【要約四半期連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社NTTデータグループ(以下、当社)は、日本国に所在する企業です。本要約四半期連結財務諸表は、当社及び連結子会社(以下、当社グループ)により構成されています。当社グループは、主に日本、海外の2つの事業を営んでいます。
なお、同時に当社グループは、日本電信電話株式会社を親会社とするNTTグループに属しています。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、「四半期連結財務諸表規則」第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同規則第93条の規定により、IAS第34号「期中財務報告」に準拠して作成しています。
(2) 測定の基礎
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、公正価値で測定されている特定の金融商品、及び退職給付制度に係る負債(資産)の純額等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3) 機能通貨及び表示通貨
当社グループの要約四半期連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入表示しています。
3.重要性がある会計方針
当社グループが本要約四半期連結財務諸表において適用する重要性がある会計方針は、以下を除き、前連結会計年度に係る連結財務諸表において適用した会計方針と同様です。
(会計方針の変更)
当社グループは、第1四半期連結会計期間より、IAS第12号「法人所得税」(2021年5月改訂)を適用しています。
この改訂により、繰延税金の当初認識の免除範囲が狭められており、リースや資産除去債務などの将来加算一時差異と将来減算一時差異が等しくなり、相殺される取引は除外されます。リース及び資産除去債務について、企業は最も早い比較期間の開始時に関連する繰延税金資産及び繰延税金負債を認識する必要があり、同日に累積的影響を利益剰余金または資本の他の内訳項目の期首残高に対する調整として認識します。
その結果、繰延税金資産及び繰延税金負債がそれぞれ増加しますが、改訂に伴い増加する繰延税金資産及び繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的強制力のある権利が存在し、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されているものであるため、連結財政状態計算書の表示においては相殺しています。本改訂の適用による2022年4月1日時点での期首利益剰余金及び当要約四半期連結財務諸表の開示への影響は軽微です。当社グループにおける主な影響は、認識された繰延税金資産及び繰延税金負債の開示に関する点であり、当該開示は年次の連結財務諸表で行われます。
4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
IFRSに準拠した要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。これらの見積り及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因を勘案した経営者の最善の判断に基づいています。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した連結会計期間と将来の連結会計期間において認識しています。
本要約四半期連結財務諸表における重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断は、第2四半期報告書(会計上の見積りの変更)の記載内容を除き、2023年3月31日に終了した連結会計年度に係る連結財務諸表と同様です。
5.未適用の新基準
本要約四半期連結財務諸表の承認日までに新設又は改訂が行われた基準書及び解釈指針のうち、当社が早期適用していないもので、適用により当社に重要な影響を及ぼす可能性があるものはありません。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
連結財務諸表提出会社である当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、当社グループの取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっています。
