日本の経営環境は、インバウンド需要の拡大や、賃上げの継続傾向により、景気は緩やかなペースで回復傾向に推移しております。一方で、世界経済はウクライナ情勢の長期化や中東問題による地政学リスク、中国経済の低迷、原材料価格やエネルギー価格の高騰、不安定な為替変動や温暖化の影響もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社が属する市場においても上記による影響が続いておりますが、当社グループは、2024年1月にアップデートした第8次中期経営計画に基づき、更なる成長に向けた取り組みを推進しております。
「小さなパーツで世界を変え続ける」をキーワードに、私たちがパーツでできること、持続可能な社会のためにできることを常に念頭に置き、「あたりまえに、新しさ。」を生み出すグローバルニッチトップ企業として存在価値を示してまいります。
■収益力の向上
既存事業の更なる成長とともに、付加価値を含んだ新商品の開発や設備投資の実施などにより、収益力の向上を図ってまいります。また、グローバル市場の動向を見極め、「モリト基準」をクリアした高品質商品のグローバル調達、現地生産・現地調達を含めた最短販売網を整備してまいります。さらに、BtoC事業領域の拡大を図るとともに、ECプラットフォーム事業を活用したBtoC事業のマーケティング・販売の強化に注力してまいります。
■管理体制の強化
少子高齢化や外部環境による働き方の変化やライフプランが多様化する中、当社グループの価値観に共感し、新しい価値創造・戦略を遂行できる人材を確保・維持・育成することが重要となってまいります。個々の発想や能力を最大限に発揮できる職場環境を整え、人的資本価値の向上を図ってまいります。
■投資戦略とサステナブル経営の実践
積極的な事業拡大を見据え、調達・投資・再配分の資金循環の効率化とリスク管理を徹底し、強固な財務体質を構築してまいります。IT基盤を再整備し、事業効率化を追求するとともに、経営に必要な情報をよりタイムリーに収集し、経営の迅速化を進めてまいります。同時に、社会貢献に関する取り組みが肝要であると考えます。当社グループは、国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の考えに賛同し、サステナブルにこだわったモノづくり、ダイバーシティの推進及びコンプライアンスの徹底などにより、世界中の人々が幸せに豊かに暮らす社会の実現を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
<サステナビリティ方針>
当社は、経営方針を基本として、環境や社会に関する課題と事業活動の関連性を導き出し、事業活動を通じて持続可能な社会の実現(社会価値)に貢献するとともに、私たち自らの「持続的な成長」と「企業価値の向上」(経済価値)を実現することで共通価値の創造(CSV:Creating Shared Value)を目指します。
当社では、経営に関する様々な中長期課題を検討・推進する組織として、取締役会の下位にサステナビリティ委員会を設置しております。当委員会は、代表取締役社長を委員長として取締役で構成し、必要に応じて委員長の指名によるメンバー以外の出席や社外の有識者などからの助言等も受けながら委員会を運営します。
サステナビリティ委員会の機能としては、気候変動課題も含めた、環境・社会・ガバナンス(経営)に関連するグループ全体のサステナビリティに対する、基本方針の策定、仕組みの構築、取り組み施策の検討、目標指標の設定などを行うとともにグループ内の状況調査などを行い、委員会で審議された取り組みは取締役会による監督・指示を受ける仕組みとなっております。

①気候変動・環境問題に関する取組(TCFD提言への対応)
地球温暖化に伴う気候変動は、商社機能を主とする当社にとっては、資材商材の調達コストの高騰や自然災害によるサプライチェーンの混乱など、当社グループの事業に様々な影響を及ぼす可能性があります。
その気候変動による影響につきまして、TCFD提言のフレームワークに沿って、気温上昇が4℃及び1.5℃未満の場合の両シナリオに沿って2030年におけるリスク・機会を特定し、対応する主な取り組みを策定いたしました。今後この取り組みを推進することで将来発生しうる事象に対応してまいります。
なお、当社グループはTCFD提言に基づく情報開示をホームページにて行っておりますので、ご参照ください。
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②人材育成方針及び社内環境整備方針
当社グループは、商品が持つ付加価値に留まらない新しい存在価値を創造し、継続して成長を続ける会社を目指しております。世界各地のグループ会社が共通方針の下で人事施策を展開するため、「モリトグループ人材マネジメント方針」を策定し、採用、人材育成、労務、配置・キャリア、評価、処遇の6つのカテゴリごとに、モリトグループが目指す姿を可視化しております。
