第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは「M&A Techにより未来のM&A市場を創造する」という企業理念のもと、従来のM&A仲介サービスに存在するアナログな手法をテクノロジーにより刷新することにより、「成約スピードの向上」と「価格の抑制」を実現し、多くの会社がM&Aという選択肢を検討できる社会を創ることを目指しております。これらの取り組みを通じ、企業価値の最大化を図ることを経営方針としております。

 

(2)経営環境

①市場動向及び当社グループの取り組み

現在の日本では、企業規模によっては後継者対策が進まず、2025年における後継者不在企業の割合は50.1%と、依然として高い後継者不在率で推移しております。中小企業基本法に基づく企業規模別でみると、「大企業」では24.9%、「中小企業」では51.2%、中小企業のうち「小規模企業」では57.3%となっております。また、社長の年代別では30代未満が最も高く83.2%、50代は58.3%、80代以上は22.2%となっており、高齢化に伴う後継者不在問題を背景に中小企業の統合・再編促進が不可欠であることから、M&Aは引き続き不可欠な手段となっております(出典:帝国データバンク全国「後継者不在率」動向調査(2025年))。

また、休廃業・解散企業件数は、2024年が62,695件とコロナ禍を経て3年連続の増加となっており、休廃業企業の代表者の約4割が70代、60代以上でみると8割(構成比87.6%)を超えており、代表者の高齢化が休廃業・解散を加速する要因になっております(出典:㈱東京商工リサーチ 2024年「休廃業・解散」企業 動向調査)。

これらの問題に対する解決策としてM&Aによる第三者への事業承継が挙げられます。しかしながら、M&Aは成約するまでの時間的ハードルや、着手金等の金銭的ハードルがあります。また、M&A仲介業は専門性が高い業務であるため、M&Aアドバイザーの絶対数が少なく、遅々としてM&Aが進んでおりません。休廃業・解散企業数に比べると圧倒的に少ないことから、今後もM&Aの件数が増加していくと予測しております。

中小企業庁も事業承継を促進するため、種々の施策を実施しており、2029年頃に官民合わせて年間6万社のM&Aが行われることを目標としております(出典:中小企業庁 第三者承継支援総合パッケージ2019年) 。

当社グループは「M&A Techにより未来のM&A市場を創造する」という企業理念のもと、AIの開発やDXの推進により従来のM&Aを効率的に進めることで成約期間の短縮化、仲介手数料の抑制、仲介件数の増加に取り組んでおります。M&A仲介事業者として適切な事業承継を支援することにより、当事者企業のみならず社会全体に貢献すべく取り組んでおります。

 

②競合優位性

当社グループでは、譲渡希望企業と買手候補企業のマッチングにおいてAIマッチングアルゴリズムを使用しております。

これにより、以下の競合優位性が生じております。

・完全成功報酬制の料金体系

当社グループはM&Aが成約するまで譲渡企業から報酬を頂きません。競合他社ではアドバイザリー契約の締結時に着手金を収受し、成約までの途中段階で中間報酬(成功報酬の内金)を収受する報酬体系が採用されることがあります。そのため、譲渡企業からすると当社グループとアドバイザリー契約を締結するハードルが下がり、結果として多くの譲渡企業からM&Aに関する依頼を請け負うことが可能となっております。


 

・7.2ヶ月の平均成約期間

当社グループはM&A仲介業務における「ソーシング」「マッチング」「エグゼキューション」の非効率な作業をAIやDXにより効率化しております。特に、マッチングフェーズにおいては、従来はM&Aアドバイザーが自身の経験をベースに買手候補企業のリストを作成し、該当企業に対し電話や手紙、メールによる営業を行うことでマッチングを行っておりました。当社グループではマッチング可能性の高い買手候補企業のリストをAIマッチングアルゴリズムが自動作成するため、リストの作成から営業活動までの時間が大幅に短縮され、かつ、マッチング可能性が高い企業のみに打診することができるためマッチングに要する時間を短縮できています。

AI及びDXシステムは全て自社開発であり、すでに12,000回を超える改修を行い参入障壁を築いております。業務の効率化を推し進めた結果として、2025年9月期に成約した全案件の平均成約期間(譲渡企業とアドバイザリー契約を締結してからM&Aがクロージングするまでの期間)は7.2ヶ月となり、業務時間の削減を可能にしたことで採用上の強みにも繋がっております。

 


 

・AIならではのマッチング提案

AIマッチングアルゴリズムは過去のM&A事例や当社グループが独自で蓄積したデータを学習し、譲渡希望企業を買収する可能性が高いと判断した企業を提案するため、属人的な判断に依存することなく、データに基づいて買手候補企業を抽出することを可能にしております。

このアルゴリズムの開発のためには膨大な企業情報の適切なデータベース化が重要であり、当社グループはデータベースを構築するため、基幹業務システムをゼロベースで開発しました。従前は市販のパッケージソフトを使用しておりましたが、カスタマイズの柔軟性やスピード感において自社開発に劣る部分が大きく、データの突合が適切に行われなかったため社内で開発いたしました。競合他社が同様のアルゴリズムを構築するには、情報を集約している基幹業務システムの抜本的な改修もしくは新規システムへの移行が必要であると考えており、模倣困難性が高いと判断しております。

