んでおりません。
6.現金及び現金同等物
(1)現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の連結財政状態計算書における現金及び現金同等物の残高と、連結キャッシュ・フロー計算書上の現金及び現金同等物の残高は、一致しております。
(2)非資金取引
前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な非資金取引はありません。
7.営業債権及びその他の債権
営業債権及びその他の債権の内訳は以下の通りであります。
8.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、以下の通りであります。
(注)1.前連結会計年度及び当連結会計年度において、連結損益計算書の「売上原価」として認識した棚卸資産の金額は、それぞれ134,190百万円及び144,613百万円であります。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ536百万円及び△80百万円であります。当該金額は連結損益計算書の「売上原価」に含まれております。
3.負債の担保に供されている棚卸資産はありません。
9.有形固定資産
有形固定資産の帳簿価額の増減、取得価額並びに減価償却累計額及び減損損失累計額の増減は、以下のとおりであります。
(注)1.建設中の有形固定資産に関する金額は建設仮勘定として表示しております。
2.所有権に制限がある有形固定資産はありません。
3.有形固定資産の取得に関するコミットメントについては、「33.コミットメント」をご参照ください。
4.減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費および一般管理費」に計上しております。
5.有形固定資産の取得原価に含めた借入コストはありません。
上記のうち担保に供している資産の内訳は以下の通りであります。
(注)関係会社の建設賃貸借契約に基づき、建設協力金及び預り敷金(前連結会計年度1,618百万円、当連結会計年度1,532百万円)に対し設定した抵当権、並びに関係会社の借入金(長期借入金含む)(前連結会計年度246百万円、当連結会計年度225百万円)に対し設定した担保であります。
10.のれん及び無形資産
のれん及び無形資産の帳簿価額の増減及び取得原価、償却累計額及び減損損失累計額は、以下のとおりであります。
(注) 1.所有権に制限がある無形資産及び負債の担保として抵当権が設定された無形資産はありません。
2.償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費および一般管理費」に計上しております。
3.個々に重要な無形資産及び耐用年数を確定できない無形資産はありません。
11.リース
リースに係る費用、収益、キャッシュフローは次のとおりです。
(注) 1.借手が潜在的に晒されている将来キャッシュ・アウトフローのうち、リース負債の測定に反映されていない重要なものはありません。
2.リース期間が12か月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースに係る費用に重要性はありません。
3.リース負債の測定に含めていない変動リースに係る費用、使用権資産のサブリースによる収益及びセール・アンド・リースバック取引から生じた利得または損失はありません。
有形固定資産の帳簿価額に含まれる使用権資産の帳簿価額は次のとおりです。
12.非金融資産の減損
当社グループは、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っており、原則として、経営管理上の事業区分を基準として資金生成単位を識別しております。
当社グループは、各資産及び資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超える場合には、その超過額を減損損失として認識しております。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当社グループの国内農事業セグメントでは、主に生鮮トマト、ベビーリーフ等の生産・販売を手掛けており、そのための資産(有形固定資産2,183百万円、無形資産52百万円)を有しております。
生鮮野菜の特質上、気象条件により生産・販売数量に加えて販売価格が変動することから、同事業セグメントの業績は気象条件に伴うリスクに晒されております。
当連結会計年度において、国内農事業セグメントを取り巻く環境変化を受け、同事業セグメントの利益は計画値344百万円から大きく悪化し115百万円となり、今後もエネルギー、肥料等のコスト上昇など生産コスト・仕入価格の上昇が見込まれることから、減損の兆候を認識しました。
そのため、減損テストにおいて気象条件に伴うリスクによる販売価格の不確実性や将来のコスト上昇等の影響を、過去の実績等に基づき総合的に勘案した結果、減損損失を計上しました。
なお、減損損失の測定にあたっては、同事業セグメントから期待される複数の将来キャッシュ・フローの内、当連結会計年度末時点において最も合理的と判断したものを割り引いた使用価値と資産の処分コスト控除後の公正価値を比較の上、算定しております。
減損損失2,236百万円の内訳は以下の通りです。
13.持分法で会計処理されている投資
個々に重要性のない関連会社に対する当社グループ関与の帳簿価額、並びに当期利益、その他の包括利益及び当期包括利益に対する持分は次のとおりです。
前連結会計年度及び当連結会計年度においては、持分法で会計処理されている投資に係る減損について、該当はありません。