イ 採用
・地球規模のあらゆる雇用形態で求める要件に適合する人材を確保。
・当社の価値観・考え方に共感を持てる人材の確保。
ロ 人材育成
・「自育自成」が基本。
・高い成果を発揮する能力・意欲を持つ人材に対し、能力開発を提供。
ハ 労務
・コンプライアンスを徹底する。
・働きやすい/働きがいのある組織の実現。
ニ 配置・キャリア
・国籍・人種・宗教などによらず求める役割を果たし、貢献できる人材を適所に配置。
・役割や適性に応じたキャリア形成の機会を提供。
ホ 評価
・役割貢献の質・度合いや職務の価値に応じた評価の実現。
・公平性・納得感の高い評価の実現。
へ 処遇
・パフォーマンスに見合った納得性の高い処遇の実現。
・コントローラビリティの高い人件費構造の実現。
詳細は当社ホームページに掲載している人材マネジメント方針をご参照ください。
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https://www.morito.co.jp/sustainability/society/diversity/human_resource_management_policy/>
(3) リスク管理
当社では、グループ全体におけるすべての事業活動を対象にしたリスクマネジメント体制を構築しております。代表取締役社長を委員長とし、管理部門の本部長及び法務部長、内部監査室長をメンバーとする、リスクマネジメント統括機関としてのコンプライアンス委員会を設置しております。
コンプライアンス委員会においては、全社リスクに関し各部門・子会社に対する年1回のヒアリングによるアセスメントを実施し、その結果を基に影響度・発生可能性の2側面でマトリクス分析を行い選別・評価したリスクへの対策実施結果と改善計画を年2回取締役会に報告する、というPDCAを基本としたリスクマネジメントサイクルを構築しております。
このマネジメントサイクルにサステナビリティ委員会の活動を同期・連携することにより、気候変動に関するリスク把握はコンプライアンス及びサステナビリティ管轄の両委員会が情報共有を行い協働してまいります。気候変動に関する「リスク」最小化と「機会」最大化による企業価値向上に関しては、サステナビリティ委員会において各種方針・戦略の策定、取り組みのモニタリングなどを実施する体制となっております。

①気候変動・環境問題(TCFD提言への対応)
当社では、温暖化ガス(GHG)排出量に関して、グループのScope1,2の算定に加え、昨年度には国内主要子会社のScope3まで算定範囲を広げました。そして今年度は、国内外を含めたすべて*の子会社を対象にScope3の算定範囲を拡大したことで、グループ全体のScope1,2,3を算出する体制が整いました。今後はこれらの算定データを認識の上サプライチェーンにおけるGHG排出量削減に取り組んでまいります。
当社といたしましては、政府目標「2050年でのカーボンニュートラル達成」に向けてScope1,2の削減によるGHG排出実質ゼロ達成を目標に活動してまいります。
*M&Aによる新規子会社や清算手続き中の会社などを除く
なお、算定状況につきましては当社ホームページサイトをご参照ください。
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②人材育成方針及び社内環境整備方針
イ 実績と目標
当社では、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、一般事業主行動計画で主に次の指標を設定しております。当該指標に関する当社の目標及び実績は、次のとおりです。
(注) 2025年度及び2026年度の平均の目標値としております。
なお、上記の目標は当社に関する数値を記載しておりますが、当社グループ及び主要な事業を営む子会社に関する指標についても、グループ横断のプロジェクトチームを設置し、目標設定に向けた検討を進めております。
管理職に占める女性割合の改善に向けては、雇用環境の整備を継続的に進めるとともに、昇格試験の受験を促す働きかけを実施しております。一般職の女性社員に対しては、これまでの職業人生の振り返りや、積み上げてきた強み・価値観の明確化を促し、今後のキャリアに活かすための意識醸成及び主体的な行動につながるスキル習得を支援する研修を実施しました。
また、年次有給休暇の取得促進に向けては、夏季や年末年始における取得奨励の周知や、従業員が自身の記念日等に年次有給休暇を取得する「メモリアル休暇」の活用を推進することで、働きやすい職場環境づくりに取り組んでおります。
当社は、女性社員が自身の強みを活かして活躍できる組織及びそれを支援する制度づくりを目的として女性活躍推進法に基づく自主行動計画を実行しております。
詳細は当社ホームページに掲載している女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画」をご参照ください。