 

・高い採用力

M&A仲介事業は継続的に優秀な人材を獲得することが事業成長のドライバーとなります。AIやDXにより効率化は平均成約期間の短縮化に繋がり、入社した人材が早期に成長することで新たに入社した人材を指導することができ、組織の拡大に耐えうる設計となっております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について

当社グループは顧客に対するサービス品質向上と投資家との適切なコミュニケーションが企業価値向上において重要であると考えており、主な課題として以下を認識しております。なお、当社グループのビジネスモデル上、キャッシュ・フローは安定しているため優先的に対処すべき財務上の課題は無いものと判断しておりますが、今後多額の投資アクションを起こす場合にはデット、もしくはエクイティによる資金調達により対処する方針です。

①案件の進捗管理(投資家との適切なコミュニケーション)

適切な業績管理、また、業績予想の精度向上のため、案件ごとの進捗を適時に把握し、管理することが重要であると認識しております。しかしながら、M&Aの案件進捗は当事者企業における意思決定手続等による影響を受けるため当社グループが掌握しきれない面があります。当社グループにおきましては、案件の開始時に譲渡希望企業と買手候補企業それぞれの成約希望時期を確認し、M&Aアドバイザーが随時両社の意思を適切に汲み取りながら案件をコントロールすることにより、見込成約時期が大幅に変動しないように努めております。成約時期が大幅に変動した案件については原因と対策を全社で共有し、さらなる改善を進めてまいります。

 

②システム開発への積極的な投資(顧客に対するサービス品質向上)

当社グループの競争力の源泉であるAⅠマッチングアルゴリズムが確度の高い買手候補企業を抽出することで、効率的にM&Aを成約させることが重要であります。そのため、AIマッチングアルゴリズムの継続的な開発を行うことで、買手候補企業の精度を向上させることが必要であると認識しております。システム投資は競合他社との差別化をより一層強固なものとし、当社グループの企業価値の向上に寄与するものであるため、積極的に行っていく方針であります。

 

③情報管理体制の強化(顧客に対するサービス品質向上)

当社グループは多くの企業の機密情報を預かるため、人員増加局面において情報漏洩やデータの紛失等の事故が起きないように社内の管理体制を強固にする必要があると認識しております。情報管理規則の徹底に加え、運用状況を内部監査により詳細に確認することにより対処してまいります。

 

(4)今後の成長戦略

M&A仲介事業の売上を拡大させるため、売上収益の構成要素を分解し、各要素に対して継続的に改善施策を繰り返すことで急成長を図ります。

①M&Aアドバイザーの採用及び教育体制の強化

当社グループが持続的な成長をするにあたり、優秀なM&Aアドバイザーを中心とした人材を採用し、育成していくことが最重要であります。

人材の採用については、様々なバックグラウンドを持つ方々のうち、M&A仲介に必要な専門知識を有する人材、優れた営業力を有する人材、多種多様な業界やビジネスモデルに精通した人材を発掘し、その中で「AI・DXを駆使したテクノロジーによりM&A業界を変革する。」という当社グループのビジョンに共感する方に絞って採用することとしており、今後もその方針に沿って採用活動を継続してまいります。当社グループの強みであるAIを用いた買手候補企業の抽出により、M&A未経験者においても効率的に買手候補企業へアプローチすることで案件を成約に導くことが可能なため、未経験者であっても優秀な人材と判断した場合には、積極的に採用することとしております。

既存の人材紹介会社との関係、ダイレクトリクルーティングプロセスのPDCA、新卒採用及び採用広報の4つの点を強化していくことにより優秀な人材を採用してまいります。

人材の教育については、入社時の研修に加え、継続的な勉強会を開催し、また、M&Aに関する情報を全社に共有することにより、M&Aアドバイザーに求められる能力の開発を続けております。

 

②1人あたり売上収益の向上

M&A仲介事業の1人あたり売上収益は受託案件数、成約率、成約単価の3つに分解されます。受託案件数についてはM&Aアドバイザーの教育制度のシステム化を進めることで譲渡希望企業とのアポイントからアドバイザリー契約受託率の改善を図ります。成約率についてはAIマッチングの精度を向上させること及びマッチングを担当する部署である法人部の人数を増加させることにより対処してまいります。

 


 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として売上収益と営業利益を重視しております。また、これらの経営指標に影響する成約件数、1件あたり平均成約手数料、M&Aアドバイザー数の推移を把握しており、これらの指標につきましては今後も継続的に増加させるよう努めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。なお、サステナビリティという観点から、今後も継続的にあるべき体制と管理すべきリスク、戦略の方向性を検討してまいります。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

