名 称 旭化成ホームズ株式会社
所在地 東京都千代田区神田神保町1丁目105番地
普通株式
3 【当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由】
当社は、2023年12月14日開催の取締役会において、下記「(2) 意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、当該取締役会決議は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」に記載の方法により決議されております。
当社は、公開買付者より、本公開買付けの概要につき、以下の説明を受けております。
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社の発行済普通株式(以下「当社株式」といいます。)770,000株(所有割合(注1):32.75%)を所有する当社の筆頭株主であり、当社を持分法適用関連会社としております。なお、公開買付者の完全親会社である旭化成株式会社(以下「旭化成」といいます。)は、本書提出日現在、当社株式を所有しておりません。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2023年11月10日に提出した第73期第2四半期報告書(以下「当社第2四半期報告書」といいます。)に記載された2023年9月30日現在の当社の発行済株式総数(2,378,740株)から当社が2023年11月10日に公表した「2024年3月期第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)」(以下「当社第2四半期決算短信」といいます。)に記載された2023年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(27,647株)を控除した数式数(2,351,093株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の計算において同じです。)をいいます。
公開買付者は、2023年12月14日開催の取締役会において、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社を公開買付者の完全子会社とするための取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて、797,400株(所有割合:33.92%)を買付予定数の下限として設定しており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することにより、当社を完全子会社化することを目的としていることから、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(797,400株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。なお、買付予定数の下限(797,400株)は、当社第2四半期報告書に記載された2023年9月30日現在の発行済株式総数(2,378,740株)から、当社第2四半期決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(27,647株)を控除した株式数(2,351,093株)に係る議決権数(23,510個)に3分の2を乗じた数(15,674個、小数点以下切り上げ)に当社の単元株式数(100株)を乗じた株式数(1,567,400株)について、当該株式数から、本書提出日現在、公開買付者が所有する当社株式の数(770,000株)を控除した株式数(797,400株)としたとのことです。これは、公開買付者が、本取引において、当社を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているところ、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされることから、本取引を確実に遂行すべく、本公開買付け後に公開買付者が当社の総株主の総議決権数の3分の2以上を所有することとなるように設定したものとのことです。
本公開買付けに際して、公開買付者は、2023年12月14日付で、当社の第二位の株主であるアルインコ株式会社(以下「アルインコ」といいます。)との間で、本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約」といいます。)を締結しており、アルインコが所有する当社株式の全て(221,950株、所有割合:9.44%)について、本公開買付けに応募する旨合意しているとのことです。本応募契約の詳細につきましては、下記「(7) 公開買付者と当社の株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項」をご参照ください。
公開買付者は、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、当社の株主を公開買付者のみとし、当社を公開買付者の完全子会社とするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)を実施することを予定しているとのことです。
また、公開買付者は、公開買付者の完全親会社である旭化成より本公開買付けに係る決済の開始日の2営業日前(同日を含みます。)までに、公開買付者からの借入金の弁済として本公開買付けにおける買付資金及びその付随費用等を調達する予定とのことです。
当社は、公開買付者より、本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針につき、以下の説明を受けております。
公開買付者は、旭化成において住宅事業を本格的に立ち上げたのを契機に、1972年11月に旭化成(当時の商号は、現商号である旭化成株式会社への変更前の旭化成工業株式会社)の完全子会社の住宅専業会社として設立されたとのことです。本書提出日現在、公開買付者グループ(公開買付者並びにその子会社及び持分法適用関連会社を総称していいます。以下同じです。)は、公開買付者、連結子会社71社及び持分法適用関連会社11社(当社を含みます。)で構成されており、設立当時より、世代を超えて住み継がれる「ロングライフ住宅」の思想を土台に、フレックスシリーズ(注2)やヘーベルビルズ(注3)をはじめとする商品・サービスを展開してきたとのことです。公開買付者は、公開買付者の完全子会社である旭化成不動産レジデンス株式会社及び公開買付者の完全子会社である旭化成リフォーム株式会社を中心に、お客様の「いのち・くらし・人生」を支える住まいづくりの「HEBEL HAUS」(へーベルハウス)をマスターブランドとして多様な専門性を持つグループ会社が一体となって“安心で豊かな暮らし”を実現していくために事業を展開しているとのことです。
(注2) 「フレックスシリーズ」とは、重量鉄骨を用いた都市型住宅のことをいいます。
(注3) 「ヘーベルビルズ」とは、工業化手法により高品質・高精度の建築を可能とする中高層ビルのことをいいます。
公開買付者グループは、主に建築請負部門、不動産部門、リフォーム部門、海外事業部門の事業部門で構成されているとのことです。昨今では、カーボンニュートラルな社会実現への貢献の一つとして、脱炭素社会に向け参加した「RE100」(注4)における当初目標達成年度であった2038年の更なる繰上げを2021年8月に宣言したのと同時に、戸建及び集合住宅の双方においてZEH(注5)の普及を促進したとのことです。また、海外事業部門においては、2022年11月に米国で住宅用配管、躯体、電気、基礎の工事を行う建築サプライヤー企業の買収、続く2023年2月には豪州で戸建住宅の建設・販売を行う企業の買収を行い、公開買付者の事業エリアの拡大を行っているとのことです。
(注4) 「RE100」とは、企業が自らの事業の使用電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブのことをいいます。
(注5) 「ZEH」とは、net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略語で、家庭で使用するエネルギーと、再生可能エネルギーの収支を実質的にゼロ以下にする家のことをいいます。
公開買付者は2022年4月に策定した『2030年のあるべき姿Vision for 2030:「お客様から、社会から必要とされるEssential Company・住まいを創る会社から、人生を創るLife Design Company・働く人が輝くHappiness Company』を目指しこれまで進めてきた「良質なストックの追求」「拡大への挑戦」を支える重要な戦略の柱としての積極的な投資や社会課題の解決、そしてお客様と従業員満足の更なる向上といった新戦略体制の整備に取り組んでいるとのことです。また、2023年2月、公開買付者は、「働く人が輝くHappiness Company」の実現に向け本社オフィスのリニューアルを実施し、社員がチームや個人にとって最適な場所を自律的に選択しながら働くことで、生産性の向上や風通しの良い職場環境の実現を目指しているとのことです。
一方、当社は、1951年3月に建設工事用鋼管の販売を目的とする中央商事株式会社として設立され、建設現場における足場仮設工事の安全と、木材資源保護のため、従来の丸太足場から鋼管による足場に着目し、1953年4月には我が国で初めて鋼製仮設機材の製造・販売を開始するとともに商号を中央仮設鋼機株式会社に変更しました。更に、1954年7月には、新たに鋼管構造物の設計・施工を開始し、建築部門にも進出しました。その後、工場建屋・倉庫等の建築物の設計・施工の売上比重が増したことから商号が事業実態にそぐわないと判断し、1969年9月に現商号に変更しております。また、当社株式については、1961年5月に社団法人日本証券業協会東京地区協会に店頭売買銘柄登録を行い、同年10月に東京証券取引所市場第二部に上場し、2022年4月に東京証券取引所における市場区分の見直しに伴い、東京証券取引所スタンダード市場へ移行しております。なお、当社は、2021年12月17日に「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下「本計画書」といいます。)を開示しておりますが、その後、2023年12月14日開催の当社取締役会において、上場廃止を前提とした本公開買付けに賛同する旨の意見を決議したことから、本公開買付けが成立することを条件として、本計画書を撤回することを併せて決議しております。
当社は、「変革と共存 ~未来に向けて~」という企業理念に基づき、中央ビルト工業宣言に定める「5C」(Customers First・Changes・Collaborations・Communications・Compliances)を実践することで、持続可能な成長と長期的企業価値の向上を実現し、広くステークホルダーと一体となって持続可能な社会の実現に貢献することを目指して企業活動に取り組んでおります。
当社は、仮設業界のパイオニアとして、仮設機材の販売・賃貸を行う仮設機材事業と住宅用鉄骨部材の受託加工である住宅鉄骨事業を収益部門の二本柱としてこれまで事業展開を行っておりますが、足元の状況において、住宅鉄骨事業では、住宅用鉄骨部材の受託加工を拡大しており、更なる生産増大に対応すべく環境整備を計画的に進めております。また、仮設機材事業においては、主要材料である鉄・アルミ・亜鉛メッキ鋼板等の原材料価格及び工場稼働に必要となる電気料金・軽油・ガソリン等のエネルギー価格の高騰により、製造コストが増加しており、収益確保のため価格への転嫁を行ったものの、同業他社との価格競争が激化する等の事業環境の変化が生じており、このような状況の中、当社は、堅調な業績推移が見込まれる住宅鉄骨事業をベースとして、直近4事業年度連続してセグメント損益が赤字である仮設機材事業の業績回復のための経営改善施策を中心とした中期経営計画(以下「本中期経営計画」といいます。)を2023年6月23日付で新たに策定し、計画達成に向け以下の施策に取り組んでおります。
仮設機材事業
(ⅰ)利益重視・採算性アップへの方針転換
・ 一部製品の海外も含めたOEM製造によるコスト削減
・ 資材供給体制(機材センター)の見直しによる間接コスト削減
・ 機材統括部設置により保有機材の効率化を図り新規投資を抑制
(ⅱ)「お客さまのニーズに寄り添う」ことを徹底し、共同開発等に注力して新商品開発を加速
・ 顧客特注品や既存商品のカスタマイズ品の共同開発を通じた既存顧客との関係強化
・ オリジナルニッチ商材メーカーとして同業者との差別化の推進
(ⅲ)販売推進部の人員増強により販売力強化を図り、新規顧客開拓を推進
・ 販売推進部の増員及び販売推進部と技術商品開発部間の情報共有の促進による開発スピードの加速
・ 千葉工場内における仮設展示場の新設
住宅鉄骨事業
(ⅰ)フレックスシリーズ向け鉄骨部材の品質管理の徹底と安定生産
(ⅱ)ヘーベルビルズ向け鉄骨部材の増産に向けた設備投資、人員の増強
当社は、1985年8月に、公開買付者の完全親会社である旭化成(当時の商号は旭化成工業株式会社、2001年1月に現商号に変更)との間において業務提携を開始し、旭化成及び旭化成を経由して公開買付者に対して住宅用鉄骨部材の供給を開始しました。その後、当社は、1987年10月に、公開買付者及び旭化成のフレックスシリーズの上市に伴い、公開買付者及び旭化成への部材供給の充実を図るため、千葉工場内に専用生産ラインを設置しました(なお、1985年8月から、公開買付者が旭化成の住宅事業を吸収分割により承継するまでの2003年10月1日までの間は、公開買付者及び旭化成いずれにおいても住宅事業を行っており、当社からの住宅用鉄骨部材の仕入れについては旭化成が一括して行い、旭化成より公開買付者に住宅用鉄骨部材を供給する体制となっておりました。2003年10月1日以降は、公開買付者のみが住宅事業を行うことになったため、当社より公開買付者が直接供給を受ける体制となり、本書提出日現在では、当社より公開買付者の完全子会社である旭化成住工株式会社(以下「旭化成住工」といいます。)が供給を受ける体制となっています。)。2010年以降、公開買付者のフレックスシリーズ拡販戦略で棟数が増えたことにより、公開買付者におけるBCP(事業計画強化)の必要性が増し、更にその後発売されたヘーベルビルズの主要マーケットである関東エリアでの生産体制の整備も求められるようになると、これまで培ってきた相互の信頼・協力関係をより強固なものとするには、住宅用鉄骨部材の供給に係る取引関係を維持・継続するだけではなく、公開買付者及び当社の間において資本提携を行い、両社間の協力関係を強化する機運が高まりました。
