第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、創業の理想「この仕事を通じて社会に貢献する。」、「この仕事を通じて立派な人を創る。」を経営の基本理念・企業文化とし、守り育ててまいりました。創業の理想を実現するための両輪として、経営信条「良品・安価・即納」を定めて社会貢献への道を示し、社訓「信義誠実」「和衷協力」「不撓不屈」「業務奉仕」を定めて人間形成の道を示しております。

 この創業の理想の実践・実現に向けて努力し続けることが、企業価値の向上につながるものと考えております。

 

(2)経営環境、経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループを取り巻く経済環境は、米国の通商政策の動向をはじめ、為替変動、中国経済の先行き等、引き続き不確実で不透明な状況です。

 自動車業界におきましては、EV化の進展が一時的に鈍化しているものの、自動車の電動化は着実に進んでおり、当社の主力製品であるコントロールケーブルの需要が頭打ちとなっています。コントロールケーブルが当社の連結売上高に占める割合が4分の1程度になる一方で、ウインドレギュレータ、ドアモジュール等、ドア周り部品の割合が3分の2近くにまで増加する等、製品構成に大きな変化が生じております。

 このような経営環境の変化に対処すべく、自動車用ドアクロージャーシステム製品、モジュール製品で世界のトップサプライヤーとなることを目指して、ドアラッチ、パワースライドドアをはじめ独自の技術力とブランドを有するハイレックスアクト(旧社名「三井金属アクト」)を2025年11月4日にグループに迎え、以下の4つの重点課題に取り組んでまいります。

 

[Ⅰ] 新たな「付加価値」の創出

 当社が新領域で世界のトップサプライヤーになるには、お客様の期待を超える新製品の開発が不可欠です。新たな付加価値創出を目的として、ハイレックスグループとハイレックスアクトがこれまで各々培ってきた技術力を融合、創発させるための組織横断型のチームを編成し、中短期の取り組みの指針、長期的なビジョンの形成に取り組んでおります。

 

[Ⅱ] 挑戦の原資である「利益」の追求

 ハイレックスアクトがグループに加わることによるシナジーを徹底的に追求し、収益力を向上させます。特に、両社がもつ生産設備を有効活用した部品の内製化、共同購買による調達コストの削減、両社が個別に構築してきた物流ネットワークの最適統合について、重点的に取り組んでまいります。加えて、厳しい競争にさらされている成熟製品(コントロールケーブル、ウインドレギュレータ等)の利益率向上のため、設備の自動化、工場のデジタルトランスフォーメーション(以下DX)化による原価低減活動にも力を入れ、元気な100年企業へ挑戦を続けるための利益(原資)を創出します。

 

[Ⅲ] 「提案力」のレベル向上

 当社グループは“To be the First-Call Company”をミッションステートメントとし、お客様の困りごとの一番の相談相手となり、いち早く解決の提案をする会社を目指しております。提案力の底上げを図るべく、お客様の経営戦略、開発動向を深く把握して、お客様から声をかけていただく前に提案の準備を進めていく「フロントローディング」に注力してまいります。

 

[IV] 「人財」への投資促進

 ハイレックスアクトとの協働プロジェクトを通じて社員が切磋琢磨し、成長できる運営体制を構築しています。特に、若手社員や女性社員を積極的にリーダーとして起用し、多様性と挑戦意欲を重視した人財育成を推進しています。

 さらにDXを推進し、工場の自動化や業務プロセスの高度なデジタル化を進めることで、社員がより付加価値の高い業務に集中できる環境を整備します。加えて、AI等の先端技術の活用にも取り組み、業務効率化のみならず、社員一人ひとりの提案力や意思決定力の向上を後押しします。

 また、グローバルな人的資本の強化にも積極的に取り組み、世界の多様な人財が提案力を発揮できる体制づくりを進めてまいります。これらの取り組みを通じて、収益力向上の施策を企画・実行できる人財への投資を促進し、持続的な成長と企業価値向上を目指してまいります。

