第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

回次

第4期

第5期

第6期

第7期

第8期

決算年月

2019年11月

2020年11月

2021年11月

2022年11月

2023年11月

売上高

(千円)

2,297,249

2,266,994

2,732,771

3,256,855

3,442,875

経常利益

(千円)

269,850

304,432

419,328

626,244

648,457

当期純利益

(千円)

184,007

236,257

294,567

440,238

473,829

持分法を適用した場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

74,120

334,600

340,783

340,783

340,783

発行済株式総数

(株)

1,437

1,792,800

3,816,600

7,633,200

7,633,200

純資産額

(千円)

455,133

1,212,351

1,495,082

1,733,503

2,163,249

総資産額

(千円)

817,008

1,502,923

1,987,447

2,281,500

2,616,461

1株当たり純資産額

(円)

71.98

169.06

195.87

229.69

285.45

1株当たり配当額

(円)

13.50

8.00

6.00

6.55

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

29.10

35.95

39.42

58.14

62.61

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

32.92

38.02

57.41

62.18

自己資本比率

(%)

55.7

80.7

75.2

76.0

82.7

自己資本利益率

(%)

50.7

28.3

21.8

27.3

24.3

株価収益率

(倍)

101.94

47.16

25.46

43.48

配当性向

(%)

9.4

10.1

10.3

10.5

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

168,033

185,756

272,498

387,243

373,239

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

1,056

9,754

2,098

55,313

13,366

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

44,438

517,749

11,961

201,830

44,073

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

323,177

1,016,928

1,275,367

1,405,466

1,721,266

従業員数

(人)

248

267

296

304

307

(外、平均臨時雇用者数)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

株主総利回り

(%)

50.9

40.7

74.8

(比較指標:東証グロース市場250指数)

(%)

(-)

(-)

(86.9)

(64.4)

(58.2)

最高株価

(円)

29,260

8,400

2,222

3,680

 

 

 

(8,250)

(1,940)

 

 

最低株価

(円)

6,670

3,605

1,073

1,250

 

 

 

(7,280)

(1,755)

 

 

 (注)1.当社は連結財務諸表を作成しておりませんので、連結会計年度に係る主要な経営指標等の推移については記載しておりません。

2.持分法を適用した場合の投資利益については、当社は関連会社を有していないため記載しておりません。

3.当社は2020年4月14日付で普通株式1株につき1,100株の株式分割、2020年12月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割、2021年12月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を行っておりますが、当該株式分割については第4期の期首に行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定しております。

4.第4期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であるため、期中平均株価が把握できませんので記載しておりません。

なお、第5期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、当社は2020年8月7日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したため、新規上場日から当事業年度末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。

5.第4期の1株当たり配当額及び配当性向は、配当を行っていないため記載しておりません。

6.第4期の株価収益率については、当社株式は非上場であるため、記載しておりません。

7.2020年8月7日付をもって東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場いたしましたので、第4期及び第5期の株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。第6期以降の株主総利回り及び比較指標は、2020年11月期末を基準として算定しております。

8.最高株価及び最低株価は2022年4月4日以降については東京証券取引所グロース市場におけるものであり、2022年4月3日以前については東京証券取引所マザーズ市場におけるものであります。2020年8月7日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。

9.当社は2020年12月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第5期の株価については株式分割による権利落前の最高株価及び最低株価を記載しており、()内には株式分割による権利落後の最高株価及び最低株価を記載しております。

10.当社は2021年12月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第6期の株価については株式分割による権利落前の最高株価及び最低株価を記載しており、()内には株式分割による権利落後の最高株価及び最低株価を記載しております。

11.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第7期の期首から適用しており、第7期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。なお、主要な経営指標等に与える影響はありません。

 

2【沿革】

 当社は2016年11月1日に株式会社テックジャパンと株式会社シナノシステムエンジニアリングが合併して設立しており、両社の事業を承継しております。このため、株式会社テックジャパンと株式会社シナノシステムエンジニアリングの主要な沿革についても記載しております。

 

株式会社テックジャパン

1996年8月

ソフトウエア開発請負を目的として、神奈川県横浜市西区に設立

1998年4月

有限会社ソフトワールド(当時子会社)を設立(1999年8月 株式会社に組織変更、現社名 株式会社シャンク)

2002年3月

事業拡張のため大阪事業所を開設

2006年11月

Pマーク(プライバシーマーク)の認証を取得

2010年4月

IBM社のNotesからMicrosoft社のSharePointへの移行(脱Notes)に関する大規模プロジェクトを受注

2011年3月

2014年1月

メディク・クエスト株式会社の株式の一部を取得し関連会社化

株式会社ソフトワールド(子会社)を売却

2015年8月

株式会社シナノシステムエンジニアリングとの共同出資により株式会社ベイアット(当時関連会社)を設立

2016年5月

株式会社ミクスウェイ(当時関連会社)を設立

 

