第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループでは、『豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。』をパーパスと定め、『「心もつながる」場と機会の創造。』をミッションに掲げております。

各事業セグメントにおいて、SNS「mixi」や「モンスターストライク」で培ったコミュニケーションサービスのノウハウと、AIなど最新のテクノロジーを活用し、サステナブルな収益基盤の構築を目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

より高い成長性と利益の創出を目指す観点から、経営指標においては売上高及びEBITDA(※)の向上を目指しております。

※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

国内のモバイルゲーム市場の成長率は逓減しておりますが、依然として巨大な市場規模を維持し、話題性の高い新規ゲームが時折市場を席巻するなど、引き続き魅力的な市場となっております。公営競技市場においては、インターネット経由の販売高の成長率が落ち着きつつありますが、市場としては引き続き現状規模を維持又は緩やかに拡大すると想定しております。また、子供関連市場は、国内で出生数の低下はある一方で、祖父母から孫への支出(6ポケット)の増加等により成長しております。加えて、海外におきましては、引き続き高いポテンシャルを保持しており、ビジネスチャンスのある市場と認識しております。

このような環境下、当社グループではデジタルエンターテインメント事業の収益規模を維持拡大しつつ、スポーツ事業やライフスタイル事業において第二、第三の収益の柱となる事業を創出し、サステナブルな収益基盤を構築していくことが、対処すべき課題であると認識しております。

デジタルエンターテインメント事業におきましては、引き続き「モンスターストライク」の企画、マーケティング、メディアミックス施策をより強化し、ユーザーの利用拡大及び収益基盤の強化に取り組んでまいります。また、海外では成長著しい新興国市場であるインド市場に「モンスターストライク」をリリースする準備を進めてまいります。

スポーツ事業におきましては、ソーシャルベッティングサービスとしてユニークなポジションを築きつつある「TIPSTAR」をブラッシュアップし、他社との差別化を図ってまいります。加えて、連結子会社である株式会社チャリ・ロト、株式会社ネットドリーマーズ両社の事業成長や、各社サービスのより一層のシナジー創出を行うことで、さらなる成長を目指してまいります。また、海外におきましては、「TIPSTAR」が日本国内で培った差別化要素を武器として、豪州ベッティング市場でのシェア獲得を目指してまいります。

ライフスタイル事業では、引き続き「家族アルバムみてね」の国内外における経済圏の拡大や、「minimo」の成長を目指してまいります。また、2024年12月にリリースした新しいSNS「mixi2」については、中期的に当社の柱となるサービスに成長させてまいります。

 

当社の連結子会社である株式会社チャリ・ロトの前代表取締役及び元従業員が取引先との間で不適切な資金のやり取りを行っていた疑義が2024年10月下旬に判明いたしました。これを受けて、2024年10月30日に外部の専門家から構成される調査チームを組成して調査を行い、2024年12月26日に調査報告書を受領しております。

本件について、株主・投資家の皆様をはじめ、関係者の皆様には、多大なるご心配とご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。

当社グループは調査チームからの再発防止策の提言を踏まえ、再発防止策を策定・実行しております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス、リスク管理、戦略及び指標と目標について

① ガバナンス

サステナビリティ推進業務を担当する本部を管掌する取締役 上級執行役員 CFOをサステナビリティに関する取組の責任者(以下、サステナビリティ推進責任者)としています。サステナビリティ推進責任者の諮問機関であるサステナビリティ事務局において、サステナビリティに関する取組についての検討を行い、検討された結果は、サステナビリティ推進責任者を通して3か月に1回、取締役会に報告しています。サステナビリティ事務局は、サステナビリティに関連するリスクと機会の特定や評価、対応についての検討を行うにあたり、リスク管理委員会に適宜助言を求めるとともに、各事業本部及びグループ会社に必要に応じてヒアリングを行います。またサステナビリティに関連するリスクと機会、対応策の進捗状況について、毎年見直しを行います。

 

② リスク管理

サステナビリティ事務局は、サステナビリティに関連するリスクと機会について、それぞれを発生可能性、影響度、対応策の有無などで評価し重要度を決定しています。特に気候関連問題の評価にあたっては、IEA、IPCC等の各種シナリオを参照し、必要に応じて関連する各事業本部及びグループ会社にヒアリングを行い、適宜見直しを実施しています。さらにリスクと機会に対する対応策を立案し、設定した指標により対応策の進捗を管理しています。

サステナビリティに関連するリスクについては、自社のその他のリスクと統合的に管理をするため、リスク管理委員会に適宜助言を求めます。また、リスクと機会のうち、重要度が高いものについては、サステナビリティ推進責任者を通して取締役会に報告しています。

 

③ 戦略及び指標と目標

当社は、"私たちは、心もつなぐコミュニケーションサービスを創造することで、豊かな社会に貢献します。"というステートメントの下、サステナビリティ方針の策定及び8つのマテリアリティを定めています。

 

<マテリアリティ>


マテリアリティごとに定めている評価指標について、サステナビリティサイトに開示しています。今後も各評価指標に伴う実績等について、開示の拡充に努めます。

※主な開示実績は以下サイトよりご覧ください。

https://mixi.co.jp/sustainability/materiality_sdgs/

 

気候関連問題については、TCFD提言に基づいてシナリオ分析を実施し、リスクと機会の抽出、必要な対応の検討を行いました。その結果、当社グループの事業において気候変動に伴う重大なリスクは確認されませんでしたが、当社グループでは、気候関連問題が当社グループの事業に与える影響についてガバナンス、リスク管理の取組を通して把握、管理していくとともに、機会の獲得に取り組んでまいります。また、排出する温室効果ガスについては、Scope1-2の排出量に加え、Scope3の排出量算定を行っています。当社グループは、気候変動が引き起こす影響が経営リスクになることを認識しており、今後も継続した排出量算定を行うとともに、各事業セグメントにおける省エネルギー化、再生可能エネルギー等の活用を通じた排出量削減に努めてまいります。TCFD提言に基づくガバナンス、戦略、リスク管理の詳細や、温室効果ガス排出量の実績については当社ウェブサイト(https://mixi.co.jp/sustainability/issue/environment/tcfd/)をご参照ください。

 

また自然関連課題について、TNFD提言に基づき、依存とインパクトの特定と評価を行いました。評価の結果、自然資本への大きな依存・インパクトや水リスクの高い拠点は確認されませんでした。当社グループは、今後も事業活動における自然への影響を把握するとともに、適切な情報開示に努めてまいります。詳細については当社ウェブサイト(https://mixi.co.jp/sustainability/issue/environment/tnfd/)をご参照ください。

 

 

(2) 人的資本に関する戦略及び指標と目標

当該事業年度の人的資本に関する記載は㈱MIXI単体に関する記載となります。

 

当社の企業理念(以下、PMWV)

  PURPOSE:豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。

  MISSION :「心もつながる」場と機会の創造。

  MIXI WAY(意思決定の軸):ユーザーサプライズファースト

  VALUES(行動指針):発明 夢中 誠実

 

当社は、このPMWVに基づきコミュニケーションを軸とした事業を展開しており、デジタルエンターテインメント、ライフスタイル、スポーツ、投資領域等へ事業の幅を広げ、多角的な事業運営を行っております。

<豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。>というパーパスの実現が当社にとって最も重要なゴールであり、その実現に向けて<「心もつながる」場と機会の創造。>というミッションを掲げております。

「心もつながる」場と機会とは、当社が提供するコミュニケーションサービスそのものであり、その担い手となる「人材」は当社における価値創造・競争優位の源泉であるため、人的資本を最も重視すべき資本の一つと位置付け、積極的な投資を行っています。

 

人的資本経営のゴールである「MIXIらしいコミュニケーションサービスの継続的な創出・運営」を実現していくために、<PMWVの浸透><組織能力の発揮>の2点を人材戦略の柱として位置付けております。


