(1)経営方針
当社グループは、2023年6月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画「NEXT STAGE 2023」(以下、「現中期経営計画」という)等において発表の通り、主力事業である戸建住宅事業の拡大に引き続き注力しております。当社は、当社のコアコンピタンスであるデジタルマーケティングにより競争優勢を確保しつつ、戸建市場におけるプラットフォーマーの確立を目指し、「全国展開への加速化 急成長・急拡大へ」「住宅版SPAモデルの確立」「サブスクリプションモデルによる全国の工務店・ビルダー支援事業の収益化」を軸として成長することを経営方針として掲げております。
(2)現中期経営計画数値目標及び進捗状況
当社グループは、現中期経営計画の数値目標として、事業の成長性及び収益性を重視し、売上高、営業利益、粗利率等を設定しております。また、デジタルマーケティングの効果的な運用をモニタリングするため、WEB集客数、YouTubeチャンネル登録数をあわせて数値目標として設定しております。現中期経営計画数値目標及び現中期経営計画の初年度にあたる2021年6月期の実績値等は以下のとおりです。
現中期経営計画数値目標及び進捗状況
(3)持続的な成長の実現に向けたSDGsへの取組
当社グループは2021年3月24日に当社の取組を明文化した「SDGs宣言」を公表しております。当社は創業以来、「住まい」を通してお客様の豊かな暮らしの実現に貢献してきました。当社は、持続可能な開発目標であるSDGsの趣旨に賛同し、企業としての利益創出の最大化と社会的課題の解決の両方を追及してまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として経済活動が抑制されており、厳しい状況が続いております。先行きについては、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されます。
住宅業界におきましても、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、リモートワークが増加したことから、地方へ移住し、職住融合の新しい生活スタイルが定着したことも追い風となり、底堅い動きとなりました。国土交通省発表の2020年7月から2021年6月までの新設着工数(全国の持家)では、270,647戸(前年比0.6%増)となりました。同様に当社グループの主要販売エリアとなる九州地方については、29,692戸(前年比2.2%減)となりました。このような環境のなか、当社グループは事業目標の達成に向けて、以下の課題に取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症に対しては、当社内の対応方針を定め従業員の健康と安全の確保を最優先とします。また、お客様への対応についても、リモート商談の推進・モデルハウスの事前予約制などの感染予防策を講じ、感染防止に努めてまいります。
また新型コロナウイルス感染拡大に伴う人々のライフスタイルの変化に対して、デジタルシフトを急速に進め、迅速かつ適切にニーズに対応してまいります。
世界的な木材需要の高まりを受け木材価格が高騰しておりますが、仕入れの安定及び供給の確保を最優先に取り組んでまいります。また、販売価格を調整するなど施策を講じ、適正利益を確保してまいります。
(3) デジタルマーケティングの強化
いわゆるアフターコロナにおけるライフスタイルの変化に対応すべく、デジタル分野への投資を積極的に進めてまいります。デジタル集客の多様化を進めるべく、特にyoutubeチャンネルの育成・投資を推進し、一戸建て・新築・平屋・注文住宅等のカテゴリーでのトップチャンネルを目指してまいります。
当社は戸建住宅事業を行っておりますが、今後は同事業で培ったCG技術・VR技術を活かし全国の工務店向けサブスクリプション型支援サービスを行ってまいります。これにより収益の安定化・多様化を目指します。
大工職人や協力施工業者の数は年々減少しており、今後不足することが予想されます。そこで当社では施工能力の向上を図るため各業種の自社内製化を進めてまいります。
国立社会保障・人口問題研究所の公表する「日本の世帯数の将来推計」によると、少子高齢化により国内の世帯数は2019年をピークに減少に転じると予想されており、人口・世帯数の減少が今後の住宅着工戸数に大きな影響を与えると考えられます。
このように住宅需要の減少が予測されるなか、当社はさらなる企業成長を図るため、九州エリアから全国エリアへ営業地域の拡大に努めてまいります。また、顧客層の拡大を図るため、ショッピングモール向けブランド「sketch」を今後展開してまいります。
上記の課題を克服するために優秀な人材を継続的に確保し、育成することが重要であると認識しております。
今後、研修・育成の充実に取り組み、組織を構成する一人ひとりの業務に対するレベルアップを図るとともに、当社の経営理念及び役職員の行動規範を理解した責任ある人材の育成を行います。
(8) コンプライアンス体制の強化
当社の事業は、建築基準法をはじめ、建設業法、都市計画法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、建築士法、宅地建物取引業法、個人情報保護法、労働安全衛生法、消費者契約法、景品表示法など様々な法律・法令に関わっております。当社はこれらの法令を遵守し、法的責務を全うするため、社内規程・マニュアルの整備を適宜行うとともに、従業員の研修・勉強会等を通じて意識の向上に努めるなど、コンプライアンス体制の強化に取り組んでまいります。
当社グループの事業展開上のリスク要因となり、かつ投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事項は、次のとおりであります。
いずれも当社の判断により積極的に開示するものであり、一部リスク情報に該当しない、または当社グループが必ずしもリスクとして認識していない事項も含まれております。
なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における当社独自の判断によるものであります。
当社グループは熊本県、福岡県、佐賀県大分県、神奈川県の一部地域において事業展開をしております。そのため当該地域の経済状況、金利動向、地価の動向、住宅需給の動向、雇用情勢等が、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行う戸建住宅事業は、年末及び当連結会計年度末に引渡しが集中する傾向にあります。
そのため当社では、12月、6月に業績が偏重する可能性があります。
当社の各四半期連結会計期間別の業績推移は、次のとおりであります。
当社グループは、住宅の建築工事を外部業者に発注しております。外注先は、その経営状態、技術力、評判及び反社会的勢力該当の有無などを調査して選定しております。今後、営業地域の拡大や受注件数の増加により、外注先を適時に確保できなかった場合、または外注先の倒産等に伴う代替業者との調整による工事遅延等が発生した場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは高額になりがちな注文住宅を、お客様にとって魅力ある価格で提供するため、原材料・資材の仕入先を複数確保し、仕入価格の抑制に努めております。しかしながら、世界的な木材需要の高まりを受けた木材価格の高騰(ウッドショック)をはじめとした原材料・資材の需要増加、または価格の高騰に伴い、それらの仕入価格が上昇した場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは建築工事現場では、労働災害の防止や労働者の安全と健康管理のため、労働安全衛生法等に則り安全衛生体制の整備、強化を推進しております。具体的には、社内に安全衛生委員会を設置し、日常的な安全教育等の啓発活動を実施するほか、建築部工事管理課による安全パトロールの実施等、事故を未然に防止するための安全管理を徹底しております。しかしながら、何らかの事由により重大な労働災害が発生した場合、当社グループの労働安全衛生管理体制に対しての信用が損なわれ、受注活動等に制約を受けるなど、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、開発用地の仕入れ、物件の早期販売に取り組んでおります。しかしながら、急激な景気の悪化、金利の上昇、不動産関連税制の改廃の影響により、販売が計画どおりに進まなかった場合には、完成在庫が滞留し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成20年9月26日)の適用により、時価が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産の評価損が計上された場合、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主に熊本県及び神奈川県で用地を取得しております。同地域で競業他社との用地取得競争が激化した場合、同地域において優良な用地を計画どおりに取得できなかった場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行う戸建住宅事業は、火災・地震・台風等大規模な自然災害の影響を受けやすい事業といえます。災害の状況によっては、建物の点検や応急措置などの初動活動や被災した建築現場の修復に加え、支援活動等により多額の臨時費用の発生や建築現場の資材・部材等の確保が困難になる可能性があります。このため万一に備えて各種保険への加入や耐震性能の高い住宅仕様の研究・開発に努めておりますが、予測を超えた事態が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症等の感染症、伝染病の流行等による不測の事態が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
住宅業界は、事業を行うための許認可など新規参入に係る障壁はあるものの、大手ハウスメーカーから個人事業主に至るまで大小さまざまな競合他社が多数存在しており、競合は一段と激化する傾向にあります。当社グループでは、徹底した管理に基づくコスト削減による原資をもとに品質改善を行うとともに、お客様のニーズに沿った商品開発を積極的に行うなど競合対策を講じておりますが、競合他社の動向によっては、事業計画の遂行に問題が生じ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2020年6月より、990万円から1,490万円(本体価格)のショッピングモール向けブランド「sketch(スケッチ)」の販売を開始しました。今後3年間で全国のショッピングモールへ3店舗から5店舗出店を目指してまいりますが、計画通りに進まない場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行う戸建住宅事業は、建築基準法をはじめ、建設業法、宅地建物取引業法、都市計画法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、建築士法、労働安全衛生法、消費者契約法、景品表示法など多くの法律、法令や自治体の定める条例等による法規制を受けております。当社では、法的規制の遵守を徹底しており、現時点において当該許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、将来において業者規制の強化や費用負担を招きかねない法令等の大幅改正や、何らかの理由により免許、登録、許可が取り消し等になった場合には、当社の事業活動が大幅に制約されることとなり、当社の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(株式会社Lib Work)