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https://www.morito.co.jp/sustainability/society/diversity/action_plan_and_measures/>
ロ その他
当社では、経営戦略を遂行するに資する人材の獲得・育成・適材適所の配置・グループ間活用を行い、グループ全体の人的資産価値の向上を図るため、各種課題に取り組んでおります。
■各種研修の取組
当社は、全従業員を対象としたコンプライアンスセミナーや、新任管理職を対象とした新任管理者研修、担当職向けのビジネススキル研修等、体系的な人材育成プログラムを推進しています。2025年度には、上位総合職を対象として「360度サーベイ」を実施しました。本施策により、上司・同僚等からの他者評価を通じて自己理解の深化を促すとともに、より効果的かつ効率的に能力を発揮できるよう、職務遂行能力の向上を図りました。
他、年に2回、通信講座を開講し、受講を修了した従業員に受講料の補助を行うことで、従業員の自己啓発を積極的に支援しています。
また、環境変化の激しいVUCA時代を力強く生き抜くため、変革を牽引していくリーダーの育成にも力を注いでいます。選抜型の次世代幹部候補育成プログラムでは、将来の経営リーダーとなり得る人材を早期に育成しています。他、主要子会社の全従業員を対象にITリテラシー測定を行いITスキルの現状を把握することで、測定結果をもとにIT及びDXに関する必要な教育を強化し、デジタル人材の育成を推進してまいります。
■ダイバーシティプロジェクト
当社は、HRMポリシー及び経営計画にて、ダイバーシティ経営(多様な人材を活用することで新たな価値創造を実現する経営)への取組を宣言しております。当社のダイバーシティの最終目標は、国籍/人種/性別等に関わらず、従業員がそれぞれの立場で仕事と生活を両立し、納得感と満足感をもってモリトグループで職業人生を送ること、そして、多様な従業員が協働することで、多様な商品・サービスを展開し、会社の業績向上につなげていくことをゴールとしております。
2025年度からは、ダイバーシティプロジェクトの活動範囲を国内子会社まで拡大し、主な活動実績として、介護と仕事の両立を目標に介護セミナーの実施や介護経験者からのヒアリング、座談会の開催等を行いました。また過年度より、従業員がパパ・ママ・介護者になったつもりで仕事と家庭生活の両立を体感する『つもり』と『モリト』を組み合わせた『つモリトプロジェクト』に『チャレンジ』するという意味を込めた"つもチャレ"を継続的に実施しております。2025年度は当社を含めた主要子会社の課長職と担当職を対象とし、取り組み後に参加者同士で座談会を行う等して、職場での仕事と介護の両立実現に向けて取り組みました。
今後も"つもチャレ"をはじめとしたダイバーシティ活動を継続し、従業員が働きやすい環境を目指してまいります。
■男性社員の育児休業の取組
当社は、男性社員が育児へ積極的に参加できるように、育児休業期間の3日間を有給として取得できる制度を独自で設けております。なお、2025年度の男性社員の育児休業制度利用者はおりませんでしたが、育児目的休暇の取得者が1名おり、男性社員の育児関連制度利用者は50%でした。
男性社員の育児休業取得率向上に向けて、配偶者の出産を控えている男性社員に制度を活用するように働きかけを行ってまいります。
■業績連動型賞与への変更
当社は、従業員の成果と企業成長をより確実に結び付け、納得感の高い報酬制度とするため、業績の確定値をもとに賞与原資を決定する業績連動型賞与制度に移行することといたしました。2026年支給分より新たな制度にて運用し、上期・下期の支給バランスを調整する移行期間を経て、2027年度に移行を完了する予定です。
業績連動型賞与を通じて、従業員の成果と企業成長をより確実に結び付けることで、持続的な企業価値向上及び従業員満足度の向上を目指してまいります。
■エンゲージメントサーベイの実施
当社は、従業員が持っている能力を最大限に発揮し、組織の目標達成に向けて主体的に取り組むことができる環境づくりを目指しています。従業員と企業とのつながりの強さや信頼度を確認することを目的に、定期的にエンゲージメントサーベイを実施しています。
今後も、サーベイ結果を踏まえた制度や施策の検討・実行を通じて、従業員のエンゲージメント向上を目指し、働きがいのある職場づくりを推進してまいります。
■メンタルヘルス及び健康診断
当社は、健康経営を重要な経営戦略と位置づけております。
年に1回「メンタルヘルス強化週間」を設け、ストレスチェックをはじめとした施策を集中的に実施しています。
