第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、インバウンド需要の高まりから個人消費、設備投資、雇用情勢等が持ち直し、景気は緩やかに回復いたしました。一方で長引く物価高による節約志向の高まりや、人手不足、中国経済の失速がわが国経済へ与える影響も懸念されています。
 当社グループが属する出版業界でも、書籍平均価格が上昇しておりますが、書籍・雑誌共に新刊発行部数の減少が続き、当第1四半期連結累計期間の書籍・雑誌の推定販売金額が前年同期比4.8%減少(出版科学研究所)するなど中長期的な縮小傾向が続いております。
 このような状況の中、当社グループは、読者ニーズを的確に捉えた企画立案、物価高に対応した価格設定やマーケティング、既刊本の販売強化と返品減少対策など、高コスト化する出版流通への対応などを主要なテーマに活動を行いました。
 その結果、当第1四半期連結累計期間の連結売上高は716,196千円(前年同四半期比0.5%増)、営業損益は主に前期に支払いのあった「株式給付信託(J-ESOP)」の手数料がなくなったため改善し、営業損失12,607千円(前年同四半期は営業損失25,960千円)、経常損失13,012千円(前年同四半期は経常損失26,551千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失19,156千円(前年同四半期純損失は32,109千円)となりました。
 事業別の概況は次のとおりです。

 (出版事業)

 会計分野では、研究書として財務会計の基礎概念を研究した『投資のリスクからの解放』、高水準な研究書として『自律創造型コントロールの理論と実践』を刊行したほか、実務書として大規模化・複雑化する多様な事象を会計基準や税法等に基づき解説した『ソフトウェア開発の会計・税務・リスクマネジメント』が好評です。
 経営・経済分野では、近年日本でも件数が増えている起業のニーズを捉えた『起業原論』が高価格にもかかわらず刊行直後に増刷となったほか、『スタートアップ・バリュエーション』は専門性の高い内容ながら発売直後からSNSでも話題になり、早々に増刷を決定するなど好調でした。
 税務分野では、例年どおり刊行された『図解・表解 確定申告書の記載チェックポイント 令和6年3月15日締切分』は堅調に推移し、事業承継分野で注目の2冊『顧問税理士のための相続・事業承継の実務に必要な視点60』と『税理士のための事業承継コンサルティングの強化書』が刊行されました。また、税務上の非上場株式の評価を解説した『頻出事例・スキームにみる非上場株式の評価Q&A60』は実務上難易度の高い論点を丁寧に解説しているとして好評でした。その他、複雑な準用規定の読み方についてわかりやすくまとめた『法人税法の準用規定読替えガイドブック』を刊行しています。
 法律分野では、『粉飾事例にみる中小企業M&A リスクと対応』など、既存の書籍にない視点のM&A実務書籍を複数冊刊行しました。そのほか、『ChatGPTの法律』(2023年6月刊)、『類型別 不正・不祥事への初動対応』(2023年1月刊)といった既刊書が増刷を重ねております。
 企業実務分野では深刻な被害をもたらすランサムウェア攻撃への対応を詳細にまとめた『実務解説サイバーセキュリティ法』が発売後好調に売上を伸ばしており、同分野の書籍として前期に刊行した『サイバーセキュリティ対応の企業実務』(2023年9月刊)も複数回増刷するなど好評を博しています。また、景品表示法の改正にタイミングを合わせて刊行した『違反・トラブルを未然に防ぐ インターネット広告法務ハンドブック』が複数回増刷となったほか、本年4月1日以後適用される改訂内部統制基準等に対応した『チェックリストでリスクが見える内部統制構築ガイド』が高い評価を受けており、有料で販売しているExcel版のチェックリストも好調です。
 資格試験分野では『新人司法書士・補助者のための登記業務現場の教科書』が刊行直後からSNSを通じて話題になり、増刷となりました。また前期に刊行した『司法書士試験 暗記のターゲット100』(2023年5月刊)は今期も引き続き好調でした。
 生活・実用分野では、受注している書籍編集業務が堅調に推移し、やや好調に推移いたしました。
 以上により、当第1四半期連結累計期間の売上高は695,491千円(前年同四半期比0.8%増)、営業損失は11,727千円(前年同四半期は営業損失31,497千円)となりました。

 (出版付帯事業)
 出版付帯事業の主力事業は、当社雑誌への広告請負代理ですが、広告媒体が多様化し紙媒体への広告が減少するなか、長期継続出稿の受託及び業務改善などにつとめましたが、売上高は減少し、営業損失が発生いたしました。
 以上により、当第1四半期連結累計期間の売上高は20,704千円(前年同四半期比9.8%減)、営業損失1,004千円(前年同四半期は営業利益5,534千円)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

 (資産)

 当第1四半期連結会計期間末における資産合計は5,765,582千円となり、前連結会計年度末に比べ166,160千円減少いたしました。これは主に現金及び預金の増加94,996千円があったものの、売掛金の減少192,639千円、仕掛品の減少17,673千円及び返品資産の減少16,954千円等による流動資産の減少145,278千円があったことによるものです。

 (負債)

 負債は1,570,802千円となり、前連結会計年度末に比べ103,182千円減少いたしました。これは主に返金負債の減少43,062千円、賞与引当金の減少28,163千円及び未払法人税等の減少25,382千円等による流動負債の減少95,703千円があったことによるものです。

 (純資産)

 純資産は4,194,780千円となり、前連結会計年度末に比べ62,978千円減少いたしました。これは主に期末配当金の支払い等による利益剰余金の減少56,463千円及びその他有価証券評価差額金の減少6,599千円等があったことによるものです。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

完全子会社の吸収合併

当社は、株式会社CKD について組織及び事業の合理化を図り、当社グループ全体で保有する経営資源の効率化を進めることを目的として、当社の完全子会社である同社を2023年12月18日開催の当社の臨時取締役会において、吸収合併することを決議いたしました。
 合併契約の概要は、次のとおりであります。
 

(1) 合併の方法

 当社を存続会社とし、株式会社CKDを消滅会社とする吸収合併(簡易合併・略式合併)です。

 

(2) 合併に際して発行する株式及び割当て

 当社の完全子会社との吸収合併であることから、本合併による株式その他の金銭等の割当てはありません。

 

(3) 合併の期日

合併契約承認取締役会決議 2023年12月18日
合併契約締結日      2023年12月18日
合併期日(効力発生日)  2024年3月1日(予定)

 本合併は、当社においては会社法第796条第2項の規程に基づく簡易合併であり、株式会社CKDにおいては会社法第784条第1項の規定に基づく略式合併であるため、それぞれ合併契約承認に関する株主総会は開催いたしません。

 

(4) 引継資産・負債の状況

 当社は、合併の効力発生日において、株式会社CKDの資産、負債及びその他一切の権利義務を承継いたします。

 

(5) 吸収合併存続会社となる会社の概要

名称   株式会社中央経済社ホールディングス
資本金  383百万円
事業内容 出版事業を営む当社企業グループの経営管理等