【要約四半期連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社PKSHA Technology(以下「当社」という。)は、日本に所在する企業であります。当社の登記上の本社は、ホームページ(https://pkshatech.com/)で開示しております。要約四半期連結財務諸表は当社及び子会社(以下「当社グループ」という。)、並びに関連会社及び共同支配企業に対する持分により構成されております。
当社グループの事業内容及び主要な活動は、注記「4.セグメント情報」に記載しております。
当社グループの2023年12月31日に終了する四半期の要約四半期連結財務諸表は、2024年2月14日に取締役会によって承認されております。
2.作成の基礎
当社の要約四半期連結財務諸表は、四半期連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、四半期連結財務諸表規則第93条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しております。
当社グループは2024年9月30日に終了する連結会計年度の第1四半期からIFRSを初めて適用しており、IFRSへの移行日(以下「移行日」という。)は2022年10月1日となります。当社グループは、IFRSへの移行にあたり、IFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用(以下「IFRS第1号」という。)を適用しております。IFRSへの移行が、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響は、注記「9.初度適用」に記載しております。
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、「3.重要性のある会計方針」に記載している公正価値で測定されている金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しております。日本円で表示しているすべての財務情報は、特に記載がない限り千円未満を切り捨てて記載しております。
当社グループの要約四半期連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた主な公表済みの基準書及び解釈指針のうち、当社が早期適用しているもの、又は、未適用のもので、重要な影響があるものはありません。
要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定をすることが義務付けられております。ただし、実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの変更は、見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。
当社グループの要約四半期連結財務諸表で認識した金額に重要な影響を与える判断、見積り及び仮定は、以下のとおりであります。
・金融資産の公正価値評価(注記「7.金融商品」)
・非金融資産の減損(注記「3.重要性のある会計方針(10)」)
・繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要性のある会計方針(18)」)
・子会社、関連会社及び共同支配企業の範囲の決定(注記「3.重要性のある会計方針(1)」)
3.重要性のある会計方針
当社グループの重要性のある会計方針は以下のとおりであり、他の記載がない限り、要約四半期連結財務諸表(移行日の連結財政状態計算書)が表示されているすべての期間について適用しております。
日本基準からIFRSへ移行するにあたり、当社グループが選択したIFRS第1号の遡及適用の免除規定は注記「9.初度適用」に記載しております。
子会社とは、当社グループにより支配されている企業であります。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンに影響を与える能力を有する場合をいいます。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結財務諸表に含まれております。子会社に対する当社グループ持分の一部を処分した後も支配が継続する場合には、当社グループの持分の変動を資本取引として会計処理しており、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。従来の子会社に対する持分を保持する場合には、その持分は支配喪失日の公正価値で測定します。当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
関連会社とは、当社グループがその財務及び経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配をしていない企業であります。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を保有する場合、当社グループは当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。関連会社への投資は持分法によって会計処理しております。
関連会社に対する投資は取引コストを含む取得原価で認識されております。当社グループの投資には、取得時に認識したのれん相当額が含まれております。当該のれんは区分して認識されないため、のれん個別での減損テストは実施しておりません。これに代わり、関連会社に対する投資の総額を単一の資産として、投資が減損している可能性を示唆する客観的な証拠が存在する場合に、減損テストを実施しております。また、重要な影響力を有することとなった日から重要な影響力を喪失する日までの関連会社の損益及びその他の包括利益に対する当社グループの持分は、関連会社に対する投資額の変動として認識しております。
持分法適用会社の会計方針は、当社グループが適用する会計方針と整合させるため、必要に応じて修正しております。
連結財務諸表には、他の株主との関係等により決算日を当社の決算日と同じ日とすることが実務上不可能であるために決算日が異なる持分法で会計処理されている投資が含まれております。当該持分法適用会社の決算日の差異はすべて3ヶ月以内であり、持分法適用会社の決算日と当社の決算日の間に生じた重要な取引又は事象の影響については調整を行っております。
持分法適用会社との取引から発生した未実現利益は、投資先に対する当社グループの持分を上限として投資から控除しております。また、未実現損失は、減損が生じている証拠がない場合に限り、未実現利益と同様の方法で控除しております。
損失に対する当社グループの持分が持分法で会計処理されている投資を上回った場合には、その投資の帳簿価額をゼロまで減額し、当社グループが被投資企業に代わって債務を負担し又は支払を行う場合を除き、それ以上の損失は認識しておりません。
共同支配企業とは、複数の当事者が共同支配する取決めを交わし、その取決めにおいて各々の当事者が、当該取決めの資産に対する権利及び負債に対する義務ではなく、純資産に対する権利を有するものをいいます。
当社グループは共同支配企業の決定にあたり、当社グループが被投資企業を単独で支配せず、他の投資者と共同で支配していること、当社グループと他の投資者との共同支配の取決めに基づいて、各々の当事者が、当該取決めの資産に対する権利及び負債に対する義務ではなく、純資産に対する権利を有しているかどうかを判断しております。