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは以下の指標の安定的な確保と拡大を重視しております。

 ①社業の健全性を示す自己資本と営業利益

 ②株主の皆様にとっての収益性を示すROE(自己資本利益率)と配当の原資となる親会社株主に帰属する当期純利益

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、「この仕事を通じて社会に貢献する」という経営理念を通じて、社会の皆様が快適に、安心して暮らせる環境づくりの一翼を担っていくことを目指しております。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは気候変動への対応について、ISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築し、当社の環境管理責任者、環境委員会及びE/QMS推進チームを中心に全社に展開した運用を行っております。それらシステムを通じて、順守すべき法的要求を満たし、リスク及び機会に取り組んでおり、トップマネジメント(担当役員)に対してその実績を定期的に報告しております。トップマネジメントは、報告された情報に基づいて環境マネジメントシステムが適切妥当かつ有効である事、継続的改善の機会、戦略的な方向性等の結論・指示を出しております。

 

 環境に関するその他の取り組みとして、当社においてサスティナビリティ担当執行役員および環境委員会を設置し、当社のカーボンニュートラルに関する中長期的なCO2の削減目標設定と方針の策定、国内外拠点の環境活動支援策の策定およびWEBサイトでの対外的な活動の開示を行っております。それらの実施状況については定期的に取締役に報告することとしております。また、これらの取り組みの一環として自社所有地にメガソーラー発電所を建設し、2013年より運用を継続しております。この活動の取り組みと成果については、当社人事総務部門が管理し定期的な報告を行っております。

 

(2)戦略

 当社は気候変動への対応について、地球環境の保護が人類共通の最重要課題と認識し、当社製品の生産活動において、地球環境の保護と地域の環境改善に貢献することを環境方針として策定しております。以下の方針を重点的に取り組むことでISO14001に基づく活動及び環境委員会の設定する目標を達成するよう取り組んでおります。またグループ各社においても同様にISO14001に基づく目標達成の為の方針を通して地球環境の保護に配慮した企業活動を行うように取り組んでおります。

 

①環境に関する法律、条例、協定及び顧客の要求事項の順守。

②環境管理の目的及び目標の設定。定期的見直しと継続的改善。

③省資源・省エネルギー活動と、産業廃棄物のリサイクル化、及び持続可能な資源利用の促進、環境汚染の予防と気候変動の緩和に努める。

④生産活動から廃棄まで、環境に配慮した製品開発に努める。

⑤自然環境と調和した企業を創り、地域社会との共存を図る。

 

 また、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針については、「元気な会社にする」という中長期的なビジョンを掲げ「人財開発室」を設置し、今後の当社グループの将来を担う人材(人財)の育成と社内環境の整備を進めております。

 主に組織活動の強化を目的とした人事制度・仕組みの策定、個人の成長を目的とした能力開発施策の立案・実施、個人のモチベーション向上を目的とした適性配置とキャリア自律支援施策の立案、組織のモラール向上を目的とした、組織活性化施策の立案・実施に注力して取り組んでおります。

 

 

(3)リスク管理

 当社グループにおけるサステナビリティ関連のリスク管理については、気候変動への対応を含む環境面では、ISO14001による環境マネジメントシステムに基づき環境管理マニュアル等を制定し、関連するリスク及び機会への取り組みを決定しております。

その主な概要は以下の通りであります。

①主に下記(ア)~(エ)を考慮したうえでリスク及び機会を決定し、それらに取り組むプロセスを文書化し情報を維持します。

(ア)環境に影響する可能性のある組織活動または製品又はサービス等(以下「環境側面」)

(イ)組織が順守すべき法的要求事項

(ウ)当社の経営信条及び年度会社方針に関連した外部及び内部の課題

(エ)当社の利害関係者(顧客、従業員、行政、地域住民、購買先等)が要求する事項及び法令等を満たした製品及びサービス

②環境側面及びその環境への影響、環境側面のうち特に重大な影響を与えるもの、それらを決めるために用いた基準を、環境側面管理規定に文書化して維持します。

③組織が順守しなければならない法的要求事項等を「環境法規管理規定」に定め、文書化しております。

 

