第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、経済活動の正常化が進むとともに、雇用・所得環境の改善などもあり、個人消費の持ち直しの動きが見られました。しかしながら、エネルギーコストや原材料価格の高騰に伴う物価上昇や、世界規模での金融引き締めや地政学リスク等の影響による景気停滞懸念は依然として残っており、先行きは不透明な状況が続いております。

当社主力事業の食品宅配業界につきましては、新型コロナウイルス感染症をきっかけとしたライフスタイルの変化による調理時間短縮ニーズ等は定着してきている一方、経済活動の正常化のなかで食品宅配に対する消費者の需要の多様化も進んでおります。

このような環境の中、当社グループにおいては、食を支えるインフラ企業として、安定的な商品供給の確保に取り組むとともに、家庭での食の在り方が大きく変化する中でお客さまの潜在的ニーズをいち早く捉え、満足していただける商品・サービスを提案してまいります。また、経営戦略の柱である「国内宅配事業の成長・収益力強化」に向け、カスタマーエクスペリエンスの進化およびローコストオペレーションの取組みを実行しております。また、国内宅配事業で培ったノウハウやシダックス株式会社との協業の促進により、保育園などの施設へ食材提供を行う「国内B2Bサブスク事業」などへの事業ポートフォリオの拡張、「サステナブルリテール戦略」に基づいたフードロスの削減や温室効果ガス削減への取組みの強化を推進しております。

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は89,656百万円(前年同期比2.5%増)、営業利益は4,293百万円(前年同期比30.4%増)、経常利益は4,777百万円(前年同期比55.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,015百万円(前年同期比55.2%増)となりました。

 

① 宅配事業(Oisix)

インターネットを通じて主に食品・食材を直販で宅配事業を行うOisixは、共働きの子育て世代を主要ターゲットとし、プレミアムな時短を実現する商品、サービスを提供しております。

売上高については、ARPU(会員当たり月平均売上高)は新型コロナウイルス感染症の影響による上昇がみられた前年からは低下した一方で、会員数が前連結会計年度(2023年3月期)に実施した大型プロモーションによる効果もあり増加した結果、前年同期と比べ増加しております。セグメント利益についても、2022年1月に発生した物流センター移転時トラブルからのリカバリーコストの解消や、収益力改善施策が奏功していることにより、前年同期と比べ増加しております。

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。

売上高        47,736百万円(前年同期比 6.2%増)

セグメント利益     6,892百万円(前年同期比  7.9%増)

 

 

② 宅配事業(大地を守る会)

カタログやインターネットを通じて主に食品・食材を直販で宅配事業を行う大地を守る会は、シニアの二人暮らし世帯を主要ターゲットとし、"ちゃんとした食生活"のコンセプトの元、ターゲットニーズに沿った新サービスの開発、磨き上げに注力しております。

売上高については、ARPUは新型コロナウイルス感染症の影響による上昇がみられた前年からは低下したことに加え、会員数が減少した結果、前年同期と比べ減少しております。セグメント利益についても、売上高減少に伴い前年同期と比べ減少しております。

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。

売上高        8,746百万円(前年同期比 7.6%減)

セグメント利益    1,860百万円(前年同期比 3.3%減)

 

③ 宅配事業(らでぃっしゅぼーや)

カタログやインターネットを通じて主に食品・食材を直販で宅配事業を行うらでぃっしゅぼーやは、料理を通じて社会貢献をしたい世帯を主要ターゲットとし、「ふぞろいRadish」などの商品に加え、新価値提供のためのサービス開発を進めております。

売上高については、会員数が前年同期と比べて増加したものの、ARPUは新型コロナウイルス感染症の影響による上昇がみられた前年からは低下したため、前年同期と比べ減少しております。セグメント利益については、収益力改善施策の効果が見られたものの、売上高減少の影響もあり、前年同期と比べ減少しております。

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。

売上高        12,671百万円(前年同期比  1.7%減)

セグメント利益     1,912百万円(前年同期比 0.8%減)

 

④ 宅配事業(Purple Carrot)

米国で、ヴィーガンに特化したミールキット等の食品宅配事業を展開するPurple Carrotは、事業構造の強化を優先的に取り組んでいます。

売上高については、ARPUは増加したものの、会員数が減少したことにより、前年同期と比べ減少しております。また、セグメント損失については収益力改善施策の進捗により、前年同期と比べ損失額が減少いたしました。