14.その他の金融資産
その他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 資本性金融資産はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、デリバティブ資産(ヘッジ会計が適用されているものを除く)及びその他の一部は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産、貸付金及びその他のうち要件を満たすものは償却原価で測定する金融資産にそれぞれ分類しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の主な銘柄及び公正価値は、次のとおりです。
(注) 株式は、取引先との関係維持、強化による収益基盤の拡大を目的として保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産に指定しております。
期中に認識を中止した、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産の認識中止日時点の公正価値、累積利得又は損失(税引後)は、次のとおりです。
(注) 1.主として政策保有株式の見直しを目的に、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の一部を売却により処分し、認識を中止しております。
2.その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産は認識を中止した場合、その他の包括利益にて認識している累積利得又は損失(税引後)を利益剰余金に振り替えております。
15.法人所得税
繰延税金資産及び繰延税金税金負債の主な原因別の内訳及び増減内容は、次のとおりです。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注) その他には、在外営業活動体の換算差額等が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) その他には、在外営業活動体の換算差額等が含まれております。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金の金額は、以下のとおりであります。
繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金の失効日は以下のとおりであります。
繰延税金負債として認識されていない関連会社に対する投資に係る一時差異の総額は、前連結会計年度末において4,440百万円、当連結会計年度末において4,390百万円であります。
これらは当社グループが一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ、予見可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
純損益を通じて認識された法人所得税費用は以下のとおりであります。
法定実効税率と実際負担税率との差異の原因となった主要な項目は以下のとおりであります。
16.営業債務及びその他の債務
営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
17.社債及び借入金
(1)社債及び借入金の内訳は、以下のとおりであります。
(2)社債の発行条件の要約は、以下のとおりであります。
(3)財務活動に係る負債の調整表
①前連結会計年度
②当連結会計年度
18.その他の金融負債
(1)その他の金融負債の内訳は、以下のとおりであります。
デリバティブ負債(ヘッジ会計が適用されているものを除く)は純損益を通じて公正価値で測定する金融負債、その他は償却原価で測定する金融負債にそれぞれ分類しております。リース負債については「11.リース」をご参照下さい。
(2)財務活動に係る負債の調整表
①前連結会計年度
②当連結会計年度
19.引当金
引当金の内訳及び増減内容は、以下のとおりであります。
(注)資産除去債務には、当社グループが使用する賃借事務所・建物等に対する原状回復義務に備え、将来支払うと見込まれる金額を計上しております。
これらの費用は、事務所等の耐用年数を考慮して決定した使用見込期間経過後に支払われると見込んでおりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
20.従業員給付
当社及び一部の連結子会社は確定給付型の制度として退職一時金制度を設けております。また、当社及び一部の連結子会社では確定拠出型の制度を厚生年金制度の他に設けております。この他、従業員の退職等に際して割増退職金を支払う場合があります。
また、資産運用実績や制度の状況、会計処理などは担当部署たる財務経理部門および人事部門で適切に管理するとともに、方針を決定しております。
連結財政状態計算書で認識した金額は以下のとおりであります。
確定給付制度債務の現在価値の増減内容は以下のとおりであります。
係る資産の調整表
(単位:百万円)
制度資産の公正価値の増減内容は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
主な数理計算上の仮定は以下のとおりであります。
期末日時点で以下に示された割合で割引率が変動した場合、確定給付債務の増減額は以下のとおりであります。なお、この分析は他の変数が一定であると仮定しております。
加重平均デュレーションは以下のとおりであります。
確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、以下のとおりであります。