各施策をこの人材戦略と有機的に連動させることで、人的資本の価値を最大化し、「MIXIらしいコミュニケーションサービスの継続的な創出・運営」実現に取り組んでいます。

 

 

1)<PMWVの浸透>について

 

<PMWVの浸透>において目指すのは、当社に所属するすべての従業員が、同じ目的と価値基準のもと、その達成に本気で取り組んでいる状態です。当社は2022年4月に理念体系を刷新し、このPMWVを制定しました。社員一人ひとりがPMWVに深く共感し、自ら行動している状態を目指しています。

 

◆サーベイ結果と現状課題、今後のアクションについて

<PMWVの浸透>を進めるべく、従来から以下のような施策に取り組んでおります。

 ●デザインによる雰囲気醸成

当社のクリエイティブ力を活かして、社内で利用する備品や設備にPMWVを想起させるデザインを組み込んでいます。社員の目に触れる機会を増やすことでPMWVに対する意識を高めること、統一感のあるデザインにより会社としての一体感を醸成することを目的としています。

・全体朝会のデザインリニューアル

・MIXIスライドテンプレートの刷新

・新卒入社式のクリエイティブ制作

・MIXI AWARDデザイン制作

・オフィス社食のポップのリニューアル など

 


 

●上位層からの発信

社内報や全社総会等の社内メディア、外部の取材記事等の社外メディアの両面から、経営陣を中心にPMWVに関する発信を積極的に行なっています。

また、組織階層を通じた発信も強化すべく、本部長や部室長の360度フィードバックにPMWVの発信に関する項目を追加し、現状の把握と発信の促進を行なっています。

 

 ●MIXI AWARD(社内表彰イベント)の実施

年に一度、MIXI AWARDという社内表彰イベントを開催しています。2023年3月期よりPMWVを選考基準とし、社員からの推薦により、PMWVを体現している個人・チームを表彰しています。

受賞理由の紹介を通じたPMWVの理解浸透と、表彰によるモチベーション向上を目的としています。

なお、推薦数推移については以下の通りであり、年々推薦数自体も増加傾向にある点もポジティブに捉えています。

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

MIXI AWARD Values賞の推薦数

140件

279件

378件

 

 


 

前述の施策による効果測定、ひいては社員一人ひとりがPMWVに深く共感し、自ら行動できているかを把握する為、当社では年1回PMWVの浸透度について社内調査を行っています。

2025年3月期に実施した調査では、「認知」「理解」「共感」の数値がそれぞれ80%以上でした。

昨対比では各項目の比率の向上はわずかであったものの、調査方法の改善により回答回収数については690件から1,285件(回答率:98%超)に大幅に増加した点についてはポジティブに捉えています。

 

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期

(目標)

認知

69.8%

84.3%

86.2%

100%

理解

74.8%

85.7%

86.8%

95%以上

共感

70.8%

76.9%

82.0%

90%以上

行動

56.5%

67.1%

68.3%

85%以上

 

 

他方、「行動」フェーズにおいては68%に留まり、PMWVをいかにして行動に繋げるかが、今後のPMWV浸透における課題感、伸びしろとして捉えています。

要因としては、個々の業務との結びつきが見えづらいことや、「自分ごと」として捉える機会の不足であると捉えており、PMWVと行動を繋ぐ橋渡しの強化が必要と考えています。

今後は上記課題を解消するべく、PMWVの浸透(行動化)を見据え、以下のような取り組みを検討しています。

  ●よりPMWVとの連動性が高い評価制度の導入

  ●行動促進につながるワークショップの実施

  ●行動促進を促す動画クリエイティブの企画・作成

  ●従業員へのPMWV浸透を見据えたアウターブランディング戦略と実行

 

2)<組織能力の発揮>

 

 <組織能力の発揮>において目指すのは、MIXIらしいコミュニケーションサービスを創造し、長期的に運営するために必要な能力を、個・組織として備えている状態です。

 

 2-1)<勝ち筋を体現できる人材の創出>について

 

<勝ち筋を体現できる人材の創出>において目指すのは、MIXIらしいコミュニケーションサービスを創造し、長期的に運営するために必要な能力を持つ人材を持続的に輩出することです。なお、「勝ち筋を体現できる人材」の役割とスコープに応じて、現在は以下の3つのタイプに分類しております。

 ●将来の経営を担う人材:経営視点での意思決定や組織全体を牽引する力を持つ人材

 ●事業を牽引/運営する人材:既存事業や新規事業の中核を担うキーパーソン

●MIXIらしい価値創造を担う人材:MIXIらしい価値提供を再現・継続できる力を持つ人材。「MCS(MIXI-like Communication Service)」の要素を共通言語として全従業員に浸透させつつ、事業を牽引する人材が業務上で実践できている状態を目指す

 

「勝ち筋を体現できる人材」の輩出のために、「勝ち筋(=世界中が夢中になれるコミュニケーションサービス・ビジネスの創造を実現する思考・行動)」の形式知化・共有、並びにその体現を可能にする人材の育成と配置を、人材戦略の1つに捉えています。

具体的には以下の人事施策を展開しています。

 ◆サクセッションプラン

 ◆事業パーソンのアサイン・育成

 ◆MCS(MIXI-like Communication Service)の共通言語化

 

各施策の詳細は以下の通りです。

◆サクセッションプラン

MIXIらしいコミュニケーションサービスを継続的に創出・運営していくためには、日々の事業運営を支えるだけでなく、不確実な環境下でも変化に適応し、長期的な価値創出をリードできる経営人材の存在が不可欠です。当社では、未来の経営を担う人材を計画的に育成・選抜していくことを、人的資本戦略の重要テーマの一つとして位置づけております。

具体的な取り組みの一つとして、上級執行役員・執行役員・本部長を育成対象とした育成会議を年2回開催しています。このうち執行役員・本部長を対象としたものは当社経営のサクセッションプランも内包しております(当社では、取締役及び上級執行役員を「経営者」と位置づけており、執行役員・本部長が次世代経営者の候補となるため)。なお、2025年3月末時点にて経営者サクセッション候補は7名(本部長・執行役員)であり、今後は数値目標化のうえ、各施策を展開予定です。

また、2025年3月期においては当社の企業経営において、経営者の中でも特に重要ポジションであるCEO候補にフォーカスし、後任者のプール形成のため、「後継者計画のロードマップ」「あるべき社長・CEO像と評価基準の策定」に取り組んで参りました。

 


 

2026年3月期以降は後継者候補の選出、育成計画の策定・実施といった運用体制基盤の構築に注力していきます。

加えて、各階層の役職者が組織運営上担う役割を定義し、それぞれが適切に役割を果たすことを目指して、役職者(部室長/マネージャー)の強化についても継続的に取り組んでおります。

 ●役職ごとの役割定義に基づく360度フィードバック

 ●個別課題に対する学習機会の提供

 ●新任マネージャーのフォローアップ施策

 ●ハイレイヤーを中心とした英語教育

 

◆事業キーパーソンのアサイン・育成

事業戦略上キーとなる人材を機動的にアサインできる状態を目指し、まずは人材の流動性を高める組織風土と制度の整備に取り組んでいます。従来、異動文化が限定的であった背景を踏まえ、まずは人材起点での再配置(本人の志向性やポテンシャルを踏まえたマッチング)を中心とした取り組みを強化しています。

その実行主体となるのがHRBPであり、各事業部門の人材のタレント性・志向性・育成履歴を可視化し、「再配置を通じた育成」という戦略的配置運用、内部労働市場の流動性向上に取り組んでいます。

また、事業戦略に基づく重点領域や人員が不足しているポジションの募集要件を社内に公開し、選抜の上、新たなミッションにチャレンジできる機会を提供する社内公募制度「MCC(MIXI CAREER CHALLENGE)」も適所適材実現に向け、運用を進めております。