その後、公開買付者は、当社との相互の事業基盤を有効に活用し、将来の成長に向けた競争力強化を目指し、関東地区における住宅用鉄骨部材の生産体制の強化、コストダウンを実現するためのノウハウの共有を含む協業を行うことを目的として、当社との間で2017年2月14日付で業務及び資本提携契約(以下「本業務資本提携契約」といいます。)を締結し、2017年3月3日付でアルインコから当社株式4,600,000株を相対取引により、また、公開買付者を割当先とする当社による第三者割当増資を引受けることにより3,100,000株(当時の所有割合(注6):13.17%)をそれぞれ1株当たり150円で取得し、当社株式を合計で7,700,000株(当時の所有割合:32.72%)所有する当社の筆頭株主となり、当社を持分法適用関連会社としました。その後、当社は2017年10月1日に10株を1株とする株式の併合を行い、公開買付者の所有する当社株式は770,000株(所有割合:32.75%)となり、現在に至っております。
(注6) 本段落における「当時の所有割合」とは、当社が2017年6月23日に提出した第66期有価証券報告書に記載された2017年3月31日現在の発行済株式数(23,787,400株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(252,000株)を控除した数(23,535,400株)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。
公開買付者及び当社は、本業務資本提携契約を締結して以来、経営情報の交換や人材交流を通して競争力強化を行い、相互の事業基盤の活用及びノウハウの共有を含む協業を行うことで、互いの連携を深めてきました。一方で、昨今における公開買付者及び当社が属する国内住宅市場においては、新型コロナウイルスの影響による行動制限の緩和を受けた社会経済活動の活発化に伴い、事業環境の改善が期待されるものの、原材料価格の高騰やウクライナ情勢、円安の影響による物価上昇等、先行き不透明な状況が続いており事業環境が大きく変化しております。また、株式会社野村総合研究所が推計・予測する日本における「2023~2040年度の新設住宅着工戸数」によると、持家の新設住宅着工戸数は、建築コストの上昇や住宅ローン金利の先高観による消費マインドの冷え込みの影響で2022年度の86万戸から、2030年度には74万戸、2040年度には55万戸と減少していく見込みであり、住宅需要については厳しい状況にあると公開買付者では考えているとのことです。
かかる状況下、旭化成住工株式会社を通じて、当社より建築請負部門の国内売上高の約半分の鉄骨部材の供給を受けている公開買付者は、当社の強みである住宅用鉄骨部材の供給能力と品質の安定性を活かし、上記のような厳しい事業環境においても更なる事業拡大を図る必要があると認識したとのことです。そのためには、当社との間での協業体制における機動的な情報交換や迅速な意思決定を図る必要があるものの、現在の出資比率では、当社が上場会社であるため少数株主の利益に配慮した事業運営を行う必要があることから、営業上の秘密を含む情報の共有に制約があり、2023年3月中旬、公開買付者として、本業務資本提携契約で企図していた「将来の成長に向けた競争力強化」を今後推進することが難しいと認識するに至ったとのことです。また、当社は、有価証券報告書等の作成・情報開示、監査、株主総会の運営や株主名簿管理人の設置費用といった上場維持にかかるコストに加えて、コーポレートガバナンス・コードにおいて、独立社外取締役の比率を高める等、上場会社として種々の対応事項が求められることによって発生するコストを負担しており、公開買付者は、当社の事業拡大に向けた経営資源に制約が生じているものと考えているとのことです。
かかる認識に基づき、公開買付者は、2023年3月下旬、今後より一層の事業拡大を図っていくためには、当社との資本関係を更に強化し、これまで以上の一体化した経営を行うことにより、協業体制の構築や経営資源・ノウハウの最大化、意思決定の迅速化・簡素化、事業成長への経営資源の集中を図り、当社の収益力の向上と成長に伴う利益を享受する必要があるとの考えに至ったとのことです。他方で、以下のシナジーの創出に向けた各施策の実行は、当社の中長期的な企業価値の向上の観点からは必要と考えられるものの、短期的には資本市場から十分な評価を得ることができず、当社の少数株主の利益を損なう可能性も否定できないことから、公開買付者は2023年7月下旬に当社を公開買付者の完全子会社とすることが最適であると考えるに至ったとのことです。
なお、公開買付者が、本取引において想定している具体的なシナジー効果は以下のとおりとのことです。
(ⅰ)シームレスな協業体制構築によるサプライチェーンの強化
新築住宅の建築・販売を行う公開買付者と住宅用鉄骨部材の供給を行う当社において、より一体的な事業運営を行うことでシームレスな協業体制の構築が可能になると考えているとのことです。例えば、公開買付者と当社においては、これまでへーベルハウス・ヘーベルビルズ向け鉄骨部材の当社に対する製造委託を中心に連携し関係を強化して参りましたが、当社の完全子会社化後においては、当社のみのノウハウで運営されていた品質や安全に対する取り組みが、公開買付者並びに公開買付者の完全親会社である旭化成のノウハウが共有化されることで、更なる品質向上や安全対策強化などの各種改善・改良活動を行うことができ、より緊密な供給体制を構築することによってサプライチェーンの強化をすることができると考えているとのことです。
(ⅱ)経営資源・ノウハウの最大化
公開買付者の完全親会社である旭化成及び当社はそれぞれが独立した上場会社であることから、独立した事業運営を行う必要があり、公開買付者及び当社との間では、公開買付者及び公開買付者の完全親会社である旭化成が保有する業務効率や生産性の改善・改良などのノウハウを当社が利用すること、公開買付者の完全親会社である旭化成が一元管理を行うグループファイナンス(CMS)を活用することによる、資金運用の効率化や金融コストの削減のメリットを享受することに制約があるとのことです。当社が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者及び当社が経営インフラ(具体的には、共通ITシステムを利用することによる管理統制の強化、グループ人材育成プログラム等の利用、財務基盤の活用が考えられるとのことです。)の相互利用が可能となる体制を構築することにより、経営資源・ノウハウの最大化を図れると考えているとのことです。
(ⅲ)公開買付者グループの経営戦略を踏まえた意思決定の迅速化・簡素化
当社は公開買付者の子会社ではなく、いわゆる親子関係にはないものの、公開買付者は、当社の筆頭株主であり、当社を持分法適用関連会社としており、また、当社の取締役7名のうち公開買付者の出身者が1名、公開買付者の従業員を兼務している者が1名いるところ、公開買付者と当社の少数株主の皆様との間には利益相反の関係があると考えられるため、公開買付者主導のガバナンスや公開買付者グループ内における経営資源の配分に制約が課せられるものと認識しているとのことです。また、当該利益相反関係が存することから、公開買付者と当社との間では、当社の少数株主の利益にも配慮した慎重な判断をする必要があり、その結果として、公開買付者グループと当社における共通の経営戦略を推進するにあたっては、相応の協議、プロセスを要することもあり、迅速な意思決定や機動的な施策の実行が困難になる事態も生じているとのことです。その一方で、当社の更なる企業価値向上を達成するためには、将来を見据えた投資分野の選択や製品開発の高度化等、事業運営における柔軟かつ迅速な意思決定が重要となるところ、本取引により、上述の利益相反関係を解消した上で、公開買付者と当社との間の意思決定プロセスの簡素化を実現し、安定供給と品質確保の観点からの顧客ニーズへの迅速な対応を可能とする組織運営の強化を図れると考えているとのことです。
このような認識や考えのもと、公開買付者は2023年4月上旬に本取引の本格的な検討を開始し、2023年7月上旬、公開買付者、旭化成及び当社並びにアルインコから独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)を、2023年7月上旬には法務アドバイザーとして西村あさひ法律事務所・外国法共同事業をそれぞれ選任したとのことです。その後、公開買付者は、2023年7月24日、当社に対して、公開買付者の社内で本取引の検討を開始した旨及び本取引について具体的に協議を開始したい旨を伝達し、当社は、2023年7月27日、公開買付者に対して、協議に応じる旨の回答をしました。これを受け、公開買付者は、2023年8月26日、本取引の背景及び目的、想定されるシナジー及びスケジュールを記載した意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を当社に対して提出しました。これに対して、当社は、2023年9月1日、公開買付者に対し、適切な社内検討体制の整備を含め、公正性担保措置を講じた上で正式な検討を開始する旨の回答をしました。そして、公開買付者は、2023年8月下旬から2023年11月上旬まで当社に対してデュー・ディリジェンスを実施するとともに、2023年11月15日には、当社が設置した本特別委員会(下記に定義します。以下同じです。)に対して、本取引の意義・目的、本取引の概要について説明を行うとともに、本特別委員会からの質疑に対する回答を行いました。
また、2023年11月中旬以降は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)について協議を重ねてまいりました。具体的には、2023年11月15日、公開買付者は当社に対して、デュー・ディリジェンスによって開示された当社の貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書、2023年11月14日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値、同日までの過去1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間の市場株価の終値の単純平均値、当社より受領した2024年3月期から2028年3月期までの事業計画を基礎とし、公開買付者において一定の調整を行った収益予測を前提として算定したみずほ証券による株式価値試算結果及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、本公開買付価格を665円(2023年11月14日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値532円に対して25.00%、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値542円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して22.69%、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値557円に対して19.39%、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値541円に対して22.92%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算について同じです。)を加えた価格。)とすることを提案しました。これに対し、当社は、2023年11月20日、公開買付者に対し、公開買付者、旭化成及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である株式会社AGSコンサルティング(以下「AGSコンサルティング」といいます。)による当社株式の株式価値の試算結果、過去に公表された類似事例のプレミアム水準等を踏まえ、当該提案価格について本特別委員会とともに検討し、当該提案価格は、当社の企業価値を適切に反映したものではなく、当社の少数株主の利益保護の観点から不十分であると考えたことから、本公開買付価格の再考を要請しました。これを受け公開買付者にて再度検討を行い、2023年11月22日、当社に対して、本公開買付価格を705円(2023年11月21日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値530円に対して33.02%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値539円に対して30.80%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値556円に対して26.80%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値541円に対して30.31%プレミアムを加えた価格。)とすることを再提案しました。これに対し、当社は、2023年11月27日、公開買付者に対し、AGSコンサルティングによる当社株式の株式価値の試算結果、過去に公表された類似事例のプレミアム水準、一般株主による当社株式の推定取得価額、当社株式の市場株価の水準(PBR(株価純資産倍率)の水準を含みます。)等を踏まえ、2023年11月22日に提案された本公開買付価格は、依然として当社の企業価値を適切に反映したものではなく、当社の少数株主の利益保護の観点から不十分であると考えたことから、本公開買付価格の更なる引き上げ及び公開買付者から提案する本公開買付価格の設定根拠を示すよう要請しました。