文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「持続可能な社会に向けた“新しいコンテクスト”をデザインし、テクノロジーで社会実装する」をパーパス(存在意義)に掲げ、「コンテクストカンパニー」として、企業と人、情報を有機的に結びつけることを基本コンセプトとしております。インターネット業界の黎明期からの実績に基づくソリューションノウハウと、最新のネットワーク技術を有効に活用し、複雑な情報を有機的に結びつけることで、企業と人、情報のそれぞれの存在価値を相互に高める機能の開発を業務の目的としてまいりました。常に時代の数歩先に視点を合わせ、コンテクストの対象を冷静かつ的確に選別し、人と環境とデジタル情報化社会が共存できる快適な社会に貢献し得るサービスを構築することを経営の基本方針としております。
(2)経営環境
当社グループは、インターネット黎明期よりテクノロジーの発展に伴走し、社会のデジタル変革にあわせた数々の日本初となるインターネットビジネスを創出してまいりました。1995年の設立以来、インターネット業界の変遷とともに事業を拡大してまいりましたが、近年では、web3やGenerative AIといった新たなテクノロジーが次々と勃興し、かつてない規模でIT・インターネット業界の変革を促しております。当社グループにおいても、これまでに培った次世代テクノロジーの開発力のほか、アライアンスパートナーやスタートアップ企業をはじめとしたステークホルダーとの共創を通じて、時代の変化に即したサービスを提供していくことを目指しております。
当社グループが総合決済プラットフォーム事業を展開する日本国内のキャッシュレス決済市場は、持続的な成長を続けております。2023年の消費者向け電子商取引(BtoC-EC)市場は、前年比9.2%増の24.8兆円に達しました(注1)。また、経済産業省が策定した「キャッシュレス・ビジョン」(注2)では、2025年にキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げる目標が掲げられておりましたが、2024年時点で既に42.8%(注3)に到達し、当初想定を上回るペースで普及が進んでおります。さらに、将来的には同比率を80%まで引き上げることを目指すとされており、クレジットカード決済、QRコード・バーコード決済などの多様な決済手段の需要増加による事業機会の一層の拡大が見込まれます。
出所 (注1)経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書(2024年9月)」
(注2)経済産業省「キャッシュレス・ビジョン(2018年4月)」
(注3)経済産業省「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました(2025年3月)」
(3)経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上課題
当社グループは、2024年3月期を初年度とする5ヵ年の中期経営計画を策定しております。中期経営計画においては、当社グループの事業基盤である総合決済プラットフォームを軸とした持続的な事業拡大に加え、決済と連動するDX/フィンテック領域における新たな事業のほか、暗号資産領域をはじめとした非連続事業の開発等に取り組み、収益の多層化及び競争優位性の向上による当社グループの更なる成長加速を目指しております。投資・インキュベーション領域においては、投資リターンの獲得に加えて、当社グループ内の事業との連携・協業等によるスタートアップ企業の育成を通じて、当社グループ及び投資先の企業価値最大化に注力しております。また、投資リターンの早期実現を目標として設定するとともに、それらを原資として、中長期的な企業価値の向上に資する成長投資及び株主還元等へのキャッシュフロー・アロケーションを実施して行く方針であります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2024年3月期を初年度とする中期経営計画では、基礎事業における税引前利益の成長率及び2028年3月期における決済取扱高の目標を経営指標として設定しております。投資・インキュベーション領域では、現在保有する営業投資有価証券のポートフォリオの見直し及び組み替えを進めることにより、5年間で一定のキャッシュフロー創出を目指しております。
また、当社グループでは、株主の皆様に対する還元を重要な経営課題の一つとして位置づけており、キャッシュフローを軸とした株主還元方針を掲げるとともに、中期経営計画の目標として5年間の配当総額を設定することで、安定した配当政策を実施してまいります。具体的な目標は以下のとおりであります。
中期経営計画の定量目標(2024年3月期~2028年3月期)
|
項目 |
目標値 |
||
|
事業目標 |
|
|
|
|
|
税引前利益 ※1 |
5ヵ年平均成長率 |
20%以上 |
|
|
決済取扱高 |
2028年3月期 |
15兆円以上 |
|
|
投資事業収入 ※2 |
5ヵ年合計 |
300億円以上 |
|
株主還元 |
|
|
|
|
|
普通配当における基本方針 |
各年度 |
累進配当 |
|
|
配当総額 |
5ヵ年合計 |
100億円以上 |
|
|
基礎事業キャッシュフローに対する配当性向 ※3 |
目安となる水準 |
30% |
※1 グローバル投資インキュベーション・セグメント及び㈱カカクコムの持分法投資利益を除く
※2 売却収入及びファンドからの分配金等の合計額
※3 経常的に利益創出する事業セグメントの税引前利益を基に、減価償却費、一過性の損益、関係会社配当金を調整し本社費用を控除した、当社グループの経常的なキャッシュフローを基準とした配当性向
文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来の経済情勢や事業環境の変化等により、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)サステナビリティ全般
当社グループにおけるサステナビリティ経営は、パーパスである「持続可能な社会に向けた“新しいコンテクスト”をデザインし、テクノロジーで社会実装する」に基づくと捉え、パーパスと同一の内容をサステナビリティ方針としても掲げております。 このパーパスに基づき、”リアルとサイバー”、”日本と海外”、”マーケティングとテクノロジー”、”現在と未来”といった異なる事象を独自のコンテクストで結びつけ、社会課題の解決に資する新たなサービスを創出することを目指しております。アライアンスパートナーやスタートアップ企業をはじめとする多様なステークホルダーとの共創を通じて、革新的なテクノロジーの研究開発と社会実装を推進し、企業価値の持続的な向上と、より良い社会の実現に貢献してまいります。
サステナビリティ経営をグループ全体で推進するためには、経営トップの強いコミットメントと、全部門の能動的な連携が不可欠です。この認識のもと、社長執行役員を最高責任者とする「サステナビリティ委員会」を設置し、グループ横断的な視点からサステナビリティ経営を推進しております。
当委員会では、パーパスを起点としたマテリアリティ(重要課題)を特定し、社会と当社グループ双方にとって有益な価値創造を目指すサステナビリティ経営を推進してまいります。特定したマテリアリティに対するKPIを設定することで、サステナビリティ経営の実効性を高め、事業活動を通じた社会課題解決と企業価値向上を図ってまいります。
① ガバナンス
当社グループのサステナビリティに関するガバナンス体制は、実効性の高い監督と機動的な業務執行を両立させることを目的としております。
サステナビリティ経営の取組み強化を目的として、サステナビリティ委員会を設置しております。当委員会の最高責任者は社長執行役員、委員長はコーポレート本部長とし、グループ横断的な観点から各事業部門長及び管理部門長またはそれに準ずる人員で構成することにより、委員会の実効性を確保しております。また、事務局としてサステナビリティ経営推進室を設置しており、同室が関連部署と連携しながら、グループ全体のサステナビリティに関する各種取組みを推進しております。サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関わる方針の制定や改変、特定したマテリアリティに対する取組みの推進やKPIを設定しての進捗管理、気候変動に関する取組み等を行い、業務執行取締役及び執行役員等で構成される経営会議での諮問・答申を経て、取締役会へ定期的に報告しております。(開催頻度:年間2回以上)