加えて、事業責任者・プロジェクトリーダーとしての活躍を期待される人材に対して、「PM力(プロジェクトマネジメント力)」の強化を中心に据えた育成支援のプログラム体系化を進めており、プロダクト作りをリードできる人材の増強についても取り組んで参ります。

 

◆MCSの共通言語化

SNS「mixi」や「モンスターストライク」など、MIXIらしいコミュニケーションサービス(MIXI-like Communication Service、以下MCS)を継続的に創出・運営していくための取り組みを推進する為に、2025年4月に人事本部内に専任チームを新たに立ち上げています。現在、同チームを中心に、新たなコミュニケーション文化を創造してきたサービス(SNS「mixi」、「モンスターストライク」、「みてね」など)を振り返り、「MCSとは何か」を問い直し、その本質や価値観を明文化・再定義する取り組みを進めています。この取り組みから、MCSを創出・運営していくための人材育成や事業開発の仕組みを整えることで、「発明」に向かって「夢中」にチャレンジし続ける人材創出につなげ、MCSの再現可能性を高めることを目指しています。

この取組みの行動計画についても2025年3月期にブラッシュアップし、今後は以下計画に沿う形で取り組みを進めていきます。

 

 

2026年3月期

2027年3月期

~2029年3月期

MCSの全社展開

・MCS人材育成におけるコンセプト、プログラム、KPIの設計

・未来の担い手である若手層への育成プログラムの実行

・MCS人材育成プログラムの改善と実行

・人材マネジメント領域との接続検討と実行

左記のPDCAを回し、事業計画(短期・中長期)に沿った人材のアサイン・育成が継続的に実行されている状況を目指す

実行力の強化

・プロダクトづくりをリードできる人材の増強における育成プログラムの設計と導入

・事業キーパーソンの戦略的なアサインの実行

・新規事業創出の環境構築(機会提供)

 

 

 2-2)<パフォーマンスの最大発揮>について

<パフォーマンスの最大発揮>において目指すのは、社員一人ひとりが持つポテンシャルを最大限に引き出し、それを自律的な成長と組織の成果の両面に転換できる状態を実現することです。当社の事業は、変化する社会やユーザーの期待に応え続ける創造性を求められる中、個々の能力が発揮され、連携し、価値創造につながる「夢中になれる環境」の整備が不可欠であると考えています。

具体的には以下の人事施策を展開しています。

 ◆働きがいの醸成

 ◆従業員エンゲージメント

 ◆働きやすい職場環境整備

 

各施策の詳細は以下の通りです。

◆働きがいの醸成

当社では、社員一人ひとりが意義を感じながら挑戦し、成長と成果が正当に認められる状態こそが、「働きがい」につながると考えています。働きがいは、環境や報酬だけでなく、「自らが成長できている」「貢献が評価されている」という実感によって支えられます。

そのため当社では、成長機会の充実と、成果に応じた公正な処遇の両輪で、社員の働きがいを高める取り組みを進めています。

 

●育成施策

当社では、社員一人ひとりの成長が、企業の持続的成長とイノベーションの源泉であると捉え、組織的・自律的な両面からの育成支援に取り組んでいます。

役職者から新卒社員に至るまで、それぞれの役割と成長フェーズに応じた研修など育成機会を整備するとともに、社内外の学習機会やキャリア支援も充実させています。

さらに、HRBPによる現場密着型の支援や育成会議などを通じて、個別性の高い育成についても推進しています。

 ・育成会議・サクセッションプランの実施(年2回)

 ・本部単位の育成会議(HRBP主導)による人材育成の議論

 ・360度フィードバックによる行動と役割の振り返り支援

 ・役職者向け研修・評価者研修・新任研修の実施

 ・1on1のガイド・スキル研修の提供

 ・選択型研修(社外連携)、自己啓発費用の補助

 ・新卒向けの配属後OJTと年次別フォロー研修

 

これらの施策を通じて、「より活躍したい」という内発的な動機がわくような「成長を後押しする環境」の構築を目指しています。

なお、2026年3月期においては、従業員一人当たりの研修費用及び自己啓発費用として年間107,445円(前年度比:+10,174円)を予算として計上しております。

 

●トータルリワード

当社では、社員の「働きがい」を高め、持続的な成長と価値創出を実現するために、金銭・非金銭の報酬を一体で捉える「トータルリワード」の考え方に基づいた報酬設計の再構築を進めています。

メッセージ性が明確かつ多様なリワードを効果的に組み合わせた報酬制度により、「人材の獲得・リテンション」と「社員として望ましい姿勢・行動の強化」を実現し、経営目標達成に寄与することを目指し、2027年度3月期の本格導入に向けて各テーマごとの詳細設計、準備を進めていく予定です。働きがいや成長実感といった非金銭報酬の魅力訴求も強化し、採用・定着・育成の好循環を生み出してまいります。

 

◆従業員エンゲージメント

従業員エンゲージメントは、社員が会社・組織の方針や戦略に共感し、誇りを持って自発的に仕事に取組みたいと思う意欲を測るものであり、PMWVへの共感やパフォーマンスの発揮度・成長実感との相関性がある指標です。

 

●エンゲージメントサーベイ概要

当社では年に1度、全従業員を対象としたエンゲージメントサーベイを実施しています。

過去のサーベイ結果の分析から、当社におけるエンゲージメントのスコアが社員のパフォーマンス発揮や離職と関連があることが確認されています。

サーベイ結果は経営や各組織にフィードバックし、課題の優先度に応じた改善アクションを講ずることで、全社をあげてエンゲージメントの向上に取り組んでおります。サーベイ結果は全社へ周知・公開しております。

なお、2025年3月期の回答率は98%です。

 

●サーベイ結果と当社の強み(維持すべきポイント)、当社の伸びしろ(強化・改善すべきポイント)

サーベイ内の設問のうち、「自発的な貢献意欲」「自社に対する愛着・誇り」「仕事を通じての達成感」の3つの設問の肯定的回答者の割合を総合した数値を「エンゲージメントスコア」としております。

過去3年間のエンゲージメントスコアは以下の通りで、2025年3月期の実績は目標としていた75%を達成しております。現時点において良好な水準以上であると捉えており、2026年3月期は現状維持以上の75%以上を目標値としております。

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期(目標)

67%

72%

75%

75%以上

 

 

当社の強み(維持すべきポイント)

エンゲージメントスコアと相関性の高い項目のうち、肯定回答率が高い(70%以上)項目をみると、「整った業務環境と組織内の良好な人間関係の中で、パフォーマンスに対してしっかり承認・評価されながら仕事に取り組んでいる従業員が多い」という点が、当社における働きがいの強みとして顕在化しています。

具体的には、

 ・「自分の意見を自由に述べることができる」(84%)

 ・「直属上司が自分を尊重してくれる」(82%)

 ・「良い仕事をした際にきちんと認めてもらっている」(81%)

といった設問において、いずれも高い肯定回答が得られています。

こうした結果から、社員一人ひとりが安心して意見を表明し、上司との信頼関係の中で前向きに業務へ取り組める環境があると捉えています。

 

当社の伸びしろ(強化・改善すべきポイント)

エンゲージメントスコアと相関性の高い項目のうち、肯定回答率が低い項目をみると、「経営陣の伝える/聴く姿勢」が当社の最大の伸びしろとなっています。

この課題の背景には、経営方針や意思決定の意図が現場まで十分に伝わりきっていないことや、階層間の情報流通・対話の機会が限定的であったことが挙げられます。

特に、経営と現場の中間に位置する管理職層での認識ギャップや共通言語の不足が、ボトルネックであると捉え、以下の取り組みを実施しました。

 ・ 管理職層を集めたディスカッションの機会

 ・ 部室長向けの経営情報共有の強化

 ・ 経営陣との目線合わせを行う定例会の運営見直し など

 

