第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

    文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、経営理念として「3つの輝き(お客様の輝き~期待以上の成果~・働く仲間の輝き~物心両面の満足~・社会全体の輝き~正しい納税~)」を掲げ、お客様・従業員ともに満足し、社会に貢献できる事業運営を行うことで、事業の発展を遂げたいと考えております。

期待以上の製品を提供してお客様に喜んでいただくことは当然であり、さらに、社員一人ひとりが能力を発揮できる舞台を提供し、やりがいのある、輝ける場所を作りたいと考えております。また、健全な経営のためのガバナンスを適正に行うことは、企業価値の向上には不可欠です。これらを通じて、事業の発展に注力し、社会へ貢献してまいります。

 

(2) 経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、ウクライナ紛争の長期化、資源エネルギー価格の高騰、半導体の供給不安、インフレ率の上昇、欧米における金利上昇等、依然として不透明な状況にあります。わが国においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限が緩和され、社会活動の正常化に向けた動きがみられていますが、一方で、世界経済の混迷、円安や人手不足などによるコスト増加など、国内における経済の見通しも依然として不透明な状況が続いております。このような中、当社グループが属する情報通信機器、精密電気機器、自動車部品業界におきましては、多様な技術革新の必要性は変わらず、新製品への開発投資は一部製品において抑制傾向があるものの、依然として継続されております。当社グループは、これらメーカーを顧客として、新規開発の試作品製造や新製品の量産製造を推進しており、当社一括一貫体制による、金型製作、成型、加工にわたる幅広い製造工程と技術力をベースに、採算性の向上に努め、また、重要事業への経営資源の最適配分にも取り組んでおります。

 

(3) 経営戦略

当社グループは、早くからマグネシウムビジネスに参入し、危険で加工が難しいと言われるマグネシウムの取り扱いに強みを有しております。マグネシウムビジネスに関しましては、現状において参入障壁が高いと考えています。参入障壁が高い理由につきましては、マグネシウムは発火しやすいという特徴があり、特に細かい状態だと簡単に燃えることから加工の際には火災や爆発などの事故につながる危険を伴うため、安全確保を行いながらの作業が求められます。また、マグネシウムは腐食しやすいことや、成型加工が難しい素材であることから、複雑な形状の部品を製造するためには高度な技術が必要となります。このため国内での同業他社が少ない状態が続いています。当社グループは、これまで幅広い商品への応用に長年取り組んできたため、加工やコスト低減のノウハウ・アイデアを有しており、競争優位性及び従来の主力素材であったアルミニウムと比較して高い利益率を実現しております。今後普及が見込まれるHEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、BEV(電気自動車)、FCEV(水素燃料電池車)等、車両の動力に電気を使って走行する車(以下、「電動車等」という。)の拡大の肝となるのが、車体の軽量化及び部品の超精密化であり、マグネシウム合金は軽さや精密化を支える素材として期待されている一方で、取り扱いが難しく高い技術力等が求められます。

 

さらに、当社グループは、お客様に高精度の軽量化部品を供給することを事業目的としており、アルミニウムダイカストを希望されるお客様のニーズにも応えることが出来るように、アルミニウムダイカスト事業の拡大を目的として、STX PRECISION (JB) SDN. BHD.(マレーシア)を買収し、事業領域の拡大を図っております。

当社グループでは、マグネシウムの技術要求に対応できるノウハウ・経験と、アルミニウム・マグネシウム両方に対応できる事業領域、さらには日本、中国、タイ、マレーシアに工場を保有しグローバル化が進むメーカーの生産体制に対応できることなどの相乗効果により、競争力を発揮してまいりたいと考えております。

この背景を踏まえ、競合企業が少ないマグネシウム事業を中心に、下記を今後の重点的な経営戦略方針としております。

 

・世界的に電動車や自動運転技術の普及が見込まれる中、当社グループは戦略ドメインを「マグネシウム合金を中心とした電動車・自動運転関連軽量化ソリューション」に定め、市場の成長機会を捉えます。

・電動車等の普及に伴う売上高の増加及びマグネシウムの売上比率の増加により利益率も大きく改善し、高い利益成長を実現します。

 