公開買付者は、当社からのかかる要請について改めて真摯に検討し、2023年11月29日、当社に対して、本公開買付価格を740円(2023年11月28日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値539円に対して37.29%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値537円に対して37.80%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値556円に対して33.09%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値541円に対して36.78%プレミアムを加えた価格。)とすることを再提案しました。また、公開買付者は、提案する本公開買付価格が、当社より受領した事業計画に対し、公開買付者にて一定の調整を加えた事業計画を用い算出したディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づくみずほ証券による試算結果に鑑みれば、十分に魅力的な提案であると判断しており、また、一般株主の取得株価にかかる分析を踏まえても十分な価格及びプレミアム率であると認識している旨の説明も行いました。これに対して、当社は、2023年12月4日、公開買付者に対して、AGSコンサルティングによる当社株式の株式価値の試算結果、過去に公表された類似事例のプレミアム水準、一般株主による当社株式の推定取得価額、当社株式の市場株価の水準(PBR(株価純資産倍率)の水準を含みます。)等を踏まえ、2023年11月29日に提案された本公開買付価格について本特別委員会とともに慎重に検討した上で、当該提案価格は、当社の少数株主の利益への配慮という観点から、相当程度の配慮をしているものと捉えているものの、本取引の実行によるシナジーを加味しておらず、将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準ではないこと及び当社株式を長期間保有している株主の利益に対しても最大限の配慮が必要であると考えたとのことから、本公開買付価格の更なる引き上げを要請しました。これを受け公開買付者は、当社からの回答を真摯に検討し、様々なステークホルダーの利益に最大限配慮する観点から、2023年12月6日、当社に対して、本公開買付価格を750円(2023年12月5日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値534円に対して40.45%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値537円に対して39.66%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値553円に対して35.62%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値542円に対して38.38%プレミアムを加えた価格。)とすることを再提案しました。その後、公開買付者は、2023年12月11日、当社より、当社の少数株主の利益への配慮を理由に、引き続き本公開買付価格の再検討を要請する旨の回答を受けましたが、2023年12月13日、当該提案価格は、公開買付者として提示可能な最大限度の価格であり、これ以上の価格の引上げには応じられないとして、改めて本公開買付価格を750円とする旨の提案を行いました。これに対し、同日付で当社は当該最終提案を受諾する旨の回答を行いました。
また、公開買付者は、上記当社との間の協議及び交渉と並行して、アルインコに対して2023年11月15日に本応募契約のドラフトを提示し、本取引を実施する意向がある旨を説明するとともに、本公開買付けへの応募について打診を行ったところ、同日、アルインコから本取引の趣旨に賛同し、本公開買付けへの応募を前向きに検討する旨の回答を得たとのことです。その後、公開買付者は、アルインコとの間で本公開買付けへの応募に関して協議・交渉を実施し、2023年12月14日、本公開買付価格を750円とすることを含めた本応募契約を締結したとのことです。
以上の検討、協議及び判断を踏まえ、公開買付者は、2023年12月14日開催の取締役会において、本取引の一環として、本公開買付けを実施することを決議したとのことです。
公開買付者は、上記「(ア)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本取引を通じて当社を公開買付者の完全子会社とすることにより、協業体制の構築や経営資源・ノウハウの最大化、意思決定の迅速化・簡素化、事業成長への経営資源の集中の実現に向けた最適な経営体制の構築に取り組んでいく方針とのことです。
なお、本書提出日現在において、当社の取締役7名のうち公開買付者の出身者が1名、公開買付者の従業員を兼務している者が1名おります。本取引後の当社の経営体制については、本公開買付けの成立後、当社の現在の経営体制を尊重しつつ、双方の企業価値を更に向上させる観点から公開買付者及び当社との間で協議を行い決定していく予定であり、現時点で具体的に決定又は合意している事項はなく、また、当社との間で当社の経営体制に関して交渉は行っておりませんが、公開買付者としては、公開買付者から1名以上の取締役を派遣することを想定しているとのことです。
当社は、2023年7月24日に、公開買付者から本取引について本格的な検討を開始した旨及び本取引について具体的に協議を開始したい旨の説明を受けました。当社は、本取引を実施することにより公開買付者の完全子会社になることは、公開買付者グループとのより一層の連携強化や対外信用力の強化を通じて当社の企業価値向上に資する可能性があるとの初期的判断に基づき、2023年7月27日に、公開買付者に対して本取引に係る協議に応じる旨を回答しました。その後、2023年8月26日付で、公開買付者から本取引に関する本意向表明書の提出を受けたことから、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性その他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、2023年9月上旬に、公開買付者、旭化成及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてAGSコンサルティングを、また、公開買付者、旭化成及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして岩田合同法律事務所を、それぞれ選任しました。また、当社は、同月上旬から、岩田合同法律事務所から受けた本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定に関する留意点等についての法的助言を踏まえ、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始しました。
更に、当社は、本取引が当社の主要株主かつ筆頭株主による持分法適用関連会社の買収に該当し、公開買付者と当社又は当社の少数株主との間に構造的な利益相反及び情報の非対称性の問題が存することを鑑み、本取引の公正性を担保し、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の利益の確保を目的として、2023年9月1日開催の当社取締役会の決議に基づき、特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置いたしました。本特別委員会は、2023年9月14日、公開買付者、旭化成及び当社からの独立性並びに専門性に問題がないことを確認の上、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてAGSコンサルティングを選任すること、並びにリーガル・アドバイザーとして岩田合同法律事務所を選任することをそれぞれ承認しております。
その上で、本特別委員会は、2023年11月中旬、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本取引の意義・目的、本取引の概要について公開買付者の説明を受けるとともに、質疑応答を行いました。
また、当社は、2023年11月中旬以降、本取引の目的や取引条件、本取引が当社に与える影響、本取引後の経営方針の内容や足元の株価動向を踏まえ、本特別委員会の指示その他の実質的関与の下で、本公開買付価格について協議を重ねてまいりました。具体的には、本公開買付価格について、2023年11月15日に当社が公開買付者から、デュー・ディリジェンスによって開示された当社の貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書、2023年11月14日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値532円、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値542円、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値557円、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値541円、当社より受領した2024年3月期から2028年3月期までの事業計画を基礎とし、公開買付者において一定の調整を行った収益予測を前提として算定したみずほ証券による株式価値試算結果及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、本公開買付価格を665円とする旨の提案を受けた後、当社は、当社の第三者算定機関であるAGSコンサルティングによる当社株式の株式価値の試算結果、過去に公表された類似事例のプレミアム水準等を踏まえ、当該提案価格について本特別委員会とともに検討し、当該提案価格は、当社の企業価値を適切に反映したものではなく、当社の少数株主の利益保護の観点から不十分であると考え、2023年11月20日、公開買付者に対して、本公開買付価格の再考を要請しました。2023年11月22日には、本公開買付価格を705円とする旨の提案を受け、2023年11月27日、当社は、公開買付者に対し、AGSコンサルティングによる当社株式の株式価値の試算結果、過去に公表された類似事例のプレミアム水準、一般株主による当社株式の推定取得価額、当社株式の市場株価の水準(PBR(株価純資産倍率)の水準を含みます。)等を踏まえ、当該提案価格について、依然として当社の企業価値を適切に反映したものではなく、当社の少数株主の利益保護の観点から不十分であると考え、本公開買付価格の更なる引き上げ及び公開買付者から提案する本公開買付価格の設定根拠を示すよう要請しました。2023年11月29日、当社は、公開買付者から本公開買付価格を740円とすることの再提案を受け、公開買付者の提案する本公開買付価格が、当社より受領した事業計画に対し、公開買付者にて一定の調整を加えた事業計画を用い算出したDCF法に基づくみずほ証券による試算結果に鑑みれば、十分に魅力的な提案であると判断しており、また、一般株主の取得株価にかかる分析を踏まえても十分な価格及びプレミアム率であると認識している旨の説明を受けました。それを受け、2023年12月4日、当社は公開買付者に対し、AGSコンサルティングによる当社株式の株式価値の試算結果、過去に公表された類似事例のプレミアム水準、一般株主による当社株式の推定取得価額、当社株式の市場株価の水準(PBR(株価純資産倍率)の水準を含みます。)等を踏まえ、2023年11月29日に提案された本公開買付価格について本特別委員会とともに慎重に検討した上で、当該提案価格は、当社の少数株主の利益への配慮という観点から、相当程度の配慮をしているものと捉えているものの、本取引の実行によるシナジーを加味しておらず、将来的に実現することが期待される価値のしかるべき部分が当社の株主に適切に分配された価格として十分な水準ではないこと及び当社株式を長期間保有している株主の利益に対しても最大限の配慮が必要であると考え、本公開買付価格の更なる引き上げを要請しました。2023年12月6日、当社は、公開買付者から本公開買付価格を750円とすることの再提案を受け、2023年12月11日、当社は公開買付者に対し、本公開買付価格に一定の合理性が認められるものと考えているものの、当社の少数株主の利益に最大限配慮する観点から、本公開買付価格の更なる引き上げを要請しました。その後、2023年12月13日、当社は、公開買付者から、当該提案価格は、公開買付者として提示可能な最大限度の価格であり、これ以上の価格の引上げには応じられないとして、改めて本公開買付価格を750円とする旨の提案を受け、当社は、同日付で、当該最終提案を受諾する旨の連絡をし、本公開買付価格を750円とすることで実質的な合意に至りました。
更に、当社は、リーガル・アドバイザーである岩田合同法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けると共に、フィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるAGSコンサルティングから、本取引に関する財務的見地からの助言及び2023年12月13日付の当社株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の提出を受けました。その上で、当社取締役会は、本特別委員会から2023年12月14日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受け(本答申書の概要については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)、本答申書の内容を踏まえ、本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その上で、当社取締役会においては、本特別委員会が公開買付者から受けた説明の内容及び公開買付者との間での質疑応答の内容並びに本答申書の内容等を踏まえ、本公開買付けを含む本取引には、以下のメリットが認められることから、当社の企業価値向上に資するものであると考えるに至りました。