これらの取り組みにより、該当する設問群に関して、管理職層の肯定回答率が10ポイント改善する結果となりました。とはいえスコアとしては依然として改善余地のある水準のため、今後も経営層からの発信の機会を引き続き強化していくとともに、組織階層を通じた情報伝達の強化に向けて、経営と現場の接点となる管理職と経営層の距離を近づけるための取組みを進めていきます。

 

 

2024年3月期

2025年3月期

2026年3月期(目標)

全体

42%

49%

管理職
(マネージャー以上)

31%

41%

50%

非管理職

45%

51%

 

 

◆働きやすい職場環境

当社では、社員一人ひとりの多様な価値観やライフステージに寄り添いながら、心身ともに健康に、安心して働き続けられる職場環境づくりを推進しています。

働く場所・時間・制度の柔軟性を高めるとともに、キャリアと生活の両立や、健康維持・向上を支援する各種施策を整備することで、個々の能力が最大限に発揮される環境の実現を目指しています。

主な取り組みについては以下の通りです。

●柔軟な働き方制度(マーブルワーク/マーブルロケーション/フルフレックス)

 2025年3月末時点で遠方居住者53名、マーブルロケーション延べ185名利用

 

●定年延長とライフプラン支援

 定年を65歳に延長し、再雇用は70歳まで対応/ライフプラン&マネーセミナーを全従業員対象に開始

 

●育児支援制度の拡充

時短フレックス導入により柔軟な子育てとの両立を実現/育休取得率:女性100%、男性52.4%(2025年度3月期実績)

 

●休暇制度の見直し

ケア休暇新設/リザーブ休暇を妊活や家族の看護にも拡充/勤続5年ごとの特別休暇「MIXIBREAK」継続実施

 

●健康経営の推進

「健康経営優良法人2025」認定(3年連続)/ストレスチェック、感染症対策、ヘルスリテラシー教育、健康管理システム導入準備中

 

 2-3)<事業の創造・深化を促す組織づくり>について

<事業の創造・深化を促す組織づくり>において目指すのは、組織の多様性とチームとしての協働力の両立を通じて、継続的な価値創出が可能な事業基盤を構築することです。

イノベーションが求められる環境において、個の能力のみに依存するのではなく、異なる知見・背景を持つ人材が協働する組織構造そのものが、事業成長のドライバーであると当社は捉えています。

具体的には以下の人事施策を展開しています。

 ◆多様性の確保

 ◆チーム力の強化

 ◆コンプライアンス教育の徹底

 

各施策の詳細は以下の通りです。

◆多様性の確保

当社では「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」をマテリアリティのひとつとし、多様性を活かす文化づくりを行っております。

継続的に多様性の確保を促進してまいりますが、具体的な目標の設定は、戦略・方針や事業成長に合わせた最適な組織構成とすることを念頭に行うこととしております。現在、女性、中途入社社員及び外国人の管理職登用については注視しており、状況は以下の通りです。

 

 

<女性・中途社員・外国人の比率(単体)> ※2025年3月末時点

 

社員全体に占める比率

管理職に占める比率

係長職級まで含めた比率

女性

33.0%

16.8%

23.7%

中途社員

87.1%

90.9%

90.2%

外国人

3.7%

1.4%

2.5%

 

 

女性の管理職比率については、2025年3月末時点で17%以上を目標として掲げておりましたが、当該時点での実績値は16.8%となり、目標にはわずかに届かない結果となりました。

今後は、女性管理職比率について20%以上の水準を目標とし、性別にかかわらず多様な人材が意欲と能力を発揮できるよう、育成・登用の両面からの取組みを継続してまいります。

 

多様な人材が心地よく働ける環境づくりにも取り組んでいます。

毎年、全社員に受講を義務付けているeラーニングにて、性別や国籍・文化の多様性に限らず、性的指向/性自認・価値観・ライフスタイル等の多様性についても互いに尊重し合うよう啓発しております。

また、当社就業規則では、性の多様性(LGBTQ+)の尊重についても明記しております。個人が望まない性的言動や不利益な取扱いの禁止に加え、「結婚に準ずるパートナーの定義」として同性婚におけるパートナーも一般的な配偶者と同等に扱い、「結婚祝金」や「慶弔休暇」等、異性婚と同等の提供を行っております。

 

グループ全体の女性社員比率については以下の通りです。各社の人事制度が異なるため、現状では単体の目標値のみ設定しております。グループ全体での目標値や行動計画の設定は、今後段階的に進めてまいります。

 

<女性の比率(連結)> ※2025年3月末時点

社員全体に占める比率

管理職に占める比率

係長職級まで含めた比率

31.5%

16.4%

22.7%

 

 

◆チーム力の強化

個々のパフォーマンスの向上に加え、チームとして成果を出せる組織であるよう、以下の取組みを行なっています。

●チームビルディング研修

取締役・上級執行役員・本部長をはじめ、事業や組織をリードする役職者を中心に、チームビルディングの重要性を体感し、役職間・部署間の交流を強める研修を行なっています。研修参加者が自組織でチームビルディングに関する取組みを実践する際の支援も行なっています。

 

●オンボーディングの強化

中途採用者に対し、入社初日に人事本部による全体オリエンテーションを実施しています。オリエンテーションは、社長からの動画メッセージ、企業理念の紹介、オフィス案内、全社的に使用するツール類の説明で構成されています。社内制度やルールは、新入社員専用サイトでいつでも必要な情報にアクセスできる体制を構築しています。

配属先に着任後は、部署によるオンボーディングを開始します。部署の受け入れ担当者と人事担当で事前に連絡を取り合い、全員体制で受け入れるための仕掛けやノウハウを連携しています。

オンボーディングの状態については、入社1ヶ月後/3ヶ月後に人事が面談を行い把握しています。

 

●各種制度

各部署でチームビルディングや懇親の機会を設ける際の費用を一部会社で補助しています。また、業務外での交流を促進するための社内サークル制度を設けています。

 

◆コンプライアンス教育の徹底

当社ではコンプライアンス教育の一環として、危機管理研修をeラーニングで提供しております。全ての従業員を対象とし、毎年100%の受講率を達成しております。危機管理研修の内容としては、コンプライアンスの基本/ビジネスコンダクトガイドライン/情報セキュリティ/ハラスメント防止研修など全8講座の受講を義務付けております。

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
 なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、特段の記載がない限り、提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

(1) 事業環境について

① モバイル市場について

当社グループは、主要事業においてスマートデバイスを通じて各種サービスを提供しております。国内モバイル市場の成長率は逓減しておりますが、高速化・低価格化によるモバイルネットワークの利用の拡大及び高性能化・低価格化によるスマートデバイスの普及の拡大等により、モバイル関連市場が今後も拡大していくと見込んでおり、当該市場の拡大が当社グループの事業展開の基本条件であると考えております。しかしながら、モバイル関連市場は、ブラウザゲームからスマートデバイス向けゲームへの急速な移行に見られるように、非常に変化が激しい状況にあります。モバイル関連市場は国内外の経済状況の変動、法的規制、技術革新、関連する市場の動向等様々な要因による影響を強く受けるため、今後新たな法的規制の導入や技術革新、通信事業者の動向の変化などにより、急激かつ大幅な変動が生じる可能性があります。当社の予期せぬ要因によりモバイル関連市場の発展が阻害され、又は当社の想定する成長が実現しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 競合について

当社グループの主要事業においては、スマートデバイスを通じて各種サービスを提供しております。スマートデバイスを通じた各種サービスは、参入障壁が低く、多くの企業が参入しており、国内外の企業との競合が激しい状況にあります。今後も、資本力、マーケティング力、知名度や専門性、新規サービスの開発力、事業ポートフォリオ等において、当社グループより強い競争力を有する企業等との競合又は新規参入が拡大する可能性があり、競争の激化やその対策のためのコスト負担等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、家庭用ゲーム機や動画共有サイト等のサービスと、当社グループが提供するスマートデバイスを通じた各種サービスは、余暇に手軽に楽しむ娯楽という点でユーザー層や利用目的が重なる傾向にあり、同じユーザー層の余暇を奪い合う点において間接的に競合する関係にあります。当社グループの提供するサービスのユーザーが、これらの競合するサービスを利用するために費やす時間が増えた場合には、当社グループのサービスに対する需要が減少するなど、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 技術革新について

