名称 宝ホールディングス株式会社
所在地 京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20番地
普通株式
(1)意見の内容
当社は、2026年2月13日開催の取締役会において、下記「(2)意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明すると共に、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(2)意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)プライム市場に上場している当社株式73,350,000株(所有割合(注1):60.91%)を所有し、当社を連結子会社としているとのことです。
この度、公開買付者は、2026年2月13日、当社の株主を公開買付者のみとして当社を完全子会社化することを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得するため、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を1,150円として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
(注1) 「所有割合」とは、当社が2026年2月13日に公表した「2026年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された2025年12月31日現在の当社の発行済株式総数(120,415,600株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(133株。以下、当社が所有する自己株式数について同じとします。)を控除した株式数(120,415,467株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下、所有割合の記載について他の取扱いを定めない限り同じとします。
公開買付者は、買付予定数の下限を6,927,000株(所有割合:5.75%)としており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限(6,927,000株)に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいて、当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを企図していることから、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(6,927,000株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
買付予定数の下限(6,927,000株)は、本公開買付けが成立した場合に公開買付者が所有することとなる当社の議決権数の合計が当社の議決権総数の3分の2以上となるように、当社決算短信に記載された2025年12月31日現在の当社の発行済株式総数(120,415,600株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(133株)を控除した株式数(120,415,467株)に係る議決権の数(1,204,154個)に3分の2を乗じた数(802,770個、小数点以下切り上げ)から、本書提出日現在の公開買付者が所有する当社株式(73,350,000株)に係る議決権の数(733,500個)を控除した議決権の数(69,270個)に、当社の単元株式数である100株を乗じた数とのことです。このような買付予定数の下限を設定した理由は、本公開買付けにおいて、公開買付者は、当社の株主を公開買付者のみとすることを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できずに、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載する株式併合の手続を行う場合には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることから、公開買付者が保有する議決権のみによって当該要件を満たすことができるようにするためとのことです。なお、公開買付者は本書提出日現在、当社株式を73,350,000株(所有割合:60.91%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の一般株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置として、以下の①ないし⑩の措置を講じていることから、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。また、本特別委員会(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)は、本答申書(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」において定義します。)において、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではないと考えられる旨判断しているとのことで、当社としても同様に判断しております。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言
⑥ 当社における独立した法律事務所からの助言
⑦ 当社における独立した検討体制の構築
⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
⑨ 取引保護条項の不存在