取締役会は、当社グループのサステナビリティに関する方針、戦略、及びマテリアリティへの取組み状況について、サステナビリティ委員会から定期的な報告、及び必要に応じた報告を受け、その内容を審議し、監督責任を果たします。また、社外取締役がそれぞれの専門領域の知見からアドバイザーとして関与することで、その実効性を高めております。
2024年度のサステナビリティ委員会実績
|
開催月 |
主な議題 |
|
9月 |
・温室効果ガス(GHG)排出量削減目標の設定について ・マテリアリティに対するKPIの方向性について ・上期対応事項に関する報告 |
|
3月 |
・マテリアリティKPIについて ・統合報告書2024年の振り返り、2025年の方向性について ・ESG評価機関現状報告と今後の対応 ・下期対応事項に関する報告 |
② リスク管理
サステナビリティ関連リスクは、当社グループの事業継続及び持続的成長にとって重要な経営課題であると認識しております。
当社グループでは、リスクマネジメント体制の強化を目的として、リスクマネジメント委員会を設置しております。当委員会の最高責任者は社長執行役員、委員長はコーポレート本部長とし、事務局としてリスクマネジメント室を設置することにより、実効性を確保しております。これらの体制により、全社的なリスク管理を強化し、発生し得るリスクの想定、重大性の評価、リスク管理フローの策定及びモニタリング等のサイクルを確立し、実行しております。(開催頻度:年間2回以上)
サステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会は相互連携し、経営会議及び取締役会による審議結果は、経営戦略やリスク管理、リスク評価に反映する体制としております。
③ 戦略
ⅰ.マテリアリティ特定プロセス
Step1:社会課題の把握・抽出
(GRIスタンダード、ISO26000、SASB等のサステナビリティに関する国際的なフレームワークやガイドラインを参考に、社会課題を把握・抽出)
Step2:当社グループにとっての重要度を評価
(当社グループにおける事業機会・リスクの分析を実施)
Step3:ステークホルダーにとっての重要度の把握
(株主、社内外全取締役、自治体、若手社員、キャリア及びマネジメントレベルの社員まで、延べ63名へのヒアリング等、ステークホルダーとの対話を通じて把握)
Step4:優先順位の整理
(Step1~3を踏まえ、優先度の高い社会課題を特定)
Step5:妥当性の評価・マテリアリティの特定
(特定したマテリアリティをサステナビリティ委員会にて協議。取締役会での審議・承認を経て、最終決定)
なお、マテリアリティは、当社グループを取り巻く社会・環境の変化に応じて適切に変更していくものとしており、特定したマテリアリティの変更を要する外部環境の変化や当社事業構造、経営方針の変更等はないことを当該事業年度のサステナビリティ委員会にて確認しております。
ⅱ.当社グループのマテリアリティと価値創造
創業以来、テクノロジーを社会に実装し、新たな価値を創造してきた当社グループの強みを活かした「ビジネス分野」、成長の源泉である「人財分野」、重要インフラ事業を担う企業として守り、堅持し、強化すべき「基盤分野」の計3分野8項目のマテリアリティを軸に、サステナビリティ経営を推進してまいります。当該事業年度にはそれぞれのマテリアリティに対するKPIを設定しました。今後、KPIを指標にPDCAサイクルを回すことで、サステナビリティ経営の実効性を高めてまいります。
|
<ビジネス分野>テクノロジーによるエコシステムの形成 |
||
|
マテリアリティ |
|
マテリアリティKPI |
|
より良い未来に向けたテクノロジーの探求 |
当社グループの強みは、新たなテクノロジーを常に追い求め、その本質を捉えながら社会実装してきたことです。今までもそしてこれからも既存の仕組みや概念にとらわれることなく、新たなテクノロジーの探究を続けていきます。 |
●社会にインパクトを創出するプロダクト・サービス数 |
|
豊かな社会を創出するフィンテックの利活用 |
誰もが利用しやすいフィンテックの社会への浸透を通じて、資金循環の活性化やアクセシビリティ・包摂性の向上、環境負荷の低減など、経済だけではなく豊かな社会の実現にも寄与していきます。 |
●決済取扱高、決済取扱件数 |
|
持続可能な社会へ貢献する事業の共創 |
投資支援先のスタートアップや事業パートナーとサステナブルな事業を共に創り出すことは、当社グループの事業成長だけではなく、持続可能な社会の実現にも貢献するものと捉え、今後もさまざまなパートナーと共に新たな事業創出に取組んでいきます。 |
●ESG関連スタートアップ投資(OnlabESG号ファンド) ※1 |
※1 投資金額の50%をESG関連に投資、投資件数の20%を気候変動関連に投資
「よりよい未来に向けたテクノロジーの探求」のマテリアリティに関しては、当社グループ事業の根幹であることから、マテリアリティKPIを「社会にインパクトを創出するプロダクト・サービス数」と定め、以下の5つのストーリーを設定し、該当するプロダクト・サービス数をKPIとして設定いたしました。
・ストーリー①ライフスタイルの多様化
多様な価値観に応える情報提供や商取引環境の提供により、経済の活性化、市場の創出に貢献します。
・ストーリー②気候変動等の環境問題
既存の仕組みをデジタル化や既存のデジタルシステムをさらに省電力・省資源化することで、気候変動などの環境問題に貢献します。
・ストーリー③サイバーセキュリティリスク
セキュリティのリスク低減につながるサービスを通じ、安心と信頼のある社会醸成に寄与します。
・ストーリー④格差の拡大
デジタル技術による金融・商取引アクセスの向上により、地域・経済・金融等の格差による不平等の是正に寄与します。
・ストーリー⑤少子高齢化と労働力減少
デジタル化による省人化につながるサービス提供により、今後深刻化していく労働力不足に貢献します。
|
<人財分野>誰もがいきいきと活躍できる環境づくり |
||
|
マテリアリティ |
|
マテリアリティKPI |
|
多様な人財が活躍する仕組みづくり |
従業員一人ひとりの多様性を尊重し、前向きにやりがいをもって働くことができる環境・制度等を整えることが、社会の多様なニーズや課題に応えることにつながると捉え、人財への取組みを推進していきます。 |
●トータルエンゲージメントスコア4.0ポイント以上 |
|
未来を切り拓く人財育成 |
一人ひとりの強みを活かしながら、変化していく社会環境へ勇敢に挑む人財を育成することは、自律したキャリアを築き、人生をより豊かにするだけではなく、当社グループの成長にもつながると考えております。今後も積極的にチャレンジできる人財の育成を進めていきます。 |
●人財育成に関するサーベイ結果を1ポイント改善 ※3 |
※2:2028年3月末目標 ※3:2030年度目標
|
<基盤分野>社会と共に歩む信頼の構築 |
||
|
マテリアリティ |
|
マテリアリティKPI |
|
責任ある企業活動の推進 |
社会・環境のなかで活動する一企業として、健全で透明性の高いガバナンスの構築、法令等の遵守、地域・地球環境への配慮等を責務として推進していきます。 |
●ガバナンス情報の充実度向上、ステークホルダーとの対話数 ●コンプライアンス研修の受講率100% ●排出量削減2030年50%、2050年カーボンニュートラル |
|
人権の尊重に基づく社会との共生 |
当社グループ及びバリューチェーンにかかわるすべての人々の人権を尊重し、社会との共生をはかっていきます。 |
●人権方針を2025年10月までに制定・公表 ●ハラスメント研修受講率100% |
|
社会を支えるシステムの安定稼働 |
社会の重要インフラとしての事業を展開する当社グループにとって、途切れることなく安心・安全なシステムを提供・運用することが責務であり、これからも堅牢性、安全性の向上に努めていきます。 |
●セキュリティマネジメントシステムカバー率 ●セキュリティ研修受講率100% |
④ 指標・目標
当社グループは、ビジネス分野で3つ、人財分野で2つ、基盤分野で3つのマテリアリティを特定しており、各マテリアリティに対する取組みの実効性を高め、その進捗を客観的に評価・管理するためにそれぞれのマテリアリティに対するKPIを設定しました。
各マテリアリティKPIに対し、達成時における「企業価値へのインパクト」と「社会に対するインパクト」の両面からインパクトストーリーを設定いたしました。これらのKPIを継続的にトラッキングすることで、サステナビリティ経営の実効性を高めてまいります。
(2)気候変動への対応(TCFDの枠組みに基づく提言)