当社グループが事業を展開するインターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が速く、それに基づく新サービスの導入が相次いで行われております。これらの変化に対応するため、優秀な技術者を確保するとともに先端技術の研究やシステムへの採用等、必要な対応を行っておりますが、何らかの要因により変化に対する適時適切な対応ができない場合には、業界における競争力が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 事業上のリスクについて

① ユーザーの嗜好や興味・関心の変化への対応について

当社グループが提供するサービスの主なユーザーは、モバイルを利用する一般ユーザーであり、当社グループによるユーザーの獲得・維持、利用頻度、課金利用数はその嗜好の変化による影響を強く受けます。当社グループはかかるユーザーの多様化する嗜好の変化に対応するため、サービスの拡充、集客強化及び活性化のための対策を適切なタイミングで定期的に講じる方針でありますが、スマートデバイス向けゲーム等、当社グループの主たるサービスにおいては、ユーザーの嗜好の移り変わりが激しく、トレンドの変化が急速かつ急激である傾向にあり、ユーザーニーズの的確な把握やニーズに対応するコンテンツの提供が何らかの要因により適時適切に実行できない場合には、当社グループの提供するサービスのユーザーへの訴求力が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、各対策に対するユーザーの興味・関心によっては、当社グループの業績にも季節による偏りが生じる可能性があります。
 当社グループでは、デジタルエンターテインメント事業において、スマートデバイス向けゲーム等のサービスを提供しており、当事業における当社グループの提供するゲームの課金売上高が当社グループの収益の大半を占めており、その中でも特定のタイトル(「モンスターストライク」)の売上高に大きく依存しております。
 当社グループは、「モンスターストライク」の利用を維持・促進するため、ゲームの機能改善や新機能の追加、定期的なイベントの開催、各種プロモーション等によるユーザーの利用の活性化を図っておりますが、かかる対策が適時適切に行えなかった場合、又はかかる対策が功を奏さなかった場合など、何らかの理由によってユーザーの興味・関心を維持できない場合、又は競合他社が当該タイトルよりも魅力あるタイトルを市場に投入するなどして、「モンスターストライク」の競争力が低下した場合、ユーザー数の減少、課金ユーザー比率の低下、課金利用の減少等により、当社の事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、ユーザーの興味・関心を高めるべく、新規タイトルの開発・普及を行ってまいりますが、当社グループが、ユーザーの嗜好の変化等を常に適切に把握し、新規タイトルに反映できる保証はありません。さらに、新規タイトルの開発及び普及のためには、多額の開発費用及び広告宣伝などの費用が必要であり、開発した新規タイトルの普及・課金が想定通り進捗しない場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

② ユーザー獲得の外部事業者への依存について

当社グループが、デジタルエンターテインメント事業において提供するスマートデバイス向けゲーム等のサービスは、スマートデバイスのアプリケーションとして、Apple Inc.及びGoogle Inc.等のプラットフォーム運営事業者を介して提供されており、代金回収やシステム利用、ユーザー獲得等において、かかるプラットフォーム運営事業者に実質的に依存しております。当社グループは、これらのプラットフォーム運営事業者との良好な関係の構築に努めておりますが、当社グループはその収益の大部分をスマートデバイス向けゲームの課金による売上高に依存しているため、何らかの原因により、これらのプラットフォーム運営事業者との契約継続が困難となった場合やプラットフォーム事業者の運営方針や手数料等に変更が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループは、サービスの開発、提供について、様々な外部事業者に対し業務の委託を行っており、デジタルエンターテインメント事業におけるスマートデバイス向けゲームの開発の一部についても特定の外部事業者に委託しております。当社グループは、これらの外部事業者とは良好な関係の構築に努めておりますが、何らかの原因によりこれらの外部事業者との関係が悪化した場合には、当社グループのサービスの維持及び新規開発に支障をきたす可能性があります。また、当社グループは、当社グループのサービスの品質の管理及び維持に万全を期しておりますが、かかる外部事業者による活動を完全に制御することは不可能であり、当社グループによる管理・監督が行き届かない可能性があります。上記のような事由により、当社グループのサービスの品質の低下やこれによる当社グループのサービスに対するユーザーの信頼の低下が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

③ グローバル展開について

当社グループは、海外でスマートデバイス向けアプリケーションを配信し、又はライセンスの供与を行っており、今後も更なる事業拡大のために海外市場におけるスマートデバイス向けアプリケーションの展開が重要な施策であると考えております。しかしながら、海外展開においては、各国の法令、政治・社会情勢、文化、宗教、ユーザーの嗜好や商慣習の違い、為替変動等を始めとした潜在的リスクに対処できないことにより、想定通りの成果を上げることができない可能性があり、この場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社グループはスマートデバイス向けアプリケーションの海外展開にあたり、言語や文化の違いを踏まえたローカライズを行ったうえで、現地での広告宣伝を実施するなど、現地ユーザーの獲得と現地での当社グループのサービスの浸透に努めておりますが、当社グループ又は当社グループのサービスが、海外でも日本国内と同様に受け入れられる保証はありません。また、ローカライズを適切に行うことができなかった場合には、現地ユーザーに受け入れられず、場合によってはユーザーからの批判に晒される可能性があり、かかる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

④ 当社グループ及び当社グループの製品、サービス、事業に対する信頼又は社会的信用について

当社グループは、主としてインターネットに接続するスマートデバイス及びPC向けにサービスの提供をおこなっており、当社グループの提供するサービスのユーザーはインターネット上の情報に頻繁にアクセスする傾向にあります。インターネットはその特性上、根拠の有無に関わらず様々な情報が交わされるため、当社グループが提供するサービスは特にインターネット上の風評による被害を受けやすい傾向にあります。当社グループは当社グループ及びその提供するサービスに関する評判の維持、向上に努めておりますが、ユーザーの根拠の乏しい風説等により、当社グループの評判・信頼が傷つくとともに、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループが提供するサービスにはユーザー同士による双方向コミュニケーションを仲介するものがあります。当社グループでは、ユーザー同士のトラブルの回避や違法行為等を防止する観点から、ユーザーに対する啓蒙やモニタリングに努めておりますが、一部の悪質なユーザーによる不適切な行為や違法行為等を完全には防ぐことができない可能性があります。ユーザーによりこのような行為が行われた場合には、当社グループが提供するサービスの安全性、信頼性が低下し、ユーザー数が減少する可能性があり、また法的な紛争に巻き込まれ、公的機関から指導を受けることとなる可能性があり、このような場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、当社グループのサービスの開発、提供について、様々な外部事業者に対し業務の委託を行っておりますが、当社グループがかかる外部事業者の活動を完全に制御することは不可能であるため、かかる外部事業者による個人情報の漏えいその他の違法行為又は不適切な行為等が行われた場合には、当社グループ又は当社グループのサービスに対するレピュテーションが低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループは、「mixi」「モンスターストライク」等、日本において高いブランド認知度を有するサービスを提供しており、ブランド価値の維持及び強化が、ユーザーの信頼確保、ユーザー基盤の拡大・利用の促進、新たな取引先の確保のために重要であると考えております。
 しかしながら、当社グループがブランド価値の維持及び強化に必要な投資を行えない場合、競合他社がより競争力のあるブランドを確立した場合等には、当社グループのブランド価値が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 また、ブランド価値の維持と強化には多額の費用と人的資源の投下が必要であるところ、十分な投資を行ってもブランド価値の維持・強化を実現できる保証はなく、何らかの理由により当社グループのブランド価値が低下した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このようなレピュテーションリスクやコンプライアンスに配慮した経営判断を行うため、次のような仕組み・体制を整えております。