⑩ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
以上の詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」をご参照ください。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本非公開化手続」といいます。)の実施を予定しているとのことです。本非公開化手続の概要については、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本取引後の経営方針
(ⅰ)本公開買付けの背景
公開買付者の前身は、江戸後期以降京都伏見の地で酒造業を営む四方合名会社を発展的に改組して1925年9月に設立された寳酒造株式会社であり、その後、同業他社の吸収合併や工場の買収などを行いつつ事業規模を拡大してきたとのことです。1979年にはバイオ事業へと参入し、2002年4月には現在の酒類・調味料・酒精事業とバイオ事業を分割し、前者を新設会社の宝酒造株式会社(以下「宝酒造」といいます。)が、後者を当社がそれぞれ継承し、公開買付者は持株会社に移行して、商号を寳酒造株式会社から宝ホールディングス株式会社に変更したとのことです。また、公開買付者は、1949年5月には東京、大阪、名古屋の各証券取引所開設に伴い株式を上場し、その後京都、札幌、新潟、広島、福岡の各証券取引所にも順次上場いたしましたが、上場廃止あるいは証券取引所の整理・統合に伴い東京証券取引所の市場第一部のみの上場となった後、現在は東京証券取引所の市場区分見直しに伴い、2022年4月に東京証券取引所プライム市場へ移行したとのことです。
公開買付者は、本書提出日現在、公開買付者、子会社68社(当社を含みます。)及び関連会社2社からなる企業グループ(以下当該企業グループを「公開買付者グループ」といいます。)を構成しているとのことです。公開買付者グループは「自然との調和を大切に、発酵やバイオの技術を通じて人間の健康的な暮らしと生き生きとした社会づくりに貢献します。」という企業理念のもと、2020年5月14日付で公表した会社創立100周年となる2026年3月期を最終事業年度とする長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th」において掲げたVision「Smiles in Life~笑顔は人生の宝~」を、2025年9月に2051年3月期を最終事業年度とする「宝グループ 長期Vision 2050」(以下「宝グループ 長期Vision 2050」といいます。)として改定し、「酒類・日本食材領域」「ライフサイエンス産業支援領域」に加え、「新規領域」で新たな価値を提供することで、宝グループの国内外での存在感を高めていくことを目指しているとのことです。「宝酒造」が営む国内での酒類・調味料の製造・販売、「宝酒造インターナショナルグループ」(宝酒造インターナショナル株式会社及びその子会社を総称していいます。以下同じです。)が営む海外での酒類の製造・販売、海外の日本食レストラン等への日本食材などの販売、「タカラバイオグループ」が営むライフサイエンス分野における試薬、機器などの開発・製造・販売や受託及び遺伝子医療を主たる事業としており、公開買付者は持株会社として各事業会社を統括するほか、グループ各社の間接業務の受託や不動産賃貸事業を行っているとのことです。
また、2023年5月11日付で公表した2026年3月期を最終事業年度とする「宝グループ中期経営計画2025」(以下「宝グループ中期経営計画2025といいます。」)では、「成長・強化領域への投資を加速させ、企業価値を高める3年間」を経営方針とし、連結売上高4,200億円以上、連結営業利益380億円以上、海外売上高比率60%以上(当社を除く海外売上高比率60%以上)、ROE9.0%以上、ROIC7.5%以上を2026年3月期の定量目標として掲げ、社会課題の解決に資するバリューチェーンを強化しながら商品・サービスを通じた社会課題の解決と、長期的かつ持続的に成長原資を生み出す「稼ぐ力」の向上を統合した経営を推進してきましたが、2026年3月期は、連結売上高で3,920億円、連結営業利益で162億円と計画には未達となる見通しとのことです。
一方、当社は、2002年2月15日開催の寳酒造株式会社(現公開買付者)の臨時株主総会におけるバイオ部門の営業に関する分割計画書の承認決議に基づき、バイオ事業の特性を最大限に発揮し、成長力と競争力を高める事業環境を整えるために、物的分割(注2)の方法により同社のバイオ事業を承継して同社の100%子会社として、2002年4月1日に設立されました。その後、2004年12月に東京証券取引所マザーズ市場への上場を経て、2016年3月に東京証券取引所市場第一部に市場変更いたしました。現在は、2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の再編により、東京証券取引所プライム市場へ移行しております。
なお、公開買付者は、公開買付者が実施した2013年9月の当社株式の売出しにより、翌年3月末時点(発行済株式総数:120,415,600株)で、当社株式73,350,000株を所有(所有割合:60.91%)することとなったとのことです。
(注2) 「物的分割」とは、旧商法(平成17年改正前商法)において用いられていた会社分割手法に関する用語であり、分割会社の株主ではなく、分割会社自身が当該分割の対価として承継会社又は設立会社の発行する株式のすべてを受け取る会社分割のことを指します。
本書提出日現在、当社グループ(注3)は、当社及びその連結子会社9社により構成されており、主な事業は、試薬・機器等の開発・製造・販売事業、CDMO事業(注4)及び遺伝子医療事業です。
(注3) 「当社グループ」とは、当社及びその連結子会社9社(2026年2月13日現在)から成る企業グループをいいます。以下同じとします。