ガバナンス

当社グループは、「M&A Techにより未来のM&A市場を創造する」という企業理念の下、当社グループを取り巻くステークホルダーの利益を守り、ステークホルダーの期待に応えていくため、経営の健全性、効率性、透明性の視点からコーポレート・ガバナンスの強化に努め、さらなる改善を図り、持続的な企業成長を目指すことを基本方針としております。法令遵守を徹底し、内部統制システムの整備・強化を図り、当社グループはもちろん、業界全体の社会的な信用を高められるよう企業倫理を追求・確立して参ります。

当社グループでは、会社法上の機関として、取締役会、監査役会、会計監査人を設置しております。また、有効な内部統制を構築するために内部監査室を設置し、コンプライアンス体制を強化するためにコンプライアンス委員会を設置しております。さらに、必要に応じて、弁護士等の外部専門家に助言を頂くことで、コーポレート・ガバナンス体制を補強しております。

当社グループのガバナンスに関する詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

 

リスク管理

当社グループは市場リスク・信用リスクを始め、様々なリスクにさらされています。これらのリスクは、予測不可能な不確実性を含んでおり、将来の財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、リスク管理を経営の重要課題と認識し、リスクマネジメントの基本方針を定め、必要なリスク管理体制及び手法を整備しています。具体的には、コンプライアンス・リスク管理規程を定め、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会を設置するとともに、日常的に発生するリスクについては取締役会において報告・検討され、未然防止及び早期対応を図る体制を構築しております。

当社グループの事業運営に伴うリスクは、取締役会による監督の下、管理部部門長がコンプライアンス及びリスク管理の取り組みの責任者となり、コンプライアンス委員会が取締役会への報告、未然の防止や早期対応を図る体制を構築しております。コンプライアンス委員会の委員長は代表取締役が務め、月次で会合を開いております。また、定例の会合以外でも、当社においてリスクと考えられる事項や社内のコンプライアンスに関する事象が発生した場合は適宜会合を開催し、対応を図っております。コンプライアンス委員会で議論、収集した情報は取締役会に報告され、的確な認識を持って経営判断に反映させ、業務運営を適正に指揮、監督しております。

当社グループのリスクに関する詳細は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

戦略

SASBスタンダードやGRIスタンダード、SDGs (国連の持続可能な開発目標) といった国際的な指標を参照し、当社グループの事業活動や企業文化に関連性の高い社会課題を抽出、リストアップした課題について、日本・米国・欧州・アジアの機関投資家の投資の際に意識するESG項目に関する開示情報の調査や、株主・投資家、取引先などの社外のステークホルダーとの意見交換を参考に重要性を評価いたしました。

また、当社グループの企業理念、経営方針、成長戦略との関連性を評価し、課題の優先順位や妥当性を検証、ステークホルダー及び自社視点で評価した課題を経営陣で議論を重ね、優先的に取り組むべきマテリアリティを特定いたしました。

当社グループはマテリアリティへの取組みを通じて、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。なお、特定したマテリアリティについては、サステナビリティに関連する世界的な動向や業務の進捗等に合わせて適宜見直しを行い、効率的な取組みを推進してまいります。

 

 

(特定したマテリアリティ)


 

 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

(方針・基本的な考え方)

当社グループにとって人材は最も重要な経営資産であり、人材なくして当社グループの持続的な成長は実現できません。また、当社グループが取り組むべきマテリアリティとして「競争力の源泉である人材の強化」を特定しているとおり、人材の成長が当社グループの持続的な成長の根幹であると言っても過言ではありません。社員それぞれの成長は、それぞれの「現場」での経験を通じて起こりますが、必要な知識・スキル等を整理し、社員が必要なタイミングで学習・習得できるように社内システムを整えています。私たちは、多様化・複雑化する社会のニーズに応えるべく、役職員が成長し、活躍できる環境や制度を整備し、個々の力を最大限に引き出すことで、企業としての競争力を高めるとともに、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。

また、当社グループは、高いパフォーマンスをステークホルダーの皆様に提供するためには、従業員が心身ともに健康であることが不可欠だと考えています。 従業員が高いパフォーマンスを持続的に発揮できるよう、労働安全衛生法、社内の安全衛生管理規程などを遵守し、安心安全な労働環境を提供することで、集中して仕事ができる快適な環境づくりに取り組んでまいります。

 

(人材配置の最適化)

当社グループは多様なプロ人材が最大限活躍し、組織戦力の最大化を図るため、適材適所の人材配置を実施しています。経営方針として攻めるべき成長分野に重要かつ限りある経営資源である人材を機動的に異動・配置することで、攻めを加速する人材配置の施策を継続的に行い、プロ人材による事業推進を実現しています。適宜、上司と部下が面談を実施し、社員の人物特性・専門性・業務能力・得意分野・経験等を考慮しながら育成・活用計画を確認の上で、最適な人材配置を検討しています。また、組織の強化や人材の適材適所への配置と補充、社員のキャリア支援の一環として、社内公募制度を整えております。

 

(社員の成長を支援する仕組み)

当社グループでは、個々人のスキルや人間性の向上を支援し、継続的な成長と活躍を実現するため、資格取得や書籍購入の補助制度をはじめ、さまざまな制度を整備しております。

