当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
当社グループは、前連結会計年度において経常損失が817百万円となり、結果、金融機関との間で締結しているコミットメントライン契約等に付されている財務制限条項に抵触する状況が一時的に発生したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在していると認識しております。
しかしながら、当社と強固な関係にある取引金融機関からは上記状況を認識していただいた上で既存借入金の融資継続に応じていただくご意向を受けており、引き続き金融機関の支援を得られる見通しであります。また、当該抵触を理由とする期限の利益喪失請求を行わないことについて該当の金融機関より承諾を得ております。
収益面においては、市況影響の価格転嫁のみならず、材料の高騰に対応すべく主要部品の内製化や生産拠点の集約による原価低減を推し進めており、今後は収益改善が見込まれます。
以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)における世界経済は、原材料高、物価高はまったくもって変わらずも、業績回復のために飛び廻りに飛び廻った海外出張からも明らかな、人々の更なる往来の回復、大いなる消費の回復を同じく感じるもまったくもって変わらぬ円安の痛み、そして我が社の業績回復の遅々たることとともに、激しく痛感するところであります。
かつてない原材料高や材料調達難、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、膠着化に加え、イスラエル・ガザ戦争及びこれに端を発した中東問題(フーシ派による紅海問題含む)の広域化による長期的なグローバルサプライチェーンの歪み、不透明感により、さらに見通しを立てることが難しくなりました。地政学リスクは更なる高まりを各地で見せ始め、なればこそ変わらず引続きグローバルサプライチェーンにおける綿密なコミュニケーションと精密な舵取りが要求されることは間違いありません。我が社においても変わらず世界中の拠点から生々しい情報を得つつ、最善を望みながらも最悪に備えて参ります。
国内経済におきましても、政局の不安定、物価高がもたらす消費者の苦しみはいつまで続くのかどこまでも不透明であり、一向に暮らし向きの改善が見られない状況もまた変わらずでありますが、回復したインバウンドがもたらすはずの景気回復が、消費者へ還元されることを心から願いてやみません。
進行期のこととなりますが、元日の能登半島地震により、多くの人命、多くの人々の生活が損なわれました。地震、津波、火災の被害に遭われたすべての皆様に謹んで御見舞い申し上げますとともに、被災地及び交通機関等の一刻も早い復旧を願いてやみません。
なお、当社グループについては、地震発生直後からトップ主導において、迅速な傍楽仲間達並びに御仕入先様方々の安否確認、並びにサプライチェーンの被害状況の把握を実施したことにより、七草がゆをすする前には、ものつくれずにならぬことをすべて確認できました。
また、当社は一般財団法人省エネルギーセンター主催による令和五年度省エネ大賞において、ダブル蓄電ハイブリッドシステム「EIBS V」によって、東京電力様とともに「資源エネルギー庁長官賞」を受賞すること叶いました。暗く沈みがちな再生最終局面の暗い闇のなかで、私達傍楽仲間達みんなにとっての黎明となったことを合わせてご報告申し上げます。
このような状況の下、当社グループは、2023年10月4日に「中長期経営計画〈炎のスクラム〉」を策定、発表しました。下記にその「〈炎のスクラム〉策定趣旨及び宣言」「〈炎のスクラム〉のあとがきにかえて」を再び記し、ここに我が社の弛まぬ意志と意欲を表し続けます。引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
〈炎のスクラム〉策定趣旨及び宣言
〈DSA2021再点火反転攻勢版〉の炎を潰えさせぬまま、我が社は、過去に例無く他に類見ぬ上場企業二社同時再生+1、其之最終局面に直面しています。苦闘しています。間も無くのはずの夜明け、其之直前の闇を駆け抜けるに、息が上がり、足ももつれんばかりです。夜明け前の闇が最も暗い事は自明の理、或いは試合終了直前、逆転の許されぬ自陣スクラムが筆舌に尽くし難く苦しい事も言うを待たず、で有ります。されど、足掛け八年闘い抜いてきた「類い希なる強靭な意志と意欲」は更に烈しく炎立つ。再生端緒驚くほど鮮やかに天空に描いたように、此之夜明け前の闇を駆け抜けた時にこそ我が社と我が社の傍楽仲間達が未来に燦然と耀く、左様確信しています。ゆえに「Whatever it takes」、歯を食い縛り、刀を振り回し、一歩でも一寸でも前に出る、連戦猛進しています。此処に、グローバルサプライチェーン崩壊の難局を斬り抜け、真の公器を目指し「サステイナブル=持続可能」な成長を描く新たなビジョン〈車と家を地球環境に資するものづくりでつなぐ〉を掲げ、新中長期経営計画〈炎のスクラム〉を組上げます。
