当社は、2024年2月13日開催の当社取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2024年3月18日開催予定の当社臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。
2023年11月24日付で当社が公表した「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」(その後の変更を含み、以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)にてお知らせいたしましたとおり、大手門株式会社(以下「公開買付者」といいます。)は、当社株式、本新株予約権(注1)及び本米国預託証券(注2)(当社株式、本新株予約権及び本米国預託証券を総称して、以下「当社株券等」といいます。)の全てを取得することにより、当社株式を非公開化することを目的とし、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)(注3)のための一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施することを2023年11月24日に決定しました。
(注1)「本新株予約権」とは、以下①から⑫の新株予約権を総称していいます。
① 2012年6月28日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2012年8月2日から2062年8月1日まで)
② 2013年6月27日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2013年8月2日から2063年8月1日まで)
③ 2014年6月27日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2014年8月2日から2064年8月1日まで)
④ 2015年6月26日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2015年8月4日から2065年8月3日まで)
⑤ 2016年6月29日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2016年8月3日から2066年8月2日まで)
⑥ 2017年6月29日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2017年8月4日から2067年8月3日まで)
⑦ 2018年6月28日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2018年8月3日から2068年8月2日まで)
⑧ 2019年6月27日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2019年7月31日から2069年7月30日まで)
⑨ 2020年6月26日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2020年8月7日から2070年8月6日まで)
⑩ 2021年6月29日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2021年8月7日から2071年8月6日まで)
⑪ 2022年6月29日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2022年8月5日から2072年8月4日まで)
⑫ 2023年6月29日開催の当社取締役会に基づき決議された新株予約権(行使期間は2023年8月8日から2073年8月7日まで)
(注2)「本米国預託証券」とは、Citibank, N.A.、The Bank of New York Mellon及びJPMorgan Chase Bank, N.A. (これらを総称して、以下「本預託銀行」といいます。)により米国で発行されている当社株式に係る米国預託証券のことをいいます。
(注3)「マネジメント・バイアウト(MBO)」とは、一般に、買収対象会社の経営陣が、買収資金の全部又は一部を出資して、買収対象会社の事業の継続を前提として買収対象会社の株式を取得する取引をいいます。
そして、2024年1月16日付で当社が公表した「大手門株式会社による当社株券等に対する公開買付けの結果並びに親会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、公開買付者は、2023年11月27日から2024年1月15日までを買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)とする本公開買付けを行い、その結果、本公開買付けの決済の開始日である2024年1月19日をもって、当社株券等60,034,194株(議決権所有割合(注4)73.12%)を所有するに至りました。
(注4)「議決権所有割合」は、当社が2023年11月13日に提出した第13期第2四半期報告書に記載された2023年9月30日現在の当社の発行済株式総数(85,139,653株)から、当社が2023年11月10日に公表した「2024年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」に記載された2023年9月30日現在の当社が所有する自己株式数(3,163,303株)を控除し、2023年9月30日現在残存する本新株予約権の合計である1,237個の目的となる当社株式の数(123,700株)を加算した株式数である82,100,050株に係る議決権の数(821,000個)を分母として計算し、小数点以下第三位を四捨五入しております。
当社が本意見表明プレスリリースにてお知らせいたしましたとおり、当社は、2023年7月上旬に、当社の代表取締役社長である上原明氏並びに当社の取締役副社長及び公開買付者の代表取締役社長である上原茂氏(上原明氏及び上原茂氏を総称して、以下「提案者」といいます。)より、当社の取締役に対して、当社株式の非公開化について初期的な検討を行っている旨の口頭での打診を受けたことから、当該打診に関して当社として検討体制を構築するための検討を進めてまいりました。その後、当社は、2023年8月4日に社外取締役を含む全取締役に対して、マネジメント・バイアウト(MBO)の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の口頭での打診を受けた旨を報告しました。そして、2023年9月13日に本取引に関する協議開始の申入書(以下「本申入書」といいます。)の提出を受けたことから、本取引に関する具体的な検討を開始しました。
当社は、下記「3.会社法第234条の規定により1に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本取引における当社及び当社取締役会の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保するために、2023年9月15日開催の取締役会において、公開買付者、上原明氏、上原茂氏、上原健氏、上原治氏、上原昭二氏、公益財団法人上原記念生命科学財団(以下「上原記念生命科学財団」といいます。)及び公益財団法人上原美術館(以下「上原美術館」といい、上原記念生命科学財団と総称して、以下「本財団」といいます。また、公開買付者、上原明氏、上原茂氏、上原健氏、上原治氏、上原昭二氏及び本財団を総称して、以下「公開買付関連当事者」といいます。)並びに当社から独立したリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を、公開買付関連当事者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)をそれぞれ選任しました。さらに、当社は、本取引がマネジメント・バイアウト(MBO)に該当し、構造的な利益相反の問題が存在するため、本取引に係る当社の意思決定に慎重を期し、また、当社取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保することを目的として、2023年9月15日開催の取締役会において、本取引の提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「3.会社法第234条の規定により1に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び意見(答申書)の取得」をご参照ください。)を設置しました。