 

(4) 目標とする経営指標

 現時点の当社グループは未だ成長途上であるとの認識であり、より高い成長性を確保することが最優先課題となっております。このことから「売上高」の増収を重視しつつ、「マグネシウム部品売上高」及び「EBITDA」を重要な指標として位置づけ、営業基盤の拡大による企業価値の拡大を目指しております。

 

(5) 優先的に対処すべき課題

当社グループが対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

① 資金調達の多様化

当社グループの資金調達は、現在、ベンチャーキャピタル等からの出資、TOKYO PRO Market上場時の資金調達及び金融機関からの借入となっております。電気自動車等に代表される軽量化の波が大きく、またマグネシウムダイカストへの期待が大きいほど、競合する相手は資金調達能力が高い海外部品メーカーとなります。このため、資金調達の更なる多様化を早急に図ることは今後の成長戦略を描くうえで、喫緊の課題であります。

 

② 知名度の向上

当社グループは最終製品を製造するメーカーから見て、2次下請けになることが多々あります。国内でマグネシウムダイカストを扱うメーカーが非常に少数であるため、技術的にマグネシウムダイカストを利用したいメーカーはたくさんあると思われますが、取引先の選定において、知名度が十分でないことから取引開始に至るまでには、時間がかかることがあります。

顧客サイドから見れば、取引業者への信頼性及び社会的信用力は重要な要素であります。

当社グループの継続的な企業価値の向上を実現していくには、当社グループの知名度の向上、信頼性及び信用力の向上が重要な課題であると認識しております。

 

③ 優秀な人材の確保

企業の成長には、人材は必須です。しかしながら、中小企業を取り巻く採用環境は非常に厳しいものがあります。ものづくりをしたいと考えていただける人材に、当社グループを知っていただきたいという想いが強くあります。

 

④ 経営基盤の充実強化

経営基盤の充実強化には、ヒト・モノ・カネが欠かせません。また、コーポレート・ガバナンスが十分に機能している組織、ステークホルダーに対する充実した情報開示、コンプライアンスを徹底的に意識した経営など、当然にあるべき姿が根付くための体制の充実・持続を図ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティに関する基本方針

当社グループのサステナビリティとは、事業を通じて社会問題の解決に寄与することであります。当社グループの持続的な成長が、雇用機会の創出、あらゆる働き方の実現及び技術的革新への促進につながり、持続可能な社会の実現に貢献できる世界を目指すことです。その実現に向け、顧客、取引先、従業員、株主をはじめとするあらゆるステークホルダーとの良好な関係を継続し、サステナビリティを重視した経営を実践してまいります。

 

(2)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティに関する重要な経営判断を取締役会で決定しています。

現在「サステナビリティ」に関する組織は設定しておりませんが、今後グループサステナビリティ委員会等の設置並びに体制強化の検討をはかってまいります。

 

(3)戦略

当社グループにおけるサステナビリティ課題は人的資本についてであります。当社グループは、グローバル人材並びに工場のある地域での優秀な人材の獲得、教育の推進並びにこれらの人材が働きやすい環境を提供することが企業価値向上のためには必要であると考えております。当社グループはこうした考えに基づき、人材育成並びに社内環境の整備を下記の通り実施しております。

 

①人材育成

当社は、入社時研修や階層別研修、昇格者研修など、各種教育プログラムを体系的に実施することにより、各階層で求められる人材の育成を行うとともに、管理職向けのマネジメント研修等を実施することで、グローバル人材の育成を推進しております。また、各種資格取得を奨励しており、資格取得に対する補助支援及び資格取得報奨金制度を設けることで、技術職を初めとした従業員の自己啓発に対する支援を行っております。

 

②社内環境整備

当社は、「幅広い人材の登用」「社会的弱者への雇用機会創出」「高齢者の雇用」という人事理念に基づき、多様な人材がそれぞれの持ち場立場で活躍できる職場環境が必要であり、入社年数、年齢、国籍、性別等を区別することなく、能力のある優秀な従業員が平等に活躍の機会が得られるような人事制度を整備しております。また、リモートワークの導入や、定期的な1on1ミーティングにより、個々人の相談を受ける時間を設け、キャリアや働き方に関しての改善を推進しています。

