(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念IDentityのもと、お客さまのニーズにあった付加価値の高い情報サービスを提供し、情報化社会に貢献することを経営の基本方針としています。「私たちはWaku-Wakuする未来創りに参加します」というミッションの実現に向けて、努めていきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略
<経営環境・経営戦略等>
昨今における労働人口の減少を背景に、AIをはじめとした先端ITの利活用による自動化、省人化がトレンドとなっています。また、企業を標的としたサイバー攻撃がますます激化しており、事業継続の要件としてセキュリティ対策の整備も急務となっています。
情報サービス業界では、それらにかかわるメソッドを製品・サービスとして提供する側面もあり、顧客からの投資は今後も拡大していく見込です。
当社グループは、ITコンサルティング、ITインフラ、アプリケーション開発、サイバーセキュリティ、システムマネジメントの5つのサービスを顧客ニーズに合わせて柔軟に提供しています。とくにシステムマネジメント分野においては、他社にない大規模かつ高品質なサービスを実現し、高い顧客満足度を獲得してきました。また、金融、公共、製造業など多岐にわたる業界のお客様との直接契約が6割以上を占めており、お客様のITシステムを長期にわたってサポートし続けることで、豊富な知識と経験を蓄えてきました。
当社グループはこれらの事業の強みを活かし、継続的な人材確保と育成、さらなるサービス価値向上に取り組んでいきます。
<中期経営計画について>
当社グループは、2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ "JUMP!!!"」を策定し、戦略テーマとして「高収益モデルへのシフト」と「カルチャーの革新」の2つを軸に、サービスポートフォリオ戦略、顧客接点の確立、人的資本投資戦略をはじめとした6つの重点戦略を推進します。
中期経営計画の最終年度である2028年3月期の売上高は440億円、営業利益57億円、営業利益率13.0%を目標に設定しました。人材不足の加速や、技術進歩により業界の在り方が変化するなかで、当社の事業を担う「人材」の価値をこれまで以上に高め、収益力・成長性の高いビジネスモデルへの変革を図ります。
(中期経営計画の概要図)
具体的には、以下の6つの重点戦略を掲げ、各施策に取り組んでいきます。
① サービスポートフォリオ戦略
デジタルシフトの加速にともなって市場拡大が見込まれるコンサルティング、ITインフラ、サイバーセキュリティの3事業を注力領域と位置付け、より付加価値の高いサービスを提供して事業拡大を目指します。また、ITの民主化や自動化トレンドにともなう市場成長の鈍化予測のなかで、アプリケーション開発とシステムマネジメントの2事業を基盤領域と定め、選択と集中による高収益案件の獲得、利益率向上を図ります。
AIなどの技術的な進化にともなって縮小していく見込みの下流工程から上流工程への人材シフト施策として、基盤領域から注力領域への人材のアップスキルを進めます。これにより質と量の両面で強化された人材ポートフォリオを構築し、高収益モデルの実現を目指します。
サービスの付加価値を高め、事業を拡大していくためには、案件の規模や技術分野に応じたビジネスパートナーとの協業が重要になります。当社グループは、コアパートナーの認定強化や相助型の人材育成による生産体制の構築をつうじ、ビジネスパートナーとともに成長できる関係性を築きます。
国内外に多数のサービス拠点を保有する当社グループの強みを活かし、ニアショアおよびオフショア体制を強化します。特に案件受注の多い東京と中部から各拠点への発注を推進し、営業拠点に拠らないサービス提供体制を構築します。
お客さまの業務や当社グループのサービスプロセスにおけるAIの活用推進や、システムマネジメントをバーチャル空間で実現するID-VROPでの次世代システム運用の浸透、ブロックチェーンをはじめとした特許技術の活用拡大など、これまで手掛けてきた先端技術の研究開発にも継続して取り組み、ビジネスの新規創出と進化による企業競争力の向上を目指します。
② 顧客接点の確立
ITサービスに対する顧客ニーズは多様化・高度化し、常に付加価値の高いサービスが要求されています。さらに、急速な市場の変化に対応するためには、技術トレンドを捉え、柔軟に対応することが求められます。当社グループは、プロアクティブで横断的な営業アプローチを実現するマーケティング&ビジネス機能を新設しました。これにより、顧客の多様な課題に迅速かつ的確に対応できる中長期的なIT戦略パートナーとして、受注規模の拡大を図り、収益性の向上を目指します。
③ 人的資本投資戦略
当社グループは、プロフェッショナル人材が輝く企業を目指し、社員の「なりたい」「やりたい」を実現するための環境を提供します。社員の長期キャリアビジョンに沿った機会の提供や、実現するための創造力と変革力の強化を支援し、自律思考を促進する文化を醸成します。また、多様性と人権を尊重する組織の構築や、時間外労働の削減、有給休暇の取得率向上を図ることで、社員エンゲージメントの向上を実現します。
④ M&A戦略
中長期目標に掲げる収益性の向上に資するため、特に注力領域とのシナジーが高い企業を対象に、M&Aおよび資本業務提携を積極的に推進します。
対象企業は人材確保、技術・ライセンスの獲得、顧客開拓の3つの観点を重視します。コンサルタントやプロジェクトマネージャー人材の即戦力確保により、事業の成長を加速させます。技術やライセンスを獲得することで、既存事業とも組み合わせて新たなソリューションを提供することができます。より多角的な優良顧客の開拓は、収益基盤のさらなる安定化を実現します。
⑤ グローバル戦略
当社グループにおけるグローバル拠点について、既存のオフショア活用のみならず、日系企業の海外拠点サポートにも注力していきます。今後、海外市場はさらなる拡大を見込めており、多くの日系企業が進出するものと予想されます。当社グループはそれら日系企業を顧客ターゲットに定め、その海外進出の現地ITサポートを目指します。また、その実現に向けて国内外におけるグローバル人材の採用と育成を推進します。
⑥ 資本コストと株価を意識した経営
当社は過去10年間にわたり、ROE(自己資本利益率)とROIC(投下資本利益率)の改善に努めてきました。
今後も持続的に株主資本コストを上回るROEと、WACC(加重平均資本コスト)を上回るROICの実現を目指します。また、経営資源の戦略的な配分を行い、人的資本投資、研究開発投資、M&A投資などを推進し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ります。
(1)サステナビリティ全般
当社グループは、持続可能な社会の実現とWaku-Wakuする未来創りに向けて、事業活動を通じた社会課題の解決に積極的に取り組んでいます。
解決すべき社会課題については、グループの経営資源を投入し、事業活動を通して環境価値・社会価値・経済価値の創出につなげ、企業価値を向上するという好循環を目指しています(価値創造エコシステム)。