当社グループは、共同支配企業に対する持分について、関連会社と同様に持分法を用いて会計処理しております。
当社グループは、企業結合の定義を満たす取引について、取得法に基づき企業結合の会計処理をしております。非支配持分は、取得日における被取得企業の識別可能純資産に対する比例的持分で当初測定しております。
支払対価の公正価値、被取得企業の非支配持分の金額及び段階取得の場合には取得企業が以前より保有していた被取得企業の取得日の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び引受負債の正味価額を上回る場合に、その超過額をのれんとして認識しております。一方、この対価の総額が、識別可能資産及び負債の正味価額を下回る場合、その差額を利得として純損益に認識しております。
企業結合に関連して発生した取得関連コストは、負債性金融商品及び資本性金融商品の発行費用を除き、発生時に費用として処理しております。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。取得日時点で存在し、なおかつそれを知っていたならば取得日で認識した金額の測定に影響したであろう事実及び状況に関する情報を、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下「測定期間」という。)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。この新たに得た情報により資産と負債の追加での認識が発生する場合があります。測定期間は最長で1年間であります。
金融資産はその当初認識時に、金融資産の管理に関する事業モデル及び金融資産の契約上のキャッシュ・フローの両方に基づき、償却原価で測定する金融資産、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。当社グループでは、非デリバティブ金融資産を契約当事者となった時点で当初認識しております。
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、認識を中止しております。
以下の条件がともに満たされる金融資産を償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時、公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権はIFRS第15号に基づき測定しております。また、当初認識後は実効金利法を適用した総額の帳簿価額から減損損失を控除しております。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
公正価値で測定する金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類されたもの以外の金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引コストは、発生時に純損益で認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を純損益として認識しております。
売買目的ではない資本性金融商品への投資については、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行うことが認められており、当社グループでは金融商品ごとに当該指定を行い、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に分類しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、当初認識時に、公正価値にその取得に直接起因する取引コストを加算して測定しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しております。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合にその累積額を利益剰余金に振り替えており、純損益には振り替えておりません。なお、配当については、当該配当金が明らかに投資の取得原価の回収を示している場合を除いて純損益として認識しております。
公正価値で測定する負債性金融商品のうち、以下の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するため、及び売却するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
ただし、移行日、前連結会計年度末及び当第1四半期連結会計期間末において、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品はありません。
(d) 金融資産の減損
当社グループは、全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。ただし、以下に関しては、12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。
・報告日時点で信用リスクが低いと判断された負債性金融商品
・当初認識時から信用リスク(すなわち、金融商品の予想残存期間にわたり債務不履行が発生するリスク)が著しく増大していない、上記を除く金融資産
なお、営業債権及び契約資産は上記に関わらず、全期間の予想信用損失に等しい金額で貸倒引当金を測定しております。上記記載の全期間の予想信用損失とは、金融商品の予想残存期間にわたり発生する可能性のあるすべての不履行事象によって生じる予想信用損失であります。また、12ヶ月の予想信用損失とは、報告日から12ヶ月以内に発生する可能性のある不履行事象によって生じる予想信用損失であります。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大しているか否かは、当初認識時における債務不履行発生リスクと各期末日における債務不履行発生リスクを比較して判断しており、期日経過情報のほか、合理的かつ裏付け可能な情報を考慮しております。また、債務者の重大な財政的困難、契約上の支払期日の著しい延滞、債務の否認等により債権の一部又は全部の回収が困難であると判断した場合には、債務不履行として、信用減損金融資産に分類しております。貸倒が法的に確定した場合など、金融資産の全部又は一部の回収見込みが無くなった場合には、予想信用損失を帳簿価額から直接償却しております。
当社グループでは、金融負債を契約当事者となった時点で当初認識しており、原則として、償却原価で測定しております。当初認識時には公正価値からその発行に直接起因する取引コストを減算して測定しております。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しております。
また、当社グループは、特定の子会社について、一定の期間経過後に契約上で定められた方式に基づいて算定された価格で追加の株式を非支配持分から取得する義務を負う先渡契約を締結している場合があります。その場合、先渡契約の現在価値で金融負債を認識し、連結財政状態計算書上「その他の金融負債」に含めております。
金融負債は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消又は失効となった時に認識を中止しております。