(注4) 「CDMO事業」とは、製薬企業などが進める医薬品の製法開発や製造を有償で請け負う事業を指します。
当社グループの主要事業は、試薬・機器等の開発・製造・販売事業、CDMO事業及び遺伝子医療事業であるところ、2024年3月期にスタートした「タカラバイオグループ中期経営計画2025」(以下「タカラバイオグループ中期経営計画2025」といいます。)において、3ヵ年の定量目標及び試薬、機器、CDMO、遺伝子医療の各事業上で設定した事業戦略、また、事業構造の変革を企図した経営基盤強化戦略に基づき事業を推進しております。
しかしながら、世界的なライフサイエンス研究市場の低迷が新型コロナウイルスの流行の終息後も継続し、中期経営計画策定時の前提とは大きな乖離が生じ、2026年3月期の業績については売上高、営業利益の予想値の下方修正を余儀なくされました。
また、米国の政府方針による研究助成金の大幅削減や中国市場における競合他社との競争激化など先行きの不透明感が高まっておりますが、当社グループは、先行投資した設備などの資産を有効活用して収益を伸ばし、各事業を成長軌道に戻すことを目指しております。
公開買付者は、連結子会社である当社を、海外拠点の拡充や研究開発力の強化等によってバイオ事業の成長を加速させるために2004年に東京証券取引所マザーズ市場に上場させ、それ以降も上場を維持することにより、機動的な外部資金調達手段の確保及び技術の進展や競合の変化に機敏に対応できるような体制の構築を行ってきたとのことです。加えて、当社の業界における知名度向上や優秀な人材確保等、上場企業としてのメリットの継続的な享受を図りつつ、独自のビジネスモデルの構築・強化による当社の非連続的な成長に向けて、当社と共に成長戦略の実行や経営課題の解決を進めてきたとのことです。当社は、試薬・機器事業においては北米でのM&Aなどを進めると共に、2014年の薬事法改正や再生医療等の安全性の確保等に関する法律の施行をチャンスととらえ、CDMO事業や遺伝子医療事業への参入・成長に向けて、設備投資やパイプラインの開発・上市に向けた研究開発費の投下などを行いつつ、2008年3月期の営業黒字化以降、持続的な増収増益基調を実現し、2020年3月期には62億円の営業利益を計上いたしました。また、その後のコロナ禍においては、PCR検査需要やmRNAワクチン関連の受託といった社会的な要請への対応を進め、2022年3月期には過去最高となる289億円、2023年3月期には205億円の営業利益を計上いたしました。
このような状況を踏まえ、当社は、公開買付者グループの直近の中期経営計画である「宝グループ 中期経営計画 2025」の中で、試薬・機器の新製品開発、CDMOメニュー拡充及び遺伝子治療等の新モダリティ創出につながる基盤技術の研究開発へ積極的に投資することで、臨床・創薬領域への事業拡大を加速させ、「ライフサイエンス産業におけるインフラを担うグローバル・プラットフォーマー」としての存在感を高めることを重要な事業方針とし、最終事業年度となる2026年3月期で150億円の営業利益を目標として掲げ、CDMO事業を中心に、補助金も活用した設備投資や人員の拡充を進めてまいりました。
しかしながら、当社の2026年3月期の営業利益は、期初予想の25億円に対して40億円の営業赤字となる見通しを当社決算短信で発表しており、公開買付者は、当社が属するライフサイエンス産業支援領域は、中長期的な市場成長のポテンシャルは依然として高いものの、コロナ禍を経て事業環境が急激に変化したと認識しているとのことです。加えて、直近では、物価高・高金利等に伴う研究予算の縮減や、特に米国における研究助成金の削減などにより、研究開発活動の低下と先行き不透明感が強まっていると認識しているとのことです。
コアビジネスである試薬・機器事業では、mRNA関連技術(注5)やバイオインフォマティクスの進展に伴う研究の高度化による需要の変化や競合企業の増加に加え、中国企業を中心とした汎用品の低価格化などにより競争環境が急変しており、事業の競争力・収益性は低下してきていると認識しているとのことです。また、CDMO事業においても、日本の細胞治療・遺伝子治療分野の開発の停滞、顧客の開発方針の変更等による遺伝子医療関連分野の受託案件の減少や、遺伝子解析分野での価格競争激化、及び競合企業の参入などにより、コロナ禍の期間も含めて、これまで進めてきた多額の設備投資及び人員の増加に見合った事業収益の拡大を進めることができておらず、当社の2026年3月期を最終事業年度とする「タカラバイオグループ中期経営計画2025」の売上高計画143億円については未達となる見通しです。さらに、2028年3月期に稼働予定のCGCP3号棟(注6)の建設が進む中、2026年3月期にはCGCP2号棟(注7)の一部について減損損失を計上しており、公開買付者は、当社におけるこれらの設備投資に見合った事業成長が当初の想定どおりに進んでいない状況と認識しているとのことです。
(注5) 「mRNA関連技術」とは、RNAと呼ばれる分子の一種であり生体内でタンパク質を作るための情報となるmRNAに関連する、研究分野の他ワクチン製造などで利用される技術を意味しております。
(注6) 「CGCP3号棟」とは、デュアルユース型施設として、感染症パンデミック発生時(有事)には、国の指示に基づきウイルスベクターワクチン原薬、mRNAワクチン原薬及びmRNA製造用酵素等の部素材を製造し、平時には、遺伝子治療用ベクター、核酸医薬品等を製造するCDMO事業に加え、遺伝子治療薬の製造補助剤(Ancillary Materials)等の製造や再生・細胞医療・遺伝子治療に関連する創薬事業を行う施設を指します。
(注7) 「CGCP2号棟」とは、遺伝子治療用ウイルスベクター、細胞、mRNA、タンパク質、プラスミドベクターの他、研究用試薬や体外診断用医薬品などの製造施設を指します。