当社は、上記体制を整備した後、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、中村・角田・松本法律事務所及び大和証券の助言を受けながら、本取引の実行の是非に関して提案者との間で複数回にわたる協議・交渉を行いました。
また、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)について、当社は、提案者との間で、継続的に交渉を行いました。具体的には、2023年10月20日に提案者から本公開買付価格を7,400円、本公開買付けにおける本新株予約権1個当たりの買付け等の価格(以下「本新株予約権買付価格」といいます。)を1円とする旨、本米国預託証券が表章する米国預託株式(以下「本米国預託株式」といいます。)に係る当社株式の数1株当たりの買付け等の価格を7,400円とする旨の価格提案書を受領しました。それ以降、本意見表明プレスリリース「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、本公開買付価格その他の本取引の条件について、継続的に協議及び交渉を行いました。
その結果、本意見表明プレスリリース「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、公開買付者と当社は、2023年11月24日に、本公開買付価格を8,620円とすることで合意に至りました。
このように、当社は、提案者との間で、継続的に本公開買付価格の交渉を行いました。さらに、当社は、リーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2023年11月22日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「3.会社法第234条の規定により1に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び意見(答申書)の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、リーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関である大和証券から取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本取引における本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
その結果、以下の観点から本取引は、当社の企業価値の向上に資するものであり、かつ本取引に関する諸条件が妥当なものであると判断いたしました。
当社は、医薬品・ヘルスケアビジネス市場は、個人の生活観・価値観の変化やデジタル化の進展、高齢長寿化に伴う社会保障費、特に医療費の増加問題等の社会・経済環境の変化の中で、大きな変革期を迎えていると認識しております。特に、当社グループ(2024年2月13日現在、当社、連結子会社31社及び持分法適用関連会社2社の計33社で構成されている企業グループをいいます。以下同じとします。)の医薬事業は、薬価制度改革、医薬品の開発領域が生活習慣病治療薬から抗がん薬、中枢神経系の治療薬、希少疾患治療薬等へシフトすることに伴う開発・治験の難易度の上昇、及び高度な専門性を必要とする高分子医薬品、新規モダリティを活用した医薬品の上市増加等の厳しい事業環境におかれております。このように厳しく変化の絶えない環境の中でも、高品質な医薬品を安定的に供給することが重要であり、そのためには、柔軟かつ迅速に変化に適応できるよう、生産設備や新薬開発体制に一定の先行投資が不可欠であると考えております。また、当社グループのセルフメディケーション事業を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の流行を契機として、ネット販売等の生活者への直接販売の浸透等、情報の伝達やモノの流通経路が大きく変化し、そのスピードが著しく上がってきていると認識しております。そのような中で、消費者の購買行動の変化に合わせて、通信販売を含むネットビジネスの強化を推進していく必要があると考えております。さらに、当社は、海外OTC医薬品市場について、特にアジア市場は人口増や経済成長を背景に著しい成長を遂げているため、ビジネスチャンスは相応にあるものと考えております。海外市場における更なるシェア拡大に向けては消費者ニーズを把握した上で製品を提供していくことが重要であると認識しております。このように、当社グループの既存の各事業は、それぞれの外部環境変化へ対応すべく、中長期的な視点から抜本的かつ機動的な施策に取り組み、一定の事業リスクを伴う経営戦略を迅速かつ果敢に実行する必要があるものと考えております。
そして、提案者は、協議・交渉の過程において、当社について(ⅰ)セルフメディケーション事業における営業体制の抜本的な見直し及び自社ECサイトの拡大、(ⅱ)高品質な製品の安定的かつ長期的な製造に向けた生産管理への梃入れ、(ⅲ)海外事業における、製品ポートフォリオの拡大及び事業の拡大に向けた投資、(ⅳ)医薬事業におけるオープンイノベーション、バイオベンチャーや製薬企業との技術提携等を通じた新薬開発、(v)採用方針や報酬制度等を含む人事制度の抜本的見直しといった具体的な施策を企図していることを当社に対して伝達し、当社としても、これらの施策は、当社の中長期的な更なる企業価値向上のために積極的に推進していくべき施策であり、かかる施策の実施には機動的かつ柔軟な経営体制の構築が望ましいと認識しております。
しかしながら、上記の施策は事業構造の大きな転換や新たな取り組みを伴うものであり、当該施策が当社グループの業績に貢献するまでに、相応の時間と戦略的な投資を含む各種先行投資が必要になることを考慮すると、短期的には当社グループの財務状況や業績の悪化をもたらすリスクがあります。そのため、当社が上場を維持したままこれらの施策を実行した場合には、株価の下落や配当の減少等、当社の株主の皆様に対して多大な悪影響を与えてしまう可能性があるものと考えております。
このような状況下において、当社としても、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記の悪影響を回避しつつ、中長期的な視点から当社の企業価値を向上させるためには、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社株式を非公開化し、所有と経営を一致させ、短期的な株式市場からの評価にとらわれず、公開買付者、取締役、従業員が一丸となって各施策に迅速かつ果敢に取り組むことができる経営体制を構築することが必要であると考えております。また、提案者は当社の事業内容を熟知していることを踏まえれば、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により、提案者が引き続き中心となって当社の経営と支配の双方を担うことは十分な合理性があると判断いたしました。
また、本公開買付けの決済完了後に、本財団は、本公開買付けに所有株式を応募することにより受領する対価の相当額の全額(但し、適用ある税金及び費用がある場合、当該金額を除きます。)を公開買付者に対して再出資し、無議決権株式である公開買付者のA種優先株式を取得しており、本財団が公開買付者の株主となることについては、本財団は、従来から当社の大株主であり、当社の株主として受け取る配当を主な原資として公益財団法人としての助成事業を運営しているところ、公開買付者は非公開化後も当社の配当方針を変更することを予定していないとのことであり、従来どおり配当を受け取ることができ、本財団が本取引後も公益財団法人としての事業を継続することが可能となることが見込まれるため、本取引後も当社の経営方針に対して反対がなされることは見込まれないと考えております。
上記を踏まえ、公開買付関連当事者が公開買付者に対する再出資を通じ本取引後も大株主として残った場合に当社の経営に悪影響を与えることは懸念されず、本取引後の安定した株主構成の下で事業を継続することができるために望ましいと判断しています。
なお、当社が株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保並びに取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)への上場から60年が経過し、上場による社会的信用の獲得及び知名度の向上は相当程度達成されたこと、2011年10月の持株会社の上場以来、エクイティ・ファイナンスの実施実績はなく、今後も必要資金については、提案者及び提案者の親族の一部による出資、本財団による出資、金融機関からの借り入れ、事業から生じるキャッシュ・フローを充てることを想定していることから、今後も継続して当社株式の上場を維持することの必要性を見出しにくい状況にあります。したがって、当社取締役会は、当社株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。