売上原価に含まれる人件費として認識した金額は、以下のとおりであります。
21.資本及びその他の資本項目
日本における会社法では、株式の発行に対して払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる項目に組み入れることが規定されております。また、会社法では資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金及び利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されています。積み立てられた利益準備金は、欠損補填に充当できます。また、株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができることとされております。
確定給付制度の再測定は、期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額であります。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融商品に係る評価損益の累計額であります。
キャッシュ・フロー・ヘッジはキャッシュ・フロー・ヘッジに係るヘッジ手段の公正価値の変動から生じた利得または損失のうち、ヘッジ有効部分の累計額であります。
ヘッジコストは、為替予約に係る先渡要素の価値の変動を繰り延べたものであります。
連結会社の在外営業活動体の財務諸表をそれらの機能通貨から連結会社の表示通貨である日本円に換算することによって生じた換算差額であります。
22.配当金
配当金の支払額は以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注) 2022年2月16日取締役会による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する自社の株式に対する配当金
2百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) 2023年2月16日取締役会による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する自社の株式に対する配当金
5百万円が含まれております。
配当金の効力発生日が翌連結会計年度となるものは、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注) 2023年2月16日取締役会による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する自社の株式に対する配当金
5百万円が含まれております。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注) 2024年2月15日取締役会による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する自社の株式に対する配当金
5百万円が含まれております。
23.売上収益
顧客との契約及びその他の源泉から認識した収益は以下のとおりであります。
(注) その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号「リース」(以下、「IFRS第16号」)に基づくリース収益が含まれています。
当社グループの売上収益は、主として一時点で顧客に支配が移転される財から生じる収益で構成されております。取引の対価は重大な金融要素や変動対価を含んでおりません。当社の報告セグメントにおける売上収益を加工食品の種類・販売チャネルごとに以下の通り分解しております。
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) (単位:百万円)
(注) その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益が含まれています。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) (単位:百万円)
(注) その他の源泉から認識した収益には、IFRS第16号に基づくリース収益が含まれています。
顧客との契約から生じた債権、契約資産の残高は、以下のとおりであります。
当社グループにおいては、予想契約期間が1年を超える重要な取引はありません。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。
当社グループにおいては、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産の額に重要性はありません。
24.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は以下のとおりであります。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費の金額は、それぞれ4,090百万円及び4,296百万円であります。
25.その他の収益及び費用
その他の収益の内訳は以下のとおりであります。
その他の費用の内訳は以下のとおりであります。
(注) 減損損失の内容は、注記「12.非金融資産の減損」に記載しております。
26.金融収益及び金融費用
金融収益の内訳は以下のとおりであります。
金融費用の内訳は以下のとおりであります。
27.その他の包括利益
その他の包括利益の内訳項目ごとの組替調整及び税効果額は、次のとおりです。
28.1株当たり利益
(1) 基本的1株当たり当期利益の算定上の基礎