 また、その他のサステナビリティ関連のリスク管理として、当社環境委員会において、主にカーボンニュートラルへの対応を中心に、関連するリスクと機会について定期的に検討を行い、取り組み方針を決定しております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループのサステナビリティ関連のリスク及び機会に関する実績を長期的に評価し、管理し、及び監視するために用いられる情報の内重要なものとして、当社は環境方針と整合する全般的な環境の到達点を毎期達成する為に「エネルギー使用量の削減値」「有害物質の使用・取扱い」を定量化された数値目標として設定しております。

 その内、主要なものは、電力使用量、石油系燃料使用量、ガス使用量、エネルギー使用量、CO2排出量等であります。

 その設定については、社内で策定した「省エネ管理規定」を参考にして、中長期的にみて年平均1%以上改善させる事を目標に5カ年の中長期目標を設定して取り組んでおります。

 

 また、その他の目標について、当社環境委員会の設定する中長期での活動目標のうち重要なものとして、当社において2013年の温室効果ガス(t-CO2)総排出量を基準として2030年に50%削減することをKPI(重要業績評価指標)とし、2050年にカーボンニュートラルを実現することをKGI(重要目標達成指標)としています。

 

 また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2026年3月 2

1

主任級にある者に占める女性労働者の割合

2026年3月 5

1

男女の平均勤続年数の差

2026年3月 2以下

4年以下

 

 以上の指標及び目標につきましては、連結グループの主要な事業を営む会社において、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、必ずしも連結グループに属する全ての会社では行われておらず連結グループにおける記載が困難であるため、提出会社の数値を記載しております。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)市場環境の変化

 当社グループは、主として自動車部品業界で活動し、取引先であります国内及び海外の主要自動車関連メーカーの生産ラインに同調して、製品の製造並びに販売を行っております。自動車関連メーカーは製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受ける可能性があるため、日本はもとより、主要な市場である北米、中国、アジア並びに欧州における景気及びそれに伴う中長期的な需要の変動、あるいは、当社グループ製品の装着率によっては、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、これらのリスクを最小化するため、顧客の要望を先取りし、安全性や軽量化等の付加価値を高めた製品開発や、非自動車分野での拡販に取り組んでおります。

 

(2)為替変動の影響

 当社グループは、全世界で幅広く生産、販売活動を行っていることから、当社グループの業績及び財務状況は為替相場の変動によって大きな影響を受けてきております。このため、短期的には一部先物為替予約や通貨スワップ取引等による、為替リスクヘッジを実施するとともに、中長期的には、世界各地域での原材料、部品の調達体制の整備を進めておりますが、現在のところ、リスクを完全に回避することは困難であり、為替相場の急激な変動は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)原材料の価格変動

 当社グループの製品の主要原材料である鋼材及び樹脂の購入価格は、国内及び海外の市況並びに為替相場の変動の影響を受けます。それにより予期せぬ異常な変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。近年では世界的な原材料価格の高騰や半導体の供給不足に伴う調達コストの増加等が新たな課題となっておりますが、これらに対する取り組みとして、代替材の採用や調達活動におけるグループ企業間での連携等により、リスクの最小化を図っております。

 

(4)技術革新

 自動車業界ではEV等の進展によるバイワイヤ化が進む方向にあり、今後中長期的には、自動車機能の変革、進化が予想されます。当社グループでは、このようなバイワイヤ化の動きに対応した新製品の開発・商品化に取組んでおりますが、今後の技術革新が急速に進展した場合、当社グループが新製品の分野でもコントロールケーブルと同様の高い競争力を維持できるかについては、不確実であります。

 

(5)知的財産

 当社グループは、自社が製造並びに販売する製品に関する特許及び意匠・商標を保有し、もしくは権利を取得しております。これらの知的財産は、当社の事業拡大において過去・現在・将来にわたり重要性は変わりません。この様な知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、また違法に侵害されることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)品質保証

 当社グループは品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかしながら、全ての製品に欠陥が無く将来に損失が発生しないという保証はありません。欠陥の内容によっては多額の追加コストの発生や当社グループの評価に影響を与え、それにより当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特にソフトウェアについては、クレーム費用が高額になる傾向があり、品質管理体制を向上させる必要があります。これらに対する取り組みとして、品質方針を世界各国の拠点に展開し、各グループ会社の品質管理のレベル向上に努めております。

 

 

