第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、

「情報処理のサービスを以って、社会に奉仕します。」

「企業の理念に賛同、投資頂いた株主様に奉仕します。」

「組織と共に成長を続ける社員に奉仕します。」

を企業理念としております。

この理念に基づき、あらゆるステークホルダーの皆様とともに発展し、継続的な経営成長を推し進め、企業価値の向上を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、目標とする経営指標を売上高経常利益率としており、その目標数値は8.0%にしております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、新たな長期ビジョン「VISION 2031」及び2023年9月期を初年度とする3か年の中期経営計画「co-creation Value 2025」を策定いたしました。「VISION 2031」は、より多くの社会課題及び顧客課題の解決を進め、全てのステークホルダーに貢献する「価値創造型IT企業グループ」への変革をゴールとしております。また、「co-creation Value 2025」は、「VISION 2031」の実現に向けたファーストステップとして「経営基盤の構築」に注力する計画としております。

 

(4)経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、企業における人手不足への対応や、テレワークをはじめとする働き方改革への取り組み等による生産性の向上や業務効率化、職場環境整備等を目的としたIT投資の需要が高まる傾向にあります。デジタル技術を活用したDX推進等の社会課題解決につながるIT投資の需要は、今後より一層拡大していくものと予想されます。その一方で、ウクライナ情勢の長期化等の影響による原材料価格の高騰や供給面での制約、円安の急激な進行等から物価上昇が進み、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループは、こうした社会・経済環境の変化を踏まえ、今後はより課題解決に直結した積極的な事業展開により、持続可能な社会の実現をリードする企業グループへの変革を求められていると認識しております。

 

(5)会社の対処すべき課題

① 基盤事業の収益拡大

当社グループが基盤事業として位置付けるITソリューション事業は、労働力人口の減少によるIT技術者不足などから、今後も市場環境は厳しくなるものと想定されます。このような環境のもと、当社グループにおける当該事業が収益を支える重要な基盤であることを強く認識し、今後も継続的な事業の拡大を図ってまいります。

 

② 新規事業の創出

当社グループが今後も継続的な企業成長を図るためには、高収益事業の創出が急務であると認識しております。自社保有技術の活用に加え、M&Aを含む社外リソースの活用などを積極的に行い、早期での事業化を目指します。

 

③ 外部環境変化への対応

ウクライナ情勢の長期化等の影響による原材料価格の高騰や供給面での制約、円安の急激な進行等から物価上昇が進み、それらの景気への影響は、未だに不透明な状況が継続しています。当社グループの顧客は、製造、流通、金融、サービス等の様々な業界に広がっており、景気の後退により経済が悪化した場合、顧客のIT投資・需要が減少し、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に基づき、事業の拡大と持続的成長のための機能・基盤強化の戦略を推進するほか、将来の成長に向けた積極的な投資を継続してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、経営理念として掲げる「社会への奉仕」、「株主様への奉仕」、「社員への奉仕」の3つのミッションに基づき、地域社会、株主ならびに顧客、取引先、従業員などのステークホルダーの信頼にこたえるべく、社内外に向けて各種施策を継続的に展開することで、ITによる持続可能な社会の実現を目指してまいりました。

具体的な取組の一つとしては、中期経営計画『co-creation Value 2025』にて「社会課題解決に向けた新規ITサービスの創出」を掲げており、持続可能な社会の実現に向けた新たな価値創出に積極的に取り組んでおります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、激しく移り変わる社会・経営環境の変化に対応し、迅速かつ効率的な意思決定を行うべく、サステナビリティを含む重要事項の統制管理を取締役会にて行っております。

 

(2)戦略

当社グループは、設立以来一貫して「社員が幸せになること」を経営理念の一つとして掲げており、人材こそが最も重要な経営資源であると考えております。社員一人ひとりがその能力を最大限に発揮し、明るく活力ある企業集団であり続けるために、魅力あふれる職場環境の構築に引き続き注力してまいります。

