1【財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項】

 代表取締役社長である若林 圭太郎は、当社の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、その責任の遂行に当たり、当社は、企業会計審議会が公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して、財務報告に係る内部統制を整備及び運用しております。

 なお、内部統制には、一般的に、有効に機能しない固有の限界があるので、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があります。

 

2【評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項】

 財務報告に係る内部統制の評価は、当事業年度の末日である2023年10月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠して行いました。

 当社は、当事業年度の財務報告に係る内部統制のテスト及び評価の年間計画に基づき、まず、連結ベースでの全社的な内部統制の整備及び運用状況を評価し、当該評価結果を踏まえ、評価対象となる業務プロセスにおける財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、財務報告に係る内部統制の有効性に関する評価を行いました。

 財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社並びに連結子会社及び持分法適用会社について、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から、必要な範囲を財務報告に係る内部統制の評価範囲としました。

 当該評価範囲を決定した手順、方法等としては、財務報告に対する金額的及び質的影響の重要性を考慮し、全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定しました。

 金額的重要性の観点からは、連結ベースの売上高を指標とし、選定した重要な事業拠点における企業の事業目的に大きく関わる勘定科目に至る業務プロセスを評価の対象としました。

 重要な事業拠点としては、連結ベースの売上高の概ね2/3に達する事業拠点を選定しました。当該重要な事業拠点における企業の事業目的に大きく関わる勘定科目は売上、売掛金及び棚卸資産であります。さらに、質的重要性の観点から、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積りや予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加しました。

 

3【評価結果に関する事項】

 下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすことから、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。


                         記
 

全社的な内部統制における不備

・統制環境の不備

 雇用調整助成金の申請は、2020年4月に開催された常勤取締役等で構成される役員連絡会において意思決定されました。役員連絡会は経営レベルに係る業務執行の意思決定を迅速に行うため週次で開催しておりますが、本会議で意思決定された事案であっても、法令による規制及び投資金額の多寡等の基準に従い、取締役会に付議することを前提としております。しかし、雇用調整助成金の申請時は、受給期間は一時的であると想定していたため、役員連絡会での意思決定で十分であるとの認識が常勤取締役にあり、社外取締役への報告は行われませんでした。その後、新型コロナウイルスによる経済活動への影響が長期化するに及んで助成金の受給額が財務報告に大きな影響を与えることが明らかになった段階で、速やかに取締役会に付議あるいは報告し、社外取締役の客観的な判断を仰ぐべきでしたが、常勤取締役、あるいは常勤取締役を補佐する立場にある経営企画部長及び総務人事部長の誰もが事態の重要性を識別しておらず、結果として取締役会や同日に開催される監査等委員会においても、雇用調整助成金に係る状況が社外取締役に報告、共有されませんでした。このため、取締役会および監査等委員会による常勤取締役の監督・監視及び取締役の相互監視が有効に機能せず、助成金の不正受給発生のリスクが増大しました。また、適切な経営理念及び行動規範に基づき、社内の制度が設計、運用されていながら、原則を逸脱した行動や状況が認識された場合に、これらを是正する誠実性あるいは倫理観が常勤取締役において十全ではありませんでした。

 

・情報と伝達の不備

 当社は、内部通報制度に基づく通常の報告経路から独立した伝達経路の通報窓口である「ウイルコ・グループ・ホットライン」を設置し、社員が匿名で不正を伝達する通報を受け付けると共に、通報者保護、通報内容の調査、是正措置を行う方針と手続きが定められておりました。しかしながら、第三者委員会によるアンケートで判明した通り、社内組織である経営企画部が窓口であったため、通報や相談を行ったことによる経営者から自身に対する不利益な扱いを恐れ、通報を躊躇した複数名の社員がいたことが判明いたしました。

 

 当社は、これらの内部統制の不備について、財務報告に重要な影響を及ぼすことから、開示すべき重要な不備に該当するものと判断いたしました。

 なお、上記の開示すべき重要な不備は、当該事実の判明が当該事業年度の末日以降であったため、当該事業年度の末日までに訂正することができませんでした。

 当社といたしましては、財務報告に係る内部統制の重要性を強く認識しており、本事実に関する問題点並びに反省を踏まえて、以下の再発防止策を実行してまいります。

 

(1)取締役会の管理・監督機能の強化
 社外取締役をはじめとした外部者との連携及び社外取締役による常勤取締役の管理・監督体制を強化します。これまで取締役会資料が、会議当日に配布されることが多く、社外取締役にとっては、事前に議案を確認する時間が十分には確保できていなかった点を改め、遅くとも会議開催の5日前には会議資料の配布を行い、取締役会が常勤取締役に対して実効性の高い管理・監督を行う役割・責務を強化致します。
 

(2)内部通報制度の刷新

 通報窓口を、第三者的な立場で事案の秘匿性を担保できる外部の弁護士に変更し、従業員が無用の心配をすることなく通報できる体制を構築致します。

 

(3)チーフコンプライアンスオフィサーによるコンプライアンス強化
 2024年8月1日付でチーフコンプライアンスオフィサーを委嘱した上場企業の元取締役執行役員CFO鈴木正守氏(2024年8月27日に開催した当社取締役会において執行役員チーフコンプライアンスオフィサーCCOに就任)を中心に、コンプライアンス強化に係る施策を実行いたします。鈴木氏は上場企業における長年にわたるガバナンスと内部統制構築の経験と実績を活かすため、社内にコンプライアンス推進部を設置するための人選を進めております。コンプライアンス推進部はチーフコンプライアンスオフィサーによる改善活動を補佐する部門として、役職員に対するコンプライアンス教育を実施します。

 

(4)第三者を中心とした再発防止委員会の組成

 当社は、外部有識者からなる再発防止委員会を2024年9月1日付で組成し、第三者委員会の報告書において指摘された当社のガバナンス及びコンプライアンスの改善及び向上を促進するため、実効性を伴う再発防止計画を策定し、速やかに実行に移します。具体的な再発防止策はまとまり次第、別途開示を予定しております。

 

4【付記事項】

 該当事項はありません。

 

5【特記事項】

 該当事項はありません。