以上を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、当社取締役会は、本公開買付価格(8,620円)が、下記「3.会社法第234条の規定により1に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(2) 当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」に記載の理由から本公開買付けについて、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
なお、本公開買付価格は、当社の2023年9月30日時点の1株当たり純資産額(10,132.42円)を14.93%下回っておりますが、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準においては、継続企業の前提に基づいて連結貸借対照表は作成されており、その純資産は理論的な清算価値を示すものではありません。また、当社の資産には棚卸資産や工場及び研究所の土地・建物、のれんを含む無形固定資産などの流動性の低い事業用資産(当社の連結貸借対照表(2023年3月31日現在)上、資産合計(941,490百万円)に占めるそれらの資産に該当する資産(「商品及び製品」(30,638百万円)、「仕掛品」(3,116百万円)、「原材料及び貯蔵品」(19,577百万円)、「工場及び研究所に関連する有形固定資産」(82,560百万円)及び「無形固定資産」(238,492百万円))の割合は39.76%)が多く含まれており、資産売却に際しての困難性や清算に伴う様々な追加コストの発生等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、簿価からの相当程度の毀損が見込まれること(但し、当社としては清算を予定しているわけではないため、清算を前提とする見積書の取得や具体的な試算は行っておりません。)から、継続企業である当社の企業価値の算定において、純資産額を重視することは合理的ではないと考えられます。
以上より、当社は2023年11月24日開催の当社取締役会において、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権の所有者(以下「本新株予約権者」といいます。)の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様の判断に委ね、そして、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。なお、かかる当社取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続を実施することにより当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。
当該取締役会における決議の詳細は、下記「3.会社法第234条の規定により1に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付されることが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「④当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者の所有する当社の議決権所有割合が90%以上に至らなかったことから、当社は、公開買付者から要請を受け、本意見表明プレスリリースにてお知らせいたしました方針に従い、2024年2月13日開催の取締役会において、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を公開買付者のみとし、当社株式を非公開化するために、下記「2.本株式併合の割合」に記載のとおり、当社株式27,000,000株につき1株の割合で行う当社株式の併合を実施することとし、本株式併合に係る議案を本臨時株主総会に付議することを決議いたしました。本株式併合により、公開買付者以外の株主の皆様の保有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
当社株式について、27,000,000株を1株の割合で併合いたします。
上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、株主の皆様(但し、公開買付者を除きます。)の所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(その合計数に1株に満たない端数がある場合にあっては、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を売却し、その売却により得られた代金を、端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付します。当該売却については、当社株式が2024年4月9日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いこと等を踏まえ、当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する会社法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却すること、又は同項及び同条第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社が買い取ることを予定しています。
この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である2024年4月10日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である8,620円を乗じた金額に相当する金銭が、各株主の皆様に交付されることとなるような価格に設定する予定です。但し、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。
大手門株式会社(公開買付者)
大正製薬ホールディングス株式会社(当社)
大手門株式会社(公開買付者)は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に係る代金の支払いを、株式会社三井住友銀行から融資を受ける資金によって実行することを予定しているとのことです。
当社は、(a)公開買付者が2023年11月27日に提出した公開買付届出書を確認することによって、公開買付者における資金確保の方法について確認していること、(b)公開買付者によれば、上記の代金支払いに支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も現在認識されていないこと、及び(c)公開買付者によれば、上記の代金の原資の貸付けに支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も現在認識されていないとのことであること等から、大手門株式会社(公開買付者)による端数相当株式の買取りに係る代金の支払いのための資金を確保する方法は相当であると判断しております。
また、当社は、2024年2月13日現在、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に係る代金の支払いのための資金に相当する額の現預金を有しており、当社において、上記の代金の支払いに影響を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識しておりません。
したがって、当社は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式を公開買付者に売却する場合であっても、当社が買い取る場合であっても、上記の資金を確保する方法については相当であると判断しております。
当社は、本株式併合の効力発生後、2024年4月下旬を目途に会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却することについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は、当該裁判所の許可を得て、2024年5月下旬から同年6月中旬を目途に当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、当該許可取得から1ヶ月程度を目途に、順次、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付することを予定しております。