当社は、公開買付者が販売する新築住宅に使用する鉄骨部材について、公開買付者の完全子会社である旭化成住工から材料の供給を受け、製造業務を受託しております。しかしながら、当社は上場会社として、公開買付者グループとの取引は少数株主の利益に配慮した慎重な検討が求められ、経営資源の共有や迅速な意思決定には一定の制約があり、現在の資本関係のままで協業体制をより一層拡大することは困難な状況にあるものと考えております。
本取引により当社が公開買付者の完全子会社となることで、少数株主が存在する中で一定の制限があった公開買付者と当社の間の更なる連携強化が可能となります。また、公開買付者グループと一体感を持った迅速な意思決定が可能となることによる、公開買付者が展開する住宅事業における部材供給のサプライチェーンのより一層の協業の推進(例えば、これまでのへーベルハウス・ヘーベルビルズ向け鉄骨部材の製造受託を中心とした連携から、公開買付者の首都圏を中心とした営業展開と当社の千葉工場という好立地性も生かした連携体制の拡大等)は、当社の収益力の向上に繋がるものと考えております。
また、当社が展開する仮設機材事業に関しても、当社が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者と当社との間の更なる連携強化及び公開買付者グループと一体感を持った迅速な意思決定が可能となる結果、建設事業を展開する公開買付者グループとの間で、より一層の協業の推進(例えば、当社と公開買付者グループとの間における仮設機材の共同開発の推進等)が可能となり、当社の収益力の向上に繋がるものと考えております。
当社の住宅鉄骨事業は2017年2月の本業務資本提携契約以降、住宅用鉄骨部材の受託加工を拡大している一方で、品質の安定、労働安全衛生の改善が課題であると認識しております。
本取引により、公開買付者グループと事業会社の枠を超えた人材交流をより一層促進することが可能となり、公開買付者との間での製造情報の一元化による事務作業の効率化や、教育体制の充実による管理面を含めた製造ノウハウの共有化を進めること等により、当社の経営課題である品質の安定及び労働安全衛生の改善を図ることができると考えております。
当社は、必要運転資金の調達において主として金融機関からの借入を利用しておりますが、本取引により、公開買付者の完全親会社である旭化成が一元管理を行うグループファイナンス(CMS)の活用による財務的な支援や信用力の補完を受けることが期待でき、当社の資金調達力の向上や調達コストの軽減等を通じて、当社の財務基盤の強化を図ることができると考えております。
当社は、本取引を通じて当社株式が非公開化されることにより、監査費用のほか、株主総会運営費用や株主名簿管理人への事務委託に関する費用等の固定的なコストを削減することが可能となります。当社が上場を維持するための業務やコスト負担は、会社法の改正、コーポレートガバナンス・コードの改訂、新市場区分における上場維持基準等に対応するため年々大きくなっており、当社株式が非公開化されることによって、これらに要する業務及びコスト負担を軽減できると考えております。
なお、株式の非公開化に伴う一般的なデメリットとして、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなることや、社会的信用力の低下、人材採用が難しくなるなど、上場会社として享受してきたメリットを非公開化以後享受できなくなること等が挙げられます。もっとも、旭化成が行うグループファイナンス(CMS)の利用や旭化成のグループ会社として信用力の補完を受けることが期待できることを踏まえると、エクイティ・ファイナンスによる資金調達の必要性は低く、また、社会的信用力・人材採用の面においても、旭化成のグループ会社の一員としてのブランド力・信用力を活用できることを踏まえると、本取引の実施により不利益が生じる可能性は低く、むしろ良い影響が生じる可能性があると考えられることから、株式の非公開化によるデメリットは限定的であり、更に株式の上場を維持するために必要な人的・経済的コストを踏まえれば、株式の非公開化によるメリットの方が大きいと考えております。
また、当社取締役会は、以下の諸点等を踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(a) 本公開買付価格は、下記「(3) 算定に関する事項」に記載されているAGSコンサルティングによる当社株式の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果(529円~546円)の上限を上回るものであり、また、DCF法に基づく算定結果(559円~909円)の中央値を超える金額であること、
(b) 本公開買付価格は、本公開買付けの公表日の前営業日である2023年12月13日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値529円に対して41.78%、2023年12月13日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値534円に対して40.45%、過去3ヶ月間の終値単純平均値546円に対して37.36%、過去6ヶ月間の終値単純平均値543円に対して38.12%のプレミアムがそれぞれ加算されており、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2023年11月14日までに成立した支配関係のない会社同士かつ完全子会社化を目的とした公開買付けの事例(ただし、MBO案件を除く。)64件におけるプレミアム水準の中央値(公表日の前営業日の終値に対して43.45%、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して44.56%、公表日の前営業日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して45.28%、公表日の前営業日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して53.82%)との関係で必ずしも高い水準とは評価できないものの、上記事例におけるプレミアム分布を10%刻みで分析した結果、公表日の前営業日の終値に対するプレミアム率では40%台が、過去1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の終値単純平均値に対するプレミアム率では30%台がそれぞれ最頻値であり、本公開買付価格のプレミアム率(本公開買付けの公表日の前営業日である2023年12月13日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値529円に対して41.78%、2023年12月13日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値 534円に対して40.45%、過去3ヶ月間の終値単純平均値546円に対して37.36%、過去6ヶ月間の終値単純平均値543円に対して38.12%)は同等の水準にあることから、相応のプレミアムが付された価格であると評価できること、
(c) 本公開買付価格は、当社の2023年9月30日現在の簿価純資産額である2,555百万円を自己株式控除後の発行済株式総数(2,351,093株)で割ることにより算出した1株当たり簿価純資産1,087円を下回っているものの(31.00%のディスカウント)、純資産は将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視することは合理的でないと考えていること。また、仮に当社が清算する場合、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、即時・一括の売却が困難と考えられる汎用性の乏しい製造工場や、本社、支店及び機材センターの各建屋等は建築後相当程度の年月が経過し老朽化していることを踏まえると帳簿価額での売却が困難であり、更地にした上での売却が必要であることが見込まれ、その場合には、建物等の土地の上に存する資産は取り壊しが必要になることから該当する資産の帳簿価額の大部分は毀損することが見込まれること、製造工程の製品や仕掛品、原材料・貯蔵品の換価額は、スクラップ価値を基準としたものとなり、相当程度の毀損が見込まれること(具体的には、当社の貸借対照表(2023年9月末)上、製品688百万円、仕掛品450百万円、原材料・貯蔵品395百万円、建物・構築物(純額)589百万円、機械装置・工具器具備品・リース資産(純額)142百万円、合計2,265百万円(総資産に占める割合23.45%)に対し、金額を明確に算出しているわけではないものの、相当程度の毀損が見込まれます。)、更に、企業の清算に伴い、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の相当程度の追加コストの発生も見込まれること等に鑑みると、当社の清算価値は、現実的には簿価純資産額から相当程度に毀損された金額となることが想定され(なお、当社においては、清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得までは行っておらず、本公開買付価格が、具体的な検討を経て概算された想定清算コスト等を勘案して算出される、想定の清算価値を上回っていることの確認までは行っておりません。)、1株当たり簿価純資産が当社株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用し難いと考えていること、
(d) 今般の東京証券取引所の市場区分の見直しにおいて、新市場区分であるスタンダード市場の上場維持基準として、流通株式時価総額10億円以上の基準が設けられている中、2023年3月31日現在における当社の流通株式時価総額が6.27億円であることを踏まえると、直ちに上場廃止になるわけではないものの、当該基準への抵触により将来的に当社の上場維持が困難となるおそれがあると認識しており、本取引を行うことは、当社の少数株主にとっても、当社株式の上場廃止に伴う不利益を回避しつつ当社株式の売却機会を提供するものとして、望ましい選択肢となる可能性があると考えられること、
(e) 本取引に関しては、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を解消するための措置が採られており、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件の決定に際し、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、
(f) 本公開買付価格は、上記本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と公開買付者との間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等と評価できる協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること、より具体的には、当社が、本特別委員会とともに、各アドバイザーから専門的な知見等について助言を受けて検討した上で、公開買付者との間で真摯かつ継続的に、協議・交渉を重ねた結果として、公開買付者が当初提案した価格から大幅な引き上げがなされた価格であること、
(g) 下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、本公開買付価格を含む本取引の条件が妥当であると認められると判断されていること、
以上より、当社は、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値向上に資するものであり、かつ本公開買付価格を含む本取引に係る諸条件は少数株主の利益を含む株主共同の利益に資するものであると判断したため、2023年12月14日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、当社取締役会の決議の詳細については、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」をご参照ください。
当社は、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会における意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者、旭化成及び当社から独立した第三者算定機関としてAGSコンサルティングに当社株式の株式価値の算定を依頼し、2023年12月13日に当社株式価値算定書を取得しました。
なお、AGSコンサルティングは、公開買付者、旭化成及び当社の関連当事者には該当せず、本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会において、AGSコンサルティングの独立性及び専門性に問題がないことが確認されております。また、本取引に係るAGSコンサルティングによる当社へのフィナンシャル・アドバイザー業務及び株式価値算定業務に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりAGSコンサルティングを当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
AGSコンサルティングは、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の株式価値算定に当たり採用すべき算定手法を検討した上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社の将来の事業活動の状況を評価に反映するためDCF法を用いてそれぞれ株式価値の算定を行いました。なお、当社は、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、AGSコンサルティングから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
