当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当社グループは、「医食の研究を進化させ、人々のために貢献する」というミッションを掲げ、人々の持続可能な健康的で幸せな社会の実現を目指しております。
その実現に向け、食品、化粧品、医薬品の開発を科学的根拠に基づいて行い、独自の研究成果及び製品を「BtoB事業」「BtoC事業」「バイオメディカル事業」の3事業において広く社会に提供しております。
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に移行されたことに伴い、経済活動及び社会活動の正常化が一段と進み、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米国の利上げ等の世界各国の金融政策の影響に加え、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高騰等、景気の先行きはますます不透明となっております。
一方、当社グループが属するヘルスケア業界におきましては、消費者の医療、健康及び美容に対するニーズは引続き継続しております。
こうしたニーズに応えるべく、「中期経営計画2026」のテーマ「新価値創造 1Kプロジェクト」を掲げ、この実現のため、研究開発投資、新製品の開発及び販売チャネルの開拓、組織体制の強化に注力いたしました。
これらの取り組みにより、当社グループの研究開発費は277百万円(前年同期比34.3%増)となりました。新製品への広告宣伝を強化すると同時に、広告宣伝費全体の最適化を進めており、当第1四半期連結累計期間における広告宣伝費は8,813百万円(前年同期比31.1%減)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は16,142百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益は601百万円(前年同期は2,194百万円の損失)、経常利益は605百万円(前期同期は2,180百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は286百万円(前年同期は1,820百万円の損失)となりました。
各四半期別の経営成績の推移は、以下のとおりであります。
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前期 |
当期 |
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前第1四半期 連結会計期間 |
前第2四半期 連結会計期間 |
前第3四半期 連結会計期間 |
前第4四半期 連結会計期間 |
当第1四半期 連結会計期間 |
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売上高(百万円) |
17,030 |
18,113 |
17,390 |
16,039 |
16,142 |
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営業損益(百万円) |
△2,194 |
1,310 |
2,518 |
1,976 |
601 |
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経常損益(百万円) |
△2,180 |
1,268 |
2,494 |
1,958 |
605 |
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
<バイオメディカル事業>
①創薬事業
創薬事業では、「自己免疫疾患」及び「線維症」等の難治性疾患を対象とした研究開発を行っております。
創薬事業の基盤となる「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」は、これまで治療できなかった病気に対する抗体及び既存医薬品よりも優れた薬効を持つ抗体を作製する当社独自のプラットフォーム技術です。
本技術を活用・高度化することで、当社は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の令和3年度「次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業(国際競争力のある次世代抗体医薬品製造技術開発)」における主要メンバーとして参画しております。本事業において当社は、あらゆる疾患を標的とした次世代抗体医薬品候補となり得るリード抗体の取得に成功し、低分子抗体や二重特異性抗体等の次世代抗体医薬品の開発プロセスに進んでおります。
「自己免疫疾患」においては、当社内の「国際PAD※1研究センター」において、一連のPAD関連ターゲットに対する創薬研究を推進しております。
抗PAD4抗体については、前期に米国特許庁から特許査定(US11447569B2)及び欧州特許庁からの特許査定(EP3266872)を受領し、日本(特許第6369922号並びに第6675739号)のみならず、米国及び欧州においても、「PAD4」を標的とする創薬プロジェクトの知的財産権が強化されております。
「線維症」等の各種難治性疾患においては、標的分子に対する抗体を取得・精製し、薬効薬理試験等の創薬研究を推進しております。
この他、新規創薬シーズを持つアカデミアとの共同研究に積極的に取り組んでおり、創薬パイプラインの拡充に向けて、アラジンテクノロジーによる研究開発が順調に進捗しております。
②研究支援事業
研究支援事業では、タンパク質を網羅的に解析するプロテオーム解析を受託サービスとして行っております。当第1四半期連結累計期間においては、Thermo Fisher Scientific社の最新機種を導入し、これまでより高精度・短納期を実現するサービスを開始いたしました。
また、微量なタンパク質の変化が解析可能な「Olink Target」サービス及び「Olink Flex」サービスも、国内の研究機関、製薬企業等からの受注が堅調で、バイオメディカル事業における収益獲得に貢献しております。
以上の結果、バイオメディカル事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は、57百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント損失は121百万円(前期同期は69百万円のセグメント損失)となりました。
<BtoB事業>
BtoB事業では、機能性素材、健康食品及び医薬品等の研究開発及び製造を行い、食品・医薬品メーカー、流通事業者等に販売をしております。当事業が属する機能性表示食品及び健康食品等ヘルスケア市場は、健康維持、増進への高い意識を背景に、市場規模が拡大しております。
機能性素材の売上高は、504百万円(前年同期比34.3%増)となりました。当社の主力商品である「ファーマギャバ」の販売が国内外で好調に推移し、国内市場では、機能性表示食品制度における「GABA(ギャバ)」の届出件数は2023年10月31日時点1,018件(前年同期は750件)で、引続き第1位の採用実績を維持しております。食品メーカーによるGABAの採用拡大が継続しております。
機能性製品の売上高は、199百万円(前年同期比31.0%減)となりました。自社ブランド製品(NB※2)及び海外における最終製品の販売を強化しております。
明治薬品㈱が手がける医薬品製造受託の「CMO※3事業」の売上高は、1,151百万円(前年同期比29.0%増)となりました。後発医薬品メーカーの品質問題や製造上の不備による影響で代替需要が高まる中、受注の安定と利益率向上を達成しております。また、同社の機能性食品・医薬品をドラッグストアチャネル等で販売を行う「CHC※4事業」の売上高は377百万円(前年同期比20.9%増)となりました。ドラッグストア向けに新たな明治薬品ブランド製品の販売を強化しております。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のBtoB事業の売上高は、2,233百万円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益は461百万円(前年同期比22.4%増)となりました。
<BtoC事業>
BtoC事業では、「発明企業の通販事業」として当社独自の機能性素材を配合したサプリメント及び医薬部外品(「タマゴ基地」ブランド)並びに化粧品(「フューチャーラボ」ブランド等)、明治薬品㈱が製造する機能性表示食品等の商品を、通信販売方式で消費者へ直接販売を行っております。