女性活躍推進の観点からは、産休・育休の取得しやすい職場環境を整備することで、妊娠や出産といったライフイベントで女性社員が離職することがないような環境を推進しております。また、母親となる女性だけでなく、男性の育休取得が推進されることが肝要であると考えています。

当社では、外国籍の方、高齢者、障害をお持ちの方などの採用も増やしていく計画であり、多様な方が働ける現場の工程設計・改善はもちろん、社内情報発信や表示の工夫なども実施させて、環境整備を進めてまいります。

 

(4)リスク管理

当社において、全体的なリスク管理は、リスク管理委員会において行っております。リスク・マネジメントを重視した経営を行う上で、リスク・マネジメントの基本的事項を定め、効率的な業務運営を行うため「リスク管理規程」を制定し、主要リスクの認識、リスクの種類に応じた管理を行い、予防的に可能な対策をできる限り施すことを基本としております。「リスク管理委員会」において、各種リスク管理の方針等に関する審議等を行い、重要な事項がある場合は取締役会において報告を行う体制となっております。

サステナビリティを含む様々なリスクに応じて責任部署等を定め、リスクを分析し必用な対応策を講じております。

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 市場環境について

(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、各種製品軽量化を主眼においた金属製品鋳造及び加工を行っております。各メーカーにはそれぞれの開発サイクルがあり、特に精密機器メーカーにおける開発予算の圧縮、開発スケジュールの変更やモデルチェンジサイクルの変化等の影響を受ける可能性があります。当社では、精密機器分野以外の、特に自動車分野のような裾野の広い産業からの受注を高めることで、リスクを低減したいと考えております。

 

② 特定分野への依存について

(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)

当社グループは、精密機器分野の受注が多く、複数の顧客と取引を行うこと、取扱分野を広げることでリスク分散を図っておりますが、感染症等による影響により、当該分野の景気が悪化した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

③ 顧客の財務状況について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、顧客について信用調査をした上で取引を行っておりますが、係る調査が効果的ではない可能性があり、事業環境の変化等により、当社の顧客が支払不能、倒産等に陥った場合、係る顧客から売掛債権を回収できず、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

④ 法的規制について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)

当社グループの事業においては、製造物責任法等の各種法令やガイドライン等による規制を受けております。

こうした法令の制定や改正等、当社グループの事業に関する事項が規制を受けた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑤ 為替変動について

(顕在化の可能性:大、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、関係会社を通じて、グローバルに原材料の調達及び製品の供給を行い、事業を展開しております。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、在外子会社の財務諸表を円貨に換算する必要があるため、当該子会社の財務諸表の各項目は、換算時の為替レートの変動の影響を受けます。過去の為替レートと比較し、円高となる場合には、円換算額が表面上減少することになります。

また、為替レートの変動は、外貨建てで取引されている原材料、製品の販売価格等にも影響を与える可能性があります。このため、当社グループでは、各生産拠点での取引は、できるだけ現地通貨建てとし、為替変動リスクの削減に注力しています。

 

⑥ 海外事業展開について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、アジアを中心に海外事業展開をしております。海外においては、政治、経済情勢の変化、関税(貿易協定や環太平洋パートナーシップ(TPP)協定)等の国際取引情勢の変化、予期しえない法規制の変更、自然災害、テロ、戦争、伝染病の流行等による社会的又は経済的な混乱、労働賃金のコストアップ、慣習等に起因する予測不可能な事態の発生等、それぞれの国や地域固有のリスクが存在します。係るリスクに関して、当社グループでは、政治・経済情勢のモニタリングを継続している他、事業に関連する各国法制度の状況をグローバルで把握し適宜対応を図っていますが、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

⑦ 原材料価格について

(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:低)

当社グループの製品は、マグネシウム合金及びアルミニウム合金を主原料としております。原材料の市場価格が変動した場合、一般的には取引先との合意により販売価格に転嫁することになっています。しかしながら、販売価格への転嫁は後追いとなるため、市場価格の上昇局面においては、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業の運営体制に関するリスク