2025年度は総合的な健康リスクが全国平均を上回る結果となりました。改善に向けた取り組みの一環として、日々の生活習慣やストレスへの向き合い方を見直すため、主要子会社の全従業員を含めたセルフケア研修を開催いたしました。研修受講後のアンケートでは、「自身のメンタルセルフケアに役立つと思いますか」という設問に対して肯定的な回答が90%を超え、改めて自身の健康に向き合いセルフケアの意識を高めていただく機会となりました。今後も職場環境の改善を継続し、従業員の健康増進に努めてまいります。また、全従業員を対象とする定期健康診断の案内時には、追加検査の選択肢や被扶養者の受診機会についても周知し、従業員のみならず、その家族の健康管理も支援する取り組みを進めております。
■従業員の安全配慮
当社は、定期的な防災訓練を通じて従業員の防災意識を高め、災害時に全従業員が安全に避難できる体制構築に取り組んでおります。
いつでもどこでも従業員の安否を確認できる安否確認システムや災害対策本部のグループチャット等を、国内グループ会社を含めて導入することで、災害時の迅速な連携や対応を実現しています。
さらに、南海トラフ地震等の大規模災害を想定した独自の避難マニュアルを整備し、防災訓練や安否確認システムの活用と併せて、マニュアルの周知・定期的な見直しを行うことで、災害時の対応力を強化しております。
今後も、従業員の防災意識の向上と安全管理体制の充実に努めてまいります。
■モリトブランディングプロジェクト
当社は、「全ステークホルダーにモリトグループを認知いただき、モリトグループのファンを増やすこと。」「モリトグループの魅力を社内外に発信すること。」を目的に、モリトブランディングプロジェクトを実施しております。
具体的には、国内グループ会社のコミュニケーションの円滑化を図るため、8月2日を「ハッピーパーツデー」とし、グループ会社従業員みんなで野球観戦を楽しめる社内イベントを実施しました。ハッピーパーツデーのイベントでは、社内公募の当選者が、始球式・エスコートキッズ・ヒーローインタビュー等に参加できるコンテンツを用意、また会場内にブースを設けて来場者にモリトの商品や企業の魅力を伝えることで、モリトの知名度向上に貢献しております。
地域貢献・環境保全の取組としては、モリトグループが推進するサステナブル活動「Rideeco®(リデコ)」の一環として、毎年兵庫県の海岸清掃活動を行っております。また、大阪・関西万博「TEAM EXPOパビリオン」展示エリアにて、Rideeco®をテーマにサステナブル素材を活かした製品を展示し、モリトが取り組む環境配慮型のものづくりを知っていただきたいとPR活動を行いました。ブースの運営には、当社及び国内主要子会社の従業員が有志で協力し、会社や部門の垣根を越えて交流しました。グループ会社従業員がモリトのサステナブル活動に、誇りや喜びを感じることができた機会となりました。
■持続的成長に向けた人的資本投資の展望
当社は、人的資本の価値向上を経営上の重要課題と認識しており、現在「人材価値創造プロセス」の明文化に向けた検討を進めています。
検討にあたって各種人材施策の強化に向けた重点領域を整理しており、今後、方針や指標等について具体化を図ってまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を与える可能性があると考えられる主な事項は、次のとおりです。
次の事項には、将来に関するものが含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、法令遵守及び倫理に基づき誠実に行動することを経営理念に取り入れ、すべての役員及び社員が各種法令や行動規範から逸脱しないよう徹底を図っておりますが、万一それらに該当する行為が発生しコンプライアンス上の問題に直面した場合には、監督官庁等からの処分、訴訟の提起、社会的信用の失墜等により当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないように、また当社グループの知的財産権が第三者に侵害されないように、知的財産権保護のための体制を整備しております。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟が提起されたり、また、第三者から知的財産権の侵害を受けたりする可能性を排除することは不可能であるため、このような事態が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、定められた品質管理基準に従って管理体制を確立しております。また製造物責任保険の付保も行っておりますが、商品の欠陥や商品パッケージの表示内容不備に起因する訴訟が提起されたり、大規模な商品回収や保険で填補できない損害賠償につながる事態が発生したりする可能性を排除することはできないため、このような事態が生じた場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループの商品の一部は、海外生産を行っております。