株式会社シナノシステムエンジニアリング

1985年3月

ソフトウエア開発請負を目的として、神奈川県横浜市港北区に設立

1993年6月

本社を神奈川県横浜市西区へ移転

1998年9月

本社を神奈川県横浜市神奈川区へ移転

2009年3月

ISO/IEC27001を取得

2012年7月

横浜市推進の「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」における

「腹腔鏡下手術の術前支援機器の開発(手術シミュレータ開発)」プロジェクトに参画

2015年8月

株式会社テックジャパンとの共同出資により株式会社ベイアット(当時関連会社)を設立

 

ティアンドエス株式会社

2016年11月

神奈川県横浜市西区を本社、神奈川県横浜市神奈川区を横浜開発センターとして、株式会社テックジャパン、株式会社シナノシステムエンジニアリングの新設合併によりティアンドエス株式会社を設立

2017年2月

メディク・クエスト株式会社(関連会社)の保有株式の全てを譲渡

2017年4月

株式会社ミクスウェイ(関連会社)の保有株式の一部を売却

2017年5月

株式会社ベイアット(関連会社)を清算

2017年11月

業務効率化を目的とし横浜開発センターを本社へ統合

2018年3月

ISO/IEC27001をティアンドエス株式会社本社にて取得

2018年6月

三重県四日市市に四日市事業所を開設

2019年7月

岩手県北上市に北上事業所を開設

2019年7月

東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターとの共同研究契約締結

2020年8月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2020年10月

神奈川県横浜市戸塚区に戸塚事業所を開設

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズからグロース市場に移行

2022年7月

熊本県熊本市中央区に熊本事業所を開設

2023年4月

長崎県諫早市に長崎事業所を開設

 

3【事業の内容】

 当社は、システム開発及びその関連サービスの単一セグメントですが、事業の構成を「相対的に安定した利益体質の事業基盤:ソリューションカテゴリー」と「半導体工場内システムの運用・保守・インフラ構築等を支援する安定分野:半導体カテゴリー」及び「高度なソフトウエア技術により新市場を創出する成長分野:先進技術ソリューションカテゴリー」の3つのカテゴリーによる構造としております。また、先進AI半導体に関するソフトウエアの研究開発を行っております。

0101010_001.png

 各カテゴリーの内容は次のとおりです。

 

(1)ソリューションカテゴリー

ソリューションカテゴリーは、大手企業顧客向けの開発・運用保守を中心としたサービスを展開しております。現在は、キオクシアグループ、東芝グループ、日立グループ等の大手企業グループを中心にサービス展開しており、その経験と実績をもとに他の大手企業や中堅企業への事業開拓を行っております。

本カテゴリーでは、産業領域に特化せず製造業、サービス業など様々な業種のユーザ企業をターゲットとしてサービスを展開しており、特に大型システムの受託開発と、その後の運用保守を主要な事業モデルと位置付けております。

本カテゴリーの特徴は、発注元を特定の業界に依存しないこと及び大手企業を取引先の軸としていることです。開発だけではなく、コンサルティングから、要件定義(注1)、テスト、検証まで全てのバリューチェーンに対応しております。システム開発後の運用や保守の作業に従事できる社内体制を整備するよう努めておりますので、お客様から見て、ワンストップでの対応が優位性となっているものと認識しております。開発だけではスポット取引(単発発注)になり易いため、検証・運用・保守まで広く対応することで、継続的な受注に繋がるものと考えております。加えて、大手企業を取引先の軸にしているため、そのグループ各社との取引にも繋がり、これらの実績と経験が、結果的に大手企業グループ以外のお客様にとって安心感となり、受注の継続と他の企業からの新規受注にも繋がっていると認識しております。

このように、ソリューションカテゴリーは、大手企業とそのグループ各社を中心とした顧客戦略に基づき、事業領域を特定せず、コンサルティング、要件定義、設計、開発、テスト、検証までの全てのバリューチェーンを網羅し、お客様の要求する技術及び人材提供モデルに柔軟に対応するものとしており、当社の基盤となるサービスカテゴリーとして位置付けております。

 

(2)半導体カテゴリー

半導体カテゴリーにおいて当社が提供するサービスは、半導体工場内のシステム運用及びシステム保守並びにITインフラ構築等の支援であります。当社の前身である旧株式会社テックジャパンは、20年以上前から工場を有する顧客との関係強化に努めてきており、安定的に人員を提供できる体制を整えております。半導体工場における当社の役割は、工場内システムの保守及び運用サービスや、ITヘルプデスク等半導体工場のITインフラ運用支援を担当することであり、キオクシアグループ及び東芝グループ各社等より受嘱しております。本事業の特徴は、工場に常駐する形態で工場システムの運用や保守業務に従事することであり、工場が存続する限り安定的に事業が継続できるものであると考えております。

