第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針及び経営環境について

 当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の堅調な改善により緩やかな回復基調を維持してきましたが、足元では物価高の進展や米国の政策動向による影響が注視される状況で推移してまいりました。

 当社グループの主力である上下水道水処理分野においては、水道インフラを取り巻く環境として、堅調な公共投資を背景に老朽化施設の更新投資は増加しているものの更なる耐震化並びに耐災害化への対応が求められる一方で、施設の老朽化や料金収入減少及び水道関連職員数の不足などの課題に直面している状況となっております。

 当社グループとしては、このような状況の中で中長期的に水道インフラの課題解決に向けて大きな役割を担うべく中期経営計画並びに2030年目標として諸施策を掲げ実行しているところです。

  当社グループでは、このような事業環境を踏まえ「2030年近傍における目指す会社の姿」として、浄水場設備におけるメンテナンス事業で営業利益6割を稼ぎ出す事業構造の転換を打ち出し、2023年から2025年の中期経営計画期間をその構造転換のための準備期間と位置付けており、本連結会計年度においても引き続き、グループ経営・総合力強化を柱に据え、グループ会社や事業の垣根を越えて、次の諸課題・施策を実行してまいりました。

 ① グループ経営・総合力強化:グループ全体での諸課題の共有・実行、機能別組織下でのグループ内連携強化

 ② メンテナンス事業の収益拡大:2030年目標達成に向けサービスステーション(*1)の拡充による基盤作り

 ③ 官民連携事業(PPP/PFI(*2)、DB/DBO(*3))への対応強化:関連案件への参画拡大

 ④ 製造・開発機能の強化:製品製造・開発基盤の体制拡充と製品管理の一元化

 ⑤ グループ内人材交流推進:交流・融合推進のための役員、幹部派遣

 ⑥ M&A・アライアンスの推進:事業全般におけるM&A機会の探索

         *1.既存納入顧客へのメンテナンスに即対応可能な技術サービス要員を配置した拠点。

         *2. Public Private Partnership/Private Finance Initiativeの略で官民連携による公共施設等建設運営とその手法。

         *3. Design Build(設計、施工)/Design Build Operation(設計、施工、運転管理)の略で一括発注方式での契約形態。

 

(2) 今後の事業見通し及び事業方針並びに対処すべき課題

 今後の見通しとしましては、国内景気は、緩やかな回復基調が続く見通しですが、上下水道分野におきましては、国土強靭化に向けた対策である耐震・耐災害化への投資として浄水場を含む急所施設へのインフラ投資拡大が見込まれるとともに、中長期的には国土交通省によるウォーターPPP(*1)推進や水道事業の広域連携の加速による老朽化施設の統合、更新が進められることにより、当社の対象となる市場は拡大する見通しです。

当社グループでは、中期経営計画における事業方針に基づき次の課題への取り組みをグループの柱に据えて引き続き事業基盤強化並びに拡大に努めてまいります。

事業区分

事業対象分野等

中期事業方針

当面の課題

プラント建設

浄水場等の施設更新・建設

官需上水市場での発注形態の変化の中で、更新・建設市場における収益確保に加え、DB市場でのプレゼンス向上により浄水場更新・建設分野での現状収益の維持を図る。

受注量の維持・確保

事業基盤・要員体制の維持

新製品開発の推進

民間向け用廃水施設建設等

東レの水処理素材/システムを活用した設備納入により、メンテナンス獲得のための顧客基盤拡大を図る。

受注量の拡大

将来のメンテナンス拡大

浄水場向け標準製品製造販売等

浄水場向け製品の製造、開発拠点としての機能強化、整備を図る。

製造・開発体制の整備拡充

O&M

浄水場等のメンテナンス・保守等

浄水場等施設維持のためのメンテナンス対応ニーズが増加している顧客の状況から、潜在的な既設設備に対するメンテナンスニーズの掘り起しを強化し、安定的な収益基盤の確立を目指す。

受注量の拡大

事業基盤・要員体制の拡大

その他

SKME関連事業(*2)

サウジアラビア事業からの撤退方針を維持し、リスク低減を図る施策を実行する。

リスク低減施策の実行

撤退手法の検討

(注)