公開買付者は、こうした市場や競争環境の急激な変化等により、現在の当社の事業は、獲得できる売上に対して、費用構造や保有資産が過大となっているという構造的な問題を抱えている状況と認識しているとのことです。当社のコアビジネスである試薬・機器事業の競争力・収益性は低下しており、また先行投資型ビジネスであるCDMO事業においても設備投資の回収に当初の想定以上の時間を要する厳しい状況に直面していると考えているとのことです。このような状況を速やかに解消する上では、セグメント別・品目別の損益管理や原材料・製品在庫の管理など、経営管理のさらなる高度化が必要であると考えているとのことです。
一方で、当社が2025年9月に公表した「タカラバイオグループ長期Vision2050」では、全産業のバイオトランスフォーメーション(注8)をチャンスと捉え、ライフサイエンス産業支援領域/健康・医療分野のみならず、環境や工業・エネルギー、海洋、食料・植物といった分野へと活動領域を広げ、コアコンピタンスであるDNA力(超微量の遺伝子/細胞を解析する技術と高機能・高品質な遺伝子/細胞/タンパク質を大量に製造する技術)をバイオものづくりに活用し、新たな事業領域への進出を目指す旨を示しております。また、公開買付者が同月に発表した「宝グループ 長期Vision 2050」で掲げているとおり、公開買付者グループにおいても、バイオテクノロジーをコアコンピタンスに据えて、「酒類・日本食材」と「ライフサイエンス産業支援」という既存事業領域の拡大に加え、「新規領域」で価値を創出し、食料不足や環境問題などの社会課題の解決にも貢献することで、食と健康を越えた新しい領域での価値創造や事業創出にも取り組んでいこうと考えているとのことです。
(注8) 「バイオトランスフォーメーション」とは、デジタルトランスフォーメーションによる社会の変化になぞらえ、バイオテクノロジーの進化により社会のあり方そのものを大きく変革させていくことを指します(環境破壊や資源制約といった社会課題の解決と、持続可能な経済成長を両輪で実現することを目指し、(一社)日本経済団体連合会が「バイオトランスフォーメーション(BX)戦略」として提唱しています。)。
以上を踏まえ、公開買付者は、当社の当面の課題を「収益構造改革による収益力の早期回復」及び「ライフサイエンス産業支援領域の先行き不透明感を踏まえた新たな成長戦略やビジネスモデルの確立」であると考えているとのことです。加えて、当社を含む公開買付者グループ全体の中長期的な持続的成長に向けて、「新規事業創出への取組を強化」することも重要だと考えているとのことです。
しかしながら、これらを速やかに実現するためには、意思決定の機動性・柔軟性を高め、一時的な損益悪化による市場評価の低迷に左右されない計画の立案と実行が必要であり、当社と公開買付者がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、当社の一般株主を含む各ステークホルダーの利益を考慮した慎重な検討が必要になり、迅速かつ柔軟な意思決定に制約が生じる状況にあるとのことです。また、当社において公開買付者以外の一般株主が存在することから、公開買付者が当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供をした場合、利益の一部が公開買付者グループ外に流出するといった問題が公開買付者の株主等から指摘される可能性もあり、機動的かつ効果的な施策を実行し、当社を含む公開買付者グループの企業価値の最大化を図る上で、一定の限界があると考えているとのことです。加えて、当社と公開買付者が上場企業として独立性を求められることにより、公開買付者グループ全体では組織機能の重複が存在し、経営資源の活用に非効率が生じているとも考えているとのことです。
以上の背景から、2025年9月下旬、公開買付者は、当社の当面の課題解決のためには、当社の完全子会社化によって、当社と公開買付者の間で迅速かつ柔軟な意思決定ができる体制を整えると共に、親子上場関係の解消により、当社の一般株主と公開買付者との間に構造的に生じていた利益相反が完全に解消されることが必要であると考えたとのことです。これにより、従来コーポレート・ガバナンス上の制約から採れなかった、公開買付者グループ一体での施策をより機動的かつ効果的に実施できるようになり、当社の速やかな収益構造改革や新たな成長戦略やビジネスモデルの確立及び当社を含む公開買付者グループの新規事業創出・拡大を通じて、両者が共にメリットを享受し、公開買付者グループが「宝グループ 長期Vision 2050」で示している提供価値の創造や社会的存在感の向上が実現できるものと考えたとのことです。
また、公開買付者は、当社を完全子会社化して当社の上場維持に伴う負担を解消し、コスト削減を実現することにより当社の経営の効率化も図ることができると考えているとのことで、本取引は、当社及び公開買付者グループの企業価値向上に資するだけでなく、お客さま、取引先、従業員の皆さまを含むあらゆるステークホルダーの皆さまにとって価値最大化を可能にするものであると確信しているとのことです。
具体的には、公開買付者は、本取引により当社を公開買付者の完全子会社とし、当社と公開買付者グループとのより緊密な連携を促進することで、以下のような取組やシナジー効果を期待できると考えているとのことです。
(ア)当社の収益構造改革の速やかな実行
公開買付者は、獲得できる売上に対して、費用構造や保有資産が過大となっているという当社の事業が抱える構造的な問題に対し、当社の完全子会社化によって実現される迅速で柔軟な意思決定構造を最大限活用し、収益構造改革を進めるための施策を可能な限り速やかに実行に移すことが必要であると考えているとのことです。
しかしながら、当社と公開買付者がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、当社の一般株主を含む各ステークホルダーの利益を考慮した慎重な検討が必要になることから、迅速かつ柔軟な意思決定に制約が生じるため、実行できる施策が制約される部分があると認識しているとのことです。加えて、当社の上場企業としての経営独立性の観点もあり、製造管理、在庫管理、原価管理といった事業運営の基盤となる業務やその他管理系の業務においても、両者間におけるノウハウや情報の共有、あるいは人員交流には一定の制約があるため、これらを通じた事業運営の高度化や、業務効率化、コストダウンなどの最大化が図りづらい状態にあったと考えているとのことです。