(2) 希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
29.株式報酬
①株式報酬制度の概要
取締役及び従業員等に対するインセンティブ制度として、ストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションの行使期間は、割当契約に定められた期間であり、その期間内に行使されない場合は当該オプションは失効します。当社のストック・オプション制度は、持分決済型として会計処理しております。
当連結会計年度に存在する株式報酬契約は以下のとおりであります。
(注) 1 株式数に換算しております。
(注) 2 ① 新株予約権者が当社の取締役または執行役員のいずれの地位をも喪失したときは、喪失した日の翌日から8年経過するまでの間に限り、当該新株予約権を行使することができる。ただし、権利行使期間内に限る。
② 割当てを受けた当該新株予約権は第72期(2015年12月期)に係る当社の連結経常利益率5%を基準とし、その達成度に応じて別途定める個数(1個未満の端数は切り捨てる)を行使できるものとする。ただし、第72期(2015年12月期)に係る当社の連結経常利益率2%未満の場合は、当該新株予約権を行使することができない。
③ 上記①は、新株予約権を相続により承継した者については適用しない。
④ 新株予約権者が新株予約権を放棄した場合、当該新株予約権を行使することができない。
(注) 3 ① 新株予約権者が当社の取締役または執行役員のいずれの地位をも喪失したときは、喪失した日の翌日から8年経過するまでの間に限り、当該新株予約権を行使することができる。ただし、権利行使期間内に限る。
② 割当てを受けた当該新株予約権は第74期(2017年12月期)に係る当社の連結経常利益率4.5%を基準とし、その達成度に応じて別途定める個数(1個未満の端数は切り捨てる)を行使できるものとする。ただし、第74期(2017年12月期)に係る当社の連結経常利益率2%未満の場合は、当該新株予約権を行使することができない。
③ 上記①は、新株予約権を相続により承継した者については適用しない。
④ 新株予約権者が新株予約権を放棄した場合、当該新株予約権を行使することができない。
(注) 4 ① 新株予約権者が当社の取締役または執行役員のいずれの地位をも喪失したときは、喪失した日の翌日から8年経過するまでの間に限り、当該新株予約権を行使することができる。ただし、権利行使期間内に限る。
② 割当てを受けた当該新株予約権は第75期(2018年12月期)に係る当社の連結経常利益率5%を基準とし、その達成度に応じて別途定める個数(1個未満の端数は切り捨てる)を行使できるものとする。ただし、第75期(2018年12月期)に係る当社の連結経常利益率2%未満の場合は、当該新株予約権を行使することができない。
③ 上記①は、新株予約権を相続により承継した者については適用しない。
④ 新株予約権者が新株予約権を放棄した場合、当該新株予約権を行使することができない。
(注) 5 ① 新株予約権者が当社の取締役または執行役員のいずれの地位をも喪失したときは、喪失した日の翌日から8年経過するまでの間に限り、当該新株予約権を行使することができる。ただし、権利行使期間内に限る。
② 割当てを受けた当該新株予約権は第75期(2018年12月期)に係る当社の連結経常利益率5%を基準とし、その達成度に応じて別途定める個数(1個未満の端数は切り捨てる)を行使できるものとする。ただし、第75期(2018年12月期)に係る当社の連結経常利益率2%未満の場合は、当該新株予約権を行使することができない。
③ 上記①は、新株予約権を相続により承継した者については適用しない。
④ 新株予約権者が新株予約権を放棄した場合、当該新株予約権を行使することができない。
(注) 6 ① 新株予約権者が当社の取締役または執行役員のいずれの地位をも喪失したときは、喪失した日の翌日から8年経過するまでの間に限り、当該新株予約権を行使することができる。ただし、権利行使期間内に限る。
② 割当てを受けた当該新株予約権は第77期(2020年12月期)に係る当社の連結事業利益率5.8%を基準とし、その達成度に応じて別途定める個数(1個未満の端数は切り捨てる)を行使できるものとする。ただし、第77期(2020年12月期)に係る当社の連結事業利益率2.3%未満の場合は、当該新株予約権を行使することができない。
③ 上記①は、新株予約権を相続により承継した者については適用しない。
④ 新株予約権者が新株予約権を放棄した場合、当該新株予約権を行使することができない。
(注) 7 ① 新株予約権者が当社の取締役または執行役員のいずれの地位をも喪失したときは、喪失した日の翌日から8年経過するまでの間に限り、当該新株予約権を行使することができる。ただし、権利行使期間内に限る。
② 割当てを受けた当該新株予約権は第78期(2021年12月期)に係る当社の連結事業利益率5.8%を基準とし、その達成度に応じて別途定める個数(1個未満の端数は切り捨てる)を行使できるものとする。ただし、第78期(2021年12月期)に係る当社の連結事業利益率2.3%未満の場合は、当該新株予約権を行使することができない。
③ 上記①は、新株予約権を相続により承継した者については適用しない。
④ 新株予約権者が新株予約権を放棄した場合、当該新株予約権を行使することができない。
③ストック・オプションの規模及びその変動状況
期中に付与されたストック・オプションの数及び単価情報は、次のとおりです。ストック・オプションの数については、株式数に換算して記載しております。
a. ストック・オプションの数
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
