第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

近年における国内のBtoB卸売市場は300兆円規模と推定(※1)されており、非常に大きな市場にも関わらずEC化率は未だ34.9%(EDI(※2)による取引を含む)と、オンライン化されていないBtoB市場は200兆円以上あると考えられます。また、海外市場に目を向けると、BtoB卸売市場規模は数千兆円以上と想定されます。

オークファングループはこの課題に真正面から向き合い解決すべく、コーポレートアイデンティティを「RE-INFRA COMPANY」と定義し、社会の様々な「RE」を統合した唯一無二の再流通インフラを構築し、流通市場のDX化に取り組んでおります。

当社グループは、当社グループの各サービスを利用していただく個人事業者・中小企業のお客様をAppreciator(アプリシエイター)と定義しております。Appreciateは「真価を認める、感謝する、面白く味わう、価値が上がる、買う」などの意味を持ちます。当社が定義するAppreciatorとは「真価を見出し、価値に感謝できる人」と考えており、Appreciatorの皆様が活躍できる社会の実現を目指し事業を推進しております。

 

具体的には、創業来培った700億件を超える売買データとAI技術により商品の時価を可視化、価格と販路を最適化するソリューション事業、Appreciator(中小企業・個人事業主)を中心とした小売・流通業向けに流通を支援するプラットフォーム事業を展開しております。

 

2023年9月期までは、プラットフォーム事業の中核であるNETSEA、NETSEAオークション、オフラインの展示・商談会事業OSR(オーエスアール)におけるオンライン及びオフラインのGMV(流通額)の拡大を狙った積極的なプロモーション等を実施しておりました。また中長期の事業拡大のためには海外BtoB卸売市場への展開が不可欠であると考えており、2022年6月より中国海南省に連結子会社「傲可凡(海南)网絡科技有限公司」を設立し、人口14億人以上の中国バイヤーをはじめ、世界各国への流通インフラ構築に向けた海外向けサービス展開に着手しています。当期は、成長戦略を海外市場にシフトし、既存の国内事業で継続成長を目指しつつ、海外向けサービスのシステム開発等に積極的に投資をしております。

 

※1 経済産業省2023年8月31日発表 電子商取引に関する市場調査、BtoB-EC市場規模の業種別内訳より推察

※2 電子的データ交換(Electronic Data Interchange)の略称。受注や発注、出荷や納品などの流通に関わる一連の取引を電子データでやりとりする仕組み

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は1,116,820千円(前年同四半期比5.3%減)、営業利益は45,424千円(前年同四半期比961.6%増)、経常利益は30,407千円(前年同四半期比736.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は26,341千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失168,773千円)となりました。

 

 

セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より、従来「在庫価値ソリューション」としていた報告セグメントの名称を「ソリューション」、「商品流通プラットフォーム」としていた報告セグメントの名称を「プラットフォーム」に変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。

 

(ソリューション事業)

当セグメントは、データを基にAI技術を活用し在庫の価値を可視化することにより、企業が保有する在庫価値の可視化・最適化等を推進するソリューションを提供しております。主なサービスとしては当社が保有する流通相場データを活用した『aucfan.com(オークファンドットコム)』となり、主たる収益源は有料課金収入及びネット広告収入となります。その他、ネットショップ一元管理サービス『タテンポガイド』の提供、専門知識がなくても直感的に操作できるRPAツール『オークファンロボ』、副業・複業として物販ビジネスを行なう事業主を対象とするスクール形式の副業支援サービス『good sellers(グッドセラーズ)』、Amazonセラー専用アプリ『Amacode(アマコード)』、その他広告運用サービス等を提供しています。

当第1四半期連結累計期間においては、『good sellers(グッドセラーズ)』での法規制にともなうスクール開校数の減少の影響、その他『Amacode(アマコード)』での広告売上の減少等がありました。