 *1.上下水道等の施設更新・整備に関する令和13年までの官民連携方式等を活用した国土交通省のアクションプラン。

 *2. SKME社(Suido Kiko Middle East Co.,Ltd)によるサウジアラビアでの水処理プラント建設等の事業。

(3) その他対処すべき課題

(関連会社に関する持分法による投資損失の概要等)

持分法適用関連会社であるSKME社への支援状況について

①当連結会計期間におけるSKME社への支援状況

 持分法適用関連会社である在サウジアラビア国のSKME社(当社出資比率49%)は、2024年3月期末時点で28億9百万円の債務超過となっておりましたが、当社並びに現地パートナー(出資比率51%)は、SKME社の手持工事完工のために出資比率に基づき両株主が資金支援を行うことを合意し、融資を実行しております。なお、2025年3月期末時点での債務超過額は36億8百万円となり、両株主により資金支援として実行された融資額は33億26百万円となっております。

 また、当社は、SKME社が締結する工事請負契約に関し、現地金融機関が発行する銀行保証等に対して全額の債務保証を行っておりますが、SKME社の債務超過額に対する当社負担額(「持分法適用に伴う負債」として計上)は、現地パートナーの資金支援実行により減少し、2025年3月末時点で2億24百万円(前年同期9億44百万円)となっております。

 当社は、SKME社が請け負った建設工事について、顧客への引き渡しまでの契約上の義務を確実に履行させることが、不測のリスクを回避することに繋がると判断し、2024年3月期以降、現地パートナーとの合意のもとで出資比率に基づく資金支援や、当社からの債務保証や資金支援を先行して実行することで、手持工事案件の完工・引き渡しを進めてまいりました。その結果、2025年3月期において、主要な手持ち工事案件であった1件につきまして、2025年3月末に仮引き渡しを完了しました。

②SKME社への今後の支援について

 今後につきましては、この仮引き渡しを通じ、確実な工事代金の回収に努め、契約工事の最終引き渡し完了による遅延ペナルティ等の回避、並びに契約工事に紐づく債務保証金額の減額を通じたリスク低減のため、一層の管理強化を図るとともに、出資比率相当の資金支援等の負担に関して現地パートナーとの協議を継続して行ってまいります。なお、未引当の債務保証額は、2025年3月期第4四半期末時点で39百万サウジリアル(15億69百万円)となっております。

 また、主要な手持ち工事案件の今後の見通しについては、顧客からの了解のもとで運転開始を行った後1年間の運転管理期間を経て、2026年中に最終引き渡しを行う予定としております。

 これらの対応を通じて、全ての契約済み工事の引き渡し完了に目途がつき次第、サウジアラビア事業からの具体的な撤退手法を最終決定いたします。本方針を踏まえ、引き続きSKME社の経営管理を強化し、損失額の圧縮並びに現地パートナーによる保証差入等を通じた債務保証リスクの低減に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(サステナビリティに関するガバナンス、戦略及びリスク管理)

 当社グループは、企業理念として「100年先も人と地球をつなぐ情熱で、笑顔あふれる環境を技術と製品で創造し、社会に貢献します。」と掲げ、社会へ水環境の改善・汚染防止に寄与する製品・サービスを提供する事業活動を展開しております。当社グループの全ての役職員が、事業活動を通じて安全で省エネルギーかつ高効率な製品・サービスの提供・開発に関わり、その実現のために必要な人材採用・育成、研究開発等の諸課題解決のための投資を図ることによりCO2削減による地球温暖化防止への貢献にも取り組んでおります。

 当該方針・戦略については、中期経営計画として取締役会において企業理念との整合性及び事業環境をもとに決定され、事業課題へと展開し推進しております。当社グループとしては中期経営計画における事業拡大を通じた製品・サービスの提供実現により社会のサステナビリティに貢献して参ります。これら事業活動の機会及びリスクに関する課題解決を進める枠組みとして、企業理念を品質方針ならびに環境方針として掲げて、その課題解決のための活動を行うことを明確にした上で、事業ごとのリスクと機会の分析を定期的に行い経営層の判断により課題解決のための実行計画展開を行うとともに、利害関係者のニーズや期待を踏まえ、多面的に絶え間なくスパイラルアップする取り組みを行っております。なお、経営上重要な課題への対応において、事業担当役員を責任者として、課題別に実行のための予算並びに担当者を決定し、月別の進捗フォローを行い、半期ごとの進捗状況を取締役会へ報告しております。