(タクエーホーム株式会社)
当社グループが行う戸建住宅事業は、住宅の品質確保の促進等に関する法律により新築住宅の構造上の主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分は10年の瑕疵担保責任を負うことを義務づけられています。
当社グループは、同法に基づいて2008年10月より、株式会社日本住宅保証検査機構の住宅瑕疵担保責任保険「JIOわが家の保険」に、タクエーホーム株式会社は、2014年11月17日より、株式会社ハウスジーメンの住宅瑕疵担保責任保険に加入しております。当該保険の加入に当たっては、同機構が定める技術的基準に適合していることが要件であり、同社が指定する第三者機関による現場検査を受け、適合証明(性能評価)を受ける必要があります。このため当社グループは、設計、施工、監理の充実をはかり、品質に万全を期すとともに、引渡後のアフターサービスに関しても誠実な対応を心がけております。しかし、当社グループの住宅の品質に重大な瑕疵や不備が認められた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ネットの会員登録も含む住宅見学会来場者リストや住宅購入顧客等の個人情報を保有しております。これらの情報管理については、「個人情報の保護に関する法律」に基づき社内規程の整備、管理体制の構築、外部からの侵入防止対策の実施等を講じるとともに、従業員等に対し個人情報保護に係る啓発活動を実施し、その漏洩や不正使用の未然防止に努めております。しかしながら、人為的なミスや何らかの不正な方法等により当社グループが保有する個人情報が漏洩した場合には、当社グループの信用力の低下や損害賠償の請求等によって業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループには、現段階において業績に重大な影響を及ぼす可能性のある訴訟の事実や顧客との大きなトラブルはありません。しかしながら、当社グループが請け負う住宅、不動産において、瑕疵等の発生、または工事期間中に近隣からクレーム等が発生した場合、これらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。当社グループは、施工に関して品質管理の徹底と近隣への配慮に努めておりますが、訴訟等が発生した場合には、これに対応するために多額の費用が発生するとともに、当社グループの信用を大きく毀損する恐れもあり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの代表取締役社長である瀬口力は、最高経営責任者として経営方針や戦略の決定、事業推進において中心的役割を果たしております。同氏に過度に依存しない経営体制の構築のため、職務権限の委譲、会議体の整備や人員の採用等により社内組織の強化に努めておりますが、同氏が何らかの理由により当社グループの経営に携わることが困難になった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが行う戸建住宅事業には、広範囲の専門的知識や資格を有した人材が不可欠であります。したがって事業拡大を図るうえで、優秀な人材を適切な時期に確保するとともに、その人材の育成に努める必要がありますが、これらが不調に終った場合には当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、戸建住宅事業において効率的な集客を行うことを事業戦略としております。具体的には、常設住宅展示場のみに依存せず、独自のWEB戦略として、土地情報ポータルサイト「e土地net」、平屋サイト「くまもと平屋ナビ」、地盤診断サイト「地盤チェックナビ」等の各専門分野におけるカテゴリーサイトを運営しております。また、コーポレートサイトにおきましては、インターネット展示場を設けており、お客様が完成後の住宅イメージを描きやすい環境を提供しております。すなわち、各WEBサイト並びにそれらを支えるインターネット通信ネットワークへの依存度が事業遂行上高いものと考えております。
通信障害、コンピュータウィルス感染、電力供給の停止、外部からの不正アクセス等、予測が困難な障害発生によりインターネットが利用できなくなった場合には、当社グループが運営する各WEBサイト運営が一時的に停止し、その間において集客力が大きく低下します。予測可能な原因に対しては、専任の担当者を配置し、万全の社内体制を確保しておりますが、万一これらの障害が発生した場合、常設住宅展示場並びに営業店における営業活動により集客を補完するものの、当該各WEBサイトが復旧するまでにおいて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは現在、WEBシステム開発・管理・運用の一部を外部業者に委託しております。万一、これらの委託先との間にトラブル等が発生した場合にも、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、2020年5月11日開催の取締役会における決議に基づき、2020年7月1日付でタクエーホーム株式会社の全株式の取得を完了し、子会社といたしました。それに伴い、2021年6月期より企業買収に伴い発生したのれんを連結貸借対照表に計上することとなりました。当該のれんについては、将来の収益力を適正に反映しているものと判断していますが、事業の展開等が計画通りに進まない場合、会計基準に基づいたのれんの減損処理を行う必要が生じ、当社グループ事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として経済活動が抑制されており、厳しい状況が続いております。先行きについては、感染拡大の防止策を講じ、ワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されます。