① ガバナンス
当社は、サステナビリティ経営をグループ全社で横断的に推進するため、気候変動や人的資本を含むサステナビリティ課題に関する具体的な施策について積極的に議論・検討する体制を構築しています。
サステナビリティ関連の会議体における役割は以下の通りです。
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会議体 |
開催頻度 |
役割 |
責任者 |
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取締役会 |
14回/年 |
取締役会は、業務遂行に関して付議、決議を行う機関であり、サステナビリティ委員会で協議された内容の報告を受け、当社グループのサステナビリティ課題への対応方針および実行計画等についての議論・監督を行います。 |
代表取締役社長 (議長) |
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サステナビリティ 委員会 |
3回/年 |
代表取締役社長兼グループ最高経営責任者をはじめとする委員会メンバーにより構成され、当社グループのサステナビリティ課題に対する議論や取組み施策の検討、実行計画の策定と進捗のモニタリングを行っています。 |
サステナビリティ 担当役員 |
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グループ経営会議 |
1回/月 |
グループ経営会議では、サステナビリティのリスク課題に対し、基本方針に沿った推進のための実行策について決定しています。 |
代表取締役社長 |
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グループリスク 管理委員会 |
2回/年 |
グループリスク管理委員会では、サステナビリティにおける重要課題(マテリアリティ)を含め、グループ全体のリスク事象の洗い出しと対策について議論・検証を行い、取締役会に報告しています。 |
代表取締役社長 |
② 戦略
<重要課題(マテリアリティ)>
社会課題やメガトレンドのなかでも優先的に取り組む重要課題(マテリアリティ)を以下のとおり特定し、「価値創造エコシステム」の循環サイクルにのせ課題解決を図っていきます。また、重要課題(マテリアリティ)は、当社グループのリスク事象の洗い出しと対策に基づき、毎年見直しを図っています。重要課題(マテリアリティ)は以下のとおりです。
・人材育成
・サイバー攻撃の脅威
・法令遵守
・個人情報保護
・公正な取引
・テクノロジーの進化
・労働力不足
・人権尊重
・ダイバーシティ
・労働慣行/健康経営
・地域創生
・グローバル化の加速
・気候変動 地球環境問題
<人的資本>
当社グループは、2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ "JUMP!!!"」を策定し、人的資本投資戦略を重点戦略の一つに掲げています。
プロフェッショナル人材が輝く企業を目指し、社員の「なりたい」「やりたい」を実現するための環境、社員の長期キャリアビジョンに沿った機会の提供や実現するための創造力と変革力の強化を支援し、自律思考を促進する文化を醸成します。
また、多様性と人権を尊重する組織を構築し、さらに、社員が心身ともに健康で、活き活きと輝き、能力を最大限発揮できるよう、健康経営を推進しています。経営トップ自らのメッセージ発信をはじめ、健康推進プロジェクトを発足し、健康経営セミナーの開催や保健師によるヘルスサポートの実施、ウォーキングイベントの開催など、様々な取り組みを行っています。また、社員の柔軟な働き方を支援し、時間外労働の削減や有給休暇の取得率向上を図ることで、社員エンゲージメントの向上を実現します。経済産業省の「健康経営優良法人(大規模法人部門)」には6年連続で認定され、2025年には5回目となる「ホワイト500」を取得しています。
当社グループの『人材育成方針』および『社内環境整備方針』は以下のとおりです。
『人材育成方針』
IDグループは、「人」こそが企業の競争力を高め、持続的成長をもたらすものであり、会社の重要な財産であると考えます。
事業を通じて社会課題を解決するために、お客さまから信頼される卓越した技術力と人間力を兼ね揃えた、未知への挑戦を続ける人材の育成を目指しています。
『社内環境整備方針』
多様性を尊重する企業文化のもと、一人ひとりの個性や能力が最大限に発揮できる制度や職場環境を整備し、ワークライフバランスの推進と自律的なキャリア形成支援により、社員のワークエンゲージメントの向上を実現します。
③ リスク管理
環境や社会、人権に関わるあらゆるリスクは、企業の持続可能性や中長期的な企業価値に多大なる影響を与えることを認識しており、リスク管理はきわめて重要な施策であると考えています。
当社の代表取締役社長を委員長とするグループリスク管理委員会においてサステナビリティ委員会で策定した重要課題(マテリアリティ)を含め、グループ全体のリスク事象の識別・評価・管理を実施し、取締役会に報告しています。
想定されるリスクを「経営・財務リスク」、「人事・労務・社会全般リスク」、「事業部門リスク」の3つに分類し、それぞれ検討小委員会を設置、リスクの洗い出しと対策の立案を行ったうえで、グループリスク管理委員会がその内容について議論、検証を行っており、リスク事象は年1回見直しを図っています。
万が一リスクが発生した場合には、「IDグループ非常事態対応規程」に定めた緊急対策本部を設置し、迅速に事態の的確な対応を行います。
④ 指標及び目標
当社グループは、国籍、性別を問わず、さまざまな経験や価値観を持つ人材の採用を積極的に行い、多様性のある組織作りを推進しています。また、サステナビリティ関連の指標を明確化し、確実な進捗管理を実施しています。
人材育成および社内環境整備に関する方針における指標並びに当該指標を用いた目標・実績につきましては以下のとおりです。
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指標 |
目標 |
2023年3月期末 |
2024年3月期末 |
2025年3月期末 |
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1,567 |
1,632 |
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23.0 |
23.5 |
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16.3 |
14.3 |
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法定雇用率を維持 (6月1日基準) |
2.48(2.30※) |
2.35(2.30※) |
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※障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく法定雇用率