当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われる見込みであり、また、当該売却によって得られた代金の株主の皆様への交付が行われる見込みがあるものと判断しております。
端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、上記「(1) 1に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法」の「① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由」に記載のとおり、本株式併合の効力発生日の前日である2024年4月10日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である8,620円を乗じた金額となる予定です。
本公開買付価格(8,620円)が、(a)下記「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている大和証券による当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果の範囲を上回っており、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内にあること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2023年11月22日の当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における終値5,515円に対して56.30%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアムの計算において同じです。)、同日までの過去1ヶ月間(2023年10月23日から同年11月22日まで)の終値単純平均値5,770円(小数点以下を四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)に対して49.39%、同過去3ヶ月間(2023年8月23日から同年11月22日まで)の終値単純平均値5,974円に対して44.29%、同過去6ヶ月間(2023年5月23日から同年11月22日まで)の終値単純平均値5,732円に対して50.38%のプレミアムをそれぞれ加えた金額になっており、そのプレミアムは類似案件(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日以降に公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)のうち、成立した事例46件(但し、過去に公開買付けを発表し、不成立となったものの、再度公開買付けを実施したことにより成立した案件2件を除きます。)(公表の前営業日を基準日として、同日までの過去1ヶ月間、同過去3ヶ月間及び同過去6ヶ月間の終値単純平均値におけるそれぞれのプレミアム率の中央値が39.86%~48.56%))と比較しても遜色ない水準が確保されており、合理的なプレミアムが付された価格であると評価できること、(c)下記「(3) 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と提案者との間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること及び(e)本特別委員会が、事前に交渉方針を確認するとともに、適時にその状況の報告を受け、交渉上重要な局面において意見、指示、要請等を行った上で、本公開買付価格について妥当である旨の意見を述べていること等を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けについて、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断しました。
また、当社は2023年11月24日開催の当社取締役会において、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対しては本公開買付けへの応募を推奨し、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様の判断に委ね、そして、本米国預託証券の所有者の皆様に対しては事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。その後、本臨時株主総会の招集を決議した2024年2月13日の取締役会の開催時点に至るまでに、本公開買付価格に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上より、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。
公開買付者及び当社は、本公開買付けがいわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)に該当する本取引の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施いたしました。
なお、公開買付者は、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、当社は、公開買付者及び当社において、本公開買付価格及び本新株予約権買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置として、以下の①乃至⑥の措置を実施していることから、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、公開買付者及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、当社株式の価値の算定を依頼しました。なお、当社は、以下に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。本取引に係る大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれています。当社は、同種の取引における一般的な実務慣行であることを勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるものではないと判断の上、上記の報酬体系により大和証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。また、本特別委員会において、大和証券の独立性に問題がないことが確認されております。
大和証券は、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法を、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2023年11月22日付で大和証券より本株式価値算定書を取得いたしました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法では、2023年11月22日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における基準日の終値5,515円、直近1ヶ月間の終値単純平均株価5,770円、直近3ヶ月間の終値単純平均株価5,974円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価5,732円を基に、当社株式1株当たりの価値の範囲を5,515円~5,974円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した事業計画を基に、2024年3月期から2028年3月期までの5期分の事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2024年3月期第3四半期以降において創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を8,117円~9,594円までと分析しております。なお、割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)を採用し、日本:6.5%~7.5%、UPSA S.A.S.(以下「UPSA」といいます。)(フランス事業):9.2%~11.2%、UPSA(フランス国外事業):13.2%~15.2%、ハウザン製薬株式会社(以下「ハウザン製薬」といいます。):12.5%~14.5%、その他海外事業:8.1%~10.1%を使用しており、継続価値の算定にあたっては定率成長モデル採用し、永久成長率を日本:0.0%~1.0%、UPSA(フランス事業):1.0%~2.0%、UPSA(フランス国外事業):1.5%~2.5%、ハウザン製薬:2.5%~3.5%、その他海外事業:1.0%~2.0%として算定しております。