住宅業界におきましても、新型コロナウイルス感染拡大防止策として、リモートワークが増加したことから、地方へ移住し、職住融合の新しい生活スタイルが定着したことも追い風となり、底堅い動きとなりました。国土交通省発表の2020年7月から2021年6月までの新設着工数(全国の持家)では、270,647戸(前年比0.6%増)となりました。同様に当社グループの主要販売エリアとなる九州地方については、29,692戸(前年比2.2%減)となりました。
当社グループはこのような環境の中、九州最大級の来館者を有する大型ショッピングモールである「イオンモール福岡」の1階に実物大のモデルハウスを開設し、福岡県への本格的な営業を開始しました。ライフスタイルの提案として、株式会社アダストリアが展開する「niko and ...(ニコアンド)」とコラボレーションした戸建て新商品「ink(インク)」は想定を大きく上回る集客につながり、多数の受注獲得となりました。そのほかエリア拡大においては、関東初出店となる千葉市の総合展示場への出展と、福岡エリアへの2店舗の出店として「無印良品の家福岡店」を決定し、開設準備を進めました。また、デジタルマーケティングにおける新規見込客獲得については「中期経営計画 NEXT STAGE 2023」のKPIである前年比150%増を上回り、前年比169.4%増となりました。加えてYouTubeチャンネル「Lib Work Ch」は登録者数25,000人、総再生回数780万回を突破し、全国から問い合わせが入るメディアへと成長しました。さらに、住宅版SPAとなる主要5工種の内製化については、2工種にて成功しており、戸建住宅の粗利率は30.1%まで改善できました。
この結果、当連結会計年度におきましては、売上高は9,404,305千円、営業利益486,968千円、経常利益582,751千円、親会社株主に帰属する当期純利益336,938千円となりました。
なお、当社グループは戸建住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は7,604,797千円となりました。
流動資産については6,642,148千円となり、主な内訳は、現金及び預金3,434,877円、未成工事支出金249,630千円、販売用不動産920,147千円、仕掛販売用不動産1,838,063千円であります。
また、固定資産については962,649千円となりました。主な内訳は、有形固定資産582,518千円、無形固定資産105,242千円、投資その他の資産274,888千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、4,233,022千円となりました。
流動負債については、2,893,187千円となり、主な内訳は、工事未払金620,217千円、短期借入金1,159,250千円、未払法人税等267,574千円、未成工事受入金210,178千円等によるものであります。
また、固定負債については1,339,835千円となりました。主な内訳は、社債300,000千円、長期借入金759,500千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,371,774千円となりました。主な内訳は、資本金1,014,773千円、資本剰余金897,523千円、利益剰余金1,676,411千円、自己株式△216,932千円であります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,324,877千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は134,033千円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益574,091千円、仕入債務の増加300,137千円、たな卸資産の増加1,067,650千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は599,132千円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出185,343千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出324,103千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は3,046,753千円となりました。これは短期借入れによる収入2,658,200千円、短期借入金の返済による支出1,757,740千円、社債の発行による収入200,000千円、長期借入れによる収入732,000千円、株式の発行による収入1,325,695千円、配当金の支払額96,836千円等があったことによるものであります。
当社グループは、注文住宅及び建売住宅の企画、設計、販売、施工、監理を主な事業内容とする戸建住宅事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に代えて事業部門別に記載しております。
当社が営む事業では生産実績を定義することが困難であるため、生産実績は記載しておりません。
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.受注高は、タクエーホーム株式会社の2020年8月31日(みなし取得日)以前の受注金額を除外して算定しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度においては、売上高は、9,404,305千円となりました。デジタル集客やショッピングモール向けブランド「sketch」が好調で集客が大幅に増加しました。またYouTubeチャンネル「LibWorkチャンネル」の視聴数・登録者数も順調に増加したことで当社のファン化が進み成約率の向上に貢献することができました。その結果受注数が大幅に増加し売上高の増加につながりました。