グローバルレベルでのデジタルトランスフォーメーションへの取り組み加速とお客さまのニーズの複雑化・多様化等を背景にした海外事業統合を踏まえ、グループ経営体制の再構築を図り、外部環境の変化及び地域マーケットに応じた迅速な意思決定、機動性の向上、柔軟な制度設計等を通じてより一層のガバナンス強化を進めることが不可欠と判断し、2023年7月に持株会社化を実施いたしました。
本持株会社化実施後において、当社は、持株会社としてグループ全体最適の視点からの成長戦略の策定・遂行、経営管理等に特化し、グループ全体の企業価値向上に努めてまいります。
(2) 報告セグメントの変更
上記の持株会社化に伴い、第2四半期連結会計期間より、従来「公共・社会基盤」、「金融」、「法人」、「海外」としていた報告セグメントを、「日本」、「海外」へ変更しています。
なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の報告セグメント区分に基づき作成したものを開示しています。なお、当第2四半期連結会計期間より全社費用等を報告セグメントへ配賦するように実績算定方法を見直したことに伴い、前第3四半期連結累計期間の「調整額」の区分に含まれていた当該費用についても各報告セグメントに配賦するよう組み替えて表示しております。
また、製品及びサービスの類型については、「11.収益 (1) 財及びサービスの内容」をご参照ください。当社の製品及びサービス別の類型は、各報告セグメントで同一です。
各報告セグメントの概要は次のとおりです。
(日本)
主に日本国内における市場特性を考慮した高付加価値なITサービスの提供。
(海外)
主に海外ビジネスにおける市場特性を考慮した高付加価値なITサービスの提供。
(3) 報告セグメントごとの売上高、利益又は損失その他の項目の金額の算定方法
当社グループの報告されている事業セグメントの会計処理方法は、注記「3. 重要性がある会計方針」における記載と同一です。
報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値です。
セグメント間の内部売上高等は、原価に適切な利益を加味して算定された額を基礎として決定しています。
(4) 報告セグメントに関する情報
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
(注) 1 「その他」の区分は、本社部門機能をサポートする事業を中心としている子会社等です。
2 営業利益又は損失(△)の調整額2,797百万円は、主に会計上のセグメント間取引消去等の調整が含まれています。
3 営業利益又は損失(△)は、要約四半期連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(注) 1 「その他」の区分は、本社部門機能をサポートする事業を中心としている子会社等です。
2 営業利益又は損失(△)の調整額9,082百万円は、主に会計上のセグメント間取引消去等の調整が含まれています。
3 営業利益又は損失(△)は、要約四半期連結損益計算書の営業利益と調整を行っています。
7.企業結合等
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
(1) 当社グループによるApisero Holdings Corporationの子会社化について
前第3四半期連結累計期間に取得したApisero Holdings Corporationについて、取得対価の調整及び配分が当第3四半期連結累計期間までに確定しました。暫定的な金額からは主に無形資産が減少し、のれんの金額が1,236百万円増加しています。以下②から④については、暫定的な金額からの修正を反映しております。
① 企業結合の概要
連結財務諸表提出会社である当社は、2022年10月27日において、子会社であるNTT DATA Inc.を通じて、米国Apisero Holdings Corporation(本社:米国アリゾナ州、以下:Apisero)の持分の譲渡を受け、議決権の100%を取得し、同社に対する支配を獲得しました。本取引の概要は次のとおりです。
② 譲渡対価
取得日における譲渡対価の公正価値は次のとおりです。
(注)持分譲渡契約には譲渡完了時の価格調整事項があり、取得時に支払ったものとみなしておりました。暫定的な金額の確定に際し、譲渡対価を修正、のれんの金額を修正しております。
③ 取得関連費用の金額及びその表示科目
取得関連費用の内容及び金額は次のとおりです。
(注)当該費用は要約四半期連結損益計算書上の「販売費及び一般管理費」に含めて処理しています。
④ 取得日における取得資産・引受負債の公正価値、のれん
取得日における取得資産・引受負債の内容及び公正価値、のれんは次のとおりです。
(注) 1 全て営業債権であり、回収不能と見積られている重要なものはありません。
2 識別可能資産 4,414百万円です。
3 のれんは、主に当社グループと統合することにより得られると期待されるシナジー効果及び超過収益力です。