大和証券がDCF法の算定の前提とした当社作成の事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。なお、計画期間中、対前年度比較において大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期には、のれん及び販売権・商標権の償却費の減少を見込まれていることに加え、2024年3月期において実施している構造改革に伴う販売費及び一般管理費の削減を織り込んでおり、その結果として前事業年度に比べて営業利益の大幅な増益が見込まれております。またフリー・キャッシュ・フローでは、この増益に加え、運転資本の減少による影響で、2025年3月期には大幅な増額が見込まれております。
また、当該財務予測は、本取引の実施を前提としたものではなく、本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の本取引後の具体的な施策及びその効果を含んだものではありません。
(単位:百万円)
当社は、本公開買付けを含む本取引に係る当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を確保するために、公開買付関連当事者及び当社から独立したリーガル・アドバイザーとして中村・角田・松本法律事務所を選任し、同事務所から、本公開買付けを含む本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、中村・角田・松本法律事務所は、公開買付関連当事者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。中村・角田・松本法律事務所に対する報酬には、本取引の公表や成立を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。また、本特別委員会において、中村・角田・松本法律事務所の独立性に問題がないことが確認されております。
当社は、2023年9月15日付の取締役会決議に基づき、当社取締役会において本公開買付けを含む本取引の是非を審議及び決議するに先立って、本公開買付けを含む本取引における当社の意思決定の恣意性を排除し、意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、公開買付関連当事者から独立した、当社社外監査役及び外部有識者から成る委員(当社の社外監査役である青井忠四郎氏、当社の社外監査役である松尾眞氏及び大正製薬株式会社の元社外監査役である佃孝之氏の3名)によって構成される本特別委員会を設置しました。佃孝之氏は2004年から2009年にかけて大正製薬株式会社の社外監査役を務めており、当社グループの事業に精通しているほか、2000年まで旧株式会社住友銀行代表取締役専務・欧州本部長ロンドン駐在を、2001年から2009年まで株式会社ロイヤルホテルの代表取締役社長・会長を、さらに、2009年から2020年まで株式会社ロッテ代表取締役社長等をそれぞれ歴任しており、金融や経営の領域における知見を有する外部有識者として、本特別委員会に招聘しております。なお、本特別委員会の互選により、松尾眞氏を本特別委員会の委員長として選定しております。本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、本特別委員会の実施期間において、固定の月額の報酬又は時間単位の報酬を支払うものとしております。
そして、当社は、上記取締役会決議に基づき、本特別委員会に対し、(ア)本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(イ)本取引の条件(本取引の一環として行われる本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか、(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか、(エ)上記(ア)から(ウ)のほか、本取引についての決定は少数株主にとって不利益でないと考えられるか、(オ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨、本新株予約権者に対しては本公開買付けへ応募するか否かを本新株予約権者の判断に委ねる旨、及び本米国預託証券の所有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式に係る当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨する旨の意見表明を行うことの是非について諮問し(なお、当社は特別委員会設置後に、上記(オ)のうち本新株予約権及び本米国預託証券に関する諮問事項を追加しております。以下(ア)乃至(オ)の事項を「本諮問事項」といいます。)、これらの点についての答申書を当社に提出することを委嘱しました。
また、本特別委員会への諮問にあたり、当社取締役会は、本取引に関する当社取締役会の意思決定は、本特別委員会の答申を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、当社取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないものとしています。同時に、本特別委員会に対して、(a)諮問事項の検討にあたって、必要に応じ、財務若しくは法務等に関する独自のアドバイザーを選任できるほか(この場合の費用は当社が負担する。)、当社の財務若しくは法務等に関するアドバイザーを指名し若しくは承認(事後承認を含む。)することができ、当社のアドバイザーの独立性及び専門性に問題がないことを確認した場合には、当社のアドバイザーに対して専門的助言を求めることができること、(b)適切な判断を確保するために、当社の取締役、従業員その他本特別委員会が必要と認める者に本特別委員会への出席を要求し、必要な情報について説明を求める権限を付与すること(c)本取引の取引条件等に関する当社による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、意見を述べ、指示や要請を行うこと等により、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて自ら直接交渉を行う権限を付与すること、(d)その他、本特別委員会の職務を補助する者の選任等、本特別委員会が本取引に関する検討及び判断に際して必要と認める事項についての権限を付与することを決議しております。
そして、当社は、中村・角田・松本法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補者の独立性及び適格性等についても確認を行い、公開買付者からの独立性を有すること、及び本取引の成否に関して少数株主とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、本特別委員会の委員の選定をしております。なお、当社は、当初から上記の3氏を本特別委員会の委員として選任しており、本特別委員会の委員を変更した事実はありません。
本特別委員会は、2023年9月22日から2023年11月22日まで合計9回開催され、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。具体的には、本特別委員会は、当社から、本取引の提案を受けた経緯、本取引の目的、事業環境、事業計画、経営課題等に関する説明を受け、質疑応答を行い、また、提案者から、本取引を提案するに至った経緯及び理由、本取引の目的、本取引の諸条件等について説明を受け、質疑応答を行いました。加えて、提案者との交渉過程への関与方針として、直接の交渉は当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券が当社の窓口として行うこととしつつ、本特別委員会は、交渉担当者から適時に状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、取引条件に関する交渉過程に実質的に関与することができることを確認しております。さらに、大和証券から当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受けております(なお、大和証券は、株式価値の算定の基礎とされた当社の事業計画について、当社と質疑応答を行い、その作成経緯及び当社の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から、当社の事業計画の合理性を確認しております。)。
