当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況につきましては、以下のとおりであります。
継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、前連結会計年度において6期連続の営業損失を計上しており、また、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度まで10期連続のマイナスとなっております。
当第1四半期連結累計期間においても、依然として営業損失2億20百万円及び親会社株主に帰属する四半期純損失2億28百万円を計上しました。
これらのことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
このため、当社グループでは、当該状況を解消するため、以下の施策を実施しております。
①事業の選択と集中
AV関連事業においては、これまでTVチューナー周辺のソフトウェア開発を中心に事業を展開してまいりました。 ただし、昨今の「TV離れ」やTVコンテンツのインターネットにおける再配信により、当社のコア技術であるTVチューナー周辺のソフトウェア開発のニーズが大幅に減少しました。これに対し、製品ラインナップの整理、製品の魅力を伝えるコミュニケーション戦略や製品デザイン、Webサイトの充実など様々な策を実施し、考えうる全ての手段を講じましたが、市場ニーズの減少には抗えず、TVチューナー周辺のソフトウェア開発プロジェクトの選択と集中を実施し、今後大きな成長性が見込まれるChatGPTをはじめとする生成系AIに関連する開発及びウェルネスやヘルスケアに関連する製品やサービスの開発に大きくシフトすることといたしました。
また、その他の短期的に売上を見込むことができない製品については、原則として開発・保守を停止致します。コスト削減後の売上や収益については、現状で見込みを立てることは非常に難しいものの、収益性の優れないプロ ジェクトを廃止することで、効率化を進め、収益構造を改善してまいります。
家電事業においては、「心地をリデザインする」をコンセプトにウェルネスブランドとしてリブランディングを 行ったRe・Deとミニマリスト向けジェネリック家電として展開しているA-Stageの2ブランドを中心に事業を展開してきました。そのような状況の中、今年で5年目を迎えるRe・Deがさらに成長を目指して、生活家電分野、空調 関連分野に進出を予定しております。
以上の取り組みにより、安定的に売上及び利益を上げていくような仕組みづくりを推進してまいります。
②自社製品ブランドの確立
「AV関連事業」及び「家電事業」のそれぞれについて、ブランドコンセプトや製品の認知を目的としたブランディング及びマーケティングに注力してまいります。具体的な施策としましては、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント)を活用したカスタマーエクイティーの向上やメディア、SNSを通じたプロモーション、オウンドメディアの育成、グループブランディングの確立等の施策を行ってまいります。
③経営戦略資金の確保
第16回新株予約権につきましては、当第1四半期連結会計期間末までに65百万円の新株予約権の行使が行われました。なお、第16回新株予約権につきましては、2023年12月において、残存する全ての当該新株予約権を取得するとともに、取得後直ちに消却しております。
また、当第1四半期連結会計期間においてEVO FUNDを割当先とす第18回新株予約権及び第19回新株予約権を発行しました。
第18回新株予約権につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおり、2024年1月1日から2024年2月14日までに行われた権利行使により3億82百万円の資金調達が行われました。
残りの第18回新株予約権及び第19回新株予約権が権利行使された場合には、それぞれ4億36百万円及び4億円の資金調達が可能であります。
引き続き、必要に応じて事業資金の確保を図ってまいります。
④固定費削減と原価低減コスト削減による収益体質への構造改革
前連結会計年度において、当社のテレビチューナー関連の開発を大幅に縮小し、当社取扱製品を売上が見込める製品に絞る施策の実施に伴い、対象人員の退職勧奨を実施し、製品事業本部の約60%の人員を削減いたしました。また、大きな固定費用の発生源となっていた大阪本社オフィスから退去いたしました。