〈炎のスクラム〉のあとがきにかえて
此之新たな中長期経営計画〈炎のスクラム〉を、約一週間の北米出張からの帰国の途上、機上にて策定、執筆しています。文字通り機上の空論ですが机上の空論に非ず、必ずや遂行する所存です。
昨夏から海外渡航が可能に為り、既存御取引の継続御礼及び新規受注を企図してのお客様訪問が漸く叶いました。そして、待ちに待った社長総点検に由る傍楽仲間達との再会。改めて、人と人が共に在ることの大切さ、有難さが身心に深く沁み入ります。
逢えない時間を、我が社のていたらくも有り、きっと心を戸惑わせながらもWEBや電話やメールを駆使して一緒に乗り越えてくださったお客様、御仕入先様方々に衷心より感謝申し上げます。待ちに待ってくれていた世界中の傍楽仲間達におおきに!であります。無論、惨禍の間隙を縫い慎重に丁寧に苦慮と配慮を幾重にも重ねてでも面談を実施して、此之困難之季を更に近い処で一緒に闘って下された金融機関様、All Diamonds企業様方々にも、今一度重ねて衷心より御礼申し上げます。誠に以て有難う御座います。旅の終わり、旅愁のなか、万感胸に迫る想いです。
さて、2017年に投資を決断し、足掛け7年取組んできた〈Project A=アンモニア燃焼技術〉は現在、更なる研究の深化と共に、既報の通り世界初の技術を具現化すべく、チャンピオン試作品を今年度末、2024年3月の完成を目指して我が社のむくつけきエンジニア達が鋭意作成中です。
また、既存の事業同様〈Project A=アンモニア燃焼技術〉をどまんなかに据えた〈車と家を地球環境に資するものづくりでつなぐ〉新たな闘いに於いても、既に連携、御協力賜りております企業様や研究機関様に加えて、日本を手始めに、世界の各地で焔(ほむら)立つ堅牢な〈炎のスクラム〉を組みたい、左様に考えています。
いつの日か、世界中の公道を地球環境に資する我が社の技術を搭載した自動車が走る前に、田畑や海上で御役に立てないか、少しでも早く人々と地球の未来に役立てないか、此之、過去に例無く他に類見ぬ上場企業二社同時再生+1の完遂を足腰に、確かな収益構造を有した筋肉質の会社へと生まれ変わるのは勿論のこと、世界中の人々から在って佳かった、左様仰って頂ける公器へと昇華すべく、少しづつ少しづつ漸進して参ります。
また、我が社が〈Project A〉に次いで進める〈Free as a Bird〉即ちマイクログリッドは、〈車と家を地球環境に資するものづくりでつなぐ〉大いなる試みであると同時に、日本に於ける「ものづくり」の力の源泉である地方の復活、其之底力を喚起する取組みでもあります。今少し先にはなりますが、此之マイクログリッドを追求するということは、其之町で雇用が生まれるということ。鳥取での雇用を取り戻すだけで無く、先ず以て我が社の工場が在る新潟三条、栃木大田原、秋田横手にて同様に産業創出延いては雇用創出に取組み、此之国の地方の底力を呼び醒ましたい、斯様に考えています。極度の円安、物価高、そして何れの人口減を想えば、「夫れ大事を済すは必ず人を以て本と為す」、我が社の〈人々の再生物語〉が更に多くの人々の心温まり勇気湧く豊かな物語につながることを、衷心より願いて止みません。今後も当グループは、中長期経営計画〈炎のスクラム〉に掲げた新ビジョン〈車と家を地球環境に資するものづくりでつなぐ〉に基づき、公器としてお客様の発展に寄与し社会の豊かさに貢献するべく、挙社一致で連戦猛進して参ります。
当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高686億57百万円(前年同期比3.7%増)、営業損失4億17百万円(前年同期は営業損失20億11百万円)、経常損失1億40百万円(前年同期は経常損失19億94百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失18億55百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失20億49百万円)となりました。これは、主に原材料高騰影響の価格転嫁が進み、売上総利益率が改善したことによるものであります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
自動車機器事業は、半導体や材料調達難の解消によるサプライチェーンの回復は見られたものの、自動車メーカー様の生産計画変更の影響を受け、売上高243億41百万円(前年同期比0.6%減)となりました。利益面では、従前より鋭意活動を進めて参りました原材料高騰の価格転嫁やものづくりに於ける生産性改善が進み、セグメント損失は9億17百万円(前年同期はセグメント損失22億65百万円)となりました。
② エネルギーソリューション事業