(人的資本に関する戦略)

 当社グループでは事業活動を担う人材として、企業理念への共感ならびに理解を全ての役員及び従業員へ求めるとともに、その職責及び役割を果たしうる専門分野における知識、経験やスキルを保有する優秀な人材を採用することを基本的な方針としております。

 企業競争力強化に向けた取り組みとして、水処理事業各分野において事業遂行のための絶え間ない技術力・営業力の向上ならびに研究開発に取り組んでおります。また、技術部門を中心に顧客や時代のニーズに適った新技術・製品開発や、水質基準強化や安全でおいしい水への需要の高まり並びに地方自治体における技術者不足など近年の変化を踏まえた高効率で安全・安心な水を供給するための浄水技術の研究及び水処理装置の開発にも積極的に取り組んでおります。

 これら事業遂行や開発へ向けた取り組みを担うための人材確保施策として、定期的に優秀な人材の採用を行うとともに、品質方針に基づく教育訓練として、従業員の能力並びにスキル向上のための教育・研修を継続して実施しております。

(人的資本に関する指標及び目標)

 当社グループでは、人材の多様性確保として、新卒採用において企業理念への共感並びに専攻における知識等を踏まえた上で、女性採用4割を目標としております。この目標に対し過去6年で平均して3割程度の採用を進めた結果、水道機工では若手・中堅層社員(20代から30代)に占める女性社員の割合が、2017年度末の3%から15%へと増加し、順調に女性社員の比率向上が進んでおります。今後も採用目標を維持することで将来的な幹部候補の多様性確保に向け取り組んで参ります。

 誰もが働きやすい社内環境整備として、休暇制度に関する社内相談窓口を設置し男性労働者の育児休業取得率100%を目指し定期的なモニタリングを推進することをはじめ、企業理念・ビジョンを実現するための社内風土醸成を目的とした研修やコミュニケーション基盤の構築の施策推進に努めております。定量的な目標は設定しておりませんが、アンケート等による効果検証を踏まえて適切な社内環境整備の向上を目指して参ります。

 当社グループにおける女性活躍、育児休暇に関する指標及び目標は、従業員の状況及び上記に記載の通りとなります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)事業環境について

 当社グループの主力である水道事業においては、水道の普及率が100%近くに達しており成熟化された市場となっております。現在、水道の未普及地域における新規建設工事のほか、老朽化施設の更新工事及び改良工事等に伴う一定の需要がありますが、将来的に現在の水準の需要が続く保証はありません。そのため当社グループは新技術・製品等による需要の喚起、民需分野・海外分野等の多角化に注力してまいりますが、それらの施策の進捗動向によっては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)官需比率について

 当社グループが提供する水処理施設及び機械装置等の主要な販売先は、政府及び地方自治体等であり官需比率が約9割を占めております。そのため、政府及び地方自治体等の事業予算動向が、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に更なる市町村合併等に伴う事業規模の縮小、水道事業の広域的管理・官民連携の進展あるいは予期せぬ事態が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)入札制度について

 当社グループが提供する水処理施設及び機械装置等の主要な販売先は、政府及び地方自治体等が大半を占めております。これらの販売については、政府及び地方自治体等の各事業体が実施する入札に応募し、落札することが基本条件となっております。入札資格としては、従来より一定の工事実績、経営成績及び財政状態、技術力等が参加要件になっておりますが、近年は価格条件に加え、総合評価型入札制度の諸要素も落札決定条件として重要性を増しております。そのため、今後、入札制度に予期せぬ変更が生じた場合、あるいは競争の更なる激化により入札価格が著しく低下した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)価格競争について

 当社グループ水処理事業においての価格競争は公共事業削減等の影響により厳しい状況にありますが、将来的に競争が激化する可能性があります。当社グループは、水処理事業におけるパイオニアとして当事業における優位性を現在まで確保・維持しており、今後更なる技術力向上とコスト競争力強化に努めてまいりますが、将来において現在の優位性を確保・維持できるという保証はありません。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)製品・サービスに関する欠陥及び事故について

