第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当企業集団は、国際会計基準(IFRS)を適用しております。

 また、国際会計基準(IFRS)に加えて、より実態を把握することができる指標(以下、Non-GAAP指標)を採用し、双方で連結経営成績を開示いたします。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進んだ事により、景気は緩やかな回復傾向が続いております。しかしながら、地政学リスクによる原油・原材料価格等の高騰や世界的な金融引締め等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 この状況下において、コスト削減や新たな働き方を創造するオペレーション効率化のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の最先端技術を活用し、自社だけでなく共創パートナー企業や地域社会、国の成長を重要視するとともに、社会課題解決に関わる人々の自己成長に向けた取り組みが注目されております。

 このような事業環境のもと、当企業集団は、2023年8月の中期経営計画「2024-2026」において、中長期に「成長機会の提供を中心とした、人の成長プラットフォーム」となることを目標としております。不透明な環境下においても誰もが成長・活躍できる機会を提供し共感・共創のサイクルにつなげ、当企業集団の掲げるVISION「価値が溢れ出てくる社会」の実現を目指すとともに、国内外の民間・政府・自治体へサービス提供を行い、同計画にて掲げる目標の達成に向けて取り組んでまいりました。

 

 当第2四半期連結累計期間における売上収益は5,694百万円(前年同期比10.1%減)となりました。EC事業が引き続き好調に推移したものの、主にDX事業においてGoToトラベル事業の終了や全国旅行支援事業の縮小による影響等が生じたことによるものです。

 利益につきましては、営業損失は237百万円(前年同四半期は136百万円の営業利益)となりました。これは主に、DX事業での売上収益の減少による影響の他、引き続き金融関連事業で新製品開発に向けたマーケティング費用等の先行投資が続いていることや、中期経営計画につなげる営業活動への注力、地方創生にかかわる新規サービスの開発、海外事業を推進する体制構築等への積極的な活動を継続していることで費用が先行している影響によるものです。

 税引前四半期損失につきましては、253百万円(前年同四半期は116百万円の税引前四半期利益)となり、法人所得税費用等1百万円を計上した結果、四半期損失は254百万円(前年同四半期は80百万円の四半期利益)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は246百万円(前年同四半期は90百万円の親会社の所有者に帰属する四半期利益)となりました。

 

(国際会計基準(IFRS)ベース)                       (%表示は、対前年同四半期増減率)

 

売上収益

営業利益

税引前四半期利益

四半期利益

親会社の所有者に帰属する四半期利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

2024年6月期

第2四半期

5,694

△10.1

△237

-

△253

-

△254

-

△246

-

2023年6月期

第2四半期

6,336

-

136

-

116

-

80

-

90

-

 

 

(Non-GAAPベース)                            (%表示は、対前年同四半期増減率)

 

売上収益

営業利益

税引前四半期利益

四半期利益

親会社の所有者に帰属する四半期利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

2024年6月期

第2四半期

5,694

△10.1

△238

-

△254

-

△254

-

△246

-

2023年6月期

第2四半期

6,336

-

136

-

117

-

77

-

85

-

 (注)2023年6月期第2四半期の売上収益営業利益及び税引前四半期利益は継続事業の金額に組み替えて表示しているためこれらの対前年同四半期増減率は記載しておりません。

 

 Non-GAAP指標は、国際会計基準(IFRS)から当企業集団が定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。

 Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当企業集団の恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。

 なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当企業集団が判断する一過性の利益や損失のことです。

 Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。

 

 営業利益以下の各項目において投資事業有価証券にかかる損益を控除し、四半期利益以下の各項目において非継続事業からの四半期利益を控除調整しております。

 

 各セグメントの業績については以下の通りです。

 売上収益及びセグメント利益は国際会計基準(IFRS)に基づいて記載しております。

 なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

 報告セグメントの詳細は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記5.セグメント情報」をご参照ください。

 