その後、本特別委員会は、当社から、提案者と当社との間における本取引に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会において協議し、本公開買付価格につき、本意見表明プレスリリース「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり交渉が行われ、提案者から8,620円という最終的な提案を受けるに至るまで、提案者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を当社に意見するなどして、提案者との交渉過程に関与いたしました。さらに、中村・角田・松本法律事務所から本取引において利益相反を軽減又は防止するために取られている措置及び本取引に関する説明を受け、それぞれ、質疑応答を行うとともに、当社からは本取引の諸条件の交渉経緯及び決定過程等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。
なお、本特別委員会は、当社が選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びにリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれを当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関並びにリーガル・アドバイザーとして承認しております。
これらの内容を踏まえ、本特別委員会は、大和証券及び中村・角田・松本法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について協議・検討を行いました。本特別委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、2023年11月22日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しました。
(ⅰ)答申内容
(ア)本取引の目的には正当性及び合理性が認められ、また、本取引は当社の企業価値向上に資すると考える。
(イ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)は、公正・妥当なものであると考える。
(ウ)本取引においては、公正な手続を通じて、当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると考える。
(エ)上記(ア)から(ウ)のほか、本取引についての決定は、当社の少数株主にとって不利益となるものではないと考える。
(オ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨、新株予約権者に対しては新株予約権に係る公開買付けへ応募するか否かを各新株予約権者の判断に委ねる旨、及び当社株式に係る米国預託証券の所有者に対しては事前に当該米国預託証券を預託銀行に引き渡し、当該米国預託証券に表章されていた米国預託株式にかかる当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨する旨の意見表明を行うことは適切であると考える。
(ⅱ)答申理由
(ア)本取引の目的は正当性・合理性を有するか(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)
以下の事情を踏まえれば、本取引の目的には正当性及び合理性が認められ、本取引は当社の持続的な企業価値向上に資するものであると認められるほか、本取引が上場廃止を伴うものであることについても、本取引の条件の公正性・妥当性等のその他の要請を適切に充たすことを前提とすれば、合理性が認められる。
・本意見表明プレスリリースの「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の当社の事業環境及び更なる企業価値向上を実現するための施策に関する提案者の説明、並びに同「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2) 意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載の中長期的な視点から抜本的かつ機動的な施策に取り組む必要性及び当該実現のための手段としてマネジメント・バイアウトを選択する合理性に関する当社の認識について、特段不合理な点は認められず、提案者が想定する各種施策は、当社の今後の事業展開にとっての重要な課題に対応するものであると認められる。
・また、本取引によって、短期的には財務状況や業績の悪化をもたらすリスクがある各種施策について、当社株主への利益確保や分配、短期的な株式市場からの評価等を意識することなく、果敢に実施することが可能となり、加えて、当社の経営に長年関与してきた提案者及びその親族が株主となり、所有と経営を一致させることで、迅速な意思決定やビジネス展開が可能になるとの判断は、合理的であると考えられる。
・本取引後においても、今後必要となる成長投資及びローン返済を十分両立できるキャッシュ・フローが継続的に創出されることが想定されていることを前提とすれば、本取引によって、当社グループの経営・事業運営に生じる影響は限定的であるとも認められる。
・本取引が実施された場合、当社は上場廃止となるが、当社においては、上場による社会的信用の獲得及び知名度の向上は既に相当程度達成されており、広範かつ高い知名度・信用を有しているため、当社の上場廃止により、人材の確保や取引先の拡大等に生じる影響は限定的であると考えられる。また、2011年10月の持株会社の上場以来、エクイティ・ファイナンスの実施実績はなく、今後も必要資金については、提案者及び提案者の親族の一部による出資、本財団による出資、金融機関からの借入れ、並びに当社の事業から生じるキャッシュ・フローを充てることが想定されていることを前提とすれば、今後も継続して当社株式の上場を維持する必要性は高くないともいえる。
・加えて、提案者が想定する各種施策は、短期的には当社グループの財務状況や業績の悪化をもたらすリスクがあることからすれば、かかる各種施策を実施する前提として、本取引による上場を廃止することもやむを得ない側面があり、少数株主に対して適正なプレミアムを付した対価を付与した上で上場を廃止することは、これらのリスクから少数株主を解放するとともに、将来の企業価値向上分の一部を少数株主に享受させることと評価することもできる。
(イ)本取引の条件(本取引の一環として行われる本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されているか
以下の理由より、本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む。)は公正・妥当なものであると考える。
・本株式価値算定書では、当社株式の1株当たり株式価値は、市場株価法によると5,515円から5,974円、DCF法によると8,117円から9,594円とされているところ、本公開買付価格は、市場株価法による1株当たり株式価値のレンジの上限値を上回るとともに、DCF法による1株当たり株式価値のレンジの範囲内の金額である。
・本特別委員会は、大和証券から、当該株式価値評価に用いられた算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び、事業計画を含む重要な前提条件等について、詳細な説明を受けるとともに、大和証券及び当社に対して、算定の基礎となる数値又は前提条件の詳細、算定手法の妥当性等、当社に関する質疑応答を行った。かかる説明を踏まえ、本特別委員会において検討した結果、一般的な評価実務に照らして、本株式価値算定書に不合理な点は認められなかった。
・本公開買付価格(8,620円)は、本公開買付けの公表日の前営業日である2023年11月22日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値に対して56.30%、直近1ヶ月間の終値の単純平均値に対して49.39%、直近3ヶ月間の終値の単純平均値に対して44.29%、直近6ヶ月間の終値の単純平均値に対して50.38%のプレミアムを、それぞれ加えた金額となっており、かかる本公開買付価格のプレミアムは、M&A指針公表後(2019年6月28日以降)に公表されたマネジメント・バイアウト(MBO)案件のプレミアム水準に照らしても遜色なく、合理的な水準と認められる。