期末時点で残存している発行済みオプションの加重平均残存契約年数は 5.2年です。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
期末時点で残存している発行済みオプションの加重平均残存契約年数は 4.4年です。
b. 単価情報
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
(注)期中に権利行使されたストックオプションに係る、権利行使時の加重平均株価です。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
(注)期中に権利行使されたストックオプションに係る、権利行使時の加重平均株価です。
④付与されたストック・オプションの公正価値及び公正価値の見積方法
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
該当事項はありません。
①制度の概要
取締役及び執行役員に対するインセンティブ制度として、役員報酬BIP制度を採用しております。本制度は、当社が拠出する取締役及び執行役員の報酬額を原資として、信託が当社株式を取得し、当該信託を通じて取締役及び執行役員に当社株式の交付および当社株式の換価処分金相当額の金銭の給付を行う株式報酬制度であります。当社のBIP信託制度は、持分決済型として会計処理しております。
③ポイント数の規模及びその変動状況
a.付与されたポイント数
(単位:ポイント)
※付与ポイントに、業績確定係数(評価対象事業年度から2事業年度後の業績目標達成度に応じて0%~100%)を乗じて最終的なポイントを確定します。確定ポイントは1ポイントにつき当社株式1株で交付されます。
b.付与されたポイントの公正価値
(単位:円)
④付与されたポイントの公正価値の見積方法
前連結会計年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)
a. 使用した評価技法
ブラック・ショールズ式
b. 主な基礎数値及びその見積方法
(注) 1 予想残存期間に対応する期間の週次ヒストリカルボラティリティに基づき算定しました。
2 2022年12月期の通期配当額によります。
3 予想残存期間に対応する期間に対応する国債の利回りであります。
当連結会計年度(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
a. 使用した評価技法
ブラック・ショールズ式
b. 主な基礎数値及びその見積方法
(注) 1 予想残存期間に対応する期間の週次ヒストリカルボラティリティに基づき算定しました。
2 2023年12月期の通期配当額によります。
3 予想残存期間に対応する期間に対応する国債の利回りであります。
30.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、持続的成長を続け、企業価値を最大化するために、財務健全性、資本収益性及び資本効率を重視した財務政策に基づく資本管理をしております。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、事業活動を遂行する過程において、様々な財務上のリスク(信用リスク、市場リスク及び流動性リスク)に晒されております。そのため、社内管理規程等に基づき、定期的に財務上のリスクのモニタリングを行い、リスクを回避又は低減するための対応を必要に応じて実施しております。
① 信用リスク
信用リスクとは、当社グループが、契約相手先が債務を履行できなくなることにより、財務的損失を被るリスクであります。
営業債権である受取手形及び売掛金については、顧客の信用リスクに晒されております。当該リスクについては、新規取引発生時に顧客の信用状況に関して社内の審議・承認のプロセスを踏むことを徹底しております。また、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行っております。
返済期日を大幅に経過している場合など債務不履行と認識される場合には、信用減損金融資産と判断しております。当社グループは、営業債権の全部または一部が回収不能と評価され、信用調査の結果、償却することが適切であると判断した場合、当該営業債権の帳簿価額を直接償却しております。期末日における信用リスクに対する最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている帳簿価額になります。
当社グループは、営業債権について全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。
営業債権にかかる貸倒引当金の増減は次のとおりです。
なお、期日を経過している債権の重要性はありません。
また、貸倒引当金は過去の実績率等に基づいて計上しております。
② 流動性リスク
当社グループの営業債務や借入金等については、金融環境の変化等により支払期日にその支払を実行できなくなる流動性リスクに晒されておりますが、当社グループでは、適時、資金繰り計画を作成・更新し、十分な手元流動性を維持することなどによりリスク管理をしております。
金融負債の契約上の満期は以下のとおりであります。
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
③ 市場リスク
市場環境が変動するリスクにおいて、当社グループが晒されている主要なものには為替リスクがあり、主として為替リスクの回避又は軽減を目的として、デリバティブ取引を利用しております。なお、当社はデリバティブ取引については、取引権限を定めた社内規定に準じた管理を行っております。当社グループの主な為替リスクは、為替相場の変動による外貨建て仕入値の変動となります。