システム運用サービスとシステム保守サービスの内容は次のとおりであります。

① 工場内システム運用サービスは、お客様の日々の工場運用業務をシステム上のトラブルなくスムーズに稼働させるために、正常にシステム稼働を維持させる業務です。中でもシステム監視業務は工場内セキュリティ対策において重要性が高く、システム稼働状況の監視、データのバックアップ管理、不正アクセス管理・ウィルスチェック、工場内従業員のためのヘルプデスク業務などが含まれます。お客様が滞りなく安心して工場システムを利用するためには、日々継続的にシステムをチェックする当社の役目は極めて重要であると認識しております。

② 工場内システム保守サービスは、当社の技術者がお客様の工場内で稼働する生産システムや社内インフラシステム等の改良・改修や調整・修理を行う業務であります。工場内で実稼働しているシステムに対して、お客様からの仕様や要望に基づき、当社技術者が実際にプログラム上の変更や追加を加えることで、お客様の要望にお応えいたします。特に、不具合の修正やデータベースのチューニング(注2)作業等のように、不定型な不具合を運用段階から引き取り、根本解決にまで持っていくには高度なプログラミングスキルが必要であり、当社がソリューションカテゴリーで培った全領域網羅型のサービス体制が生きる分野であります。

上記2つのサービスは、工場が稼働するためには極めて重要な業務であると認識しております。したがって、工場が稼働し存続する限り安定的に継続することを期待しております。今後も工場建設が継続的に行われることにより、工場の増加に伴い当社が供給する技術者数も増加し、継続的に売上が向上することを見込んでおります。

 

(3)先進技術ソリューションカテゴリー

先進技術ソリューションカテゴリーでは、AI((人工知能:Artificial Intelligence)機械学習/ディープラーニング)・画像認識・ハードウエア制御等最新の高度技術を駆使して、最先端技術に関わるAIアルゴリズム研究開発支援サービスの提供や、AIソフトウエア受託開発を行っております。現在はAIアルゴリズム研究開発支援サービスとして最新アルゴリズムの調査・実装・評価、アノテーション(注3)サービス、さらには画像認識ソフトウエア開発などを行っておりますが、その事業規模は、2023年11月期実績で売上高の5.7%と他カテゴリーと比較すると小さい状況であります。そのため、さらなる事業規模の拡大を目指して、今後市場拡大が見込まれ、かつ高度なソフトウエア開発能力が必要とされる領域をターゲットに新規開拓を行っております。前述したソリューションカテゴリーが当社事業の安定的な基盤の位置付けであるのに対し、先進技術ソリューションカテゴリーは、高度なソフトウエア開発力を武器に、急成長が見込まれる産業領域(AI、画像認識・機械学習、ロボット、自動運転等)にターゲットを置くもので、当社事業の急成長を狙うサービスカテゴリーであります。

先のソリューションカテゴリーと異なる点は機械学習や画像認識、統計処理等、ソフトウエア専門家による高度ソフトウエア技術が必要であることです。この分野は、お客様にとって容易に開発できる分野ではないため、当社の技術力がお客様の課題を解決する付加価値になると期待しております。このため、当社では博士号又はそれに準ずる知識を有するソフトウエア技術者を積極的に採用しております。

 

(4)研究開発

先進AI半導体に関連した研究開発を行っております。その研究開発成果を、将来の収益に繋げられるようなビジネスモデルの構築を図ることを目的としております。研究開発の詳細については「第2 事業の状況 6 研究開発活動」に記載しております。

 

[事業系統図]

 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

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用語解説

 本項「3 事業の内容」等において使用しております用語の定義について以下に記します。

用語

用語の定義

注1

要件定義

要件定義とは、システムやソフトウエアの開発において、実装すべき機能や満たすべき性能などを明確にしていく作業のことをいう。

注2

チューニング

コンピュータシステムやソフトウエアプログラムなどの設定や構成を調整し、性能を最大限引き出す調整作業のことをいう。

注3

アノテーション

あるデータに対して関連する情報を注釈、注記として付与すること。本文の内容について言及する(本文そのものとは別形式の)補足的な情報のことをいう。

 

4【関係会社の状況】

 該当事項はありません。

 

5【従業員の状況】

(1)提出会社の状況

 

 

 

2023年11月30日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

307

37.7

6.7

4,713,202

 

セグメントの名称

従業員数(人)

全社(共通)

307

合計

307

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社はシステム開発及びその関連サービスの単一セグメントであるため、セグメント別の従業員の記載はしておりません。

 

(2)労働組合の状況

当社において労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(3)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)1.

男性労働者の育児休業取得率(%)

(注)2.

労働者の男女の賃金の差異(%)

(注)3.

全労働者

うち正規雇用労働者

うちパート・有期労働者

-

-

78.2

79.2

66.9

-

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表項目として選択していないため、記載を省略しております。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

3.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出しております。