資格取得の補助制度は、従業員の専門性を高め、プロフェッショナルとしての競争力を備えた人材を育成することを目的としています。

また、書籍購入の補助制度では、業務に関連する専門書やビジネス書だけでなく、自己啓発やモチベーションアップに役立つ幅広い書籍の購入代金の負担や、社内で当該書籍の貸出制度を取り入れることで、従業員の多面的な成長を支援しています。

 

(従業員に対する中長期インセンティブの提供)

当社グループでは、従業員に対する中長期インセンティブとして持株会制度(M&A総研ホールディングス社員持株会)を採用しています。M&A総研ホールディングス社員持株会は、社員(グループ会社含む)が持株会へ任意で加入し、毎月の給与からの天引きにより、一定金額を持株会に拠出し、毎月M&A総研ホールディングス株式を買付け、中長期的な財産形成に資する目的で福利厚生制度の一環として運営されています。また、全社員を対象とした表彰制度を導入し、社員のモチベーションアップ、連帯感の向上を図っています。

 

(ワークライフバランス)

当社グループは、AI・DXシステムを活用することにより業務負担を軽減しています。また、従業員が高いパフォーマンスを発揮できるよう労働法令を遵守した労務管理を行っております。過度の労働時間と時間外労働を削減し、健康的で安全に働ける職場環境整備に向けて、以下の取り組みを実施するほか、関連部署と連携を図っております。

・健康診断の実施

・勤務時間のモニタリングや従業員へのヒアリング

・長時間勤務となりうる従業員とその上長への通知、指導

 

指標及び目標

当社グループでは、多様性の確保の重要性を認識し、性別・国籍・入社時期に関わらず、能力を本位とする人材登用を行っており、人材の多様性の確保に努めております。現状は、多様性の確保に向けての測定可能な目標の設定に至っておりませんが、社内でその状況を注視し取締役会で議論してまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に取り組む方針でありますが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

当社グループのリスク管理体制としては、リスク管理規程を定めるとともに、日常的に発生するリスクについては取締役会において報告・検討され、未然防止及び早期対応を図るよう努めております。例外的又は突発的なリスクに関しては、代表取締役社長がリスク対応体制を発動し、対応を図る予定としております。

なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅しているものではありませんので、この点にご留意下さい。

 

(1)事業環境に関するリスク

(M&A市場の低迷)

発生可能性:低

影響度:大

M&A市場は、後継者不在企業の増加に伴う事業承継型M&Aやノンコア事業を切り離す戦略型のM&A、中長期の成長戦略手法としてのM&Aといったニーズの拡大を受け、今後も成長していくものと考えております。しかしながら、景気の悪化や自然災害等により、買収ニーズが縮小する場合や後継者不在企業が減少する場合には、M&A市場が低迷し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(同業他社との競合)

発生可能性:高

影響度:大

M&A仲介業務は許認可や資格、大規模な設備投資が不要であるため、参入障壁は比較的低いと考えております。当社グループでは、これまでの経験により蓄積されたナレッジやノウハウを社内で共有するためのシステムを自社開発することにより、新入社員が成果を出すスピードを上げるなど、種々の施策を講じて対応を図っておりますが、同業他社との競争が激化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(法的規制)

発生可能性:中

影響度:大

現状、M&A仲介業務を直接的に規制する法令等は存在せず、許認可や資格も不要であります。しかしながら、今後、法令等の制定・改定により、M&A仲介業務に対して何らかの規制がなされることになった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

一方で、中小企業庁がM&A支援機関登録制度を発足し、一定の要件を満たす仲介事業者やアドバイザリー業者が公開されています。当社グループも登録事業者となっておりますが、今後、登録要件の変更や制度の改定等により登録事業者でなくなった場合には当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、M&Aに関連する法改正が行われた場合には、社会におけるM&Aニーズも変化する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

その他、M&Aの取引やスキームに関連する会社法、金融商品取引法、税法等の法改正がM&A取引の推進に影響する場合、当社グループの経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。

現在においてはリスクが顕在化するような具体的な法改正は行われていないと認識しておりますが、リスクが顕在化する可能性が生じた場合、早急に必要な対応を図る予定としております。

 

 

(2)事業内容に関するリスク

(業績の変動)

発生可能性:中

影響度:大

当社グループの提供するM&A仲介サービスは、譲渡希望企業に対しては完全成功報酬制であるため、成約時に報酬の大部分を受領することとなります。そのため、案件の成約時期によって業績が大きく変動する可能性があります。

また、受託する案件の規模により、成功報酬も異なるため、受託案件数を増やすことにより、業績が大きく変動しないよう取り組んでおりますが、案件成約数の一時的な変動や成約案件規模の大小により、業績が大きく変動する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(技術革新)

発生可能性:低

影響度:中

当社グループの事業に関連するAI技術は、日々研究開発が進んでおり技術革新の速度が非常に速い分野であります。当社グループもこのような技術革新に対応し、AIを活用した事業基盤の強化に努めていきますが、技術革新への対応が遅れた場合には競争力が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(訴訟)

