第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、高い技術水準に裏打ちされた高品質、高機能、環境対応型の塗料製品・コーティング材料とサービスを顧客志向の組織を通じて、真心こめて提供していくことを基本方針としております。

 

また、当社は以下の「企業理念」を経営の基本としております。

 

「企業理念」

神東塗料は、

1. 塗料事業を通じて社会の発展に貢献します。

2. 堅実と信用を第一に、お客様に信頼される会社であり続けます。

3. 社員が愛着を持ち、より誇りの持てる会社を目指していきます。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループにおきましては、業績に占める持分法適用会社の重要性を考慮し、売上高、営業利益、経常利益、売上高営業利益率及び売上高経常利益率を重要な指標として認識しておりますが、当面はコアビジネスの収益力の向上を図るため売上高営業利益率を最重要視しております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループの事業領域である塗料事業は、地政学リスクの一層の高まりによる原材料価格の高騰や調達不安定性の上昇、日本国内における人口減少に伴う塗料需要の伸び悩みや人手不足・人件費上昇等、取り巻く課題は一層の厳しさを増しております。2025年度は生産性の向上と合理化の積み上げに加え、大日本塗料株式会社との事業提携によるシナジー効果の早期実現により、何としても黒字を達成すべく、取り組んでまいります。

また、3年前の不適切行為公表後に公的規格の認証一時停止を受けた一部製品については、是正に努めた結果、2024年11月までに全ての一時停止が解除となりました。引き続き当社のコンプライアンス・ガバナンス体制の一層の強化に向け、全社一丸となって取り組み続ける所存です。

 

なお、当社グループは2025年度から始まる3ヶ年の中期経営計画の策定に取り組んでおりましたが、当計画に上記連結子会社化に伴う事業提携による効果を織り込むことが必要と判断いたしました。一方、連結子会社化を進める日程の制約上、事業提携に関する協議を3月中旬に開始とせざるを得ず、2025年度業績見通しに織り込んだ即効性が期待できる施策を除く、各種取り組みの定量化にはなお時間を要するため、2026年度から始まる3ヶ年の計画を策定中であり、2025年度後半に公表する予定です。

 

(4) 会社の対処すべき課題

当社には、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク(その他経営全般に関するリスク)」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在しております。

このような事象を解消するために、当社グループとして塗料設計・製造技術を事業展開のコアとし、お取引先様に安心・信頼頂ける製品を提供することを最優先とします。そのうえでデータを活用した良品率向上・業務の標準化・組織の簡素化等による生産性向上に取り組みます。加えて自動車を含むインダストリアル分野に軸足を置き、お客様の必要とする価値と機能を実現できる製品・技術をお届けすることを通じ、安定した収益を継続的に確保できる体制を目指します。引き続き品質管理体制の信頼性向上をはじめとする当社のコンプライアンス・ガバナンス体制の一層の強化に向け、全社一丸となって取り組み続けることと認識しております。

 

<不適切行為の再発防止策の進捗状況等>

当社は、2022年4月28日付「当社製の一部製品に係る不適切行為に関する調査報告書公表のお知らせ」にて公表した再発防止策等を着実に実行に移しております。

日本産業規格(JIS)に関しましては、2024年11月26日をもって、全ての認証一時停止が解除されました。今後は、認証取得及び維持のため、認証機関に適宜必要とされる手続きを確実に実施してまいります。

また、当社は引き続き品質管理体制の強化に努める所存です。

再発防止策が適時適切に行われているかどうかをモニタリングするため開催してきた「明日の神東」推進委員会は、2024年3月28日をもって終了し、その後の進捗は当社経営会議で他の業務課題と同様に定期的にモニタリングしております。

品質コンプライアンス及びガバナンス再構築は終わりのない取り組みであり、引き続き、真摯かつ愚直に進めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社は、企業理念に掲げる「塗料事業を通じて社会の発展に貢献します」に対して、全社をあげて、真摯かつ継続的に取り組むことを通じて、サステナブルな社会の実現に貢献したいと考えております。そのために、原料の選定・調達、塗料製品の開発・製造・輸送、お客様における使用といった各局面で環境に配慮した対応を進めております。特に、環境負荷の少ない環境配慮塗料の開発、産業廃棄物の削減のほか、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社は、取締役会において、外部環境の変化によるリスクを把握し、特に経営に影響を及ぼす課題を基に、課題の特定及び解決に向けた施策の方向性を検討するために、各管掌の取締役より活動内容の報告を行い、事業活動の推進を行っております。