・当初、提案者からは、当社株式1株当たり7,400円との公開買付価格が提示されたところ、当社の側からは、提案者に対して、繰り返し公開買付価格の引き上げを要請し、また、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定を求める交渉を行うなど、当社の少数株主に対してできる限り有利な取引条件で本公開買付けが実施されることを目指して真摯に交渉を行った。その結果、5度の公開買付価格を引き上げる提案を引き出し、最終的な本公開買付価格は、当初の提示価格から相応の増額(16.49%)がなされたものであって、一般株主にとってできる限り有利な取引条件となることを目指して交渉がされた経緯が認められる。
・本特別委員会は、上記の当社と提案者との交渉方針について、事前に確認するとともに、必要に応じて意見を述べ、当社の交渉方針に対して指示や要請を行う等、提案者による協議開始の申入れから本公開買付けに至るまでの期間、一貫して当社と提案者との交渉過程に実質的に関与している。最終的な本公開買付価格の合意に至る手続の公正性を疑わせるような事情は見当たらない。
・本公開買付価格は、当社の2023年9月30日時点の1株当たり純資産額(10,132.42円)を14.93%下回っているが、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準においては、連結貸借対照表は継続企業の前提に基づいて作成されており、その純資産は理論的な清算価値を示すものではない。また、当社より、当社が保有する資産には、流動性の低い事業用資産が多く含まれており、資産売却に際しての困難性や清算に伴う様々な追加コストの発生等を考慮すると、仮に当社が清算する場合にも、簿価からの相当程度の棄損が現実的に想定されるため、継続企業である当社の企業価値の算定において、純資産額を重視することは合理的ではないとの説明を受けており、かかる説明について不合理な点は見当たらない。したがって、本公開買付価格が1株当たり純資産額を下回っていることを考慮しても、本特別委員会においては、本公開買付価格は公正であると判断した。
・本新株予約権について、公開買付者が本新株予約権を取得しても行使できないことを踏まえれば、提案者が本新株予約権1個当たりの買付け等の価格を1円と設定することが不合理であるとはいえない。
・本米国預託株式について、上記のとおり、本公開買付価格が公正であると認められることも踏まえれば、本米国預託証券及び本米国預託株式の取扱い並びに本米国預託証券が表章している本米国預託株式に係る当社株式1株当たりの買付け等の価格について、不合理な点は見当たらない。
・本公開買付けにおいては、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティに相当する買付予定数の下限は設定されていないが、提案者によれば、仮に同条件を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあると考え、同条件の設定をしていないとのことであり、かかる理由には一定の合理性が認められることに加え、下記(ウ)に記載のとおり、本取引においては、M&A指針で挙げられる公正性担保措置が適切に運用されており、公正な手続を通じて当社の株主の利益への十分な配慮がなされていることに照らせば、本公開買付けにおいて、マジョリティ・オブ・マイノリティに相当する買付予定数の下限が設定されていなくても、本取引の条件の公正性・妥当性が否定されるものではないと考える。
・本取引においては、本公開買付けの成立後、特別支配株主による株式等売渡請求又は株式併合によるスクイーズアウトを実施することが想定されているところ、本取引のような非公開化のための取引において一般的に採用されている方法である。また、本公開買付けが成立した場合に、本公開買付けに応募しなかった当社株主に対しては、最終的に金銭を交付することが予定されており、かつ、当該各株主に交付される金額は、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同額になるよう算定することが予定されていることに加え、二段階目の手続においては、裁判所に対する価格決定の申立て等を行うことも可能である。このような本取引の実施の手法について、特段不合理な点は見受けられず、本取引の実施手法には妥当性が認められる。
(ウ)本取引において、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされているか
本取引においては、以下のとおり、M&A指針で挙げられる公正性担保措置が採用されており、かつ適切に運用されていると認められることから、マジョリティ・オブ・マイノリティに相当する買付予定数の下限が設定されていないことを踏まえても、公正な手続を通じて当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると考える。
・当社は、公開買付関連当事者から独立性を有しており、本取引の成否について少数株主とは異なる重要な利害関係を有していない委員によって構成される本特別委員会を設置した。
・本特別委員会は、本諮問事項を判断するために必要な情報収集及び検討を行うとともに、提案者による協議開始の申入れから、本公開買付けに至るまでの期間、一貫して当社と提案者との交渉過程に実質的に関与した。
・当社は、独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券から財務的見地からの助言及び補助を得るとともに、本株式価値算定書を取得している。
・当社は、独立したリーガル・アドバイザーである中村・角田・松本法律事務所から法的助言を受けている。
・本取引において、公開買付期間は、法令上の最短期間である20営業日よりも長期の31営業日に設定されており、また当社及び公開買付者は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っていない。なお、本取引においては、積極的なマーケット・チェックは行われていないが、積極的なマーケット・チェックに関しては、情報管理の観点等から、実務上その実施は必ずしも容易とはいえないこと、本取引は当社の経営陣である提案者が長期間をかけて検討した上で実施に踏み切ったものであること及び提案者が買収提案に応じない限り、対抗的買収提案が奏功する可能性が低く、対抗的買収提案者が現れる可能性は相対的に低いといえること等も踏まえれば、本取引において積極的なマーケット・チェックが行われていないことをもって、他の買付者からの買付機会を確保するための措置が取られていないとされるものではない。
・本申入書を受領して以降、当社は本取引に関する当社内における検討(当社株式価値算定の基礎となる事業計画の作成を含む。)並びに提案者との協議及び交渉について、当社の役職員のうち、公開買付関連当事者が行う業務に関与していない者のみにより行うための体制を構築している。当社役員のうち、提案者、上原健取締役(提案者親族)、國部毅取締役(上原記念生命科学財団理事、公開買付者への資金提供者である株式会社三井住友銀行の親会社である株式会社三井住友フィナンシャルグループの取締役会長)及び生駒武資監査役(上原美術館常務理事)については、利益相反のおそれを回避するという観点から、本取引に関する取締役会の審議・決議には参加しておらず、当社の役員として本取引に関する交渉には関与していない。
・本特別委員会が確認した本取引に関するプレスリリースのドラフトによれば、M&A指針において開示することが望ましいとされている情報が適切に開示されている。
・本取引においては、買付予定数の上限は設けられておらず、本公開買付けの成立後、公開買付者が本公開買付けにより当社株式(但し、本新株予約権の行使により交付される当社株式を含み、当社が所有する自己株式を除く。)、本新株予約権及び本米国預託証券の全てを取得できなかった場合には、本意見表明プレスリリース「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続が予定されており、本公開買付けが成立した場合、本公開買付けに応募しなかった当社株主に対し、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同額の金銭を交付することが予定されていること等により、いわゆる二段階買収に係る強圧性が排除又は軽減されていると評価することが可能であり、その他、二段階買収に係る強圧性を伺わせる事情は特に見当たらない。
