第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

(重要事象等)

 当社は、複数の金融機関との間で締結したシンジケーション方式による金銭消費貸借契約において、一定の財務制限条項が付されており、前連結会計年度末の財政状態は当該条項に抵触しておりましたが、代官山資産の譲渡代金を原資とした借入金の返済につき2023年4月25日をもって実行しており、本件は解消しております。現状において、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績に関する説明

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、設備投資や輸出などに足踏みがみられるものの、雇用や所得環境が改善するなか、国内景気は緩やかに回復の動きがみられました。しかしながら、世界的な金融引締めや中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが景気の下押しリスクとなっています。またウクライナやパレスチナ情勢、物価上昇、金融資本市場の変動等による影響にも注意を要する状況にあります。

 住宅市場においては、コロナ後の消費行動の変化や価格上昇により、新設住宅着工は弱含んでおり、特に持家の着工数は2年に亘り昨年同月割れと厳しい状況が継続しております。

 このような事業環境の下、当社グループでは、BESS事業において原点回帰を掲げ、LOGWAY等での感動を起点としたファンづくりをベースとする農耕型営業を推進するとともに、集客強化策としてSNS(YouTube、Instagram等)での発信の強化や新商品の開発等を進めてまいりました。

 当第3四半期における新規来場数は前年同期比121.1%と伸長しましたが、連結契約(受注)高においては、梺(ふもと:不動産)事業及び特建(BtoB)事業が安定せず、6,831百万円(前年同期比8.7%減)となりました。それにより、期末契約(受注)残高は6,237百万円と前連結会計年度末比で28.0%減少しており、引き続き契約(受注)増に向けて、営業力の強化に注力していきます。具体的には、以下の取り組みを進めております。

 

・新商品の「三角WONDER 間貫けのハコ」を2023年10月21日に販売開始しました。これは、“つながりのある暮らし”をコンセプトに、日本家屋にある縁側を配して、内装には国産杉をふんだんに使用し、外観はアルマジロをモチーフにシンプルで愛嬌のあるかたちをした商品です。それと同時に、BESSのホームページにおいて本商品の紹介に新表現方法を用いるなど、オウンドメディアによるブランドプロモーションを新たにスタートさせました。2023年12月には、BESS熊谷にて本商品のモデルハウス第1号がオープンしており、この後も、全国にて順次モデルハウスが完成予定となっております。

 さらに、「三角WONDER 間貫けのハコ」シリーズに大きさの違う2タイプを開発し、2024年1月より追加販売を開始しました。

・「栖(すみか)ログ」の魅力向上に向け、顧客からの反響を踏まえ、新たな空間提案で顧客の想像力を引き出し、遊び心を広げるプランやアイテムを追加しました。

・「梺暮らし」に関連し長野県小諸市と移住定住促進を軸とした提携協定を締結しました。なお、小諸市にて宅地販売しておりました「小諸 梅の坂下 FuMoTo」は全20区画を完売しました。

・特建(BtoB)事業において、北海道厚沢部町にて「栖ログ」をベースとした保育園留学の寮を株式会社キッチハイクと共同プロデュースすることとなりました。

・また、日本初となる防火地域での3階建てCLT(直交集成材)ログハウスを東京都福生市で竣工しました。「木材現わし」であるログハウスは、法律上、防火地域では2階までの建築のみとなっていましたが、2023年2月に「90分準耐火構造認定」を取得することで、今回の建築が実現しました。SDGs/脱炭素など環境意識の高まりや2019年建築基準法の一部改正に「木造建築の促進」が盛り込まれたことも背景に、今後は、個人住宅、共同住宅、低層ビル、商業施設も対象にした営業活動を進めていきます。

・上記小諸市と厚沢部町は、創意・工夫ある「地域づくり」の優良事例を表彰する国土交通省の令和5年度「地域づくり表彰」受賞団体に選ばれました。

 

 現在BESS MAGMAとして営業している代官山の資産譲渡に係る引渡しが2023年4月25日に完了しました。なお、本譲渡契約上の明渡しは2025年4月であり、それまでの期間は従来通りに営業を継続します。