また、重要課題においては、中期経営計画に取り上げるなど、対応策の推進を行っております。

 

(2)リスク管理

当社は、サステナビリティを含む様々なリスクに対応するため、各部門(室・部・工場)をリスク管理を行う組織単位とし、各部門担当役員をリスク管理責任者として、リスク管理を遂行しております。

また、社長執行役員を委員長とするリスク管理委員会を設置し、定例として年1回開催するほか、委員長の判断により必要に応じて臨時に開催しております。

なお、リスク及び機会の識別に関しては、ISO-14001規格に基づく環境マネジメントシステム及びISO-9001品質規格に基づくマネジメントシステムの中で評価及び管理をしております。

 

(3)戦略、指標及び目標

CO2を含むGHG排出量削減に向けた取り組みとして、「省エネ」「創エネ」「再エネ」を活動の三本柱に設定し、2030年度までに電力エネルギーを100%再生エネルギー由来に切り替え、計69%のCO2排出量の削減を計画しています。

具体的な取り組みとして、①再生可能エネルギー100%電力の購入、②電灯のLED化、高効率機器への変換等、③太陽光発電設備を導入、設置(2022年度千葉事業所、2024年6月尼崎事業所)を実施いたしました。

その取り組みを通じて、2024年3月末までに32%削減(達成率46%)の実績を得ています。

 

(人的資本についての取り組み)

(1)戦略、人材の育成及び社内環境整備に関する方針

当社は、新規定期卒業者(高卒・学卒)だけでなく、経験者採用や契約社員等からの正社員登用等、多様なソースから通年での採用を実施しています。また、優良な人材を確保するために、フレックスタイム制や育児・介護事由での在宅勤務活用、寮・社宅の提供など、働きやすい環境整備に努めています。そして、育成については、日常業務を通じて行うOJTに加え、入社時研修、2年目、3年目のフォローアップ研修や管理社員研修などの層別集合研修の他、技術部門主催による塗料に関する技術講座、幹部候補者の選抜研修などを適宜実施しております。

また当社は、安全衛生を企業活動の根幹をなすものと考え、関係会社も含めてグループ全体で事故や災害を未然に防止するための活動を行っています。担当執行役員、各事業所長、事務局で構成される全社安全衛生会議は、従業員の健康と安全を確保し、労働災害、事故、化学物質等による危害を防止するとともに、快適な職場を作るための「安全衛生管理方針」の策定や安全衛生等に関する重要事項を審議し、ここで決定された「環境安全衛生に関する全社方針」に沿って各事業所で年間活動が策定され、実行されます。

 

 

(2)指標及び目標

多様性確保への取組として①女性管理職比率の向上、②経験採用者の管理職への登用の促進を進めてまいります。女性管理職比率については、女性活躍推進法に基づく行動計画において、「2026年3月末に管理職に占める女性割合を10%以上とする」として取り組んでおりますが、2025年3月末で8.6%となっています。経験者採用者の管理職への登用につきましては、2025年3月末で20.1%となっております。

また、労働災害を無くすために従業員教育を推進し、作業ルール・手順・基準の遵守を徹底させ、危険予知(KY)活動や各種訓練の強化にも積極的に取り組んでおり、今後も無事故・無災害を目指して鋭意努力してまいります。

なお、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、前述の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しております

 

3 【事業等のリスク】

経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(市場や供給に係るリスク)

(1) 新製品の研究開発に係るリスク

当社グループにとって、新製品の研究開発や上市は最重要課題の一つと認識し取り組んでおりますが、顧客ニーズの多様化・変化等の不確定要素により、将来の収益源の柱となる新製品の研究開発が期待どおりに進捗しなかった場合には、競争力が低下し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 製品の品質に係るリスク

当社グループは、世界的に認められている厳格な品質管理基準に従って、各種製品を製造しておりますが、すべての製品について欠陥が無く、将来にわたってリコールが発生しないという保証はありません。大規模な製品事故や予期せぬ品質問題の発生は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原材料の価格変動及び需給に係るリスク