「持続可能な社会に向けた“新しいコンテクスト”をデザインし、テクノロジーで社会実装する」をパーパスとして掲げる当社グループでは、気候変動を単なるリスクとしてではなく、革新的なソリューションを生み出す重要な機会として捉えております。
2022年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、TCFDの枠組みに基づき「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について開示し、気候変動への取組みを推進しております。
① ガバナンス
当社グループは、気候変動への対応等のサステナビリティに関する方針や進捗、取組み内容を、社長執行役員が最高責任者、委員長をコーポレート本部長とする、サステナビリティ委員会を通じ、経営会議での諮問・答申を経て取締役会へ報告しております。これにより、持続可能な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
・サステナビリティ委員会とリスクマネジメント委員会
-サステナビリティ委員会
・気候変動を含む環境・社会課題に対する取組み方針や戦略を策定
・サステナビリティ経営推進室を事務局とし、各種施策の実行状況やKPIをモニタリングし、経営会議・取締役会へ報告
-リスクマネジメント委員会
・企業リスク全般を統括し、気候変動リスクを含む新たなリスクの洗い出しや重要度評価を行う
・リスクマネジメント室を事務局とし、気候変動リスクの管理方針や対応策を策定
② リスク管理
リスクマネジメント委員会を中核とする全社的なリスク管理体制の下、サステナビリティ委員会と連携しながら、当社グループが留意すべき気候変動に係るリスクについては、TCFD提言に沿って各種リスクの識別、評価、管理を体系的に実施しております。
③ 戦略
シナリオ分析のプロセス・前提・参照シナリオ
当社は、気候変動の長期的影響を把握し、中長期の戦略立案に活かすため、IPCC第6次評価報告書において示された2℃シナリオ(SSP1-2.6)と4℃シナリオ(SSP5-8.5)を用い、TCFDが提言するシナリオ分析を実施しております。
・2℃シナリオ
-国際的な温室効果ガス削減努力が進み、急速な脱炭素化が進展するケース。
-カーボンプライシング(炭素税など)の導入や再生可能エネルギーの普及により、事業コストやオペレーション形態が大きく変化する可能性がある。
・4℃シナリオ
-気候政策はほぼなく、化石燃料の使用を継続することで、気温上昇が進むケース。
-極端気象が頻発し、物理的な影響や水不足が深刻化することで社会・経済的な影響が拡大するケース
ⅰ.機会に対する認識
・決済事業においては、環境負荷の低いキャッシュレス化及びペーパーレス化を実現する決済サービスへの需要の増加等
・マーケティング事業においては、最新テクノロジーによる環境意識が高い消費者向け広告の需要増加等
・投資事業においては、“Earthshotファンド”を活用した脱炭素を促進するスタートアップ企業への投資育成の拡大等
ⅱ.リスクに対する認識
・移行リスク
- カーボンプライシングの導入により、データセンター及びオフィス等における電力費用の増加
- 政府により高い省エネ目標が掲げられる場合には、省エネ設備の導入等による対応費用の増加、他
・物理的リスク
- データセンター及びオフィス建物等が被災した場合、建造物の破壊、通信障害等による機能低下が事業活動に影響を及ぼし、収益減少や修繕費用等が増加
- 慢性的な気温上昇が続く場合、オフィス及びデータセンター等の運営費の増加、他
④ 指標と目標
ⅰ.温室効果ガス(GHG)排出量
当社の事業活動に伴う温室効果ガス排出量を把握し、毎年度ウェブサイトにて公表しております。
|
項目 |
2022 年3月 |
2023 年3月 |
2024 年3月 |
2025 年3月 |
|
Scope 1 |
|
|
|
|
|
Scope 2(マーケット基準) |
|
|
|
|
|
Scope 2(ロケーション基準) |
|
|
|
|
|
Scope 3 |
|
|
|
|
単位:t-CO2e
※「◇」示す数値は、一般社団法人日本能率協会によりISO14064-3:2019に準拠した検証による
第三者保証を取得済みです。対象期間、対象会社等の詳細は以下のURLよりご確認ください。
https://www.garage.co.jp/documents/sustainability/GHG_Verification_2024_JP.pdf
ⅱ.温室効果ガス(GHG)排出量削減目標
当社グループは、GHG排出削減に向け2段階の目標を設定しております。2030年度までにスコープ1・2排出量を50%削減(2021年度比)し、2050年度までにサプライチェーン全体でカーボンニュートラルを実現します。これらの目標はマテリアリティKPIとしても指標として定めており、目標達成に向け、省エネルギーや再生可能エネルギー導入等の施策を継続的に展開してまいります。
|
目標年度 |
目標 |
具体的な説明 |
|
2030年度 |
スコープ1・2のGHG排出量を2021年度比で50%削減 |
省エネルギー施策や再生可能エネルギー導入等により、事業所内の直接排出と購入電力由来の排出を大幅に削減 |
|
2050年度 |
バリューチェーン全体でカーボンニュートラルの実現 |
事業全体及びサプライチェーンにおける温室効果ガス排出を実質ゼロにし、環境負荷のない事業活動を実現 |
(3)人的資本の取組
当社グループは、創業以来、「ファーストペンギン・スピリット」を価値観(Value)として掲げ、リスクを伴う領域にも果敢に挑戦する姿勢を堅持してまいりました。社員一人ひとりがこの精神を体現し、従来の常識や既成概念にとらわれることなく、社会に貢献するサービスの提供に取組んでおります。特に、AI等の先端テクノロジーの活用が進展する中において、この「ファーストペンギン・スピリット」はこれまで以上に重要な指針となっております。
一方、経営環境の変化に直面しており、現在進行中のテクノロジーの革新に適応することが求められております。また、当社グループは異なる価値観や背景を有する人財が同一の企業/事業内で協働することが常態化しつつあり、人、及び組織を取り巻く環境も転換期を迎えております。こうした状況を踏まえ、人財分野におけるマテリアリティを以下の通り特定しております。
<人財分野のマテリアリティ>「誰もがいきいきと活躍できる環境づくり」
・多様な人財が活躍する 仕組みづくり
従業員一人ひとりの多様性を尊重し、前向きにやりがいをもって働くことができる環境・制度等を整えることが、社会の多様なニーズや課題に応えることにつながると捉え、人財への取組みを推進していきます。
・未来を切り拓く人財育成
一人ひとりの強みを活かしながら、変化していく社会環境へ勇敢に挑む人財を育成することは、自律したキャリアを築き、人生をより豊かにするだけではなく、当社グループの成長にもつながると考えております。
これらのマテリアリティは、企業活動において解決すべき優先事項を明確にするだけでなく、社員一人ひとりの成長を促進し、組織全体の競争力を高めるための指針でもあります。
「多様な人財が活躍する仕組みづくり」と「未来を切り拓く人財育成」の両軸を強化することで、マテリアリティとして定めた「誰もがいきいきと活躍できる環境づくり」を実現し、企業としての持続可能な発展と社会への価値提供を両立させることを目指してまいります。
① 人財マネジメントポリシー
当社グループでは、多様なバックグラウンドを持つ社員が各々の能力を最大限に発揮し、グループ特有の専門性が高い業務を遂行することで、持続的な成長と社会への価値提供が可能であると考えております。パーパスの実現に向けては、異なる背景を持つ社員同士の協働を促進することに加え、社員と企業の関係性を強化することが重要であるという認識のもと、2023年に「人財マネジメントポリシー」を策定いたしました。
ⅰ.人財マネジメントポリシー
本ポリシーにおいては、①会社が従業員に対して約束すること、及び②会社が従業員に求めることの双方の姿勢を明示し、双方向の関係性を体系的に整理・可視化しております。これにより、当社グループが目指す理想の組織像に基づく価値観を定義し、その価値観を具体的な行動指針として具現化することを目的としております。当社グループは、本ポリシーを基盤として、組織と個人が一体となって成長し、企業価値の向上を図るべく、組織開発及び人財開発を推進しております。
ⅱ.人財マネジメントポリシーとマテリアリティの関係
本ポリシーは、会社と個人が共に成長するための具体的な行動指針を定めたものであり、当社が人財分野のマテリアリティとして特定する「多様な人財が活躍する仕組みづくり」及び「未来を切り拓く人財育成」の推進を支える基盤として位置づけられております。多様性を尊重した制度や環境の整備を通じて従業員の活躍を促進し、また、自律心と挑戦意欲を持つ人財の育成を支援することにより、本ポリシーはマテリアリティ具現化に向けた実効的な手段として機能しております。