(エ)上記(ア)から(ウ)のほか、本取引についての決定は少数株主にとって不利益でないと考えられるか
上記(ア)から(ウ)のほか、本取引についての決定が少数株主にとって不利益でないと考えられるか検討したものの、本取引についての決定が少数株主に不利益を生じさせるような事実は見当たらなかった。
(オ)当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨、本新株予約権者に対しては本公開買付けへ応募するか否かを本新株予約権者の判断に委ねる旨、及び本米国預託証券の所有者に対しては事前に本米国預託証券を預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた本米国預託株式にかかる当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨する旨の意見表明を行うことの是非
以上のとおり、本取引の目的には正当性及び合理性が認められること、本取引は当社の企業価値向上に資すると考えられること、本取引の条件(本公開買付けにおける買付け等の価格を含む)は公正・妥当なものであると考えられること、本取引においては、公正な手続を通じて当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられること、その他に本取引についての決定が当社の少数株主にとって不利益となる事実は見当たらないことに鑑みると、当社取締役会が本公開買付けに賛同し、当社の株主に応募を推奨する旨、新株予約権者に対しては新株予約権に係る公開買付けへ応募するか否かを各新株予約権者の判断に委ねる旨、及び当社株式に係る米国預託証券の所有者に対しては事前に当該米国預託証券を預託銀行に引き渡し、当該米国預託証券に表章されていた米国預託株式にかかる当社株式の交付を受けた上で本公開買付けに応募することを推奨する旨の意見表明を行うことは適切であると考えられる。
当社は、大和証券より取得した本株式価値算定書、中村・角田・松本法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について慎重に検討しました。その結果、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、当社取締役会は、本公開買付けについて、本公開買付けにより当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2023年11月24日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社取締役会は全7名で構成されるところ、上原明氏、上原茂氏、上原健氏、及び國部毅氏の4名を除く、黒田潤氏、渡邊哲氏及び北谷脩氏の3名)の全員一致で、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨すること、本新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについて、本新株予約権者の皆様のご判断に委ねること、そして、本米国預託証券の所有者の皆様に対し、事前に本米国預託証券を本預託銀行に引き渡し、かかる本米国預託証券に表章されていた当社株式の交付を受けた上で、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。上記取締役会には、当社の監査役3名(生駒武資氏を除く、亀尾一弥氏、青井忠四郎氏及び松尾眞氏)が出席し、出席した監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。
なお、かかる当社取締役会決議は、公開買付者が本公開買付け及びその後の一連の手続を実施することにより当社株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものです。
なお、当社の取締役のうち、(i)当社の代表取締役社長である上原明氏は、本公開買付けが成立した場合に本公開買付けにその保有する当社株式を応募することにより受領する対価の一部を再出資し、公開買付者のB種優先株式の取得を行う予定とのことであること、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していること及び公開買付者の大株主である上原茂氏の親族であることから、(ii)取締役副社長である上原茂氏は、公開買付者の大株主であること、公開買付者の代表取締役社長であること、本公開買付けが成立した場合に本公開買付けにその保有する当社株式を応募することにより受領する対価の一部を再出資し、公開買付者の普通株式及びB種優先株式の取得を行う予定とのことであること及び本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していることから、(iii)当社の取締役である上原健氏は、本公開買付けが成立した場合に本公開買付けにその保有する当社株式を応募することにより受領する対価の一部を再出資し、公開買付者の普通株式及びB種優先株式の取得を行う予定であること、本取引後も継続して当社の経営にあたることを予定していること及び公開買付者の大株主である上原茂氏の親族であることから、(iv)当社の社外取締役である國部毅氏は、本取引に要する決済等に要する資金を提供する予定である株式会社三井住友銀行の親会社である株式会社三井住友フィナンシャルグループの取締役会長を兼任していることから、それぞれ本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、上記取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
また、当社の監査役である生駒武資氏は、本公開買付けが成立した場合に本公開買付けにその保有する当社株式を応募することにより受領する対価の一部を再出資し、公開買付者のA種優先株式の取得を行う予定である上原美術館の常務理事を兼任していることから、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、上記取締役会における審議には一切参加しておらず、上記の取締役会の決議に対して意見を述べることを差し控えております。
当社は構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付関連当事者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、上原明氏、上原茂氏、上原健氏、國部毅氏は、それぞれ本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、本取引に関する取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において公開買付関連当事者との協議及び交渉にも一切参加しておりません。また、公開買付関連当事者である上原美術館の常務理事を兼任している当社の監査役である生駒武資氏は、本取引に関する取締役会における審議には一切参加しておらず、上記の取締役会の決議に対して意見を述べることを差し控えております。当該検討体制は、全て公開買付関連当事者から独立性の認められる役職員のみで構成することとし、かかる取扱いを継続しております。
また、かかる取扱いを含めて、当社の社内に構築した本取引の検討体制、具体的には本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する役職員の範囲及びその職務(当社の株式価値の評価の基礎となる事業計画の作成など高い独立性が求められる職務を含みます。)は中村・角田・松本法律事務所の助言を踏まえたものであり、独立性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。
公開買付者は、公開買付期間を、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、31営業日と設定しているとのことです。
このように公開買付期間を法定最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様、本新株予約権者の皆様及び本米国預託証券の保有者の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、当社株式について対抗的買収提案者にも対抗的な買付け等をする機会を確保し、これをもって本公開買付けの公正性を担保しているとのことです。
また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。
2024年4月11日
以 上