このような状況に対し、本取引によって当社を完全子会社化し上記のような制約を解消することで、当社の事業におけるグローバルなサプライチェーンや提供する商品・サービスなどの見直しといった、事業構造改革の迅速な意思決定と実行が可能になると考えているとのことです。また、公開買付者グループは、国内の酒類・調味料・酒精事業を中心に、製造・生産管理、在庫管理、原価管理等の高度化に継続的に取り組み、また、間接部門においても、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)や働き方改革等も含めた多様なアプローチでのコストダウンや業務効率化を推進し、一定の成果を獲得してきたとのことです。完全子会社化により、当社を含めた公開買付者グループ内でのノウハウ・情報の共有や人員交流を進めることで、公開買付者グループで培われた考え方やノウハウを、当社における原価や販管費等の削減、業務の効率化や品質の向上にも積極的に応用することが可能となると考えているとのことです。このことを通じて、セグメント別・品目別の損益管理などに基づいた事業運営の高度化を進め、事業構造改革を迅速かつ適切に行うと共に、製造原価の低減、適正な価格設定、原料や製品在庫の適正化による運転資本の削減、間接材も含めたコストダウンや業務効率化の推進などを実現し、収益構造の変革を迅速に実現することが可能となると考えているとのことです。
(イ)当社を含めた公開買付者グループにおける新規事業開発の強化
公開買付者グループは、「宝グループ 長期Vision 2050」において、「バイオテクノロジー」をコアコンピタンスとして、酒類・日本食材領域では「和酒・日本食を世界の日常に」する、ライフサイエンス産業支援領域では「健康を一人ひとりへ」届ける、そして「新しい領域で価値を創る」ことにも挑戦することで、企業価値向上と社会的な存在感を高めていく考えを示しているとのことです。
公開買付者グループにおける新規事業の創出に向けては、当社の長期ビジョンでも示されている、ライフサイエンス産業支援領域/健康・医療分野以外の、環境や工業・エネルギー、海洋、食料・植物といった「バイオものづくり」に関連する分野での商品・サービス領域も含まれることを想定しており、当社を含めた公開買付者グループ全体として、ヒト・モノ・カネ・情報といった有形無形の経営資源を配分・投下していくことが重要であると考えているとのことです。加えて、特にアイデアの仮説検証・事業計画作成などのフェーズにおいては、当社とは異なる公開買付者の事業領域と当社の事業領域のそれぞれの知見やノウハウを融合していくことが不可欠であると考えているとのことです。
しかしながら、当社と公開買付者がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、当社において公開買付者以外の一般株主が存在することから、公開買付者が当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供をした場合、利益の一部が公開買付者グループ外に流出するといった問題が公開買付者の株主等から指摘される可能性もあり、公開買付者グループ全体として、当社に対する経営資源の配分には一定の制約があると考えているとのことです。また、当社の上場企業としての経営独立性の観点もあり、公開買付者と当社それぞれが蓄積してきた独自の技術やノウハウや顧客情報などは、秘密情報に該当することから情報の共有にも制約があるため、新規事業開発における知的財産や無形資産の効率的・効果的・融合的な活用を阻害する要因となりうると考えているとのことです。
このような状況に対し、本取引によって当社を完全子会社化し上記のような制約を解消することで、利益相反の関係性が解消されることから、当社を含めた公開買付者グループ全体としての経営資源の配分・投下における制約がなくなり、新規事業開発及び事業化に向けてより効果的かつ迅速な取組を進めることが可能となると考えているとのことです。また、当社を含めた公開買付者グループ全体での秘密情報も含めた様々な情報の共有が可能になるため、知的財産やその他の無形資産のより効率的・効果的・融合的な活用も可能になると考えているとのことです。
これらのことを通じて、当社のコアコンピタンスである「DNA力」を含めた「バイオテクノロジー」を活かした、公開買付者グループ全体としての新たな事業領域の創出の実現性が大きく高まるものと考えているとのことです。具体的なテーマについては、当社と今後協議・検討していく必要がありますが、一例として、農業や環境分野における新たな技術開発やソリューションの提供による原料確保や環境負荷低減に資する商品・サービスの提供などを実現することができると考えているとのことです。
さらに、このようなプロセスを通じて、当社を含めた公開買付者グループにとって有益な有機化合物のバイオ技術を利用した効率的な生産や、公開買付者グループのその他の事業が持つ国内外の様々なネットワーク等を活かした、当社の既存事業領域の拡張など、双方の既存事業を拡大することができると考えているとのことです。
こういった取組による新規事業開発やスケールアップは、当社の既存事業である試薬・機器事業やCDMO事業などにおける、ライフサイエンス産業支援の枠を超えた新たな領域での売上・利益の獲得にもつながるものであると考えているとのことです。
(ウ)公開買付者の基盤を活用した当社の既存事業の強化