当社グループの使用する各種原材料は、国内外の需給関係等により仕入価格が変動いたします。仕入価格が上昇した場合、当社グループの製品価格への転嫁が遅れることなどにより、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループでは、購入先を複数にするなど原材料が購入できないリスクを低減するように努めておりますが、時に原材料の不足が生じないという保証はありません。必要な原材料が確保できない場合、当社グループの生産・販売活動に影響を与え、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 他社との競合や価格競争に係るリスク

当社グループの事業は価格競争に晒されております。また、国内塗料需要がほぼ横這いで推移するなか、競合他社の生産能力増強等、様々な理由により当社グループの製品は今後も厳しい価格競争に晒されるものと予想されます。当社グループはコストの低減に努めておりますが、価格競争を克服できない場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事故・災害に係るリスク

当社グループは、製造設備の停止や製造設備に起因する事故等による潜在的なマイナス要因を最小化するため、すべての製造設備において定期的な点検を実施しております。しかしながら、製造設備で発生する事故、自然災害等による影響を完全に防止・軽減できる保証はありません。また、当社グループの事業活動におけるシステム・ネットワークへの依存度は年々増加しており、セキュリティの高度化等によりシステム及びデータの保護に努めておりますが、停電、自然災害並びにコンピュータウイルス及びハッキング等のシステム犯罪等により、システム・ネットワーク障害が生じる可能性があります。

事故等により、工場周辺に物的・人的被害を及ぼした場合、あるいは、システム・ネットワーク障害が発生した場合、事業活動に支障をきたすほか、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 品質不適切行為に係るリスク

当社において、公益財団法人日本水道協会の認証規格(JWWA K139)とは異なる条件で得られた試験結果により認証を取得した製品、2008年のJWWA K139規格改訂(使用可能な原料を指定)の際、使用されていた原料の報告を怠ったことにより指定外原料を使用する状態となった製品、及び同改訂後に指定外原料を使用して認証登録した製品、その他不適切行為が認められた製品が確認されました。

日本水道協会の認証規格とは異なる試験条件で得られた結果により認証を取得した製品及び指定外原料を使用した製品につきましては、いずれも省令で定める衛生性が確認されております。また、その他不適切行為が認められた製品はいずれも塗料性能への影響はないと考えております。しかし、本不適切行為に関連したお客様等との協議の中で本不適切行為に関連する補償内容について合意がなされない場合、訴訟等を提起される可能性があります。

その結果、今後の進捗次第では、お客様への補償費用の発生により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係) 7 偶発債務」に記載のとおり、訴訟を提起されております。

 

(資産や負債に係るリスク)

  (1) 固定資産の減損に係るリスク

当社グループが保有する固定資産について、経営環境の著しい悪化等による収益性の低下又は市場価格の下落等により、減損損失が発生し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 地価の下落に係るリスク

当社グループが保有する土地について、その多くは土地の再評価に関する法律に基づき再評価を行っております。今後、地価が大幅に下落した場合には、減損会計適用による損失が発生するなど、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 金利変動に係るリスク

当社グループは、運転資金及び設備資金に要する資金を主に金融機関からの借入により調達しております。また、当社においては2025年3月31日付で株式会社三菱UFJ銀行よりブリッジローンとして、多額の資金調達を実施いたしました。そのため、総資産に対する借入金残高の比率は高い水準にあります。現在金利は上昇傾向となっていますが、今後さらに金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 為替レート変動に係るリスク

当社グループは、国内で製造した製品を海外に輸出するとともに海外からの原料品を輸入しておりますが、製品輸出高は原料品輸入高を上回っております。外国通貨に対して円高が進行した場合、海外で生産された製品に対する価格競争力が低下することに加え、輸出手取額が減少します。一方、外国通貨に対して円安が進行した場合、当社グループの使用する各種原材料の仕入価格上昇へと間接的に影響が及ぶことがあります。為替レートの変動によるリスクを完全にヘッジすることはできないため、為替レートの変動は当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、海外の関係会社には外国通貨建の債務を保有している会社があるため、外国通貨に対して自国通貨安が進行した場合、為替差損が発生し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

海外の関係会社の経営成績は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(その他経営全般に係るリスク)

(1) コンプライアンスに係るリスク

当社グループは、コンプライアンス推進体制を構築するとともに、役員・従業員への教育啓発活動を随時実施し、企業倫理の向上及び法令遵守の強化に努めています。しかしながら、コンプライアンス上のリスクを完全には回避できない可能性があり、法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの評価に重大な影響を与え、発生した損害に対する賠償金の支払等により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 親会社との取引に係る利益相反のリスク