なお、当社グループが展開する「ITサービス事業」及び「ITソリューション事業」におきましては、特段環境負荷の高い事業ではないことから、現時点では、当社グループの事業活動が気候変動に重大な影響を与えるものとは認識しておりませんが、当社グループはグループ行動基準において「環境への配慮と社会貢献」を定めており、社員一人ひとりが責任ある社会の一員として、廃棄物の削減等の取り組みをはじめ、環境負荷の低減に努めております。

当社グループにおける「人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針」及び「社内環境整備に関する方針」は以下のとおりです。

 

①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針

ⅰ.多様な人材の確保

当社グループでは、昨今の目まぐるしく移り変わる社会・経済環境において持続的に成長していくために、「コンスタントかつ計画的な採用」を基本方針とし、「新卒・中途採用の拡大」、「女性社員の採用比率向上」をはじめとした多様な人材の確保を積極的に推し進めてまいります。当連結会計年度におきましては、新卒採用での女性社員比率が52.9%となっており、昨年に続き新卒社員の過半数が女性社員となりました。

ii.多様な人材の育成

当社グループでは、社員一人ひとりが自己の特性を最大限に発揮し、思い描くキャリアプランを実現出来るよう、様々な施策を実践しております。具体的には、新人研修や階層別研修のほか、個人の意欲や環境に合わせた技術研修、資格取得研修、各種ヒューマンスキル研修など、多様な社員のニーズに合わせた質の高い教育を実施しています。また、昨今ではDX推進を実践するための知見の獲得及び技術力向上に向けた育成強化のほか、次世代マネジメント層に向けた外部研修の実施にも積極的に取り組んでおります。

 

 

②社内環境整備に関する方針

当社グループは、社員が活き活きと健全に働ける職場を実現すべく、以下の取組を実施しております。

ⅰ.次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画

当社グループでは、すべての社員がその能力を十分に発揮できるように、社員全員が働きやすい職場環境の構築に専念するとともに、次世代育成支援対策に取り組んでいくため、以下のとおり行動計画を策定しております。

目標

対策

女性社員が安心して継続的に働くための措置の実施

・すべての女性従業員を対象に、出産・育児に関する社内規程、行政による各種制度等の説明をする社内セミナーを定期的に実施

・産休・育休からの復職を支援するための体制整備

所定外労働時間の削減

・ノー残業デーを週に1日以上設け、定期巡回を行うなど形骸化しないような取組みを実施

若年者のインターンシップ受入れ

・大学・専門学校等と連携して、若年者に就業体験の機会を提供

ⅱ.長時間労働の抑制

当社グループは、勤怠管理システムを導入するなど、より正確な労務管理が行えるよう環境を整備いたしました。その他、年休取得奨励日の設定等も併せて、引き続き長時間労働の抑制に努めてまいります。

ⅲ.健康経営の推進

当社グループは、企業が持続的に成長していく上で、その基盤となる社員が心身ともに健康であることは不可欠の前提であると考えており、インフルエンザの「予防接種の接種率改善」など、社員の健康増進を目的とした様々な施策を実施してまいりました。その結果、経済産業省と日本健康会議より“従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業"として「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)に認定されました。当社グループの健康経営戦略マップは以下のとおりです。

 

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ⅳ.社員エンゲージメント施策の実施

当社グループは、定期的なストレスチェックの実施や健康経営調査票の作成を行い、これに基づいた改善施策の検討・実施に努めております。また、コミュニケーション環境の充実を目的として、Jリーグの当社冠試合開催や定期的な観覧優先券の配布等、社員エンゲージメント向上施策に取り組んでおります。

 

 

 

(3)リスク管理

当社グループは、サステナビリティを含む事業活動に伴うリスクを未然に予測し適切に管理することが、当社への社会的信頼の維持・強化、ひいては持続可能な社会の実現につながるとの考えから、取締役会においてリスク管理を徹底しております。

 

