第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

「オハラグループは、常に個性的な新しい価値を創造して、強い企業を構築し、オハラグループ全員の幸福と社会の繁栄に貢献します」という経営理念を掲げ、全社員の行動規範としています。

また、2020年度に策定したコーポレート・メッセージの実現を目指し、企業活動を進めています。

 


 

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

①長期ビジョン2035

「オハラグループは、常に個性的な新しい価値を創造して、強い企業を構築し、オハラグループ全員の幸福と社会の繁栄に貢献します」という経営理念のもと、中長期的な視点で社会課題に向き合い、企業価値の向上に取り組んでおります。当社は、1935年に創立し、2035年に100周年を迎えます。将来予測が極めて困難な時代の中で100年企業となり、さらにその先の未来でも必要とされる企業となることを目指し、2021年度に「長期ビジョン2035」を発表いたしました。長期ビジョン2035では、以下の経営方針、財務指標のもと、既存事業の構造改革や新規事業の創出による企業価値向上に取り組むことで、オハラグループの持続的な発展を目指しています。

 

長期ビジョン2035経営方針

『オプティクス技術への貢献』

『価値協創による新ビジネス創出』

『価値創造力・効率性・収益力向上』

 

財務指標(2035年)

ROE(自己資本利益率)         8.0%以上

 

また、長期ビジョン2035で掲げる3つの経営方針に加え、『コア組織能力・コアプロセスの強化』、『社会課題・環境問題への取り組み』を加えた5つの改革ポイントを軸に、2021年~2035年までの15年間を5つのフェーズに分けて活動を展開してまいります。

 

②中期経営計画 第116期(2024年10月期)~第118期(2026年10月期)

第116期に開始した中期経営計画(フェーズ2)では、経営基盤の強化、新規事業の探索、既存事業の深化を基本方針として、資本収益性の向上、ESG経営、新ビジネスの立ち上げに取り組んでおります。しかしながら、現在の事業環境は計画策定時に想定した前提条件から大きく乖離しており、収益性の向上には課題が残っていることから、中期経営計画で掲げた経営数値目標の達成が困難となる見込みです。なお、現行中期経営計画における事業戦略は、当社の持続的成長を実現するための重要施策であることから、引き続き着実に推進してまいります。

 

財務指標(第118期 2026年10月期)

売上高                        320億円以上

営業利益                       37億円以上

ROE(自己資本利益率)           6.5%以上

 

 

(3) 事業環境及び優先的に対処すべき課題

当社グループにおけるセグメント別の事業環境及び対処すべき課題は次のとおりです。

 

① 光事業

光事業の関連市場では、カメラ市場は、ミラーレスカメラの新製品が需要を下支えしていることから、市場縮小に歯止めがかかり、当面は横ばいで推移することが見込まれます。その他光学機器市場は、画像認識技術及び拡張現実技術の進展により、品質の高い光学ガラス需要の増加が見込まれます

当社はこのような状況を踏まえ、事業構造改革による収益性改善を図ります。具体的には、光学ガラス生産拠点の再編による生産性向上と原価低減活動を推進し、適正利益の確保を目指します。また、東南アジアでのサプライチェーンの構築を進めることで付加価値の高いレンズ加工品の供給体制及び販売体制を強化します。

さらに、新規事業の立ち上げとして、成長分野であるXR(クロスリアリティ)市場において、資本業務提携先と連携し、ARグラス向けディスプレイモジュールに対応したガラス素材の開発活動を進めます。また、顧客ニーズに対応した新製品をリリースすることで業績への貢献を目指します。

加えて、レアアース原料の調達確保に向け、サプライヤー等とのコミュニケーションの緊密化を図るとともに、調達リスクがあるレアアース原料について、レアアースフリーまたは低含有の新規光学ガラスの研究を進めます。

 

② エレクトロニクス事業

エレクトロニクス事業の関連市場では、半導体露光装置市場は、AI半導体を中心とした世界的な設備投資を背景に、需要の増加が見込まれます。また、FPD露光装置市場についても、需要の改善が予想されます。

当社はこのような状況を踏まえ、既存事業を強化し、半導体市場の中長期的な需要拡大に対応するため、半導体露光装置向け素材の生産設備増強に継続して取り組みます。2023年10月期からi線用高均質性光学ガラスの生産設備増強を進めてまいりましたが、2026年10月期からは石英ガラスの熔解工程及び加工工程の生産設備増強を進めます。また、海外拠点の販売体制を強化してアジア地域及び欧州への拡販を進めます。