当社グループと親会社である大日本塗料株式会社との間では、塗料製品の売買取引を行っております。この取引契約は、当社が同社の連結子会社となる以前に締結されたものであり、一般的な市場価格を参考に双方協議のうえ合理的に価格が決定されております。今後も当該取引を継続していく方針ですが、同社との契約・取引内容等に変化が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社が親会社およびそのグループ会社と行う取引については、親会社の利益を優先することで、当社少数株主の利益を棄損する利益相反のリスクがあることから、少数株主保護の観点から、その公正性及び合理性を確保するために、2025年5月29日開催の当社取締役会において、取締役会の任意の諮問機関である「独立役員委員会」を設置することを決議しました。当社は、独立役員委員会の答申に基づき、当社の企業価値が損なわれないよう、適切に意思決定を行います。

 

(3) 規制変更に係るリスク

当社グループは、事業展開する各国の規制に従い、業務を遂行しております。将来における法律、規則、政策、実施慣行、解釈及びその他の変更並びにそれらによって発生する事態が、当社グループの業務遂行、財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に環境及び化学品の安全等に対する法的規制が強化され、新たな対策コストが発生する可能性があります。

 

(4) 人材確保に係るリスク

当社グループの成長及び利益は、製造・販売・研究開発・管理における専門性を有する優秀な人材の確保・育成に影響されます。当社グループでは、こうした有能な人材の確保・育成に努めておりますが、労働市場における人材獲得競争は厳しさを増しており、想定どおりに採用・教育が進まない場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 知的財産権に係るリスク

当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し事業の競争力を強化してきました。当社グループ独自の技術・製品とノウハウの一部は、厳正な管理を行っているものの、予期せぬ事態により外部に流出する可能性があり、また、特定の地域ではこれらの知的財産の完全な保護が不可能なため、第三者が当社グループの知的財産を使用して類似製品を製造することを効果的に防止できない可能性があります。また将来、知的財産に係る紛争が生じ、当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。

 

(6) 訴訟に係るリスク

当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、係争その他の法律的手続きの対象となるリスクがあり、将来重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係) 7 偶発債務」に記載のとおり、訴訟を提起されております。

 

 

  (7) その他のリスク

疾病、自然災害、産業事故、テロ、戦争等が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、国内外における企業の一時的な操業停止・減産等、経済に多大な影響を与えました。当社グループにおいても一部生産調整を行うなど影響が及びました。今後新型コロナウイルス感染症のような未知のウイルスが流行した場合は、新型コロナウイルス感染症拡大時と同様に、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前連結会計年度において原材料価格高騰等の影響の売価是正や生産合理化等が一部にとどまり、営業損失479百万円、経常損失460百万円、及び親会社株主に帰属する当期純損失497百万円と3期連続して損失を計上いたしました。当連結会計年度におきましては、前連結会計年度に実施した販売価格の改定が寄与したこと及び、子会社において工事売上が増加した結果、営業利益230百万円、経常利益471百万円を計上いたしましたが、特別損失に公開買付関連費用を計上したことから親会社株主に帰属する当期純損失59百万円を計上いたしました。更に、依然として借入金残高が5,026百万円と高水準となっております。

また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結貸借対照表関係) 7 偶発債務」に記載のとおり、当社において本件不適切行為が判明しており、今後の訴訟およびお客様等との協議等の結果によっては、本件不適切行為に係る補償費用が新たに発生する可能性があります。これらにより、当社の連結業績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点でその影響額を合理的に見積ることが困難なものについては、連結財務諸表に反映しておりません。

これらの事象により、当社は継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

このような状況に対し、当社は、生産合理化等を推進し、固定費の削減を進めており、加えて、大日本塗料株式会社との事業提携によるシナジー効果の早期実現への取り組みを進めております。

また、本件不適切行為に関しては、2024年11月をもって、すべての認証一時停止が解除されました。今後は、認証取得及び維持のため、引き続き品質体制の強化に努めてまいります。

更に、2025年3月18日付で大日本塗料株式会社を割当先とした第三者割当増資を実施し、当社は同社の連結子会社となりました。今後は同社の取引先金融機関からの支援により必要な資金は確保できる見通しです。

以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により、継続的な物価上昇の影響を受けつつも個人消費やインバウンド需要の拡大等により、緩やかな景気回復基調を維持しました。