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① DX事業

 ㈱スカラコミュニケーションズでは、取引額の大きな一部顧客において業界全体の一時的な情勢の変化による影響で案件縮小が発生しました。新規顧客獲得は順調に進んだものの、スカラコミュニケーションズ全体としては売上収益・利益が減少しました。なお、SaaS/ASPにおいては、『i-ask』、『i-search』等の既存サービスが堅調に推移しており、デジタルIDと連携した施設予約システム、乳牛ゲノム検査結果のデータ活用システム等新規サービスの導入も進みました。

 ㈱エッグでは、GoToトラベル事業の終了や全国旅行支援案件の縮小の影響により前年同期に対して売上・利益は減少しました。一方で、デジタル田園都市国家構想交付金の案件の獲得が進んでおり、引き続き案件獲得に注力します。

 以上の結果により、DX事業全体では既存サービス及び新規サービスの導入において一定の成果は得たものの、案件の縮小等の影響により売上収益・利益は減少しました。

 

(単位:百万円)

 

前第2四半期

連結累計期間

当第2四半期

連結累計期間

前年同期比

増減額(率)

売上収益

3,759

2,949

△810(△21.6%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

531

199

△332(△62.5%)

本社費配賦後

200

△128

△329(-)

 

② 人材・教育事業

 採用支援サービス事業では、就職活動の早期化への対応において企業からの採用イベントの出展ニーズが高まりました。特にコロナ期からの反動もあり来場型イベントが既存/新規企業ともに増加しました。これにより売上収益は増加しました。

 一方で、新たな事業領域の展開として、中途転職支援事業及び学生向けキャリア教育事業を開始しており、新規事業開始に伴う人員増強により利益は前年同期に対して減少しました。

 

(単位:百万円)

 

前第2四半期

連結累計期間

当第2四半期

連結累計期間

前年同期比

増減額(率)

売上収益

811

874

63(7.8%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

134

115

△19(△14.3%)

本社費配賦後

105

86

△19(△18.2%)

 

③ EC事業

 EC事業では、SEOやデータフィード広告をはじめとしたデジタルマーケティング等、快適なUI/UXの追求を継続しています。今年初めにリリースしたandroidアプリは順調にユーザー数を伸ばしています。2023年9月にはWEBサイトのフルリニューアルを実施し、新サイトをオープンしました。こうした取り組みにより会員数が順調に増加しています。その結果、売上収益・利益は前年同期に対して増加しました。

 

(単位:百万円)

 

前第2四半期

連結累計期間

当第2四半期

連結累計期間

前年同期比

増減額(率)

売上収益

1,035

1,138

103(10.0%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

168

179

11(6.7%)

本社費配賦後

136

147

11(8.3%)

 

④ 金融関連事業

 金融関連事業においては、売上収益は前年同期に対してほぼ同水準となりました。一方で、マーケティングの強化や新商品開発に伴う先行投資の影響もあり、利益は前年同期に対して減少しました。

 

(単位:百万円)

 

前第2四半期

連結累計期間

当第2四半期

連結累計期間

前年同期比

増減額(率)

売上収益

632

606

△26(△4.1%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

△65

△108

△42(-)

本社費配賦後

△83

△126

△42(-)

 

⑤ インキュベーション事業

 ㈱ソーシャル・エックスにおいては、東京都が「10x10x10(5年で東京発ユニコーン数10倍、東京の起業数10倍、東京都との協働実践数10倍)」の達成を目指す「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)」の協定事業者として、財務リターンと社会的インパクトを両立する社会課題解決型スタートアップの創出・支援をする「官民共創型アクセラレーションプログラム(ソーシャルXアクセラレーション)」を始動、公募を開始しました。その結果、70社の社会課題解決型事業を展開する優良スタートアップからのエントリーがありました。ソーシャルXアクセラレーションは、今後事業会社やCVC等にも展開予定で、既にいくつかの広域自治体からの関心も集めています。