対象会社となる当社グループの範囲等の詳細は、当社HP「サステナビリティ 数字で見るIDグループ」をご参照ください。
(https://www.idnet-hd.co.jp/sustainability/numbers.html)
(2)気候変動への取組について
当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言への賛同を表明し、同提言に賛同する企業や金融機関等からなるTCFDコンソーシアムへ参画しています。重要なマテリアリティとした、気候変動・脱炭素への要請の高まりへの対策をTCFDの枠組みに沿って対応します。
気候変動は集中豪雨、大型台風などの自然災害を激甚化・頻発化させ、当社グループの事業継続に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動の緩和のためのカーボンニュートラル実現に向けて、炭素税等の規制が強化される可能性があります。一方、カーボンニュートラル実現に向けた、環境負荷低減に寄与する製品やITソリューションへのニーズ拡大が期待されます。
そのため、当社グループでは、ITソリューション・サービスの提供を通じて、社会全体の環境負荷低減を促進し、社会全体のカーボンニュートラル実現支援に務めています。また、本社においては環境マネジメントシステム(EMS)を構築し、ISO14001の認証を取得しています。
①ガバナンス
サステナビリティ委員会において、気候変動が当社グループにもたらすリスクや機会を分析し、環境課題に対する実行計画の策定と進捗のモニタリングを行っています。さらに取締役会は、サステナビリティ委員会で協議された内容の報告を受け、環境課題への対応方針および実行計画についての論議・監督を行っています。
②戦略
気候変動を事業機会ととらえ、省エネルギー性能に優れた製品やITソリューション・サービスの提供により、お客さまの環境負荷低減を図ります。またリスク対策として、オフィス等における省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの活用、BCP(事業継続計画)の定期的な見直しなどを実施しています。
③リスク管理
気候変動は、集中豪雨や大型台風などの自然災害を激甚化・頻発化させ、経営成績および財政状態に影響をおよぼす可能性があります。一方で、カーボンニュートラル実現に向けた、環境負荷低減に寄与する製品やITソリューションへのニーズ拡大が期待されます。当社グループは、ITソリューション・サービスの提供を通じて、社会全体の環境負荷低減を促進し、社会全体のカーボンニュートラルの実現を支援することに努めています。
当社の代表取締役社長を委員長とするグループリスク管理委員会において、気候変動関連を含むグループ全体のリスク事象の識別・評価・管理を実施し、その結果を取締役会に報告しています。
④指標及び目標
サステナビリティにおけるマテリアリティ(重要課題)として、気候変動の進行と脱炭素への要請の高まりを挙げ、以下のとおり具体的目標を掲げています。
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項目 |
実績 |
目標 |
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2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
2030年度 |
2050年度 |
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温室効果ガス (GHG)排出量 (単位:t-CO2) |
SCOPE1(※1) |
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2020年度比 30%削減 (SCOPE 1、2) |
ネット ゼロ(SCOPE1、2) |
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SCOPE2(※2) |
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合計 |
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※算定の対象:本社
(※1)SCOPE1:自社による温室効果ガスの直接排出量
(※2)SCOPE2:他社から供給された電気の使用による間接排出量であり、再生可能エネルギーの導入により
2023年度以降の排出量はゼロとなっています。
(1)リスク管理体制
当社グループは、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるあらゆるリスクを的確に把握し、経営への影響を低減していくために、取締役会の諮問機関としてグループリスク管理委員会を設置しています。想定される各リスクを3つの主要リスク(経営・財務リスク、人事・労務・社会全般リスク、事業部門リスク)に分類、グループリスク検討小委員会(以下、「小委員会」)を設置し、リスクの洗い出しと対策の立案を行ったうえで、グループリスク管理委員会がその内容について議論、検証を行っています。
<リスク管理体制図>
(2)リスク管理手法
また、リスクの洗い出しと対策の立案については、以下の要領で実施しています。
①生成AIにより当社グループのリスク事象を抽出し、それを参考にリスクシナリオ(リスク事象が顕在化した場合の内容)を策定する。
②リスクシナリオに基づき、そのリスクが当社グループに与える影響を測定、評価する。
③評価の結果、重要度の高いリスク事象について、リスク管理策およびリスク管理計画を策定する。
④リスク管理策および管理計画の実績、進捗を確認、評価し、PDCAサイクルを構築する。
(3)重要なリスク
当社グループの事業業績、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 市場環境の変化について
社会課題である人材不足に対応するための業務効率化や、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連のIT投資ニーズが堅調です。また、クラウドサービスや生成AI技術の進展により、国内でのデータセンター建設が加速していくと見られます。またサイバー攻撃が高度化するなど、セキュリティリスクも増大しています。
その中で先端技術を活用した高付加価値分野への対応の遅れによる受注機会の逸失や競合他社に対する競争力の低下、また社会や経済情勢の変動による顧客企業のIT投資意欲の減退により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況のなか、2025年4月1日に事業会社を統合し、グループ全体でのサービス提供の実現とシナジーの創出を図り、市場環境変化に対応しています。