市場株価法 :529円から546円
DCF法 :559円から909円
市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である2023年12月13日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日の終値529円、同日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値534円、同日までの過去3ヶ月間の終値の単純平均値546円、同日までの過去6ヶ月間の終値の単純平均値543円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を529円から546円までと算定しております。
DCF法では、当社が作成した当社の2024年3月期から2028年3月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2024年3月期第3四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことにより当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を559円から909円までと算定しております。
なお、本事業計画には大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれており、具体的には、2025年3月期においては、仮設機材事業における内製から外注化の推進、機材センターの集約による地代家賃の減少等のコスト削減を主因として営業利益が前事業年度比112百万円、それに加え、前事業年度比で設備投資を抑制することを要因にフリー・キャッシュ・フローが前事業年度比281百万円増加することを見込んでおります。2026年3月期は、仮設機材事業における更なる外注化比率の向上による製造原価の減少等を主因として、営業利益が前事業年度比94百万円、フリー・キャッシュ・フローが前事業年度比105百万円増加することを見込んでおります。2028年3月期は、継続した設備投資の抑制による減価償却費の減少を主因として、営業利益が前事業年度比107百万円増加することを見込んでおります。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、当社が上場廃止になることによる上場維持費用の削減を除き、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味しておりません。
(注) AGSコンサルティングは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。ただし、AGSコンサルティングは、算定の基礎とした本事業計画について、複数回に亘って当社と質疑応答を行い、その作成経緯、内容及び当社の現状を把握した上で、それらに不合理な点がないかという観点から、本事業計画の合理性を確認しております。
なお、AGSコンサルティングがDCF法の算定の前提とした本事業計画は、当社が2023年6月に公表した本中期経営計画における各事業年度の計画数値を上回る内容となっておりますが、この点について、本特別委員会において審議がなされており、下記「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「④ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本中期経営計画における計画数値は、当社が本中期経営計画以前に策定・公表した3度の中期経営計画がいずれも未達であった実績に鑑み、達成確度が高いと見込まれる保守的な水準として設定したものであるため、当社は、AGSコンサルティングが当社株式の価値算定を行うにあたり再策定する本事業計画では、足元の市況を踏まえ、努力要素を十分に織り込んだ上で実現可能性を見込むことができる水準に設定することが適切であると判断しました。本事業計画は、作成経緯に関して当社から本特別委員会に対して詳細な説明を行い、作成の前提、内容等について質疑応答を行った上で、その合理性について本特別委員会の確認及び承認を受けたものであり、本中期経営計画における財務数値と本事業計画に差異が生じていることに関しては、本特別委員会としても、合理的であると判断しております。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本取引の一環として、本公開買付けを実施するとのことです。また、本公開買付けにより当社株式の全て(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後に、以下の方法により、本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する当社株式に係る議決権の数の合計が当社の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員に対し、その所有する当社株式の全てを売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社がその取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、当社の株主全員(公開買付者及び当社を除きます。)から、その所有する当社株式の全てを取得するとのことです。そして、当該各株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社の取締役会において、かかる株式売渡請求を承認する予定です。
株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、当該申立てがなされた場合の売買価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する当社株式に係る議決権の数の合計が当社の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者は、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「株式併合」といいます。)を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを当社に要請する予定とのことです。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。また、本書提出日現在においては、本臨時株主総会の開催日は、2024年4月上旬頃を予定しています。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定めに従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。なお、当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格について、公開買付者は、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、当社に要請する予定とのことです。また、当社株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定とのことです。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められています。なお、当該申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、当社株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続が実行された場合、当社株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
本書提出日現在において、当社は公開買付者の子会社ではなく、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当いたしません。もっとも、①公開買付者は、当社株式を770,000株(所有割合:32.75%)所有することにより当社を持分法適用関連会社としており、当社の第二位の株主であるアルインコとの間で本応募契約を締結していること、②当社の取締役7名のうち公開買付者の出身者が1名、公開買付者の従業員を兼務している者が1名存在すること、③本公開買付けの結果、公開買付者が当社の支配株主となった場合、本公開買付け後に予定されている本スクイーズアウト手続は、支配株主による従属会社の買収に該当するところ、本取引はこれらを一連の取引として行うものであることを踏まえ、本取引の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避すべく、公開買付者及び当社は以下の措置を講じております。
なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、797,400株(所有割合:33.92%)を買付予定数の下限として設定しており、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」(当社第2四半期報告書に記載された2023年9月30日現在の当社の発行済株式総数(2,378,740株)から、当社第2四半期決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(27,647株)及び公開買付者が所有する本書提出日現在の当社株式数(770,000株)を控除した株式数(1,581,093株)に係る議決権の数(15,810個)の過半数に相当する数(7,906個)に相当する当社株式数(790,600株))を上回るものとなります。
また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者、旭化成及び当社並びにアルインコから独立した第三者算定機関として、フィナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、みずほ証券から取得した株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を参考にしたとのことです。また、公開買付者は、本「(6) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の措置の実施を通じて、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えられることから、みずほ証券から、本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。なお、みずほ証券は、公開買付者、旭化成及び当社並びにアルインコの関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。
みずほ証券は、当社の貸借対照表、損益計算書及びキャッシュフロー計算書、2023年12月13日を基準日とする当社株式の終値529円、同日までの過去1ヶ月間の市場株価の終値単純平均値534円、3ヶ月間の市場株価の終値単純平均値546円、6ヶ月間の市場株価の終値単純平均値543円等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から採用すべき算定手法を検討した結果、市場株価基準法及びDCF法の各手法を用いて当社株式の価値算定を行ったとのことです。上記各手法において算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価基準法:529円から546円
DCF法 :552円から1,047円
市場株価基準法では、2023年12月13日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値(529円)、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値(534円)、同日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値(546円)及び同日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値(543円)を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を529円から546円と算定したとのことです。
DCF法では、当社から提供を受けた事業計画(2024年3月期から2028年3月期までの5年間)を基礎とし、直近までの業績の動向、公開買付者が2023年8月下旬から同年11月上旬まで当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して公開買付者において調整を行った当社の将来の収益予想に基づき、当社が2024年3月期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を552円から1,047円と算定したとのことです。なお、当該事業計画は、本取引の実行を前提としていないとのことです。また、上記DCF法の算定の基礎となる当社の事業計画については、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれており、具体的には、2025年3月期においては、仮設機材事業における内製から外注化の推進、機材センターの集約による地代家賃の減少等のコスト削減を主因として営業利益は前事業年度比で102%以上となる増加を見込み、それに加え、前事業年度比で設備投資を抑制することを要因にフリー・キャッシュ・フローは前事業年度比黒字化することを見込んでいるとのことです。2026年3月期は、仮設機材事業における更なる外注化比率の向上による製造原価の減少等を主因として、営業利益が前事業年度比で41%以上増加、フリー・キャッシュ・フローが前事業年度比で33%以上増加することを見込んでいるとのことです。2028年3月期は、継続した設備投資の抑制による減価償却費の減少を主因として、営業利益が前事業年度比で36%以上増加することを見込んでいるとのことです。