一方、ウクライナ及び中東情勢の地政学的なリスクの長期化に加え、米国での政権交代後に発表された大幅な関税引き上げにより世界的な景気後退への警戒感が強まるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社グループにおきましては、こうした経済状況の中で製品価格の改定等による収益力の向上と品質管理体制の強化・向上を目指して取り組んでまいりました。

当連結会計年度における各分野の売上高は、以下のとおりであります。

インダストリアル分野の売上高は、粉体塗料分野において各種部品メーカー向け塗料の出荷が好調だったこと、および、工業用電着塗料分野において建材向け塗料の出荷が好調であったことから分野全体で増加いたしました。

インフラ分野の売上高は、防食塗料分野において、汎用品の低調が継続し前年を下回りましたが、子会社の工事売上が年間を通して好調に推移したことおよび、工事売上の増加に伴い建築塗料の出荷が増加したことから、分野全体で増加いたしました。

自動車用塗料分野は、自動車メーカーの認証不正問題の影響などによる生産量の減少が影響し、出荷が減少いたしましたが、年間ではほぼ前年並みの売上となりました。

その他塗料分野は、主に、軌道材料製品分野において、道床安定剤の出荷が好調に推移しましたが、分野全体の売上高としては、減少いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上高は20,758百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。損益面では、原材料価格の高止まりなどからコスト上昇圧力が続いているものの、前連結会計年度に実施した販売価格の改定が寄与した結果、営業利益は230百万円(前連結会計年度は営業損失479百万円)、経常利益は471百万円(前連結会計年度は経常損失460百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失に大日本塗料株式会社による当社株式に対する公開買付に関連する費用を計上した結果、59百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失497百万円)となりました。

期末配当につきましては、三期連続で無配とさせていただかざるをえなくなり、誠に申し訳なく存じます。なお、株主の皆様への剰余金の配当等につきましては、定款によりその決定機関を取締役会としております。

なお、2025年2月6日付で公表した「大日本塗料株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する意見表明及び同社を割当予定先とする第三者割当増資の方法による新株式発行に関するお知らせ」に記載のとおり、同社による当社の普通株式に対する公開買付け、並びに当社が同社を割付予定先とした第三者割当の方法による募集株式の発行が実施された結果、大日本塗料株式会社の当社に対する議決権所有割合は50.10%となり、親会社及び主要株主である筆頭株主となりました。

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ投資有価証券が137百万円増加、現金及び預金が738百万円、受取手形が214百万円および電子記録債権が125百万円減少したこと等により、32,010百万円(前連結会計年度末比1,031百万円減)となりました。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ短期借入金が2,350百万円増加、電子記録債務が532百万円および長期借入金が3,073百万円減少したこと等により、17,393百万円(前連結会計年度末比1,441百万円減)となりました。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ資本金が194百万円、資本剰余金が194百万円及び為替換算調整勘定が194百万円増加、土地再評価差額金が111百万円減少したこと等により、14,617百万円前連結会計年度末比409百万円増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,690百万円前連結会計年度末に比べ738百万円の減少となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは30百万円の支出前連結会計年度は53百万円の収入)となりました。その主な要因は、減価償却費583百万円および仕入債務の減少による支出728百万円等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは362百万円の支出前連結会計年度は321百万円の支出)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出533百万円および投資有価証券の売却による収入175百万円等によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは367百万円の支出前連結会計年度は761百万円の支出)となりました。その主な要因は、短期借入金の純増加額4,026百万円、長期借入金の純減少額4,752百万円および株式の発行による収入388百万円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

塗料事業

12,818

1.4

化成品事業

1,732

△0.1

合計

14,550

1.2

 

(注)金額は、販売価格によっております。

 

b.仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

塗料事業

6,398

37.2

化成品事業

合計

6,398

37.2

 

(注)金額は、仕入金額によっております。

 

c.受注状況

当社グループは主として見込み生産によっており、また、受注品も出荷までの期間が非常に短いため、受注状況については特記すべき事項はありません。

 

d.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

塗料事業

20,711

9.6

化成品事業

47

△22.8

合計

20,758

9.5

 

   (注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

大東建託パートナーズ㈱

2,359

12.4

4,129

19.9

神東アクサルタコーティングシステムズ㈱

2,783

14.7

2,962

14.3

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、以下のとおりであります。

(売上高)