さらに、新規事業として取り組んでいるリチウムイオン伝導性ガラスセラミックス「LICGC™」は、酸化物系固体電解質の中でトップクラスのイオン伝導性を持ち、高い化学的安定性と耐水性を備えています。当社は、液系リチウムイオン電池の添加材として電池性能の向上に貢献する「LICGC™PW-01」と、次世代電池材料として期待される「LICGC™SP-01」のラインナップを有しています。「LICGC™PW-01」については、新たに製造ラインを設置し、国内外の電池メーカーへの採用拡大に向けて取り組みます。「LICGC™SP-01」については、量産技術を確立し生産能力を高めることで、新規需要の獲得を目指します。

また、電子基板用低誘電ガラスは、AIサーバー市場の拡大に伴い、プリント基板に使用されるガラスクロスとして需要が増加しております。当社は台湾工場において、電子基板用低誘電ガラス専用の熔解炉立ち上げを進めており、2026年10月期に売上への寄与を見込んでいます。台湾工場においては、既存の光学ガラス生産設備を低誘電ガラス生産設備へ転換することで、資産効率の向上と売上高の拡大を図ってまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は次の通りです。

なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループのサステナビリティに関する基本的な考え方

当社グループは、長期ビジョン2035で掲げた価値創造モデルの実践により、「生活・文化の向上」、「フロンティア開拓」、「地球環境の改善」に貢献することを使命とするコーポレート・メッセージの実現が当社グループのサステナビリティであるという考え方のもと、「オハラグループサステナビリティ基本方針」を策定しております。長期ビジョン2035及び価値創造モデルについては、当社ウェブサイトをご参照ください。

https://www.ohara-inc.co.jp/sustainability/

 

<オハラグループサステナビリティ基本方針>

オハラグループは、経営理念、コーポレート・メッセージのもと、より良い社会の実現に貢献する「ひかる素材」を創り、ステークホルダーとの信頼関係から生まれる協働・協創により「未来をひらく」ことで、社会の持続的な発展に貢献します。

 

 

当社グループは上記方針のもと、中長期的な視点で企業価値の向上に取組み、社会の持続的な発展に貢献してまいります。

 

(2) ガバナンス

当社グループでは、サステナビリティに関する取り組みの方針や施策を議論する機関として、社長執行役員が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置しております。サステナビリティ委員会の提案・報告に基づき、経営会議でサステナビリティに関する方針や具体的施策を決議し、取締役会へ報告を行う体制としております。取締役会では、サステナビリティに関する重要課題を審議・決議し、当社グループのサステナビリティ活動の監督機能を担っております。

<サステナビリティ推進体制>


 

会議体

議長

開催頻度

機能・役割

取締役会

代表取締役

原則1回/月

サステナビリティに関する重要課題の審議・決議

グループのサステナビリティ活動の監督

経営会議

社長執行役員

原則1回/月

サステナビリティに関する方針や具体的施策の決議

サステナビリティ委員会

社長執行役員

原則4回/年

サステナビリティに関する取り組みの方針や施策の議論・提案

 

 

<当事業年度におけるサステナビリティ委員会の活動状況>

開催実績

4回

主な議題

・GHG削減

・DX

・人的資本

・マテリアリティについて

 

 

 

(3) リスク管理

当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを抽出・評価し、リスクの重要度に応じて、組織の階層ごとにリスクを管理しております。事業リスク分科会は、グループ重要リスクを選定し、リスクの顕在化の防止及びリスクが顕在化した場合の危機の極小化を目的とした対応策を推進するとともに、適宜取締役会へ報告を行う体制としております。当社グループにおいて上記プロセスのもと選定されたグループ重要リスクの詳細については、「3事業等のリスク」をご参照ください。

 

(4) 人的資本に関する考え方及び取組

当社グループが持続的に成長を続け、社会の発展に貢献するためには、社員の成長と挑戦は必要不可欠と考えております。そのため、社員が安心して挑戦し成長できる環境を整備することを方針としております。また、これまで取り組んできた人権の尊重についても、人材戦略の基盤となる活動として積極的に取り組んでいきます。オハラグループ人権方針については、当社ウェブサイトをご参照ください。

https://www.ohara-inc.co.jp/sustainability/

① リスク管理

人的資本に関するリスクを含めた当社グループにおけるリスク管理の過程については「(3) リスク管理」を、人的資本に関するリスクの内容とその対応策については、「3事業等のリスク(3) 人材の確保・育成に関するリスク」をご参照ください。

② 戦略

イ.基本的な考え方

当社グループのサステナビリティ基本方針の基盤となるコーポレート・メッセージの実現に向け、社員の一人ひとりが主体者意識をもち価値創造することが重要であると考えています。コーポレート・メッセージの価値観・姿勢を表現した「オハラバリュー」では、会社の持続的な成長と社会発展に貢献する人材を「ひかり・ひからせる人材」と定義しています。「(自ら挑戦し)ひかり、(周囲も)ひからせる人材」が、当社グループの価値創造モデルを実践し、競争優位性を確立する源泉であるという考えのもと、人的資本の強化に取り組んでいます。

