文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「水と生きる」を掲げる会社として、自然を大切にし、社会を潤し、そして新たな挑戦を続けることを約束します。
また、ビジョンを「お客さまとともに 新たなおいしさ、健やかさ、楽しさを創造し続け それぞれの市場で最も愛される会社となることを目指します」と定めています。
(2)中期経営戦略
グローバル飲料業界において、消費者トレンドの一歩先をいく、ユニークなポジションの確立を目指します。
「既存事業で市場を上回る成長」に加え、「新規成長投資による増分獲得」により、2030年売上2.5兆円を目指します。
また、売上成長を上回る利益成長の実現を目指します。
この目標を達成するために、以下の重点項目を中心に積極的に事業展開していきます。
<成長戦略>
First Mover - オーガニック成長
・コアブランド イノベーション
・新カテゴリーの創造
Game Changer - 非連続な成長
・新市場、新飲料モデルの開発
・M&Aを積極的に推進
成長を支える取組み
・センター オブ エクセレンスとDXの推進
・アジアパシフィックリージョンの新設
<構造改革>
・日本の自販機事業構造改革
・欧州業務用ビジネス構造改革
上記に加え、サステナビリティ経営を推進することで、地域社会へ貢献していきます。
(3)中期経営計画(2021-2023)
中期経営戦略に基づく2023年までの目標は以下のとおりです。
オーガニック成長
(2020年を起点、為替中立)
売上収益
平均年率1桁台半ばの成長
営業利益
平均年率10%以上の成長
営業利益率
2023年 10%以上
※2022年には、売上収益、営業利益で2019年水準を超える
成長投資
成長投資(M&Aを含む)に重点をおく
・最大ネットD/Eレシオ1倍が投資上限目安(約7,000億円)
・足元では2,000-3,000億円規模を投資枠として設定
(4)経営環境及び優先的に対処すべき課題
①各報告セグメントにおける取組み
2023年は、変動の激しい外部環境が続く想定のもと、たゆみなく事業構造を進化させ、ダイバーシティに富む新経営体制のもと、グローバルで更なる攻勢を仕掛けていきます。コアブランドイノベーションを加速させ、更なる売上成長を目指します。厳しいコスト環境が継続する想定のもと、売上収益の伸長及びサプライチェーンのコスト削減活動の徹底により、利益体質を改善させ、増益を目指します。
加えて、持続的な成長に向けて、引き続きM&A等の投資機会の探索、生産設備の増強、サステナビリティへの取組み・投資強化等、積極的に投資していきます。
サステナビリティの取組みとしては、「人と自然と響きあう」という使命のもと、「環境目標2030」達成に向けた「水」と「温室効果ガス」に関する活動、及び「プラスチック基本方針」に掲げた活動を強化していきます。
[日本事業]
「コアブランドの成長加速」、「自販機事業の構造改革」、「サプライチェーン構造革新」を事業戦略の重点領域とし、売上収益と利益を成長させていきます。マーケティング活動においては、引き続き「サントリー天然水」、「BOSS」、「伊右衛門」、「GREEN DA・KA・RA」及び「特茶」への活動を更に強化していきます。「サントリー天然水」は、独自のブランド価値である“清冽なおいしさ”を引き続き訴求していくことに加え、フレーバーウォーターの活動も強化していきます。「BOSS」は、“コーヒーシリーズ”と“紅茶シリーズ”2本柱の「クラフトボス」で更に活動を強化していきます。缶コーヒーも、ヘビーユーザーの活性化に向けてマーケティング活動を強化していきます。「伊右衛門」は、更なるブランド成長に向けて、「伊右衛門」、「伊右衛門 濃い味」、「伊右衛門 京都ブレンド」の活動を強化していきます。「特茶」は飲用習慣化の実現に向けて、一層マーケティング活動を強化するとともに、「特茶」独自の機能を訴求していきます。
[アジアパシフィック事業]
アジアパシフィックでは、コアブランドイノベーション及び価格改定を含むRGM(レベニューグロースマネジメント)による売上収益の更なる成長を目指します。売上収益の伸長及び生産設備の増強等、コスト削減活動の徹底により、原材料価格・エネルギー価格の高騰によるコスト増を吸収していきます。
ベトナムでは、需要の更なる拡大を踏まえ、エナジードリンク「Sting」や茶飲料「TEA+」等の主力ブランドの更なる成長を図るとともに、営業活動強化にも継続して取り組みます。タイでは、ペプシブランドの強化や生産効率の更なる向上に加えて、高まる健康志向への需要の取り込みに向け、引き続き低糖商品の強化にも取り組みます。健康食品においては、主力の「BRAND'S Essence of Chicken」のマーケティング活動を強化します。オセアニアでは、引き続き主力ブランドであるエナジードリンク「V」に注力します。
[欧州事業]
欧州では、コアブランドイノベーションの継続及び価格改定を含むRGMの徹底により、売上収益の成長を目指します。売上収益の伸長やコスト削減活動及び事業構造改革を継続させることにより、更なるコスト増の影響を吸収していきます。
フランスでは、「Oasis」、「Schweppes」のマーケティング強化に取り組みます。英国では、「Lucozade Energy」への集中投資により、エナジーカテゴリー市場でのシェア拡大を目指します。スペインでは、「Schweppes」を家庭用市場及び業務用市場で活動を強化していくとともに、業務用ビジネスの構造改革を更に推進していきます。
[米州事業]
主力である炭酸カテゴリーの強化を進めるとともに、伸長する非炭酸カテゴリーの更なる拡大に取り組みます。また、価格政策やサプライチェーンの更なる強化を進め、売上収益と利益の成長を加速していきます。
②サステナビリティの取組み
[ガバナンス]
当社グループでは、リスクマネジメントコミッティが、当社グループ全体のリスクマネジメント活動を推進する役割を担い、サステナビリティに関する種々の課題を含むリスクの抽出、対応策の立案及び対応状況の進捗確認を行っています。
また、サステナビリティ委員会が、当社グループ全体のサステナビリティ経営を推進する役割を担い、社会と事業の持続的な発展に向けて、サステナビリティ戦略の立案・推進を行っています。
リスクマネジメントコミッティとサステナビリティ委員会は、常に連携をとっており、重要な意思決定事項については、取締役会で更なる議論を行い、審議・決議を行います。サステナビリティ戦略の進捗や事業のリスクと成長機会は、適宜取締役会に報告を行っています。また、取締役会では、外部の専門家を講師とした研修、生産研究開発施設等における取締役会の開催や意見交換等を実施することで、サステナビリティに関する知見を深める機会を設けています。
また、役員報酬の決定に用いる目標には「サステナビリティ」の項目が設定されています。
[リスク管理]
当社グループでは、リスクマネジメントコミッティにおいて、毎年当社グループ全社を対象にした重要リスクの抽出・評価を行い、当社グループにとって優先的に取り組むべきリスクを特定し、当社グループ全体でリスクの低減活動を推進しています。これらの活動につきましては、その内容を取締役会において定期的に報告しています。
リスク抽出・評価のアプロ―チ及び特定したリスクの管理方法は、次のとおりです。
■リスク抽出・評価のアプローチ
抽出されたリスクに対し、「リスクエクスポージャー(発生可能性×影響度)」及び「対策レベル(対策の準備の度合い)」の二軸で評価し、優先的に取り組むリスクを特定しています。
■特定したリスクの管理方法
特定した優先的に取り組むリスクについては、責任者及びモニタリング機関を任命の上、リスクへの対応策を実施します。対応状況はリスクマネジメントコミッティにおいて報告・議論し、対応結果を踏まえて次年度の重要リスクを選定することで、抽出・評価・対策・モニタリングのPDCAサイクルを回しています。
[戦略/指標・目標]
サントリーグループでは、グループとしてサステナビリティ活動に取り組んでおります。戦略/指標・目標につきましては、特段の記載がない限り、サントリーグループとしての戦略や指標・目標を記載しています。
(気候変動関連課題への対応)
サントリーグループでは、持続的に事業を行い、価値を創造し続けていくために、気候変動によるリスクや事業への影響を特定し、適切に対応していく必要があると考え、金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を2019年5月に表明しました。
サントリーグループでは、気候変動による、水資源への影響、資源の枯渇等により、製品の安定供給及び生産コストの増加等の影響があり、気候変動関連課題をサントリーグループのビジネスの継続の上で重要な課題の一つと認識し、気候変動の緩和を目指す政府や地方自治体の環境への取組みと連携し、バリューチェーン全体での環境負荷低減を目指し、グループ一体となって気候変動関連課題に取り組んでいます。
特に事業への影響が大きいと想定している水及び気候変動については、2030年を目標年とする中期目標として「環境目標2030」を、2050年を目標年とする長期ビジョンとして「環境ビジョン2050」を定め、取組みを進めています。
なお、最新の取組み状況・進捗については、当社グループのホームページ内にあるサステナビリティに関するウェブサイトにて発信していきます。
※1 製品を製造するサントリーグループの工場
※2 2015年における事業領域を前提とした原単位での削減。なお、当社グループの目標は20%削減。
※3 コーヒー、大麦、ブドウ
※4 サントリーグループの拠点
※5 2019年の排出量を基準とする
1.GHG
気候変動に関連して、炭素税の導入や税率の引上げ等がされた場合、エネルギー調達コストの増加等の財務上の負担が増加するリスクがあります。
サントリーグループでは、これらのリスクを低減するため、GHG排出量の削減については、原材料調達から製造・物流・販売・リサイクルに至るまでのバリューチェーン全体で削減するため、部門ごとに課題を設定して活動し、環境目標2030として設定した全世界のサントリーグループの保有する拠点でのGHG排出量の50%削減及びバリューチェーン全体におけるGHG排出量の30%削減に向けて取り組んでいます。