発生可能性:低

影響度:中

当社グループは、サービス品質の向上とコンプライアンス体制の構築に努めており、本書提出日現在において業績に重大な影響を及ぼす訴訟等は発生しておりません。しかしながら、今後、何らかの要因により訴訟を提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(M&A仲介事業への依存)

発生可能性:低

影響度:中

当社グループは、収益の大部分をM&A仲介事業に依存しております。事業承継ニーズや成長戦略のためのM&Aニーズの高まりによりM&A市場は今後も拡大していくものと考えておりますが、経済情勢の変動や社会問題の発生等によりM&A市場に著しい変化が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(自然災害等)

発生可能性:低

影響度:大

当社グループは、保有するデータの多くを外部サーバー上に保管しているため、自然災害等に起因してこれらに保管しているデータが利用できなくなった場合や、当社グループ自体に甚大な被害が発生し、事業活動の遂行が困難になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3)組織体制に関するリスク

(人材の採用・育成)

発生可能性:低

影響度:大

M&A仲介業務は、人材に依る部分が大きく、人材の獲得と育成は、最も重要な経営課題の一つであると考えております。しかしながら、雇用情勢の変化等により人材を適時に獲得できない場合、人材が大量に社外流出してしまった場合、育成が計画通り進展しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(情報セキュリティ管理)

発生可能性:低

影響度:大

当社グループは、法人の機密情報を扱うことが多いため、顧客との間で秘密保持契約を締結しており、守秘義務を負っております。当社グループでは、顧客情報が漏洩しないように社内規程を整備し、情報管理を徹底しております。しかしながら、不測の事態によって守秘義務の対象となる顧客情報が漏洩した場合、損害賠償請求や信用の失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、M&Aに関連するニーズやメールマガジンの登録時に、個人情報を取得する場合があります。当社グループでは、個人情報の保護に関する法律及びその関連法令に基づき、個人情報保護に関する規程等を定めることで、個人情報を厳正に管理しております。しかしながら、このような対策にも関わらず、不測の事態により、個人情報の漏洩や不正利用等が生じた場合には、当社グループの信用の失墜により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(代表取締役社長への依存)

発生可能性:低

影響度:中

当社代表取締役である佐上峻作は、当社グループの創業者及び経営の最高責任者であり、2025年9月30日時点で当社株式の58.0%を所有する大株主であるとともに、経営方針や事業戦略の立案・決定及びその遂行において重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度な依存を回避すべく、取締役会、経営会議等における役員及び幹部社員の情報共有を行い、経営管理体制の強化、経営幹部の育成等を図ることにより、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、現時点において当該役員に対する依存度は高い状況にあるといえます。そのため、何らかの理由により同氏が当社グループの経営を行うことが困難な状態となり、また、後任となる経営層の採用・育成が進展していなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(急速な組織の拡大)

発生可能性:低

影響度:中

2025年9月30日時点で、当社は取締役6名、監査役3名、当社グループの従業員は690名で事業を運営しておりますが、引き続き積極的に採用活動を行い、組織を拡大させていく方針です。今後の人員構成において最適と考えられる内部管理体制及び業務執行体制を構築するための人材の採用や育成を行う方針でありますが、これらの施策が適切なタイミングで実施できなかった場合、又は人材が社外に流出した場合は、内部管理体制及び業務執行体制が有効に機能せず、当社グループの事業展開に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4)その他のリスク

(新株予約権の行使による株式価値の希薄化について)

発生可能性:高

影響度:低

当社グループは役員及び従業員等に対し、長期的な企業価値向上に対するインセンティブを目的として、上場後5年間に渡るベスティングを付したストック・オプションを付与しております。また、今後の優秀な人材確保のため信託型ストック・オプションを発行しております。新株予約権について行使が行われた場合には、当社グループの1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。なお、2025年9月30日現在における新株予約権による潜在株式数は4,025,889株であり、発行済株式総数54,101,335株の7.4%に相当しております。

新株予約権の詳細は「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」をご参照下さい。

 

(大株主との関係について)

発生可能性:中

影響度:中

当社の代表取締役社長である佐上峻作は、当社の大株主であり、2025年9月30日時点で発行済株式総数の58.0%の議決権を所有しております。同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。また、当社グループと致しましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、将来的に何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格、議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

※当社グループは当連結会計年度(2024年10月1日から2025年9月30日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRS会計基準を適用しており、前連結会計年度の数値をIFRS会計基準に組み替えて比較分析を行っております。

 

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用、所得環境の改善やインバウンド需要の増加等により緩やかな回復が見られる一方で、不安定な国際情勢、円安や物価上昇に加え、金融政策の影響等、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。

当社グループの主要な事業ドメインである日本国内の中小企業によるM&A市場は、経営者の高齢化及び後継者不在企業の増加という実態と、M&Aによる事業承継を推進する行政の政策により拡大を続けております。当社グループは1社でも多くの企業の事業承継を支援すべく、AIマッチングアルゴリズムの精度向上、業務のDⅩ推進という2軸で効率的なM&Aの実現に取り組んでおります。