当社グループは、特定の関連会社について、一定の期間経過後に契約上で定められた方式に基づいて算定された価格で追加の株式等を取得する義務を負う契約を締結しております。当社グループでは、追加持分に係る追加取得の義務をデリバティブとして処理し、公正価値で測定しております。なお、移行日、前連結会計年度末及び当第1四半期連結会計期間末において、ヘッジ会計を適用しているデリバティブ取引はありません。
特定の子会社について、一定の期間経過後に契約上で定められた方式に基づいて算定された価格で追加の株式を非支配持分から取得する義務を負う先渡契約について、移行日時点で先渡契約の現在価値で金融負債を認識するとともに、同額を資本剰余金から減少させております。
なお、金融負債の事後変動は純損益として認識しており、先渡契約の契約履行時に、金融負債の消滅を認識し、追加取得持分は資本取引として資本剰余金として処理しております。
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。取得原価には、購入原価、加工費及び棚卸資産が現在の場所及び状態に至るまでに発生したその他のコストのすべてを含んでおり、原価の算定にあたっては、主として移動平均法を用いております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には資産の取得に直接関連するコスト、資産の解体及び除去コスト、原状回復コストの当初見積額、並びに資産計上の要件を満たす借入コストが含まれております。有形固定資産の構成要素の耐用年数が構成要素ごとに異なる場合は、それぞれ別個の有形固定資産項目として計上しております。
有形固定資産の取得後に発生した支出のうち、通常の修繕及び維持については発生時に費用として処理し、主要な取替及び改良に係る支出については、その支出により将来当社グループに経済的便益がもたらされる可能性が高く、かつ取得原価が信頼性をもって測定できる場合に限り資産計上しております。
土地、建設仮勘定以外の有形固定資産は、使用が可能となった時点から、それぞれの耐用年数にわたって定額法で減価償却しております。主要な有形固定資産の耐用年数は以下のとおりであります。
建物 :3~45年
工具、器具及び備品 :2~15年
その他 :3~15年
なお、減価償却方法、残存価額及び耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
(8) のれん及び無形資産
当社グループは、のれんを取得日時点で測定した被取得企業に対する非支配持分の認識額を含む譲渡対価の公正価値から、取得日時点における識別可能な取得資産及び引受負債の純認識額(通常、公正価値)を控除した額として当初測定しております。
のれんは償却を行わず、事業を行う地域及び事業の種類に基づいて識別された資産、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、毎年同時期及び減損の兆候を識別した時はその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識されますが、戻入れは行っておりません。
当初認識後、のれんは取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
個別に取得した無形資産は当初認識時に取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産の取得原価は取得日の公正価値で測定し、減損の兆候が存在する場合にはその資産の回収可能価額を見積っております。
内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しております。内部発生の開発費用は信頼性をもって測定可能で、技術的かつ商業的に実現可能であり、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資質を有している場合にのみ、上記の認識条件のすべてを初めて満たした日から開発完了までに発生した費用の合計額を無形資産として資産計上しております。
事後的な支出は、その支出に関連する特定の資産に伴う将来の経済的便益を増加させる場合にのみ資産計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの耐用年数にわたり、定額法で償却しております。主要な無形資産の耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウエア :5年
・顧客関連資産 :11~20年
耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎年同時期に、加えて減損の兆候が存在する場合にはその資産の回収可能価額を見積っております。
なお、償却方法、残存価額及び耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
当社グループは、契約の締結時に契約がリースであるか又はリースを含んでいるかを判定します。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるか又はリースを含んでおります。契約が特定された資産の使用を支配する権利を移転するか否かを評価するために、当社グループは以下のことを検討しております。
・契約が特定された資産の使用を含むか。これは明記される場合もあれば黙示的に識別される場合もあり、特定された資産は、物理的に別個のものであるか物理的に別個の資産の稼働能力のほとんどすべてを表すものでなければなりません。供給者が資産を入れ替える実質的な権利を有している場合は、資産は特定されておりません。
・当社グループが使用期間全体にわたり資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利を有しているか。
・当社グループが資産の使用を指図する権利を有しているか。資産の使用方法及び使用目的の変更に最も関連性のある意思決定権を有している場合、当社グループはその権利を有しております。資産の使用方法及び使用目的が事前に決定されているまれな場合には、以下のいずれかである場合、当社グループは資産の使用を指図する権利を有しております。
・当社グループが資産を稼働させる権利を有していて、資産の供給者には当社グループによる稼働指示を変更する権利がない。
・当社グループが、資産の使用方法及び使用目的を事前に決定するように、資産を設計した。
当社グループは、リース要素が含まれる契約の締結時又は見直し時に、契約で合意した対価を、各リース要素及び非リース要素の独立価格の比率に基づいて各要素に按分します。
当社グループは、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識します。使用権資産は、取得原価で当初測定しております。この取得原価は、リース負債の当初測定額に、開始日又はそれ以前に支払ったリース料を調整し、発生した当初直接コストと原資産の解体及び除去、原資産又は原資産の設置された敷地の原状回復の際に生じるコストの見積りを加えて算定します。
当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の日まで、定額法により減価償却します。使用権資産の耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定します。
リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を用いており、一般的に、当社グループは追加借入利子率を割引率として使用しております。
リース負債の測定に含めるリース料総額は、以下で構成されます。
・固定リース料(実質的な固定リース料を含む)。
・指数又はレートに基づいて算定される変動リース料。当初測定には開始日現在の指数又はレートを用いる。
・残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額。
・当社グループが行使することが合理的に確実である場合の購入オプションの行使価格、延長オプションを行使することが合理的に確実である場合のオプション期間のリース料、及びリースの早期解約に対するペナルティの支払額(当社グループが早期解約しないことが合理的に確実な場合を除く)。
リース負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。指数又はレートの変動により将来のリース料が変動した場合、残価保証に基づいて支払うと見込まれる金額の見積りが変動した場合、購入、延長、あるいは解約オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、又は、実質的な固定リース料が変更された場合、リース負債は再測定されます。このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には損益として認識します。
棚卸資産、繰延税金資産及び売却目的で保有する非流動資産を除く非金融資産については、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しております。
減損の兆候が存在する場合には、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額を測定しております。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎期同時期及び兆候を識別した場合にはその都度、減損テストを実施しております。
減損テストにおいて、資産は、継続的な使用により他の資産又は資金生成単位のキャッシュ・インフローから概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資産グループに集約しております。企業結合から生じたのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成しないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を見積っております。
回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方で測定しております。ただし、個別に重要なのれん及び顧客関連資産が配分された資金生成単位においては、回収可能価額を使用価値により測定しております。使用価値は、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間価値及びその資産の固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割り引いて算定しております。将来キャッシュ・フローの見積りにおいて、経営者によって承認された直近の事業計画を用いており、事業計画の中で将来の収益は、過去の業績及び市場動向の経営者予測を加味して見積っており、コストは、その収益の変動を加味して見積っております。このため、これらののれん及び顧客関連資産を含む資産グループが属する資金生成単位において、見込んでいた将来の事業の成長が達成されない場合や事業計画の前提となった経営環境に著しい悪化が認められた場合、あるいはそのような見込みがある場合には、減損の兆候があると認められ、減損損失の認識の判定が必要となる可能性があり、これらの結果、連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
個別の資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益にて減損損失を認識し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しております。
のれんに係る減損損失は、戻入れを行っておりません。のれん以外の非金融資産に係る減損損失は、減損損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候が存在する場合に当該資産の回収可能価額を見積っており、回収可能価額が減損処理後の帳簿価額を上回った場合には減損損失の戻入れを行っております。なお、減損損失の戻入れは過去の期間において当該資産に認識した減損損失がなかった場合の帳簿価額を超えない範囲を上限として回収可能価額と帳簿価額との差額を純損益にて認識しております。
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、売却目的保有に分類しております。売却目的保有へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限っております。売却目的保有に分類した後は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、減価償却又は償却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループのひとつの事業もしくは地域を構成し、そのひとつの事業もしくは地域の処分の計画がある場合に認識しております。
短期従業員給付について、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しております。賞与及び有給休暇費用については、それらを支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しております。
当社グループは、ストック・オプション、譲渡制限付株式、信託を通じて当社の株式等を役職員等に付与する複数の持分決済型の株式報酬制度を有しており、受け取ったサービスの対価は、関連する資本性金融商品の付与日における公正価値で測定し、権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。
株式報酬費用として認識する金額は、関連する勤務条件及び株式市場条件以外の業績条件を満たすと見込まれる資本性金融商品に基づく報酬の数を反映して修正します。したがって、最終的に認識される金額は、権利確定日における関連する勤務条件及び株式市場条件以外の業績条件を満たした資本性金融商品に基づく報酬の数に基づいております。権利確定条件以外の条件が付された資本性金融商品に基づく報酬については、報酬の付与日における公正価値をそれらの条件を反映するように測定しているため、予測と実績との差異について調整は行いません。
なお、信託を通じて当社の株式等の資本性金融商品を交付する制度について、同信託が有する当社の資本性金融商品は取得原価により資本から控除しております。
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的債務又は推定的債務を有し、その債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出の可能性が高く、かつその資源の流出の金額について信頼できる見積りができる場合に認識しております。