さらに、2023年11月29日に公表しました「構造改革の実施に関するお知らせ」に記載のとおり、更なる経費の削減のため、当社グループ全従業員の約20%の人員を削減、東京オフィスの移転等を実施する構造改革の実施を決議しております。月々の固定費を大幅に削減し、収益構造や事業構造を転換することによって、黒字構造への転換を図ってまいります。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間においても、引き続きウクライナ情勢長期化による資源や原料供給網の弱体化、為替の円安進行などで、原材料価格や光熱費をはじめとした各種コストのかつてない高騰が発生し、収益性の改善においては厳しい状況となりました。
当社をとりまく環境といたしましては、依然として続く世界的な半導体部品の供給不足、円安による原材料・物流コストの急激な上昇の影響を受けました。また急激な物価上昇による家計や企業への影響で、AV、家電製品の民生機器需要の減退が重なり、AV関連事業、家電事業の売上高が減少となりました。
また、当社は、これまで、テレビチューナー関連製品を中心に製品展開をしてまいりました。しかしながら近年、消費者の需要はテレビからYoutubeやその他インターネット上のストリーミングサービスへ移行し、テレビ市場の縮小が顕著になり、当社のコア技術であるテレビチューナー周辺ソフトウェアの技術ニーズが大きく低下している状況がありました。需要の減少による業績の悪化をリカバリーすべく、製品ラインナップの整理、製品の魅力 を伝えるコミュニケーション戦略や製品デザイン、Webサイトの充実などありとあらゆる対応策を検討・実施してきました。
しかし、当社の事業を取り巻く環境は日々悪化しており、テレビチューナー関連製品のニーズ減少の流れが回復することは見込めないと判断し、前連結会計年度において、当社のコア技術であるテレビチューナー周辺技術開発の大幅なコスト削減及び縮小を実施することが当社の事業継続のために不可欠であるとの結論に至り、構造改革の実施を決定しました。 また、前連結会計年度においては、「事業の選択と集中」、「取締役の交代」、「大阪本社の返却」の実施を順次進めて参りました。2023年6月12日には、大阪本社の移転が完了いたしました。 その結果として、当第1四半期連結累計期間において、構造改革の着実な実施による、月々の固定費の大幅な削減や、収益構造や事業構造の転換を進めており、大幅な赤字額の低減が実現しており、事業内容の変化により黒字構造への転換を図っております。
AV関連事業においては、既存製品の継続販売が中心となりましたが、ChatGPTに代表されるAI技術活用の研究開発を進めており、当第1四半期連結累計期間にてB2B向けソリューションの実施設における試験導入を行い、市場展開へ向けた調査を進めております。
また、家電事業においては、調理家電分野、季節家電分野、理美容家電分野の新規開発を積極的に行い、SNSを 通じて製品ブランドのマーケティングを推進するとともに、マーケットのニーズに応じた新製品のマーケティング、企画、開発及び販売と大手EC事業者向けOEM製品の販売にも注力してまいりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は2億61百万円(前年同期比33.7%減)、営業損失2億20百万円(前年同期は営業損失3億66百万円)、経常損失2億24百万円(前年同期は経常損失3億54百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は2億28百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失4億46百万円)となりました。
セグメント別の業績の概況は次のとおりであります。
〔AV関連事業〕
ホームAV関連製品に関しましては、新SoC用新4K衛星放送対応TVスタックソフトウェアのターンキーソリューションの家電メーカーでの採用が継続し、そのロイヤリティの売上高が26百万円(前年同期比245.0%増)となりました。Xit-AirBox/Xit-Stickは、前期より引き続き低調に推移し、売上高はそれぞれ47百万円(前年同期比 37.1%減)、7百万円(前年同期比61.3%減)となりました。EWBS対応の海外向けSTBは新規引き合いは継続的にあるものの受注前の段階であり、引き続き交渉を続けてまいります。業務ブランド 「BIZmode」及び「pipico」でのAndroid TV搭載の4Kスマートチューナー、4K衛星放送対応スマートテレビの受注およびソフトウェアロイヤリティは低迷し、0百万円(前年同期比93.5%減)となりました。その他として発売済みSTBの追加販売およびソフトウェアの有償保守費用等で3百万円(前年同期比47.8%減)の売上高があり、その結果、売上高は84百万円(前年同期比30.4%減)となりました。