GHGのScope1、2の排出量削減については、世界各地域で再生可能エネルギー電力の導入やカーボンオフセットの仕組みの活用を進めています。再生可能エネルギー電力については、2022年に、日本、米州、欧州の飲料・食品及び酒類事業に関わるサントリーグループの保有する生産研究拠点で、購入する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えました。加えて、2021年から内部炭素価格制度を導入したほか、2030年までに脱炭素を促進する1,000億円規模の投資を実施する予定です。これらの取組みにより、2030年に想定されるGHG排出量を、約100万トン削減できる見込みです。
また、GHGのScope3の排出量削減についても、ペットボトルリサイクルの取組み強化とともに、再生農業の取組みを試験的に開始しました。併せて、原料や包材のサプライヤー・物流会社等取引先への協働の働きかけを進めています。
2.水
水はサントリーグループにとって最も重要な原料の一つであり、かつ、貴重な共有資源であるため、水に関するリスク評価に基づきグループの事業活動や地域社会、生態系へのインパクトを把握することは持続的な事業成長のために不可欠です。
気候変動による水資源の枯渇・干ばつや、異常気象による洪水等が発生した場合、水の供給不足やバリューチェーンの浸水や分断による工場等の操業停止等のリスクがあります。一方、平均気温の上昇や猛暑等により、水や熱中症対策飲料の需要が増加する等の機会があります。
サントリーグループでは、地球の環境と開発の問題に関するグローバルな非営利研究団体である世界資源研究所(World Resources Institute)が開発したAqueduct及び2040 Water Stress、世界最大規模の自然環境保護団体である世界自然保護基金(WWF)が開発したWater Risk Filterを使用して、サントリーグループの保有する製品を製造する工場を対象に、水の供給のサステナビリティに関する評価を行い、リスクを把握しました。
リスクを把握した拠点に対して、水マネジメント(取水と節水)及び地域との共生の観点から、リスク低減への取組み状況について拠点ごとに個別評価を行い、対策を進めています。
また、環境目標2030の達成に向け、自然環境の保全・再生活動等、水に関わる様々な取組みをグローバルに推進しています。日本においては、2003年から水を育む森を育てる「天然水の森」の活動を開始し、「天然水の森」を約1万2千haまで拡大し、全国15都府県21ヵ所で、サントリーグループの国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を涵養する環境を整えています。2021年には水の保全やスチュワードシップ(管理する責任)をグローバルに推進する国際標準の権威ある機関「Alliance for Water Stewardship」と連携協定を締結し、日本における水のサステナビリティ推進のリーダーシップを担う企業に就任しました。
3.原材料
サントリーグループの製品に不可欠な農作物やその他原料は、気候変動による平均気温の上昇や、干ばつ、洪水といった異常気象の発生により、収量の変動、栽培適域の移動等、サントリーグループの生産活動に大きな影響を及ぼすものがあります。
サントリーグループでは、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によるRCP2.6(2℃未満シナリオ)、RCP8.5(4℃シナリオ)及び国際エネルギー機関(IEA)によるシナリオ等を参照しながら、リスクと機会の把握を進めています。
原料の安定調達のための取組みとして、原料産地別に気候変動による将来収量予測等の影響評価を行い、戦略を策定し、原料由来のGHG排出量削減や気候変動の緩和・適応効果が期待される再生農業を農家等と連携して試験的に開始しました。
4.プラスチック
使用済みプラスチックの不適切な取扱いによって引き起こされる環境汚染や廃棄時のGHG排出量の増加等は大きな社会問題になっており、ワンウェイプラスチック関連課税によるコスト増加等のリスクがある一方で、新規技術の開発・導入により石油使用量の削減が可能となる機会があります。
サントリーグループでは、プラスチック問題について一丸となり、先陣を切って取り組むべき課題ととらえ、「プラスチック基本方針」を策定し、“2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用することで、化石由来原料の新規使用をゼロにする”という「ペットボトルの100%サステナブル化」を目標として掲げています。
また、2012年、国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入したことを皮切りに、従来よりもGHG排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発する等、長年にわたって技術革新を進め、積極的に「ボトルtoボトル」水平リサイクルを実用化・推進してきました。
5.気候変動関連課題のインパクト評価
気候変動関連課題について、サントリーグループに重要な財務的影響を与えるリスク及び機会を特定するため、短期(0~3年)・中期(3~10年)・長期(10~30年)という時間軸における各項目のインパクトや発生頻度を踏まえた評価を実施しました。
特定したリスク・機会の中でも、カーボンプライシングの導入による生産コストの増加、生産拠点への水の供給不足による操業影響、農産物の収量減少による調達コストの増加の3点が、特に大きな財務的影響を及ぼす可能性があることを認識し、事業に対する影響額を試算しました。リスク・機会分析の前提となるシナリオは、脱炭素シナリオとして国際エネルギー機関(IEA)が発行した「Net Zero Emissions by 2050 Scenario」(NZE 2050)等を使用して、2019年の排出量(Scope1、2)を基に、IEA NZEの予測値から独自に推計した炭素税価格(2030年は、日本、欧州、米州 130ドル/トン、アジアパシフィック 90ドル/トンとし、2050年は、日本、欧州、米州 250ドル/トン、アジアパシフィック 200ドル/トン)を用いて試算し、水については、水ストレスが高いエリアに立地するサントリーグループ工場において、取水制限を想定した場合の操業停止期間を加味して利益インパクトを試算しました。なお、工場所在地の水ストレス評価は、世界資源研究所のAqueductと世界自然保護基金(WWF)のWater Risk Filterを使用しました。また、温暖化進行シナリオとして、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によるRCP 8.5を使用しました。その結果、当社グループの事業に対する影響額の試算は下表の様になりました。
(サプライチェーンにおける人権の尊重)
サントリーグループは、人権に配慮した活動を推進するため、「サントリーグループ人権方針」を策定したほか、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)等の枠組みに従い、NPO会員組織「Sedex」等と連携した人権デュー・ディリジェンスの活動をグローバルに推進しています。また、サプライチェーンにおける人権尊重に関しては、2011年に「サントリーグループサステナブル調達基本方針」を、2017年に「サントリーグループ・サプライヤーガイドライン」を制定し、取引先と連携して、人権・労働基準・環境等の社会的責任にも配慮した調達活動を推進しています。
(人的資本・多様性)
サントリーグループは、「人」こそが、経営の最も重要な基盤であるという考え方に基づき、従業員一人ひとりがイキイキと、やりがいを持って働き、それぞれの個性と能力を最大限発揮して成長し続けることを目指し、下記の様な方針を立て、様々な取組みを進めています。
■人材育成方針
人材育成を「中長期的な視点」で捉え、国籍や年齢等に関わらず、すべての従業員に成長の機会を提供することに努めています。
・成長フィールド(事業・リージョン・機能)の拡がりを活用した新たなチャレンジの機会提供
サントリーグループは、創業以来の洋酒事業を起点に、ビール・清涼飲料・健康食品・外食・花等、様々な分野に事業を展開しています。また、日本から世界へフィールドを拡げ、今日では、米州・欧州・アジア・オセアニアにおいて、メーカーとして幅広いバリューチェーン・機能を有しています。グローバル食品酒類総合企業グループへ成長する中、「全社員型タレントマネジメント」の実践を掲げ、従業員が挑戦・成長を続けられる機会を提供できるよう努めています。
・世界中のサントリー従業員の学び舎「サントリー大学」における企業理念の浸透と能力開発
サントリーグループは人が育つための、日常の学びの仕組み・学びの風土づくりを強化するため、2015年4月に企業内大学「サントリー大学」を開校しました。「サントリー大学」は、「自ら学び、成長しつづける風土の醸成」、「創業の精神の共有と実践」、「リーダーシップ開発」及び「未来に向けた能力開発」の4つの視点からサントリーグループに属するすべての従業員に様々なプログラムを開発、提供しています。
■社内環境整備方針
・DEI(Diversity, Equity & Inclusion)推進
サントリーグループは、新たな価値を絶えず創造していくためには、国籍や年齢等にとらわれることなく、多様な人材、多様な価値観を積極的に取り入れ、公平性を担保し、活かすことが重要であるという考えのもと、「DEI Vision Statement」と「Strategic Pillars」を制定し、その実現にむけ、女性、LGBTQ+、障がい者、シニア層等様々な人材の活躍を推進すべくグループグローバルで取組みを進めています。なお、外国人及び経験採用者の中核人材への登用に関する数値目標については、国籍や採用区分によって特段の差が生じているとは認識していないため、設定していません。
・健康経営の推進
サントリーグループは、従業員・家族の健康がサントリーの挑戦・革新の源であるという考えのもと、全従業員が心身ともに健康でやる気に満ちて働いている状態を目指しています。
2016年に「健康経営宣言」を掲げ、Global Chief Health Officer(健康管理最高責任者)が中心となり、全従業員の健康をサポートする体制を構築し、従業員が自ら取り組むべき項目を具体的に掲げ、健康意識を醸成するためのヘルスリテラシー教育を積極的に展開しています。
・エンゲージメントの強化
世界に4万人超の従業員を有するサントリーグループは、様々な個性やバックグラウンドを持つ従業員同士が仲間として積極的に繋がり、ミッションに向かってともに成長していくうえで、「エンゲージメントの強さ」が重要であると考えています。「ONE SUNTORY、One Family」を合言葉に活動し、エンゲージメント、企業理念の理解、コンプライアンスについてどのような意識をもっているのかを組織風土調査を通して定期的に把握し、その向上に向けた取組みにつなげています。