⑤ 当社グループの業績に与える影響
企業結合が前連結会計年度の期首であったと仮定した場合のプロフォーマ情報は、売上高は9,076百万円、四半期利益は897百万円です。
なお、当該プロフォーマ情報は概算値であり、監査証明を受けていません。
(2) 当社グループによるAspirent Consulting, LLCの子会社化について
前第3四半期連結累計期間に取得したAspirent Consulting, LLCについて、取得対価の調整及び配分が当第3四半期連結累計期間までに確定しました。暫定的な金額からは主に無形資産が減少し、のれんの金額が493百万円増加しています。以下②から④については、暫定的な金額からの修正を反映しております。
① 企業結合の概要
連結財務諸表提出会社である当社は、2022年11月16日において、子会社であるNTT DATA Inc.を通じて、米国Aspirent Consulting, LLC(本社:米国ジョージア州、以下:Aspirent)の持分の譲渡を受け、議決権の100%を取得し、同社に対する支配を獲得しました。本取引の概要は次のとおりです。
② 譲渡対価
取得日における譲渡対価の公正価値は次のとおりです。
③ 取得関連費用の金額及びその表示科目
取得関連費用の内容及び金額は次のとおりです。
(注)当該費用は要約四半期連結損益計算書上の「販売費及び一般管理費」に含めて処理しています。
④ 取得日における取得資産・引受負債の公正価値、のれん
取得日における取得資産・引受負債の内容及び公正価値、のれんは次のとおりです。
(注) 1 全て営業債権であり、回収不能と見積られている重要なものはありません。
2 識別可能資産5,304百万円です。
3 のれんは、主に当社グループと統合することにより得られると期待されるシナジー効果及び超過収益力です。
⑤ 当社グループの業績に与える影響
企業結合が前連結会計年度の期首であったと仮定した場合のプロフォーマ情報は、売上高は5,965百万円、四半期損失は310百万円です。
なお、当該プロフォーマ情報は概算値であり、監査証明を受けていません。
(3) 当社グループによるNTT, Inc.の子会社化について
① 企業結合の概要
当社は、2022年5月9日付けにて締結した吸収分割契約書に基づき、2022年10月1日を効力発生日として、当社が営む海外事業に関して有する権利義務をNTT株式会社(以下、「NTT, Inc.」といいます。)に承継させる吸収分割(以下、「本海外事業分割」といいます。)を行いました。また、本海外事業分割後の承継会社の名称は、株式会社 NTT DATA, Inc.(以下、「NTT DATA, Inc.」といいます。)となります。本海外事業分割は、当社グループの会計方針に基づき共通支配下の取引等に該当し、本取引の実施後、連結財務諸表に関連する会計基準で要求される支配要件を満たすことから、NTT, Inc.は当社の子会社となります。
本取引の概要は次のとおりです。
② 譲渡対価
取得日における譲渡対価の公正価値は次のとおりです。
(注)非資金取引に該当します。
なお、現金による譲渡対価の支払額112,000百万円と、統合に伴い受け入れたNTT, Inc.が保有する現預金との差額66,995百万円は、連結キャッシュ・フロー計算書の投資キャッシュ・フローの区分の「その他」に含まれております。
③ 取得関連費用の金額及びその表示科目
取得関連費用の内容及び金額は次のとおりです。
(注)当該費用は要約四半期連結損益計算書上の「販売費及び一般管理費」に含めて処理しています。
④ 取得日における取得資産・引受負債の帳簿価額
取得日における取得資産・引受負債の内容及び帳簿価額は次のとおりです。
(注) 1.関連当事者であるNTTファイナンスとの取引残高 979,075百万円が含まれております。
なお、当社が営む海外事業の吸収分割及び現金を対価とした持分取得に伴う持分の変動は、要約四半期連結持分変動計算書の「企業結合による変動」に含まれております。
⑤ 当社グループの業績に与える影響
企業結合が前連結会計年度の期首であったと仮定した場合のプロフォーマ情報は、売上高は908,275百万円、四半期利益は5,710百万円です。
なお、当該プロフォーマ情報は概算値であり、監査証明を受けていません。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
持株会社体制への移行について
当社は2023年6月20日開催の定時株主総会において承認された当社の国内事業に係る吸収分割契約(以下、「本吸収分割契約」)に基づき、2023年7月1日付で持株会社体制へ移行し、当社が国内事業に関して有する権利義務のうち、本吸収分割契約において規定するものを、100%子会社である株式会社NTTデータ国内事業準備会社(以下、「国内事業分割準備会社」又は「承継会社」)に承継致しました。また、同日付で、当社は商号を「株式会社NTTデータグループ」に、国内事業分割準備会社は「株式会社NTTデータ」に、それぞれ変更致しました。