そのため、本ポリシーに基づいて策定される人事施策や目標設定は、マテリアリティの達成及びそれに紐づくKPIの達成と整合的に設計されており、当社グループの持続的な成長と社会的価値の創出に資することを目的としております。
|
ポリシー要素 |
主な行動姿勢/説明 |
対応するマテリアリティ |
|
可能性への投資 |
新しい可能性に挑戦する人財への積極的投資 |
未来を切り拓く人財育成 |
|
適材適所の実行 |
個人の強みを活かす配置・役割の最適化 |
多様な人財が活躍する仕組みづくり |
|
DEIBの実現 |
多様性・公正性・包括・帰属意識の推進 |
多様な人財が活躍する仕組みづくり |
|
心理的安全性の醸成 |
意見を自由に述べられる信頼関係・環境づくり |
多様な人財が活躍する仕組みづくり / 未来を切り拓く人財育成 |
② マテリアリティKPIと対応する人事施策
当社グループでは、性別や国籍、職歴等にかかわらず、能力及び実績を重視した人財登用を推進してきたことにより、多様な経歴や専門性を持つ人財が活躍しております。人財分野のマテリアリティである「誰もがいきいきと活躍できる環境づくり」を実現するため、人財マネジメントポリシーに基づく人事施策では以下の取組みを実施しております。
ⅰ.多様な人財が活躍する仕組みづくり
<マテリアリティKPI> 2028年3月末目標
・エンゲージメントサーベイ トータルエンゲージメントスコア:4.0ポイント以上
・女性管理職比率30%以上
<具体的な施策>
・人事制度改定(マネジメントコース/エキスパートコース複線化、1 on 1の活用推進)
・市場競争力のある賃金水準への改定
・キャリア自律支援
・女性活躍推進
・エンゲージメントサーベイに基づく組織改善
<期待される影響>
・自社への影響
働きがい向上による生産性の向上、イノベーションの創出、人財の定着、採用競争力の向上
・社会への影響
イノベーション加速による革新的技術やサービスを通じた社会貢献
ⅱ.未来を切り拓く人財育成
<マテリアリティKPI> 2030年度目標
・エンゲージメントサーベイ 人財育成に関するサーベイ結果:1.0ポイント改善(2025年3月期比)
<具体的な施策>
・人事制度複線化によるキャリアパスの多様化
・社内公募制度
・マネジメント向け研修実施(評価者研修、マネジメント力強化研修)
・1 on 1トレーニング
・ポータブルスキル開発支援
<期待される影響>
・自社への影響
継続的スキルアップによる社員成長、生産性・競争力の向上、事業成長への貢献
・社会への影響
社会課題解決に繋がるビジネス創出による社会貢献
③ 各種データ
当社グループでは、上記において記載した人財の多様性の確保を含む人財育成方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。なお、「管理職のうち女性比率」については、 女性管理職の人数は増加しておりますが、主として2024年7月に㈱SCORE、㈱DGフィーリストを連結子会社としたことにより比率は減少しております。
<グループ会社※1の実績と目標値>
|
|
2023年3月31日時点 |
2024年3月31日時点 |
2025年3月31日時点 |
|
|
実績 |
実績 |
実績 |
目標 |
|
|
|
955人 |
1,087人 |
|
|
|
エンゲージメント指数
|
3.8 |
3.8 |
|
|
|
エンゲージメント指数
|
2.7 |
2.9 |
|
3.8 ※4 |
|
|
17.2% |
16.5% |
|
|
|
|
16.7% |
28.6% |
|
|
※1 上表の従業員数を除く実績及び目標値は国内連結会社(1,233名)での開示としております。なお、エンゲージメント指数に関しては調査実施時点の国内連結会社を対象としております。
※2 トータルエンゲージメントとは、企業を構成する「仕事・職場・会社」の概念に紐づけ、これら3つへのエンゲージメントの合計として解釈したものであります。満点を5.0とし、4.0が「非常に高い」と判断される指標になります。
※3 「人財育成に関する指数」は、必要な能力やスキル習得のための仕組みや、個人の成長を考慮した配置・異動についてのエンゲージメント指数となります。
※4 2030年3月期での目標値となります。
④ リスク管理
人的資本に関するリスク管理については、全社のリスク管理に統合されているため、詳細は「
(4)情報セキュリティに関する取組
当社グループは、決済事業を主軸としたインターネット関連事業においてテクノロジーの社会実装を進めております。これらの事業遂行にあたり、お客様の情報や情報システム等の「情報資産」を安全に取り扱うことは、経営上の最重要課題かつ社会的な責務であると認識し、マテリアリティの1つとして「社会を支えるシステムの安定稼働」を掲げております。
生成AIの発展やサイバー攻撃の組織化に伴い、情報資産を脅かすサイバー攻撃はますます高度化・巧妙化しております。このような状況下、当社グループは、全てのステークホルダーの皆様からの信頼に応え、安心してサービスをご利用いただくため、サイバーセキュリティへの対応も含む情報セキュリティ体制の強化と継続的な改善にグループ全体で取組んでまいります。
① ガバナンス
代表取締役副社長を情報セキュリティ担当取締役として、またCISO(Chief Information Security Officer)を個別に選任し、セキュリティ領域における監督機能と執行機能を明確にすることにより、有事において迅速かつ柔軟な対応が可能な運用体制といたします。
また、セキュリティにおけるスリーラインモデルを体制とするべく、2線組織としてセキュリティ統括部を組成しております。セキュリティ統括部は、全社的な啓蒙活動や教育、各部門におけるセキュリティ活動の支援を行うことで、第1線である事業部門が主体的に正しいセキュリティ対応が出来るように活動しております。3線組織である内部監査室は、2線の活動に対して監査を実施しております。
② リスク管理
CISOの配下にDG-CSIRT(Digital Garage – Computer Security Incident Response Team)を組成し、サイバー空間において露出している当社グループのリスク管理を実施するとともに、万が一当社グループにおいてサイバー攻撃等のインシデント発生時には、迅速な対応ができる体制を構築しております。
また、セキュリティに関する全従業員に対する定期教育を実施するだけでなく、実際に重大事案や懸念事案が発見された場合には警告を発信する運用により、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めるようにしております。
<DG-CSIRTの役割>
・深刻なセキュリティインシデントに対する早期検出と迅速な対応による被害の極小化及び復旧支援。
・経営陣がサイバーセキュリティに関する判断を的確に行うための情報提供。
・DGグループ内のサイバーセキュリティディフェンス能力の向上。
③ 戦略
組織的、物理的、技術的、人的という4つの観点から情報セキュリティ対応をしております。当社グループはセグメント毎に異なるビジネス形態を展開しており、対応すべきセキュリティリスクも異なることから、グループ各社毎に必要なセキュリティ対策を実施し、ISO/IEC27001/27002やPCIDSS、Pマークといった外部認証の取得を推進しております。サイバーセキュリティ対策組織としてCSIRTを組成し、当社グループにおけるサイバーレジリエンスの強化に努めております。また、常に変化していく情報セキュリティの脅威トレンドも踏まえた啓蒙活動や教育を実施することで、情報セキュリティの維持・向上を図っております。
④ 指標と目標
当社グループは、社会の重要インフラを支えることで経済活動が円滑に進む土台を提供し、社会の安心・安全に寄与しております。
情報漏えいなどのインシデントのリスクを低減し、システムトラブルに起因する業務停止や社会的信用失墜といった大きなダメージを回避し、信頼性の向上、経営の安定化につなげるため、以下のマテリアリティKPIを設定し、セキュリティの維持向上に努めております。
・セキュリティマネジメントシステムカバー率
・従業員のセキュリティ研修受講率100%
当社グループでは、リスクマネジメント委員会を中心に、事業に影響を及ぼす可能性のあるリスクを定期的に評価・特定し、その対応状況をモニタリングしております。