これらの結果、売上高633,562千円(前年同四半期比10.5%減)、営業利益122,337千円(前年同四半期比22.1%減)となりました。

 

(プラットフォーム事業)

当セグメントは、企業の在庫・滞留商品等の流通を支援しており、オンライン及びオフラインにて複数のマーケットプレイスを運営しております。主なサービスとしては、BtoB卸モール『NETSEA(ネッシー)』、滞留在庫・返品・型落ち品などの流動化支援を行う『NETSEAオークション(旧 ReValueBtoBモール)』、オフラインの展示・商談会事業『OSR(オーエスアール)展示商談会』等がございます。主たる収益源は、NETSEAでは流通手数料収入及び有料課金収入、NETSEAオークションでは商品販売収入、OSRでは決済手数料収入及び出店料となります。

NETSEAでは前年同期にGMV極大化に向けた積極的なプロモーションを実施しておりましたが、当第1四半期連結累計期間においては、成長戦略を海外市場にシフトしたことに伴いプロモーションを効果的なものに抑制し、GMV並びに売上高が減少しました。また、NETSEAオークションでは大手サプライヤーの返品商品の取り扱いが減少し、GMV並びに売上高が減少しました。

これらの結果、売上高402,782千円(前年同四半期比23.0%減)、営業利益22,133千円(前年同四半期は10,008千円の営業損失)となりました。

 

(インキュベーション事業)

当セグメントは、事業投資及び投資先企業の支援を通じて、当社が中長期にわたり競合優位性を構築・維持していくための知見とネットワークを得ることを目的とした事業セグメントであります。主たる収益源は、営業投資有価証券の売却益・配当収益、投資先企業へのコンサルティング収益となります。なお、当セグメントでは将来成長の基盤となる海外事業等の新規事業開発等も実施しております。

当第1四半期連結累計期間においては、営業投資有価証券の売却収入がありました。

これらの結果、売上高104,945千円(前年同四半期比8,980.2%増)、営業利益8,764千円(前年同四半期は31,706千円の営業損失)となりました。

 

 

(2) 財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況とそれらの主な変動要因は次のとおりです。

① 資産

当第1四半期連結会計期間末における総資産は、6,894,958千円(前連結会計年度末は7,100,239千円)となりました。

流動資産は、5,985,484千円(前連結会計年度末は6,170,637千円)となりました。主な変動要因といたしましては、現金及び預金が68,975千円増加したものの、営業投資有価証券が103,786千円減少、売掛金が77,950千円減少、未収入金が62,261千円減少、商品が16,316千円減少した結果であります。

固定資産は、909,473千円(前連結会計年度末は929,601千円)となりました。主な変動要因といたしましては、ソフトウエアが5,804千円減少、繰延税金資産が3,827千円減少、工具、器具及び備品が2,764千円減少、長期貸付金が2,491千円減少、建物が2,146千円減少、その他(投資その他の資産)が1,485千円減少、のれんが994千円減少した結果であります。

② 負債

当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、2,409,987千円(前連結会計年度末は2,469,419千円)となりました。

流動負債は、2,216,071千円(前連結会計年度末は2,295,529千円)となりました。主な変動要因といたしましては、その他(流動負債)が26,980千円増加、未払金が16,194千円増加したものの、短期借入金が70,000千円減少、契約負債が21,685千円減少、買掛金が16,342千円減少、未払法人税等が8,570千円減少、1年内返済予定の長期借入金が3,334千円減少した結果であります。

固定負債は、193,915千円(前連結会計年度末は173,889千円)となりました。主な変動要因といたしましては、長期借入金が21,665千円減少したものの、繰延税金負債が42,034千円増加した結果であります。

③ 純資産

当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、4,484,971千円(前連結会計年度末は4,630,819千円)となりました。主な変動要因といたしましては、利益剰余金が26,341千円増加したものの、その他有価証券評価差額金が166,709千円減少、資本剰余金が10,850千円減少した結果であります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、20,606千円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。