また、当社グループの戦略実効性を高め、半導体などの成長分野での事業拡大や、リチウムイオンバッテリー、XR、低誘電ガラスといった新規分野での事業化を加速させ、光事業の収益性を改善しエレクトロニクス事業の成長を促進させる人材として、経営人材、新規事業推進人材、新規事業を支える専門職人材、競争優位性を担保するDX人材の能力開発を推進し、育成スピードの加速を図っています。

<オハラバリュー>


ロ.人的資本を高める推進体制

当社は、中長期のサステナビリティに関する取り組みの方針や施策を議論するサステナビリティ委員会を設置しています。サステナビリティ委員会では、議題の一つとして人的資本の取り組みを議論し、経営会議での決議後、取締役会へ報告する体制を整えています。さらに、人的資本への取り組みがコーポレート・メッセージの実現に寄与するよう、社外役員からの意見も取り入れ、強化を図っています。

ハ.人材採用の強化

当社では、採用にあたってオハラバリューを体現する人材の採用を積極的に進めています。採用ブランディングとして当社で働くイメージをウェブサイトや動画などで発信し、会社説明会やインターンシップなどで実際に業務を体験してもらう機会を創出しています。さらに、新卒採用では職業観の視野を広げてもらうことを目的に、内定者インターンシップを実施しており、内定者の職業観、入社後の業務やキャリアイメージの醸成につなげています。

また、中途採用においてもマッチング性を重視し、当社で活躍してほしい人材へ積極的にアプローチしています。工場見学や具体的な業務内容を事前に確認する機会を設け、当社で活躍するイメージを持ってもらえる取り組みを行っています。

さらに、ウェブサイトなどを通じて社員の活躍を職種別に発信し、将来の仲間へメッセージを届けることで、コーポレート・メッセージを体現する人材の獲得につなげています。

ニ.人材育成

当社では、主体性を育み挑戦マインドを醸成する研修を2020年より継続して実施しています。2023年以降は対象を国内グループ会社に拡大し、2025年度も継続しています。

また、次世代経営人材や新規事業を推進する人材については、戦略を加速させる重要なポジションで、実践を通じた育成を行っています。既存組織においても、事業活動を推進する次世代リーダーに経験の場を提供することで、育成を進めています。さらに、社員自らが作成したキャリアデザインをもとに、経験の機会を提供する公募制度も推進しています。

ホ.主体性と挑戦を促す取組

当社では、毎年グループ全社員を対象に、挑戦的な活動を行った社員やグループを称える「オハラアワード」を開催し、表彰を通じてグループ全体の挑戦風土の醸成を推進しています。

また、2024年度より新人事制度を導入し、役割評価制度、進級・昇格の早期化、チャレンジ目標の設定を取り入れ、運用と浸透を進めています。2025年度は、新人事制度のさらなる浸透を図るため、被考課者向けの浸透研修を実施しました。特に、チャレンジ目標は、自主選択かつ加点方式とし、挑戦的な取り組みを評価する仕組みとすることで、社員の主体性を高め、挑戦風土の醸成につなげています。

ヘ.ダイバーシティ

当社では、コーポレート・メッセージの実現に向けて「長期ビジョン2035」を策定し、女性・外国人・中途採用などの多様な人材の確保を、変化への対応力を高め、異なる知識やスキル、考え方を取り入れて新しい価値を組織にもたらすための不可欠な要素と位置づけています。この考えのもと、当社グループの持続的な成長及び社会課題への貢献につながるよう、採用と育成を積極的に進めています。

当社における管理職に占める女性労働者の割合は、2025年度は14.6%となりました。外国人については、当社グループの海外7拠点中4拠点では、現地責任者として既に外国人が活躍しています。中途採用者については、個別の研修プログラムを計画・実施しており、短期間で活躍できる環境を整備しています。これらの取り組みを今後も継続し、労働力の確保、多様な視点の導入、海外市場の拡大を見据え、2035年までに女性比率35%、女性管理職比率30%、外国人比率10%を目標に掲げ、取り組みを進めてまいります。

ト.ワークライフバランス

当社は、仕事とプライベートを両立させることが、会社と個人にとって重要であると認識し、これを実現する具体的な取り組みを行っています。

・育児休業

・介護休業

・育児時短制度

・時間単位有給休暇制度

・フレックスタイム制度(1日の就業時間は3時間以上)

チ.健康経営

当社では、経営理念である「従業員の幸福と社会の繁栄」に貢献するため、健康経営に取り組んでいます。社員一人ひとりが心身ともに健康であり、ワークライフバランスを保ちながら生活できるよう、安全で快適な職場環境の整備を目指しています。

 