(営業利益)
当連結会計年度においては、新規取引業者の確保や一部の工種の工事内製化を進め、原価低減活動に継続的に取り組みました。また、将来投資のため従業員採用を積極的に実施したことに伴う人件費及び採用費、住宅展示場の新設に伴う減価償却費、他社ブランドとのコラボレーション費用及びネット広告などの販売費、その他タクエーホーム株式会社の取得関連費用などが生じた結果、売上原価は、6,902,095千円、販売費及び一般管理費は2,015,241千円となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は486,968千円となりました。
(経常利益)
営業外収益は、受取手数料及び助成金収入などにより122,666千円となりました。また営業外費用は、支払利息及び株式交付費などにより26,882千円となりました。この結果、当連結会計年度の経常利益は582,751千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、336,938千円となりました。
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります
当社グループにおける資金需要の主なものは、販売用不動産の取得及び一般管理費などの運転資金、並びに常設展示場や賃貸用不動産建設などの設備投資資金、その他新規事業投資資金があります。
当社グループは現在、これらの資金需要につきましては主に内部資金により充当しておりますが、資金の適正保有水準を維持するため、内部資金に加えて金融機関からの有利子負債による調達も一部行っております。当連結会計年度におきましては、借入金17.7億円の返済をした一方で、株式の発行による調達13.2億円、33.9億円の借入金及び2億円の社債発行による調達を行いました。
また、当社グループは必要資金の安定的かつ機動的な調達を行うため取引金融機関と16.7億円の当座貸越契約を締結しております。
当社グループでは、住宅性能やデザイン性の向上による高品質高付加価値の住宅提供を行い収益の安定的な成長を目指すとともに、その基盤として一定の財務安全性の維持に努めてまいります。そのため、「自己資本当期純利益率」の向上を目標とし、派生する指標として、収益性の観点から「売上高経常利益率」、「棚卸資産回転期間」、財務安全性の観点から「自己資本比率」を重要な経営指標としております。当連結会計年度における「自己資本当期純利益率」は10.0%、「売上高経常利益率」は6.2%、「棚卸資産回転期間」は159日、「自己資本比率」は44.3%となりました。
今後のわが国の経済は、新型コロナワクチン接種による新型コロナウイルス感染症の発症と重症化の予防が期待されますが、感染力が強いとされる変異株が新たに確認されており、今後も外出自粛や経済活動の制限等をはじめとした景気への影響は大きく、回復には相応の時間を要すると思われます。
このような環境の中、当社グループは「中期経営計画NEXT STAGE2023」の達成に向け、独自のデジタルマーケティング戦略により、インターネット集客を拡大していくとともに、住宅業界でのプラットフォーマーを目指してまいります。このたびAmazonのマーケットプレイス型プラットフォームとして「e建売net」を立ち上げ、新たに建売仲介事業を開始しました。また土地ナビサイト「e土地net」を全面リニューアルし、「e土地net千葉版」を立ち上げます。追って関東初出店する「千葉店」は、Afternoon Teaとのコラボレーション商品である「Afternoon Tea HOUSE」として開設し、今後は関東圏のエリア拡大を進めてまいります。加えて、九州圏内で建売型モデルハウスを5拠点新設するほか、福岡エリアは「無印良品の家福岡店」を新設することに加え、住宅総合展示場への出展を計画するなど、福岡エリアの販売拡大を加速します。本件を勘案し、2023年6月期までの営業拠点目標を25店舗から35店舗に上方修正しました。また「VISION2030」のロードマップに基づき、住宅版SPAを推進し、原価削減と売上総利益率の改善に努めるほか、withコロナ時代を見据え、リモートでの営業活動やリモートでの工事現場管理活動などに積極的に取り組み、事業活動におけるコスト削減と生産性向上に努めてまいります。その他、経済産業省中小企業庁より新連携支援事業に採択された「全国の工務店支援サービス」は、サブスクリプションの収益モデルとして2022年4月頃の販売開始を目指しております。
2022年6月期の業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響下において、事業活動が維持される前提で策定しております。新型コロナウイルスの収束時期は依然として不透明であることから、次期の業績見通しは、今後の感染拡大や収束の状況等によっては変動する可能性があります。加えて、2022年6月期上期の連結業績につきましては、世界的な木材価格の高騰(所謂、ウッドショック)の影響を見込んでおります。
上記により、当社グループの連結業績予想は、売上高14,500百万円(前連結会計年度比54.2%増)、営業利益870百万円(同78.7%増)、経常利益880百万円(同51.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益544百万円(同61.5%増)を見込んでおります。
なお、当社は株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題の一つであると考えており、中長期的な事業展開に備えた内部留保の充実を図るとともに、安定的な配当の実施に努めていくことを基本方針としております。次期の1株当たり配当金は、普通配当1.4円を四半期毎に予定しており、年間配当は5.6円(前連結会計年度は年間4.575円にて、1.025円の増配)を予定しております
該当事項はありません。
該当事項はありません。