公開買付者は、公開買付者グループ傘下の主力企業である宝酒造及び宝酒造インターナショナルグループが、酒類・日本食材領域において、長年の事業運営によって蓄積した安定的・効率的な製造・開発・販売等に係るケイパビリティに加え、国内のみならずグローバルな販売・仕入等のネットワークを有しており、日本国内の同業他社にはない強みを保持していると考えているとのことです。他方で、当社はライフサイエンス産業支援領域において試薬・機器事業、CDMO事業及び遺伝子医療事業を展開する中、ライフサイエンス産業支援領域以外の新たな産業分野への製品・サービス拡販を企図し事業推進を行っているものの、当該分野におけるニーズを十分に捕捉できていない状況であると考えているとのことです。
こういった状況に対し、上記(ア)及び(イ)において記載したとおり、完全子会社化によって実現できる当社との密な情報共有と連携により、公開買付者の持つ安定的・効率的な製造・開発・販売等のノウハウを共有できることは、当社の既存事業における製造の効率化及び技術力の一層の強化に寄与すると考えているとのことです。また、公開買付者の保有するグローバルなネットワークの活用が可能になることで、当社の既存事業領域であるライフサイエンス産業支援領域/健康・医療分野以外の、環境や工業・エネルギー、海洋、食料・植物といった「バイオものづくり」に関連する新たな産業分野向けの商品・サービスの開発・販売を推進し、その事業領域をさらに広げることが可能になると考えているとのことです。また、公開買付者の持つ安定的・効率的な製造・開発・販売等のノウハウの共有が可能になることで、当社の既存事業における製造の効率化及び技術力の一層の強化を進めることができると考えているとのことです。
(エ)上場維持コストの削減
当社が上場を維持する上では、各種費用(上場料、開示書類の作成費用、株式事務代行機関への委託費用、監査費用等)や一般株主への対応等を含めた業務負荷等、経営上の負担が必要であり、さらには、近年のコーポレートガバナンス・コードの改定、資本市場に対する規制の強化等により、開示に要する費用や監査費用等の継続的に必要なコスト及び業務負荷は今後も増加していく見通しであると認識しているとのことです。
これに対して、当社の完全子会社化が実現した場合は、かかるコスト・業務負荷を削減することが可能となり、当社の収益構造改革にも資すると考えているとのことです。
公開買付者は、当社の分割元の会社であり、2002年の会社分割以降も当社と良好な関係を継続し、既に当社の事業や社内体制、企業風土などを最もよく理解している公開買付者が当社の完全親会社となることで、上記のような期待できる取組やシナジーを迅速に実行できると考えているとのことです。それにより、当社の速やかな黒字化への回復を実現すると共に、既存の試薬・機器事業やCDMO事業などにおける、ライフサイエンス産業支援の枠を超えた新たな領域での売上・利益の獲得と、新規事業の開発の両輪を活用した長期的な成長戦略の確立が実現できると考えているとのことです。
なお、本取引が成立した場合、当社株式の上場が廃止されることとなりますが、上場廃止に伴うデメリットとして、一般的には、資本市場から資金調達を行うことができなくなることや、取引先を含む外部からの社会的信用の獲得、知名度の維持といった上場企業であることによるメリットを享受できなくなることが挙げられるとのことです。しかしながら、資金調達においては、現時点の当社の財務基盤は健全であることや公開買付者グループの信用力を活用できることから、資金調達に関する影響はないと考えているとのことです。また、当社と取引先の信頼関係は既に一定程度構築されており、上場廃止を理由に既存の取引関係が大きく剥落することはないと考えられること、当社においてこれまでの事業運営により積み重ねられてきた社会的信用や知名度は、上場廃止により直ちに失われるものではなく、むしろ当社が上場企業として長期間の事業運営によって一定の社会的信用を積み上げてきた公開買付者の完全子会社となることで維持・向上することが期待されることから、本取引後も、上場廃止に伴うデメリットによる影響は僅少であり、上記の当社の企業価値向上が見込まれるメリットを上回らないものと考えているとのことです。
上記背景、目的、期待するシナジー効果を念頭に、公開買付者は、2025年9月下旬、当社を完全子会社化し、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることで、当社及び公開買付者グループのより一層の企業価値向上を実現することが可能となるとの見込みを立て、当社の完全子会社化に関する初期的な検討を開始したとのことです。
公開買付者は、2025年10月1日、当社に対し、本取引の実施に向けた初期的な検討を開始した旨の通知を行った後、2025年10月10日に、当社より本取引の実施の初期的な検討を開始する旨の回答を受領したとのことです。その後、2025年10月15日に、公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、2025年10月22日に公開買付者グループ及び当社グループから独立したリーガル・アドバイザーとしてTMI総合法律事務所を選任し、当社の完全子会社化に係る協議・交渉を行う体制を構築したとのことです。その後、2025年10月30日、当社に対し、本取引の背景及び目的、想定されるシナジーを記載した初期的提案書(以下「意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。
その後、公開買付者と当社は、2025年11月中旬から本取引に向けた具体的な協議・検討を開始いたしました。具体的には、公開買付者は、本公開買付けの実現可能性及び公開買付者として見込むシナジーの精査のため、2025年11月中旬から2026年1月中旬まで、当社に対してデュー・ディリジェンスを実施すると共に、並行して当社及び本特別委員会との間で、本取引の意義・目的や、本取引によって創出が見込まれるシナジー効果、本取引後の当社の経営体制・事業方針について協議を実施したとのことです。公開買付者は2025年11月28日に、本特別委員会より意向表明書を踏まえた、本取引を実施する意義・目的、本取引のスキーム、本取引後の経営方針等に関して書面による質問を受領し、同年12月11日に当該質問事項について書面による回答を行うと共に、同月17日開催の本特別委員会において、当該質問事項に対する質疑応答及び本取引の意義・目的に関する意見交換を行ったとのことです。さらに公開買付者は、本特別委員会より、同月23日に、本取引を実施する意義・目的や本取引の条件等に関する追加の質問を書面により受領したため、当該質問事項について、2026年1月7日に書面による回答を行ったとのことです。