リ.スキル習得・経験機会の提供

当社では、持続的な成長を支える人材の育成にあたり、スキル習得と経験機会の提供に関してそれぞれ目標を設定しています。スキル習得の推進については、2023年度より導入したリスキリング支援ツールの受講時間目標を、1人当たり年間10時間に設定しました。2025年度の実績は、1人当たり約6.5時間でした(2024年度は約6.0時間)。今後も年間10時間を目標に、取り組みを強化していきます。

また、個人が作成したキャリアデザインや面談、育成計画を総合的に勘案し、経験機会の提供を進めています。指標は職場経験数とし、目標値を1人当たり3職場に設定しています。2025年度の実績は2.32職場でした(2024年度は2.3職場)。今後も多くの機会を提供できるよう、社内公募制度の拡充などを通じて機会創出に努めます。

ヌ.従業員エンゲージメントスコアの測定・分析・評価

当社では、人的資本に関する取り組みを通じて、社員の離職防止、生産性向上、職場の活性化、健康状態の改善、さらには顧客満足度の向上を図り、会社の持続的な成長につなげることを目指しています。

その一環として、当社では、人的資本に関するサーベイを毎年実施し、その結果を測定・分析・評価しています。評価結果は会社全体の施策や改善計画に継続的にフィードバックされるよう、経営陣と執行側が一体となって、社員のエンゲージメント向上に向けた取り組みを推進しています。なお、評価結果は役員の業績連動報酬の指標にも反映させております。

<従業員エンゲージメントスコアの推移>

 

2022年

2023年

2024年

2025年

従業員エンゲージメントスコア

(5.0点満点の平均)

3.27

3.27

3.26

3.34

 

 

③ 指標及び目標 (注)1

対応する戦略

指標

目標

2024年度実績

2025年度実績

スキル習得・経験機会

の提供

リスキリング支援ツールの受講時間

1人当たり年間10時間以上

1人当たり年間約6.0時間

1人当たり年間約6.5時間

職場経験数

1人当たり3職場以上

1人当たり2.30職場

1人当たり2.32職場

ダイバーシティ

管理職に占める
女性労働者の割合 (注)2

2025年10月期13.7

2035年10月期30.0

12.8%

14.6

管理職に占める中途採用者の割合

- (注)3

48.9%

39.0

男性の育休取得率

100

60.0%

60.0

男女賃金差異 (注)4

(男性を100%とした場合)

100

79.7%

80.4

従業員エンゲージメントスコアの測定・分析・評価

従業員エンゲージメントスコア

3.5以上

3.26

3.34

 

(注)1.当社の人的資本に係る指標及び目標については、各グループ会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であるため、提出会社単体の記載としております。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3. 管理職に占める中途採用者の割合は既に高い水準にあるため、数値としての目標設定は行っておりません。

4. 当社では男女で同一の賃金制度・体系を適用しており、性別による賃金差異はありません。男女の賃金差異は主に男女間の管理職比率の差異によるものです。

 

 

(5) 気候変動への取組

① リスク管理

気候変動に関するリスクを含めた当社グループにおけるリスク管理の過程については「(3) リスク管理」を、気候変動に関するリスクの内容とその対応策については、「3事業等のリスク(6) 気候変動に関するリスク」をご参照ください。

② 戦略

当社グループでは、気候変動による地球温暖化や自然災害の増加、エネルギー問題などの環境問題を重要課題と認識しており、特にガラス熔解工程において多くのエネルギーが消費されることで発生する温室効果ガス(GHG)の排出が地球環境保全に向けての課題となっています。この課題に対し当社グループでは、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の3つの視点から温室効果ガス(GHG)排出量削減を中心とした気候変動対策活動に取り組んでいます。

<3つの視点>

・環境(Environment)

地球環境保全に使用できる再生可能エネルギーの活用を進めるとともに、熔解燃焼方式の開発や環境改善素材の開発を進めています。

・社会(Social)

地球規模の気候変動が社会生活及び企業活動に大きな影響を及ぼします。社会との調和を図りながら、サステナビリティ経営を目指しています。

・ガバナンス(Governance)

当社グループ全体で気候変動への対策に取り組み、その活動を監視しています。

また、当社グループでは排出量削減に向け、ガス燃焼熔解効率化技術の開発を進めております。また電気加熱では当社が長年蓄積してきた加熱効率の高い熔解技術を活用するとともに、自家発電や蓄電など再生可能エネルギーの活用、輸送におけるモーダルシフトなども進めていきます。またこれらを実現するため、エネルギー・環境エンジニアなどの人的資本を開発していき、2035年の温室効果ガス(GHG)排出量削減目標達成を目指していきます。