① 特定経営者への依存について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社の代表取締役である佐藤輝明は、当社の経営方針や戦略の決定をはじめ、営業、製造技術の各方面の事業推進において重要な役割を果たしており、その決定により当社の事業が左右される可能性があります。当社グループでは、過度に特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社グループでの業務執行が困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保・育成について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、事業の拡大に応じて従業員の育成や採用を行っております。また、多くの生産拠点が海外にあるため、海外人材の採用・育成も積極的に行っています。しかしながら、当該施策が適時適切に進行しなかった場合、もしくは業務執行上重要な役割を担う役職者が予期せず退社した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 内部管理体制について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループでは、コーポレート・ガバナンスの充実を図る多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

限定的な取引先に依存している取引について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループの金属部品鋳造及び加工事業における原材料仕入先及び外注加工依頼先に関して、海外企業を含む限定的な取引先に依存している取引があります。取り扱い企業が少ないマグネシウムに関しては、原材料の仕入を、主として日本マテリアル株式会社及びOMM(THAILAND)CO.,LTD. からの仕入れに限定しており、両社とは、良好な関係を築いております。当社グループは、基本的に品質が安定し、価格が安い原材料を選択しているため、一時的に特定の取引先の仕入依存度が上昇することがあります。

外注加工については、適正な品質等を確保できる技術力をもった協力企業に良好な関係のなか依頼を行っております。過度に依存している外注先や、代替ができない外注先はありません。

しかしながら、これらの取引先との取引が何らかの事情で継続できなくなった場合、一時的な混乱が生じ、事業の効率的な運営に悪影響が生ずる可能性があります。

 

⑤ 機密保持について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、事業の性格上、新製品開発に関する顧客の機密情報を取り扱う機会が多いことから、機密保持を経営上の最重要課題と認識しております。ハードとソフトの両面から総合的な管理を行うとともに、定期的な社内教育の実施により当社グループの機密保持レベルの向上に努めております。しかしながら、不測の事態により、万一、機密情報が外部へ漏洩するようなこととなった場合、当社グループの信用失墜に伴う受注の減少や損害賠償による費用の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

 

⑥ 製品の品質について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、品質管理活動に継続的に取り組んでおります。また、当社グループの過失により製造物の欠陥が発生した場合に備え、賠償責任保険に加入しております。しかしながら、製造物の欠陥が生じた場合は、損害賠償による多額の費用発生や社会的信用の低下により、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

また、難易度の高い製品については、生産過程における製造ロスが発生することがあり、多くの場合、リサイクルを行いますが、大量の製造ロスが発生した場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑦ 工場の環境整備について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)

当社グループは、廃棄物削減、地球温暖化や大気汚染防止、有害物質の処理等に関して様々な環境規制の適 用を受けております。当社グループは、環境整備活動を重要な方針の一つとして掲げ、工場の環境整備を進めております。しかしながら、自然災害や事故により不測の環境汚染が生じる場合、当社グループが現在稼動させている工場用地等において汚染物質が発見された場合、新たな環境規制の施行によって多額の費用が発生した場合、環境規制を遵守できない場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑧ 工場における火災等について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、原材料の保管を厳格に行い、それに起因する火災等の発生を防止する体制を整備しております。これは、過去に同業他社で爆発事故などが多く発生したためです。しかしながら、着火しやすいマグネシウム切粉など、原材料の特性から火災等が万一発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑨ 工場の安全対策について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループの事業においては、切断用機械等、従業員の作業上、危険を伴う設備を数多く保有しております。従業員の安全を守るための作業上の基準を設けておりますが、不慮の事故等が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

⑩ 資金調達に関するリスクについて

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループでは、運転資金や設備投資資金の一部を金融機関からの借入により調達しており、有利子負債額は2022年3月末時点で2,512百万円(負債及び純資産合計に対する割合は60.67%)、2023年3月末時点で2,727百万円(同53.72%)となります。

今後、新たな設備投資の実行に伴い負債が増加する可能性があり、金利の急激な変動や金融情勢の変化によって資金調達コストが増大し、計画どおり資金調達ができなかった場合には、設備投資や新規事業が制約される等当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ 新規事業について

