第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは創業以来、光と電子を高度な技術で融合させながら、画期的な製品を世界に出し、常に新たな領域へと挑戦を続けてまいりました。Only Oneの企業であること、Globalに発展する企業であることを目指し、自動認識業界の中においてトップクラスであることを理念とし、企業基盤の充実をはかり企業価値を高めて行く使命があると考えております。

 

(2)経営環境

 当社グループが属する自動認識業界は、モジュールエンジンとして従来から1次元バーコードの読取に対応したレーザをメインに、同じく1次元対応のCCD、QRコード等の2次元コードに対応する2次元イメージャという構造で推移してまいりました。

 しかし近年、自動認識業界の動向が世界的に大きく変化しております。従来中心であったレーザ/CCDを使用した1次元製品から、2次元製品へ急速に移行しております。

 当社グループは、かつてはレーザをメインとした1次元製品を主に展開しておりましたが、市場の変化に対応できるよう、2次元製品の開発を積極的に推進しております。

 この他、RFID市場については、対応する製品の製造・販売は行ってはいないものの、技術開発によるノウハウの蓄積に努め、市場動向を見据えながらユーザー要望に応じた事業展開を常に可能とする体制を整えてまいります。

 

(3)会社の対処すべき課題

 2023年11月期におきましては、世界的な半導体部品等の不足や価格高騰等の影響が続いており、部品不足による納期遅延等に伴い売上が減少する恐れがあることから、当社グループを取り巻く外部環境は不透明な状況となっております。

 このような中、当社グループは安定した収益を確保するため、以下の課題に取り組んでまいります。

① 開発体制

 部品価格の高騰する一方で、世界的な傾向として価格競争の激化により、利益率の圧縮が急速に進んでおります。価格転嫁が難しい状況に対応するため、主力のモジュール製品について、より入手しやすくコストを抑えた部品を使用した新製品の開発を進めております。あわせて、既存製品についても製品設計の見直しを実施し原価低減を図ってまいります。これらの新製品及び設計変更製品については、2024年11月期より順次入れ替えを目標としております。

② 営業販売体制

 部品調達難が継続し、製品在庫の不足による案件の遅延・中止等の販売機会損失の影響を受けております。生産部門と連携の上、各販売拠点において適切に在庫を配分し、売り上げの確保及び安定した取引先の開拓をすすめてまいります。また、新製品のAndroid搭載ハンディターミナル「H-35」の販売を開始し、拡販に努めてまいります。

③ 生産体制

 前年度に引き続き、製品製造を継続させるため、原材料及び製品在庫の確保に努めてまいります。あわせて、売上原価の上昇に対処すべく、調達価格の見直しを進めております。製品の品質向上についても開発、営業、購買、品質管理などの各部門と連携し積極的に取り組み、より高品質な製品を提供できるよう努めてまいります。

④ 管理体制

 新型コロナウイルス感染症を機に、働き方が急速に変化しております。当社は、顧客や取引先等の関係者及び従業員の安全確保を最優先に考え、在宅勤務の実施及びWeb会議の推奨等の新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止に努めてまいりました。引き続き、新しい働き方の検討及びデジタル化の更なる推進と業務効率化を図ってまいります。

 係争中の米国HONEYWELL社との訴訟につきましては、第3四半期ごろに手続きが終了する見通しです。

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資家の投資判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当連結会計年度末現在における判断を基にしており、本株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、この点ご留意下さい。

 

(1) 事業内容に関するリスクについて

① 研究開発に関するリスクについて

ア.自動認識装置の業界動向等について

 自動認識装置の業界動向は、1次元バーコード、2次元コード、RFID(ICタグ)等、新たな技術の実用化が進んできております。近年、RFID(ICタグ)等に関して急速な技術革新が起こっているかのように報道されておりますが、実際にはRFID(ICタグ)等は未だ実用化に問題を抱えております。また、世界的に2次元コードの市場が拡大しており、従来主流であった1次元バーコードから2次元コードへ移行しつつあります。

 当社グループは、このような環境認識のもと、経営資源を2次元製品の開発に集約して、積極的に技術革新を図ってまいります。

 しかしながら、業界を激変させるような革新的な自動認識技術が誕生し、当社グループがこの新しい技術に適切に対応できない場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

イ.バーコードリーダについて

 バーコードリーダは、読取方式により1次元バーコード対応のペン方式、CCD方式、レーザ方式、2次元コード対応の2次元イメージャ方式に分類されます。ペン方式は僅かなシェアであり、今まではCCD方式及びレーザ方式が主流でしたが、近年は2次元コードの普及に伴い2次元イメージャ方式の案件が増え主流となりつつあります。

 当社グループはこのような環境のもと、今後は2次元の市場拡大が見込まれることから、2次元イメージャモジュールの開発を中心に、市場の変化に対応できるようモジュールエンジンの開発を積極的に推進してまいります。