③ 指標及び目標

当社グループでは、地球規模の気候変動にて特定されたリスク及び機会について、その対応の有効性を評価するために指標を設定し、定期的なモニタリングを行っています。

当社グループではカーボンニュートラルに向け、主にエネルギーを多く消費するガラス熔解工程で発生する温室効果ガス(GHG)排出量を削減し、「長期ビジョン2035」や環境方針である「健やかな地球を守る」を実現するために、2035年までに温室効果ガス(GHG)排出量を50%(2018年度比)削減していきます。当事業年度の削減活動による削減量は以下のとおりです。

指標

目標

2024年度実績

2025年度実績

温室効果ガス(GHG)

排出削減量

2035年までに2018年度比(注)

50%削減(35,314t-CO2

2018年度比6.9%削減

(4,856t-CO2

2018年度比7.0%削減

(4,947t-CO2

 

(注)基準年となる2018年度の温室効果ガス(GHG)排出量は70,627t-CO2です。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 海外での事業展開に関するリスク

当社グループはアジア地域を中心として海外事業展開を行っており、各国・各地域における政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりは事業に大きな影響を及ぼします。また、予期しない各国の法規制強化、国家間同士の牽制等の地政学的リスクにより、サプライチェーンの混乱や断絶、ビジネス機会を喪失するリスク等が考えられ、それらが顕在化した場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、生産ライン及び営業拠点は概ね日本を含めた複数の地域で稼働させており、また、各国法規制情報収集の強化を行い、リスクによる影響を低減させる取組みを行っております。当社グループでは、海外生産拠点の機能転換及び海外加工メーカーとの協働を進めることで、海外の情勢変化に対してレジリエントなサプライチェーンの構築に取り組んでおります。

 

(2) 原材料及び資材の高騰・調達途絶に関するリスク

当社グループが使用している原材料の中には、メーカーや産地の限られているものがあり、入手困難になった場合に生産に支障が生ずる可能性があります。また、原材料や資材の価格は生産状況、為替相場、市況の変動などにより高騰する場合があり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。一部の原材料については、短期的な変動の影響を避けるため、市場価格を見極めつつ、在庫の保有レベルを高く設定しております。また、レアアース原料の調達確保に向け、サプライヤー等とのコミュニケーションの緊密化を図るとともに、調達リスクがあるレアアース原料について、レアアースフリーまたは低含有の新規光学ガラスの研究を進めます。

 

(3) 人材の確保・育成に関するリスク

当社グループが持続的に成長を続け、社会の発展に貢献するためには、社員の成長と挑戦は必要不可欠と考えております。当社グループの持続的な成長に寄与する人材が十分に確保・育成出来ない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。このため、当社グループでは、社員が安心して挑戦し成長できる環境を整備することを方針とし、優秀な人材の確保と教育プログラムの実施を継続してまいります。

 

(4) 特定市場への依存リスク

光事業の売上はデジタルカメラ市場への依存度が高く、従前から続く市場の縮小がリスクとなっております。今後、デジタルカメラ市場の縮小が一層進んだり、国内外における競合他社との競争激化などにより、当社グループの売上及び利益率が下落する可能性があり、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

今後も光事業、エレクトロニクス事業において、高効率の生産体制を築くことで、両事業の柱を強固としていくとともに、研究開発におけるイノベーション並びに新規事業の探索と事業構造改革を進めることで高収益事業の創出・拡大に努めてまいります。

 

(5) 特定顧客への依存リスク

当社グループは、専門性の高い光学ガラス及び特殊ガラスを供給しておりますが、高度な専門性、特殊性が故、一部の特定顧客への売上依存度が高い傾向にあります。これらの特定顧客からの発注数量が急激に減少した場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がありますが、今後も新規分野の研究開発並びに新規顧客の獲得を目指して積極的な活動を継続してまいります。

 

 

(6) 気候変動に関するリスク

当社グループは、ガラスの製造工程等の事業活動における大量のエネルギー消費に伴いGHGを排出しております。気候変動への対応は、世界共通の解決すべき社会課題と認識されており、GHG排出量削減の取組みが遅れた場合、市場での評価の低下や製品シェアが低下する可能性があります。当社グループは2035年までにGHG排出量を50%削減(2018年度比)するとの目標を掲げ、再生可能エネルギーの活用や熔解燃焼方式の開発を通じてGHG排出量削減に取り組んでおります。GHG排出量削減に寄与する熔解燃焼方式の開発を早期に実現することで、競争優位性の獲得を目指してまいります。

 

(7) 情報セキュリティに関するリスク

当社グループの事業活動において、情報システムは必要不可欠なものであります。サイバー攻撃、不正アクセスその他不測の事態により、当社グループの情報システムの不具合やデータの盗難、改ざん、喪失等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これら情報システムに対する脅威については、社員に対する情報セキュリティ教育及び各種システムのセキュリティ強化策を講じております。