当社グループでは、リスクマネジメントコミッティが当社グループ全体のリスクマネジメント活動を推進する役割を担っており、定期的に当社グループにおけるリスクの抽出、当該リスクの顕在化する可能性及び経営成績等の状況に与える影響の内容の検討、当該リスクへの対応策の立案及び対応状況の進捗確認を行っています。また、リスクマネジメントコミッティはその活動内容を取締役会に報告しています。
経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクのうち、リスクマネジメントコミッティにおいて、特に重要なリスク及びその他重要なリスクに分類しているリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
<特に重要なリスク>
(事業計画及び経営戦略に基づく事業戦略に関するリスク)
当社グループは、中長期的成長の実現のために中期経営戦略を策定していますが、中期経営戦略を実行し、目標を達成できる保証はありません。中期経営戦略の実行・目標達成のためには、企業買収、事業提携・資本提携による規模の拡大と、既存事業の成長とが必要となりますが、企業買収等の機会の獲得及び実行並びにその後の事業統合に際して当社グループが直面する(企業買収及び事業提携・資本提携に関するリスク)のリスクに加えて、既存事業の成長の実現に関しても、中期経営戦略を実現できないリスクがあります。
(企業買収及び事業提携・資本提携に関するリスク)
日本や他の先進国市場及び新興国市場において新たな企業買収や市場参入の機会を見い出し、活用することは、当社グループの成長戦略の重要な要素であるため、当社グループは、大規模なものや重要性の高いものも含め、企業買収及び事業提携・資本提携の可能性を常に検討しています。このような企業買収等に関しては、以下に掲げるような問題が生じる可能性があります。
・ 企業買収等の適切な機会を見い出せないこと、又は、競合的な買収による場合を含め相手先候補との間で企業買収等に係る条件について合意できないこと
・ 企業買収等に関連して必要な同意、許認可又は承認を得ることができないこと
・ 必要資金を有利な条件で調達できないこと
・ 新たな地域又は商品カテゴリーに参入することにより、当社グループの事業内容が変化すること、また、当社グループが精通していない又は予測することができない課題に直面すること
・ 企業買収等の結果として、予期していた利益や経費削減効果を実現できないこと
当社グループの企業買収等が成功しない場合、当社グループの中長期的な成長目標を実現することができない可能性があります。
(経済情勢等に関するリスク)
日本その他の主要市場における将来の景気後退又は経済減速等の経済不振は、当社グループの商品に対する購買力や消費者需要に影響を及ぼす可能性があります。低迷する経済情勢の下では、消費者が買い控えを行い、又は低価格帯商品を志向する可能性があります。日本その他の主要市場における当社グループの商品に対する消費者需要の低下は当社グループの収益性を低下させ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
日本の長期的な人口動向は、全体として高齢化及び減少の傾向にあり、消費者需要に影響を与える可能性があります。仮に、日本の人口動向により当社グループの商品の需要が減少し、又は価格低下圧力が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(当社商品の安全性に関するリスク)
当社グループは、飲料・食品メーカーとして商品の安全性を最重要課題として認識し、適用される規制を遵守し商品に要求される全ての品質基準を満たすよう努めています。更に、当社グループは、品質、環境、健康及び安全に関する様々な基準を採用しています。しかしながら、当社グループの努力にもかかわらず、商品がこれらの基準を満たさず、又は、その品質が低下し、安全性に問題が生じる可能性があります。このような問題は、当社グループにおいて生じ得るのみならず、当社の管理が及ばない販売先や仕入先・製造委託先において生じる可能性があります。これにより、多額の費用を伴う製造中止、リコール又は損害賠償請求が発生し、また、当社グループのブランド及び信用に悪影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの信用は、根拠のない若しくは僅少な金額の損害賠償の申立て又は限定的なリコールによっても低下する可能性があります。
(商品開発及び商品供給に関するリスク)
当社グループが事業を展開する飲料・食品市場は、消費者嗜好の変化による影響を非常に受けやすい市場です。当社グループが収益及び利益を確保するためには、消費者の嗜好にあった魅力的な商品を提供することが必要となります。当社グループは、市場の変化を的確に把握するよう努めていますが、当社グループが消費者の嗜好にあった魅力的な新商品を開発できる保証はありません。また、当社グループは、健康志向を有する消費者にとって魅力的な商品を開発することを重要な商品戦略の一つとしていますが、他社が同様に健康を訴求する商品に注力し競争が激化する可能性があります。消費者の嗜好に何らかの重大な変化が生じた場合や、当社グループがこのような変化を的確に把握し、又はこれに対応することができない場合、当社グループの商品の需要が減少し、また当社グループの競争力が低下し、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、商品の供給に関して、消費者の嗜好等を踏まえて需要を予測し、需給計画を立案していますが、当社グループの予測を超える需要が発生した場合等、需要に適切に応じられない可能性があります。この場合、当社グループは販売機会を喪失し、また、当社グループのブランドイメージに悪影響を及ぼし、当社グループの商品の需要が低下する可能性があり、これらにより経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの事業の継続的な成否は、新商品の継続的な市場への投入、商品デザインや広告宣伝活動の更なる改善といった革新活動にも依存しています。当社グループは、ブランド力の強化及び新商品投入のために多大な経営資源を投入していますが、消費者環境の変化に伴い、当社グループの販売計画を達成できる保証はありません。当社グループが市場動向・技術革新に対応した有効な販売施策や適切な革新を実現できず、また、新たなヒット商品を市場に投入できなかった場合、当社グループのブランドイメージに悪影響を及ぼし、当社グループの商品の需要が低下する可能性があり、また、これにより、棚卸資産の評価減その他の費用が発生する可能性もあります。
(原材料調達に関するリスク)
当社グループは原材料として主に、アルミニウム製・スチール製の缶及び缶蓋、ガラス瓶、ペットボトル、キャップ、段ボール、コーヒー豆、茶葉、果汁、果物、甘味料、添加物等を使用しています。かかる原材料の価格は、天候や市場における需給の変化により影響を受けます。また、原材料から商品を製造するには、電気や天然ガスを使用します。これらの原材料及びエネルギーに係る費用は著しく変動する可能性があります。これらの原材料及びエネルギーの価格が継続的に上昇した場合、当社グループの原価を押し上げる可能性があります。増加した原価を販売価格に十分に転嫁できない場合や、高騰した原価の販売価格への転嫁により当社グループの商品に対する需要が減少する場合には、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが使用する原材料の中には、供給源が限られているものがあります。当社グループは、原材料の仕入先と強固な関係を築いていると考えていますが、仕入先が当社グループの要求に応えることができない場合、原材料不足に陥る可能性があります。仕入先が当社グループの要求に応えることができないという事態は、気候変動、天候、自然災害、火災、作物の不作、疾病、労働力不足、労働衛生・労働安全上の問題、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、国家間の対立、戦争の勃発、政治不安、テロリズム及び各国のエネルギー危機等様々な要因により生じる可能性があります。かかるリスクは、仕入先又はその施設が、上記の事態が生じる危険性の高い国や地域に所在する場合により深刻な問題となる可能性があります。また、仕入先の変更には長期のリードタイムを要する可能性があり、原材料の供給が長期にわたり滞る場合、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び優先的に対処すべき課題」に記載のとおり、取組みを進めています。また、賛同を表明している「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate - related Financial Disclosures)」に沿った情報開示を拡充するとともに、原材料安定調達の取組みについても情報開示を行っています。
(水の供給に関するリスク)
水は当社グループのほぼ全ての商品の主要な原料ですが、世界の多くの地域において、水資源は、人口増加による消費量の増加、水質汚染、管理不足や気候変動に起因するかつてない難題に直面しています。世界中で水資源の需要が高まるにつれて、当社グループを含む、豊富な水資源に依存している企業は、製造コストの増加や、生産量についての制約に直面する可能性があり、その結果、長期にわたって当社グループの収益性又は成長戦略に影響を及ぼす可能性があります。
(天候に関するリスク)
当社グループが販売する商品の中には、天候により売上が大きく左右されるものがあります。当社グループの商品は、通常春から夏にかけての暑い時期に販売数量が最大となりますが、この時期に気温が低くなった場合、商品需要が落ち込み、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(サプライチェーンに関するリスク)