また、公開買付者は、2026年1月15日以降、当社との間で、本公開買付価格及び本公開買付けに係る下限に関して複数回にわたる交渉を重ねてきたとのことです。具体的には、公開買付者は、公開買付者が当社に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な当社株式の価値分析を総合的に勘案し、2026年1月15日、本公開買付価格を950円(2026年1月15日の前営業日である2026年1月14日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値817円に対して16.28%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入。プレミアムの数値(%)について以下同じです。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値797円(小数点以下を四捨五入。終値単純平均値の計算において以下同じとします。)に対して19.20%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値848円に対して12.03%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値881円に対して7.83%のプレミアム)とすること、下限は当社の発行済株式総数(自己株式数を除く)の3分の2から公開買付者が保有している当社株式数を控除した数とすること、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)は当社の一般株主に対して十分な検討期間を与える目的で34営業日とすることを含んだ本取引に関する提案(以下「第1回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月20日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第1回提案における本公開買付価格は、当社株式の市場株価動向、過去の類似事例におけるプレミアム水準、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)及び本特別委員会のファイナンシャル・アドバイザーであるプルータス・コンサルティング(下記「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」において定義します。以下同じです。)が実施中であった当社株式の株式価値算定の内容等に照らして、到底十分といえる水準ではないとして、本公開買付価格の再検討を要請され、また、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定や公開買付期間についても、当社の一般株主の利益確保の観点から本公開買付価格と併せて総合的な検討を行うよう要請されたとのことです。
これを受けて、同月21日、公開買付者は、本公開買付価格を1,020円(2026年1月21日の前営業日である2026年1月20日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値823円に対して23.94%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値809円に対して26.08%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値839円に対して21.57%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値881円に対して15.78%のプレミアム)とし、買付予定数の上限及び下限並びに公開買付期間等の本公開買付価格以外の本公開買付けの条件に関しては変更しないとする再提案(以下「第2回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月23日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第2回提案における本公開買付価格は、第1回提案からの増額が限定的であり、当社株式の市場株価動向、過去の類似事例におけるプレミアム水準、大和証券及びプルータス・コンサルティングが実施中の当社株式の株式価値算定の内容等に照らして、依然として十分と言える水準から大きく乖離しているため、本公開買付価格の再検討を改めて要請されたとのことです。
これを受けて、同月27日、公開買付者は、本公開買付価格を1,080円(2026年1月27日の前営業日である2026年1月26日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値809円に対して33.50%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値817円に対して32.19%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値829円に対して30.28%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値881円に対して22.59%のプレミアム)とする再提案(以下「第3回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同年2月3日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第3回提案における本公開買付価格は、当社株式の市場株価動向、過去の類似事例におけるプレミアム水準、本取引により発現するシナジーの一般株主への公正な分配の観点等を総合的に考慮すると、一般株主の利益確保の観点からは十分な水準ではないとして、本公開買付価格の再検討を改めて要請されたとのことです。