(4)人的資本に関する指標及び目標

当社グループは、上記「(2)戦略」における「①人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針」及び「②社内環境整備に関する方針」に基づき、当社では指標の設定とともに具体的な取り組みが行われているものの、当社グループすべての会社では行われていないことから、当社グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

指標

目標

実績

女性社員比率

2026年3月31日までに13% ※

2023年3月31日時点で11.4%

女性社員の平均勤続年数

2026年3月31日までに7年間 ※

2023年3月31日時点で7.4年間

予防接種の接種率

2025年3月31日までに80%

2023年3月31日時点で25%

 

※女性の活躍推進企業データベース(https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=4918)にて開示済の「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の目標値」を記載しております。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は本有価証券報告書提出日(2023年12月18日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 特定の販売先への依存度

当社グループの販売先のうち、株式会社日立システムズをはじめとする日立グループ会社への販売は、2023年9月期売上高のおよそ50%を占める状況であります。

したがって、同グループ会社の受注動向の変化やその他の理由により、当社グループとの取引が縮小された場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、市場における競争力を高めて行くとともに、新規販売先の発掘に注力すること等を通じて、販売先の拡大に繋げて参ります。

 

② 製品・サービスの品質問題

当社グループは、設計・開発などの各過程において品質管理を行うことが重要であると認識しております。

当社グループの提供する製品・サービスにおいて、不具合の発生やサービス不良など品質上の問題が発生した場合には、取引先などに対する信用を失墜させ、営業活動に支障をきたすとともに、手直し・回収などの追加コストや損害賠償責任などの発生により、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、2002年3月にISO9001を認証取得し、ISOの基準に基づいた品質管理を行っています。

 

③ 情報セキュリティ

当社グループは、取引の中で個人情報など各種情報を取り扱います。

情報漏洩が発生した場合には、社会的信用や取引先などに対する信用を失墜させ、営業活動に支障をきたすとともに、損害賠償責任などの発生により、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、2003年10月にプライバシーマークを認定取得し、個人情報に関する法令やその他規範の遵守を徹底しています。又、2011年6月にはISO/IEC27001を認証取得し、ISMSの基準に基づいた情報セキュリティ管理を行っております。

 

④ 人員の拡充

当社グループのビジネスモデルである「顧客密着型ソリューションサービス」は、優秀なIT技術者の確保と育成が重要であると考えておりますが、今後、必要な人員の拡充が計画どおりに進展しない状況が生じた場合には、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、新卒及び中途採用活動を継続的に行っており、また人材の定着にも配意し、働きやすい職場環境の整備を推し進めております。

 

⑤ 経済環境の変化に伴うIT投資動向

当社グループのITソリューション事業及びITサービス事業は、IT投資動向の影響を受けるものであります。経済環境の悪化や景気低迷により、顧客企業のIT投資意欲が減退するような場合には、受注の減少、保守・運用契約の解約等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、財務健全性を担保するとともに、国内外の景気・需要動向のモニタリング行い、景気変動への対応力を強化してまいります。

 

⑥ 新型コロナウイルス感染症を含むパンデミック

当社グループの従業員に新型コロナウイルス等の感染が拡大した場合、一時的な業務の停止などにより、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではこれらのリスクの低減を図るため、予防や拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、各種政策の効果もあり、雇用・所得環境が改善する下で、新型コロナウイルスの5類移行に伴う経済活動の再開も加わり、景気は緩やかに持ち直しております。一方で、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響にも十分な注意が必要であり、先行き不透明な状況が続いております。

当社グループが属する情報サービス産業におきましては、クラウドシフトやビッグデータ、AI、IoTなどの先端的技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」といいます。)推進の動きが活発化しており、企業の競争力強化のためのIT投資意欲が拡大すると見られています。

このような状況下、当社グループは、3か年の中期経営計画「co-creation Value 2025」の初年度となる当期は、その基盤構築と位置付けて研究開発、人材育成に積極的に取り組みました。

 

これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ.財政状態

 総資産は、前連結会計年度末に比べ517百万円増加し、8,175百万円となりました。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ68百万円増加し、2,132百万円となりました。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ449百万円増加し、6,043百万円となりました。

 

ロ.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高は8,562百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益は404百万円(前年同期比36.1%減)、経常利益は476百万円(前年同期比33.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては372百万円(前年同期比29.3%減)となりました。

 

事業部門別の業績を示すと、次のとおりであります。

 

(ITソリューション事業)

ITソリューション事業につきましては、売上高は8,331百万円(前年同期比0.5%増)となりました。内訳は次のとおりであります。

ソフトウェア開発につきましては、情報・通信メディア、製造の売上が増加したことなどにより、売上高は3,882百万円(前年同期比9.2%増)となりました。

システム運用につきましては、電力・ガス・水道・鉄道、情報・通信・メディアの売上が減少したことなどにより、売上高は4,448百万円(前年同期比6.0%減)となりました。

 

(ITサービス事業)

ITサービス事業につきましては、チケット販売管理システムのカスタマイズ作業及び株式会社フィートの多言語音声翻訳サービスの売上が増加したことなどにより、売上高は231百万円(前年同期比15.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ35百万円増加し、3,976百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フローの状況)

営業活動の結果得られた資金は489百万円(前連結会計年度は467百万円の収入)となりました。

この主な要因は、税金等調整前当期純利益565百万円、賞与引当金の増減額57百万円、利息及び配当金の受取額55百万円となったものの、投資有価証券売却損益△90百万円、法人税等の支払額△99百万円等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フローの状況)

投資活動の結果使用した資金は210百万円(前連結会計年度は268百万円の支出)となりました。

この主な要因は、有形固定資産の取得による支出△212百万円、差入保証金の差入による支出△93百万円となったものの、投資有価証券の売却による収入105百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フローの状況)

財務活動の結果使用した資金は243百万円(前連結会計年度は314百万円の支出)となりました。

この主な要因は、配当金の支払額△232百万円及び自己株式の取得による支出△10百万円によるものです。

 

 (参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2022年9月期

2023年9月期

自己資本比率

73.0%

73.9%

時価ベースの自己資本比率

90.8%

81.4%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

インタレスト・カバレッジ・レシオ

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

2 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4 キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、算定の基礎となる期末有利子負債がないため、記載しておりません。

 

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ. 生産実績

事業部門別の名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

ITソリューション事業

6,572,077

+1.6

ITサービス事業

169,430

△0.4

合計

6,741,508

+1.5

 

 

ロ. 受注実績

事業部門別の名称

受注高(千円)

前年同期比

(%)

受注残高(千円)

前年同期比

(%)

ITソリューション事業

8,338,159

△0.0

101,567

+7.4

ITサービス事業

213,292

+0.4

9,265

△65.9

合計

8,551,451

△0.0

110,833

△8.9

 

 

ハ. 販売実績

事業部門別の名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

ITソリューション事業

8,331,137

+0.5

ITサービス事業

231,187

+15.1

合計

8,562,325

+0.9

 (注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年10月1日

  至 2022年9月30日)

当連結会計年度

(自 2022年10月1日

  至 2023年9月30日)

販売高

(千円)

割合(%)

販売高

(千円)

割合(%)

株式会社日立システムズ

1,519,438

17.9

1,421,041

16.6

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。又、この連結財務諸表の作成にあたって当社グループは、いくつかの重要な判断や見積りを行って連結財務諸表を作成しており、その性質上、一定の想定をもとに行われます。したがって、想定する諸条件が変化した場合には、実際の結果が見積りと異なることがあり、結果として連結財務諸表に重要な影響を与える場合があります。重要な会計方針については、後述の注記事項に記載しておりますが、特に重要と考える項目は、次の項目です。

 

イ. 退職給付に係る負債

 退職給付費用及び退職給付に係る負債は、割引率・退職率・死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などの前提条件に基づいて算出されております。割引率は、安全性の高い長期の債券の利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の運用利回りに基づいて決定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合及び変更された場合には、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