(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループでは、新規事業の必要性を十分検討した上で、事業開発をおこなってまいりますが、市場環境の影響で顧客の獲得や製品の販売に結びつかなかった場合、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に影響が及ぶ可能性があります。

このため当社グループでは、顧客ニーズに対して、製造方法、素材を拡充するなど、より幅広い分野の顧客を開拓することを目的として、新規事業の創出を検討しております。

 

⑫ 海外での慣習等に従った事業運営リスクについて

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループの海外子会社における事業活動については、特に労働環境において、社会制度の違いにより、従業員の採用、解雇、退職などに関わる人事問題、また、賃金、残業等に関わる給与問題、不正行為等について、対応が困難な局面が生じる可能性があると考えています。当社グループは、これら労務管理上の諸問題を事前に回避すべく最大限努力する所存ですが、当該事象が顕在化し解決までに長期間を要す場合、又は多額の費用が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響が及ぶ可能性があります。

なお、本書提出日現在において、労働環境に関する規制当局による指導・是正命令および罰金等の行政処分が科されたことはありません。今後、規制当局の運用に変更が生じ、行政処分等がなされた場合にそなえ、労働環境の改善に努めるとともに、各国間での多元的な生産体制の構築に努めてまいります。

 

(3)自然災害、事故災害、感染症等に関するリスク

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループでは、主要工場の操業停止の影響を最小限にするため、生産拠点を分散するとともに、全拠点において一定規模の災害を想定して建物、機械装置等の安全性確保、各種防災機器の設置等の施策を講じておりますが、想定を超える大規模な災害や感染症の流行等が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

(4) その他のリスク

① 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、当社の業績向上に対する役職員の意欲を高めることを目的として、ストックオプション(新株予約権)を発行しております。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式総数は92,000株であり、発行済株式総数838,400株の10.97%に相当します。今後、これらの新株予約権が行使された場合、当社グループの1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

② 配当政策について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社は、経営成績及び財政状態を勘案しながら、株主への利益配当を実現することを基本方針としております。

今後も、内部留保を積み上げ、将来的な経営成績及び財政状態を勘案しながら、継続的な株主への剰余金の配当を目指していく方針でありますが、当社の事業が計画通りに進展しない場合や、業績が悪化した場合には配当を行わない、或いは公表している配当の予定額を減ずる可能性があります。

 

③ 資金使途について

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

調達資金の使途については、製造設備の拡充等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する経営環境により当初の計画に沿って資金を充当したとしても、想定どおりの投資効果を得られない可能性があります。また、市場環境の変化により、当初の計画を変更し、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があり、その場合には、速やかに資金使途の変更について開示を行う予定であります。

 

④ 固定資産の減損について

(顕在化の可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、工場建物、生産用の機械装置等の固定資産及びソフトウェア資産を保有しております。固定資産の貸借対照表計上額につきましては、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しております。しかしながら、競合やその他の理由によって事業収益性が低下し、当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合、減損の認識が必要となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ M&Aや戦略的事業提携に関するリスク

(顕在化の可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)

当社グループは、製造拠点を確保するため、M&Aや戦略的事業提携を行うことも、事業戦略上の選択肢の一つと認識しております。

M&Aや事業提携の個別案件については、事前に充分な検討や資産査定を行い、各種リスク要因の低減に努める方針ですが、事前に想定されなかった事象が発生した場合、又はM&Aや事業提携に見合う効果が創出されなかった場合には、今後の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において、判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a. 財政状態

第41期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ741百万円増加し、2,791百万円となりました。これは主に、営業キャッシュ・フローの創出等による「現金及び預金」が407百万円増加したことによるものであります。固定資産は、引き続き積極的に設備投資を実施したことにより、前連結会計年度末に比べ195百万円増加し、2,286百万円となりました。なお、内訳として「有形固定資産」が236百万円、「無形固定資産」が8百万円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ594百万円増加し、2,323百万円となりました。これは主に、売上が増加するなかで運転資金や設備投資資金として「短期借入金」が207百万円、「1年内返済予定の長期借入金」が213百万円、「未払金」が93百万円増加したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ21百万円増加し、1,519百万円となりました。これは主に、「繰延税金負債」が102百万円、「その他」に含まれる「長期リース債務」が113百万円増加し、「長期借入金」が205百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ322百万円増加し、1,235百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により「利益剰余金」が179百万円増加し、為替相場が円安に推移したことにより「為替換算調整勘定」147百万円が増加したことによるものであります。

