第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

(1) 継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、2017年9月期以降継続的な営業損失を計上しており、前連結会計年度においては、277,586千円の重要な営業損失を計上したほか、当期損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しました。また、マッコーリー・バンク・リミテッド(以下、「マッコーリー」といいます。)を割当先とする第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(以下、「CB」といいます。)を発行し、2023年8月31日に210,000千円を調達したものの、当該CBの財務制限条項に抵触した結果、前連結会計年度末時点で継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。当社グループでは、対応策を講じることにより、こうした事象又は状況の解消及び改善に努めておりましたが、今後の資金調達の実行については、資金調達の成否及び調達時期や株価下落などにより当社グループの方針通りに必要な資金調達額を確保できない可能性があること、加えて、マッコーリーによる繰上償還権行使のWaiver(行使をしない意思表示)を継続的に得られるかどうかや事業運営により得られる今後の営業損益が、キャッシュ・フローに及ぼす影響の程度や期間について外部環境に依存することから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められると判断しております。

当第1四半期連結累計期間においては、売上収益は203,269千円、営業利益は13,457千円、四半期利益は37,981千円を計上しましたが、四半期報告書提出日までの間に当該CBで定められた当社普通株式の普通取引の1取引日当たりの平均売買代金に関する財務制限条項に抵触しました。こうした結果、引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が存在しております。

当社グループでは、当該事象又は状況を解消するために「第4.経理の状況 1.要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 1.継続企業の前提に関する注記」に記載の対応策を実施しておりますが、前連結会計年度から引き続き、今後の資金調達の実行については資金調達の成否及び調達時期や株価下落などにより当社グループの方針通りに必要な資金調達額を確保できない可能性があること、加えて、マッコーリーによるWaiverを継続的に得られるかどうかや事業運営により得られる今後の営業損益が、キャッシュ・フローに及ぼす影響の程度や期間について引き続き外部環境に依存することから、現時点において継続企業の前提に関する重要な不確実性があると認識しております。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間(2023年10月1日~2023年12月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の行動規制の緩和に加え、賃上げや雇用情勢の改善により個人消費は緩やかに回復が続くことが期待されています。一方で長期化したウクライナ情勢によるエネルギー価格の高騰や円安進行による物価上昇、各国の政策金利引き上げによる金融不安等の影響により依然として先行きは不透明な状況が続いています。

当社グループを取り巻く市場においては、引き続きインターネット広告市場において、世界全体としてDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が加速し、オフライン媒体と比較してデジタル媒体費の費用効率が良いこともあり、インターネット広告費が社会のデジタル化を背景に継続して成長しており、当社グループにとって追い風となっております。

また、フィンテック市場においても、海外からのインバウンド消費の回復等からの市場の拡大が進み、キャッシュレス決済のニーズが高まり、今後のフィンテック市場においても更なる成長が見込まれると考えております。

このような状況において、当社グループはメディア運営を中心に行っている「デジタルマーケティング事業」、及びデジタルギフト®や給与前払いサービスを中心に展開する「フィンテック事業」の2つの事業を中心に展開をしております。

デジタルマーケティング事業においては、インターネット広告代理等のデジタルマーケティング支援事業と既存事業のメディア運営により、フィンテック事業とのシナジーも生み出せるよう事業を進めております。フィンテック事業においては、従来から運営しているデジタルギフト®に加え、給与前払いサービス『即払い』にも本格的に注力を始めております。

当連結会計年度においても、「デジタルマーケティング事業」、「フィンテック事業」の2つのセグメントを中心とし、特に「フィンテック事業」においては2027年9月期に目標として掲げている流通総額1,000億円の達成に向け、事業推進を行ってまいります。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上収益は203,269千円(前年同四半期比111.9%増)、営業利益は13,457千円(前年同四半期営業損失は61,059千円)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は11,425千円(前年同四半期親会社の所有者に帰属する四半期損失は59,988千円)となりました。

 

a.デジタルマーケティング事業

デジタルマーケティング支援事業と既存事業のメディア運営を展開し、自社商品デジタルギフト®を活用したキャンペーン施策の企画・運用を提供することにより、自社の事業内におけるシナジーを生み出す事業を運営してまいりました。

以上の結果、デジタルマーケティング事業の売上収益は54,078千円(前年同四半期比142.0%増)、セグメント利益41,777千円(前年同四半期比210.7%増)となりました。

 

b.フィンテック事業

国内のキャッシュレス化の浸透、在宅ワークの拡大、副業解禁などにより個人の稼ぎ方がより多様化する社会的背景の中で、現金以上に価値のあるポイントが利用できる報酬支払インフラの構築を目指して事業を運営してまいりました。当第1四半期連結累計期間においては、デジタルギフト®及びデジタルウォレットにおいて、流通総額が四半期累計14億円を突破し、15四半期連続成長を実現しました。2024年9月期の目標である流通総額90億円の達成に向けて更なる成長を目指し、今後も事業間シナジーにより更なるサービス強化を推進してまいります。