 しかしながら、他社において従来のCCD方式、レーザ方式または2次元イメージャ方式にとって代わる新しい読取方式が開発され、当社グループがこの新しい技術に適切に対応できない場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

ウ.レーザモジュールエンジンについて

 1次元バーコードリーダの読取方式には、レーザ方式が最も多く採用されております。現在、レーザ方式の1次元バーコードリーダに組み込まれる超小型化したレーザモジュールエンジンは、当社グループも含め世界で2社しか開発しておらず、このことは市場における当社グループの優位性に大きく寄与していると考えております。

 しかしながら、レーザモジュールの新規市場参入者が出てきた場合、価格競争に陥り、そのモジュールを使用したスキャナ、ターミナル等の製品開発がなされることになりますので、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、世界的に1次元バーコードから2次元コードへの移行が急速に進んでおり、これに伴い、1次元バーコードのみ対応するレーザ方式の優位性は薄れつつあり、2次元中心に市場が移行しつつあります。

エ.知的財産権について

 企業における特許権及びその他の知的財産権は、益々重要な存在になりつつあり、先端技術の開発を担っている当社グループにとりましても同様であります。当社グループは、必要とする多くの技術を自ら開発し、それを国内外において、特許権及びその他の知的財産権として設定し保持することにより、競争力の維持を図っております。
 しかしながら、以下のような知的財産権に関する問題が発生した場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

a)当社グループが保有する知的財産権に対して異議申立、無効請求等がなされる場合

b)第三者との合併又は買収の結果、従来当社グループの事業に課せられなかった新たな制約が課せられる可能性とこれらを解決するために支出を強いられる場合

c)当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又は当社グループが知的財産権を有効に行使できない場合

d)第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多くの時間とコストを費やし、又は経営資源の集中を妨げられる場合

e)第三者からの知的財産権侵害の請求が認められ、当社グループに多額のロイヤリティの支払い又は当該技術の使用差止等が生じる場合

② 製造技術に関するリスクについて

ア.製造委託について

 当社グループは、子会社である北海道電子工業株式会社の芦別工場にて少量多品種製品中心の生産を行い、大量生産品は海外の複数のグループ外企業に外注委託しております。当社グループでは、外注委託の依存度は高く、継続的で良好な取引関係を維持しております。しかし、当社グループと外注企業との良好な取引関係が、何らかの事情によって取引に支障をきたすことになった場合は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

イ.部品等の調達について

 当社グループでは、現在、一般パーツ及び少量多品種の部品や特殊部品の調達に関して、子会社北海道電子工業株式会社を除き、製造委託しているグループ外企業が直接調達する方式に切り替えを進めておりますが、未だ一部のパーツに関して当社グループからの供給をしております。今後は市場の需給関係または部材価格の変動や入手経路の変更等によっては、当社グループの生産のための部品調達に影響を及ぼし、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

ウ.品質問題について

 当社製品に不良品や使用上の不都合があった場合、当該製品の無償での交換又は修理、また顧客のニーズに合わせた製品の改造等により新たなコストが発生する可能性があります。このような事態の発生を未然に防ぐ対策や発生した場合に速やかに対応できる社内体制を整えておりますが、製品の品質問題で当社製品の信頼性が損なわれ、主要顧客の喪失又は当該製品への需要の減少等により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

③ 販売に関するリスクについて

ア.海外での高い販売比率について

 当社グループは国境・地域を越えたグローバルな事業展開をしており、オランダに海外における販売の中心拠点を有し、シアトル近郊に拠点を置くアメリカ地区と、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、スウェーデン、デンマーク等の欧州地域、台湾、中国、フィリピン、ベトナム等のアジア地域、並びにオーストラリアにも営業拠点を有しております。こうしたグローバルな事業展開は、各地域の市場ニーズを的確に捉えたマーケティング活動を可能とするなど、多くのメリットがありますが、一方で、海外における販売に関し、各国政府の社会・政治及び経済状況の変化、輸送の遅延、地域的な労働環境の変化、労働や販売に対する諸法令、規制等海外事業展開により、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

イ.OEM先の販売動向について

 当社は大手OEM先との円滑な継続的取引をしており、その売上高が国内販売高のうち約半分を占めております。今後、業界内の経済状況やOEM先の販売動向や経営状況等並びに競合会社の出現等何らかの事情による大幅な取引縮小が発生いたしますと、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。

(2) 経営成績に影響を与える事項について

① 為替変動リスクについて

 当社グループは、以前は海外子会社への製品の販売に関して円建てで取引を行っておりましたが、第34期よりドル出荷体制を確立し、海外子会社は基本ドル建てで外注先から直接製品を仕入れる体制に変更いたしました。このため、海外子会社の仕入及び決済による為替の変動リスクが軽減されました。しかしながら、当社グループは、従来から為替予約を実施しておりませんので、今後も想定以上の大きな為替相場の変動が起こった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