リスク管理等担当執行役員やコンプライアンス本部を設置し、網羅的なリスク状況の把握や、発生後の迅速な対応方法の策定など、全社的なリスク管理体制を構築しております。また、執行の長である本部長や当社グループの経営陣は、事業上のリスク等に配慮しながら業務執行を行うとともに、事業推進において特定の個人に依存することなく、組織を横断したリスク管理を行うために、担当事業のリスクを定期的に本部長報告会にて報告する仕組みとしております。また、一定金額以上の重要な事業推進においては、職務権限規程に基づき取締役会又は経営会議に上程し、決裁しております。なお、経営会議の決裁権限を拡大することで、取締役会においてより重要性の高い案件の審議に注力し、経営戦略・リスクマネジメントに関する議論・判断に専念できる体制を整えております。加えて、新規事業やM&Aを行う際に、組織横断的なリスクの洗い出し・評価・対応策の検討を行う会議体としてリスク管理等担当執行役員を責任者とするリスク管理委員会を設置しており、審議結果を事業部門や取締役会等にフィードバックすることでリスク管理・コンプライアンス体制の向上を図っております。

(3) 事業推進体制について

人材の確保及び育成について

当社グループは、今後想定される事業拡大に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えており、継続して優秀な人材を適切に確保するとともに、事業推進のキーパーソンとなる人材の育成に努めていく方針であります。しかしながら、事業拡大に伴い必要となる事業責任者等の優秀な人材の確保・育成が計画通り進まなかった場合には、当社グループの競争力の低下や事業の拡大が制約される可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

② 内部管理体制について

当社グループは、企業が継続して成長し続けるためには、人材、資本、サービス、情報資産の適正な活用のために必要な体制を構築し、内部統制が有効に機能することが不可欠であるとの認識のもと、取締役会直轄の独立した組織として内部監査室を設置しており、業務上の人為的なミスやその再発、内部関係者の不正行為等が起きることのないよう、内部管理体制の充実に努めております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じた場合、適切な業務運営、管理体制の構築が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

情報管理体制について

当社グループは、ユーザーの登録情報等の個人情報を取得して利用しているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。
 当社グループは、個人情報の外部漏えいの防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、個人情報保護基本規程等を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローや取り扱いのマニュアルを定めて厳格に管理するとともに、全グループの社員を対象として社内教育を徹底するなど、同法及び関連法令並びに当社グループに適用される関連ガイドラインの遵守に努め、個人情報の保護に積極的に取り組んでおります。
 また、個人情報を保管しているサーバーについても24時間管理のセキュリティ設備のあるデータセンターで厳重に管理されており、加えてこのサーバーに保管されているデータへのアクセスは、権限を有する一部の社員に限定されております。
 しかしながら、当社グループが保有する個人情報等につき、漏えい、改ざん、不正使用等が生じる可能性を完全に排除することはできません。また、これらの事態に備え、個人情報漏えいに対応する保険に加入しておりますが、全ての損失を完全に補填できるとは限らず、これらの事態が起こった場合、適切な対応を行うための相当なコストの負担、損害賠償請求、当社グループに対する信用の低下等によって、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) システムについて

① 事業拡大に伴う継続的な設備・システム投資について

当社グループは、今後のユーザー数及びアクセス数の拡大に備え、継続的にシステムインフラ等への設備投資を計画しておりますが、当社グループの計画を上回る急激なユーザー数及びアクセス数の増加等があった場合、設備投資の時期、内容、規模について変更せざるを得なくなる可能性があります。このような事態が生じた場合には、設備投資、減価償却費負担の増加が想定され、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② システム障害・自然災害について

当社グループは、事業を運営するためのシステムについて、外部事業者が保有するデータセンター及びクラウドサービスを利用し、セキュリティ強化による不正アクセス対策や、データのバックアップ、設備電源の二重化等の運用・管理体制を構築しております。しかしながら、サービスへのアクセスの急増などの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウェアの不具合、外部連携システムにおける障害、コンピュータウイルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、自然災害、事故など、当社グループの予測不可能な様々な要因によってコンピュータシステムがダウンした場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、当社グループのサービスの運営が制限されることにより、当社グループの売上が減少する可能性があります。また、大規模な自然災害等が発生した場合には多大な損害を被る可能性があり、復旧等に際して特別な費用負担を強いられることにより、当社グループの利益が減少する可能性があります。更には、サーバーの作動不能や欠陥等に起因し、信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社グループに対する損害賠償請求等が発生する場合も想定され、このような場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 法的規制等について

当社グループの事業は、「電気通信事業法」、「資金決済に関する法律」、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(以下「青少年ネット環境整備法」という。)、「個人情報の保護に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」、及び「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」等の各種法令や、監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。このような法令の制定や改正、監督官庁による許認可の取消又は処分、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又は改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループの事業に適用のある法令のうち、特に重要な規制は以下の通りです。

(ア) 「電気通信事業法」

 当社グループは、「電気通信事業者」として届出を行っており、通信の秘密の保護、障害発生時の報告等の義務が課せられております。当社グループが、本法令に違反した場合には、業務改善命令等の行政処分を受ける可能性があり、このような場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(イ) 「資金決済に関する法律」

 「mixi」ゲームや「モンスターストライク」などのスマートデバイス向けゲームで発行している有料のゲーム内通貨を含め、当社の一部サービスで発行する「前払式支払手段」については、同法が適用されます。このため、当社グループは関東財務局への登録又は届出を行い、同法、府令等の関連法令を遵守し業務を行っております。しかしながら、当社グループがこれらの関連法令に抵触した場合、業務停止命令や登録取消し等の行政処分を受けることも想定され、このような場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(ウ)「青少年ネット環境整備法」

 この法律は、現状、インターネット運営事業者等に対して、インターネット上の違法・有害情報について青少年閲覧防止措置を講ずる努力義務を課すに過ぎないものの、青少年を取り巻くインターネット上の違法・有害情報に対する運営事業者への社会的責任は大きくなってきており、今後、インターネット運営事業者等に特別の法的義務を課された場合、当社の事業展開が制約される可能性があります。

(6) 知的財産権について

当社グループでは、知的財産権の確保が競争の優位性を担保するための重要な要素と位置づけ、知的財産権に関する戦略の検討、取得・管理方針の策定等の知的財産権に関する施策を集中的に推進する体制を構築しております。 もっとも、知的財産権はその範囲が不明確であり、当社グループのサービス及び連携する第三者のサービスにおいて、第三者の知的財産権侵害の可能性を完全に把握することは困難であります。
 また、当社グループの事業分野では、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに知的財産権が成立する可能性があります。当社グループが第三者の知的財産権を侵害することによる損害賠償請求や差止請求、又は当社グループに対する知的財産権の使用料の請求等を受けることにより、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 さらに、当社グループでは、オープンソースソフトウェアを活用したシステム開発を行っておりますが、オープンソースソフトウェアに関してはライセンスの種類が多岐にわたるうえ、その性質・効果について多様な議論があるところであり、予測できない理由等により当社グループによる知的財産権の利用に制約が発生する可能性があり、このような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 投融資にかかるリスクについて

当社グループでは事業ポートフォリオを拡大すべく、国内外を問わず出資、子会社設立、合弁事業の展開、アライアンス、M&A等を実施する場合があります。これらの投資は、それぞれの投資先企業と当社グループとの事業上のシナジー効果や投資先企業による収益貢献等を期待して投資を実行しておりますが、予定したシナジーが得られない場合や投資先企業の業績によっては減損処理等を実施する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。  
 また、マイノリティ出資においては、出資先の経営陣が当社グループの意思に反する経営判断を下す、又は当社グループの意思に反して若しくは不利な条件で、当社グループの投資持分を売却せざるを得なくなる可能性があり、その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社グループでは、投資事業組合等(ファンド)への投資も実施していく方針でありますが、ファンドが出資する未公開企業は、経営資源や開発力が限定されている企業も多く、将来性については不確定要素を多数かかえており、業績が悪化した場合など、投資資本が回収できず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 業務提携・M&Aにかかるリスクについて