また当社グループは2026年3月期を初年度とする3か年の中期経営計画「Next 50 Episode Ⅲ “JUMP!!!”」を策定しました。人材不足の加速や、技術進歩により業界の在り方が変化するなかで、当社の事業を担う「人材」の価値をこれまで以上に高め、収益力・成長性の高いビジネスモデルへの変革を図ります。
② 企業買収について
当社グループは、M&Aによる事業の拡大を経営戦略のひとつとしています。しかしながら、市場環境の変化や不測の事態により、事業が計画どおりに進まない場合や、当初予定していた効果を得ることができない場合に、のれんの減損処理や関係会社株式の評価損を行う必要が生じる等、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、それらを実施する場合には、対象企業の財務や税務、法務等について会計士や弁護士等の専門家によるデューディリジェンスを行うことにより、事前にリスクを回避するように努めています。また、実施後は出資先の取締役会等への陪席、または決算資料等の精査により、経営状況を定期的にモニタリングし、当社グループの経営成績および財政状態への影響の把握に努めています。
③ グローバル事業について
当社グループは、事業戦略の一環として、中国、シンガポール、ミャンマー、米国、ヨーロッパを中心にグローバル事業を推進しています。しかしながら、グローバル経済や為替等の動向、取引をめぐる法規制、商習慣の違い、政治的・社会的変動等のさまざまな要因が、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
各海外拠点の経営状況や外部環境の変化等については、グローバル統括部が中心となって適宜把握するとともに、個別のリスク事象についてはグループリスク管理委員会において内容の把握や状況確認、対策の進捗確認や効果検証を行い、リスク低減に取り組みます。
なお、ミャンマーに関しては、不安定な政治情勢が長期化していることから、2023年3月31日をもって営業を終了いたしましたが、当社グループの業績に与える影響は軽微です。
④ 人材確保について
当社グループは、最新技術への対応と顧客満足度向上のため、優秀な人材の確保と育成を重要視しています。人材の確保・育成が不十分な場合や、事業変革に伴うニーズに合った人材の補充ができない場合、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
国内外での新卒・中途採用を通じて付加価値の高い人材を確保し、入社後はテクニカルスキル・ヒューマンスキルトレーニングを継続的に実施しています。また、顧客ニーズの変化に対応するため、アップスキルのための人的資本投資も積極的に行っていきます。このような「キャリア啓発」をはじめ、自律志向の社員集団となりえる「企業文化」の醸成や「健康経営」を通じて、社員エンゲージメントの向上に注力することで、「お客さま満足度の向上」「生産性向上」に繋げ、それらがさらに「企業価値の向上」を実現する好循環を生み出すことを目指しています。
⑤ 情報管理について
当社グループは、常に情報セキュリティの維持・向上を図り、お客さまに満足いただけるサービスの提供に努力しますが、万が一、不正アクセスや重大なエラー等により、取引に関する情報の紛失、改ざん、漏えい等を発生させた場合には、当社グループの信用は失墜し、経営成績および財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、個人情報をはじめとする情報資産を適切に取り扱うため「情報管理基本方針」、「プライバシーポリシー」等各種規程を整備しており、2022年4月施行の改正個人情報保護法にも対応済です。
また、情報管理全般について組織横断的な対応、協議を行うため、情報管理統括責任者を中心とした管理体制を整備するとともに、サイバーセキュリティにかかる専門チーム(CSIRT)が中心となり各種セキュリティ対策の強化とインシデント発生時の対策に取り組んでいます。
社員に対しては、定期的なサイバー攻撃対応演習の実施、法令に対応した規程改訂に関する教育を行い、コンプライアンス意識のさらなる向上に努めています。さらに、PマークおよびISO27001の認証を取得し、維持・継続しています。
⑥ サステナビリティについて
(a)気候変動について
近年、世界的な気候変動により、地震・台風・洪水といった大規模な自然災害の発生頻度や影響度が高まっており、その対策として、企業に対する温室効果ガスの排出量削減に向けた取組みや、再生可能エネルギーの導入など「脱炭素社会」の実現に向けた対応が求められています。
このような中、気候変動にたいする対応が不十分な場合、お取引先企業をはじめとする様々なステークホルダーからの評価の低下や事業機会の逸失など、当社グループの経営成績や財政状態に影響を生じる可能性があります。このため、当社グループでは気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、TCFD)へ賛同やISO14001の認証取得により、環境に配慮した事業活動を推進しています。また、その取組みについては、一部ホームページで開示をしています。
(b)人権について
近年、国際的な人権基準の強化をはじめ、人権尊重への取組みが一層強く求められています。
このような中、人権尊重にたいする対応が不十分であることは、お取引先企業をはじめとする様々なステークホルダーからの評価の低下、事業機会の逸失、職場環境の悪化や社員の士気の低迷など、当社グループの経営成績や財政状態に影響を生じる可能性があります。
このため、当社グループでは、人権に関する国際規範を尊重・支持し、『IDグループ人権方針』を定め、社員が事業活動において参照すべき行動を明確に示すとともに、規範遵守の企業風土の醸成を図っています。また、当社グループの業務に関わるビジネスパートナーに対しても、研修等をつうじ『IDグループ人権方針』の周知および遵守への働きかけを行うことで、人権に配慮した事業活動に努めています。
⑦自然災害・紛争・テロ・パンデミックレベルの感染症等について
地震・台風・洪水といった大規模な自然災害に関連するリスクは年々高まる中、世界各地で発生する紛争・テロやパンデミックレベルでの感染症等による被害は完全に回避できるものではなく、想定規模を超える被害発生時には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、様々なイレギュラー事象が発生し、業務遂行が阻害されるような場合であっても、その影響を最小限に抑えるべく、危機管理マニュアルおよび業務継続計画(BCP)を制定しています。また、山陰BPOセンターに本社業務を一部移管しており、一極集中によるリスクの低減を図るとともに、テレワークをはじめとする働き方の多様化も引続き進めていきます。今後も食料・衛生用品の備蓄、各種マニュアルの見直しや安否確認システムを活用した定期的訓練の実施により、業務継続性確保に努めていきます。
⑧ ソフトウェア開発およびITインフラ業務遂行について
