第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期累計期間において、当四半期報告書提出日現在までに変更があった事項は以下のとおりであります。当社は、取引金融機関との間で締結したシンジケートローン契約に付されている財務制限条項に抵触しておりましたが、2023年12月29日に全額返済したことから、当第1四半期会計期間末において当該事象は解消しております。よって、前事業年度の有価証券報告書に記載した「3.その他リスクについて (3)提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象について」のうちシンジケートローン契約における財務制限条項に抵触に関するリスクは解消しております。

 なお、当第1四半期累計期間において、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。

 

(重要事象等について)

 当社は、当第1四半期会計期間末において有利子負債が1,253,617千円(1年以内償還予定の社債31,000千円、1年内返済予定の長期借入金108,012千円、社債45,000千円、長期借入金709,641千円、短期借入金359,964千円)と手元流動性210,568千円(現金及び預金)に比し高水準な状況にあります。この状況は、当社の過去からの営業損益の水準に対して高水準となっております。

 当社は、当該事象又は状況を解消するため、2023年12月28日に公表いたしました「事業計画及び成長可能性に関する事項」に則り、以下のような収支改善施策に取り組んでおります。

 当社は、新型コロナウイルス感染症の大きな影響を受けた外食産業が、今後もこの影響が継続することを想定しており、以下の4つの観点の計画を継続し推進するとともに、コロナ禍を経てさらに深刻化の度合いを増した省人化・省力化対策ニーズに直結するAIサービスロボットの飲食業界以外の拡充及び水平展開に取り組んでおります。

 ①.「飲食店経営管理システム(R)」自動発注、システム機器は、貸倒リスクの少ない2つの形態の販売先からアプローチ、

 ②.①以外の飲食店には、無料業務サービス会社との強い協業関係によるシステム連携で取込誘導

 ③.コロナによって顕在化した除菌ニーズへの継続アプローチとAIサービスロボットの拡充、省人化・省力化ニーズの対応、

 ④.業界/業種の水平展開ができる製品の開発/市場投入

 当事業年度においては、前事業年度までに納品できなかった店舗機器システムの入れ替えの推進、配膳AIロボットを中心としたAIサービスロボットの直販及び代理店販売施策で拡販、また二次開発により基幹システムの連携を推進し更なるシェア拡大や基幹システム「飲食店経営管理システム(R)」シリーズのインサイドパッケージと「FOOD GENESIS」クラウドを組わせたハイブリッドクラウドの販売などに注力してまいります。

 また、当社の「サービスショットシリーズ」のAIサービスロボットも他業種から引き合いも好調であることから、他業種への水平展開に注力し売上増を目指してまいります。

 引き続き、事業面及び財務面での安定化を図り、持続的な収支の改善を図るとともに、資本増強に向けた各種施策を実施し、当該状況の解消・改善に努めてまいります。

 

 これらの具体的な対応策を実施することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いている一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退懸念など、依然として先行き不透明な情勢が続くものと予想されます。

 当社の主要販売先である外食市場におきましては、行動制限や営業制限が解除されたことにより回復傾向にある一方で、世界的な経済環境の変化に伴い、労働力不足の深刻化や、資源・原材料価格の高騰による仕入価格や物流費等の上昇、物価上昇による節約志向の高まりなどから、厳しい経営環境が継続しております。

 このような環境のもと、当社は、創業時より一貫し、外食企業を中心とした顧客に対し「情報システムインフラ企業」として、利益追求のための食材ロス削減を実現する「飲食店経営管理システム(R)」、人件費の最適化や生産性を高めるための勤怠集計管理システム「Timely」を主力に「食材費」・「人件費」の二大原価の透明化をパッケージシステムとクラウド型、ハイブリッドクラウド型で提供するとともに、業界に特化したPOSシステム、オーダーリングシステム、配膳ロボットなどの周辺サービス等を通してトータルソリューションシステムを提供しております。

 当第1四半期累計期間は、当社主要顧客が例年通り年末年始繁忙期によるシステム納入控え期間ではありましたが、ほぼ予定通りのシステム機器や配膳ロボットなどの周辺機器の設置により、売上高392,013千円(前年同四半期比0.6%増)、営業利益5,726千円(前年同四半期比71.3%減)、経常利益1,896千円(前年同四半期比84.1%減)、四半期純損失147千円(前年同四半期は四半期純利益119,469千円)となりました。

 

 事業部門別の経営成績は、以下のとおりであります。

 当社は、ASPサービス事業を単一セグメントとしておりますが、ASPサービス事業を核として、顧客である飲食店舗にASP/パッケージシステム事業、システム機器事業、周辺サービス事業を一体として提供しております。

 また、前事業年度までシステム機器事業に含んでいたコロナ禍対策製品関連事業の売上は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことによりコロナ禍対策製品としての計上を中止し省人化・省力化対策製品として事業部門を見直したことより、当第1四半期累計期間から周辺サービス事業に売上を計上しております

 

① ASP/パッケージシステム事業

 当事業におきましては、月額サービスの新規計上及び既存顧客へのサービス拡大と、「飲食店経営管理システム(R)」「自動発注システム」等の販売を行っておりますが、年末年始は繁忙期のため、ソフトウェアである基幹システムの立ち上げにより、システム機器や周辺サービス機器の設置が主となった結果、売上高は177,845千円(前年同四半期比30.8%減)となりました。

 なお、月額サービス料は、コロナ禍の影響による月額の値引きや閉店があり、3ケ月累計で169,909千円(前年同四半期比4.6%減)となりました。

② システム機器事業

 当事業におきましては、従来からのPOSシステム、オーダーエントリーシステム及びテーブルオーダリングシステムについて、当初から予定していた納品がほぼ順調に推移した結果、売上高は182,943千円(前年同四半期比66.7%増)となりました。

③ 周辺サービス事業

 当事業におきましては、配膳ロボットなどの省人化・省力化による提携先製品の販売、機器修理などのインテグレーション、サプライ製品などの販売を行った結果、売上高は31,225千円(前年同四半期比166.7%増)となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当第1四半期会計期間末における資産合計は、1,554,478千円となり、前事業年度末に比べ22,817千円減少いたしました。これは主に売掛金163,259千円、前払費用5,047千円などの減少によるものであります。

 負債合計は1,541,277千円となり、前事業年度末に比べ22,655千円減少いたしました。これは主に短期借入金23,330千円の増加および、1年内返済予定の長期借入金18,742千円、長期借入金22,844千円などの減少によるものであります。

 純資産は13,201千円となり、前事業年度末に比べ162千円減少いたしました。これは四半期純損失147千円の計上などの減少によるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。