引当金は見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及びその負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割り引いております。時の経過に伴う割引額の振戻しは、金融費用として認識しております。
当社グループは引当金として、主に資産除去債務を認識しております。
資産除去債務は、資産の解体・除去費用、原状回復費用、並びに資産を使用した結果生じる支出に関して引当金を認識するとともに、当該資産の取得原価に加算しております。将来の見積費用及び適用された割引率は毎年見直され、修正が必要と判断された場合は当該資産の帳簿価額に加算又は控除し、会計上の見積りの変更として処理しております。
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しております。
自己株式は取得原価で評価し、資本から控除しており、自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失を純損益として認識しておりません。なお、帳簿価額と処分時の対価との差額は資本剰余金として認識しております。
③ 配当金
当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により承認された日、中間配当は取締役会により承認された日の属する期間の負債として認識しております。
当社グループは、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」(以下「IFRS第15号」という。)の範囲に含まれる取引について以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております(IFRS第9号に基づく利息及び配当収益等やIFRS第16号「リース」に基づく受取リース料を除く)。
ステップ1:契約の識別
ステップ2:履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:履行義務への取引価格の配分
ステップ5:履行義務の充足による収益の認識
① AI Research & Solution事業
アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。当該取引により顧客との契約から生じる収益は、一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断しており、履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は以下のとおりであります。
・提供したサービスの期間に応じて月次で請求権を獲得する契約については、現在までに履行が完了した部分に対する顧客にとっての価値に直接対応する対価の額を顧客から受け取る権利を有していることから、請求する権利を有している金額にて収益を認識しております(アウトプット法)。
・提供したサービスの期間に応じて月次で請求権を獲得しない契約については、プロジェクトの進捗に伴って履行義務が充足することから見積り総工数に対する累積実際発生工数の割合に基づき収益を認識しております(インプット法)。
また、実オペレーションを通じた製品・サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発として駐車場機器の販売・駐車場の管理受託を行っております。駐車場機器の販売により顧客との契約から生じる収益は、顧客が検収した時点で支配が顧客に移転されると判断し、収益を認識しております。駐車場の管理受託については、契約期間にわたり均一のサービスを提供するものであるため、時の経過に応じて履行義務が充足されると判断し、サービスの提供期間にわたって収益を認識しております。
AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するAI SaaSプロダクトを販売しております。当該取引により顧客との契約から生じる収益は、契約期間にわたり均一のサービスを提供するものであるため、時の経過に応じて履行義務が充足されると判断し、サービスの提供期間にわたって収益を認識しております。
なお、取引の対価は、履行義務を充足してから概ね1ヶ月以内に受領しており、重要な金融要素はありません。また、取引価格は、顧客との契約に基づき顧客と約束した対価を基礎として算定しております。なお、顧客と約束した対価の中に重要な変動対価はありません。
金融収益は、受取利息、受取配当金等から構成されております。受取利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した時点で認識しております。
金融費用は、支払利息等から構成されております。支払利息は、実効金利法を用いて発生時に認識しております。
法人所得税費用は、当期税金と繰延税金の合計として表示しております。
要約四半期連結財務諸表における法人所得税費用は、税引前四半期利益に対して、見積平均年次実効税率を用いて算定しております。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、当期の純損益にて認識しております。未収法人所得税と未払法人所得税は、特定の要件を満たす場合に相殺しております。
繰延税金資産及び負債は、決算日までに制定又は実質的に制定されている税法に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しております。繰延税金資産及び負債は、四半期連結会計期間末又は連結会計年度末における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額の差額である一時差異並びに繰越欠損金に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識しております。認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び繰延税金資産が認識できる期間における課税所得の予測に基づき、税務便益が実現する可能性が高いと判断しておりますが、課税所得が生じる時期及び金額は、将来の経済条件の変動の影響を受ける可能性があり、見直しが必要になった場合、連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響しない取引における当初認識から生じる一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。また、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。また、子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る将来減算一時差異については、一時差異が予測し得る期間内に解消し、かつ課税所得を稼得する可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に対して課される法人所得税に関するものである場合に相殺しております。
基本的1株当たり四半期利益は、親会社の普通株主に帰属する四半期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。