当社グループにおけるソフトウェア開発およびITインフラ業務の売上比率は、当連結会計年度46.1%を占めています。高度化、複雑化、短納期化する当業務においては、開発途中での要件変更、品質の低下、納期遅延等の問題が発生した場合、プロジェクト完遂のための追加費用発生や損害賠償によって採算が悪化し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これらのリスクをヘッジするために、ISO9001に準拠した品質マネジメントシステムを導入しています。新規大型案件の引合いを受けた際には受注検討会を開催し、取引方針、採算性、要員体制、技術対応力、技術蓄積の可能性等について経営的判断に基づく検討を行います。また、品質管理部門が各プロジェクトの提案、見積段階から納品に至るまでのプロセスをとおしたリスク分析・管理を実施し、プロジェクト遂行中のQCD(品質、コスト、納期)状況を定期的にレビューすることで、早期の異常検知につなげ、不採算案件の発生防止に努めています。
また、今後増加が期待される複数のサービス部門にまたがる部門横断型プロジェクトや一括受託型の大型案件に対応するべく、社内のプロジェクト管理方法の見直しや管理会計等の社内システム改革に取り組み、タイムリーかつ正確なプロジェクト管理を実現します。
⑨ システムマネジメント業務遂行について
当社グループにおけるシステムマネジメントの売上比率は当連結会計年度41.6%を占めています。システムマネジメント業務において、誤操作等によるシステム障害や情報提供の遅延等を発生させる可能性は、皆無ではありません。大規模なシステム障害等を発生させた場合、損害賠償に発展することによって、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、このような障害を未然に防止するため、「影響度の高い業務の再鑑体制徹底」、「ツールによる自動化推進」等を実施しています。また、品質管理部門を設け、「障害の未然防止研修」「障害要因分析・フィードバック」「現場立ち入り検査」等を企画実施しています。さらにISO9001認証を取得し、品質向上に向けた継続的改善を図っており、大規模なシステム障害は発生していません。
さらに、当社グループのコアビジネスであるシステムマネジメント業務は、DXが推進され、既存システムに対する保守費の削減、自動化、パブリッククラウドの利用、主要顧客に次世代システムへの移行やセンター集約も進み、大きな転換期を迎えており、従来の単純なオペレーション業務に限れば、規模が縮小する可能性があります。
当社グループは、システムマネジメント業務の将来性を鑑みた業務の付加価値を高めるオペレーションの自動化や遠地でのリモート運用支援による効率化、自社開発したバーチャルなシステムオペレーションセンター(ID-VROP)の活用による多拠点運用など次世代型運用サービスを積極的に推進します。
⑩ パートナー会社からの要員調達について
当社グループは、案件ニーズにマッチした人材の調達、および受注量増減に対して機動的に対応するため、パートナー会社からの要員調達についても積極的に進めています。しかしながら、市場の変化により計画を大きく超える受注量の増減が急激に起きた場合には要員調達の不調、または、要員リリースがタイムリーに行えないことによって、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、パートナー会社に対し定期的にパートナー会や勉強会を実施することにより、事業方針や案件情報、トラブル事例共有等の情報交換を密にし、コアパートナー会社との協力関係をさらに深め、一括案件受注体力があり品質管理が期待できる協業体制を構築し、品質の向上と要員の調達力向上に努めています。
また、今後さらに需要が増加していくITインフラやサイバーセキュリティなど高度IT技術分野においては、当社グループの施策と人材育成方針等の情報を開示し、当社社員の育成とあわせてパートナー会社の技術者育成を支援することによって、高度技術人材の確保に努めています。
業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度における国内景気については、一部に足踏みが残るものの、雇用・所得環境の改善など緩やかな回復基調が継続しています。一方で、米国の今後の政策動向による影響のほか、物価上昇、国際情勢、金融資本市場の変動などが国内景気の後退リスクとして懸念され、今後の見通しは依然不透明な状況です。
当社グループが属する情報サービス業界では、社会課題である人材不足に対応するための業務効率化や、ビジネスモデルの変革を目指したデジタルトランスフォーメーション(DX)関連のIT投資ニーズが堅調です。また、クラウドサービスや生成AI技術の進展により、国内でのデータセンター建設が加速していくと見られます。一方、企業のDX推進やIoTの普及に比例してサイバー攻撃が高度化するなど、セキュリティリスクも増大しており、その対策に関する投資意欲も高まっています。
このような環境のなか、当社グループは収益性の高い高度運用・ITインフラ領域への経営資源の戦略的投入や受注単価の見直しなどを実施しました。その結果、ITインフラをはじめとしたすべてのサービスが堅調に推移し、売上高は362億74百万円(前年同期比11.0%増)となりました。
収益面においては、従業員への還元や、人材育成・確保のための戦略的投資の増加を図りつつ、売上高の増加や利益率の高いDX関連ビジネスの拡大などにより、営業利益は37億80百万円(同36.5%増)、経常利益は38億62百万円(同35.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は23億89百万円(同34.5%増)を実現しました。EBITDAは、43億90百万円(同28.3%増)となりました。
これにより、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は4期連続で増収増益となり、いずれも過去最高を更新しました。
当社の事業セグメントは単一セグメントであり、サービスごとの業績を以下のとおり記載しています。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比 |
||
|
増減額 |
増減率(%) |
||||
|
システムマネジメ ント |
売上高 |
14,593 |
15,102 |
508 |
3.5 |
|
売上総利益 |
3,226 |
3,608 |
382 |
11.8 |
|
|
売上総利益率 |
22.1% |
23.9% |
1.8P |
― |
|
|
ソフトウェア開発 |
売上高 |
11,573 |
12,481 |
908 |
7.8 |
|
売上総利益 |
2,117 |
2,517 |
400 |
18.9 |
|
|
売上総利益率 |
18.3% |
20.2% |
1.9P |
― |
|
|
ITインフラ |
売上高 |
2,862 |
4,224 |
1,362 |
47.6 |
|
売上総利益 |
796 |
1,279 |
483 |
60.6 |
|
|
売上総利益率 |
27.8% |
30.3% |
2.5P |
― |
|
|
サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育 |
売上高 |
3,319 |
3,994 |
675 |
20.4 |
|
売上総利益 |
960 |
1,271 |
310 |
32.3 |
|
|
売上総利益率 |
28.9% |
31.8% |
2.9P |
― |
|
|
その他 |
売上高 |
331 |
470 |
139 |
42.0 |
|
売上総利益 |
52 |
△18 |
△71 |
― |
|
|
売上総利益率 |
15.9% |
― |
― |
― |
|
|
合計 |
売上高 |
32,680 |
36,274 |
3,593 |
11.0 |
|
売上総利益 |
7,153 |
8,658 |
1,504 |
21.0 |
|
|
売上総利益率 |
21.9% |
23.9% |
2.0P |
― |
|
① システムマネジメント
金融関連顧客や大手ITベンダーにおけるデータセンター移設関連案件を含む受注拡大や新規案件の獲得、労務費や外注費の上昇を反映した単価の見直しなどにより、売上高は151億2百万円(同3.5%増)となりました。
② ソフトウェア開発
公共および金融関連顧客における受注拡大や大手ITベンダーへの営業強化による取引の拡大などにより、売上高は124億81百万円(同7.8%増)となりました。
③ ITインフラ
金融、公共、運輸関連顧客におけるクラウド案件等の受注や、大手ITベンダーにおける取引拡大などにより、売上高は42億24百万円(同47.6%増)となりました。
④ サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育
サイバーセキュリティおよびコンサルティングにおける受注拡大などにより、売上高は39億94百万円(同20.4%増)となりました。
⑤ その他
新規案件の獲得などにより、売上高は4億70百万円(同42.0%増)となりました。
《経営施策の取組み状況》
当社グループは、前中期経営計画において、デジタル技術に精通した技術者育成と各領域におけるサービスの高度化に取り組み、今後に向けた成長基盤を構築しました。そして2023年3月期からは、
①「顧客のDX推進支援の強化」と「自社のソリューション開発」という当社DXポートフォリオに沿ったビジネスモデルの展開
②高付加価値創出に向けたパートナーシップの強化
③管理部門の高度化と事業部門への人材シフト
の3つの基本テーマをもとにさらなる収益性向上を図るべく、中期経営計画「Next 50 Episode Ⅱ『Ride on Time』」(2023年3月期~2025年3月期)を策定しました。
この中期経営計画では上記3つの基本テーマの実現に向けて、「ITサービス戦略」「人材戦略」「ニューノーマル戦略」「SDGs戦略」の4つの基本戦略を掲げています。
※1 BP(ビジネスパートナー):プロジェクトをともに遂行していただくITパートナー
※2 上の図表は、2023年4月28日に公表した「中期経営計画の数値目標の修正および2024年3月期配当予想(増配)に関するお知らせ」に基づき作成しています。
① ITサービス戦略
ニーズの高い技術領域を定め、パートナー企業との連携による顧客のDX推進支援や成長分野を対象とした自社ソリューション開発に努めます。利益率の高い高度運用・ITインフラ領域におけるよりいっそうの収益拡大を目指し、技術者の戦略的な配置やBPとの協業強化に注力しています。くわえて、需要増が見込まれるサイバーセキュリティ事業の強化を目指し、株式会社ブロードバンドセキュリティについて株式の一部取得による持分法適用会社化の実施、ならびに資本業務提携を開始しました。また、1月より同社のセキュリティサービスと、当社の強みであるソフトウェア開発、ITインフラ構築、システム運用を組み合わせた包括的なセキュリティサービスの提供を開始しました。さらに、3月には当社欧州子会社のInformation Development Europe B.V.にて、欧州におけるITサービス事業の拡大と新規ビジネスの開拓を目的として、サイバーセキュリティ関連サービスの提供を開始しました。
② 人材戦略
DXサービスの拡大や高付加価値化の実現に向けて、研修制度のさらなる充実を図り、中上級技術者および企画提案型人材の育成を加速させます。具体的な取組みとして、DXを推進する人材の役割(ロール)ごとのロードマップにもとづき、人材の育成を進めています。高度運用・ITインフラ領域における技術力と提案力の強化を目的として、コンテナ系の高度技術研修、ならびにプロジェクトマネジメント研修、プロポーザルマネジメント研修を実施しました。また、サービスの品質向上や新規サービスの創出を目指し、AIに関する研修を社員に提供し資格取得を支援しています。その結果、AIに関する技術的な手法や基礎知識を評価するG検定(ジェネラリスト検定)を約270名の社員が取得しました。さらに、サイバーセキュリティ領域における人材育成を目指し、認定サイバーセキュリティ技術者(CCT)やCompTIA Security+等の資格対策講座を提供し、社員のアップスキルを支援しています。
③ ニューノーマル戦略
社内基幹システムの刷新などによる業務の効率化・高度化に努めるとともに、スマートな管理部門の構築を図ります。管理部門業務のさらなる効率化を目的とし、対話型AIチャットボットサービス「ID AI コンシェルジュ」などのシステムの利活用に積極的に取り組んでいます。12月にはグループ全社的なAIの利用促進とプロンプト技術力の向上を目的とし、社内プロンプト大会を開催しました。また、ビジネスパートナーに関する管理業務の効率化を目的として、パートナー管理システムの刷新に向けた準備を進めました。くわえて、山陰BPOセンターへのバックオフィス機能の移転にともない、生産性向上やBCP(事業継続計画)の実現に向けた取組みを進めています。
④ SDGs戦略
事業活動を通じてサステナビリティへの取組みを進め、「社会課題の解決」と「企業価値の向上」の好循環を目指します。本戦略の施策の一環として、当社子会社の株式会社インフォメーション・ディベロプメントは鳥取県江府町とDX推進に関する協定を締結しています。この協定に基づき、江府町役場へのセキュリティソリューションの導入支援を行い、業務効率の向上とセキュリティ強化を実現しました。
また、全社的な健康経営の強化を目指し、今年度より健康推進プロジェクトを発足し、保健師によるヘルスサポートや禁煙治療費用の補助を開始したほか、ウォーキングイベントや健康経営セミナーを開催しました。こうした健康経営に関する取組みが評価され、経済産業省「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」に選出されました。さらに、当社のダイバーシティや先端分野人材の育成の取組みが評価され、日経「スマートワーク経営」調査で星3つ半、「SDGs経営」調査で星3つに認定されました。そのほか、こども食堂への寄付や「IDグループ献血DAY」の実施等の社会貢献活動、ビーチクリーンボランティア等の環境保全活動、クラシックコンサートの開催等の文化芸術活動支援も継続的に実施しています。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億47百万円減少し、54億32百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は35億57百万円(前期は14億22百万円の資金増)となりました。