以上の結果、フィンテック事業の売上収益は149,191千円(前年同四半期比102.8%増)、セグメント利益は52,597千円(前年同四半期比361.1%増)となりました。

 

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、主に当社グループを取り巻く事業環境にあり、(1)経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

(3) 財政状態の状況

当第1四半期連結累計期間における資産、負債及び資本の状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(資産)

流動資産は、前連結会計年度末に比べて、127,293千円増加し、1,141,983千円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が67,875千円増加、および営業債権及びその他の債権が37,450千円増加したことによるものであります。

非流動資産は、前連結会計年度末に比べて、26,657千円減少し、638,402千円となりました。これは主として、その他の金融資産が24,154千円減少したことによるものであります。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて、100,636千円増加し、1,780,386千円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前連結会計年度末に比べて、120,131千円増加し、1,103,409千円となりました。これは主として、社債及び借入金が83,199千円増加、および営業債務及びその他の債務が21,061千円増加したものであります。

非流動負債は、前連結会計年度末に比べて、38,857千円減少し、128,803千円となりました。これは主として、借入金が19,071千円減少、およびその他の非流動負債が8,928千円減少したものであります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて、81,274千円増加し、1,232,212千円となりました。

 

(資本)

資本合計は、前連結会計年度末に比べて、19,362千円増加し、548,173千円となりました。これは主として、親会社の所有者に帰属する四半期利益11,425千円の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ67,875千円増加し、512,642千円(前年同四半期183,127千円減)となりました。

当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は15,096千円(前年同四半期は186,131千円の支出)となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権の増加37,450千円、およびその他の資産の増加31,448千円等によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は19,962千円(前年同四半期は18,690千円の支出)となりました。これは無形資産の取得による支出19,962千円によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は103,439千円(前年同四半期は20,581千円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増額129,000千円等によるものであります。

 

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、システム投資、人材確保、借入金の返済等であります。また、その資金の源泉といたしましては、営業活動等によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入金等により、必要とする資金を調達しております。

なお、当第1四半期連結累計期間における有利子負債の残高は336,717千円であり、他方、現金及び現金同等物の残高は512,642千円となっております。

前連結会計年度において、マッコーリー・バンク・リミテッドを割当先とする第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行して、210,000千円を調達いたしました。

上記に加えて、財務状況を勘案しながら、当社が保有する自己株式100,000株の売却、第三者割当増資、新株予約権の行使等の手段により必要な資金調達を行っていく予定です。

 

(6) 経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(7) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(8) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(9) 従業員数

①連結会社の状況

当第1四半期連結累計期間において、グループの従業員数は、2023年9月30日時点と比較し1名減少し、2023年12月31日現在で34名となっております。このうち、フィンテック事業にかかる従業員数は、提出会社からの出向も含めて、4名増加し2023年12月31日現在で15名となっております。

②提出会社の状況

当第1四半期累計期間において、フィンテック事業を運営する株式会社デジタルフィンテックへの出向に伴い、2023年9月30日時点と比較し5名減少し2023年12月31日現在で15名となっております。

 

(10) 重要性がある会計方針及び見積り

当社グループの要約四半期連結財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。この要約四半期連結財務諸表の作成に当たり経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に与える見積りが必要となります。経営者は、これらの見積りを行うに当たり過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの要約四半期連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記」3.作成の基礎、4.重要性がある会計方針、5.重要な会計上の見積り及び判断に記載しております。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

(資金の借入)

当社は、2023年12月6日開催の取締役会において、以下の通り借入を決議し、同日に金銭消費貸借契約を締結し、2023年12月22日に借入を実行しました。

1.資金の借入の理由

当社グループは、前連結会計年度において277,586千円の営業損失を計上したほか、当期損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しております。そのため、マッコーリー・バンク・リミテッドを割当先とする第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(以下、「CB」といいます。)を発行し、210,000千円を調達したものの、当該CBの財務制限条項に抵触した結果、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が続いているものと認識しております。

こうした状況を解消するため、以下の概要に記載の通り、資金の借入を実行しております。

 

2.資金の借入の概要

契約締結日:2023年12月6日

借入先:K Legend株式会社

借入金額:130,000千円

借入利率(年率) :3%

借入実行日:2023年12月22日

返済期日:2025年12月末日(営業日)

返済方法:満期一括返済

担保提供資産等:無担保、無保証

借入先との関係:代表取締役社長 菊池誠晃の資産管理会社であります。