IoT関連製品に関しましては、LTEドングルMT100シリーズは、売上高が17百万円(前年同期比15.0%減)となった一方、4GLTEルーターの売上高は13百万円(前年同期比11.7%増)となりました。その他、修理費などで売上高は11百万円(前年同期比58.5%増)となりました。その結果、売上高は42百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
パソコン向けテレビキャプチャーをはじめとするテレビキャプチャー関連製品に関しましては、全体で売上高は 21百万円(前年同期比58.2%減)となりました。
そのほかに、カメラバンドルソフトの保守等のその他売上高が、1百万円(前年同期比65.4%減)となりました。
これらの結果、売上高は1億50百万円(前年同期比30.8%減)、セグメント損失(営業損失)は6百万円(前年同期はセグメント損失83百万円)となりました。
〔家電事業〕
家電事業におきましては、地上波のTV放送、雑誌等各種メディアで大きく取り上げられ、Re・Deブランド、A-Stageブランド共に認知を拡大し人気商品となりました。
また、Re・Deブランド第三弾の新製品Re・De Hairdryを2022年12月より販売を開始し、Re・De Kettle、Re・De Potと共に販売開始からSNSを中心に順調に認知を拡大しましたが、前年同期より売上、利益ともに減少となりました。
Re・Deブランドの製品群につきましては、家電事業全体の売上高に対し、売上構成比は38.1%(前年同期は33.8%)となりました。
ヘアドライヤーの売上高は11百万円(前年同期比123.5%増)、電気ケトルの売上高は5百万円(前年同期比50.3%減)、電気圧力鍋の売上高は25百万円(前年同期比40.8%減)となりました。
A-Stageブランドの製品群につきましては、白物家電の冷凍庫の売上高が大幅に増加し、黒物家電のTVの売上高が増加となりました。一方、洗濯機等の生活家電の売上高は大幅に減少となりました。
カテゴリ別の売上高としては、冷蔵庫や冷凍庫等の白物家電は売上高48百万円(前年同期比29.4%減)、 Re・Deブランド、A-Stageブランドを合わせた調理家電は売上高35百万円(前年同期比50.0%減)、4K関連製品や液晶TV、ポータブルDVDプレーヤー等の黒物家電は売上高11百万円(前年同期比3.9%増)、生活家電は売上高3百万円(前年同期比79.7%減)、理美容家電等その他売上高12百万円(前年同期比28.1%増)となりました。
これらの結果、売上高は1億10百万円(前年同期比37.2%減)、セグメント損失(営業損失)は80百万円(前年同期はセグメント損失1億8百万円)となりました。今後、継続的な効率化を実施することにより、当社グループ全体での利益率の向上を目指してまいります。
(注)各セグメントのセグメント損失(営業損失)は、「セグメント情報」に記載のとおり、各セグメントに配分していない全社費用1億34百万円(前年同期比23.1%減)を配分する前の金額であります。
(2) 財政状態の分析
(総資産)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ84百万円減少し、8億95百万円となりました。
これは主に、現金及び預金が63百万円、前渡金が15百万円それぞれ増加したものの、商品及び製品が66百万円、流動資産その他が34百万円、電子記録債権が28百万円、原材料及び貯蔵品が19百万円、売掛金が8百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し、5億30百万円となりました。
これは主に、未払法人税等が32百万円、支払手形及び買掛金が20百万円それぞれ減少したものの、1年内償還予定の社債が85百万円、流動負債その他が48百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ1億62百万円減少し、3億65百万円となりました。これは新株発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ32百万円増加したものの、親会社株主に帰属する四半期純損失を2億28百万円計上したこと等によるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究活動の金額は、13百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間において、販売の実績が著しく減少しております。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。