その他、2023年3月にホールディングス体制に移行し、前連結会計年度において子会社3社を新規設立しております。そのうち1社はコンサルティング事業の新規立ち上げを目的としており、M&A仲介事業以外にも業容を拡大させております。

当連結会計年度においては、海外のM&A仲介案件を獲得するため、シンガポールに現地法人を設立しております。さらに、顧客基盤の多角化及び収益機会の拡大を図るため、新たにオペレーティング・リース事業を推進する新規子会社を設立いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上収益は16,602,585千円(前期比0.3%増)、営業利益は4,778,240千円(前期比42.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,747,339千円(前期比51.4%減)となりました。

 

(売上収益

当連結会計年度の売上収益は16,602,585千円(前期比0.3%増)となりました。これはM&A仲介事業が減収となった一方、コンサルティング事業の拡大が寄与したことによるものであります。

 

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は4,778,240千円(前期比42.1%減)となりました。これは主にコンサルティング事業等の先行投資が増加したことに対し、売上収益の伸長が限定的だったことによるものであります。

 

(税引前当期利益)

当連結会計年度の税引前当期利益は4,773,136千円(前期比42.1%減)となりました。

 

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

当連結会計年度の法人所得税費用は2,025,796千円(前期比21.8%減)となりました。

この結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は2,747,339千円(前期比51.4%減)となりました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

なお、当社グループは従来、主たる事業である「M&A仲介事業」を報告セグメントとし、報告セグメントに含まれない事業セグメントであるコンサルティング事業、資産運用コンサルティング事業、オペレーティング・リース事業を「その他」の区分に表示しておりましたが、当該コンサルティング事業が事業規模の拡大に伴い経営上の重要性が増したことから、当連結会計年度より新たに「コンサルティング事業」を独立した報告セグメントとして追加いたしました。

なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成した組替後の数値を記載しております

詳細は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記の「6.セグメント情報」に記載のとおりであります。

 

(M&A仲介)

M&A仲介事業におきましては、着実にM&A仲介案件を進捗させた結果、成約件数は234件となっております。

また、今後の業績拡大を図るため引き続き積極的な採用を進めており、当連結会計年度においてM&Aアドバイザーを78名増員しております。

この結果、売上収益は15,146,556千円(前期比7.1%減)、セグメント利益は5,748,408千円(前期比32.8%減)となりました。

 

(コンサルティング)

コンサルティング事業におきましては、旺盛なクライアント需要を背景に売上収益は順調に推移いたしました。

一方で、今後の更なる事業拡大を見据え、優秀なコンサルタント人材の獲得に向けた採用活動を積極的に推進しております。

この結果、売上収益は1,451,529千円(前期比485.4%増)、セグメント損失は786,248千円(前期は248,880千円のセグメント損失)となりました。

 

(その他)

その他につきましては、資産運用コンサルティング事業、オペレーティング・リース事業であり、売上収益は4,500千円(前期は売上収益なし)、セグメント損失は133,473千円(前期は43,241千円のセグメント損失)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

a 生産実績

該当事項はありません。

b 受注実績

該当事項はありません。

C 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

M&A仲介

15,146,556

△7.1

コンサルティング

1,451,529

485.4

その他

4,500

合計

16,602,585

0.3

 

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

 

②経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について

当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、全社の売上収益と営業損益に加え、「M&A仲介事業」及び当連結会計年度より報告セグメントとしております「コンサルティング事業」のセグメント別売上収益及びセグメント損益を重視しております。

各事業の成長性及び進捗を測るための主要なKPIとして、M&A仲介事業においては成約件数、1件あたり平均成約手数料、M&Aアドバイザー数を、コンサルティング事業においては組織基盤の構築を示すコンサルタント数をそれぞれ把握しております。

当連結会計年度における売上収益は16,602,585千円営業利益は4,778,240千円となりました。セグメント別の状況は、M&A仲介事業の売上収益は15,146,556千円セグメント利益は5,748,408千円であった一方、コンサルティング事業の売上収益は1,451,529千円セグメント損失は786,248千円となりました。
 各事業の主要KPIの状況は以下のとおりです。

(M&A仲介)

成約件数は234件、1件あたり平均成約手数料は64.7百万円となり、期末のM&Aアドバイザー数は390名となりました。

(コンサルティング)

組織基盤の強化やブランディングに注力する先行投資フェーズであり、期末のコンサルタント数は138名となりました。
  今後の各指標の向上の施策については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)今後の成長戦略」に記載しております。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境等の様々な要因が変動することによる影響を受ける可能性があると認識しております。そのため、当社グループを取り巻く外部環境と内部環境の変化に留意しつつ、内部統制の強化や人材の確保と育成等により、経営成績に重要な影響を与えるリスクの発生を抑え、適切な対応を図ってまいります。

 