希薄化後1株当たり四半期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在的普通株式による影響を調整して算定しております。
4.セグメント情報
当社グループの事業セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、経営者が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループはサービス別のセグメントから構成されており、報告セグメントは、「AI Research & Solution事業」及び「AI SaaS事業」で構成されております。
「AI Research & Solution事業」では、アルゴリズム・知能化技術の事業化を行っており、パートナー企業のニーズに合わせて共同研究開発からソリューションの提供までを一気通貫で実施しております。また、実オペレーションを通じた製品/サービス開発の一環で、IoT機器からリアル空間のデータをクラウド上に収集し顧客への価値提供を実現するサービスの開発を、駐車場機器の製造販売事業を通じて行っております。
「AI SaaS事業」では、AI Research & Solution事業におけるアルゴリズムの開発成果をもとに、汎用的なニーズに対応するプロダクトを販売しております。AI SaaSプロダクトは「顧客接点」・「社内業務」領域で利用されており、人の業務を効率化し能力を拡張していく形で、ビジネス支援や企業の課題解決を実現しております。
報告セグメントの会計処理の方法は、当社グループの連結財務諸表における会計方針と同一であり、報告セグメントの利益は、事業利益ベースの数値であります。事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除して算出しております。また、セグメント間の取引は市場実勢価格に基づいております。
前第1四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日)
(注) セグメント利益の調整額△180,880千円は主に各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない要約四半期連結財務諸表提出会社の一般管理費であります。
当第1四半期連結累計期間(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日)
(注) セグメント利益の調整額△269,504千円は主に各報告セグメントに配分していない全社費用であり、主に報告セグメントに帰属しない四半期連結財務諸表提出会社の一般管理費であります。
5.売上収益
顧客との契約から認識した売上収益の分解は以下のとおりであります。
前第1四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日)
当第1四半期連結累計期間(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日)
(注) 1.AI Research & Solutionは主として株式会社PKSHA Technology、株式会社アイテック等の売上収益が含まれており、アルゴリズムライセンスの提供や駐車場の管理受託等、継続的に発生する売上収益をストック収益、顧客との共同研究・ソリューションによる売上収益や駐車場機器の販売等をフロー収益としております。
2.AI SaaSには株式会社PKSHA Workplace、株式会社PKSHA Communication、株式会社PKSHA Associatesが提供する各種ソフトウエアプロダクトに係る売上収益が含まれており、利用料金等の継続課金による売上収益をストック収益とし、初期設定等による売上収益をフロー収益としております。
6.1株当たり四半期利益
(1) 基本的1株当たり四半期利益
基本的1株当たり四半期利益及びその算定上の基礎は、以下のとおりであります。
(2) 希薄化後1株当たり四半期利益
希薄化後1株当たり四半期利益及びその算定上の基礎は、以下のとおりであります。
なお、当第1四半期連結累計期間の基本的1株当たり四半期利益及び希薄化後1株当たり四半期利益の算定に用いられた期末発行済株式数及び期中平均株式数からは、従業員等を対象とする株式報酬制度に係る信託が所有する当社株式の数を控除しております。
7.金融商品
資産
現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権等の流動項目は短期間で決済されるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
その他の金融商品を構成する投資のうち、上場株式等活発な市場における価格のあるものは、期末日の市場価格を公正価値としております。活発な市場における価格のないものは、直近の独立した第三者間取引やファイナンス価格の情報が利用可能な場合、当該直近の取引価格を公正価値としております。なお、直近の取引価格について、取引発生後一定期間は有効であるものと仮定しております。これらの直近の取引価格が利用できない場合には、割引キャッシュ・フロー法、類似企業比較法又は純資産に基づく評価モデルにより算定しております。割引キャッシュ・フロー法及び類似企業比較法による公正価値の測定は、割引率、株価売上高倍率等の観察可能でないインプットを利用し、必要に応じて一定の非流動性ディスカウントを加味しております。純資産に基づく公正価値の測定は、発行会社の純資産を基礎とし、必要に応じてその金額を修正して算定しております。
その他の非流動資産の公正価値は、以下を除きリスク調整後割引率で現在価値に割り引いて公正価値を算定しており、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
・デリバティブ資産
デリバティブ資産については、外部評価機関を利用し、主としてブラック・ショールズ・モデルに基づき公正価値を算定しております。
負債
営業債務及びその他の債務等の流動項目は、以下の項目を除き、短期間で決済されるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
・非支配持分との間の追加持分取得に係る先渡契約
その他の金融負債(流動)には非支配持分との間の追加持分取得に係る先渡契約が含まれており、これについては、想定される将来キャッシュ・フローを追加借入利子率によって割り引く方法で公正価値を算定しております。
長期借入金(1年以内返済分も含む)は、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引く方法で公正価値を算定しております。
償却原価で測定する金融商品のうち、帳簿価額と公正価値が合理的な近似値となっていないものについて、公正価値及び連結財政状態計算書における帳簿価額は、以下のとおりであります。
借入金の公正価値は、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引く方法で算定しており、公正価値のヒエラルキーはレベル2に該当いたします。
金融商品の公正価値のヒエラルキーは、以下のとおり分類しております。
レベル1:活発な市場における同一の資産又は負債の公表価格
レベル2:レベル1に分類される相場価格以外で、資産又は負債について直接又は間接的に観察可能なインプット
レベル3:観察可能な市場データに基づかない、観察不能なインプット