(1)取引の概要
①結合当事企業及びその事業内容
イ)吸収分割会社
名称:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
事業内容:コンサルティング、統合ITソリューション、システム・ソフトウェア開発、メンテナンス・サポート等
ロ)吸収分割承継会社
名称:株式会社NTTデータ国内事業準備会社
事業内容:当社が営む事業の吸収分割による承継の準備等
②企業結合日
2023年7月1日
③企業結合の法的形式
当社を吸収分割会社とし、2022年11月1日に設立された当社の完全子会社である国内事業分割準備会社を吸収分割承継会社とする吸収分割
④分割会社に係る割り当ての内容
国内事業分割準備会社は、本吸収分割の対価として、国内事業分割準備会社の普通株式999株を当社に割り当てます。
⑤承継会社が承継する権利義務
承継会社は、本吸収分割の効力発生日において、当社が国内事業に関して有する権利義務のうち、本吸収分割契約において規定する資産、負債、契約上の地位及び権利義務等を承継いたします。
⑥結合企業後の名称
イ)吸収分割会社
名称:株式会社NTTデータグループ(2023年7月1日付で株式会社エヌ・ティ・ティ・データから商号変更)
ロ)吸収分割承継会社
名称:株式会社NTTデータ(2023年7月1日付で株式会社NTTデータ国内事業準備会社から商号変更)
⑦本持株会社化の目的及び効果
グローバルレベルでのデジタルトランスフォーメーションへの取り組み加速とお客さまのニーズの複雑化・多様化等を背景にした海外事業統合を踏まえ、グループ経営体制の再構築を図り、外部環境の変化及び地域マーケットに応じた迅速な意思決定、機動性の向上、柔軟な制度設計等を通じてより一層のガバナンス強化を進めることが不可欠と判断し、本持株会社化を行います。
本持株会社化実施後において、当社は、持株会社としてグループ全体最適の視点からの成長戦略の策定・遂行、経営管理等に特化し、グループ全体の企業価値向上に努めてまいります。
(2)実施した会計処理の概要
持株会社化は、共通支配下の企業又は事業がかかる企業結合(すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的なものでない企業結合)に該当します。当社は共通支配下の取引について、帳簿価額に基づき会計処理しています。
8. 売却目的で保有する資産
前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末における主な売却目的で保有する資産、売却目的で保有する資産に直接関連する負債は、次のとおりです。
データセンター保有会社株式の売却
NTTデータグループは、北米に保有するデータセンターの保有会社株式の一部を売却する予定であり、売却目的で保有する資産として区分しております。
会計処理及び要約四半期連結財務諸表への影響
前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末において、海外セグメントに含まれているデータセンター保有会社株式の売却に関連する資産及び当該資産に直接関連する負債は、株式譲渡完了までの間、売却目的で保有する資産及び売却目的で保有する資産に直接関連する負債として分類しています。なお、売却費用控除後の公正価値が帳簿価額を上回っているため、当該資産及び負債は帳簿価額で測定しています。
当該主要な資産及び負債の種類は、下表のとおりです。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当第3四半期連結会計期間末(2023年12月31日)
9.社債
変動した社債は、次のとおりです。
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
償還
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
償還
10.配当金
配当金の支払額は、次のとおりです。
① 前第3四半期連結累計期間
(注)1 2022年6月16日定時株主総会決議による1株当たり配当額には、特別配当2.0円が含まれています。
2 2022年6月16日定時株主総会による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度に係る信託が保有する
当社株式に対する配当金6百万円が含まれています。
3 2022年11月7日取締役会決議による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度に係る信託が保有する
当社株式に対する配当金5百万円が含まれています。