リスクマネジメントの推進体制として、「スリーラインモデル」を採用しており、第1線(事業部門)がリスクオーナーとして日々の業務においてリスクを管理し、第2線(リスクマネジメント室およびリスク管理所管部署)が専門的な立場から支援・モニタリングを行い、第3線(内部監査部門)が独立した立場から全体の有効性を評価する体制を構築しております。
リスクマネジメント委員会では、これら関係者の連携を促進し、全社的なリスク管理の実効性向上に努めております。特に影響度や発生可能性の高いリスクについては、対応策の検討・実施を優先的に行っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
|
(1)事業環境に係るリスク |
|
|
市場環境の変化について |
|
|
[リスク] 当社グループが事業を展開するeコマース市場や決済市場は継続的に拡大しておりますが、今後、個人消費動向の変化および景気動向等により、市場規模の拡大が停滞した場合には、当社グループの業績成長に影響を及ぼす可能性があります。 |
[対処方針] 当社グループはこれまで、インターネットをはじめとしたテクノロジーの進化に合わせ、時代に即したサービス展開を行うことで継続的な成長を実現してまいりました。足もとでは、eコマースや決済事業以外の事業領域にもサービスを拡充しているほか、次世代テクノロジーを活用した新たなサービス開発にも注力し、収益の多層化に取組んでおります。 |
|
競合について |
|
|
[リスク] 当社グループは、インターネット関連業務や決済について技術面、情報面等の強化を図っていますが、一層の競争激化等により価格競争や広告宣伝費等の費用増加があった場合、業績に影響を与える可能性があります。 また、技術の進歩が目覚ましいインターネット関連分野や決済分野においては、新たな技術による競争力を有した競合他社の出現により、将来の競争力が低下する可能性があります。 現在取組む新規事業等におきましても、他社との競合や事業環境の急速な変化等により計画通りに進捗しない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 当社グループでは、顧客のニーズに合致したサービスの開発・提供を継続的に行うとともに、当社グループサービスの多様化とシナジーによる付加価値の向上に取組むことにより、競合他社との差別化及び競争力の強化に注力しております。 また、創業来培ってきたグローバルネットワークを軸として、世界中のスタートアップ企業にリーチすることにより、いち早く新たなテクノロジーの情報収集が可能となる体制を築いており、今後もネットワークの維持拡大に取組んでまいります。 |
|
法的規制の可能性及び影響について |
|
|
[リスク] 当社グループが展開する事業は、各種法令による規制を受けているほか、監督官庁の指針、ガイドライン等を踏まえた対応を行っています。これら法令の制定や改正、新たなガイドライン等や自主規制ルールの策定又は改定等により、事業の一部が制約を受けた場合、業績に重大な影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 弁護士や外部諸団体等の第三者からの助言・情報収集を通じて、コーポレート本部を中心とする関係部署が事業に係る法的規制の導入・改廃に関する対応を行っております。今後も法令改正や規制変更等に伴う業績影響の可能性を排除できるよう、体制を強化してまいります。 |
|
自然災害等について |
|
|
[リスク] 大規模な自然災害等が発生した場合は、事業所等が直接被害を受け、事業の遅延、中断等が生じることにより、業績に影響を与える可能性があります。また、今後新たな感染症が発生・拡大した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
[対処方針] 自然災害、火災、感染症の流行等に対する損害を最小限にするための危機管理体制を重要なものと位置付けており、リスクマネジメント室を中心に事業継続計画(BCP)の整備を進めています。 また、気候変動に関連する中長期的なリスクについても、当社のサステナビリティへの取り組みの一環として対応を検討しています。 |
|
(2)セキュリティ及びシステムに係るリスク |
|
|
情報セキュリティについて |
|
|
[リスク] 何らかの理由により顧客情報が外部漏洩した場合は、社会的信用問題や損害賠償等の発生から、業績に影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 事業毎に外部認証を取得するとともに、必要なセキュリティ対策、情報セキュリティ部門の強化、定期的なセキュリティ教育を実施しております。 |
|
システムセキュリティについて |
|
|
[リスク] ハードウェア・ソフトウェアの不具合、人為的ミス、通信回線の障害、コンピュータウィルス、サイバーテロのほか、自然災害等によりシステム障害が発生した場合、又は適切な対応ができなかった場合には、業績に影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 通信ネットワーク・システムの二重化及び適切なセキュリティ手段等による障害回避の取組みのほか、設備投資、セキュリティ対策、運用技術者教育の充実等、必要な対策を講じております。 サイバー攻撃リスクへの対応として、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置し、セキュリティインシデントへの対応体制を整備しております。 |
|
(3)人材に係るリスク |
|
|
人材の流動化及び人材の確保について |
|
|
[リスク] 計画に沿った採用ができない場合、あるいは従業員の離職が増加した場合には、事業拡大に影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 優秀な人財の獲得及び育成は当社グループの成長戦略上重要な要素であると認識しており、人的資本への適切な投資の一環として、賃金水準の引き上げをはじめとした待遇向上のほか、能力や実績を重視した人財登用を実施しております。 また、「人財マネジメントポリシー」を定め、従業員が活躍・成長していける土台作りに努めています。 競争優位性のある報酬体系の整備や、社内研修プログラムの充実等を通じて、人財の確保・定着・育成に注力しております。 |
|
経営人材の不足について |
|
|
[リスク] 事業戦略上の重要ポジションの従業員が離職した場合、あるいは、重要ポジションの後継者育成が遅れた場合、事業の進化や継続性に影響を及ぼす可能性があります。 |
[対処方針] 将来の経営幹部の育成を目的に候補者を選抜し、役員との対話プログラムを通じた経営視座の醸成を図るなど、次世代経営人材の育成に注力しております。 |
|
(4)投資関連事業に係るリスク |
|
|
スタートアップ企業への投資について |
|
|
[リスク] 当社グループで投資するスタートアップ企業は、将来性において不確定要因を多々含んでおり、景気動向、技術革新、株式市場の変化等により、業績に影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 投資先選定にあたり専門知識を有するメンバーで構成する会議体にて慎重に検討し、投資実行後も投資先における事業の成長と企業価値の向上に関与する等により、極力リスクを回避しております。 また、投資ポートフォリオの分散化を図り、特定分野への過度な集中を避けることで、市場変動リスクの低減に努めております。 |
|
投資関連事業における業績変動について |
|
|
[リスク] 投資先スタートアップ企業の成長状況及び経済環境や新規公開を含む株式市場全般の動向等に大きく影響を受け、コントロールが及ばない外部要因が業績に重大な影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 定期的に投資先の時価、財務状況、資金調達状況及び競争環境等を把握することにより継続的なリスクのモニタリングを行うとともに、当社グループの財務状況とリスクのバランスを適切に管理しております。また、リスクや投資先との関係を勘案しながら、投資ポートフォリオを継続的に見直しております。 |
|
(5)その他事業に係るリスク |
|
|
知的財産権について |
|
|
[リスク] 第三者が保有する特許権等を侵害している場合、損害賠償義務を負う可能性や技術等の使用を継続できなくなる可能性があります。また、他社の特許権等の使用が認められた場合、ロイヤリティーの支払い等により業績に影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 第三者が保有する商標権、特許権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払い、知的財産権専門の弁護士や弁理士に随時相談する等の対策を行っております。 |
