【要約四半期連結財務諸表注記】
1.報告企業
株式会社デンソー(以下、「当社」)は、日本に所在する株式会社です。当社及び国内外の連結子会社(以下、まとめて「連結会社」)は、「日本」、「北米」、「欧州」、「アジア」、「その他」の各セグメントで、主に自動車部品におけるサーマルシステム、パワトレインシステム、モビリティエレクトロニクス、エレクトリフィケーションシステム、先進デバイス、及び非車載事業の領域において、開発、製造及び販売を行っています。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨
本要約四半期連結財務諸表は、「四半期連結財務諸表規則」第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件をすべて満たすことから、同規則第93条の規定により、IAS第34号に準拠して作成しています。本要約四半期連結財務諸表は、連結会計年度の連結財務諸表で要求されるすべての情報が含まれていないため、前連結会計年度の連結財務諸表と併せて利用されるべきものです。当社の当第3四半期の要約四半期連結財務諸表は、2024年2月9日に取締役社長 林新之助によって承認されています。
(2) 重要な会計上の判断、見積り及び仮定
本要約四半期連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。
見積り及びその基礎となる仮定は、関連性があると思われる過去の経験及びその他の要素に基づいていますが、実績はこれらの見積りと異なる場合があるため、継続的に見直しています。会計上の見積りの修正は、修正した期間にのみ影響を及ぼす場合は見積りが修正された期間に認識され、修正した期間及び将来の期間の双方に影響を及ぼす場合には当該期間及び将来の期間で認識されます。
本要約四半期連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積り及び仮定は、前連結会計年度から重要な変更はありません。
(会計上の見積りの変更)
過去に連結会社において生産した製品の一部で生じた不具合に係る負担費用として製品保証引当金を計上していましたが、その後の状況を踏まえ、第3四半期連結会計期間において見積りの変更を行いました。
この変更により流動負債の引当金、販売費及び一般管理費がそれぞれ179,400百万円増加しています。
3.重要性のある会計方針
本要約四半期連結財務諸表において適用する重要性のある会計方針は、前連結会計年度の連結財務諸表において適用した会計方針と同一です。
なお、当第3四半期連結累計期間の法人所得税費用は、見積平均年次実効税率を基に算定しています。
4.事業セグメント
報告セグメントの識別方法、各報告セグメントが営む事業の内容及びセグメント利益の測定基準については、当第3四半期連結累計期間において重要な変更はありません。
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(注1) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
(注2) 日本セグメントにおけるセグメント利益には、製品保証引当金繰入191,201百万円が含まれています。
前第3四半期連結会計期間(自 2022年10月1日 至 2022年12月31日)
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
当第3四半期連結会計期間(自 2023年10月1日 至 2023年12月31日)
(注1) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、南米等の現地法人の事業活動を含んでいます。
(注2) 日本セグメントにおけるセグメント損失には、製品保証引当金繰入149,429百万円が含まれています。
5.企業結合
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
当社は2023年8月1日よりBelua Beheer B.V.を新たに当社の完全子会社としています。
(1) 企業結合の概要
当社は、Certhon Build B.V.を始めとするセルトングループの親会社であるBelua Beheer B.V.の株式を2023年8月1日に譲り受け、Belua Beheer B.V.を当社の完全子会社としました。その結果、当社の保有するBelua Beheer B.V.の議決権比率は40%(2023年7月31日時点)から100%(2023年8月1日時点)となり、当社は議決権の全てを保有しています。
(2) 企業結合の理由
農業生産事業のグローバル展開の加速を目的としています。
(3) 被取得企業の概要
名称 Belua Beheer B.V.