これはおもに、税金等調整前当期純利益38億37百万円、のれん償却額3億83百万円、賞与引当金の増加額2億85百万円、売上債権の増加額8億72百万円、仕入債務の増加額3億44百万円および法人税等の支払額11億24百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は22億79百万円(前期は2億33百万円の資金減)となりました。
これはおもに、有形固定資産の取得による支出1億71百万円、投資有価証券の取得による支出20億27百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は15億9百万円(前期は4億32百万円の資金減)となりました。
これはおもに、短期借入金の純減少額4億円、長期借入金の返済による支出2億円および配当金の支払額8億54百万円などによるものです。
生産、受注および販売の実績
当社グループは情報サービス事業の単一セグメントですが、当連結会計年度における生産実績、受注実績、販売実績をサービス別に示すと、次のとおりです。
(1)生産実績
|
サービスの名称 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
|
システムマネジメント |
15,102,026 |
103.5 |
|
ソフトウェア開発 |
12,480,962 |
107.8 |
|
ITインフラ |
4,224,813 |
147.6 |
|
サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育 |
3,994,817 |
120.4 |
|
その他 |
406,638 |
160.2 |
|
合計 |
36,209,257 |
111.1 |
(注)金額は、販売価格によっています。
(2)受注実績
|
サービスの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
システムマネジメント |
17,724,584 |
134.1 |
4,985,049 |
211.0 |
|
ソフトウェア開発 |
14,121,994 |
132.6 |
2,733,515 |
250.0 |
|
ITインフラ |
4,527,574 |
149.9 |
1,022,192 |
142.1 |
|
サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育 |
4,886,395 |
111.5 |
2,392,995 |
159.4 |
|
その他 |
310,838 |
58.3 |
154,659 |
49.1 |
|
合計 |
41,571,388 |
130.7 |
11,288,411 |
188.4 |
(3)販売実績
|
サービスの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
システムマネジメント |
15,102,026 |
103.5 |
|
ソフトウェア開発 |
12,481,778 |
107.8 |
|
ITインフラ |
4,224,813 |
147.6 |
|
サイバーセキュリティ・コンサルティング・教育 |
3,994,817 |
120.4 |
|
その他 |
470,955 |
142.0 |
|
合計 |
36,274,390 |
111.0 |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先が無いため、記載を省略しています。
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先が無いため、記載を省略しています。
財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としています。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しています。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、とくに以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えています。
① 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、今後の課税所得の予測等を踏まえその回収可能性を判断したうえで計上しています。
② 投資有価証券の減損処理
当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資有価証券の減損処理を実施しています。上場会社の株式および時価のある投資信託は、期末日の時価が取得原価に比べ50%以上下落した有価証券については、期末後1年以内に時価が取得原価にほぼ近い水準に回復することを合理的な根拠で予測できる場合を除きすべて減損処理を行い、30~50%程度下落した有価証券については、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っています。また非上場会社の株式は原則として、評価損の計上を検討すべき一定の事項が発生し、且つ、当該会社の純資産額に対する当社グループ持分額が取得価額より50%以上下落し、回復可能性が明確でない場合には、減損処理を行うこととしています。
③ のれん及びのれん相当額の減損処理
のれんの償却については、その超過収益力の効果が発現すると見積もられる期間の定額法により償却を行っています。のれんは減損の兆候があると認められた場合、割引前将来キャッシュ・フローの総額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、減損処理を行うこととしています。
のれん相当額は、投資額とそれに対応する時価純資産の差額であり、その償却年数は、事業計画に基づく投資回収期間を勘案して決定しています。また、事業計画においては、売上高成長率、粗利率、販管費率を主要な仮定としています。
主要な仮定が変化することにより事業計画に対して実績が大幅に未達になった場合には、減損の兆候が生じ、割引前将来キャッシュ・フローの総額がのれん相当額を下回る場合には、減損処理を行うこととしています。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の326億80百万円に対し35億93百万円増収の362億74百万円となりました。