(2) 財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末における流動資産は、6,258,412千円となり、前連結会計年度末に比べ4,762,598千円減少いたしました。これは主に、現金及び現金同等物が6,055,931千円減少したことによるものであります。

当連結会計年度末における非流動資産は、1,864,707千円となり、前連結会計年度末に比べ361,721千円増加いたしました。これは主に、使用権資産が312,379千円増加したことによるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における流動負債は、2,673,485千円となり、前連結会計年度末に比べ634,098千円減少いたしました。これは主に、未払法人所得税が750,499千円減少したことによるものであります。

当連結会計年度末における非流動負債は、345,061千円となり、前連結会計年度末に比べ42,132千円増加いたしました。これは主に、リース負債が24,783千円増加したことによるものであります。

 

(資本の部)

当連結会計年度末における資本合計は、5,104,573千円となり、前連結会計年度末に比べ3,808,910千円減少いたしました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益を2,747,339千円計上した一方で、自己株式の取得及び消却に伴う利益剰余金から資本剰余金への振替を行ったことで利益剰余金が5,677,193千円減少したことによるものであります。自己株式の取得及び消却については、自己株式を5,080,930株取得したことで自己株式が6,707,356千円増加し、自己株式5,211,458株を消却したことで資本剰余金及び自己株式がそれぞれ7,750,253千円減少いたしました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、4,118,742千円となり、前連結会計年度末と比べ6,055,931千円の減少となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,302,778千円(前期は5,718,115千円の資金獲得となりました。これは主に、税引前当期利益4,773,136千円を計上した一方で、法人所得税の支払額が2,528,555千円、預け金の増加が788,310千円、営業債権及びその他の債権の増加が611,161千円あったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は351,204千円(前期は308,340千円の資金使用となりました。これは主に、敷金及び保証金の差入による支出が325,970千円あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は7,009,095千円(前期は2,665,529千円の資金使用となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が6,711,380千円、リース負債の返済による支出が329,300千円あったことによるものであります。

 

当社グループの運転資金需要の主なものは、人材の獲得、維持にかかる人件費、業容拡大に伴う物件維持費、将来の顧客獲得のため又は顧客の利便性や当社グループのサービス向上のための広告宣伝費及びシステム改良費等の営業費用であります。

当社グループとしては、不測の事態も想定し、十分な資金を自己資金で確保しながら、必要に応じて銀行借入による調達を行う方針であります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。

その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループの繰延税金資産は、将来の課税所得が生じると見込まれる範囲に基づいて、将来の税金負担額を軽減することができる範囲内で計上しております。当該課税所得が生じる可能性の判断においては、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定しております。

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価にあたり実施している見積りは合理的であると判断しております。なお、見積りの基礎となる仮定は、当連結会計年度の成約件数や直近の受託残高等から最新の見通しを用いております。

繰延税金資産の回収可能性の評価は、経営者による最善の見積りにより行っておりますが、当社グループの主要市場における景気低迷による受託件数の減少等の結果によって、翌連結会計年度の連結財務諸表において繰延税金資産を回収可能額まで取り崩す可能性があります。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しています。

 

(5) 並行開示情報

「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第3編から第6編までを除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。

なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、千円未満を切捨てして記載しております。

 

 

① 要約連結貸借対照表

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度
(2024年9月30日)

当連結会計年度
(2025年9月30日)

資産の部

 

 

 流動資産

11,029,888

6,293,857

 固定資産

 

 

  有形固定資産

169,173

198,126

  無形固定資産

9,079

6,018

  投資その他の資産

791,734

794,942

  固定資産合計

969,987

999,086

 資産合計

11,999,875

7,292,944

負債の部

 

 

 流動負債

2,959,219

1,954,590

 固定負債

21,507

17,875

 負債合計

2,980,726

1,972,465

純資産の部

 

 

 株主資本

9,013,955

5,266,437

 その他の包括利益累計額

2,556

 新株予約権

5,193

51,484

 純資産合計

9,019,149

5,320,478

負債純資産合計

11,999,875

7,292,944

 

 

② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(自 2023年10月1日

至 2024年9月30日)

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

至 2025年9月30日)

売上高

16,549,607

16,602,585

売上原価

4,531,986

6,482,471

売上総利益

12,017,621

10,120,114

販売費及び一般管理費

3,608,947

5,155,394

営業利益

8,408,673

4,964,720

営業外収益

10,661

34,350

営業外費用

13,717

28,175

経常利益

8,405,617

4,970,895

特別利益

8,114

特別損失

1,597

28,167

税金等調整前当期純利益

8,404,020

4,950,842

法人税等

2,615,375

2,056,469

当期純利益

5,788,644

2,894,372

親会社株主に帰属する当期純利益

5,788,644

2,894,372

 

 

要約連結包括利益計算書

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(自 2023年10月1日

至 2024年9月30日)

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

至 2025年9月30日)

当期純利益

5,788,644

2,894,372

その他の包括利益

2,556

包括利益

5,788,644

2,896,928

(内訳)

 

 

 親会社株主に係る包括利益

5,788,644

2,896,928

 非支配株主に係る包括利益

 

