当第3四半期累計期間において、新たに発生した「事業等のリスク」はありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
当第3四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により、企業活 動及び個人消費行動が徐々に活発化しております。一方で、各国の金融引き締めによる景気下振れリスクや円安に 起因する物価高の影響による足踏みもあり、景気の回復も緩やかなものとなっております。2023年12月調査の日銀 短観によると、当年度の設備投資計画(ソフトウエア・研究開発投資額を含む)は2023年9月調査から下方修正されており、ここでも景気持ち直しに足踏みがみられています。
このような状況のもと、当社は、「顧客ターゲット別の営業推進」「ソリューション強化」「新人事制度定着に よる生産性向上」を重点施策に掲げて事業に取り組んでおります。
製品開発面では、すべてが新しくなった次世代型システム証跡管理製品「ESS REC6」を2023年4月にリリースい たしました。リモート運用・リモート業務時の本人性/業務正当性をさらに高める機能拡張や、Webサービスに対す るブラウザ操作の証跡取得強化などを進めております。また、特権ID管理製品「ESS AdminONE」については、当上 半期に引き続き、SaaSなどWebサービスに対するアクセス管理強化やアカウント棚卸など運用面での機能強化を進めております。
営業面においては、10月に株式会社ナノオプト・メディア主催の「Security Days Fall 2023 Tokyo」、11月に株式会社網屋の「Security BLAZE 2023」などのイベントに出展いたしました。これに加え、システム管理者の内部不正による大量の個人情報漏洩事件を受けた緊急対策セミナーを開催するなどマーケティング活動に注力しており、新規営業リード獲得や認知度向上に努めております。なお、これらの活動の成果により、期初から通算した新規企業による採用件数は、前年同期の実績17社を大きく上回る32社に達しました。
当社の当第3四半期累計期間における経営成績は次のとおりであります。
当第3四半期累計期間におけるライセンス売上は、営業体制強化の成果及び特権ID管理製品の伸長により前年同 期比で37.1%の増加となりました。ライセンス売上に派生するコンサルティングサービス売上も、前年同期比で 46.1%の増加となりました。また、ストックビジネスである保守サポートサービス売上等も引き続き順調に増加しております。これにより、売上高は第3四半期累計期間としては過去最高の1,781,909千円(前年同期比15.1%増)となりました。
一方、賃上げ等による労務費・人件費が前年同期比で17.3%増加した他、前事業年度まで行ってきた「ESS AdminONE」の機能拡張への投資に係る減価償却費の増加や、「ESS REC6」の拡販に向けた広告宣伝費の増加等もあり、売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計額は1,589,667千円(前年同期比11.8%増)となりました。
この結果、営業利益は192,241千円(前年同期比52.2%増)、経常利益は193,191千円(同53.8%増)、四半期純利益は130,840千円(同54.9%増)となりました。なお、当第3四半期累計期間における製品・サービス区分別販売実績は以下のとおりであります。
当第3四半期累計期間における製品・サービス区分別販売実績
(単位:千円)
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製品・サービスの名称 |
前第3四半期累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年12月31日) |
当第3四半期累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年12月31日) |
増減率(%) |
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うちESS REC |
214,339 |
230,449 |
7.5 |
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うちESS AdminONE |
92,752 |
167,677 |
80.8 |
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うちその他ライセンス |
39,122 |
76,638 |
95.9 |
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ライセンス |
346,214 |
474,764 |
37.1 |
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保守サポートサービス |
967,493 |
1,001,366 |
3.5 |
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クラウドサービス |
64,789 |
75,039 |
15.8 |
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コンサルティングサービス |
140,542 |
205,282 |
46.1 |
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SIO常駐サービス |
17,667 |
18,115 |
2.5 |
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その他 |
11,246 |
7,340 |
△34.7 |
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合 計 |
1,547,953 |
1,781,909 |
15.1 |
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※1.当社はパッケージソフトウエア事業の単一セグメントであります。
※2.ライセンス売上の区分につき、前事業年度において、その他ライセンスに含めておりましたESS
AdminONEの売上は金額的重要性が増したため、当第3四半期累計期間より独立掲記しております。
これにより、前第3四半期累計期間の同製品の売上も独立掲記しております。
※3.その他の主なものはハード・レンタル売上、SEER INNERのタームライセンス及び保守、販売奨励金等であり
ます。
(2)財政状態に関する説明
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末に比べ453,051千円増加し、4,661,108千円(前事業年
度末比10.8%増)となりました。主な増加要因はライセンスおよびコンサルティングサービス売上の伸長、保守サポ
ートサービス売上に係る前受金(契約負債)の増加等による現金及び預金の増加362,620千円、無形固定資産に含まれ
るソフトウエアの増加37,038千円によるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末に比べ452,162千円増加し、1,318,299千円(前事業年
度末比52.2%増)となりました。主な増加要因は保守サポートサービス売上に係る前受金(契約負債)の増加
228,260千円、未払法人税等の増加92,332千円、賞与引当金の増加46,606千円、その他に含まれる未払消費税等の増加
37,893千円によるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は、前事業年度末に比べ888千円増加し、3,342,808千円(前事業年度末比0.03%増)となりました。主な増加要因は、四半期純利益の計上130,840千円、その他有価証券の評価差額金の増加4,343千円、主な減少要因は、剰余金の配当による減少134,295千円によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社は、システム運用を安全かつ安定的に稼動させるために、システムリスクとヒューマンリスクの両面からの
アプローチによって、最適なソリューションをパッケージソフトウエアで提供しております。研究開発活動においては、主力製品である「ESS REC」の大幅な機能強化(次世代型システム証跡管理製品)とAIを搭載した本人確認によるなりすまし防止製品の2つの新製品開発プロジェクトを行ってきました。
当第3四半期累計期間においては、2023年4月に「ESS REC6」をリリースし、上記新製品開発プロジェクトが終了したため、当第3四半期累計期間の研究開発費は、前第3四半期累計期間に比し260,426千円減少し、33,768千円となりました。
当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。