金融商品のレベル間の振替は、四半期連結会計期間末において認識しております。前連結会計年度及び当第1四半期連結累計期間において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりであります。
移行日(2022年10月1日)
前連結会計年度末(2023年9月30日)
当第1四半期連結会計期間末(2023年12月31日)
(注) 1.当社グループの資本性金融商品は上場株式と非上場株式で構成され、また、負債性金融商品はファンド投資で構成され、共に、その他の金融資産(非流動)に含まれております。上場株式はレベル1、非上場株式及びファンド投資はレベル3に区分しております。
2.当社グループは、特定の関連会社について、一定の期間経過後に契約上で定められた方式に基づいて算定された価格で追加の株式等を取得する義務を負う契約を締結しております。当社グループでは、追加持分に係る追加取得の義務をデリバティブとして取扱い、公正価値で測定しております。当該デリバティブ資産は連結財政状態計算書及び要約四半期連結財政状態計算書において「その他の金融資産(非流動)」に含めており、公正価値ヒエラルキーのレベル3に区分しております。
3.当社グループは、特定の子会社について、一定の期間経過後に契約上で定められた方式に基づいて算定された価格で追加の株式を非支配持分から取得する義務を負う先渡契約を締結しており、先渡契約の現在価値で金融負債を認識しております。当該金融負債は連結財政状態計算書及び要約四半期連結財政状態計算書において「その他の金融負債(流動)」に含めており、公正価値ヒエラルキーのレベル3に区分しております。
レベル3に区分されたその他の金融商品について、主な評価技法及び観察不能なインプットは以下のとおりであります。
レベル3に区分した金融商品については適切な権限者に承認された公正価値測定の評価方針及び手続に従い、担当部署が対象金融商品の評価方法を決定し、外部の評価専門家又は適切な評価担当者が公正価値を測定しております。公正価値の測定結果については適切な責任者が承認しております。
③ レベル3に区分される経常的な公正価値測定の感応度情報
当社グループにおいて、継続的に保有することが想定されるレベル3の金融商品は、資本性金融商品、負債性金融商品及びデリバティブ資産であり、割引率の低下(上昇)、株価売上高倍率の上昇(低下)、ボラティリティの増加(減少)等により、公正価値は増加(減少)します。
これらの経常的な公正価値測定について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に、重要な公正価値の増減は見込まれておりません。
前第1四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日)
(単位:千円)
(単位:千円)
純損益及びその他の包括利益は、要約四半期連結損益計算書及び要約四半期連結包括利益計算書において、金融収益又は金融費用、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に含まれております。
当第1四半期連結累計期間(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日)
(単位:千円)
純損益及びその他の包括利益は、要約四半期連結損益計算書及び要約四半期連結包括利益計算書において、金融収益又は金融費用、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に含まれております。
8.後発事象
該当事項はありません。
9.初度適用
当社グループは、当第1四半期連結会計期間からIFRSに準拠した要約四半期連結財務諸表を開示しております。日本基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)に係るものであり、日本基準からIFRSへの移行は、2022年10月1日を移行日として行われました。
IFRSでは、IFRSを初めて適用する会社に対して、原則としてIFRSで要求される基準を遡及して適用することを求めております。ただし、IFRS第1号はIFRSで要求される基準の一部について、任意に免除規定を適用することができるものと、遡及適用を禁止する強制的な例外規定を定めております。これらの規定の適用に基づく影響は、移行日において利益剰余金又はその他の資本の構成要素において調整しております。
当社グループが適用した主な任意の免除規定は以下のとおりであります。
・企業結合
IFRS第1号では、過去の企業結合についてIFRS第3号を遡及適用しないことが選択可能となっております。遡及適用する場合、その後の企業結合はすべてIFRS第3号に基づいて修正されます。
当社グループは、移行日前に行われた企業結合に対してIFRS第3号を遡及適用しないことを選択しております。この結果、移行日前の企業結合から生じたのれんの額については、日本基準に基づいた帳簿価額のまま調整しておりません。なお、当該のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず移行日時点で減損テストを実施しております。
・移行日前に認識された金融商品の指定
IFRS第1号では、移行日時点で存在する事実及び状況に基づき、IFRS第9号「金融商品」に従って金融資産の指定を行うことができます。当社グループは保有している金融商品を移行日時点の状況に基づき指定しております。
・リース
IFRS第1号では、初度適用企業は移行日に存在する契約に対し、同日時点で存在する事実及び状況に基づいて、新しいリースの定義を適用することができます。借手のリースにおけるリース負債及び使用権資産を認識する際に、すべてのリースについてリース負債及び使用権資産を移行日現在で測定することが認められております。当社グループは、リース負債を移行日現在で測定しており、当該リース負債について、残りのリース料を移行日現在の借手の追加借入利子率で割り引いた現在価値としております。また、使用権資産は移行日現在で測定しており、リース負債と同額(当該リースに関して移行日直前の財政状態計算書に認識していた前払リース料又は未払リース料の金額で調整後)としております。なお、IAS第36号「資産の減損」を移行日現在で使用権資産に適用しております。
・株式報酬取引
IFRS第1号では、2002年11月7日より後に付与され、移行日前に権利確定した株式報酬に対して、IFRS第2号「株式に基づく報酬」(以下「IFRS第2号」という。)を適用しないことを選択することが認められております。当社グループは、当該免除規定を適用し、移行日前に権利確定した株式報酬に対して、IFRS第2号を遡及適用しないことを選択しております。
・有形固定資産の原価に算入される廃棄負債
IFRS第1号では、移行日以前に生じた有形固定資産の原価に算入される廃棄、原状回復及びそれらに類似する負債の特定の変動に関しては、移行日時点で負債を測定し、負債が最初に発生した時点で原価に算入されていたであろう金額を発生時点まで負債を割り引いて見積り、これを資産の耐用年数の現在見積りを基に企業が採用する減価償却方針を用いて当該金額の減価償却累計額を算定することが認められております。当社グループは、この免除規定を選択して、負債及び減価償却累計額を算定しております。
IFRS第1号では、「見積り」、「金融資産及び金融負債の認識の中止」、「非支配持分」及び「金融資産の分類及び測定」等について、IFRSの遡及適用を禁止しております。当社グループはこれらの項目について移行日より将来に向かって適用しております。