(注) みずほ証券は、当社の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報が、全て正確かつ完全なものであること、また本公開買付価格の分析・算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としてこれに依拠しており、独自にそれらの正確性の検証を行っていないとのことです。加えて、当社の財務予測に関する情報については、当社の経営陣による現時点での得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成され、公開買付者の経営陣がその内容を精査した上でみずほ証券による価値算定において使用することを了承したことを前提としているとのことです。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。みずほ証券の算定は、2023年12月13日までの上記情報を反映したものとのことです。
公開買付者は、みずほ証券から取得した公開買付者株式価値算定書に加え、2023年8月下旬から同年11月上旬まで当社に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、当社の取締役会による本公開買付けへの賛同の有無及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果を踏まえ、最終的に2023年12月14日、本公開買付価格を750円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である750円は、本公開買付けの公表日の前営業日である2023年12月13日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値529円に対して41.78%、2023年12月13日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値534円に対して40.45%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値546円に対して37.36%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値543円に対して38.12%のプレミアムをそれぞれ加えた価格とのことです。
上記「(3) 算定に関する事項」に記載のとおり、当社は、本公開買付けを含む本取引に関する当社取締役会における意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者、旭化成及び当社から独立した第三者算定機関としてAGSコンサルティングに当社株式の株式価値の算定を依頼し、2023年12月13日付で当社株式価値算定書を取得しております。なお、AGSコンサルティングは、公開買付者、旭化成及び当社の関連当事者には該当せず、本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
また、本特別委員会において、AGSコンサルティングの独立性及び専門性に問題がないことが確認されております。なお、本取引に係るAGSコンサルティングによる当社へのフィナンシャル・アドバイザー業務及び株式価値算定業務に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれております。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりAGSコンサルティングを当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。
当社株式価値算定書の概要につきましては、上記「(3) 算定に関する事項」をご参照ください。
当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定に慎重を期し、その公正性及び適正性を確保するために、公開買付者、旭化成及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして選任した岩田合同法律事務所から、2023年9月上旬以降、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、岩田合同法律事務所は、公開買付者、旭化成及び当社の関連当事者には該当せず、本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
また、本特別委員会において、岩田合同法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことが確認されております。同事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
当社は、2023年9月1日の取締役会において、企業価値の向上及び少数株主の利益の確保を図る観点から、本取引の是非や取引条件の妥当性についての交渉及び判断が行われる過程全般にわたってその公正性を担保するため、公開買付者、旭化成及び当社から独立性を有する委員の3名(当社の社外取締役(監査等委員)兼独立役員である岡本直也氏(弁護士)、当社の社外取締役(監査等委員)兼独立役員である実野現氏(弁護士)、外部有識者である座間陽一郎氏(公認会計士・税理士、座間会計事務所 代表))から構成される本特別委員会を設置することを決議いたしました(なお、本特別委員会の委員は、設置当初から変更しておらず、また、委員の互選により、本特別委員会の委員長として岡本直也氏を選定しております。)。なお、当社は、座間陽一郎氏が公認会計士・税理士として本取引と同様の類型の取引につき豊富な経験を有していることを理由として、外部有識者としての就任を依頼しております。また、本特別委員会の各委員の報酬は、本取引の成否に係わらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対して、(ⅰ)本取引の目的の正当性・妥当性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本公開買付価格を含む本取引の取引条件の公正性・妥当性、(ⅲ)本取引に係る手続の公正性、(ⅳ)本取引を行うことが当社の少数株主にとって不利益でないと考えられるか、及び、(ⅴ)上記(ⅰ)乃至(ⅳ)を踏まえ、当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決定することの是非を諮問し(以下(ⅰ)乃至(ⅴ)の事項を「本諮問事項」といいます。)、本諮問事項についての答申書を当社取締役会に提出することを委嘱しました。また、併せて、当社は、本特別委員会に対して、(a)当社が公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与する権限(必要に応じて、公開買付者との交渉方針に関して指示又は要請を行うこと、及び、自ら公開買付者と交渉を行うことを含む。)、(b)本取引に関して、必要に応じて、本特別委員会が自ら財務若しくは法務等のアドバイザーを選任し(この場合の費用は当社が負担する。)、又は、当社が選任するアドバイザーを指名若しくは承認(事後承認を含む。)し、専門的助言を求める権限、並びに、(c)当社の役職員に対して、本特別委員会への出席を要求し、また、本諮問事項の検討及び判断に必要な情報の提供を要求する権限の各権限を付与しております。更に、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、上記委嘱に基づく本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとすることを決議いたしました。
本特別委員会は、2023年9月14日より2023年12月13日まで合計11回にわたって開催されたほか、会合外においても電子メール等を通じて、意見表明や情報交換、情報収集等を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項について、前記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、慎重に検討及び協議を行いました。
具体的には、まず、2023年9月14日開催の第1回特別委員会において、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるAGSコンサルティング並びにリーガル・アドバイザーである岩田合同法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ、フィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関並びにリーガル・アドバイザーとして承認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。
更に、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認しております。
その上で、本特別委員会は、(a)当社から、当社の事業の状況、事業環境、経営課題、本取引の当社事業に与える影響等について説明を受けるとともに、当社に対して、本取引が当社に与える影響等について質問状を送付し、これに対して書面で回答を得た上で、質疑応答を実施しております。また、(b)公開買付者に対しても、当社の事業の状況、事業環境、経営課題を含む本取引の背景・経緯・本取引によって創出が見込まれるシナジー効果の有無を含む本取引の意義・目的・本取引後の経営方針等について質問状を送付し、これに対して書面で回答を得た上で、質疑応答を実施しております。更に、(c)当社から、本事業計画について説明を受け、質疑応答を行った上で本事業計画の合理性について確認・承認し、AGSコンサルティングからも、当社株式価値算定書の内容、方法等について説明を受け、質疑応答を実施し、(d)岩田合同法律事務所からは、本取引の手続面における公正性を担保するための措置並びに本取引に係る当社の取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について説明を受け、これらの事項について質疑応答を実施しております。加えて、(e)提出された本取引に係る関連資料等により、本取引に関する情報収集が行われ、これらの情報も踏まえて本諮問事項について慎重に協議・検討を行っております。また、本特別委員会は、当社から、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適宜に報告を受けた上で、公開買付者から本公開買付価格について最終的な提案を受けるまで、複数回に亘り当社との間での交渉の方針等について協議を行い、当社に対して指示又は要請を行う等して、公開買付者との交渉過程に実質的に関与しております。
本特別委員会は、このように本諮問事項について慎重に検討・協議した結果、2023年12月14日に、当社の取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。
公開買付者によれば、本取引の目的は、当社との資本関係を更に強化し、これまで以上の一体化した経営を行うことにより、協業体制の構築や経営資源・ノウハウの最大化、意思決定の迅速化・簡素化、事業成長への経営資源の集中を図り、当社の収益力の向上と成長を実現することにあるとのことである。他方、当社は、現在の当社の公開買付者との取引関係等を踏まえると、現在の資本構造を維持しつつ当社単独での上場維持を目指すよりも、本取引により公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者グループとのより一層の連携強化や対外信用力の強化を図る方が、当社の企業価値の向上に資すると考えている。
当社は、公開買付者が販売する新築住宅に使用する鉄骨部材について、公開買付者の完全子会社である旭化成住工から材料の供給を受け、製造業務を受託している。この点、本取引により当社が公開買付者の完全子会社となることで、少数株主が存在する中では一定の制限があった公開買付者と当社の間の更なる連携強化が可能となり、また、公開買付者グループと一体感を持った迅速な意思決定が可能となる結果、公開買付者が展開する住宅事業における部材供給のサプライチェーンに関し、より一層の協業の推進を行うことができ、当社の収益力の向上に繋がるものと考えられる。
また、当社が展開する仮設機材事業に関しても、当社が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者と当社との間の更なる連携強化及び公開買付者グループと一体感を持った迅速な意思決定が可能となる結果、建設事業を展開する公開買付者グループとの間で、より一層の協業の推進(例えば、当社と公開買付者グループとの間における仮設機材の共同開発の推進等)が可能となり、当社の収益力の向上に繋がるものと考えられる。
したがって、本取引の実行により、当社と公開買付者グループとの協業体制をより一層強化することができる結果、当社の収益力を向上させることが可能となり、本取引の目的が達成されることが期待できるものと評価できる。
また、本取引により当社が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者との間での製造情報の一元化による事務作業の効率化や、教育体制の充実による管理面を含めた製造ノウハウの共有化を進めること等により、当社の経営課題である品質の安定及び労働安全衛生の改善を図ることができると考えられる。さらには、当社は、運転資金を調達する手段として、主として金融機関からの借入れを利用しているところ、公開買付者の完全親会社である旭化成が一元管理を行うグループファイナンス(CMS)の活用による財務的な支援や信用力の補完を受けることが可能となると考えられる。