(a) 為替変動リスクのエクスポージャー
為替変動リスクのエクスポージャー(純額)は以下のとおりであります。なお、デリバティブ取引により為替変動リスクがヘッジされている金額は除いております。
(b) 感応度分析
期末為替レートに対して、1%円高となった場合、税引前利益に与える影響は以下のとおりであります。
なお、本分析は、その他すべての変数が一定であることを前提としております。また、米ドル及びユーロ以外の通貨の為替変動に対するエクスポージャーに重要性はありません。
④ 株価変動リスク
当社グループの保有する有価証券等は、市場価格の変動リスクに晒されております。当社グループは、有価証券等について、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
(a) 株価変動リスク感応度分析
当社グループが保有する上場株式について株価が10%下落した場合における連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果考慮前)の影響は以下のとおりであります。
なお、本分析は、その他すべての変数が一定であることを前提としております。
(3) 公正価値
① 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類
公正価値で測定される金融商品について、測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて算定した公正価値を以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1・・・同一の資産又は負債に関する活発な市場における公表市場価格により測定した公正価値
レベル2・・・レベル1以外の、資産又は負債について、直接又は間接的に観察可能なインプットにより測定した公正価値
レベル3・・・資産又は負債についての観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定した公正価値
② 公正価値で測定される金融商品
公正価値で測定される主な金融商品の測定方法は以下のとおりであります。
(ⅰ)デリバティブ資産及びデリバティブ負債
デリバティブ資産及びデリバティブ負債はそれぞれその他の金融資産及び金融負債に含まれております。これらは為替予約、金利通貨スワップであり、主に外国為替相場や金利等の観察可能なインプットを用いたモデルに基づき測定しております。
(ⅱ)株式
株式はその他の金融資産に含まれております。株式については、レベル1に区分されているものは活発な市場で取引されている上場株式であり、取引所の市場価格によって評価しております。レベル3に区分されているものは非上場株式及び出資金であり、主に類似企業比準法又はその他の適切な評価技法を用いて測定しております。なお、非上場株式の公正価値測定にあたっては、割引率、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しており、必要に応じて一定の非流動性ディスカウントを加味しております。
公正価値で測定される金融商品の公正価値ヒエラルキーは以下のとおりであります。 公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各報告日において認識しております。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル1、2及び3の間の振替はありません。
前連結会計年度(2022年12月31日)
当連結会計年度(2023年12月31日)
レベル3に分類された金融商品の期首から期末までの変動は以下のとおりであります。
(注) 利得又は損失は、各報告期間の末日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定される金融資産の純変動」に認識されております。
なお、観察可能でないインプットの変動による影響額の重要性はありません。レベル3に区分される公正価値測定についての評価プロセスに関して、財務部門責任者により承認された評価方針及び手続きに従い、財務部門担当者が四半期ごとに公正価値を測定しております。
償却原価で測定される主な金融商品に係る公正価値の測定方法は以下のとおりであります。なお、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっている金融商品及び重要性の乏しい金融商品は、下表に含めておりません。
(ⅰ)現金及び現金同等物(公正価値で測定される短期投資を除く)、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務、借入金
これらは短期間で決済されるものであるため、帳簿価額が公正価値と近似しております。
(ⅱ)長期借入金
レベル2に分類される長期借入金の公正価値は、残存期間における元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しております。
償却原価で測定される主な金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
(4) デリバティブ
① キャッシュ・フロー・ヘッジ
当社グループの予定取引の為替リスクの管理は、予定取引に対して1年を超える先物為替予約を行う場合、原則として月別の予定取引額の50%を上限とし、1年以内の予定取引に対しては80%を上限としております。