② 金利の変動について

 当社グループは、運転資金、設備資金を金融機関からの借入れである有利子負債により調達しているため、総資産額に占める有利子負債の割合が高く、金利変動により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

 有利子負債残高 (千円)

6,099,162

6,556,235

 総資産額    (千円)

12,769,963

15,157,385

 有利子負債依存度(%)

47.8

43.3

 支払利息    (千円)

37,835

40,419

(3) 人材の確保について

 当社グループの事業継続及び拡大におきましては、更なる技術革新に対応しうる技術者の確保、また、世界マーケットに当社製品を販売拡大していくための営業や内部管理等の優秀な人材も充実させる必要があります。
 当社では、今後、優秀な経営者や従業員の採用等を進め、従業員の意識向上と組織の活性化を図るとともに優秀な人材の定着を図る方針であります。しかしながら、当社グループの求める人材が十分確保できない場合、または現在在職している人材が流出するような場合は、事業推進に影響が出る可能性があるとともに、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況

 当連結会計年度(2021年12月1日~2022年11月30日)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年12月1日~2022年11月30日)の世界経済は、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源・エネルギー価格の上昇及びサプライチェーンの混乱による部品・原材料価格の高騰が進んでおります。あわせて、日本国内においては円安が進行し、海外からの調達価格が急速に上昇しております。また、製造業においては半導体をはじめとする部品の需給逼迫や原材料価格の高騰による生産停止及び納期遅延等の影響を受けており、先行きの不透明な状況となっております。

ア.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の資産につきましては、流動資産は前連結会計年度末と比較して2,466百万円増加し、12,166百万円となりました。これは主として、現金及び預金が816百万円増加、原材料価格高騰の影響により商品及び製品が358百万円増加、原材料及び貯蔵品が779百万円増加したこと等によるものです。固定資産は前連結会計年度末と比較して78百万円減少し、2,991百万円となりました。これは主として、繰延税金資産が79百万円減少したこと等によるものです。

(負債)

 負債につきましては、流動負債は前連結会計年度末と比較して、1,185百万円増加し、5,247百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金が803百万円増加、短期借入金が160百万円増加、円安に伴う為替レートの更新により訴訟損失引当金が146百万円増加したこと等によるものです。固定負債は前連結会計年度末と比較して、362百万円増加し、4,024百万円となりました。これは主として、長期借入金が361百万円増加したこと等によるものです。

(純資産)

 純資産は前連結会計年度末と比較して839百万円増加し、5,885百万円となりました。これは主として、円安の影響により為替換算調整勘定が885百万円増加したこと等によるものです。

 以上により総資産は前連結会計年度末と比較して2,387百万円増加し、15,157百万円となりました。

 

イ.経営成績

 当連結会計年度における当社グループは、前年度比で減収減益となりました。

  当社グループの当連結会計年度の業績は、7,211百万円(前年度比13.3%減)、営業利益315百万円(前年度比73.2%減)、経常利益178百万円(前年度比84.5%減)、親会社株主に帰属する当期純損失47百万円(前年度は448百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

  セグメントの売上高の内訳は、日本は2,997百万円(前年度比8.0%減)、米国は1,396百万円(前年度比44.8%減)、欧州・アジア他は2,817百万円(前年度比11.5%増)となりました。

 また、製品別売上実績では、スキャナ製品は3,321百万円(前年度比28.4%減)、ターミナル製品は1,485百万円(前年度比2.4%増)、モジュールその他製品は2,404百万円(前年度比7.9%増)となりました。

 売上高及び利益の要因は、以下の通りとなります。

(売上高)

 当社グループの売上高は、7,211百万円(前年度比13.3%減)となりました。

 日本においては、部品調達難及び部品価格高騰の影響が顕在化しました。生産を最優先に可能な限り製造・販売を継続しておりますが、当社または顧客の部品不足による納入遅延等で取引機会が喪失し、受注減の影響を受けております。また、主要取引先において前年度に在庫確保のための需要増が生じており、この反動で当該顧客の売上が減少したことも一因となりました。

 米国においては、前年度の売上に寄与した2次元ハンディスキャナの特需案件が終了したことにより、前年度比で大幅な売上減となりました。欧州・アジア他においては、イタリア等の一部地域において前年度比で売上増となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、315百万円(前年度比73.2%減)となりました。

 前述の売上減に加え、半導体部品をはじめとする原材料の入手難及び価格高騰の影響により、グループ各社において売上原価率が急速に上昇いたしました。さらに、販売費及び一般管理費が前年度比で257百万円増加し、営業利益が大幅に減少いたしました。主な要因は、前年度から継続している米国HONEYWELL社との訴訟について、手続きの進行により米国弁護士の費用が増加したこと及び当該費用について円安の影響を受けたこと等によるものです。