 

ロ. 繰延税金資産

 繰延税金資産は、入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得の見積りなどを踏まえ、回収可能性に問題がないと判断した金額を計上しております。今後、将来の経営成績などが著しく変化し、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ. 経営成績等

a. 財政状態

(資産)

総資産は、前連結会計年度末に比べ517百万円増加し、8,175百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ210百万円増加し、5,680百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金35百万円の増加、売掛金112百万円の増加、及び前払費用5百万円の増加によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ307百万円増加し、2,495百万円となりました。この主な要因は、投資有価証券271百万円の増加、建物(純額)117百万円の増加、敷金及び保証金84百万円の増加及び繰延税金資産147百万円の減少によるものであります。

 

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末に比べ68百万円増加し、2,132百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ263百万円増加し、1,744百万円となりました。この主な要因は、未払法人税等89百万円の増加、賞与引当金56百万円の増加、未払金50百万円の増加、及び預り金41百万円の増加によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ194百万円減少し、387百万円となりました。この主な要因は、退職給付に係る負債194百万円の減少によるものであります。

 

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末に比べ449百万円増加し、6,043百万円となりました。この主な要因は、その他有価証券評価差額金200百万円の増加、利益剰余金136百万円の増加及び退職給付に係る調整累計額123百万円の増加によるものであります。

 

 

b. 経営成績

(売上高及び売上原価)

 当連結会計年度における売上高は、情報・通信・メディア、製造、官公庁・自治体などを中心とした受注が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ73百万円増加(前年同期比0.9%増)の8,562百万円となりました。また、売上原価は前連結会計年度に比べ101百万円増加(前年同期比1,5%増)の6,746百万円となりました。

 その結果、当連結会計年度における売上総利益は前連結会計年度に比べ28百万円減少(前年同期比1.5%減)の1,815百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ200百万円増加(前年同期比16.5%増)の1,410百万円となりました。この主な要因は、人件費33百万円の増加及び試験研究費64百万円の増加によるものであります。

 その結果、当連結会計年度における営業利益は前連結会計年度に比べ228百万円減少(前年同期比36.1%減)の404百万円となりました。

 

(営業外損益)

 当連結会計年度における営業外損益は、前連結会計年度に比べ6百万円減少(前年同期比8.3%減)の、71百万円の利益となりました。この主な要因は、本社移転費用7百万円の増加によるものであります。

 その結果、当連結会計年度における経常利益は前連結会計年度に比べ234百万円減少(前年同期比33.0%減)の476百万円となりました。

 

(特別損益)

 当連結会計年度における特別損益は、前連結会計年度に比べ95百万円増加(前連結会計年度は6百万円の損失)の、89百万円の利益となりました。この主な要因は、投資有価証券売却益80百万円の増加及び減損損失15百万円の減少によるものであります。

 その結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ138百万円減少(前年同期比19.7%減)の565百万円となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等合計が193百万円となったことにより前連結会計年度に比べ154百万円減少(前年同期比29.3%減)の372百万円となりました。

 

c. キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

ロ. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

ハ. 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、人件費や外注費をはじめとする売上原価のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、運転資金は自己資金の運用を基本としており、金融機関等外部からの借入れは行っておりません。

 

ニ. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための指標を売上高経常利益率としており、その目標数値を8.0%にしております。当連結会計年度における売上高経常利益率は5.6%となりました。

 目標である売上高経常利益率8.0%を達成していくためには、収益性の高いITサービス事業の拡大が急務であると認識しております。自社保有技術の活用に加え、M&Aを含む社外リソースの活用等を積極的に行い、早期での事業拡大を目指します。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 ITサービス事業の早期拡大を実現するため、新規事業、新サービスの企画、研究開発を行っております。研究開発体制は、事業開発部門を中心に社内及び社外の有識者を加えプロジェクトを設定し推進しております。

 当連結会計年度に発生した研究開発に係る費用は、124百万円であります。