 

(8) 為替及び金利の変動リスク

当社グループの生産及び販売活動はアジア地域を中心にグローバルに展開しており、外貨建ての取引を含んでいるため為替相場の変動による影響があり、急激な為替変動は、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。すべてのリスクを排除することは不可能でありますが、これらのリスクに備えるため為替予約等を利用するなどのリスク低減策を講じております。

また、金利情勢やその他金融市場が急激に変動する場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループは、連結有利子負債の適切な管理を行っております。

 

(9) 自然災害、パンデミックの発生等によるリスク

想定を超える自然災害や事故等が発生した場合、当社グループの機能停止、設備の損壊、電力・水・ガス等の供給停止、公共交通機関や通信手段の停止、サプライチェーンへの被害等により、当社グループの事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。また、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等のパンデミックが発生した場合にも、工場の稼働停止やサプライチェーンの停滞に起因する生産の減少、営業活動の制限等、事業活動に支障をきたす事態が生じ、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、地震や大規模な水害、火山の噴火などの自然災害や事故、パンデミック等の発生時にも、重要な事業を継続し、企業としての社会的責任を遂行するために、事業継続計画を策定しております。また、耐震対策や定期点検、防災訓練、感染症拡大防止のためのガイドラインの整備、在庫の確保、複数の購買先確保等を行い、事業活動への影響の低減を図っております。

 

(10) 環境リスク

当社グループは、省エネルギー、大気・水質の汚染、化学物質の使用、廃棄物処理、リサイクル、製品含有化学物質及び土壌・地下水汚染等を規制する様々な環境法令の適用を受けながら事業を展開しており、将来において法令規制強化への対応費用の増大、あるいは環境問題の発生から、損害賠償や対策費用を負担する可能性があります。

当社グループは、事業活動と環境の調和を経営の重要課題のひとつとして位置付け、法規制の遵守、業界等の行動規範の遵守とともに自主基準を制定して管理するなど、様々な環境マネジメント活動を進めております。

 

 

(11) コンプライアンス、法令遵守に関するリスク

一般的に、当社グループの事業活動に関し、訴訟、紛争、その他の法的手続きの対象となるリスクを排除することは不可能です。当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来において提起された場合には、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、当社グループの行動規範及び事業活動に関する法令を周知・教育することにより、コンプライアンス、法令遵守を徹底させ、訴訟に関するリスクの低減に努めております。

 

(12) 資本上位会社に関するリスク

(セイコーグループ株式会社について)

セイコーグループ株式会社は当社の筆頭株主(2025年10月末現在、発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する所有割合19.3%)であり、当社は同社の持分法適用関連会社であり、同社は当社の「その他の関係会社」であります。

当社は、同社グループから、現在社外取締役1名、社外監査役1名を受け入れておりますが、第116期、第117期において同社グループとの営業取引は軽微です。

一方、当社は、同社株式を、2025年10月末現在51,261株(同社発行済株式総数に対する所有割合0.1%)を保有しております。これは、将来、当社と同社グループの関係強化を目的としたものであります。

今後、同社と当社の良好な関係が維持できなければ当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。同社に対し、今後も安定株主としての役割を期待し、将来の関係強化を図ってまいります。

(キヤノン株式会社について)

キヤノン株式会社は当社の第2位株主(2025年10月末現在、発行済株式総数(自己株式を除く。)に対する所有割合19.3%)であり、当社は同社の持分法適用関連会社であり、同社は当社の「その他の関係会社」であります。

当社は、同社グループから、現在社外取締役1名、社外監査役1名を受け入れており、第116期、第117期における取引状況は「関連当事者情報」に記載のとおりであります。なお、当社製品の販売についての価格、その他の取引条件は、市場価格、総原価などを勘案して交渉の上、決定しており、特に利益相反等は生じておりません。

一方、当社は、同社株式を、2025年10月末現在729,658株(同社発行済株式総数に対する所有割合0.1%)を保有しております。これは、当社と同社グループの取引関係の維持強化を目的としたものであります。

今後、同社と当社の良好な関係が維持できなければ当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。同社に対し、今後も安定株主としての役割を期待し、将来の関係強化を図ってまいります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、一部の地域で成長の鈍化がみられたものの、インフレ率の減速などを背景に、全体としては緩やかな回復基調を示しました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢、中国における不動産市場の低迷、米国の政策動向など、先行きに対する不透明感は依然として残りました。

当社関連市場につきましては、カメラ市場はミラーレスカメラを中心にレンズ交換式デジタルカメラ及び交換レンズ需要が堅調に推移しました。半導体露光装置市場はメモリやパワー半導体需要の回復に遅れがみられるものの、生成AIに使用されるメモリ及びロジック半導体需要が高まったことなどから装置需要が堅調に推移しました。FPD露光装置市場はパネルの需給バランスの改善に伴い装置需要に緩やかな回復がみられました。