IFRS第1号にて求められる調整表は以下のとおりであります。なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼさない調整を、「認識及び測定の差異」には利益剰余金及び包括利益に影響を及ぼす調整を含めております。
移行日(2022年10月1日)現在の資本に対する調整
前第1四半期連結会計期間末(2022年12月31日)の資本に対する調整
前連結会計年度末(2023年9月30日)の資本に対する調整
前第1四半期連結累計期間(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日)の四半期純利益及び四半期包括利益に対する調整
前連結会計年度(自 2022年10月1日 至 2023年9月30日)の当期純利益及び包括利益に対する調整
日本基準では、建物及び構築物、土地及びその他に含めていた各有形固定資産については、IFRSでは有形固定資産として一括して表示しております。
日本基準では顧客関連資産として表示していた無形固定資産を、IFRSでは無形資産に振り替えております。
日本基準では持分法投資を投資有価証券に含めておりましたが、IFRSでは持分法で会計処理されている投資として区分掲記しております。
日本基準ではその他有価証券を投資有価証券に含めておりましたが、IFRSではその他の金融資産(非流動)に振り替えております。
日本基準では流動資産及び流動負債のその他で計上していたもののうち、金銭債権及び金銭債務に該当するものについては、IFRSではそれぞれ、営業債権及びその他の債権、及び、営業債務及びその他の債務に含めて表示しております。
F.売上原価、販売費及び一般管理費、金融収益、金融費用、その他の収益及びその他の費用
日本基準上、特別損失に計上した信託型ストックオプション関連損失を、IFRSでは売上原価、販売費及び一般管理費、及びその他の費用で表示しております。また、特別利益に含めていた投資有価証券売却益をIFRSではその他の包括利益として認識するため、当期純利益及び包括利益に対する調整上、金融収益への表示組替と、認識及び測定の差異によって表示しております。
それらを除き、日本基準上で営業外収益、営業外費用、特別利益及び特別損失に表示していた収益及び費用は、IFRSでは、財務関連項目を金融収益及び金融費用、それ以外の項目をその他の収益及びその他の費用に含めて表示しております。
日本基準では流動負債に表示していた株式給付引当金について、IFRSでは資本剰余金に含めて表示しております。
当社グループでは、一部の有形固定資産の減価償却方法について、日本基準では定率法を採用しておりましたが、IFRSでは定額法を採用しております。また、資産除去債務の認識において、日本基準では敷金を減額する簡便法にて処理しておりましたが、IFRSでは負債計上するとともに、対応する固定資産の取得価額に同額を加算した上で減価償却を行っております。
日本基準では、借手のリースについてファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりました。IFRSでは、借手のリースについてファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類せず、使用権資産及びリース負債を認識しております。
持分法適用被投資企業の純損益及びその他の包括利益の金額に、日本基準とIFRSでは相違があります。また、持分法で会計処理されている投資に関連するのれん相当額については、日本基準では効果が発現すると合理的に見積られる期間にわたって規則的に償却しておりましたが、IFRSでは償却せず、のれん相当額を含む投資全体の減損テストを実施しております。さらに、持分法で会計処理される対象の範囲が日本基準とIFRSで一部異なっております。
日本基準では合理的に見積られたのれんの効果が及ぶ期間にわたって定額法により償却しておりましたが、IFRSでは償却せずに毎期減損テストを行っております。
また、当社グループが特定の子会社を取得した際に締結した、追加の株式を非支配持分から取得する義務を伴う契約について、日本基準では同社の取得と一体の取引として取扱い、支配獲得後に追加取得した持分と取得対価との差額はのれんとして計上しておりましたが、IFRSでは非支配持分との資本取引として資本剰余金に含めております。
日本基準では、市場性のある有価証券は公正価値により測定し、市場性のない有価証券は原則として取得原価により測定しておりましたが、IFRSでは、すべての資本性金融商品を公正価値により測定しております。加えて、日本基準では投資有価証券を売却した際に連結損益計算書及び連結包括利益計算書上で純損益を認識しておりましたが、IFRSではその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産について、売却に係る利得又は損失の累積額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
当社グループは、特定の子会社について、一定の期間経過後に契約上で定められた方式に基づいて算定された価格で追加の株式を非支配持分から取得する義務を負う先渡契約を締結しており、移行日及び前第1四半期連結会計期間末において、IFRS上、先渡契約の現在価値で金融負債を認識しております。また、前第1四半期連結累計期間及び前連結会計年度において、当該その他の金融負債(流動)を事後測定しております。なお、当該義務は前連結会計年度において履行しております。
日本基準では未払有給休暇を計上しておりませんでしたが、IFRSでは負債計上し、その他の流動負債に含めております。
日本基準からIFRSへの調整に伴い一時差異が発生したこと及び繰延税金資産の回収可能性を再検討したことにより、繰延税金資産及び負債の金額を調整しております。
IFRS上、移行日、前第1四半期連結会計期間末及び前連結会計年度末において権利が確定していない新株予約権等について、付与日時点の公正価値で評価しております。
上記調整による利益剰余金への影響は以下のとおりであります。(△は損失)
日本基準に準拠し開示していた連結キャッシュ・フロー計算書と、IFRSに準拠し開示している連結キャッシュ・フロー計算書の主な差異は、リース、子会社株式の追加取得及び信託型ストックオプション関連損失の支払いに係るものであります。
リースについては、日本基準においてはオペレーティング・リースについて賃貸借処理を行っていたため、そのリース料支払額は営業活動によるキャッシュ・フローに区分しておりましたが、IFRSにおいてはリース負債の返済に該当する部分を財務活動によるキャッシュ・フローに区分しております。
子会社株式の追加取得については、特定の子会社の株式を追加で非支配持分から取得する義務を伴う契約について、日本基準においては同社の当初取得時と一体の取引として取扱い投資活動によるキャッシュ・フローに区分しておりましたが、IFRSでは、非支配持分との先渡契約として財務活動によるキャッシュ・フローに区分しております。
信託型ストックオプション関連損失の支払いについては、日本基準においては連結損益計算書で特別損失として表示しており、営業活動によるキャッシュ・フローの小計欄以下で表示しておりましたが、IFRSにおいては売上原価、販売費及び一般管理費並びにその他の費用で表示していることに伴い、営業活動によるキャッシュ・フローの営業債務及びその他の債務の増減に含めて表示しております。
該当事項はありません。