 

第42期第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ251百万円増加し、3,043百万円となりました。これは主に、タイ子会社における大幅増産過程等に伴い棚卸資産が427百万円増加した一方、設備投資等に伴う資金の使用により「現金及び預金」が256百万円減少したことによるものであります。固定資産は、引き続き積極的に設備投資を実施したことにより、前連結会計年度末に比べ203百万円増加し、2,489百万円となりました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ13百万円増加し、2,336百万円となりました。これは主に、運転資金として「短期借入金」が129百万円増加し、「その他」が53百万円増加した一方、「1年内返済予定の長期借入金」が134百万円減少したことによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ329百万円増加し、1,849百万円となりました。これは主に、「長期借入金」が254百万円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ111百万円増加し、1,347百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により「利益剰余金」が29百万円、為替相場が円安基調であったことに伴い「為替換算調整勘定」が79百万円増加したことによるものであります。

 

b. 経営成績

第41期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

当連結会計年度における世界経済は、ウクライナ紛争の長期化、資源エネルギー価格の高騰、半導体の供給不安、インフレ率の上昇、欧米における金利上昇等、依然として不透明な状況にあります。わが国においては、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための行動制限が緩和され、社会活動の正常化に向けた動きがみられていますが、一方で、世界経済の混迷、円安や人手不足などによるコスト増加など、国内における経済の見通しも依然として不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループにおいても、従業員の新型コロナウイルス感染リスクの低減と安全確保を図りながら事業活動を実施し、安定した製品供給に全力を尽くしております。また、2021年3月31日付で、STX PRECISION (JB) SDN. BHD.(マレーシア)の株式を取得し、連結子会社としたことによる影響の通年化による業績寄与はあったものの、ウクライナ紛争や半導体不足などにより一部顧客に減産などの動きがありました。

当社グループとしましては、世界のマグネシウム需要が急増期に入っており、受注は順調に推移しておりますことから、引き続き設備投資を積極的に行い、業容の拡大に努めてまいります。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,684百万円(前年同期比33.8%増)、営業利益は196百万円(前年同期比124.6%増)、経常利益は285百万円(前年同期比82.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は191百万円(前年同期比116.6%増)となりました。

 

第42期第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、資源価格の高止まり、欧米各国による金融政策に伴う物価上昇や円安、中国における不動産市況の悪化等、経済活動への影響と先行き不透明感が継続しております。わが国においては、経済活動の正常化や大幅な賃上げ、緩和的な財政・金融政策などが景気を下支えし、緩やかな回復が続くとみられています。その一方で、他国と異なる金融政策を継続している日本経済においては、為替が円安基調で推移し、エネルギー価格や物価上昇等により、先行き不透明な状況にあります。

このような状況の中、当社グループにおいては、自動車部品の旺盛な受注が続いており、これに対応するため設備投資を積極的に行ってまいりました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は3,729百万円(前年同四半期比8.8%増)、営業利益は116百万円(同18.5%減)、経常利益は108百万円(同50.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は50百万円(同61.2%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

第41期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ407百万円増加し、900百万円(前連結会計年度比82.8%増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、519百万円の収入(前連結会計年度は8百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益276百万円、減価償却費305百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、233百万円の支出(前連結会計年度は355百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出277百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、85百万円の収入(前連結会計年度は217百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額172百万円、長期借入による収入512百万円、長期借入金の返済による支出554百万円によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 a. 生産実績

当社グループは、金属部品鋳造及び加工事業の単一セグメントであり、第41期連結会計年度及び第42期第3四半期連結累計期間の生産実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

第41期連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

第42期第3四半期連結累計期間

(自  2023年4月1日

  至  2023年12月31日)

生産高(千円)