事業内容 施設園芸ソリューションの開発、販売
(4) 支配獲得日
2023年8月1日
(5) 取得対価及びその内訳
(単位:百万円)
当社が支配獲得時に既に保有していたBelua Beheer B.V.に対する資本持分を支配獲得日の公正価値で再測定した結果、2,858百万円の利益を認識しています。この利益は、要約四半期連結損益計算書上、「その他の収益」に計上されています。
また、当該企業結合に係るアドバイザリー費用等の取得関連コスト298百万円(2023年3月31日に終了した連結会計年度89百万円、当第3四半期連結累計期間209百万円)を「販売費及び一般管理費」に計上しています。
(6) 支配獲得日における資産・負債の公正価値及びのれん
(単位:百万円)
取得対価の配分が完了していないため、資産及び負債の公正価値は、取得日時点で認識された暫定的な金額であり、測定期間中(取得日から1年間)に修正が行われる可能性があります。
(注)のれん
のれんは、今後の事業展開や当社と被取得企業とのシナジーにより期待される将来の超過収益力を反映したものです。税務上損金算入可能と見込まれるのれんの金額は発生していません。
(7) 子会社の支配獲得による支出
(単位:百万円)
(8) 被取得企業の売上収益及び当期利益
要約四半期連結損益計算書に認識している、支配獲得日以降における内部取引消去前の被取得企業の売上収益は2,989百万円、当期利益は31百万円です。
(9) 企業結合が期首に完了したと仮定した場合の、連結売上収益及び連結純利益
Belua Beheer B.V.の企業結合について、支配獲得日が2023年4月1日であったと仮定した場合の、2023年12月31日に終了した9ヵ月間における当社の連結業績に係るプロフォーマ情報(非監査情報)は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
6.棚卸資産
「棚卸資産」の正味実現可能価額までの評価減の金額は以下のとおりです。
7.有形固定資産
(1) 「有形固定資産」の帳簿価額の増減は以下のとおりです。
(注1)企業結合による増加は、Belua Beheer B.V.の取得によるものです(注記5「企業結合」参照)。
(注2)有形固定資産の減価償却費は、要約四半期連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれています。
(2) コミットメント
有形固定資産の取得に関する契約上のコミットメントは以下のとおりです。
8.売却目的で保有する資産
当社は2023年7月10日付で、株式会社TDモバイルの携帯電話販売・代理店事業(一部の店舗を除く)について、株式会社ラネットの新設子会社へ当該事業の譲渡を意思決定したことにより、第2四半期連結会計期間において、当社の連結子会社である株式会社TDモバイルが保有する資産及び負債を、売却目的で保有する資産及び直接関連する負債に分類しました。
当該事業譲渡が2023年10月1日に実行されたことに伴い、当第3四半期連結累計期間において事業譲渡に伴う利益を認識しています。この利益は、要約四半期連結損益計算書上、「その他の収益」に計上されています。
9.配当
配当金の支払額は以下のとおりです。
(1) 前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
(2) 当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。「1株当たり配当額」 については、当該株式分割前の金額を記載しています。
10.売上収益
収益の分解
連結会社は先進的な自動車技術、システム・製品を提供する、グローバルな自動車部品メーカであり、自動車メーカ向けの部品供給事業を中心にビジネスを行っています。市販・非車載事業においては、主に、エンドユーザ向けに自動車補修用部品等の販売を行っています。これらのビジネスから生じる収益は顧客との契約に従って計上し、売上収益として表示しています。
得意先別に分解した売上収益は以下のとおりです。
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
トヨタグループ向け売上収益について、セグメント別に分解した売上収益はそれぞれ、日本は1,149,446百万円、北米は474,562百万円、欧州は68,653百万円、アジアは554,262百万円、その他は34,288百万円です。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
トヨタグループ向け売上収益について、セグメント別に分解した売上収益はそれぞれ、日本は1,508,983百万円、北米は583,548百万円、欧州は86,211百万円、アジアは567,747百万円、その他は34,978百万円です。
製品別に分解した売上収益は以下のとおりです。
なお、2023年1月1日付の組織変更に伴い、第1四半期連結会計期間より、従来「非車載事業分野」としていた一部製品を「サーマルシステム」に区分を変更しています。当該変更に伴い、前第3四半期連結累計期間の売上収益を、変更後の区分に組み替えて表示しています。
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
[組織変更前の区分]
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
[組織変更後の区分]
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
(注)グループ会社間の内部取引控除後の金額を表示しています。
11.その他の収益
「その他の収益」の内訳は以下のとおりです。