当社グループ及び当社グループの取引先は、世界各国で原材料を調達し、製造を行っています。サプライチェーンマネジメントにより適切な品質管理、経費削減及び収益性の向上を実現することは、当社グループの事業戦略の一つですが、当社グループは、当社グループの管理が及ばない要因による場合を含め、目標とする効率性を達成できない可能性があります。気候変動、天候、自然災害、火災、作物の不作、疾病、労働力不足、労働衛生・労働安全上の問題、ストライキ、製造上の問題、輸送上の問題、供給妨害、政府による規制、行政措置、感染症、国家間の対立、戦争の勃発、政治不安及びテロリズム等の事由により当社グループの製造又は販売活動に支障が生じる結果、当社グループの製造又は販売能力が損なわれる可能性があります。かかる事由の発生可能性を減少させその潜在的影響を低減するための十分な措置が取られない場合、又はかかる事由が発生したときに適切な対処ができない場合には、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるとともに、当社グループのサプライチェーンを修復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。
当社グループでは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び優先的に対処すべき課題」に記載のとおり、「サントリーグループサステナブル調達基本方針」を制定し、取引先と連携して、人権・労働基準・環境等の社会的責任にも配慮した調達活動を推進しています。
(当社ブランドの信用に関するリスク)
当社グループにとって、当社グループの信用を維持することは極めて重要です。商品の汚染若しくは異物混入、供給元から調達する原材料及び含有物等に関するものを含め商品の品質、安全性及び完全性を高い水準で維持できないこと、真実であるか否かを問わず、商品の品質問題、不正表示若しくは汚染に関する疑惑、又は、マスメディアやインターネット上に流通するネガティブな評価により、当社グループの信用が損なわれ、また、当社グループの商品に対する需要の低下又は製造・販売活動への支障が生じる可能性があります。当社グループの商品が、一定の品質基準を満たさない場合、消費者等に損害を与えた場合又は商品について不正な表示がなされた場合、当社グループは商品を回収し、損害賠償責任を負わなければならない可能性があります。更に、当社グループの管理が及ばないサントリーホールディングス㈱及びそのグループ会社もサントリーブランドを使用して事業を行いますが、サントリーホールディングス㈱又はそのグループ会社において同様の問題が生じ、又はコンプライアンス違反があった場合や当社グループの業務委託先においてコンプライアンス上の問題等が生じた場合には、当社グループのブランドにも影響を及ぼす可能性があります。当社グループの信用が損なわれ、又は当社グループの商品に対する消費者の信頼を失った場合、当社グループの商品の需要の低下に繋がる可能性があり、また、当社グループの事業並びに経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼし、更には当社グループの信用を回復するための追加的な経営資源の投入が必要となる可能性があります。
(企業の社会的責任に関するリスク)
当社グループは、地球環境を経営資源の一つと認識して環境保全活動に真剣に取り組み、次の世代に持続可能な社会を引き渡すことができるよう努力しています。水使用量削減、GHG排出量削減、廃棄物再資源化、容器リサイクルの徹底を図り、事業を遂行していく上で、関連する各種環境規制を遵守しています。また、当社グループは、調達先と連携して、人権・労働基準・環境等の社会的責任にも配慮した調達活動を推進しています。しかしながら、当社グループの努力にもかかわらず、事業活動及びサプライチェーンにおいて、地球規模での気候変動や資源枯渇等による地球環境問題、海洋プラスチック問題、事故・トラブル等による環境汚染や、関係法令の改正等によって新規設備への投資によるコスト増加及び生産量の制約、労働安全衛生や児童労働等の人権に係る問題等が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(情報システム及び情報サービスに関するリスク)
当社グループは、取引業務の遂行、顧客との連絡、経営陣への情報提供及び財務に関する報告書の作成等を正確かつ効率的に行うため、情報システムを利用しています。また、当社グループは、主要な情報システムの多くを、サントリーホールディングス㈱の子会社を含む外部業者に依存しています。当社グループは、情報システムの安全性を高めるための方策及び手続を実施していますが、情報システムは、ハードウェア、ソフトウェア、設備若しくは遠隔通信の欠陥・障害、処理エラー、地震その他の自然災害、テロリストによる攻撃、コンピュータ・ウイルス感染、ハッキング・悪意をもった不正アクセス等のサイバー攻撃、その他のセキュリティ上の問題又は供給業者の債務不履行等に起因する障害又は不具合に対して脆弱です。セキュリティ、バックアップ及び災害復旧に係る対策は、これらの障害又は不具合を回避する手段として十分ではない可能性があり、また、これらが適切に実施されない可能性もあります。これらの障害又は不具合が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(法規制の遵守に関するリスク)
当社グループは、日本、アジアパシフィック、欧州、米州その他当社グループが事業を行う地域において、様々な法令による規制を受けています。これらの規制は、当社グループによる商品の製造、表示、輸送、宣伝広告及び販売等の事業活動の様々な側面に適用されます。特にかかる規制の不遵守や事故により環境汚染が発生した場合、当社グループは損害賠償請求や行政処分により多額の費用を負担することがあります。また、当社グループは国際的に事業を展開していることから、日本法及び外国法における腐敗防止規定を遵守する必要があります。当社グループに適用のある法規制に違反した場合、当社グループの信用が失われ、また、厳格な罰則又は多額の損害を伴う規制上の処分又は私法上の訴訟提起が行われる可能性があります。更に、当該法規制の内容が大幅に改正され、若しくはその解釈に大幅な変更が生じ、又はより高い基準若しくは厳格な法規制が導入された場合、コンプライアンス体制構築に係る費用が増加する可能性があります。
また、近時、多くの地域において、健康上の理由から、炭酸飲料等の加糖飲料の販売に関して、特別物品税の課税及び新たな表示の義務化又は商品の販売サイズの制限その他の規制等の導入若しくは導入の検討がすすんでいます。当社グループは、商品ラインナップについて、他の国際的飲料メーカーと比べて、非炭酸商品及び健康志向商品の割合が大きいと考えていますが、かかる規制措置により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(経営陣及び従業員に関するリスク)
当社グループが持続的に成長するためには、リーダーシップのある経営陣及び有能な従業員を継続して雇用し、かつ、育成することが必要となります。また、当社グループは、新たな従業員を雇用し、教育し、その技術及び能力を育成しなければなりません。計画外の退職が生じ、又は現経営陣の適切な後継者の育成に失敗した場合には、当社グループの組織的ノウハウが失われ、当社グループの競争優位性が損なわれる可能性があります。また、ジェンダー、性的指向、年齢、障がい、国籍、文化、民族、宗教、信条、経歴、生活様式等のあらゆる多様性が受容されるとともに、従業員の人権問題が適切に予防・把握・対処されることで、多様な人材がパフォーマンスを発揮できる制度や職場環境を醸成できない場合には、当社グループのレピュテーションが損なわれる可能性及び優秀な人材を確保できず、多様性がもたらすイノベーション創出やリスク管理が達成できない可能性があります。
従業員の雇用に関する競争の激化、従業員の退職率の上昇、従業員の福利厚生費の増加に起因するコストの増加又は適切な労務管理ができないことによる従業員の健康阻害等が発生することにより、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、人材評価をグループ全体及び地域毎に行い、人材の確保の観点も踏まえて、育成施策や配置を討議し、人材ローテーションやグローバル共通の人材開発に取り組んでいます。国内では、戦略領域での人材獲得をより一層進める等して事業経営人材を計画的かつ構造的に育成しています。
なお、人材育成方針及び社内環境整備方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営環境及び優先的に対処すべき課題」に記載のとおりです。
(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するリスク)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による世界経済の激変、生活様式・消費者嗜好の変化、業務用市場の縮小等による外部環境の変化に対応して、当社グループの経営戦略を適切に見直すことができない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
<その他重要なリスク>
(競合に関するリスク)
当社グループが事業を展開している飲料・食品市場の競争は厳しく、当社グループは、当社グループと同様に国際的に事業を展開する大手の飲料メーカーや、特定の地域に根ざした事業活動を行う多数の飲料メーカーと競合しています。大手競合企業は、その経営資源や規模の活用による、新商品の導入、商品価格の値下げ、広告宣伝活動の強化により、競争圧力及び消費者嗜好の変化に迅速に対応することができます。また、当社グループは、独自ブランドを有し、特定の商品カテゴリー等において従来から強みをもつ様々な飲料メーカーとも競合しています。当社グループがこれらの競合企業との競争において優位に立てない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(国際事業に関するリスク)
当社グループは、国際的に事業を展開しており、先進国市場のみならず、新興国市場に対しても投資を行っていますが、これにより、当社グループは以下に掲げるものを含む国際事業一般に内在するリスクを負っています。
・ 通常と大きく異なる又は十分に整備されていない法制度・税制
・ 経済、政治情勢の悪化
・ 為替レートの変動
・ テロリズム、政治不安若しくは暴動等の非常事態又は感染症の流行による混乱