|
訴訟の可能性について |
|
|
[リスク] 顧客や第三者等との間で予期せぬトラブルが発生し、訴訟に発展する可能性があります。かかる訴訟が発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 「コンプライアンス・プログラム」を策定し業務の運営を行うことで、法令違反などの発生リスクの低減に努めております。 |
|
M&Aについて |
|
|
[リスク] 事業環境の悪化等により当初想定していた成果やシナジーが得られない場合、又は買収先企業の企業価値が大きく下落した場合等には、のれんの減損損失が生じる等、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 |
[対処方針] 当社グループは、市場環境の変化に柔軟に対応できる組織体制の構築に取組み、変化に迅速に対応できる意思決定プロセスの確立を目指してまいります。 |
これらのリスクに対するリスク管理体制を「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおり整備してリスクマネジメントを行っているほか、リスク発生の可能性を認識した時点で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。
当社グループは、今後もビジネス環境の変化に応じて定期的にリスク評価を行い、リスク低減策を継続的に強化・改善していく方針です。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
ⅰ.財政状態
当連結会計年度末におきましては、主に現金及び現金同等物、持分法で会計処理されている投資が増加した一方、営業投資有価証券が減少した結果、資産合計は226,344百万円となり、社債及び借入金(流動負債及び非流動負債)、金融資産の公正価値の減少等により繰延税金負債が減少した一方、決済事業等に係る営業債務及びその他の債務が増加した結果、負債合計は148,649百万円となりました。
また、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期損失、配当金により減少したほか、自己株式が取得により増加した結果、資本合計は77,695百万円となりました。
ⅱ.経営成績
当連結会計年度において、プラットフォームソリューション・セグメントでは、対面決済領域におけるアライアンス戦略が奏功したほか、非対面決済領域ではサービス分野が牽引したこと等から、決済取扱高は前期比21%増の7.5兆円に拡大するなど、安定的に事業が拡大しました。ロングタームインキュベーション・セグメントでは、㈱カカクコムの業績が堅調に推移し、持分法による投資利益が前期を上回りました。一方で、当社の投資先であるBlockstream Corporation Inc.の公正価値評価額が大幅に減少したことにより「営業投資有価証券に関する損失」及び「金融費用」として評価損を計上しました。これらの結果、収益は38,306百万円、税引前損失は10,216百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失は7,190百万円と増収減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におきましては、主に税引前損失を計上した一方、営業債務及びその他の債務が増加し、営業投資有価証券、営業債権及びその他の債権が減少した結果、営業活動によるキャッシュ・フローは31,726百万円の獲得となりました。
投資活動としましては、主に無形資産の取得、投資有価証券の取得、持分法で会計処理されている投資の取得、子会社の取得による支出の結果、投資活動によるキャッシュ・フローは10,003百万円の使用となりました。
財務活動としましては、主に長期借入れによる収入があった一方、長期借入金の返済、短期借入金の純減、自己株式の取得、配当金の支払の結果、財務活動によるキャッシュ・フローは14,914百万円の使用となりました。
これらにより当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、56,354百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
ⅰ.生産実績
当社グループの事業は、提供する主要なサービスの性格上、当該記載が馴染まないことから、記載を省略しております。
ⅱ.受注実績
当社グループの提供する主要なサービスは、受注から売上までの期間が短期間であり、期中の受注高と販売実績がほぼ対応するため、記載を省略しております。
ⅲ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比(%) |
|
|
プラットフォームソリューション |
(百万円) |
22,644 |
128.7 |
|
ロングタームインキュベーション |
(百万円) |
13,570 |
106.2 |
|
グローバル投資インキュベーション |
(百万円) |
582 |
9.9 |
|
調整額 |
(百万円) |
1,510 |
94.0 |
|
合計 |
(百万円) |
38,306 |
101.2 |
※1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
※2 調整額は、セグメントに配分していない主に本社機能から生ずる金融収益等の全社収益であります。
※3 前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.財政状態
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2024年3月31日) |
当連結会計年度 (2025年3月31日) |
前期比 |
||
|
増減額 |
増減率 (%) |
||||
|
|
流動資産 |
152,094 |
144,446 |
△7,649 |
△5.0 |
|
非流動資産 |
79,337 |
81,899 |
2,562 |
3.2 |
|
|
資産合計 |
231,431 |
226,344 |
△5,087 |
△2.2 |
|
|
|
流動負債 |
104,401 |
97,558 |
△6,843 |
△6.6 |
|
非流動負債 |
34,892 |
51,091 |
16,199 |
46.4 |
|
|
負債合計 |
139,293 |
148,649 |
9,356 |
6.7 |
|
|
資本合計 |
92,138 |
77,695 |
△14,443 |
△15.7 |
|
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて5,087百万円減少し、226,344百万円となりました。この主な要因は、現金及び現金同等物が6,783百万円、持分法で会計処理されている投資が3,678百万円増加した一方、営業投資有価証券が14,629百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて9,356百万円増加し、148,649百万円となりました。この主な要因は、社債及び借入金(流動負債及び非流動負債)が5,707百万円、金融資産の公正価値の減少等により繰延税金負債が4,576百万円減少した一方、決済事業等に係る営業債務及びその他の債務が19,963百万円増加したことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて14,443百万円減少し、77,695百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する当期損失の計上により7,190百万円、配当金により1,895百万円減少したほか、自己株式が取得により4,500百万円増加したことによるものであります。
なお、セグメント資産及び負債については、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象とはなっておりません。
ⅱ.経営成績
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比 |
|
|
増減額 |
増減率 (%) |
|||
|
収益 |
37,853 |
38,306 |
453 |
1.2 |
|
税引前利益(△損失) |
6,298 |
△10,216 |