 

(7)海外進出に存在するリスク

 当社グループは海外においても事業活動を行っており、その重要性は高まる傾向にあります。当社グループの海外展開は今後も継続していくことから、中長期的には以下のようなリスクが考えられます。

①予期しない法律または規制の変更

②不利な政治または経済要因(輸出入規制、外貨規制、税制・関税政策)

③人材の採用と確保の難しさ

④ストライキ等の労働争議

⑤テロ、戦争及びその他の要因による社会的混乱

これらに対する取り組みとして、カントリーリスクの検討を徹底し、事情に通じた現地人材の育成や適切な内部管理体制の構築を進めることで、リスクの顕在化に対応するようにしております。

 

(8)地震等の自然災害に係わる影響

 当社グループでは、生産を維持するため、計画的に工場はじめ各施設の保守、点検に努めておりますが、地震、風水害などで予想を超える災害が発生した場合には、これら施設に甚大な損害が生じ、それにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)投資有価証券の時価変動

 当社グループは、主として営業上の取引関係維持・強化のため、取引先の株式を中心に当連結会計年度末において投資有価証券を保有しておりますが、子会社株式及び関連会社株式以外の市場性を有するものについては全て時価にて評価されており、株式相場等の時価変動の影響を受けております。なお、その他有価証券について、時価又は実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復の可能性を考慮のうえ減損処理を行うこととしております。それにより当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米国の関税政策に伴う景気の下押し懸念等があり不透明な状況が続くものの、底堅く推移しております。米国では、通商政策や金利動向による不確実性は残りながらも、景気は堅調に推移しております。日本では、雇用・所得環境の改善が進む中で景気の回復傾向が緩やかに続いています。中国では、景気対策による効果があるものの経済活動は停滞がみられます。

 自動車業界におきましては、日本国内の自動車生産台数は前年同期比1.6%減の822万台、米国の自動車生産台数は前年同期比4.2%減の1,039万台、中国の自動車生産台数は前年同期比11.7%増の3,410万台となりました。

 当社グループの当連結会計年度の売上高は、主に北米・欧州における主要顧客の減産により、売上高は3,041億2千3百万円(前年同期比42億5千9百万円減、1.4%減)となりました。

 営業利益は、主に北米、中国、アジアで拠点の閉鎖、縮小を含むグローバルでの生産体制の適正化をしたこと、また北米子会社で前期に発生した一過性の生産設備のトラブルが解消したこと等の影響により、33億9千1百万円(前年同期比30億2千6百万円増、828.9%増)となりました。

 経常利益は、主に受取配当金13億3百万円、為替差益9億8千3百万円、受取利息7億4千2百万円を収益に計上したこと等により72億7千2百万円(前年同期比45億4千4百万円増、166.6%増)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の売却により投資有価証券売却益74億1千6百万円、製品保証引当金戻入額11億3千万円を特別利益に計上した一方で、スペイン子会社および韓国子会社における退職特別加算金14億4千9百万円、減損損失12億4千1百万円、製品保証引当金繰入額8億4千万円を特別損失として計上した等の影響により、84億1千9百万円(前年同期比64億4千6百万円増、326.7%増)となりました。

 設備投資は、日本国内の設備更新、中国・韓国・北米子会社の新規受注品設備投資を中心に、総額99億6千9百万円を実施いたしました。

 

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

ア.日本

 日本におきましては、パワーリフトゲートの売上増加等により、売上高は588億3千9百万円(前年同期比26億9千2百万円増、4.8%増)となりました。営業利益は、開発費用の増加、株式会社ハイレックスアクト(旧社名「三井金属アクト株式会社」)株式取得にともなう手数料等の影響により12億9千5百万円(前年同期比2億8千9百万円減、18.3%減)となりました。

イ.北米

 北米におきましては、主要顧客の減産により、売上高は1,030億2千2百万円(前年同期比16億3百万円減、1.5%減)となりました。営業損益は、米国での1工場閉鎖を含む生産キャパシティの縮小、前期に発生した一過性の生産設備のトラブルが解消したこと等の影響により3億4千9百万円の営業利益(前年同期は38億5千2百万円の営業損失)となりました。