また、当社グループは、当社又は当社の主要な海外子会社が有する商品開発技術及び既存の商品ラインナップを活用して、他の地域に商品を展開していくことを予定しています。しかしながら、当該地域における競争、価格、文化の相違その他の要因により、当社グループの商品が当該地域において受け入れられない可能性があります。当社グループにとって経験が乏しい新規市場において、消費者嗜好に合致した商品を開発することができない場合、当社グループの成長目標を達成できない可能性があります。
(為替の変動に関するリスク)
当社グループは、原材料の一部を、主に米ドルを中心とした、日本円以外の通貨建てで海外から調達しています。当社グループは、為替相場の変動リスクを軽減するためにデリバティブ取引を利用しているものの、かかるヘッジ取引によっても全ての為替相場の変動リスクを回避できるわけではなく、為替の変動が当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。更に、当社グループの連結財務諸表は日本円により表示されているため、海外子会社の収益及び費用並びに資産及び負債の金額を、各決算期の期中平均又は期末における為替レートに基づき日本円に換算する必要があります。したがって、外国通貨の為替変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(販売チャネルに関するリスク)
当社グループは、卸売業者及び大手小売業者を含む多数の販売チャネルを通じて商品を販売しています。日本においては、自動販売機等もまた重要な販売チャネルとなっています。このような販売チャネルに関して、当社グループが直面する課題には以下のものが含まれます。
・ 多くの市場において卸売業者同士又は小売業者同士が合併・統合することにより、価格設定及び販売促進活動に関して強い交渉力を有する大規模卸売業者又は大規模小売業者が誕生し、当社グループがこれらの重要な販売先を何らかの理由で喪失したり、これらの業者との間の価格設定その他の条件について不利益な変更を余儀なくされたりすること
・ 国内外において、小売業者が価格競争力のあるプライベートブランド商品を導入しており、これにより価格競争が激化していること
・ 日本には多数の自動販売機が既に設置されており、今後の増設の余地が限られていること。更に、コンビニエンスストアの店舗数の増加に伴い、コンビニエンスストアでの商品の販売量が伸長することにより、自動販売機一台当たりの売上が減少する可能性のあること
販売チャネルに関するこのようなリスクが、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(金利の変動に関するリスク)
当社グループは、必要資金の一部を有利子負債で調達しており、将来的な資金需要に応じて今後も金融機関からの借入や社債発行等による資金調達を行う可能性があります。また、当社グループは将来の企業買収等のための資金調達を行う可能性があります。金利の変動リスクを軽減するために、固定金利での調達やデリバティブ取引を利用しているものの、金利の大幅な上昇があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(のれん、無形資産に関するリスク)
2022年12月末日現在、当社グループののれんは2,646億円、無形資産は4,524億円あります。無形資産のうち商標権が3,422億円を占めています。
のれんの大部分はOrangina Schweppes Holding B.V.及びその子会社及び㈱ジャパンビバレッジホールディングス等の株式の取得に関するものです。また、無形資産の大部分は商標権であり、商標権の大部分はGlaxoSmithKline plcより譲り受けた「Lucozade」「Ribena」の製造・販売事業に関するもの及びOrangina Schweppes Holding B.V.及びその子会社の買収により取得した「Schweppes」「Orangina」「Oasis」等の製造・販売事業に関するものです。
当社グループが将来新たに企業買収等を行うことにより、新たなのれん、無形資産を計上する可能性があります。
当社グループは、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産について償却は行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合には、その都度、減損テストを実施し、その結果によって減損損失を計上する必要があり、かかる減損損失の計上は当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付債務に関するリスク)
当社グループにおける従業員の退職給付費用及び退職給付債務並びに制度資産は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。実際の結果が前提条件と相違した場合又は前提条件が変更された場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(知的財産権等に関するリスク)
当社グループは、サントリーホールディングス㈱からサントリーブランドの使用許諾を受けており、今後も引き続き使用許諾を受ける予定です。今後、当社がサントリーホールディングス㈱の子会社でなくなったこと等を理由として当該使用許諾が終了した場合、当社グループの企業イメージやマーケティング活動に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの独自ブランドを構築するために莫大な投資を行わなければならない可能性があります。
また、当社グループは他にも様々な商標に関する使用許諾を第三者から受けるとともに、当社グループが所有する商標の使用を第三者に許諾しています。
当社グループが第三者から使用許諾を受けている商標等については、ライセンス契約等が解約された場合、関連する商品が製造・販売できなくなる可能性があります。重要なライセンス契約等が解約された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが第三者に使用を許諾している商標等については、当該第三者による商標等の使用や関連商品に問題が生じた場合、当社グループによる当該商標等の使用や当社グループのブランドに影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループが商標を登録していない地域において当社グループの商標と同じ又は類似する商標を、第三者が所有又は使用していることがあります。当該第三者による商標等の使用や関連商品に問題が生じた場合、当社グループのブランドに悪影響を及ぼし、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、当社の事業にとって重要な知的財産権を所有しています。かかる知的財産権には、商標権、著作権、特許権その他営業秘密が含まれます。当社グループと第三者との間で、知的財産権に関する紛争が生じる可能性があります。こうした紛争が生じた場合、当社グループの事業に支障を及ぼし、当社グループの権利保護又は相手方からの主張に対する防御のために多額の費用を費やさなければならない可能性があります。当社グループは、その知的財産権保護のために講じる措置が十分であり、又は第三者が当社グループの権利を侵害し若しくは悪用しないことを保証することはできません。当社グループがその知的財産権を保護できない場合、当社グループのブランド、商品及び事業に損害が生じる可能性があります。
(親会社が支配権を有することに伴うリスク)
本書提出日現在において、当社の親会社であるサントリーホールディングス㈱は当社発行済普通株式の59.48%を所有し、当社取締役の選解任、合併その他の組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社定款の変更及び剰余金の配当等の当社の基本的事項についての決定権又は拒否権を有しています。株主総会の承認が必要となる全ての事項の決定に関して、他の株主の意向にかかわらずサントリーホールディングス㈱が影響を与える可能性があります。なお、サントリーホールディングス㈱の事前承認事項はなく、当社が独自に経営の意思決定を行っています。
当社とサントリーホールディングス㈱及びその子会社との間の主な関係等についての詳細は、以下のとおりです。
① サントリーグループとの取引関係について
当社グループは、サントリーグループに属する会社と取引を行っています。
当連結会計年度における主な取引は次のとおりです。
(単位:百万円)
|
取引内容 |
取引先 |
金額 |
取引条件等の決定方法 |
|
製品輸送業務の委託 |
サントリーロジスティクス㈱ |
28,342 |
品質及び類似サービスの市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
|
ブランドロイヤリティの支払 |
サントリーホールディングス㈱ |
22,390 |
ブランド価値等を勘案し、両者協議のうえ使用対価として妥当な料率を決定 |
|
ウーロン茶葉・コーヒーエキスの仕入 |
三得利貿易(香港)有限公司 |
13,542 |
品質及び類似商品の市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
|
コーヒー豆の仕入 |
サントリーコーヒーロースタリー㈱ |
11,845 |
品質及び類似商品の市場相場価格を勘案し、両者協議のうえ決定 |
サントリーホールディングス㈱を含むサントリーグループとの取引・行為等については、社内規程に従い、取引・行為等を実施する部署において、また、法務部門及び財務・経理部門において、サントリーホールディングス㈱からの独立性の観点も踏まえ、必要性・合理性、条件等の妥当性、公正性について、事前に確認を行うこととしています。更に、一定金額以上の取引、及び、ブランド・人材・重要な資産・情報等の当社の企業価値の源泉となる経営資源に関する取引・行為等(以下、あわせて「重要取引・行為等」という。)については、特別委員会の事前審議・答申を経た上で、取締役会において、その重要取引・行為等の必要性・合理性、条件等の妥当性、公正性について十分に審議した後、意思決定を行います。事前の審議に加え、事後、審議の内容に基づいた取引・行為等が行われたかどうかについて、社内規程に従い、法務部門、財務・経理部門、内部監査部門によるチェックと、監査等委員会による監査を実施します。また、重要取引・行為等については、特別委員会及び取締役会に実施状況を報告し、実施結果を確認することとしています。これらの体制により、サントリーグループとの取引・行為等の公正性・透明性・客観性を確保してまいります。