△16,515 |
- |
|
当期利益(△損失) |
5,551 |
△7,476 |
△13,027 |
- |
|
親会社の所有者に帰属する 当期利益(△損失) |
5,806 |
△7,190 |
△12,996 |
- |
|
当期包括利益 |
6,187 |
△7,981 |
△14,167 |
- |
当連結会計年度の経営成績につきましては、収益は38,306百万円(前期比453百万円増、同1.2%増)、税引前損失は10,216百万円(前期は6,298百万円の利益)、親会社の所有者に帰属する当期利益は7,190百万円(前期は5,806百万円の利益)となりました。
当連結会計年度において、プラットフォームソリューション・セグメントでは、対面決済領域におけるアライアンス戦略が奏功したほか、非対面決済領域ではサービス分野が牽引したこと等から、決済取扱高は前期比21%増の7.5兆円に拡大し、税引前利益も前期比22%増となりました。ロングタームインキュベーション・セグメントでは、㈱カカクコムの業績が堅調に推移し、持分法による投資利益が前期を上回りました。グローバル投資インキュベーション・セグメントでは、当社の投資先であるBlockstream Corporation Inc.の公正価値評価額が大幅に減少し「営業投資有価証券に関する損失」及び「金融費用」として評価損を計上しました。一方で、保有する営業投資有価証券の売却が着実に進捗しました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度において、グループ戦略に即した経営資源の効率的な分配及び事業構造の最適化を通じて、決済プラットフォームを軸とした事業の成長加速を図るため、当社の事業カンパニーであるマーケティングテクノロジーカンパニーを2つの事業本部へ再編しました。あわせて、マーケティング機能の役割を再定義するとともに、経営管理体制を整理しました。
これに伴い、従来は、プラットフォームソリューション・セグメントに含めていた一部の事業について、報告セグメントの区分をロングタームインキュベーション・セグメントへ変更しております。前連結会計年度の数値につきましても、新たな報告セグメント区分に組み替えた数値を記載しております。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比 |
||
|
増減額 |
増減率 (%) |
||||
|
プラットフォーム ソリューション |
収益 |
17,596 |
22,644 |
5,049 |
28.7 |
|
税引前利益 |
7,168 |
8,757 |
1,589 |
22.2 |
|
|
ロングターム インキュベーション |
収益 |
12,774 |
13,570 |
796 |
6.2 |
|
税引前利益 |
1,437 |
969 |
△468 |
△32.5 |
|
|
グローバル投資 インキュベーション |
収益 |
5,877 |
582 |
△5,294 |
△90.1 |
|
税引前利益 |
1,372 |
△8,946 |
△10,318 |
- |
|
|
調整額 |
収益 |
1,607 |
1,510 |
△97 |
△6.0 |
|
税引前利益 |
△3,679 |
△10,997 |
△7,318 |
- |
|
|
合計 |
収益 |
37,853 |
38,306 |
453 |
1.2 |
|
税引前利益 |
6,298 |
△10,216 |
△16,515 |
- |
|
〔プラットフォームソリューション〕
プラットフォームソリューション・セグメントでは、当社グループの事業基盤である決済プラットフォームを軸とした事業を展開しております。Eコマース(EC)及び対面店舗等のBtoC商取引に必要不可欠なクレジットカード決済をはじめ、QRコード決済、コンビニ決済等のあらゆる電子決済手段を提供する決済代行サービスのほか、決済に関連する周辺サービス及びEC事業者向け機能の拡充等を通じて、決済プラットフォームの持続的な拡大に取り組んでおります。また、決済領域の事業パートナーであるクレジットカード会社をはじめとした金融事業者向けデジタルマーケティング及びCRMソリューションとの連携を強化し、金融フィンテック領域に特化したエコシステムの構築に注力しております。
当連結会計年度は、対面決済領域においてアライアンス戦略が奏功し、決済の新規加盟店獲得が進捗したほか、訪日外国人数の増加に伴い、百貨店をはじめとした総合小売業において決済取扱高が伸長しました。加えて、サービス、公金等の非物販分野を中心に非対面決済領域が堅調に推移したこと等から、決済取扱高は前期比21%増の7.5兆円となりました。また、マーケティング事業では、決済事業との連携を企図した事業の最適化やサービス開発等を推進しました。
これらの結果、収益は22,644百万円(前期比5,049百万円増、同28.7%増)、税引前利益は8,757百万円(前期比1,589百万円増、同22.2%増)となりました。
〔ロングタームインキュベーション〕
ロングタームインキュベーション・セグメントでは、当社グループ独自の事業基盤及び日本最大級のメディアを運営する㈱カカクコムの顧客資産等を活用し、決済プラットフォームの拡大を加速することを目的とした戦略事業を展開しております。企業間取引(BtoB)決済領域におけるサービスのほか、各産業のDX化を支援するプロダクト開発による事業者の業務効率化及びキャッシュレス化の促進、データマーケティングによる小売事業者等への集客による決済機会の拡大、新たなテクノロジーの社会実装を目指した事業開発等を行うことにより、プラットフォームソリューション・セグメントの更なる高付加価値化及び成長加速を図るとともに、中長期的に企業価値を牽引する次世代の事業創出に取り組んでおります。
当連結会計年度は、グループ会社である㈱カカクコムの業績が堅調に推移したこと等により、持分法による投資利益が増加しました。また、一部の新規事業において固定資産に係る減損損失を計上したものの、先行投資を継続する戦略事業は事業規模の拡大に伴い収益が増加しました。
これらの結果、収益は13,570百万円(前期比796百万円増、同6.2%増)、税引前利益は969百万円(前期比468百万円減、同32.5%減)となりました。
〔グローバル投資インキュベーション〕
グローバル投資インキュベーション・セグメントでは、国内外のスタートアップ企業等への投資及び当社グループ内の事業との連携による投資先の育成等を行っております。創業以来、北米・日本・アジア・欧州を中心に築き上げてきた独自のディールソースである「グローバルインキュベーションストリーム」や、当社グループが運営する日本初のシードアクセラレータープログラム「Open Network Lab」等を通じて、世界中の有望なスタートアップ企業へリーチするとともに、当社グループの事業との連携を一層深めることにより、当社グループ及び投資先の企業価値の最大化を目指しております。
当連結会計年度は、投資先の1社であるBlockstream Corporation Inc.の評価額が大幅に減少したこと等により、営業投資有価証券の公正価値が減少しました。一方で、営業投資有価証券の売却が着実に進捗したことにより、投資事業収入は81億円となりました。
これらの結果、収益は582百万円(前期比5,294百万円減、同90.1%減)、税引前損失は8,946百万円(前期は1,372百万円の利益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前期比 増減額 |
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△11,032 |
31,726 |
42,758 |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△8,763 |
△10,003 |
△1,240 |
|
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
15,931 |
△14,914 |
△30,845 |
|
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
49,571 |
56,354 |
6,783 |
|
|
有利子負債(リース負債除く) |
67,339 |
61,633 |
△5,707 |
|
|
|
短期 (1年内に償還または返済予定の 長期有利子負債は除く) |
27,270 |
21,170 |
△6,100 |
|
長期 |
40,069 |
40,463 |
393 |
|