そのため、海外における政治・経済情勢の変化、戦争やテロ等による国際社会の混乱や、自然災害の発生は、当社グループ商品の安定供給に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループの事業における売上債権は、取引先ごとに一定の信用を供与し、掛売りを行ったものであります。当社グループにおいて厳格な与信管理を行っておりますが、必ずしも全額の回収ができる保証はありません。従いまして取引先の不測の信用状況の悪化や経営破綻等は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループで販売する商品はアジア及び国内において中国製等の安価な商品との価格競争が激しくなっております。当社グループでは、コスト競争力を強化するため海外生産能力の増強や現地調達比率を高める戦略を講じておりますが、競合によってもたらされる販売価格の下落や販売数量の減少が当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループで販売する商品の仕入価格は原材料費の変動により影響を受けますが、その価格の上昇が仕入価格に転嫁された場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループの過去の財政状態及び経営成績は、保有資産の時価変動等によって変動してきました。将来においても保有資産の時価変動等により損失を計上しないとの保証はありません。
当社グループは、情報システム運営上の安全確保のため、外部からの侵入を防ぐファイアウォール構築等を行いリスク対応に取り組んでおります。しかし外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピューターウイルス侵入等による企業機密情報、個人情報の漏洩、さらには自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブル等により情報システムが不稼動となる可能性を完全に排除することはできません。このような場合、業務効率の低下を招くほか、被害の規模によっては当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、輸出入取引等に係る為替変動リスクに対して、実需の範囲内で成約時に為替予約を行えるようにしております。しかしながら、予測を超えた為替レートの変動があれば、当社グループの業績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(9) 自然災害・感染症等のリスク
当社グループの事業所や取引先が地震などの自然災害、新型コロナウイルス等の感染症の流行により被害を受けた場合は、販売や購買活動に直接的又は間接的に影響を及ぼす可能性があります。その場合、当社グループの業績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりです。
当連結会計年度(2024年12月1日~2025年11月30日)における経営環境は、国内では雇用・所得環境の改善やインバウンド需要を背景に緩やかな回復基調で推移した一方で、資源価格・原材料価格の上昇、米国の通商政策、ウクライナ・中東情勢などの地政学リスク、金融資本市場変動の影響など、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような状況の中、主にアパレル関連、プロダクト関連、輸送関連の事業を行う当社グループにおきましては、一昨年の暖冬・市場での在庫過多、アクティブスポーツ関連商品の販売減少、中国市場での日系自動車メーカーの苦戦など厳しい状況でありました。しかし一方で、国内アパレル市場で在庫調整からの回復がみられたこと、株式会社Ms.ID・株式会社ミツボシコーポレーションの新規連結、さらにスポーツ関連商品やゲーム関連商品が好調に推移し、売上高が増加しました。また、サステナブルな社会の実現を目指したモリトグループの取り組み「Rideeco®(リデコ)」において、国内の廃漁網を100%使用した糸「MURON®(ミューロン)」の本格販売や、縫製工場から出るはぎれなどを活用した混抄紙「ASUKAMI®(アスカミ)」の開発・販売を推進し、新規取引の獲得に注力しました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高568億6千7百万円(前年同期比17.2%増)、営業利益33億3千3百万円(前年同期比16.2%増)、経常利益36億2千4百万円(前年同期比20.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29億1千6百万円(前年同期比13.4%増)となりました。
なお、当連結会計年度における、海外子会社の連結財務諸表作成に係る収益及び費用の換算に用いた為替レートは、次のとおりです。
(注) () 内は前年同期の換算レートです。