② サントリーホールディングス㈱との人的関係について
当社の取締役(監査等委員である取締役を含む。)9名のうち、サントリーホールディングスの執行役員である宮森洋氏が、当社の取締役に就任しています。これは、同氏の有する、サントリーグループの飲料事業・酒類事業における豊富な海外での経営経験と、これに基づく高い見識が、当社取締役会の更なる機能強化に資すると判断したためであります。
また、当社では、サントリーホールディングス㈱より受け入れる社員につきましては、出向ではなく、転籍としています。
③ 商標権、特許権、包括ライセンス契約等について
当社グループは、サントリーホールディングス㈱との間でコーポレートブランド「サントリー」についての使用許諾契約を締結しており、これに基づき「サントリー」の名称・ブランドを使用することを許諾されています。当該契約に基づく「サントリー」の使用については、当社がサントリーグループに属していることが条件となっています。なお、当社は当該契約に基づきサントリーホールディングス㈱にロイヤリティの支払を行っています。
また、当社グループの事業に関連する特許権、意匠権、商標権等の知的財産権については、サントリーグループにおける知的財産権の有効活用の促進及び維持管理集中化による効率化のため、一部をサントリーホールディングス㈱が保有し、当社はサントリーホールディングス㈱から独占的実施権等を付与されています。なお、当社はサントリーホールディングス㈱に当該独占的実施権等に伴うロイヤリティの支払を行っていません。また、当該許諾関係が終了する場合には、これらの知的財産権についてはサントリーホールディングス㈱から当社に無償で譲渡されることになっています。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績等の状況の概要
(ⅰ)経営成績
当連結会計年度の業績は、売上収益は1兆4,504億円(前年同期比14.3%増、為替中立8.1%増)、営業利益は1,397億円(前年同期比17.8%増、為替中立9.5%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、4,202億円計上しましたが、この主な内容は、広告宣伝及び販売促進費が1,439億円、従業員給付費用が1,473億円等であり、その結果、営業利益は1,397億円(前年同期比17.8%増、為替中立9.5%増)となりました。
金融収益は16億円となりました。また、金融費用は20億円となりました。この主な要因は、支払利息を19億円計上したこと等によるものです。
これらの結果、税引前利益は1,393億円(前年同期比19.0%増、為替中立10.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は823億円(前年同期比19.9%増、為替中立13.2%増)となりました。また、1株当たり当期利益は266円40銭となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、当社は、海外事業の迅速な変革の加速と一体経営を行うべく、2022年1月1日付で海外組織の改組を実施し、「SBFインターナショナル」を新設しました。これに伴う報告セグメントの変更はございません。
[日本事業]
売上収益は6,532億円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は334億円(前年同期比18.4%減)となりました。
[アジアパシフィック事業]
売上収益は3,594億円(前年同期比21.4%増、為替中立8.3%増)、セグメント利益は564億円(前年同期比42.0%増、為替中立28.6%増)となりました。
[欧州事業]
売上収益は2,923億円(前年同期比24.5%増、為替中立17.0%増)、セグメント利益は434億円(前年同期比21.5%増、為替中立14.1%増)となりました。
[米州事業]
売上収益は1,455億円(前年同期比34.1%増、為替中立12.0%増)、セグメント利益は182億円(前年同期比36.6%増、為替中立14.0%増)となりました。
(ⅱ)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、売上債権及びその他の債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,064億円増加して1兆7,833億円となりました。
負債は、社債及び借入金の減少等により、前連結会計年度末に比べ97億円減少して7,232億円となりました。
資本合計は、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,162億円増加して1兆601億円となりました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は54.1%となり、1株当たり親会社所有者帰属持分は3,123円69銭となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ240億円増加し、2,006億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益1,393億円、減価償却費及び償却費708億円等に対し、売上債権及びその他の債権の増加236億円、棚卸資産の増加192億円、子会社株式売却益160億円等により、資金の収入は前連結会計年度に比べ77億円減少し、1,505億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出602億円等に対し、子会社の売却による収入184億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ145億円減少し、424億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出438億円、配当金の支払411億円等により、資金の支出は前連結会計年度に比べ39億円減少し、922億円の支出となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
600,304 |
106.8 |
|
アジアパシフィック |
345,175 |
122.7 |
|
欧州 |
217,241 |
119.0 |
|
米州 |
120,113 |
134.6 |
|
合計 |
1,282,834 |
115.0 |
(注)1.金額は、最終販売価格によっています。
2.生産実績には外注分を含んでいます。
(ⅱ)受注実績
当社グループは、原則として見込み生産を主体としているため、記載を省略しています。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
653,199 |
103.7 |
|
アジアパシフィック |
359,423 |
121.4 |
|
欧州 |
292,297 |
124.5 |
|
米州 |
145,477 |
134.1 |
|
合計 |
1,450,397 |
114.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の記載については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。
連結財務諸表を作成するに当たり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。重要な見積り及び判断については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。また、過去の実績や取引状況を勘案し、合理的と判断される前提に基づき見積りを行っている部分があり、これらの見積りについては不確実性が存在するため、実際の結果と異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ⅰ)経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、中期経営戦略及び中期経営計画を「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中期経営戦略及び(3)中期経営計画」に記載のとおり策定しています。その実現に向けて、当社グループが実施した活動は以下のとおりです。
当社グループは、お客さまの嗜好・ニーズを捉えた上質でユニークな商品を提案し、お客さまとともに新たなおいしさ、健やかさ、楽しさを創造し続けそれぞれの市場で最も愛される会社となることを目指すという考えのもと、ブランド強化や新規需要の創造に注力したほか、品質の向上に取り組みました。また、各エリアにおいて事業構造改革を進め、収益力の強化にも取り組みました。
2022年は、主要国における需要回復を着実に捉え、年初より全セグメントでコアブランドへの集中活動を継続した結果、主要国において引き続きシェアを拡大しました。全セグメントでの販売数量の増加に加え、日本及び海外における価格改定を含めたRGMが寄与し、売上収益は、1兆4,504億円(前年同期比14.3%増、為替中立8.1%増)となり、過去最高を達成しました。日本、米州に加えて、ベトナムとフランスで売上収益1,000億円超えを達成し、海外での収益基盤がより強化されました。
営業利益は、アジアパシフィック事業においてオセアニアを中心にフレッシュコーヒー事業を展開したSuntory Coffee Australia Limitedの全株式の株式売却に伴う譲渡益160億円を認識したこと等により、1,397億円(前年同期比17.8%増、為替中立9.5%増)となり、グループ全体で前連結会計年度に比べ211億円の増益となりました。
税引前利益は、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べ222億円増加して1,393億円(前年同期比19.0%増、為替中立10.6%増)となりました。
法人所得税費用は、前連結会計年度においてイギリスで2023年以降の法人税率を19.0%から25.0%に引き上げる法案が上院で可決されたことにより、ルコゼードライビーナサントリー・グループで計上する商標権に係る繰延税金負債の積み増しが38億円発生した一方、税引前利益の増加に伴う法人所得税費用の増加があったこと等が影響し、当連結会計年度においては前連結会計年度に比べ42億円増加して382億円となりました。この結果、当期利益は1,011億円(前年同期比21.8%増、為替中立13.1%増)となりました。