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。

売上高        6,888百万円(前年同期比  8.2%減)

セグメント損失     283百万円(前年同四半期連結累計期間は494百万円の損失)

 

⑤ その他事業

当セグメントは、ソリューション事業、保育園卸事業、海外事業(Purple Carrotを除く)等からなるその他事業であります。

ISETAN DOORをはじめとする他社EC支援などのソリューション事業の会員数が増加したことや、保育園への業務用ミールキットを含む食品卸を行う保育園卸事業の取引園数が増加したことにより、全体では売上高・セグメント利益ともに増加いたしました。

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。

売上高        14,898百万円(前年同期比 9.3%増)

セグメント利益     1,664百万円(前年同期比 35.2%増)

 

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して9,464百万円増加し、73,966百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比較して7,950百万円増加し、38,631百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加5,268百万円、売上債権の増加3,589百万円、商品及び製品の増加265百万円、未収入金の減少1,329百万円、その他流動資産の増加202百万円によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比較して1,514百万円増加し、35,335百万円となりました。これは、有形固定資産の増加362百万円、無形固定資産の増加213百万円、投資その他の資産の増加938百万円によるものであります。

 

当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末と比較して5,872百万円増加し、44,234百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比較して6,417百万円増加し、32,649百万円となりました。これは主に、買掛金の増加1,624百万円、未払金の減少261百万円、短期借入金の増加4,974百万円、その他流動負債の増加74百万円によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比較して545百万円減少し、11,584百万円となりました。これは主に、リース債務の減少528百万円によるものであります。

 

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比較して3,592百万円増加し、29,732百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益3,015百万円、為替換算調整勘定の増加403百万円によるものであります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

(シダックス株式会社株式に対する公開買付応募契約、取引契約及び株主間契約の締結)

   当社は、2023年11月10日付取締役会において、志太ホールディングス株式会社(以下「志太HD」といいます。)がマネジメント・バイアウト(MBO)に該当する取引の一環として実施する当社の持分法適用関連会社であるシダックス株式会社(以下「シダックス」といいます。)の発行済普通株式(以下「シダックス株式」といいます。)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に当社が所有するシダックス株式の全てを応募する旨の契約を締結することを決議し、同日付で締結いたしました。

    加えて、当社は、同日付取締役会において、①志太HD、志太勤氏及び志太勤一氏との間で、シダックスの非公開化に向けた、本公開買付け及びその後の一連の取引に関し、取引契約を締結すること、②志太勤一氏、志太勤氏、志太正次郎氏、志太富路氏、志太みゆき氏、志太悠真氏、永木亜里紗氏、志太瑛巳里氏及びエスディーアイ株式会社との間で株主間契約を締結することを決議し、同日付で締結いたしました。

 

 契約の概要

契約書名

契約締結日

契約当事者

契約の主な内容

公開買付応募契約書

2023年11月10日

当社

志太HD

本公開買付けを開始した場合、速やかに、当社が所有するシダックスの株式全てについて、本公開買付けに応募することを定めた契約

取引契約書

2023年11月10日

当社

志太HD

志太勤氏及び志太勤一氏

シダックスの非公開化に向けて、本公開買付けの実施及び本公開買付けが成立し、決済が完了した場合、当社は志太HDが実施する第三者割当増資により発行される同社普通株式を引き受けるという一連の取引について定めた契約

株主間契約書

2023年11月10日

当社

志太勤一氏、志太勤氏、志太正次郎氏、志太富路氏、志太みゆき氏、志太悠真氏、永木亜里紗氏、志太瑛巳里氏及びエスディーアイ株式会社(以下、総称して「創業家」といいます。)

志太HDが実施する第三者割当増資後の志太HDに係るガバナンスや運営体制及び株式の取扱いに関する合意、並びにシダックス非公開化後の、シダックスに係るガバナンスや運営体制及び株式の取扱いの合意を行い、創業家及び当社がシダックスグループの事業運営について協力することにより、シダックスグループの中長期的な企業価値向上に資することを目的とした契約

 

 

  当該契約の締結に伴い生じる事象の詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。