 「逆プロポ」では、イーデザイン損害保険㈱が4度目の公募を開始し、自治体の交通安全企画を募集、多くの自治体からエントリーがありました。また、医療系スタートアップによる、誤嚥性肺炎予防による入院医療費削減にむけた実証実験への協力自治体募集も開始しています。更に、昨年度に続き、中小企業庁「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業」の事務局及び社会課題解決型の事業開発への伴走支援を行っています。

 「脱炭素に向けた地域循環共生に関する協定」における取り組みとして、伊丹市・阪南市・飯南町にて官民共創による自治体のソーシャル・クレジット活用に向けた事業開発を進めています。九州経済産業局と九州オープンイノベーションセンターが九州での官民共創事例創出を目指して主催する「官民共創プロジェクト推進事業」では、九州の自治体・企業向け各ワークショップを実施しました。政府はじめ各所からの注目が集まる中、共創エコノミーの構築に向け、新たな挑戦を続けています。

 ㈱スカラパートナーズでは、地方自治体との包括連携協定締結や、日本ワーケーション協会への加入による幅広い有識者、事業者との関係構築等、地域や事業者とのパートナーシップの強化により更なるサービス強化が進んでいます。オリジナルのワーケーションコンテンツの企画運営力強化やコロナウイルスの第5類移行をきっかけに、ワーケーション実践企業の増加や自治体主催のワーケーションモニターツアー事業受託件数増加等により収益化が進んでいます。

 

(単位:百万円)

 

前第2四半期

連結累計期間

当第2四半期

連結累計期間

前年同期比

増減額(率)

売上収益

95

123

28(30.4%)

セグメント利益

(IFRS)

本社費配賦前

△119

△124

△5(-)

本社費配賦後

△122

△127

△5(-)

セグメント利益

(Non-GAAP)

本社費配賦前

△119

△125

△6(-)

本社費配賦後

△122

△128

△6(-)

 

 財政状態の状況については以下の通りです。

(資産)

 資産につきましては、前連結会計年度末に比べ664百万円減少し、17,652百万円となりました。その主な要因は、棚卸資産の増加109百万円があったものの、未収法人所得税の減少135百万円、使用権資産の減少250百万円及びその他の長期金融資産の減少107百万円等によるものであります。

(負債)

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ30百万円減少し、10,196百万円となりました。その主な要因は、社債及び借入金の増加334百万円、その他の流動負債の減少102百万円及び長期リース負債の減少264百万円等によるものであります。

(資本)

 資本につきましては、前連結会計年度末に比べ633百万円減少し、7,455百万円となりました。その主な要因は、親会社の所有者に帰属する四半期損失246百万円の計上及び配当による利益剰余金の減少320百万円等によるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

  当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ75百万円減少し、

7,664百万円となりました。

  当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、191百万円の流入(前年同期は

42百万円の流入)となりました。この主な要因は、税引前四半期損失253百万円(前年同期比370百万円の減少)の計上、減価償却費及び償却費400百万円(前年同期比1百万円の流入増加)、営業債務及びその他の債務の増減額106百万円(前年同期は156百万円の流入)及び棚卸資産の増減額△112百万円(前年同期は△46百万円の流出)等が生じたことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、7百万円の流出(前年同期は

171百万円の流出)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出△25百万円(前年同期比46百万円の支出減少)、無形資産の取得による支出△25百万円(前年同期比1百万円の支出減少)及び投資有価証券の売却による収入42百万円等が生じたことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、271百万円の流出(前年同期は

816百万円の流出)となりました。この主な要因は、社債の償還による支出△170百万円(前年同期比150百万円の支出増加)、リース負債の返済による支出△283百万円(前年同期比8百万円の支出増加)及び配当金の支払額△323百万円(前年同期比12百万円の支出増加)があったものの、資金調達による借入金の増加499百万円(前年同期は108百万円の流出。「短期借入金の純増減額」、「長期借入れによる収入」、「長期借入金の返済による支出」の合計)等が生じたことによるものであります。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

 当第2四半期連結累計期間において、当企業集団が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当企業集団が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因

 当第2四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。

 

(8) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当第2四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。