非支配持分に帰属する当期利益は、Suntory PepsiCo Vietnam Beverage Pte. LTDやPepsi Bottling Ventures LLCにおいて業績が伸長した影響により44億円増加し、親会社の所有者に帰属する当期利益は、823億円(前年同期比19.9%増、為替中立13.2%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、当社は、海外事業の迅速な変革の加速と一体経営を行うべく、2022年1月1日付で海外組織の改組を実 施し、「SBFインターナショナル」を新設しました。これに伴う報告セグメントの変更はございません。
[日本事業]
第2四半期連結会計期間以降の需要の回復が継続する中、当第4四半期連結会計期間において、10月から実施した価格改定による影響を受けたことにより、2022年の清涼飲料市場は前年同期微増(当社推定)にとどまりました。引き続き水・コーヒー・無糖茶カテゴリーを中心にコアブランド強化に取り組み、新商品発売やマーケティング活動が貢献した結果、当社販売数量は前年同期を大きく上回り、2022年において過去最高の販売数量を達成するとともに、市場シェアを更に拡大しました。ブランド別には、「サントリー天然水」、「伊右衛門」及び「GREEN DA・KA・RA」が、2022年において、過去最高の販売数量となりました。「BOSS」は、ブランド全体の販売数量が前年同期並みとなりました。発売30周年を迎え、“働く人の相棒”として「BOSS」ならではのマーケティング活動を展開しました。特定保健用食品・機能性表示食品の販売数量は、4月にリニューアルを実施した「特茶」が引き続き好調に推移したことに加え、「伊右衛門 濃い味(機能性表示食品)」、「サントリー烏龍茶OTTP(機能性表示食品)」がともに増分に寄与しました。
売上収益は、販売数量の増加によりチャネル構成悪化の影響を吸収したことや、10月からの価格改定効果が寄与し、増収となりました。
セグメント利益については、売上収益の伸長やサプライチェーンのコスト削減活動を含めたコストマネジメントを徹底したことにより増分利益を獲得しましたが、原材料市況の高騰及び為替の円安影響が想定を大きく上回ったことを受け、減益となりました。
日本事業の売上収益は6,532億円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益は334億円(前年同期比18.4%減)となりました。
[アジアパシフィック事業]
アジアパシフィックでは、清涼飲料事業及び健康食品事業のコアブランド集中活動を継続しました。特に、ベトナムの力強い伸長が、事業を大きく牽引しました。
売上収益は、販売数量の伸長に加え、年初より主要市場において機動的な価格改定を実施したことも寄与し、大幅な増収となりました。
セグメント利益については、売上収益の伸長により原材料価格高騰の影響を吸収したことに加え、第2四半期連結会計期間におけるオセアニアのフレッシュコーヒー事業の譲渡を含めた事業ポートフォリオの見直しによる譲渡損益の計上により、大幅な増益となりました。
主要国別には、ベトナムでは、主力のエナジードリンク「Sting」、茶飲料「TEA+」を含め、主要ブランドの販売数量が大きく伸長し、シェアを拡大しました。タイでは低糖製品を含め「Pepsi」が好調に推移し、炭酸カテゴリーの販売数量が伸長しました。健康食品事業では、高インフレに伴う需要減の影響を受ける中、主力の「BRAND'S Essence of Chicken」に引き続き注力し、10月のリニューアル実施やマーケティング活動を強化しました。オセアニアでは、主力ブランドであるエナジードリンク「V」へのマーケティング活動強化により、ニュージーランド及びオーストラリアで引き続き販売数量が前年同期を上回りました。
アジアパシフィック事業の売上収益は3,594億円(前年同期比21.4%増、為替中立8.3%増)、セグメント利益は564億円(前年同期比42.0%増、為替中立28.6%増)となりました。
[欧州事業]
欧州では、年初より需要拡大が継続したことや、好天の影響もあり、フランス、英国、スペインともに販売数量が伸長しました。価格改定も寄与し、売上収益は大幅な増収となりました。
セグメント利益については、原材料価格及びエネルギー価格高騰の影響が更に拡大しましたが、売上収益の伸長及びコスト削減活動により吸収し、大幅な増益となりました。
主要国別には、フランスでは、好天の影響に加えて、家庭用及び業務用において堅調な需要が継続しました。主力ブランド「Oasis」、「Schweppes」及び「Orangina」の販売数量が二桁増と大きく伸長し、シェアを拡大しました。英国では、主力ブランド「Lucozade」が堅調に推移しました。スペインでは、業務用の需要回復が本格化したことを受け、主力ブランド「Schweppes」の販売数量が大きく伸長しました。
欧州事業の売上収益は2,923億円(前年同期比24.5%増、為替中立17.0%増)、セグメント利益は434億円(前年同期比21.5%増、為替中立14.1%増)となりました。
[米州事業]
米州では、主力炭酸ブランドや伸長する非炭酸カテゴリーの活動を強化したことにより、販売数量が引き続き堅 調に推移しました。
売上収益は、価格改定を含めたRGMも寄与し、大幅な増収となりました。
セグメント利益については、売上収益の伸長により、原材料価格並びに物流費及び人件費高騰の影響を吸収し、大幅な増益となりました。
米州事業の売上収益は1,455億円(前年同期比34.1%増、為替中立12.0%増)、セグメント利益は182億円(前年同期比36.6%増、為替中立14.0%増)となりました。
セグメント利益合計は1,397億円(前年同期比17.8%増、為替中立9.5%増)であり、連結損益計算書の営業利益と一致しています。
2023年は、変動の激しい外部環境が続く想定のもと、たゆみなく事業構造を進化させ、ダイバーシティに富む新経営体制のもと、グローバルで更なる攻勢を仕掛けていきます。コアブランドイノベーションを加速させ、更なる売上成長を目指します。厳しいコスト環境が継続する想定のもと、売上収益の伸長及びサプライチェーンのコスト削減活動の徹底により、利益体質を改善させ、増益を目指します。
また、各セグメントにおいては以下の取組みに注力します。
日本では、「コアブランドの成長加速」、「自販機事業の構造改革」、「サプライチェーン構造革新」を事業戦略の重点領域とし、売上収益と利益を成長させていきます。
アジアパシフィックでは、コアブランドイノベーション及び価格改定を含むRGMによる売上収益の更なる成長を目指します。売上収益の伸長及び生産設備の増強等、コスト削減活動の徹底により、原材料価格・エネルギー価格の高騰によるコスト増を吸収していきます。
欧州では、コアブランドイノベーションの継続及び価格改定を含むRGMの徹底により、売上収益の成長を目指します。売上収益の伸長やコスト削減活動及び事業構造改革を継続させることにより、更なるコスト増の影響を吸収していきます。
米州では、主力である炭酸カテゴリーの強化を進めるとともに、伸長する非炭酸カテゴリーの更なる拡大に取り組みます。また、価格政策やサプライチェーンの更なる強化を進め、売上収益と利益の成長を加速していきます。
経営陣一体となって、以上の取組みを、強力に迅速に進めていきます。
(ⅱ)財政状態の分析
当社グループは日本のみならずアジアパシフィック、欧州、米州の各地に活動拠点を有しています。各拠点の機能通貨で算定された資産・負債は連結財務諸表の表示通貨である日本円に換算するため、当社グループの資産・負債残高は各種通貨の日本円に対する為替変動に大きく影響されます。各通貨の期首及び期末の為替レートについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 (3)外貨換算」をご参照ください。当連結会計年度は主要な通貨が期末にかけて円安に推移したことが要因となり、資産・負債がそれぞれ増加しています。
のれん及び無形資産は当社グループの資産総額の約40.2%を占める重要な構成要素であり、過去に実施した企業買収等の結果、取得したブランドや統合により得られるシナジーを評価して計上したものです。このうち、のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については定期的な償却は行わず、年に一度実施する減損テストを実施しています。減損テストの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか大きい金額として算定しています。これらの回収可能価額は、経営者が承認した事業計画及び事業計画期間後の長期成長率に基づいたキャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位及び資金生成単位グループの税引前加重平均資本コスト(WACC)により現在価値に割り引いて算定しています。ブランドごとに販売する地域の景気や天候、ブランドコンディションには違いがあり、翌連結会計年度以降、個別には減損損失が発生する場合がありますが、現時点において、当社グループがこれまでに実施したM&Aとその後の統合プロセスはいずれも全体としては順調に推移していると評価しています。当社グループは、今後ものれん及び無形資産の適正な評価に取り組む方針です。
また、負債は、社債及び借入金の減少等により減少しています。借入金が毎期着実に減少しており、ネットD/Eレシオは△0.03となりました。
(ⅲ)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ240億円増加し、2,006億円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益の増加222億円等に対し、子会社株式売却益160億円等により、資金の収入が前連結会計年度に比べ77億円減少し、1,505億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出が41億円増加したこと等に対し、子会社の売却による収入184億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ145億円減少し、424億円の支出となりました。フリーキャッシュフローは1,081億円の収入となり、前連結会計年度から68億円増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は短期借入金及びコマーシャル・ペーパー、長期借入金、社債の減少による支出413億円等に対し、当連結会計年度は長期借入金の減少372億円等により、資金の支出は前連結会計年度と比べ39億円減少し、922億円の資金の支出となりました。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループにおける資金需要のうち、主なものは設備投資、事業投資、有利子負債の返済及び運転資金等です。当社グループは資金の流動性確保のため、市場環境や長短のバランスを勘案して、銀行借入やリース等による間接調達のほか、社債やコマーシャル・ペーパーの発行等の直接調達を行い、資金調達手段の多様化を図っています。