(注) 当第3四半期連結累計期間の「その他」には、当社が支配獲得時に既に保有していたBelua Beheer B.V.に対する資本持分を支配獲得日の公正価値で再測定した結果による利益2,858百万円(注記5「企業結合」参照)が、含まれています。
12.販売費及び一般管理費及びその他の費用
「販売費及び一般管理費」の内訳は以下のとおりです。
「その他の費用」の内訳は以下のとおりです。
(注) 当第3四半期連結累計期間の「その他」には、特定の自動車部品の過去の取引についての独占禁止法違反の疑いに関する和解金等である独占禁止法関連損失が、3,645百万円(注記17「偶発事象」参照)含まれています。
13.金融商品に係る収益及び費用
「金融収益」の内訳は以下のとおりです。
「金融費用」の内訳は以下のとおりです。
14.1株当たり四半期利益
(1) 基本的1株当たり四半期利益の算定上の基礎
① 親会社の所有者に帰属する四半期利益
② 普通株式の期中平均株式数
2023年10月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っています。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して「1株当たり四半期利益」を算定しています。
(2) 希薄化後1株当たり四半期利益の算定上の基礎
希薄化後1株当たり四半期利益については、希薄化効果のある株式が存在しないため記載していません。
15.金融商品
金融商品の公正価値
金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しています。
レベル1:活発な市場における相場価格により測定された公正価値
レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の期首時点で発生したものとして認識しています。
なお、2022年12月31日に終了した9ヶ月間及び2023年12月31日に終了した9ヶ月間において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
(1) 償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでいます。
当第3四半期連結会計期間(2023年12月31日)
(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでいます。
償却原価で測定する短期金融資産、短期金融負債については、公正価値は帳簿価額と近似しているため、注記を省略しています。
長期借入金の公正価値は、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値により算定しています。
(2) 経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値
公正価値で測定する金融商品の公正価値ヒエラルキーは、以下のとおりです。
前連結会計年度(2023年3月31日)
当第3四半期連結会計期間(2023年12月31日)
デリバティブは主に為替予約、金利スワップ、金利通貨スワップに係る取引です。
為替予約の公正価値は、先物為替相場等に基づき算定しています。金利スワップ、金利通貨スワップの公正価値は、取引先金融機関等から提示された金利等、観察可能な市場データに基づき算定しています。
非上場株式、その他の持分証券の公正価値測定においては、特定の状況に応じて最も適切な方法を選択しています。評価技法は、ディスカウント・キャッシュ・フロー法、又は、必要に応じてPBRによる時価修正等を加えた修正時価純資産方式等を使用することにより算出しています。
非上場株式、その他の持分証券の公正価値測定で用いている重要な観察不能なインプットである非流動性ディスカウントは、30%で算定しています。
レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりです。
(注1) 損益に含まれている利得及び損失は、決算日時点の純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものです。これらの損益は要約四半期連結損益計算書上「金融収益」及び「金融費用」に含まれています。
(注2) その他の包括利益に含まれている利得及び損失は、決算日時点のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものです。これらの損益は要約四半期連結包括利益計算書上「FVTOCIに指定した資本性金融商品への投資による損益」に含まれています。
16.関連当事者取引
前第3四半期連結累計期間(自 2022年4月1日 至 2022年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(自 2023年4月1日 至 2023年12月31日)
17.偶発事象
当第3四半期連結会計期間末における偶発債務の内容は以下のとおりです。
独占禁止法関連
(1) 国及び競争法当局による調査
一部の国において当局による調査に対応しています。
(2) 個別の和解交渉
当社は、特定の自動車部品の過去の取引に関する独占禁止法違反の疑いに関連して、主要顧客(自動車メーカ)との間で個別に交渉を行っています。
当社は、上記事案のいくつかについて、支出の可能性のある金額を見積ったうえ、引当金を計上しており、これに関する費用は、「その他の費用」に含めています(注記12「販売費及び一般管理費及びその他の費用」参照)。
なお、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に従い、当社の立場が不利になる可能性があるため、これらの係争の全般的な内容を開示していません。
18.後発事象
連結会社は、後発事象を2024年2月9日まで評価しています。2024年2月9日現在、記載すべき後発事象はありません。