セグメント別の経営成績につきましては、次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの変更を行っております。前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
(日本)
アパレル関連では、在庫調整からの回復に加え、アウトドア・スポーツシューズ関連商品、欧米作業服向け付属品、高級アウトドアブランド向け付属品、百貨店アパレル向け副資材、シルバーアクセサリー、ユニフォーム関連資材や官公庁向け熊撃退スプレーの売上高が増加しました。
プロダクト関連では、スノーボード・サーフィン関連商品の売上高が減少しましたが、ゲーム関連商品、猛暑対策商品、厨房機器レンタル・販売・清掃事業の売上高は増加しました。
輸送関連では、日系自動車メーカー向け自動車内装部品の売上高が増加しました。
その結果、売上高は413億1千万円(前年同期比25.1%増)、セグメント利益は25億7千万円(前年同期比24.7%増)となりました。
(アジア)
アパレル関連では、中国カジュアルウェア向け付属品が減少しましたが、中国・香港での欧米向け作業服向け付属品、百貨店アパレル向け副資材、ベトナムでのスポーツシューズ向け付属品、作業服関連商品の売上高が増加しました。
輸送関連では、中国での当社グループ商品採用モデルの生産終了に伴い、日系自動車メーカー向け自動車内装部品の売上高が減少しました。
その結果、売上高は82億8千万円(前年同期比1.1%減)、セグメント利益は7億7千3百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
(欧米)
アパレル関連では、作業服向け付属品、メキシコでの革製品向け付属品の売上高が増加しました。
輸送関連では、北米での日系自動車メーカー向け自動車内装部品の売上高が増加しましたが、欧州での一部事業撤退による効率化のため売上高は減少しました。
その結果、売上高は72億7千5百万円(前年同期比1.7%増)、セグメント利益は3億7千4百万円(前年同期比15.5%増)となりました。
また、当連結会計年度における財政状態の概況は、次のとおりです。
総資産は、554億9千8百万円となり前連結会計年度末比30億2千2百万円増加しました。
流動資産につきましては、310億1百万円となり前連結会計年度末比10億4千8百万円減少しました。これは主に、商品及び製品が20億1千1百万円増加、受取手形及び売掛金が13億7千6百万円増加、電子記録債権が9億6百万円増加、その他に含まれる未収入金が2億9千1百万円増加したものの、現金及び預金が60億6千万円減少したこと等によります。
固定資産につきましては、244億9千7百万円となり前連結会計年度末比40億7千万円増加しました。これは主に、のれんが14億2百万円増加、商標権が10億6千8百万円増加、建物及び構築物が7億1千8百万円増加、投資有価証券が2億7百万円増加、繰延税金資産が1億9千3百万円増加したこと等によります。
流動負債につきましては、102億1千7百万円となり前連結会計年度末比13億3千万円増加しました。これは主に、その他に含まれる未払費用が4億5千2百万円減少、電子記録債務が1億9千5百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が7億5千4百万円増加、短期借入金が5億5千万円増加、1年内償還予定の社債が3億円増加したこと等によります。
固定負債につきましては、54億4千8百万円となり前連結会計年度末比11億3千5百万円増加しました。これは主に、その他に含まれる長期リース債務が1億4百万円減少したものの、繰延税金負債が5億8千2百万円増加、社債が3億円増加、長期借入金が1億8千6百万円増加したこと等によります。
純資産につきましては、398億3千2百万円となり前連結会計年度末比5億5千6百万円増加しました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の74.8%から71.8%と3.0ポイント減少しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、29億9千4百万円の収支プラス(前連結会計年度46億2千万円の収支プラス)となりました。これは主に、法人税等の支払、棚卸資産の増加により資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益の獲得、売上債権の減少により資金が増加したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、50億1千5百万円の収支マイナス(前連結会計年度6億3千8百万円の収支プラス)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出、有形固定資産の取得による支出により資金が減少したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、41億4千2百万円の収支マイナス(前連結会計年度26億8千万円の収支マイナス)となりました。これは主に、配当金の支払、自己株式の取得による支出、長期借入金の返済による支出により資金が減少したものであります。