 

 

ウ.中国

 中国におきましては、パワーリフトゲートの販売増加等の影響により、売上高は513億8千7百万円(前年同期比3億6千3百万円増、0.7%増)となりました。営業利益は、製造コストの削減、不採算の製造工場の規模縮小等の影響により、12億9千5百万円(前年同期比2億8千4百万円増、28.1%増)となりました。

エ.アジア

 アジアにおきましては、主として韓国での売上減少により、売上高は805億1千5百万円(前年同期比22億2千6百万円減、2.7%減)となりました。営業利益は、不採算の製造工場の規模縮小等による利益改善がありましたが、韓国での営業支給品価格の遡及修正等により、31億2百万円(前年同期比1億6百万円減、3.3%減)となりました。

オ.欧州

 欧州におきましては、欧州全体の自動車産業の不振により、売上高は257億2千6百万円(前年同期比33億3千2百万円減、11.5%減)となりました。営業損益は、売上減少に伴う工場の操業度の低下により、8千5百万円の営業損失(前年同期は4億4千9百万円の営業利益)となりました。

カ.南米

 南米におきましては、新規量産立ち上げによる販売増加により、売上高は30億1千4百万円(前年同期比3億7百万円増、11.4%増)となりました。営業損益は、生産拡大に伴う操業度改善効果があったものの、新製品立ち上げの一時費用等により、1億1千6百万円の営業損失(前年同期は6千4百万円の営業損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が120億2千3百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの収入が6億6千5百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの支出が68億9千2百万円となり、これらに現金及び現金同等物に係る換算差額4億1千2百万円を調整した結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度に比べ62億8百万円増加し、546億8千4百万円(前年同期比12.8%増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ2億1千万円(同1.8%)増加し、120億2千3百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益112億1千6百万円による増加及び減価償却費94億7千1百万円による増加の一方で、投資有価証券売却益74億1千6百万円による減少、法人税等の支払額25億8千7百万円による減少及び受取利息及び受取配当金20億4千6百万円による減少等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ2億1千9百万円(同49.4%)増加し、6億6千5百万円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入74億9千8百万円、定期預金の払戻による収入50億3千4百万円及び投資有価証券の償還による収入5億円の一方で、有形固定資産の取得による支出83億4千3百万円及び定期預金の預入による支出40億4千3百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ23億6千9百万円(同52.4%)増加し、68億9千2百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少による支出24億4千2百万円、配当金の支払額16億1千4百万円及び自己株式の取得による支出15億円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日)

前年同期比(%)

日本 (百万円)

51,773

103.0

北米 (百万円)

93,505

99.3

中国 (百万円)

47,682

99.6

アジア(百万円)

77,533

96.2

欧州 (百万円)

25,580

90.1

南米 (百万円)

2,622

118.8

合計(百万円)

298,696

98.4

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

b.受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は主として自動車部品業界で活動し、取引先である自動車業界、大手の自動車メーカーの生産ラインに同調して、製品の製造・販売を行っております。大手自動車メーカーより約3ヶ月前後の予約的発注指示を受け、その発注量の確定指示は、平均すると1ヶ月であります。また、グループでの生産効率を高めるため、長期受注予測に基づき一部見込み生産を行っております。

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

日本

53,672

105.0

5,170

102.5

北米

103,242

98.5

7,330

103.6

中国

48,735

102.6

8,612

109.9

アジア

70,724

95.0

4,238

94.7

欧州

25,531

88.6

1,428

92.3

南米

3,079

117.3

245

136.5

合計

304,986

98.6

27,026

103.3

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日)

前年同期比(%)

日本 (百万円)

53,546

105.6

北米 (百万円)

102,987

98.6

中国 (百万円)

47,960

101.0

アジア(百万円)

70,962

95.8

欧州 (百万円)

25,650

88.6

南米 (百万円)

3,014

111.4

合計(百万円)

304,123

98.6

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2023年11月1日

至 2024年10月31日)

当連結会計年度

(自 2024年11月1日

至 2025年10月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

起亜株式会社

35,251

11.4

36,674

12.1

現代自動車株式会社

36,258

11.8

34,699

11.4

トヨタ自動車株式会社

32,445

10.5

34,525

11.4

Stellantis N.V.