当社グループでは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、当社グループのサービスと親和性の高い企業との業務・資本提携やM&Aを通じた事業の拡大に取り組んでおります。また、M&Aの実施前には、法務・財務税務面等に関するデューデリジェンスの実施に加え、リスク管理委員会にて組織横断的なリスクの洗い出し・評価・対応策の検討を行っております。しかしながら、被買収企業との融合又は提携先との関係構築・強化が予定通り進捗しない場合、統合又は提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない場合、何らかの理由により当該業務提携が解消された場合など、投資に要した資金、時間その他の負担に見合った利益を回収できない可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、企業買収等に伴い、連結貸借対照表において相当額ののれんを計上しております。当社グループでは、適用のある会計基準に従ってかかるのれん及び無形固定資産を今後一定の期間にわたり償却いたしますが、事業環境や競合状況の変化等により期待する成果が得られないと判断される場合には、当該のれん及び無形固定資産について減損損失を計上する必要があり、これにより、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 新規事業について

当社グループでは、今後も持続的な成長を実現するために、新サービス・新規事業の創出、育成に積極的に取り組んでいきたいと考えております。このような施策を実施するためにシステム投資、広告宣伝費等の追加的な支出が発生することが想定され、これにより利益率が低下する可能性があります。また、新規事業については、リスク管理委員会にて事業のレピュテーションリスクにも留意して組織横断的なリスクの洗い出し・評価・対応策の検討を行っております。しかしながら、新サービス・新規事業を創出、育成していく過程では、予測困難なリスクが発生する可能性があり、また、当社グループとして新サービス・新規事業の経験が浅い場合には、経験不足により円滑な事業運営ができない可能性があります。その結果、新サービス・新規事業の展開が計画通りに進まない場合や計画を中止する場合、開始した新規事業が期待した収益性を実現できない場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10) 過年度の業績について

当社グループの主要な連結経営指標等の推移は下記のとおりです。

回次

第22期

第23期

第24期

第25期

第26期

決算年月

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

2025年3月期

売上高

(百万円)

119,319

122,030

146,867

146,868

154,847

EBITDA※

(百万円)

27,117

22,073

29,482

23,497

31,694

営業利益

(百万円)

22,928

17,808

24,820

19,177

26,600

経常利益

(百万円)

23,019

17,626

18,250

15,669

26,511

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

15,692

10,262

5,161

7,082

17,601

 

※EBITDA=減価償却費及びのれん償却額を考慮しない営業利益ベースの数値

当社グループは、主力事業である「モンスターストライク」の事業拡大に伴い、2016年3月期に至るまで業績を拡大しておりました。2017年3月期以降は「モンスターストライク」が減収トレンドとなり、それに伴い、当社グループの連結業績について、2020年3月期に至るまで減収・減益傾向が続いておりました。2021年3月期以降はスポーツ事業において、M&Aによりグループインした事業の成長や、「TIPSTAR」のプロダクト改修等により売上を拡大していること、ライフスタイル事業において、「家族アルバム みてね」の注力商材を中心に売上を拡大していること等により、連結業績についても増収傾向となっております。また、当連結会計年度においては、対前連結会計年度比で増収・増益となっております。(詳細は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。)今後、当社グループは引き続き「モンスターストライク」の国内における収益性の向上・維持や、海外における新興国市場へのリリース、スポーツ事業やライフスタイル事業の成長施策を講じ、当社グループが運営するサービスのユーザー利用を維持・促進に努めていく方針ですが、かかる対策が適時適切に行えなかった場合、又はかかる対策が功を奏さなかった場合など、何らかの理由によってユーザーの興味・関心を維持・促進できない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

なお、第24期の期首より、投資事業に関する投資有価証券、収益及び費用の計上区分の変更を行っており、第23期に係る主要な連結経営指標等については、遡及適用後の数値を記載しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比

増減率

売上高(百万円)

146,868

154,847

5.4

EBITDA(百万円)

23,497

31,694

34.9

営業利益(百万円)

19,177

26,600

38.7

経常利益(百万円)

15,669

26,511

69.2

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

7,082

17,601

148.5

 

当連結会計年度の売上高は154,847百万円(前連結会計年度比5.4%増)となりました。また、EBITDAは31,694百万円(前連結会計年度比34.9%増)、営業利益は26,600百万円(前連結会計年度比38.7%増)経常利益は26,511百万円(前連結会計年度比69.2%増)親会社株主に帰属する当期純利益は17,601百万円(前連結会計年度比148.5%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

また、事業セグメントの利益の測定方法は、減価償却費及びのれん償却額を考慮しない営業利益ベースの数値(EBITDA)としております。

 

デジタルエンターテインメント事業

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比

増減率

売上高(百万円)

98,830

94,082

△4.8%

セグメント利益(百万円)

38,520

44,287

15.0%

 

デジタルエンターテインメント事業は、スマートデバイス向けゲーム「モンスターストライク」を主力として収益を上げております。当連結会計年度におきましては、「モンスターストライク」は、ARPUが増加したものの、前年に10周年施策の実施があったため相対的にMAUが減少し、前連結会計年度と比較して売上高が減少しております。なお、前年は10周年施策コストの計上があったことや、事業撤退によるコスト削減により、セグメント利益は増加しております。

この結果、当事業の売上高は94,082百万円(前連結会計年度比4.8%減)セグメント利益は44,287百万円(前連結会計年度比15.0%増)となりました。

 

スポーツ事業

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比

増減率

売上高(百万円)

32,916

40,206

22.1%

セグメント利益又は損失(△)(百万円)

△125

1,999

-%

 

スポーツ事業では、ベッティング事業、観戦事業への投資を行っております。ベッティング事業におきましては、スポーツベッティングサービス「TIPSTAR」及び株式会社チャリ・ロトでオンライン車券販売高が増加し、前連結会計年度と比較して、売上を順調に拡大しております。観戦事業におきましては、FC東京の物販及び千葉ジェッツのチケット販売が好調であったことや、前年に当社の一部サービス終了による一時的な費用計上があったことにより、セグメント利益が増加しております。なお、千葉ジェッツがホームアリーナとして利用する「LaLa arena TOKYO-BAY」が2024年4月に竣工し、5月にお披露目イベントを実施しました。

 この結果、当事業の売上高は40,206百万円(前連結会計年度比22.1%増)セグメント利益は1,999百万円(前連結会計年度はセグメント損失125百万円)となりました。

 

ライフスタイル事業

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比

増減率

売上高(百万円)

13,418

14,795

10.3%

セグメント損失(△)(百万円)

△682

△128

-%

 

ライフスタイル事業では、家族向け写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」、サロンスタッフ直接予約アプリ「minimo」、SNS「mixi」「mixi2」を中心に各種サービスを運営しております。「家族アルバム みてね」におきましては、注力商材(みてねプレミアム、写真プリント、みてねみまもりGPS)が好調であったことから売上を順調に拡大しております。引き続き海外ユーザー獲得のためのプロモーション及び体制強化への投資を積極的に行っておりますが、売上伸長によりセグメント損失は縮小しております。

この結果、当事業の売上高は14,795百万円(前連結会計年度比10.3%増)セグメント損失は128百万円(前連結会計年度はセグメント損失682百万円)となりました。

 

投資事業

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比

増減率

売上高(百万円)

1,472

5,696

286.9%

セグメント利益(百万円)

105

1,981

-%

 

投資事業では、当社及び当社の連結子会社において、スタートアップやベンチャーキャピタルへの出資を行っております。当連結会計年度においては、タイミー株式の一部売却や、出資するファンドの損益取込みを行いました。