ⅰ.キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、56,354百万円(前期比6,783百万円増、同13.7%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は31,726百万円となりました。収入の主な内訳は、営業債務及びその他の債務の増加額16,790百万円、営業投資有価証券の減少額14,384百万円、営業債権及びその他の債権の減少額4,168百万円であり、支出の主な内訳は、税引前損失10,216百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は10,003百万円となりました。支出の主な内訳は、無形資産の取得による支出4,008百万円、投資有価証券の取得による支出2,421百万円、持分法で会計処理されている投資の取得による支出2,316百万円、子会社の取得による支出1,008百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は14,914百万円となりました。支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出29,193百万円、短期借入金の純減額6,175百万円、自己株式の取得による支出4,512百万円、配当金の支払額1,894百万円であり、収入の主な内訳は、長期借入れによる収入29,300百万円であります。
ⅱ.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資金調達)
当社グループは、財務の健全性・安全性の維持と、事業の維持拡大に必要な資金の流動性の確保を意識した資金調達を基本方針としております。資金調達手段の多様化・安定化と、資本効率の向上を企図し、金融機関からの借入等、一部有利子負債を活用しております。また、安定的かつ機動的な資金調達を実現するために複数の金融機関との間で総額170億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当連結会計年度末における有利子負債(リース負債除く)の残高は、61,633百万円であります。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要の主なものは、各事業セグメントにおける事業資金、販売費及び一般管理費等の営業費用等のほか、決済事業における収納代行業務の一時的な立替資金によるものであります。また、投資資金需要の主なものは、決済事業のシステム機能拡充・強化等によるもののほか、新規事業に係るシステム開発等の投資によるものであります。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務の健全性と資本効率の向上を両立させながら対応していく方針であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(1)業務提携契約等
|
会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱デジタルガレージ |
㈱電通グループ |
日本 |
資本業務提携に関する基本合意 |
1.両社の知見やノウハウを結集し、最先端のマーケティング・テクノロジーを開発・駆使して、デジタル・マーケティング事業及びビジネス・インテリジェンス事業の拡大を図り、両社の企業価値を向上させることを目的とした業務提携 2.業務提携の目的のために必要な資金の調達として、当社が第三者割当増資を実施し、㈱電通(現 ㈱電通グループ)がその全てを引受ける資本提携 |
― |
|
㈱デジタルガレージ |
㈱クレディセゾン |
日本 |
業務提携に関する基本合意 |
国内及び海外におけるインキュベーション事業及びマーケティング事業に関する事業連携を目指した業務提携 |
― |
|
㈱デジタルガレージ |
㈱講談社 |
日本 |
資本業務提携に関する基本合意 |
両社の知見やノウハウを結集し、グローバルに亘るコンテンツのデジタル配信及びマーケティング事業の拡大を図り、両社の企業価値を向上させることを目指した資本業務提携 |
― |
|
㈱デジタルガレージ |
東芝テック㈱ |
日本 |
資本業務提携 契約書 |
両社の協業関係を長期的かつ継続的に構築し、決済ビジネス関連及びデジタルマーケティングサービス関連において共同で取組みを実施し、それぞれの方針の実現に向け、推進していくことを目的とした資本業務提携 |
― |
|
㈱デジタルガレージ |
㈱ジェーシービー |
日本 |
資本業務提携 契約書 |
事業上の関係を発展させ、共同営業モデルの構築や新たな対面EC決済ソリューション開発の共同検討等を行い、互いの企業価値を向上させるため、相互に協力することを目的とした資本業務提携 |
― |
|
㈱デジタルガレージ |
㈱りそなホールディングス |
日本 |
資本業務提携 契約書 |
事業上の関係を発展させ、両社の既存決済事業基盤の強化・拡大及び新規事業の共同開発等を実施し、互いの企業価値を向上させるため、相互に協力することを目的とした資本業務提携 |
― |
(注)2024年4月1日前に締結された契約に含まれる「企業・株主間の株主保有株式の処分・買増し等に関する合意」については、経過措置を適用し記載を省略しております。
(2)ローン契約と社債に付される財務上の特約
|
契約締結日 |
2021年9月30日 |
2023年3月28日 |
2024年10月28日 |
2024年11月7日 |
2025年3月27日 |
2025年3月31日 |
|
相手方の属性 |
都市銀行 他 |
都市銀行 |
都市銀行 他 |
都市銀行 他 |
都市銀行 |
都市銀行 |
|
期末残高 (百万円) |
5,769 |
5,000 |
8,000 |
9,200 |
10,000 |
5,000 |
|
弁済期限 |
2028年10月31日 |
2026年3月27日 |
2025年10月31日 |
2029年10月31日 |
2028年3月31日 |
2028年3月31日 |
|
担保の内容 |
なし |
なし |
なし |
なし |
なし |
なし |
|
特約の内容 |
・各事業年度の末日における貸借対照表の純資産の金額を、直近の事業年度の末日における純資産の合計の75%以上に維持すること。 ・各事業年度の末日における損益計算書の当期純損益が2期連続して損失とならないようにすること。 |
|||||
当社グループは、2010年7月からグローバルに活躍する事を目標にインターネットビジネスの起業を志すエンジニアや起業家を育成する「Open Network Lab」事業を行っております。起業家育成プログラム「Seed Accelerator」には、ソフトウエアだけでなくハードウエアの開発を行うチームまで、世界各国の幅広い分野から例年多数の応募をいただいており、プログラムを通じて選出チームのビジネスの成長を促してまいりました。プログラムのメンター(指導者)に国内だけでなく、海外から各分野のスペシャリストに加わっていただくことで、日本市場に限らず、世界市場に向けたサービスを育成する体制を整えております。こうした取り組みが着実に成果を上げてきていることから、本プログラムは、日本を代表する起業家育成プログラムとして世界からも注目を集めております。
当連結会計年度においては、2010年から実施するシードステージのスタートアップに特化した「Open Network Lab」に加え、北海道で展開するシードステージのスタートアップに特化した「Open Network Lab HOKKAIDO」を実施いたしました。また東京都スマートサービス実装促進プロジェクト「Be Smart Tokyo」に「スマートサービス実装促進事業者」として採択され、都民の暮らしの利便性・QOLを高めるスタートアップの新しいサービスの東京都内での実装を支援しております。
2016年7月に発足したオープンイノベーション型の研究開発組織「DG Lab」は、データとAIを中心とした実用的なプロダクト・サービスの開発に向けた研究開発に注力しており、社会・市場の変化や事業戦略に応じて、これまで蓄積された知見やネットワーク、戦略パートナーとの連携等を活用した次世代事業の開発に取り組んでおります。
2022年11月に設立した研究組織「Digital Architecture Lab」は、デジタル時代の新しいアーキテクチャの構築を目指し活動しており、活動の一つとして次世代AIの研究開発・事業開発を推進しております。
これらにおける研究開発活動の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は