顧客獲得効率指標のCPO※5及び収益性指標のLTV※6を重視する広告宣伝費の適正化の取り組みを強化する一方、新製品へ広告宣伝投資を積極的に行ってまいりました。
この取り組みの結果、2023年10月末時点の当社グループ全体の定期顧客件数は、942,343件(前年同期1,146,889件、前年同期比17.8%減)となりました。
「ニューモ育毛剤」をはじめとする「医薬品・医薬部外品」の売上高は9,623百万円(前年同期比26.7%増)になりました。「ニューモ育毛剤」の累計出荷件数は、2023年11月20日時点で2,400万本を突破し、引続き堅調な受注が継続しております。また、薬用ホワイトニングジェル「DRcula(キュラ)」は、特にWEB広告で受注が増加し、定期顧客件数の増加につながりました。このほか、「ニューモ」ブランドとして、医薬品「ニューZ」や卵殻膜人工毛配合の「ヘアパウダー」等の新製品へのプロモーションを開始いたしました。
その他製品群につきましては、収益性指標を重視し、広告宣伝費の抑制を行った結果、「サプリメント」の売上高は2,107百万円(前年同期比49.6%減)、「化粧品」の売上高は2,017百万円(前年同期比36.3%減)となりました。
以上の結果、BtoC事業の当第1四半期連結累計期間の売上高は、13,846百万円(前年同期比8.3%減)、広告宣伝費は8,627百万円(前年同期比32.4%減)、セグメント利益は616百万円(前年同期は2,100百万円のセグメント損失)となりました。
※1 PAD (Peptidylarginine deiminase):標的タンパクのアルギニンをシトルリン化する酵素。生体内に5種
類のPADが存在し、各種疾患との関連が報告されている。
※2 NB (National Brand):自社ブランド製品
※3 CMO(Contract Manufacturing Organization):医薬品製造受託機関
※4 CHC(Consumer Health Care):ドラッグストアでの医薬品及び機能性食品等の販売
※5 CPO(Cost Per Order):顧客1件を獲得するために要した広告宣伝費
※6 LTV(Life Time Value):顧客生涯価値
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,448百万円増加し、37,680百万円(前期比4.0%増)となりました。これは主に、現金及び預金の増加1,123百万円、繰延税金資産の増加244百万円によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,391百万円増加し、27,993百万円(前期比5.2%増)となりました。これは主に、広告宣伝費の増加等による未払金の増加1,023百万円、未払法人税等の増加259百万円によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ56百万円増加し、9,687百万円(前期比0.6%増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加286百万円、配当金の支払による減少346百万円、その他有価証券評価差額金の増加115百万円によるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更または新たな設定はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更または新たな発生はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、277百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)主要な設備
該当事項はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループを取り巻く事業環境は、「(1)財政状態及び経営成績の状況 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金及び設備投資資金については、自己資金、金融機関からの借入金により資金調達を行っております。運転資金は自己資金及び短期借入金を基本としており、設備投資資金は長期借入金を基本としております。
なお、当第1四半期連結会計期間の末日における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、20,189百万円となっております。また、当第1四半期連結会計期間の末日における現金及び現金同等物の残高は、17,429百万円となっており、必要な資金は確保されていると認識しております。
(8)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、新たに締結した重要な契約は以下のとおりであります。
借入に関する契約
① コミットメントライン契約
当社は、運転資金の起動的な調達を目的として、株式会社三菱UFJ銀行との間でコミットメントライン契約を締結いたしました。
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資金使途 |
運転資金 |
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借入先 |
株式会社三菱UFJ銀行 |
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借入極度総額 |
7,500百万円 |
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借入利率 |
基準金利+スプレッド |
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契約締結日 |
2023年10月6日 |
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契約期間 |
3年 |
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担保等の状況 |
無担保・無保証 |
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財務制限条項 |
① 各連結会計年度の末日における連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を、前連結会計年度の末日における純資産の部の合計額の75%以上に維持すること。 ② 各連結会計年度の末日における連結損益計算書において、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |
※ 借入極度限度額は、連結業績によって変動し、その上限額が7,500百万円となっております。なお、契約締結日における借入極度額総額は、6,300百万円であります。
② コミットメントライン契約
当社は、株式会社滋賀銀行との間で2022年8月29日に締結したコミットメントライン契約の一部を更新いたしました。
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資金使途 |
運転資金 |
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借入先 |
株式会社滋賀銀行 |
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借入極度額総額 |
3,000百万円 |
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借入利率 |
基準金利+スプレッド |
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契約締結日 |
2023年9月29日 |
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契約期間 |
3年間 |
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担保等の状況 |
無担保、無保証 |
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財務制限条項 |
① 各連結会計年度の末日における連結貸借対照表において、純資産の部の合計額を、前連結会計年度の末日における純資産の部の合計額の75%以上に維持すること。 ② 各連結会計年度の末日における連結損益計算書において、2期連続して経常損失を計上しないこと。 |