4 上記の配当総額には2022年10月1日の海外事業再編により統合されたNTT, Inc.(現 NTT DATA, Inc.)に
対する当社からの支払配当16,720百万円が含まれています。前第3四半期連結会計期間における支払配当は7,980百万円となり、当該金額は連結財務諸表上、連結会社間取引として調整されています。また、上記の配当決議内容に加え、NTT, DATA, Inc.において、中間配当16,720百万円が12月20日に取締役会決議され、基準日である9月30日におけるNTT, Inc.株主であった日本電信電話株式会社にNTT, DATA, Inc.から直接支払われています。なお、当該配当の支払額は要約四半期連結持分変動計算書の「剰余金の配当」に含まれています。
② 当第3四半期連結累計期間
(注)1 2023年6月20日定時株主総会による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度に係る信託が保有する
当社株式に対する配当金6百万円が含まれています。
2 2023年11月6日取締役会決議による配当金の総額には、業績連動型株式報酬制度に係る信託が保有する
当社株式に対する配当金6百万円が含まれています。
11.収益
(1) 財及びサービスの内容
コンサルティング
コンサルティングビジネスでは、システム・ソフトウェアの開発を伴わない要件定義書の作成、市場調査等の顧客への成果物の移転を伴うもの又は顧客への成果物の移転を伴わない顧客ビジネスの改善に係るコンサルティング等のサービスを提供しています。
成果物の移転を伴う場合は、成果物の進捗により顧客に成果が移転するため、工事の進捗度に応じて工事期間にわたり収益を認識しています。原価の発生が工事の進捗度に比例すると判断しているため、進捗度の見積りには発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)を用いています。契約対価は、通常、引渡時に請求し、主に請求翌日から起算して30日以内にサービスの対価を回収しています。
成果物の移転を伴わない場合は、当社グループが提供するサービスを顧客が利用することにより、財又はサービスが移転される取引であることから、顧客がサービスを利用した時点で収益を認識しています。顧客によるサービスの利用実績に応じて、サービス提供日数等の実績又は定額で主に毎月請求し、請求翌日から起算して30日以内にサービスの対価を回収しています。
統合ITソリューション
当社グループが設備資産を保有し、顧客に役務提供等を行うサービスを提供しています。
受注型の統合ITソリューションビジネスでは、要件定義から保守・運用まで顧客システムのフルライフサイクルをカバーしたサービスを提供しています。当社グループが、顧客からの案件の受注に応じて設備投資を行い資産として保有し、当社グループが提供する毎月、同一のサービスを顧客が利用することにより、財又はサービスが移転される取引であることから、契約期間に応じて主に定額で収益を認識しています。
企画型の統合ITソリューションビジネスでは、決済分野を中心としたサービスを提供しています。当社グループが、複数の顧客の利用を見越して設備投資を行い資産として保有し、顧客によるサービスの利用実績に応じた利用料の形式でサービスの対価を回収しており、顧客がサービスを利用した時点で収益を認識しています。
契約対価は受注型、企画型ともに、通常、顧客によるサービスの利用実績に応じて、サービス提供日数等の実績又は定額で主に毎月請求し、請求翌日から起算して30日以内にサービスの対価を回収しています。
システム・ソフトウェア開発
顧客の情報システムの企画、設計、開発等を受託し、顧客へ納品しています。
システム・ソフトウェア開発の進捗にしたがって開発資産に対する支配が顧客に移転するため、工事の進捗度に応じて工事期間にわたり収益を認識しています。原価の発生が工事の進捗度に比例すると判断しているため、進捗度の見積りには発生したコストに基づくインプット法(原価比例法)を用いています。契約対価は通常、引渡時に請求し、主に請求翌日から起算して30日以内にサービスの対価を回収しています。
また、損失の発生が予測される場合の損失引当は、損失の発生が明らかになった日の属する連結会計年度において行っています。
メンテナンス・サポート
メンテナンス・サポートビジネスでは、AMO(※1)、ITO(※2)、BPO(※3)サービス等の顧客へ成果物の移転を伴わないシステム開発等のための技術支援、もしくは保守・維持・運用等を行うサービスを提供しています。当社グループが提供するサービスを顧客が利用することにより、財又はサービスが移転される取引であることから、顧客がサービスを利用する期間にわたり収益を認識しています。顧客によるサービスの利用実績に応じて、サービス提供日数等の実績又は定額で主に毎月請求し、請求翌日から起算して30日以内にサービスの対価を回収しています。