この結果、当事業の売上高は5,696百万円(前連結会計年度比286.9%増)セグメント利益は1,981百万円(前連結会計年度はセグメント利益105百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は前連結会計年度末と比べ18,201百万円増加の225,544百万円、自己資本は、利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加、自己株式の取得による減少等により、5,569百万円増加の178,980百万円となり、自己資本比率は79.4%となりました。流動資産は、営業投資有価証券や現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末と比べ15,695百万円増加の169,931百万円となりました。固定資産は、長期貸付金の増加等により、前連結会計年度末と比べ2,506百万円増加の55,612百万円となりました。流動負債は、未払法人税等の増加等により、前連結会計年度末と比べ8,387百万円増加の31,380百万円となりました。固定負債は、長期借入金の増加等により、前連結会計年度末と比べ4,210百万円増加の12,829百万円となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて2,485百万円増加し、108,174百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は27,476百万円(前連結会計年度は9,181百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益26,434百万円を計上したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は14,490百万円前連結会計年度は6,852百万円の使用となりました。これは主に、固定資産の取得による支出6,483百万円、定期預金の預入による支出5,081百万円及び貸付けによる支出4,000百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は10,378百万円前連結会計年度は15,730百万円の使用となりました。これは主に、配当金の支払い7,648百万円、自己株式の取得による支出7,480百万円、長期借入金の返済による支出5,261百万円及び長期借入れによる収入9,429百万円によるものです。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b. 受注状況

受注生産を行っておりませんので、受注状況に関する記載はしておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

デジタルエンターテインメント事業

94,082

95.2

スポーツ事業

40,206

122.1

ライフスタイル事業

14,795

110.3

投資事業

5,696

386.9

調整額

66

29.0

合計

154,847

105.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.調整額には各セグメントに配分していない全社売上が含まれております。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

総販売実績に対する割合が10%を超える相手先がないため、記載を省略しております。なお、当社グループの事業の販売先については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」の事業系統図に記載のとおり、一般ユーザーを販売先と捉えて、主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合を算定しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り」をご参照ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、上記「(1)経営成績等の状況の概要  ① 経営成績の状況」をご参照ください。

 

(資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金・設備資金については、子会社の設備投資資金の一部を借入金により充当しておりますが、主に自己資金により充当しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は108,174百万円となり、将来資金に対して十分な財源及び流動性を確保しております。

 

 

中長期的な会社の経営戦略)

当社グループは経営理念等を、『豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。』をパーパスと定め、『「心もつながる」場と機会の創造。』をミッションに掲げております。

各事業セグメントにおいて、SNS「mixi」や「モンスターストライク」で培ったコミュニケーションサービスのノウハウと、AIなど最新のテクノロジーを活用し、サステナブルな収益基盤の構築を目指してまいります。今後の課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

キャッシュ・フローの分析)

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。

 

経営成績に重要な影響を与える要因について)

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

経営者の問題認識と今後の方針について)

経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

5 【重要な契約等】

(1)主要な取引契約

契約会社名

相手先の名称

相手先の
所在地

契約の名称

契約内容

契約期間

株式会社

MIXI

Apple Inc.

米国

iOS Developer Program License Agreement

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間(1年毎の自動更新)

株式会社

MIXI

Google Inc.

米国

Google Playデベロッパー販売/配布契約書

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

定めなし

 

 

(2)その他の経営上の重要な契約

(PointsBet Holdings Limitedの株式取得に関する契約)

当社は、2025年2月25日付の取締役会において、新設した完全子会社であるMIXI Australia Pty Ltd(以下「MIXI Australia」という。)を通じて、主としてオーストラリアやカナダでベッティング事業を行うオーストラリア証券取引所に上場するPointsBet Holdings Limited(以下「PointsBet」という。)の発行株式の100%取得(以下、「本件株式取得」という。)し、完全子会社化することについて決議いたしました。

本件株式取得に当たっては、オーストラリアにおける上場会社の株式を100%取得する方法の一つであるオーストラリア会社法に基づくScheme of Arrangement(以下、「SOA」という。)の手続きにより、PointsBetの全株主の保有する株式を現金対価で取得する予定であり、2025年2月25日、当社、MIXI Australia及びPointsBetの間でSchemeImplementation Deedを締結しました。

なお、SOAに基づく本件株式取得の実施には、PointsBetの株主総会におけるSOAの承認(投票議決権ベースで75%以上かつ出席投票株主数の過半数による承認)、オーストラリア裁判所によるSOAの承認、オーストラリア外国投資審査委員会による本件株式取得の承認等が必要とされているため、これらの条件が充足されない場合には本件株式取得が実現しない可能性があります。

 

①本件株式取得の理由

当社は、「モンスターストライク」等を提供するデジタルエンターテインメントセグメント、「家族アルバムみてね」等を提供するライフスタイルセグメントと共に、観戦事業・ベッティング事業を行うスポーツセグメントを主要セグメントと位置づけ、事業拡大に努めてまいりました。

当社の国内のベッティング事業は、友人・家族と競輪・オートレースのインターネット投票を楽しめるソーシャルベッティングサービスである「TIPSTAR」の通期黒字化を達成する等、順調に成長しております。

また、巨大な市場規模を持つオーストラリア等を中心とした海外への展開を、更なる成長領域と捉えています。オーストラリアでは、一部の州で「競馬の日」という祝日があるほど、家族や友人とベッティングを楽しむ文化が形成されていることからも、当社が提供する「ソーシャルベッティング」を広げるにあたり非常に魅力的なマーケットであると見込んでおります。

PointsBetは、オーストラリア及びカナダにおいてベッティング事業を中心としたBtoCサービスを提供しており、内製化された業界トップレベルのベッティング技術、高い製品開発能力を背景に、オーストラリア及びカナダにおいて高いブランド力とシェアを有しております。当社のソーシャルベッティングサービスの海外市場で更に拡大していくためには、PointsBetの有する事業基盤を活用しベッティングシステム及びオペレーションの拡大・向上を行いつつ、当社が日本国内事業で蓄積したソーシャル機能に関する知見・強みを組み合わせることで、シナジーを実現していくことが最適だと判断いたしました。

 

②被取得企業の概要

被取得企業の名称

PointsBet Holdings Limited

事業内容

オンラインスポーツベッティング及びiGaming事業

資本金

810百万豪ドル(2024年6月末時点)

連結資産合計

81百万豪ドル(2024年6月末時点)

連結売上収益

245百万豪ドル(2024年6月期)

 

 

③取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況

異動前の所有株式数

0株(議決権の数:0個、議決権所有割合:0%)

取得株式数

331,725,272株(議決権の数:331,725,272個)

取得価額

352百万豪ドル(約352億円(注))

異動後の所有株式数

331,725,272株(議決権の数:331,725,272個、議決権所有割合:100%)

 

(注) PointsBetの普通株式の取得価額は、PointsBetの普通株式の対価の金銭の額を1豪ドル100円で換算した額を記載しております。

 

④株式取得の時期

2025年6月中旬(予定)

 

⑤支払資金の調達方法

銀行借入(予定)

 

なお、本件株式取得はSOAにより実施することを予定しておりましたが、2025年6月25日に開催されたPointsBetの株主総会においてSOAの承認を得ることができなかったため、当社及びMIXI Australiaが2025年6月16日付でPointsBetとの間で締結した、Off-market takeover bid(以下「Takeover Bid」という。)の方法による買収提案に関する合意内容を定めたBid Implementation Deedの効力発生に係る前提条件が充足されたことにより、2025年6月26日に、MIXI Australiaは、オーストラリア会社法の定めに従い、オーストラリア国内において、Takeover Bidの方法により取得する旨をを公表いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、主に新技術の開発等に関するものであります。

当連結会計年度における研究開発費の総額は61百万円であります。(デジタルエンターテインメント事業6百万円、特定のセグメントに帰属しない全社費用54百万円)