第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、回復に向けた動きが見られました。また、世界経済においても多くの国で感染症による制限は解消され経済活動は正常化に向かいつつありますが、長引くウクライナ情勢やそれに伴うエネルギー価格の高騰、物価の上昇などによる経済の減速が懸念される状況が続きました。そのような世界経済の影響に加え、国内においては円安の影響もあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 当社が関係しております粘着・接着・香料・電子材料・ラミネート業界におきましては、原材料価格・エネルギー価格の高騰、製品価格競争等により、引き続き厳しい経営環境となりました。

 このような経済情勢のなかで、当社といたしましては、市場や顧客ニーズの変化を的確に把握し、高付加価値製品の開発、国内外の新規顧客の開拓及び取引先との関係強化に積極的に取り組み、販売の拡大に努めてまいりました。また、原材料の高騰や為替の影響を受けるなかで生産の合理化・効率化をはかり、利益の確保に努めてまいりました。

 この結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高9,945百万円(前年同四半期比10.9%増)、営業利益477百万円(同65.2%増)、経常利益767百万円(同16.4%増)、特別利益として投資有価証券売却益196百万円を計上したことなどにより四半期純利益773百万円(同18.0%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① テルペン化学製品

 粘着・接着用樹脂においては、工業テープ用途のテルペンフェノール樹脂が低調に推移した一方、自動車用途の変性テルペン樹脂及び工業用途のテルペン樹脂が好調に推移したことにより増収となりました。化成品においては、香料分野が低調に推移した一方、電子材料分野及び木工用途のワックスが好調に推移したことにより増収となりました。この結果、当事業全体の売上高は7,341百万円(前年同四半期比11.4%増)、営業利益1,214百万円(同47.0%増)となりました。

② ホットメルト接着剤

 ホットメルト接着剤においては、生活用品用途の粘接着剤及び食品用途の押出グレードに加え包装用途の汎用ホットメルト接着剤が好調に推移したことにより増収となった一方、減価償却費の増加により減益となりました。この結果、当事業全体の売上高は2,227百万円(同11.3%増)、減価償却費の増加により営業損失48百万円(前年同四半期は営業利益42百万円)となりました。

③ ラミネート品

 ラミネート品においては、光沢化工紙用ラミネートフィルムが市況の低迷により減収となりました。この結果、当事業全体の売上高は375百万円(同1.9%減)、営業損失0百万円(前年同四半期は営業利益30百万円)となりました。

 

 財政状態に関しましては、次のとおりであります。

(資産、負債及び純資産の状況)

 当第3四半期会計期間末の資産につきましては、前事業年度末に比べ1,139百万円減少し27,527百万円となりました。これは主に、仕掛品、売掛金が増加した一方、現金及び預金、製品、機械及び装置、投資有価証券の減少によるものであります。

 負債につきましては、前事業年度末に比べ1,795百万円減少し7,320百万円となりました。これは主に、長期及び短期借入金、役員退職慰労引当金、買掛金、賞与引当金の減少によるものであります。

 純資産につきましては、前事業年度末に比べ656百万円増加し20,206百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものであります。

 

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、269百万円です。

 なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、世界の景気動向に影響を受ける可能性があります。

 

(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業運営上必要な資金の流動性の向上と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。

 当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関から固定金利の長期借入を基本としております。

 なお、当第3四半期会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は5,341百万円となっております。

 

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。