35,765

11.6

31,627

10.4

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

ア.財政状態の分析

資産

 当連結会計年度末における流動資産は1,565億5千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ98億9千4百万円増加いたしました。これは主に有価証券が22億2千8百万円減少した一方で、現金及び預金が74億9千1百万円、原材料及び貯蔵品が14億1百万円、売掛金が11億4千6百万円、それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は1,204億4千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ31億5千5百万円減少いたしました。これは主に投資有価証券が18億8千7百万円、有形固定資産が10億3千万円それぞれ減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は、2,769億9千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億3千6百万円増加いたしました。

負債

 当連結会計年度末における流動負債は722億3千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億4千7百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が24億6千3百万円、流動負債の「その他」が13億7千3百万円それぞれ増加した一方で、短期借入金が19億1千2百万円減少したことによるものであります。固定負債は130億6千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億1千6百万円減少いたしました。これは主に繰延税金負債が25億2千7百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、853億4百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億6千9百万円減少いたしました。

純資産

 当連結会計年度末における純資産合計は1,916億9千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ71億5百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が69億2千3百万円、為替換算調整勘定が18億2千7百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が8億2千6百万円減少したことによるものであります。

イ.経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が前連結会計年度に比べ1.4%減少の3,041億2千3百万円、経常利益が166.6%増加の72億7千2百万円、親会社株主に帰属する当期純損益は84億1千9百万円の親会社株主に帰属する当期純利益(前年同期比64億4千6百万円増、326.7%増)となりました。

 以下、連結損益計算書に重要な影響を与えた要因について分析いたします。

売上高

 当連結会計年度の売上高は3,041億2千3百万円でありますが、グループ全体の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。これを事業の部門別に見ますと、コントロールケーブルは北米・欧州を中心に減少し、前連結会計年度に比べ11.1%減少の685億7千2百万円となりました。ウインドレギュレータは、北米・日本・中国などで増加し、6.7%増加の927億1千7百万円となり、ドアモジュールは北米・欧州を中心に減少し、5.8%減少の758億9百万円となりました。ドアラッチは、北米・中国で増加し、5.6%増加の277億7千6百万円となりました。パワーリフトゲートは、中国・日本などで増加し、7.8%増加の243億2千4百万円となり、その他部門は中国で減少し、0.8%減少の149億2千2百万円となりました。

営業損益

 当連結会計年度の営業損益は、拠点の閉鎖、縮小を含むグローバルでの生産体制の適正化、北米子会社で前期に発生した一過性の生産設備のトラブルの解消の影響等により、前連結会計年度に比べ828.9%増加の33億9千1百万円の営業利益となりました。

営業外損益

 当連結会計年度の営業外損益は、主として受取配当金13億3百万円(前連結会計年度は10億4千万円の受取配当金)、為替差益9億8千3百万円(前連結会計年度は3億6千1百万円の為替差損)、受取利息7億4千2百万円(前連結会計年度は9億1千7百万円の受取利息)となったことにより、前連結会計年度(23億6千2百万円の利益(純額))に比べ増加し38億8千万円の利益(純額)となりました。

特別損益

 当連結会計年度の特別損益は、政策保有株式の売却により投資有価証券売却益74億1千6百万円、製品保証引当金戻入額11億3千万円を特別利益に計上した一方で、スペイン子会社および韓国子会社における退職特別加算金14億4千9百万円、減損損失12億4千1百万円、製品保証引当金繰入額8億4千万円を特別損失として計上した等の影響により、前連結会計年度の30億5千1百万円の利益(純額)に比べ増加し39億4千3百万円の利益(純額)となりました。

ウ.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について

 当社グループにおける経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、社業の健全性を示す「自己資本」並びに「営業利益」、株主の皆様にとっての収益性を示す「ROE(自己資本利益率)」と配当の原資となる「親会社株主に帰属する当期純利益」を定めております。

 当連結会計年度において、「ROE(自己資本利益率)」は、4.9%(前連結会計年度は1.1%)となりました。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