 当社グループが提供する水処理施設及び機械装置等において、特に、上水道施設は人体にとって常に安全な品質の水を供給すべき重要かつ高い信頼性が求められます。当社グループは、品質に関しては常に万全を期しておりますが、予期せぬ欠陥や事故が原因で顧客に深刻な損失をもたらした場合、当社グループは間接的な損害を含め、損失に対する責任を問われる可能性があります。

 また、これらの損害が起こった場合における社会的信頼性の著しい低下は、当社グループの製品やサービスに対する購買意欲を低下させる可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制等について

 当社グループが現在行っている事業活動は、建設業をはじめ様々な法的規制の適用を受けています。特に、建設業は許認可事業であり、建設業法に違反した場合には行政処分等の措置を受けるなど、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、大気汚染、水質汚濁、有害物質の使用及び取扱い、廃棄物処理、製品リサイクル、土壌・地下水汚染を規制する様々な環境法令の適用を受けており、今後予期せぬ法令や規制等の変更が生じた場合にも、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)自然災害について

 当社グループは地震等の自然災害によって、当社グループ事業所、営業拠点及び工場等、あるいは事業現場が壊滅的な損害を受ける可能性があります。これらに伴い壊滅的な損害を被り、当社グループの事業活動が遅延又は停止した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業所等の修復又は代替のために多額の費用が発生する可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8)経営成績の変動について

 当社グループ水処理事業における収益認識は、プラント工事の契約締結時でなく、工事請負契約書等を締結の上で履行義務を認識し、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。また、各プラント工事契約での金額規模や利益率に差異があります。このため、金額規模の大きな若しくは利益率の高いプラント工事の引渡時期により、当社グループの経営成績に変動が生じる可能性があります。加えて、自然災害やその他の予期せぬ事態による工期の遅延等により引渡時期が期末を超えて遅延した場合、当社グループの経営成績が変動する可能性があります。なお、当社グループの水処理事業には季節的な変動要因があり、上半期に比較して下半期に売上が集中する傾向があります。従いまして、当社グループの経営成績を判断する際には留意する必要があります。

(9)海外市場での事業拡大に伴うリスクについて

 当社グループは経営戦略の一つとして海外市場での事業推進を掲げており、特に、東南アジアでの事業拡大を重要戦略として位置付けております。しかし、海外市場は日本国内とは異なり、今後の事業展開において予測できない法律または規制の変更、政治・経済の混乱、為替の変動等のリスクを被る可能性があり、このような事態が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10)退職給付債務について

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)関係会社向け保証債務について

 当社グループは、一部の関係会社に対して債務保証(以下、同保証)を行っております。将来、同保証への履行請求を求められる状況が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

  当連結会計年度の業績に関し、受注高は、グループ全体で326億35百万円(前期比33.0%増)と前期比で増加となりました。セグメント別の主な要因として、プラント建設では、浄水場設備更新や下廃水施設建設、工場向け排水処理設備の大型契約を締結し、またO&Mでは、メンテナンス案件の契約増加及び運転管理案件の新規契約受託並びに既存契約更新により、それぞれのセグメントで受注高が前期比で増加しました。この受注増加により、当連結会計年度末において、契約済み案件の受注残高は、461億80百万円(前期比16.9%増)となり過去最高額を更新する結果となりました。

 売上高は、グループ全体で259億66百万円(前期比20.0%増)と前期比で増加となりました。セグメント別の主な要因として、プラント建設では、高水準の手持受注残高に対して工事施工・引き渡しを行い工事出来高並びに工事完工が堅調に増加し、また、O&Mでは、運転管理新規受託やメンテナンス案件の受注増加に伴う収益計上増加により、それぞれのセグメントで売上高が前期比で増加しました。

 損益の状況については、増収並びに採算改善により売上総利益が増益となり、販売費及び一般管理費における事業拡大のための要員拡充等による人件費増加やサービスステーション設置等での経費増加を吸収し、営業利益は14億79百万円(前期比228.7%増)と前期比で増益となりました。経常利益は、為替差損、持分法による投資損失を計上した結果、13億76百万円(前期比108.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の計上により4億27百万円(前期比16.2%増)となりました。

 