以上の各事項等により、本取引の実行により当社が公開買付者の完全子会社になることで、当社の収益基盤・事業基盤が強化され、当社の中長期的な企業価値の最大化が図られると考えられる。
その一方で、本取引により生じ得るデメリットとして、本取引により当社が上場廃止することに伴う資金又は資本調達や社会的信用力や人材採用力への影響が想定される。もっとも、前記のとおり、本取引により当社が公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者の完全親会社である旭化成が行うグループファイナンス(CMS)の利用により資金調達が可能となるとともに、公開買付者の完全親会社である旭化成は、上場会社であり高い社会的信用及び認知度を有していると考えられることから、本取引により当社が上場廃止したとしても対外的な信用力を補完することが可能であり、むしろ社会的信用力や人材採用力の更なる維持・向上が図られるともいえ、本取引によるデメリットは、仮に存在するとしても、本取引の実行にあたり特段の支障にはならないと評価できる。
これらに加えて、公開買付者においては、本取引の実行後、当社の住宅鉄骨事業及び仮設機材事業のいずれについても原則として継続することを予定し、現在の当社の従業員の雇用及び処遇を原則として維持することを想定しており、また、当社との間でグループ人材育成プログラムの相互利用を可能とする体制の構築等も検討しているとのことであることを踏まえると、公開買付者は、当社の従業員の取扱いについて当社の企業価値の維持・向上の観点から適切な方針を有しているといえることや、本取引と同様の効果を生じさせることが期待できる本取引以外の代替手段は想定されないと考えられることをも踏まえると、本公開買付けを含む本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであり、その目的は正当性・妥当性を有すると認められる。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者、旭化成、及び当社から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるAGSコンサルティングに対して、当社株式の株式価値の算定を依頼し、当社株式価値算定書を取得した。
本公開買付価格の公正性・妥当性の前提として、当社株式価値算定書の信頼性について検討すると、まず、AGSコンサルティングによる当社株式の1株当たりの株式価値の各算定方法は、いずれも一般的な算定方法と認められる。また、AGSコンサルティングがそれぞれの算定方法を採用した理由についても、不合理な点は認められない。当該各算定方法に基づく算定結果は、経験豊富な第三者算定機関であるAGSコンサルティングにより算定されたものであり、当社株式の1株当たりの株式価値の算定結果にも不合理な点は認められない。さらに、上記算定方法及びその結果の前提となる財務予測や前提条件等についても、いずれも不合理な点は認められない。
上記算定の基礎となる本事業計画については、当社が2023年6月に公表した本中期経営計画における各事業年度の計画数値を上回る内容となっているとのことであるが、その理由としては、本中期経営計画における計画数値は、当社が本中期経営計画以前に策定・公表した3度の中期経営計画がいずれも未達であった実績に鑑み、達成確度が高いと見込まれる保守的な水準として設定したものであるため、当社は、AGSコンサルティングが当社株式の価値算定を行うにあたり再策定する本事業計画では、足元の市況を踏まえ、努力要素を十分に織り込んだ上で実現可能性を見込むことができる水準に設定することが適切であると判断し、本事業計画を再策定したとのことである。また、本事業計画について、AGSコンサルティングは、複数回に亘って当社と質疑応答を行い、その作成経緯、内容及び当社の現状を把握した上で、それらに不合理な点がないかという観点から、本事業計画の合理性を確認しているとのことである。これらを踏まえ、本特別委員会は、複数回にわたり委員会会合を開催し、本事業計画の作成について、当社担当者に対して直接ヒアリングを行い、その内容・根拠、作成経緯・過程等について確認の上、AGSコンサルティングの助言を受けつつ慎重に審議・検討した結果、本事業計画の客観性又は合理性を疑わせる事情は認められず、適切に作成されたものであることが確認できたことから、本特別委員会として、本事業計画は合理的と評価できる事業計画であり、本事業計画を前提として当社株式の価値算定を行うこと及び本事業計画を公開買付者に提出することを承認した。以上より、当社株式価値算定書には信頼性が認められると評価できる。
本公開買付価格である750円は、上記のとおり信頼性の認められる当社株式価値算定書における市場株価法による算定結果のレンジの上限を上回っており、また、当社株式価値算定書におけるDCF法による算定結果のレンジの中央値を超える金額でもあることからすれば、本公開買付価格は当社株式価値算定書における株式価値算定の結果との関係で妥当な範囲内にあると評価できる。
なお、本公開買付価格である750円は、当社の2023年9月30日現在の簿価純資産額である2,555百万円を自己株式控除後の発行済株式総数(2,351,093株)で割ることにより算出した1株当たり簿価純資産1,087円を下回っているが、この点について、当社は、①純資産は将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値算定において重視することは合理的でないこと、②仮に当社が清算する場合、簿価純資産額がそのまま換価されるものではなく、即時・一括の売却が困難と考えられる汎用性の乏しい製造工場や、本社、支店及び機材センターの各建屋等は建築後相当程度の年月が経過し老朽化していることを踏まえると帳簿価額での売却が困難であり、更地にした上での売却が必要であることが見込まれること、製造工程の製品や仕掛品、原材料・貯蔵品の換価額は、スクラップ価値を基準としたものとなり、相当程度の毀損が見込まれること、③企業の清算に伴い、従業員に対する割増退職金及び弁護士費用等の相当程度の追加コストの発生も見込まれること等に鑑みると、当社の清算価値は、現実的には簿価純資産額から相当程度に毀損された金額となることが想定され、1株当たり簿価純資産が当社株式の公正価値の最低価格となるという考え方は採用し難いと考えている。この点、以上の当社の説明に不合理な点は認められず、本公開買付価格である750円が、1株当たり簿価純資産1,087円を下回っていることをもって、本公開買付価格の公正性・妥当性を否定する理由にはならないと考えられる。
また、本公開買付価格のプレミアム水準は、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針-企業価値の向上と株主利益の確保に向けて-」を公表した2019年6月28日以降に公表され、2023年11月14日までに成立した支配関係のない会社同士かつ完全子会社化を目的とした公開買付けの事例(ただし、MBO案件を除く。)64件におけるプレミアム水準の中央値との関係で必ずしも高い水準とは評価できないものの、上記事例における10%刻みでのプレミアム分布と比較しても、本公開買付価格のプレミアム率は同等の水準にあり、相応のプレミアムが確保されていることからすれば、本公開買付価格は、本取引のシナジーによって当社に実現される株式価値が相当程度反映されたものであると評価できる。
そして、本公開買付価格については、2023年11月15日以降、当社と公開買付者との間で複数回にわたる協議及び交渉が重ねられ、本特別委員会は、当社からかかる当社と公開買付者との間の協議及び交渉状況について逐次報告を受け、本特別委員会としての意見を表明するなどしており、本特別委員会として本公開買付価格に係る交渉過程に実質的に関与している。以上の本取引に係る交渉経過等において、透明性や公正性を疑わせるような事情も認められず、本公開買付価格は、本特別委員会が実質的に関与した上で実施された当社と公開買付者との間の再三に亘る協議・交渉の結果として提案された価格であるとともに、公開買付者の当初提案額(当社株式1株につき、665円)から750円と大幅に増額されたものであって、真摯な交渉によって決定された価格であると評価できる。
以上より、本取引の取引条件の公正性・妥当性は確保されていると評価できる。
また、本取引に係る本公開買付価格以外の取引条件としても、本取引のスキームは、前記のとおり本取引と同様の効果を生じさせることが期待できる本取引以外の代替手段は想定されないことに鑑みても、また、当社の少数株主にとって適切な投資回収の機会を与えるという意味からも、合理的なものであると評価できる。そして、公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日と設定する予定とのことであること、本取引の公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことは否定されていないこと、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っていないとのこと等を踏まえると、対抗的な買付け等の機会が確保されているといえ、本取引における間接的なマーケット・チェックは相応に機能するものと評価できる。
加えて、公開買付者は、本公開買付けにおいて、797,400株(所有割合:33.92%)を買付予定数の下限として設定しており、これは、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数(MoM)を上回るものとなるとのことであるため、上記下限の設定は、実質的にMoMに相当する買付予定数の下限の設定として、本取引に係る手続の公正性を確保するものであり、公正性担保措置として有効に機能していると評価できる。
また、本取引では、公開買付者が当社株式の全てを取得することが前提とされており、当社の株主に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用されないこと、少数株主が本公開買付け又は本公開買付けの成立後に行われる当社の本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることが、当社が公表又は提出予定の当社プレスリリース及び意見表明報告書を始めとする開示資料において明らかにされる予定であることを踏まえれば、本取引において強圧性は排除されていると認められる。
その他、本取引に係る本公開買付価格以外の条件についても、同種・同規模の取引条件と比較して不合理なものではないと考えられ、取引条件が公正性・妥当性を欠くものとは認められない。
以上より、本取引の取引条件の公正性・妥当性は確保されていると考えられる。
当社は、本取引が当社の主要株主かつ筆頭株主による持分法適用関連会社の買収に該当し、公開買付者と当社又は当社の少数株主との間には構造的な利益相反及び情報の非対称性の問題が存することに鑑み、本取引の公正性を担保し、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の利益の確保を目的として、取締役会決議に基づき本特別委員会を設置した。本特別委員会は、社外取締役2名及び社外有識者1名の合計3名で構成されており、本特別委員会の委員はいずれも公開買付者、旭化成、及び当社から独立している。
以上に加え、当社は、本特別委員会の設置を決議した取締役会において、本特別委員会に対して本諮問事項に対する答申を依頼するとともに、(ⅰ)本取引に係る当社取締役会の意思決定については本特別委員会の答申内容を最大限尊重して行うこと、及び、(ⅱ)本特別委員会が本取引の実施又は取引条件が妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないことを決議した。さらに、本特別委員会は、当社取締役会から、(a)当社が公開買付者との間で行う交渉の過程に実質的に関与する権限、(b)本取引に関して、必要に応じて、本特別委員会が自ら財務若しくは法務等のアドバイザーを選任し、又は、当社が選任するアドバイザーを指名若しくは承認し、専門的助言を求める権限、並びに、(c)当社の役職員に対して、本特別委員会への出席を要求し、また、本諮問事項の検討及び判断に必要な情報の提供を要求する権限の各権限を付与されている。
したがって、本特別委員会は、特別委員として適格な者により構成され、適切な判断をすることが可能な設計とされており、かつ、当社における本取引に関する意思決定に実質的に関与できる機会が確保されているといえる。
本特別委員会は、関係資料について調査・検討を行うとともに、当社に対して、当社の事業環境、事業計画、当社の株価水準等、本取引の目的の合理性等及び本取引が当社の企業価値に与える影響等について質問し、当社より、書面による回答を受領し、回答書の内容に関する質疑応答を行った。また、公開買付者に対しても、本取引の目的、本取引後の経営方針、本取引に関する検討状況等について質問し、公開買付者より、書面による回答を受領し、回答書の内容に関する質疑応答を行った。さらに、本特別委員会は、当社のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるAGSコンサルティングから、本取引の内容及び進捗状況等、株式価値算定の内容等、公開買付者との間の協議・交渉等の状況に関して説明を受け、これらの点に関する質疑応答を行うとともに、当社のリーガル・アドバイザーである岩田合同法律事務所から、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受け、これらの点に関する質疑応答を行った。
以上のとおり、本特別委員会は、特別委員として適格な者により構成され、適切な判断をすることが可能な設計とされており、かつ、当社における本取引に関する意思決定に実質的に関与できる機会が確保されている上に、実際にも、本特別委員会における審議は慎重かつ適切に行われ、本特別委員会として本取引の交渉過程に実質的に関与していたものといえることから、本特別委員会の設置及び審議等については、本取引に係る手続の公正性を確保するものであり、公正性担保措置として有効に機能していると評価できる。