前期比(%)

生産高(千円)

金属部品鋳造及び加工事業

3,776,823

136.3

3,154,298

合計

3,776,823

136.3

3,154,298

 

(注) 金額は、製造原価によっております。

 

b. 受注実績

当社グループは、主要顧客からの年間生産予定をヒアリングし、生産計画を作成しております。しかし、正式な受注に関しては、顧客サイドの発注サイクルが各社異なり納期までの期間が短いことから、売上高と受注実績が近似しているため、受注実績の記載を省略しております。

 

c. 販売実績

第41期連結会計年度及び第42期第3四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第41期連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

第42期第3四半期連結累計期間

(自 2023年4月1日

 至 2023年12月31日)

販売高(千円)

前期比(%)

販売高(千円)

金属部品鋳造及び加工事業

4,684,489

133.8

3,729,361

合計

4,684,489

133.8

3,729,361

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

第40期連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

第41期連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

第42期第3四半期連結累計期間

(自 2023年4月1日

  至 2023年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

CBC(株)

826,009

23.6

829,315

17.7

410,899

11.0

AXIS COMMUNICATIONS AB

618,252

17.7

794,414

16.9

611,163

16.3

甲信工業(株)

663,497

19.0

744,653

15.9

405,679

10.8

三菱電機(株)

34,358

0.9

120,105

2.5

483,360

12.9

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

第41期連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

a. 経営成績

(売上、売上総利益及び営業利益)

当社グループでは、従業員の新型コロナウイルス感染リスクの低減と安全確保を図りながら事業活動を実施し、安定した製品供給に全力を尽くしております。また、2021年3月31日付で、STX PRECISION (JB) SDN. BHD.(マレーシア)の株式を取得し、連結子会社としたことによる影響の通年化による業績寄与はあったものの、ウクライナ紛争や半導体不足などにより一部顧客に減産などの動きがありました。

当社グループとしましては、世界のマグネシウム需要が急増期に入っており、受注は順調に推移しておりますことから、引き続き設備投資を積極的に行い、業容の拡大に努めてまいります。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は4,684百万円(前年同期比33.8%増)、営業利益は196百万円(前年同期比124.6%増)、経常利益は285百万円(前年同期比82.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は191百万円(前年同期比116.6%増)となりました。

 

b. 財政状態

当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。

 

c. キャッシュ・フローの分析

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

 

第42期第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)

a. 経営成績

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、資源価格の高止まり、欧米各国による金融政策に伴う物価上昇や円安、中国における不動産市況の悪化等、経済活動への影響と先行き不透明感が継続しております。

わが国においては、経済活動の正常化や大幅な賃上げ、緩和的な財政・金融政策などが景気を下支えし、緩やかな回復が続くとみられています。その一方で、他国と異なる金融政策を継続している日本経済においては、為替が円安基調で推移し、エネルギー価格や物価上昇等により、先行き不透明な状況にあります。

このような状況の中、当社グループにおいては、自動車部品の旺盛な受注が続いており、これに対応するため設備投資を積極的に行ってまいりました。

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は3,729百万円(前年同四半期比8.8%増)、営業利益は116百万円(前年同四半期比18.5%減)、経常利益は108百万円(前年同四半期比50.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は50百万円(前年同四半期比61.2%減)となりました。

 

b. 財政状態

当四半期連結会計期間末の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金については、基本的には、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の増加資金を中心としつつ、金融機関からの長期借入金や当座借越を利用して対応しております。また、工場の設置や機械の購入、M&Aの実施など多額の投資資金については、長期借入金等により資金調達を行っております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載したとおり、事業内容、事業運営、組織体制等、さまざまな要因が経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があると認識しております。そのため、当社グループでは、市場動向や業界動向を常に注視し、変化に柔軟な対応ができる組織、人材を整え、経営成績に重要な影響を与えるリスクに適切な対応を図ってまいります。

 

⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第3 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 目標とする経営指標」に記載のとおり、「売上高」の増収を重視しつつ、成長を持続していくために「経常利益」を重要な指標として位置づけ、営業基盤の拡大による企業価値の拡大を目指しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

 該当事項はありません。