また、事業活動等により創出したキャッシュ・フローに加えて、金融機関より随時利用可能な信用枠を確保しており、資金需要に対応しています。
なお、今後予定されている設備投資に係る資金需要の主なものは、「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」をご覧ください。
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契約会社名 |
契約締結先 |
国名 |
契約内容 |
締結年月 |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
PepsiCo, Inc. |
U.S.A. |
ペプシブランド製品の製造・販売に関するライセンス契約 |
1997年12月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
Pepsi Lipton Trading SARL |
Switzerland |
リプトンブランド紅茶飲料の製造・販売に関するライセンス契約 |
2000年9月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
㈱福寿園 |
日本 |
日本茶製品の共同開発と商品展開に関する業務提携契約 |
2003年7月 (※1) |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
STARBUCKS CORPORATION |
U.S.A. |
スターバックスブランドRTDコーヒーの製造・販売に関するライセンス契約 |
2005年3月 |
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サントリー食品 インターナショナル㈱ |
サントリー ホールディングス㈱ |
日本 |
サントリーホールディングス㈱の有するコーポレートブランドの使用に関する契約 |
2009年4月 (※2) |
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Greatwall Capital PTE LTD |
PT DOMULYO MAJU BERSAMA PT SENTOSA TEKNIK MANDIRI |
Indonesia |
インドネシアにおける飲料の製造・販売に関する合弁契約 |
2011年10月 (※2) |
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Suntory Beverage & Food Asia Pte. Ltd. |
PepsiCo, Inc.他 |
U.S.A. |
ベトナムにおける飲料の製造・販売に関する合弁契約 |
2012年8月 (※1) |
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Suntory Beverage & Food Asia Pte. Ltd. |
PepsiCo, Inc.他 |
U.S.A. |
タイにおける飲料の製造・販売に関する合弁契約 |
2017年11月 |
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Pepsi Bottling Ventures LLC |
PepsiCo, Inc. |
U.S.A. |
ペプシブランド製品に関するフランチャイズ契約 |
1999年7月 (※2) |
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Suntory International Corp. |
Pepsi Ventures Holdings, Inc. (※3) |
U.S.A. |
ペプシブランド製品の製造・販売に関する合弁契約 |
1999年7月 (※2) |
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Pepsi Bottling Ventures LLC |
Keurig Dr Pepper Inc. |
U.S.A. |
ドクターペッパーブランド製品に関するフランチャイズ契約 |
1999年7月 (※2) |
※1 自動更新の定めがあります。
※2 契約の終期は定めていません。
※3 契約締結先がPepsi Beverages Holdings, Inc.からPepsi Ventures Holdings, Inc.に変更となりました。
当社グループでは、安全、安心に裏付けられた「おいしさ」を価値の中心に据え、国内・海外に研究開発を担当する部門・部署を設置し、高付加価値商品の開発に取り組んでいます。
当社グループ横断での研究開発活動は、R&D部が行っています。
R&D部では、当社グループにおけるR&D戦略の立案・実施、R&Dに関する資源投入・配分計画の立案・実施、競争力の源泉となるグローバル中長期技術戦略の立案、関係部署との連携による技術戦略の推進と完遂、商品開発活動の支援を行っています。
また、研究開発部門を有するグループ各社においても研究開発活動を行っています。
セグメント別の研究開発活動は次のとおりです。
[日本事業]
研究開発活動の担当部署は、SBFジャパン内の商品開発部及びSCM部です。
商品開発部では、飲料の中味開発に関して、基本戦略に基づく中味開発戦略(中長期及び年次計画)の立案・推進・管理、新規原料の探索・開発、香味評価及び安全性リスク評価による新価値創出、新製品中味の香味・品質・収益性の設計、新製品中味開発における研究開発投資効率の追求、既存製品中味の原価・品質チェック及び再設計、中味製造に関する標準規格類の起案を行っています。
SCM部では、主に飲料の「商品開発・設計(容器開発含む)、サプライチェーンマネジメント」に関する基本戦略に基づく中長期並びに年次計画の立案及び推進・管理により、事業の収益性、投資効率の追求を行っています。
当社の研究開発活動は、神奈川県の商品開発センターにおいて行っています。
当連結会計年度は、水・コーヒー・無糖茶カテゴリーを中心に商品開発に取り組みました。
ブランド別に見ると、「サントリー天然水」ブランドにおいて、「サントリー天然水」に、オレンジとマンゴーの果汁を15%配合し、果実の満足感はありながらも、すっきりと心地良い口あたりが楽しめる味わいに仕上げた「サントリー天然水 きりっと果実 オレンジ&マンゴー」を発売しました。
「BOSS」ブランドにおいて、動物性の乳原料に加え、厳選した植物由来の素材をブレンドする新製法「ハイブリッドニューミルク製法」を用いることで、クセがなく、満足感のあるミルクの味わいを実現した「クラフトボス ミルキープレッソ ダブルホワイトラテ」「同 ビターラテ」を発売しました。
「伊右衛門」ブランドにおいて、サントリー緑茶「伊右衛門」をリニューアルし、茶葉や製法の改良により、“淹れたてのような緑茶”が直感的に伝わる、鮮やかな緑の水色(すいしょく)を実現し、独自の方法で火入れした茶葉を新たに加えることで、飲み始めの甘香ばしさと旨味を強化しました。また、渋み茶葉を高温抽出するとともに、高カテキン石臼挽き茶葉を使用し、青香茶葉の配合量を増やすことで、渋みの強さ・濃さは残しつつも、清涼感のある独自の渋み設計を実現したサントリー緑茶「伊右衛門 濃い味」(機能性表示食品)を発売しました。更に、香ばしい香りをより強化するために、釜炒り茶を使用し、玉露により味の厚みを強化することで、緑茶の上質な味わいがお楽しみいただけるようサントリー緑茶伊右衛門「特茶TOKUCHA」(特定保健用食品)をリニューアルしました。
「GREEN DA・KA・RA」ブランドにおいて、「GREEN DA・KA・RA」をリニューアルし、果実や食塩等の素材で作ったすっきり飲みやすい味わいはそのままに、カラダに近い浸透圧設計と、果実オイルを使った微白濁設計で、水分補給シーンにおける飲み心地の良さを高めました。また、「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶」をリニューアルし、大麦、炒り米、はと麦等の素材をブレンドし、独自の焙煎技術を用いて、丁寧に焙煎することで、豊かな香ばしさを引き出し、新開発した水出しエキスを加え、香ばしさがありながらもすっきりゴクゴク飲める味わいを実現しました。
[アジアパシフィック事業]
インドネシアにおいて、「OKKY」ブランドから「OKKY BIG Jelly drink Strawberry flavored」等4種のフレーバーを発売しました。タイでは、「BRAND'S Essence of Chicken」をリニューアルしました。ベトナムでは、「BOSS」ブランドから「BOSS MILK COFFEE」を発売しました。また、オーストラリア及びニュージーランドでは、「V」ブランドから「V Refresh Pineapple & Watermelon」、「同 Citrus Lemonade」を、「BOSS」ブランドから「Suntory BOSS Coffee Iced Caramel Latte」を発売しました。
[欧州事業]
スペインにて、「Schweppes」ブランドにおいて、「Tonica Schweppes Original」をリニューアルしました。英国では、「Lucozade」ブランドから「Lucozade Alert Original」、「Lucozade Zero Original」を発売しました。フランスでは、「V Energy Original」を発売し、また、「Oasis」ブランドから「Oasis Ice Tea Thé Pêche」を発売しました。
以上により、当連結会計年度における研究開発費は、日本セグメント