※1 Application Management Outsourcing:顧客のカスタムアプリケーションの運用・保守を手掛けるアウトソーシングサービス
※2 IT Outsourcing:顧客が利用する社内システム等にワンストップで保守・運用を提供するサービス
※3 Business Process Outsourcing:顧客の業務の一部を請け負い、効率的な業務運用を実現するアウトソーシングサービス
ITインフラ
ITインフラビジネスは、NTT Ltd.が行うビジネスであり、主にマネージドサービスやデータセンタービジネスが含まれます。
マネージドサービスでは、サーバやネットワーク機器などのITインフラ又はアプリケーションの保守運用サービス等を提供しています。当社グループが提供するサービスを顧客が利用することにより、財又はサービスが移転される取引であることから、顧客がサービスを利用する期間にわたり収益を認識しています。顧客によるサービスの利用実績に応じてサービス提供日数等の実績、又は、定額で主に毎月請求しています。
データセンタービジネスでは、当社グループがデータセンター等の資産を保有し、電力供給やネットワーク等を含む運営管理サービスを提供しています。当社グループが、顧客からの案件の受注に応じ、または、複数の顧客の利用を見越して設備投資を行い資産として保有し、当社グループが提供するサービスを顧客が利用することにより、財又はサービスが移転される取引であることから、顧客がサービスを利用する期間にわたり収益を認識しています。顧客によるサービスの利用実績に応じてサービス提供日数等の実績、又は、定額で主に毎月請求しています。
通信端末機器販売等
通信端末機器販売等は、NTT Ltd.が行うビジネスであり、主に通信端末機器販売及びその保守サービスが含まれます。
通信端末機器販売では、企業向けネットワークに利用する通信端末機器を販売し、主に機器の着荷時点で収益を認識します。契約対価は通常、着荷時に請求しています。
保守サービスでは、当社グループが提供するサービスを顧客が利用することにより、財又はサービスが移転される取引であることから、顧客がサービスを利用する期間にわたり収益を認識しています。顧客によるサービスの利用実績に応じて、サービス提供日数等の実績又は定額で主に毎月請求しています。
その他のサービス
主に建物、電力、回線設備等の情報機器以外の設備賃貸及び料金回収代行等のサービスです。
(2) 売上高の分解
売上高は、主要なサービスに基づき分解しています。分解した売上高と各報告セグメントの関連は次のとおりです。
当社グループの売上高は、ほぼすべてが顧客との契約から認識した収益です。また、IFRS第16号に基づくリース収益は重要性がないため以下の表の売上高に含めています。
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
(注) グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(注) グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
12. 1株当たり四半期利益
前第3四半期連結累計期間及び当第3四半期連結累計期間における基本的1株当たり四半期利益は、次に示す当社株主に帰属する四半期利益及び期中平均普通株式数に基づいて計算しています。
なお、希薄化後1株当たり四半期利益については、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため記載していません。
(注)業績連動型株式報酬制度に係る信託が保有する当社株式は、基本的1株当たり四半期利益の算定上、期中平均普通株式数の計算において控除する自己株式に含めています(前第3四半期連結累計期間496,900株、当第3四半期連結累計期間487,300株)。
前第3四半期連結会計期間及び当第3四半期連結会計期間における基本的1株当たり四半期利益は、次に示す当社株主に帰属する四半期利益及び期中平均普通株式数に基づいて計算しています。
なお、希薄化後1株当たり四半期利益については、希薄化効果を有する潜在株式が存在しないため記載していません。
(注)業績連動型株式報酬制度に係る信託が保有する当社株式は、基本的1株当たり四半期利益の算定上、期中平均普通株式数の計算において控除する自己株式に含めています(前第3四半期連結会計期間496,900株、当第3四半期連結会計期間487,300株)。
13.金融商品
金融商品の公正価値
公正価値は「測定日における市場参加者間の通常の取引において、資産を売却するために受け取るであろう価格、又は負債を移転するために支払うであろう価格」と定義されています。IFRSにおいては、3つからなる公正価値の階層が設けられており、公正価値の測定において用いるインプットには、観察可能性に応じた優先順位付けがなされています。それぞれのインプットの内容は、次のとおりです。