セグメント別の課題への取り組み概況及び業績については、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、事業部制を廃止し機能本部制組織へ移行したことから、報告セグメントの区分を「プラント建設」及び「O&M」に変更しております。

[プラント建設]

(課題への取り組み概況)

1.設備更新・施設建設案件受注並びに受注案件遂行に向けた取り組み

更新時期を迎えた浄水場設備や下廃水施設建設ニーズ等に対し受注活動を行ってまいりました。また、受注案件遂行と今後の更新需要への対応としてキャリア採用並びに新卒入社社員の育成を行ってまいりました。

2.官民連携事業への対応強化

関連案件への参画機会を増やすとともに、営業、設計への対応要員の育成を通じて、更なる案件対応力のリソース強化や、製品並びにサービスの開発を進めてまいりました。

3.製品製造・開発基盤の体制拡充と製品管理の一元化

新たにプロダクトエンジニアリングセンターを設置し、製品製造・開発基盤の体制拡充と当社製品管理の一元化を行い、高品質な製品・サービスの提供体制の実現を図ってまいりました。

(業績)

 受注高は194億57百万円(前期比33.7%増)、売上高は166億15百万円(前期比20.3%増)、営業利益は8億53百万円(前期比298.9%増)となりました。

 

[O&M]

(課題への取り組み概況)

(課題への取り組み概況)

1.メンテナンス事業拡大への取り組み

(1)機能統合の深化

 浄水場設備のメンテナンスを担う株式会社水機テクノス(以下、水機テクノス)において、事業拡大のために営業、技術、メンテナンス、運転管理の機能統合の定着化並びに成果発現のための情報共有・人的交流促進を積極的に行うとともに、グループ内の民間工場向けメンテナンス機能の集約を行いました。

(2)サービスステーション設置拡大

 顧客との接点の最前線であるメンテナンス窓口の機能強化のため、水機テクノスの主要拠点においてサービスステーションを新たに2か所増設し体制拡充により収益拡大のための基盤整備を進めました。

2.グループ内連携の強化

 メンテナンス事業の拡大とグループ内の組織連携強化に向け人事配置並びに人材交流を図るとともに、管理間接部門の統合を図り、機能効率化に努めてまいりました。

(業績)

 受注高は131億78百万円(前期比32.1%増)、売上高は93億50百万円(前期比19.5%増)、営業利益は6億16百万円(前期比191.7%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

(流動資産)

 前期と比較して31億14百万円増加し、207億94百万円となっております。主な要因は、現金及び預金が22億47百万円、立替金が8億8百万円増加したこと等によるものです。

(固定資産)

 前期と比較して11億98百万円減少し、52億60百万円となっております。主な要因は、投資その他の資産が投資有価証券の減少等により12億87百万円減少したこと等によるものです。

(流動負債)

 前期と比較して26億48百万円増加し、132億12百万円となっております。主な要因は、預り金が18億5百万円、短期借入金が4億80百万円、未払法人税等が3億83百万円増加したこと等によるものです。

(固定負債)

 前期と比較して9億18百万円減少し、26億64百万円となっております。主な要因は、持分法適用に伴う負債が7億19百万円減少したこと等によるものです。

(純資産)

 前期と比較して1億86百万円増加し、101億78百万円となっております。主な要因は、為替換算調整勘定が1億60百万円減少した一方、利益剰余金が1億91百万円、退職給付に係る調整累計額が1億40百万円、その他有価証券評価差額金が38百万円増加したこと等によるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益13億84百万円、短期借入れによる収入52億80百万円、預り金の増加18億5百万円があった一方、短期借入金の返済による支出47億99百万円、関係会社貸付による支出11億46百万円があったこと等から、前連結会計年度末に比べ26億53百万円増加し、当連結会計年度末には45億95百万円(前期比136.7%増)となりました。

 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果収入となった資金は、28億45百万円(前期は20億45百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益13億84百万円、預り金の増加18億5百万円があった一方、仕入債務の減少2億2百万円、法人税等の支払額1億90百万円があったこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は、4億64百万円(前期は8億45百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入10億64百万円があった一方、関係会社貸付けによる支出11億46百万円、投資有価証券の取得による支出2億25百万円があったこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果収入となった資金は、1億98百万円(前期は12億57百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入れによる収入52億80百万円があった一方で、短期借入金の返済による支出47億99百万円、配当金の支払額2億36百万円があったこと等によるものです。