 

③ 要約連結株主資本等変動計算書

前連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)

 

(単位:千円)

 

株主資本

その他の包括利益累計額

新株予約権

純資産合計

当期首残高

5,598,708

924

5,599,632

当期変動額

3,415,247

4,269

3,419,516

当期末残高

9,013,955

5,193

9,019,149

 

 

当連結会計年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)

 

(単位:千円)

 

株主資本

その他の包括利益累計額

新株予約権

純資産合計

当期首残高

9,013,955

5,193

9,019,149

当期変動額

△3,747,518

2,556

46,291

△3,698,670

当期末残高

5,266,437

2,556

51,484

5,320,478

 

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書

 

 

(単位:千円)

 

前連結会計年度

(自 2023年10月1日

至 2024年9月30日)

当連結会計年度

(自 2024年10月1日

至 2025年9月30日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

5,479,018

976,596

投資活動によるキャッシュ・フロー

△308,340

△351,204

財務活動によるキャッシュ・フロー

△2,426,432

△6,682,913

現金及び現金同等物に係る換算差額

1,590

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

2,744,246

△6,055,931

現金及び現金同等物の期首残高

7,430,428

10,174,674

現金及び現金同等物の期末残高

10,174,674

4,118,742

 

 

⑤ 要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更

前連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)

(連結の範囲の変更)

株式会社M&Aエグゼクティブパートナーズ及び株式会社M&Aプライムグループ並びに株式会社クオンツ・コンサルティングを新たに設立したため、連結の範囲に含めております。

 

当連結会計年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)

(連結の範囲の変更)

株式会社総研リース、M&A Research Institute Singapore Pte.Ltd.、他2社を新たに設立したため、連結の範囲に含めております。

 

(会計方針の変更)

(「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用)

「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。

法人税等の計上区分(その他の包括利益に対する課税)に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い及び「税効果会計に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第28号 2022年10月28日。以下「2022年改正適用指針」という。)第65-2項(2)ただし書きに定める経過的な取扱いに従っております。なお、これによる要約連結財務諸表に与える影響はありません。

 

 

(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

前連結会計年度(自 2023年10月1日 至 2024年9月30日)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「34.初度適用」をご参照ください。

 

当連結会計年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)

(株式報酬)

日本基準ではストック・オプションを本源的価値に基づいて測定しておりましたが、IFRS会計基準では公正価値に基づいて測定しており、権利確定期間にわたって株式報酬費用を認識しております。この結果、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「販売費及び一般管理費」が28,678千円増加しております。

 

(未消化の有給休暇)

日本基準では会計処理が求められていなかった未消化の有給休暇について、IFRS会計基準では未払有給休暇として計上し、「その他の流動負債」として表示しております。この結果、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「その他の流動負債」が236,140千円増加しております。

 

(リース)

日本基準では借手のリースはファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、オペレーティング・リースについては通常の賃貸借取引に係る方法に準じた会計処理を行っておりました。IFRS会計基準では借手のリースについて当該分類を行わず、短期リース及び原資産が少額であるリースを除くすべてのリースについて使用権資産及びリース負債を認識することが求められております。この結果、IFRS会計基準では日本基準に比べて、「使用権資産」及び「リース負債」がそれぞれ1,166,741千円及び685,424千円増加しております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、M&Aの当事者に資するサービスの提供を基本理念とし、売手と買手のマッチングの開発、および社内業務のDXを中心に、本社の開発部門において研究開発を進めております。

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は33,195千円であります。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 

(M&A仲介事業)

売手と買手のマッチング精度を飛躍的に高めるため、生成AI・自然言語処理(NLP)・機械学習を融合した独自アルゴリズムの開発を推進しています。

 

①生成AIによる業務効率化

ソーシング文面、テレアポスクリプト、面談設計などを自社ナレッジと生成AIで最適化し、業務の高度な自動化と品質均一化を実現。資料・企画書のドラフト生成もAIで行い、アドバイザーの生産性と提案力の双方を強化しています。

 

②自然言語処理(NLP)技術の活用

インターネット上に分散する膨大な情報群をNLPで解析し、キーワード抽出を通じて高い親和性を持つ買手候補企業を高速かつ高精度に抽出します。

 

③機械学習によるマッチング精度の進化

蓄積された企業データや過去M&A事例を学習モデルに取り込み、売手との親和性を自動判定。結果を継続的に再学習させることで、アルゴリズムの精度向上を加速させています。

 

これらの技術を統合することで、人為的ミスや判断のばらつきを排除し、広範かつ的確な買手候補提案を可能とする次世代マッチングシステムを構築しています。

 

さらに、M&Aの「ソーシングからエグゼキューションまで」の全プロセスにおいて、業務フローの自動化システムの開発を進めています。従来のアナログ業務をシステム化することで、アドバイザーは本来の価値創出である顧客とのコミュニケーションにより多くの時間を投入できる環境を実現しています。

 

(コンサルティング事業)

該当事項はありません。

 

(その他)

該当事項はありません。