上記の結果、現金及び現金同等物は前期末に比べて60億5千8百万円減少し、期末残高は94億1百万円となりました。
当社グループのうち連結子会社において生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、生産実績及び受注状況につきましては記載しておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間取引につきましては、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」をご参照ください。
イ 売上高
売上高につきましては、前連結会計年度に比べ83億3千万円増加し、568億6千7百万円(前年同期比17.2%増)となりました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
営業利益は前連結会計年度に比べ4億6千4百万円増加し、33億3千3百万円(前年同期比16.2%増)となりました。これは主に、販売費及び一般管理費が27億8千4百万円増加(前年同期比24.7%増)したものの、売上高が増加したことに伴い売上総利益が32億4千9百万円増加(前年同期比23.0%増)したことによります。
営業外損益は、前連結会計年度に比べ1億5千6百万円増加し、2億9千1百万円となりました。これは主に、為替差益が5千7百万円増加、補助金収入が4千4百万円増加、為替差損が3千7百万円減少したことによります。
この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ6億2千1百万円増加し、36億2千4百万円(前年同期比20.7%増)となりました。
特別損益は前連結会計年度に比べ2億4千6百万円減少し、6億3千万円となりました。これは主に、負ののれん発生益が11億5百万円増加、減損損失が7億6千2百万円増加、投資有価証券売却益が7億9百万円減少したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3億4千4百万円増加し、29億1千6百万円(前年同期比13.4%増)となりました。
財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループにおける資金需要の主なものは、資材・商品等の仕入・調達費用、販売費及び一般管理費等の運転資金及び新規設備や新規事業等への投資資金であります。
当社グループは、必要な運転資金及び設備投資資金につきましては、原則として自己資金で賄うこととしております。今後も所要資金は「営業活動によるキャッシュ・フロー」を源泉に自己資金調達を原則とする方針であります。多額の設備投資資金が必要となった場合は、必要資金の性格に応じて金融機関からの借入、資本市場からの直接調達も検討する方針であります。
当社グループにおきまして、当連結会計年度は『存在価値を創造する、あたらしい「モリトグループ」の実現』を経営ビジョンとしてまいりました。
雇用・所得環境の改善やインバウンド需要を背景に、緩やかな回復基調で推移した一方で、資源価格・原材料価格の上昇、米国の通商政策、ウクライナ・中東情勢などの地政学リスク、地産地消の加速、金融資本市場変動の影響など不確実性が長期化し、依然として先行き不透明な状況が続いておりますが、「小さなパーツで世界を変え続ける」をキーワードにグローバルニッチトップを目指した各種施策に取り組んでまいります。
2026年11月期の当社グループの通期見通しにつきましては、基軸商品に加え、品質、機能性、サステナブルにこだわった付加価値商品の販売、グローバルネットワークの強化、BtoC事業の事業領域の拡大、またECプラットフォーム事業を活用したBtoC事業のマーケティング・販売に注力し、連結業績は2025年11月期を上回る、売上高630億円、営業利益35億円、経常利益37億円、親会社株主に帰属する当期純利益30億円を予想しております。
当社は、株式会社Ms.IDの全株式を取得する契約を2024年11月19日に締結し、同年12月25日に同社株式を取得し、連結子会社としました。
また、当社は、株式会社ミツボシコーポレーションの全株式を取得する契約を2025年1月24日に締結し、同年4月1日付で同社の株式を取得したことに伴い、同社及び同社の子会社である上海美津星貿易有限公司を当連結会計年度より連結子会社に含めております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。