 その他の指標等についての分析・検討内容は、「自己資本」については前項「ア.財政状態の分析 純資産」に記載のとおりであり、「営業利益」並びに「親会社株主に帰属する当期純利益」については、前項「イ.経営成績の分析」に記載のとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金及び設備投資資金は、主に自己資金を充当しております。資金については、当社においては金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、また一部の海外子会社については、資金需要への機動的な対応を目的とし、当社による債務保証を実施した上で、金融機関からの借入を行っております。これらの方策により、必要とされる資金水準を満たす十分な流動性を保持していると考えております。今後の重要な資本的支出の予定及びその資金の調達につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設」に記載のとおりであります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

 当社は、三井金属アクト株式会社の株式を取得することに関する株式譲渡契約を締結し、同社の全株式を取得いたしました。

 詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、エンジニアリング会社としてさらに研究開発体制の強化拡充を図り、環境、安全をキーワードに多様なユーザーニーズに対応し、自動車分野のみならず医療・住宅関連機器等の非自動車分野に永年にわたって培った技術を応用すべく活動しております。

 当社グループの研究開発は、主に日本、北米、中国、アジア、欧州の研究開発拠点において、新素材、新技術、新製品の開発を中心に行っております。なお、当連結会計年度における研究開発費は、総額で4,630百万円であります。

 

ア.日本

 日本における製品開発活動は、システム製品開発グループ、電子制御センター、宇都宮技術センター、ドアシステム開発グループ、ケーブル・システム設計グループが担当し、グローバル車種を含めた自動車関連製品の先行開発および量産開発を行っております。また、新素材・新工法の開発につきましては、研究開発室が継続的に研究を進めております。医療関連製品・機器につきましては、医療機器事業部が担当し、同様の開発を行っております。さらに産業機器、住宅関連ならびに福祉関連などの製品につきましては、産業機器事業部が開発担当しております。

 既存製品群につきましては、策定した長期戦略に基づき新製品・新技術の開発を進めてまいります。

 当社のDNAであるケーブルに関しましては、標準化に伴うモノづくりの深化と進化を遂げ、お客様に価値を届ける製品の開発を進めております。

 また、ウィンドレギュレータに関しましては、クルマの生産方法の進化と将来の要請に対応したモジュール化・パッケージ化した製品の開発を進めております。

 さらに、システム製品に関しましては、クルマを取り巻く環境の目まぐるしい変化に追従し、かつ頭脳にあたるECUも組合せたシステム全体を提案・開発・生産を担える「システム・サプライヤー」へと変革し、その地位を確固たるものとすべく新製品の開発を進めてまいります。

 医療機器につきましては、消化器(胃・大腸)がん治療後の粘膜を閉鎖し回復を促す新規治療機器について良医療機器として薬事承認を取得し近日発売の予定をしております。海外展開に関しましては、マイクロカテーテル3種、ガイドワイヤ1種をマレーシアへの販売に向けた活動を行っています。

 株式会社サンメディカル技術研究所の補助人工心臓に関しましては、次世代小型人工心臓の薬事データ取得を間もなく完了させ、米国治験に投入してまいります。また次々世代機についてもコンセプトを固め本格的な開発を進めてまいります。

 日本における研究開発費は1,168百万円であります。

 

 

イ.北米

 北米におきましては、HI-LEX CONTROLS INC.のオートモーティブセンターが担当し、主に北米の自動車関連業界の顧客を対象として、新技術、新製品の開発を行っております。

 北米における研究開発費は638百万円であります。

 

ウ.中国

 中国におきましては、重慶海徳世拉索系統集団有限公司が、主に中国の自動車関連業界の顧客を対象として、新技術、新製品の開発を行っております。

 中国における研究開発費は1,417百万円であります。

 

エ.アジア

 アジアにおきましては、大同ハイレックス株式会社及び大同ドア株式会社が、主に自動車関連のドアモジュール製品を中心としたシステム製品の新技術、新製品の開発を行っております。

 アジアにおける研究開発費は1,158百万円であります。

 

オ.欧州

 欧州におきましては、HI-LEX EUROPE GMBHが、主に欧州の自動車関連業界の顧客を対象として、新技術、新製品の開発を行っております。

 欧州における研究開発費は247百万円であります。