 

    ④ 生産、受注及び販売の実績

a) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

プラント建設(百万円)

15,914

20.3

O&M(百万円)

9,431

14.3

合計(百万円)

25,345

18.0

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の生産実績は、外注加工費及び購入部品費を含んでおります。

 

b) 受注実績

 当連結会計年度の受注実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 当社グループは主として受注による生産を行っておりますが、一部見込みによる生産を行っております。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

プラント建設

19,457

33.7

33,947

9.1

O&M

13,178

32.1

12,233

45.5

合計

32,635

33.0

46,180

16.9

(注)当社グループの製品は多品種であり、適切な数量表示が困難なため、金額のみによって表示しております。

 

c) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

プラント建設(百万円)

16,615

20.3

O&M(百万円)

9,350

19.5

合計(百万円)

25,966

20.0

(注)当社グループの製品は多品種であり、適切な数量表示が困難なため、金額のみによって表示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ① 経営成績の状況 及び ② 財政状態の状況」に記載の通りとなります。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a) キャッシュ・フローの状況

 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載の通りとなります。

b) 資金調達の状況

 当社は、資金効率及び調達コスト等の観点から、主に自己資金及び工事契約に基づく顧客からの工事前払金により資金調達を行っております。なお、運転資金が不足する場合には、東レグループ内におけるCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を利用し資金調達を行っております。

c) 資金需要の状況

 当社の資金需要のうち、主なものは運転資金となります。その主たる内容は各種工事のための原材料購入の他、仕入のうち大きな割合を占める外注製作・工事費の外注作業等に係る支払、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、営業費用の主なものは人件費であります。また、その他の資金需要として、設備更新・成長投資や株主還元等があります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、将来発生する事象に対しての見積り及び仮定設定を行う必要があり、経営者は、過去の実績や状況及び現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と判断した見積りや仮定を継続的に採用しております。しかしながら、これらの見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループが採用しております会計方針のうち、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

a) 収益及び費用の計上:当連結会計年度末までの進捗部分について工事請負契約等を締結の上で履行義務を認識し、財又はサービスに対する支配が顧客に一定の期間にわたり移転する場合には、財又はサービスを顧客に移転する履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識しております。

 履行義務の充足に係る進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した工事原価が、予想される工事原価の合計に占める割合に基づいて行っております。

b) 受注損失引当金:受注工事の損失発生に備えるため、当連結会計年度末の手持受注工事のうち、損失発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることが可能な工事について、損失見込額を計上しております。

c) 貸倒引当金:取立不能の恐れのある債権には、必要と認める額の貸倒引当金を計上しております。

d) 繰延税金資産:法人税に対応する繰延税金資産は、評価性引当額を除きその全額が回収可能であるとの判断に基づき計上しております。

e) 投資の減損:保有する取引先等及び関係会社の株式等について、上場株式は、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合に、また、非上場株式及び関係会社株式・出資金は、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合に、将来の回復可能性を検討し、評価損を計上しております。

 

 

5【重要な契約等】

当社は、特許利用許諾契約等のライセンス契約を数社と契約しておりますが、重要な契約に該当するものはございません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、企業競争力の強化に向け、水処理事業各分野にわたって研究開発に取り組んでおり、水処理技術を基軸として顧客や時代のニーズに適った新技術・製品開発に積極的に努めております。
 研究開発体制といたしましては、当社の技術部門スタッフを中心に、各関係部門との連携・協力体制のもと研究開発活動に取り組んでおります。
 当社グループの研究開発活動につきましては、プラント建設を中心に行っており、近年においては水質基準強化や安全でおいしい水への需要の高まり並びに地方自治体における技術者不足などの背景を踏まえ、高効率で安全・安心な水を供給するべく浄水技術の研究及び水処理装置の開発に積極的に取り組んでおります。当連結会計年度は、沈殿、ろ過、薬品注入、紫外線処理に係る設備・装置並びに付帯する技術の研究開発に取り組んでまいりました。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は、プラント建設を中心に313百万円となっております。