本公開買付けにおいて、当社は、岩田合同法律事務所から受けた法的助言、AGSコンサルティングから受けた財務的見地からの助言、並びにAGSコンサルティングから提出を受けた当社株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行っている。
当社は、公開買付者による当社に対するデュー・ディリジェンスへの対応、本事業計画の検討及び作成、本取引後の当社の経営方針の検討といった当社における本取引の検討、交渉及び判断に関しては、取締役1名及び従業員2名から構成されるプロジェクトチームを設置し、当該メンバーの選定においては、旭化成及び公開買付者を含む公開買付者グループ(当社を除く。)の役職員を兼任・兼務する又は過去これらの役職員であった当社の役職員が含まれないよう留意して体制の構築を行っている。特に、当社株式の株式価値算定の基礎となる本事業計画の策定に関しては、フィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるAGSコンサルティングの助言を受けながら、その作成に関与する役職員の独立性を含めて策定プロセスの公正性についても留意して進めている。
また、当社の取締役のうち、城戸信介氏は公開買付者の従業員を兼務しており、加藤雅教氏は公開買付者出身者であることから、それぞれ利益相反のおそれを回避する観点から、城戸信介氏及び加藤雅教氏の2名は、当該体制からは外れており、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しており、かつ城戸信介氏、及び加藤雅教氏の2名のいずれかが本取引に係る検討、交渉及び判断に関して当該体制に対する指示等を行った事実はない。
以上より、当社は、公開買付者及び旭化成から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を構築しているものといえ、かかる体制は、本取引に係る手続の公正性を確保するものであり、公正性担保措置として有効に機能していると評価できる。
当社は、本取引に関して、フィナンシャル・アドバイザーとしてAGSコンサルティングを、リーガル・アドバイザーとして岩田合同法律事務所をそれぞれ選任し、本取引の諸手続や本公開買付価格を含む本取引の条件等の公正性・妥当性を確保するため、当社及び本特別委員会は必要かつ十分な助言を得ている。なお、いずれも、公開買付者、旭化成、及び当社の関連当事者には該当せず、本取引に関して重要な利害関係を有していない。なお、本取引に係るAGSコンサルティングに対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているが、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合であっても当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるものではないと認められる。また、岩田合同法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれていないことから、かかる報酬体系が岩田合同法律事務所の独立性の判断等に影響を与えるものではないと考えられる。したがって、AGSコンサルティング及び岩田合同法律事務所の選任及びこれらによる助言は、本取引に係る手続の公正性を確保するものであり、公正性担保措置として有効に機能していると評価できる。
本取引では、公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、30営業日と設定する予定とのことであり、本取引の公表後に他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことは否定されていない。また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っていないとのことである。これらを踏まえると、対抗的な買付け等の機会が確保されているといえ、本取引における間接的なマーケット・チェックは相応に機能するものと評価できる。
以上に加え、本取引では、当社の少数株主が本取引について評価・判断するにあたり、適切な情報が提供される予定であることや、本公開買付けにおける買付予定数の下限については、上記下限を満たす場合、実質的に本応募契約の対象となる株式を含め発行済株式の過半数の応募があることにもなることから、上記下限の設定は、実質的にMoMに相当する買付予定数の下限の設定として、本取引に係る手続の公正性を確保するものであり、公正性担保措置として有効に機能していると評価できること、本取引では、少数株主が本公開買付け又は本公開買付けの成立後に行われる当社の本スクイーズアウト手続のいずれによって対価を得たとしても、本公開買付価格と同額の対価を得ることが確保されていることが、当社が公表又は提出予定の当社プレスリリース及び意見表明報告書を始めとする開示資料において明らかにされる予定であることを踏まえれば、本取引において強圧性は排除されていると認められる。
以上により、本取引においては、各公正性担保措置が講じられており、本取引に係る手続の公正性は確保されていると考えられる。
前記のとおり、①本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであり、その目的は正当性・妥当性を有すると認められること、②本公開買付けにおける公開買付価格を含め、本取引の取引条件の公正性・妥当性は確保されていると考えられること、③本取引に係る手続の公正性は確保されていると考えられることからすると、本取引を行うことは当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられる。
前記のとおり、①本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであり、その目的は正当性・妥当性を有すると認められること、②本公開買付けにおける公開買付価格を含め、本取引の取引条件の公正性・妥当性は確保されていると考えられること、③本取引に係る手続の公正性は確保されていると考えられること、④本取引を行うことは当社の少数株主にとって不利益ではないと考えられることからすると、当社取締役会が本公開買付けに対して賛同意見を表明し、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決定することは妥当であると考えられる。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2023年9月上旬に、岩田合同法律事務所から受けた本取引に関する意思決定の過程、方法その他の本取引に関する意思決定に関する留意点等についての法的助言を踏まえ、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の株主共同の利益の確保の観点から、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始しました。
具体的には、当社は、本特別委員会の指示を受け、公開買付者による当社に対するデュー・ディリジェンスへの対応、本事業計画の検討及び作成、本取引後の当社の経営方針の検討といった当社における本取引の検討、交渉及び判断に関しては、取締役1名及び従業員2名から構成されるプロジェクトチームを設置し、当該メンバーの選定においては、旭化成及び公開買付者を含む公開買付者グループ(当社を除きます。)の役職員を兼任・兼務する又は過去これらの役職員であった当社の役職員が含まれないよう留意して体制の構築を行いました。とりわけ、当社株式の株式価値算定の基礎となる本事業計画の策定に関しては、フィナンシャル・アドバイザーであるAGSコンサルティングの助言を受けながら、その作成に関与する役職員の独立性を含めて策定プロセスの公正性についても本特別委員会の確認を受けながら進めております。
また、下記「⑥ 当社における利害関係を有しない取締役全員(監査等委員を含む。)の承認」に記載の理由から、城戸信介氏及び加藤雅教氏の2名は、当該体制からは外れており、本書提出日に至るまでかかる取扱いを継続しており、かつ城戸信介氏、及び加藤雅教氏の2名のいずれかが本取引に係る検討、交渉及び判断に関して当該体制に対する指示等を行った事実はありません。
これらの取扱いを含めて、当社における本取引の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)の構築に際しては岩田合同法律事務所の助言を踏まえており、かつ、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて、本特別委員会から承認を得ております。
当社は、2023年12月14日開催の取締役会において、当社の取締役7名のうち、城戸信介氏及び加藤雅教氏の2名を除く利害関係を有しない取締役5名全員が審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役全員の一致により、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
当該取締役会においては、当社の取締役のうち、城戸信介氏は公開買付者の従業員を兼務しており、加藤雅教氏は公開買付者出身者であることから、それぞれ利益相反のおそれを回避する観点から、審議及び決議に参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
公開買付者と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意を行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
公開買付者は、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、当社株式の全ての株式売渡請求をすること又は株式併合及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一になるように算定されることを明らかにしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間が20営業日であるところ、本公開買付けに係る公開買付期間(以下「公開買付期間」といいます。)を30営業日に設定しているとのことです。このように公開買付期間を法令に定められた最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しているとのことです。
公開買付者は、上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにおいて、797,400株(所有割合:33.92%)を買付予定数の下限として設定しており、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。かかる買付予定数の下限(797,400株)は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主が所有する当社株式の数の過半数、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」(当社第2四半期報告書に記載された2023年9月30日現在の当社の発行済株式総数(2,378,740株)から、当社第2四半期決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(27,647株)及び公開買付者が所有する本書提出日現在の当社株式数(770,000株)を控除した株式数(1,581,093株)に係る議決権の数(15,810個)の過半数に相当する数(7,906個)に相当する当社株式数(790,600株))を上回るものとなるとのことです。
このように、公開買付者は、公開買付者と利害関係を有さない当社の株主から過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないこととし、当社の少数株主の皆様の意思を重視した買付予定数の下限の設定を行っているとのことです。
上記「(2) 意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」及び「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、公開買付者は、2023年12月14日付で、アルインコとの間で、本応募契約を締結しているとのことです。当該応募について、充足される必要のある前提条件はないとのことです。なお、アルインコは、公開買付期間中に、本公開買付価格より高い買付価格による対抗的公開買付け(以下「対抗的公開買付け」といいます。)が実施された場合、公開買付者による本公開買付けへの応募を撤回し、対抗的公開買付けへ応募することができるものとされているとのことです。ただし、アルインコは、本公開買付けへの応募を撤回し、対抗的公開買付けへの応募をしようとする場合、公開買付者に対して、アルインコが本公開買付けに応募することがアルインコの取締役の善管注意義務違反を構成する可能性があることを示す外部弁護士の意見書を提示するものとされているとのことです。また、本応募契約以外に、公開買付者とアルインコとの間で、本公開買付けに係る合意は存在せず、また、本公開買付価格の支払いを除き、本取引に際して、公開買付者及び当社からアルインコに対し付与される利益はないとのことです。
4 【役員が所有する株券等の数及び当該株券等に係る議決権の数】
(注1) 役職名、所有株式数及び議決権数は本書提出日現在のものです。
(注2) 取締役の岡本直也及び実野現は、社外取締役であります。
(注3) 所有株式数及び議決権数は、それぞれ当社の役員持株会を通じた所有株式数(小数点以下切り捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。
5 【公開買付者又はその特別関係者による利益供与の内容】
6 【会社の支配に関する基本方針に係る対応方針】
7 【公開買付者に対する質問】
8 【公開買付期間の延長請求】