 売上原価は4,206百万円(前年度比10.6%減)、売上総利益は3,004百万円(前年度比16.8%減)、販売費及び一般管理費は2,689百万円(前年度比10.6%増)となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度の経常利益は、178百万円(前年度比84.5%減)となりました。

 前述の営業利益の減少に加え、受取賃貸料が前年度比で減少となったこと、円安の進行を受け、前年度に計上した訴訟損失引当金の換算レートを改定したこと等から為替差損95百万円を計上したこと等によるものです。

 営業外収益は20百万円(前年度比32.1%減)に対し、営業外費用は157百万円(前年度比178.3%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、47百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純利益448百万円)となりました。

 2022年1月26日に公表した「繰延税金資産の取崩しに関するお知らせ」のとおり、海外子会社において当該会社の業績、原材料価格の高騰及び訴訟等の影響を考慮した結果、繰延税金資産176百万円を取り崩し、法人税等調整額175百万円を計上したことから、当期純損失となりました。

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して653百万円増加し、当連結会計年度の期末残高は6,278百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、123百万円の支出(前年同期は1,369百万円の収入)となりました。主な要因は、在庫価格の上昇を受けた棚卸資産の増加1,060百万円、仕入債務の増加745百万円等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、250百万円の支出(前年同期は239百万円の支出)となりました。定期預金の預入による支出223百万円、有形固定資産の取得による支出64百万円、拘束性預金の払戻による収入50百万円等が主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、453百万円の収入(前年同期は119百万円の支出)となりました。短期借入金の純増額160百万円、長期借入れによる収入2,950百万円、長期借入金の返済による支出2,652百万円等が主な要因であります。

〔キャッシュ・フロー関連指標の推移〕

 

2018年

11月期

2019年

11月期

2020年

11月期

2021年

11月期

2022年

11月期

自己資本比率(%)

41.1

41.2

34.5

39.5

38.8

時価ベースの自己資本比率(%)

54.6

31.4

19.4

28.5

15.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

4.7

54.8

4.5

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

77.6

8.1

35.9

 自己資本比率:自己資本/総資産
 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
 インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。
※ キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

※ 2020年11月期及び2022年11月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。

③ 生産、受注及び販売の実績

  当社グループ(当社及び連結子会社)の生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため生産及び受注の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて示しております。

 

ア.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

日本

2,997,549

△8.0

米国

1,396,547

△44.8

欧州・アジア他

2,817,385

11.5

合計

7,211,482

△13.3

(注)1. セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年12月1日

至  2021年11月30日)

当連結会計年度

(自  2021年12月1日

至  2022年11月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

Abbott Rapid Dx North America, LLC

1,546,625

18.6

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたりまして、必要な仮定と見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額、長期性資産の減損の認識、金融商品の時価、及び偶発債務の開示情報に影響を与えております。こうした仮定と見積りは本質的に不確実であり、必要に応じて当社の過去の経験、既存契約の条件、業界動向の観測、お客様から提供される情報及びその他外部機関から入手可能な情報に基づいて行われます。詳細につきましては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度における経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載のとおりであります。

 また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

③ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入れのほか、製造費、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

設備投資や運転資金の調達につきましては、国内においては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。海外においては現地に事業基盤を築き安定した営業活動を行うため、借入は実施せず、自己資金を基本としております。

また、災害の発生等に伴う仕入先の事業停止や社会情勢の変化等に柔軟に対応するため、資金の手元流動性を高めております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は6,556百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,278百万円となっております。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、中期的な経営戦略の実現のため柔軟な経営判断を行えるよう、特定の経営指標を目標として定めておりません。なお、当連結会計年度の売上高、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益の計画に対する達成状況は、以下のとおりであります。

 

2022年11月期計画(千円)

2022年11月期実績(千円)

計画比(%)

売上高

7,211,000

7,211,482

0.0%

営業利益

280,000

315,606

12.7%

経常利益

141,000

178,823

26.8%

親会社株主に帰属する

当期純利益

62,000

△47,538

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、経営基盤の強化と、積極的に新技術を市場に投入することにより世界シェアの増加を図り、成長していくことが当面の経営課題であると認識しております。

 当社グループは、積極的に研究開発を行っていく所存です。研究開発費は年間10億円を上限の目安として考えており、これらの指標につきましては企業価値を高めていく際のベンチマークと認識しております。

 当連結会計年度の研究開発活動は、従来のレーザモジュール及びCCDモジュールの開発から、今後市場拡大が見込まれる2次元イメージャモジュール及び同エンジン搭載の各種スキャナ、ターミナル製品の開発を中心として推進してまいりました。

 上記の研究開発活動等の結果、当連結会計年度の研究開発費は日本358百万円、欧州・アジア他20百万円となり、総額で379百万円となっております。