このような状況のもと、当連結会計年度の当社業績は、売上高28,895百万円(前期比3.5%増)、営業利益1,794百万円(同17.6%減)、経常利益2,289百万円(同11.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,730百万円(同10.4%増)となりました。

売上高は、光事業が15,310百万円(同9.8%増)、エレクトロニクス事業が13,585百万円(同2.7%減)となったことから28,895百万円(同3.5%増)となりました。

営業利益は、売上総利益が8,546百万円(同2.7%減)、販売費及び一般管理費が6,752百万円(同2.2%増)となったことから1,794百万円(同17.6%減)となりました。売上総利益は、半導体露光装置向け製品の在庫調整に伴い生産設備の稼働率が低下したこと及び製品ミックスが変化したことなどから8,546百万円(同2.7%減)となりました。販売費及び一般管理費は、人件費、修繕費、及び運搬費が増加したことなどから6,752百万円(同2.2%増)となりました。

経常利益は、営業外収益として円相場の大幅な変動による為替差益の計上及び持分法による投資利益の計上により改善したことから2,289百万円(同11.5%減)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として政策保有株式の売却による投資有価証券売却益897百万円を計上したこと、及び法人税等調整額341百万円を計上したことなどから1,730百万円(同10.4%増)となりました。

なお、期中平均の為替レートは、米ドルが149.34円(前期は150.54円となり1.20円の円高)、ユーロが166.06円(前期は163.59円となり2.47円の円安)となりました。

 

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(光事業)

当事業の売上高は、15,310百万円(前期比9.8%増)、営業損失は799百万円(前期は800百万円の営業損失)となりました。売上高の内訳は、光学プレス品12,458百万円(前期比8.8%増)、光学ブロック品2,851百万円(同14.1%増)となりました。

光学プレス品の売上高は日本及び中国におけるレンズ交換式デジタルカメラ及び交換レンズ需要が回復したことから前期比で増加しました。一方で、カメラ市場向け需要が堅調に推移したことに加え、当社台湾工場の事業転換に伴う製品在庫の積み増しをしたことなどから光学ガラスの生産量が増加したものの、原材料費の高騰、製品ミックスの悪化によるコストの増加、及びレアアース調達リスク対応に関連した費用が発生したことから、原価率は前期並みの水準となりました。また、販売が堅調に推移したこと、及び光製品の素材開発費用が増加したことに伴い、販管費が増加しました。これらの結果により、光事業は前期比で増収、営業損失は同程度の推移となりました。

 

(エレクトロニクス事業)

当事業の売上高は、13,585百万円(前期比2.7%減)、営業利益は2,593百万円(同12.9%減)となりました。売上高の内訳は、特殊ガラス8,285百万円(同7.7%減)、石英ガラス5,300百万円(同6.2%増)となりました。

特殊ガラスは、AIサーバー向けプリント基板へ使用される低誘電ガラスの売上が増加したものの、半導体露光装置向け製品の在庫調整に伴い売上が減少しました。石英ガラスは、FPD露光装置及び半導体フォトマスク向け製品の売上が増加しました。また、半導体露光装置向け製品の在庫調整に伴う生産設備の稼働率低下及び製品ミックスの変化がありました。これらの結果により、エレクトロニクス事業は前期比で減収、減益となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益を計上したものの、棚卸資産の増加や有形固定資産の取得による支出があったことなどから、前連結会計年度末に比べて583百万円減少し、当連結会計年度末には13,011百万円(前連結会計年度末比4.3%減)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,049百万円(前期比61.7%減)となりました。

これは、税金等調整前当期純利益3,065百万円(同18.5%増)や減価償却費1,442百万円(同3.3%減)があったものの、棚卸資産の増加1,468百万円(同922.8%増)があったことが主な要因であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は854百万円(前期比61.7%減)となりました。

これは、有形固定資産の取得による支出1,858百万円(同17.0%増)があったことが主な要因であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は942百万円(前期比24.5%減)となりました。

これは、配当金の支払額562百万円(同15.3%増)や割賦債務の返済による支出233百万円(同12.3%減)があったことが主な要因であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日

前年同期比(%)

光事業(千円)

16,382,877

118.2

エレクトロニクス事業(千円)

13,458,735

91.4

合計(千円)

29,841,613

104.4

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

光事業

16,373,290

112.7

5,294,578

125.1

エレクトロニクス事業

12,659,399

103.3

4,429,360

82.7

合計

29,032,690

108.4

9,723,938

101.5

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日

前年同期比(%)

光事業(千円)

15,310,242

109.8

エレクトロニクス事業(千円)

13,585,431

97.3

合計(千円)