外貨建ての棚卸資産の仕入に係る予定取引について、取引ごとにヘッジ会計の適格要件を満たす場合に、キャッシュ・フロー・ヘッジを適用しております。
ヘッジ有効性評価の目的上、ヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的関係を判断するに当たっては、キャッシュ・フロー・ヘッジの変動に対して高度に相殺効果を有すると予想されるかどうかに基づいております。
② 連結財政状態計算書における影響
ヘッジ手段が当社連結財政状態計算書に与える影響は、以下のとおりであります。 ヘッジ手段に係る資産、ヘッジ手段に係る負債はそれぞれ連結財政状態計算書上の「その他の金融資産」又は「その他の金融負債」に含まれております。
前連結会計年度(2022年12月31日)
(単位:百万円)
純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ手段の公正価値の変動の記載は省略しております。
当連結会計年度(2023年12月31日)
(単位:百万円)
純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ手段の公正価値の変動の記載は省略しております。
なお、上記為替予約の帳簿価額(公正価値)のうち、当社分は6,702百万円(資産)であります。
上記以外に、ヘッジ指定されていないデリバティブ資産及びデリバティブ負債の公正価値は以下のとおりであります。
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金、ヘッジコスト剰余金は以下のとおりであります。
なお、ヘッジ会計を中止したヘッジ関係から生じたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金はありません。
純損益に認識したヘッジ非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しております。
③ 連結損益計算書及び連結包括利益計算書における影響
キャッシュ・フロー・ヘッジ、ヘッジコストとして指定したヘッジ手段に関する当社グループの純損益及びその他の包括利益への影響は以下のとおりであります。
(注) 税効果考慮後の金額であります。
(注) 税効果考慮後の金額であります。
ヘッジの中止等による組替調整額はありません。なお、ヘッジ対象が棚卸資産の取得等に関する予定取引である場合は、「その他の資本の構成要素」に累積されたキャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金を棚卸資産等の取得原価に振り替えております。取得原価に振り替えられた金額のうち、為替リスクに対応するものは△2,514百万円(前年度:△1,660百万円)であります。また、純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
④ ヘッジ手段の想定元本の期日別残高及びヘッジ手段の平均レート
期末日におけるヘッジ手段の想定元本の期日別残高及びヘッジ手段の平均レートの内容は以下の通りであります。
31.関連当事者取引
(1) 関連当事者との取引
当社と関連当事者との間の取引は、以下のとおりであります。
(注)運賃・保管料等については、市場取引価格等を参考にして交渉により決定しております。
(2) 主要な経営幹部に対する報酬
当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりであります。
32.主要な子会社
(注) 1 主要な事業の内容欄には、セグメントの名称を記載しております。
2 特定子会社に該当しております。
3 上記連結子会社は有価証券届出書又は有価証券報告書を提出しておりません。
4 持分は、100分の50以下でありますが、実質的に支配しているため子会社としております。
5 議決権の所有割合の( )内は間接所有割合の内数であります。
33.コミットメント
資産の取得に関するコミットメントは、以下のとおりであります。
34.重要な後発事象
(Ingomarの持分追加取得(連結子会社化)等)
当社は、2024年1月26日開催の取締役会において、全額出資子会社の KAGOME USA HOLDINGS INC. (以下、KUH)への出資を通じて、当社グループの持分法適用関連会社である米国Ingomarの持分を追加取得することを決議し、同日付でIngomarを連結子会社化しました。
あわせて同日付で自己株式処分に係る発行登録をしております。
1. 取引の概要
(1)2024年1月26日に、当社の100%子会社であるKUHへの出資を通じて、Ingomarの出資持分50%を追加取得しました。これにより、2016年に当社の100%子会社KIUSを通じて取得した出資持分20%と合わせ、Ingomarをカゴメグループの連結子会社とします。
(2)2024年3月末までに、カゴメが保有するKIUSの全株式をKUHに現物出資します。また、KIUSが保有するIngomarの出資持分20%をKUHに譲渡します。これによりKUHはKIUSとIngomarの親会社となります。なお、KUHは、KIUS及びIngomarの持株会社に留まらず、将来的には、米国におけるカゴメグループの事業・資金・ガバナンスの統括拠点へと機能を拡充していくことを予定しております。
2. Ingomar持分追加取得の背景・目的等
(1)Ingomarについて
Ingomarは1983年設立以降、約40年に渡り、世界最大の加工用トマト産地である米国カリフォルニア州において、トマトペースト・ダイストマト等(トマト一次加工品)を製造・販売しております。