エネルギーソリューション事業は、蓄電ハイブリッドシステム(EIBS7)が世界的な半導体不足の継続により生産が停滞、また、一部供給停止が継続したことでお客様からの信頼回復が遅滞しておりましたが、メインとなる半導体の入手性の改善により生産の回復、及び、徐々にではありますが、お客様からの信頼回復により売上高165億46百万円(前年同期比4.5%増)となりました。利益面でも上記売上高増加の影響及び原材料高騰の価格転嫁の影響を受け、セグメント利益は14億72百万円(前年同期比35.2%増)となりました。
電子機器事業は、エアコン用リアクタなどの需要は、お客様における在庫調整の影響が続き、低調に推移しましたが、半導体等の電子部品不足に改善が見られたことでグローバルでの制御基板の販売が増加し、売上高268億46百万円(前年同期比3.7%増)となりました。利益面においては一部製品の原材料等コスト上昇により、セグメント利益は6億87百万円(前年同期比14.2%減)となりました。
金型成型事業等を行うダイヤクラフト株式会社の事業セグメントの売上高は9億22百万円、セグメント損失は1億4百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は817億26百万円となり、前連結会計年度末に比べて29億99百万円増加しました。主な増加は、原材料及び貯蔵品11億62百万円、建物及び構築物(純額)10億93百万円、現金及び預金5億53百万円であります。
負債は716億37百万円となり、前連結会計年度末に比べて38億13百万円増加しました。主な増加は、製品補償引当金11億23百万円、長期借入金7億35百万円、リース債務6億16百万円、支払手形及び買掛金5億74百万円であります。
純資産は100億89百万円となり、前連結会計年度末に比べて8億14百万円減少しました。主な増加は、為替換算調整勘定11億36百万円、利益剰余金2億18百万円であり、主な減少は、資本剰余金21億87百万円であります。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の13.7%から12.2%となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
当社グループは「車と家を地球環境に資するものづくりでつなぐ」をビジョンと定め、燃費向上・省エネ・省資源・環境負荷物質の低減等、地球環境問題に対応する新技術の開発に日々邁進しております。また、世界の課題である地球温暖化は深刻度を増しており、当社の扱う電力変換技術を中心としたテクノロジーの重要度はさらに高まっています。
自動車機器事業におきましては、世界の自動車産業が脱炭素へ加速するなか、自動車部品専門メーカーとしてこれまでに培った技術をさらに進化、ハイブリッド自動車から産業機械に至る幅広いエンジン向けとして良品廉価な点火コイル開発、およびその先のカーボンニュートラル社会を見据え、点火システムを軸とした先行開発を推進しており、当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、397百万円となっております。
エネルギーソリューション事業におきましては、カーボンニュートラル/脱炭素化への取り組みに向け、再生エネルギーを活用する蓄電ハイブリッドシステムの開発、および車と住宅を接続して電力を融通し合うV2H(Vehicle to Home)分野での研究開発を推進しており、当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、1,326百万円となっております。
電子機器事業におきましては、ホームエレクトロニクス市場(特に空調機器市場)でもカーボンニュートラル社会への挑戦に向け、更なる省電力化、高付加価値化に取り組んでおります。また、電力変換で培った技術を活かし、今後更なる開発が加速される電動車向けにリアクトル・トランスの開発を進めており、当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、285百万円となっております。
基礎研究の分野では、新燃料での点火・燃焼研究で量産エンジンを用い、点火強化による燃焼限界の拡大について一部の領域で効果が確認できた為、さらなる運転域での効果を確認すべく研究を進めております。
新規事業の分野では、エネルギーのロスである排熱に着目し、熱電発電モジュールを開発するベンチャー企業と共同で、熱電発電システムの開発を進めております。さらには各種機器に搭載されるリチウムイオンバッテリーに対する劣化度診断のニーズが高まっており、これに応えるべく、バッテリー劣化診断装置の開発を進めております。
製品化開発中のものを含め、基礎研究と新規事業に係る当第3四半期連結累計期間における研究開発費の金額は、44百万円となっております。
該当事項はありません。