サービス別の状況は第2「事業の状況」4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「業績等の概要」(1) 業績をご参照ください。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度の255億27百万円に対し20億88百万円増加の276億16百万円となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の43億84百万円に対し4億93百万円増加の48億77百万円となりました。
③ 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度の27億69百万円に対し10億11百万円増加の37億80百万円となりました。
④ 営業外損益(純額)
当連結会計年度の営業外損益(純額)は、持分法による投資損失の増加などにより、前連結会計年度の91百万円の利益(純額)に対し10百万円減少の81百万円の利益(純額)となりました。
⑤ 経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の28億60百万円に対し10億1百万円増加の38億62百万円となりました。
⑥ 特別損益(純額)
当連結会計年度の特別損益(純額)は、退職給付制度終了損の計上などにより、前連結会計年度の43百万円の利益(純額)から24百万円の損失(純額)となりました。
⑦ 税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の29億4百万円に対し9億33百万円増加の38億37百万円の利益となりました。
⑧ 法人税等
当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度の11億18百万円に対し3億22百万円増加の14億40百万円となりました。
⑨ 非支配株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の8百万円に対し1百万円減少の7百万円の利益となりました。
⑩ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の17億77百万円に対し6億12百万円増加の23億89百万円の利益となりました。
(3)当連結会計年度末の財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の資産の部は、のれんの償却による減少3億83百万円および現金及び預金の減少2億37百万円などがありましたが、投資有価証券の増加22億6百万円および売掛金の増加8億72百万円などにより、前連結会計年度末に比べ24億29百万円増加し224億90百万円となりました。
② 負債の部
当連結会計年度末の負債の部は、有利子負債の減少6億1百万円がありましたが、契約負債の増加5億61百万円、未払法人税等の増加4億98百万円および賞与引当金の増加2億85百万円などにより、前連結会計年度末に比べ8億24百万円増加し88億74百万円となりました。
③ 純資産の部
当連結会計年度末の純資産の部は、期末および中間配当金支払いによる減少8億51百万円がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益による増加23億89百万円およびその他有価証券評価差額金の増加1億21百万円などにより、前連結会計年度末に比べ16億4百万円増加し、136億15百万円となりました。
(4)資本の財源および資金の流動性についての分析
① 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の14億22百万円より21億35百万円多い35億57百万円の資金を獲得しました。これはおもに、税金等調整前当期純利益が9億33百万円増加、賞与引当金の増減額が2億62百万円増加、売上債権の増減額が7億51百万円増加および仕入債務の増減額が8億8百万円増加したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の2億33百万円より20億46百万円多い22億79百万円の資金を使用しました。これはおもに、投資有価証券の取得による支出が19億93百万円増加したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度の4億32百万円より10億76百万円多い15億9百万円の資金を使用しました。これはおもに、短期借入金の純増減額が12億円減少および配当金の支払額が3百万円増加したことによるものです。
② 当社グループは現在、運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしています。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は18億円、1年内返済予定の長期借入金の残高は1億50百万円です。
なお、当社グループは、資金調達の機動性と効率性を高めるため、取引銀行5行と総額61億円の当座貸越契約を締結しています。
当社は、サイバーセキュリティ事業の拡大に向け、2024年11月14日開催の取締役会において株式会社ブロードバンドセキュリティの株式の一部を取得し資本業務提携を開始することを決議しました。2025年1月20日付で株式の取得(議決権比率21.37%)を完了し、同社を持分法適用会社としました。
また、当社は2024年12月16日開催の取締役会において、2025年4月1日を効力発生日とする、連結子会社である株式会社インフォメーション・ディベロプメントを存続会社とし、同じく連結子会社である株式会社IDデータセンターマネジメント、株式会社DXコンサルティング、株式会社ID AI Factoryの3社を消滅会社とする吸収合併を実施する旨を決議しました。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発活動の金額は
当社グループでは、最先端技術を活用した新たなビジネス展開を目的とし、積極的に研究開発に取り組んでいます。
おもな取組みとして、AI技術について、急速に進化を遂げている大規模言語モデル(LLM)のビジネス活用に特化した研究開発に力を注いでいます。当社子会社の「株式会社ID AI Factory」が提供するAIサービスは、システム開発をサポートし、当社グループのソフトウェア開発およびサイバーセキュリティ分野における生産性と品質の向上を実現しています。また、音声認識技術や画像認識技術を含むマルチモーダルAI領域のビジネス適用に向けた研究開発も進めています。さらに、企業の業務効率化と自動化を実現するため、自律型AIエージェントの調査・研究に注力しています。
また、バーチャル空間上でのシステム運用を実現する製品「バーチャルオペレーションセンター(ID-VROP)」について、さらなる改良と機能追加を目指して継続的に研究を進めています。
ほかにも、当社が保有・取得を目指す特許技術を活用した研究開発について、SBI R3 Japan株式会社と協働で、開発済みのロギングシステムを活用した革新的サービス実現のための研究開発に着手しました。
なお、当社グループの報告セグメントは「情報サービス事業」の単一セグメントであり、セグメント別の記載を省略しています。