同社は年間約155万㌧の加工用トマトを加工し、その量は米国で第2位、世界全体においても第4位の規模を誇ります。※2022年度実績 (出典:Tomato News、2023年5月9日)
同社の強みは、現主要出資者である創業メンバーが加工用トマト農家であることから、安定的かつ盤石な加工用トマトの調達基盤があること、産地の中に加工拠点があるという効率の良さ、グローバル市場におけるコスト競争力、そして当社が長い取引で確認してきた品質と供給の安定性となります。
(2)カゴメグループとの関係
カゴメグループは、2008年より同社からトマト一次加工品の調達を開始しました。それ以来、同社を主力調達先の一つとして位置づけ、日本、米国、台湾、豪州などにおいて、主力商品であるトマトソースやピザソース、トマトケチャップ等(トマト二次加工品)の原材料に使用しています。
2016年には、トマト一次加工品の調達及び顧客への安定供給を目的に、当社子会社でトマト二次加工品を製造・販売するKIUSを通じて、Ingomarの出資持分20%を取得し、当社の持分法適用関連会社とすることで関係強化を図っています。
(3)背景
①海外成長の加速
カゴメグループはグローバルに展開するトマト加工事業において、「種子開発・販売」「加工用トマト栽培」「一次加工」「二次加工」の機能を保有しており、それぞれの機能において顧客ニーズを満たす付加価値を創造できることが強みです。国際事業ではこの強みを活かして、事業拠点の所在地である米国、ポルトガル、豪州、台湾、インドにおいて、各地域やグローバルに展開しているフードサービス業態、食品製造業等にむけてトマト加工品等を販売しております。これらの活動の強化により、2023年の国際事業の業績は3年連続で増収増益であり、存在感が年々高まっております。この成長を更に拡大していくために、2024年は国際事業の経営方針を「海外成長の加速」として、海外グループ会社の更なる連携強化に取り組む考えです。
②トマト加工事業を取り巻く環境変化
トマト加工事業は世界人口の増加、経済成長等により今後も底堅い需要が見込めますが、一方で、気候変動リスクや地政学リスク等が高まっております。特に加工用のトマト栽培は、他の農産物と同様、気候変動(干ばつ等)への対応に加え、環境負荷の軽減、収穫量の安定化と向上、栽培コストの低減といった様々な難しい課題に直面しています。カゴメグループはこれらを、トマト加工事業さらにはカゴメグループの持続的成長を実現するための急務な課題としております。
(4)目的
①米国トマト加工事業のバリューチェーンの強化による米国事業の更なる成長
現在の米国トマト加工事業(「種子開発・販売」「二次加工」)に、「一次加工」の機能を取り込むとともに、Ingomarの特徴であり強みでもある「加工用トマト栽培」への関与を強めます。同一地域内で完全なバリューチェーンを保有することにより、事業の安定性と持続性を高め、米国トマト加工事業の更なる成長を図ります。
②トマト加工事業のグローバルネットワークの強化による国際事業全体の成長加速
世界最大の加工用トマト産地における「一次加工」機能の保有は、グローバルに展開するフードサービス業態・食品製造業との取引拡大を支えるグローバルネットワークの強化につながります。Ingomarは、当社が2023年10月に新設した社内組織「カゴメ・フード・インターナショナルカンパニー」に加わり、この組織に配置されている海外各社との連携を図ります。
また同社が保有するトマト一次加工の技術や知見をカゴメグループ内に展開し、カゴメグループのトマト加工事業の競争力を高めていくと共に、人材交流も含めカゴメグループのグローバル化を加速していきます。
③農業領域の取り組み強化による、競争優位性があり、持続可能なトマト加工事業の構築
Ingomar及び同社出資パートナーと共同で、特に栽培技術の開発に取り組み、環境負荷の低減や収穫量の安定化、栽培効率の向上等を目指します。技術開発に際しては、世界最大の加工用トマト産地であり、農業の最先端技術が集まる米国カリフォルニア州の利点を生かして、現地の研究機関や農業関連企業等とのオープンイノベーションも積極的に進めていきます。開発した技術は、Ingomarの加工用トマト調達先に展開する他、米国以外のグループ会社への展開も目指します。これにより各地域のトマト加工事業の強化を図り、ひいてはグローバルな視点で、トマト加工事業の競争優位性と持続可能性を高めていきます。
3.Ingomarの概要
4.Ingomarの取得持分,取得価額及び取得前後の所有持分の状況
※〔〕内の円換算額は、1ドル148円で換算した参考値となります。
5.主な日程
6.資金調達の方法
(1)ブリッジローン
Ingomarの出資持分50%に係る取得価額243,341千米ドルは、全額をブリッジローンとして金融機関から円貨で借り入れております(借入総額 36,046百万円)。
(2)パーマネント化
当社グループは、財務基盤の安定と資本効率を重視した成長を基本方針とする財務戦略の下、第3次中期経営計画期間(2022年~2025年)においては、自己資本比率50%を維持する範囲内で借入や自己株式の活用により、M&Aを含めたインオーガニック成長のための事業投資を進めております。
こうした考え方に基づき、本件のパーマネント化においては、ブリッジローンの返済原資の一部として、当社が保有する自己株式約8百万株(発行済株式総数の約9%)の一部処分を予定していることから、普通株式に係る発行登録(上限 250億円)を行いました。
(3)発行登録に関する事項
※記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しております。
35.連結財務諸表の承認
当社グループの連結財務諸表は、2024年3月8日に開催の取締役会により承認されております。