レベル1:活発な市場における同一資産及び負債の市場価格
レベル2:資産及び負債に関するレベル1に含まれる市場価格以外の観察可能なインプット
レベル3:資産及び負債に関する観察不可能なインプット
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の期末時点で発生したものとして認識しています。
(1) 公正価値で測定されているもの以外の金融商品
前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末における、公正価値で測定しているもの以外の金融商品は、以下のとおりです。以下を除き、帳簿価額は概ね公正価値に相当しているため、表中には含めていません。
(2) 経常的に公正価値で測定している資産及び負債
前連結会計年度末及び当第3四半期連結会計期間末における、経常的に公正価値で測定している資産及び負債は、以下のとおりです。当社グループは、その他の金融資産(有価証券)及びデリバティブについて、継続的に公正価値で測定しています。
前連結会計年度末(2023年3月31日)
当第3四半期連結会計期間末(2023年12月31日)
重要なレベル間の振替はありません。
また、レベル3における金額については期中変動に重要性がないため、レベル3の調整表は開示していません。
(3) 公正価値の測定
金融資産及び金融負債の公正価値は、次のとおり決定しています。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は、市場価格を用いています。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、将来キャッシュ・フローを割り引く方法、又はその他の適切な方法により見積もっています。
「営業債権及びその他の債権」、「営業債務及びその他の債務」、「短期借入金」
主に短期間で決済されるため、帳簿価額は公正価値に概ね近似しています。
「その他の金融資産(流動)」及び「その他の金融資産(非流動)」
市場性のある有価証券は、活発な市場における同一資産の市場価格で公正価値を測定しています。
その他の金融資産は、顧客等非上場である非持分法適用会社の発行する普通株式を含んでいます。非上場普通株式は割引将来キャッシュ・フロー、収益、利益性及び修正純資産法、類似業種比較法及びその他の評価方法により、公正価値を算定しています。
デリバティブは、金利スワップ契約、通貨オプション取引及び為替予約契約であり、公正価値は観察可能な市場データに基づいて評価されており、レベル2に分類しています。また、評価額は為替レート等の観察可能な市場データを用いて、定期的に検証されています。
「長期借入金」(1年以内返済予定分を含む)及び「社債」(1年以内償還予定分を含む)
長期借入金(1年以内返済予定分を含む)及び社債(1年以内償還予定分を含む)の公正価値は、当社グループが同等な負債を新たに借入れる場合の利子率を使用した将来の割引キャッシュ・フローに基づき見積もっています。
公正価値は観察可能な市場データに基づいて評価・検証されており、レベル2に分類しています。
「その他の金融負債(流動)」及び「その他の金融負債(非流動)」
デリバティブは、金利スワップ契約、通貨オプション取引及び為替予約契約であり、公正価値は観察可能な市場データに基づいて評価されており、レベル2に分類しています。また、評価額は為替レート等の観察可能な市場データを用いて、定期的に検証されています。
レベル3に分類される資産に関する定量的情報
当社グループにおいて、レベル3に分類されている金融商品は、主に非上場株式により構成されています。非上場株式は、対象となる金融商品の性質、特徴及びリスクを最も適切に反映できる評価技法及びインプットを用いて、入手可能なデータにより公正価値を測定しています。その結果は適切な権限者がレビュー及び承認しています。
なお、レベル3に分類した金融商品について、観察可能でないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれていません。
14.偶発債務
重要なものはありません。
15.後発事象
該当事項はありません。
第36期(2023年4月1日から2024年3月31日まで)中間配当については、2023年11月6日の取締役会決議において、2023年9月30日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主に対し、次のとおり中間配当を行うことを決議いたしました。
(1) 配当金の総額 16,129百万円
(2) 1株当たりの金額 11.5円
(3) 支払請求権の効力発生日及び支払開始日 2023年12月1日