 こうした状況のなか、当社グループの当第3四半期連結累計期間における連結売上高は9,639百万円と前年同期比10.4%の減少となりました。連結営業利益については、前期に実施した商品価格改定に伴う売上総利益率の回復があったものの、集客強化のためのマーケティング投資などにより99千円(前年同期は603百万円の損失)となりました。以下、連結経常損失が8百万円(同591百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、代官山資産の売却益が大きく寄与して2,821百万円(同613百万円の損失)となっております。

 

 

セグメント別の状況は以下の通りであります。

① 直販部門

 連結売上高の34.8%(外部顧客売上高ベース)を占める直販部門は、東京都・代官山の「BESS MAGMA」、東京都・昭島の「BESS多摩」及び神奈川県の「BESS藤沢」の直営3拠点で、東京・神奈川圏を中心とする顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。

 当第3四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は3,388百万円(前年同期比7.3%減)となり、セグメント利益は436百万円(同81.5%増)となりました。

 また、セグメント契約(受注)高は2,184百万円(同20.3%減)となりました。

② 販社部門

 連結売上高の28.0%を占める販社部門は、全国の地区販社に対して、BESSブランドと販売システム等を提供するとともに、BESS企画型住宅の部材キット等を供給する事業を行っております。

 当第3四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は、4,176百万円(前年同期比11.7%減)となり、セグメント利益は352百万円(前年同期は227百万円の損失)となりました。

 また、セグメント契約(受注)高は3,051百万円(同9.1%増)となりました。

③ 株式会社BESSパートナーズ(以下、BP社)

 連結売上高の37.2%を占める国内連結子会社グループのBP社は、株式会社BESSパートナーズが運営する千秋(秋田県)、熊谷(埼玉県)、水戸、つくば(茨城県)、富士、浜松(静岡県)、東愛知(愛知県)、糸島(福岡県)、熊本(熊本県)に加え、その連結子会社である株式会社BESS札幌が運営する札幌(北海道)、同じく株式会社BESS岐阜が運営する岐阜(岐阜県)の合計11拠点のBESS LOGWAYによるグループであり、顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。なお、営業の集約化により固定費削減を図るため、不採算拠点となっていた千秋(秋田県)を6月末に、水戸(茨城県)を10月末にそれぞれ閉鎖し、2023年12月末時点の運営拠点は9拠点となりました。

 当第3四半期連結累計期間におけるセグメント売上高は、3,695百万円(前年同期比8.8%減)となり、セグメント損失が94百万円(前年同期は56百万円の損失)となりました。セグメント契約(受注)高は、2,732百万円(同2.2%減)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は前連結会計年度末比で2,496百万円減少の8,698百万円、負債は同5,341百万円減少の4,971百万円、純資産は同2,845百万円増加の3,726百万円となりました。それぞれの主な増減要因につきましては、次の通りであります。

 総資産につきましては、「有形固定資産」が2,731百万円の減少及び「繰延税金資産」が600百万円の減少に対し、「現金及び預金」が1,164百万円増加したこと等によります。

 負債につきましては、「短期借入金」が2,894百万円の減少及び「一年以内返済予定長期借入金」が1,406百万円の減少、さらに「仮受金」が705百万円,「その他流動負債」が405百万円それぞれ減少したこと等によります。

 純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益2,821百万円を計上したこと等によります。

その結果、自己資本比率は42.8%となりました。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

・暮らすログ小屋「栖(すみか)ログ」の魅力向上

 2022年8月の発売から1年以上を経過した栖ログについて、顧客からの反響を踏まえ、新たな空間提案で顧客の想像力を引き出しまた遊び心を広げるプランやアイテムを追加しました。

・「三角WONDER 間貫けのハコ」の開発

 潜在BESSファンの感性を刺激すると共に、原価を躯体から見直し、マーケットプライスを実現できる新商品として開発しました。本商品は、日本家屋にある縁側を配し、室内には国産杉をふんだんに使用した内装とし、外観はアルマジロをモチーフとしたシンプルで愛嬌のあるデザインとなっており、2023年10月21日に発売開始しました。本シリーズにつきましては、さらに大きさの異なる2タイプを2024年1月にリリースしました。

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は91百万円であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。