28,895,673

103.5

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年11月1日

至 2024年10月31日

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

キヤノン株式会社

4,236,045

15.2

3,669,665

12.7

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営成績の分析

・売上高

売上高は、28,895百万円(前期比3.5%増)となり、前年度と比較して986百万円の増収となりました。

売上高をセグメントごとに分析すると、光事業の売上高は、15,310百万円(同9.8%増)、エレクトロニクス事業の売上高は、13,585百万円(同2.7%減)となっております。光事業の売上高の増加は、日本及び中国におけるレンズ交換式デジタルカメラ及び交換レンズ需要が回復し、光学プレス品の売上が増加したことが主な要因であります。エレクトロニクス事業の売上高の減少は、半導体露光装置向け製品の在庫調整に伴い、特殊ガラスの売上が減少したことが主な要因であります。

・売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、20,349百万円(同6.4%増)となり、前年度と比較して1,223百万円の増加となりました。また、売上原価率は、70.4%となり、前年度比1.9ポイント増加しております。これは原材料費の高騰と製品ミックスの悪化が主な要因であります。

販売費及び一般管理費は、6,752百万円(同2.2%増)となりました。これは、人件費、修繕費、及び運搬費が増加したことなどが主な要因であります。なお、売上高販売管理費比率は23.4%と前年度比0.3ポイント減少しております。

・営業利益

営業利益は、1,794百万円(同17.6%減)となりました。これは、半導体露光装置向け製品の在庫調整に伴い製品ミックスが変化したことが主な要因であります。

・営業外損益

営業外収益は、566百万円(同12.0%増)となりました。これは、為替差益及び持分法による投資利益が増加したことが主な要因であります。

営業外費用は、70百万円(同26.0%減)となりました。これは、固定資産除却損が減少したことが主な要因であります。

・親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益は、3,065百万円(同18.5%増)となり、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,730百万円(同10.4%増)となりました。

 

b. 財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は66,884百万円(前連結会計年度末比2.7%増)となりました。これは原材料及び貯蔵品が増加したことなどが主な要因であります。

流動資産の残高は40,259百万円(同3.1%増)となりました。これは、原材料及び貯蔵品が増加したことなどが主な要因であります。

固定資産の残高は26,625百万円(同2.2%増)となりました。これは、建物及び構築物が増加したことなどが主な要因であります。

流動負債の残高は9,977百万円(同2.5%増)となりました。これは、短期借入金が増加したことなどが主な要因であります。

固定負債の残高は4,559百万円(同0.4%増)となりました。これは、繰延税金負債が増加したことなどが主な要因であります。

当連結会計年度末における純資産の残高は52,347百万円(同3.0%増)となりました。これは、利益剰余金が増加したことが主な要因であります。

 

c. キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益を計上したものの、棚卸資産の増加や有形固定資産の取得による支出があったことなどから、前連結会計年度末に比べて583百万円減少し、当連結会計年度末には13,011百万円(前連結会計年度末比4.3%減)となりました。詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

d. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入等の製造費用や販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資目的の資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金につきましては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については主に銀行借入にて必要な資金を調達しております。

 

② 重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は、実際の結果と異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。

なお、重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

a.  固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価に当たり、事業等を基礎としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループにつきまして、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。

固定資産の回収可能価額につきまして、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の見積りに重要な変更があった場合、固定資産の減損損失が発生する可能性があります。

 

b. 繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産につきまして、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、事業環境等の変化により課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの研究開発は、高品質かつ顧客満足度の高い新製品を市場に投入していくことで、グループ全体の業容拡大に資することを目的とし、当社の研究開発部門が中心となって進めております。基礎研究の分野では、約90年にわたる光学ガラス、特殊ガラスの製造を通じて培われた材料設計のノウハウや生産技術を基盤として、光、エレクトロニクス、環境・エネルギー等の幅広い分野において競争優位性をもった新素材の研究開発を進めております。また、応用化研究の分野では、より高度・高効率な生産技術を開発することで、既存製品のさらなる高性能・高品質化、低コスト化・低GHG化を進めております。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は732百万円であります。

 

当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動の主なものは次のとおりであります。

(1) 光事業

・高屈折率、高透過率光学ガラスの開発

・色収差補正に優れた光学ガラスの開発

・ARグラス向け光学ガラスの開発

・メディカルサイエンス向け光学ガラスの開発

なお、当事業に係る研究開発費は361百万円であります。

 

(2) エレクトロニクス事業

・耐衝撃・高硬度ガラスセラミックスの開発

・リチウム及びナトリウムイオン伝導性固体電解質の開発

・半導体露光装置用レンズ材及び基板ガラスの開発

・宇宙用途ガラスの開発

・耐放射線ガラスの開発

なお、当事業に係る研究開発費は371百万円であります。