売上高は、塗料事業において、前連結会計年度に実施した販売価格の改定及び、子会社の工事売上の増加等により前連結会計年度比1,804百万円増の20,758百万円となりました。

(営業利益)

営業利益は、原料価格の高止まりなどからコスト上昇圧力が続いているものの、価格改定による限界利益の改善が寄与した結果、前連結会計年度から709百万円改善し、230百万円となりました。当社グループといたしましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております施策を進めることにより、利益率の改善を図ってまいります。

(経常利益)

経常利益は、営業利益が前連結会計年度から改善したことに加え、持分法による投資利益が53百万円増加したことにより、前連結会計年度から932百万円改善し、471百万円となりました。

(特別利益及び特別損失並びに税金等調整前当期純利益)

特別利益において、投資有価証券売却益を計上したものの、特別損失において、公開買付関連費用278百万円計上いたしました。税金等調整前当期純利益は営業利益および経常利益を計上したことから前連結会計年度から557百万円改善し、222百万円となりました。

 (法人税等、親会社株主に帰属する当期純損失及び非支配株主に帰属する当期純損失)

当連結会計年度の法人税等は164百万円となり、この結果、当期純利益は前連結会計年度から494百万円改善し、58百万円となりました。

非支配株主に帰属する当期純利益は、主に連結子会社のジャパンカーボライン㈱の非支配株主に帰属する純利益であり、以上の結果、親会社株主に帰属する当期純損失は前連結会計年度から437百万円改善し、59百万円となりました。

当社グループの当連結会計年度末における財政状態につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

経営成績に重要な影響を与える要因としては、当社グループは、アルミ電着塗料、工業用電着塗料、粉体塗料、工業用塗料、建築塗料、防食塗料、道路施設用塗料、軌道材料製品、自動車用塗料、及び化成品と幅広い分野で製造販売を行っておりますが、いずれの分野におきましても、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」 に記載しております様々な要因が想定されます。当社グループといたしましてはリスク対応策を実施するとともに、利益率の改善に向けて、既存塗料製品の高機能化によるシェア獲得・高利益率化、新規コーティング材の開発及び海外市場進出による事業拡大、ITツール導入等による生産性向上を製造、販売、研究開発、管理の全ての分野において推進することの3つを事業展開の軸として積極的に取り組んでまいります。

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、セグメントごとの財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 

(塗料事業)

セグメント資産は、現金及び預金、売掛債権の減少および投資有価証券の増加等から29,533百万円(前連結会計年度末比857百万円減)となりました。また、当連結会計年度における塗料事業の設備投資額は、400百万円(前連結会計年度比54百万円増)であります。

 

(化成品事業)

セグメント資産は、982百万円(前連結会計年度末比142百万円減)となりました。また、当連結会計年度における化成品事業の設備投資額は、24百万円(前連結会計年度比10百万円減)であります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報

キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。また、当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業活動による収入の他、金融機関からの借入を主な財源としております。当社グループの資金需要の主なものは原材料仕入、製造費、営業活動、製品競争力の強化及び新技術の開発を目的とした研究開発費、一般管理費等であります。当連結会計年度における主要な設備投資は、老朽設備の維持・更新、災害対策工事等であります。成長投資・収益性向上に資する設備投資については、中長期的な経営戦略との整合性をふまえ採算性を吟味のうえ判断してまいります。

なお、配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【重要な契約等】

(1) 技術受入契約

該当事項はありません。

(2) 技術援助契約

実施権

契約会社名

契約品目

契約内容

契約期間

TOA-SHINTO(THAILAND)CO.,LTD.

アルミ電着塗料の製造技術

製造権・販売権の許諾

2014年12月31日から
2017年12月31日まで(以降1年ごとの自動更新)

神東アクサルタ コーティング システムズ㈱

電着塗料の製造技術

製造権・販売権の許諾
再実施権の許諾

1997年10月2日から

 

(注) 1 上記は、全て提出会社に係る契約であります。

2 対価として一定料率のロイヤリティーを受け取っております。

 

6 【研究開発活動】

当社グループでは、主に当社で研究開発活動を行っております。

研究開発につきましては持てる技術資源を集中強化させ、基礎研究の充実と応用技術の幅広い展開により新製品の開発ならびに独自の技術システムの開発に取り組んでいます。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発投資額は121百万円であります。