これを受けて、同月5日、公開買付者は、本公開買付価格を1,110円(2026年2月5日の前営業日である2026年2月4日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値803円に対して38.23%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値814円に対して36.36%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値816円に対して36.03%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値876円に対して26.71%のプレミアム)とする再提案(以下「第4回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月6日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第4回提案における本公開買付価格は、過去の類似事例におけるプレミアム水準等を総合的に考慮すると、一般株主の利益確保の観点からは十分な水準ではないとして、本公開買付価格の再検討を改めて要請されました。
これを受けて、同月9日、公開買付者は、本公開買付価格を1,150円(2026年2月9日の前営業日である2026年2月6日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値797円に対して44.29%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値815円に対して41.10%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値813円に対して41.45%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値874円に対して31.58%のプレミアム)とする再提案(以下「第5回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、本公開買付価格を1,150円とすることを応諾する旨の回答を受領し、合意に至りました。
(ⅱ)本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、当社の完全子会社化後、当社及び公開買付者との協議・連携を強化し、一体運営を行うことで、当社を含めた公開買付者グループで技術やノウハウ・顧客・市場の相互活用を推進し、当社の収益構造改革による黒字化や新たな成長戦略の再構築を早期に目指す方針とのことです。
本取引後の当社の経営体制については、本書提出日現在において未定でありますが、今後当社と協議の上で、取締役をはじめとした役員の員数・待遇等の変更や、非上場化に伴う決裁・報告・連絡体制の見直しなどを検討する予定とのことです。なお、公開買付者からの取締役派遣も継続する予定とのことです。
また、公開買付者は、今後当社と協議の上、適正な人員数やグループ内での出向・転籍を含めた人事異動等について検討していく予定とのことです。なお、本公開買付け成立後の当社の従業員については、原則として、現状の雇用条件を変更しない予定としているとのことです。
③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
当社は、公開買付者から、2025年10月1日に本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を受けた後、2025年10月10日に、当社より本取引の実施の初期的な検討を開始する旨の回答を行い、その後、改めて2025年10月30日に意向表明書により初期的提案を受けました。当該提案を受けて、当社は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者が当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、2025年11月11日に公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立した法務アドバイザーとして弁護士法人大江橋法律事務所(以下「大江橋法律事務所」といいます。)を、2025年11月11日に公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として大和証券株式会社(以下「大和証券」といいます。)をそれぞれ選任いたしました。当社は、本取引の公正性を担保するため、当該アドバイザーの助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。具体的には、当社は、下記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり特別委員会の設置に向けた準備を進めた上で、2025年11月11日開催の臨時取締役会決議(その後の変更決議を含む。以下同じです。)により、金融機関や事業会社での豊富な実務経験や大学での経済学の教授を務め豊富な学術的知見を有する河島伸子氏(社外取締役、独立役員)、弁護士として法務における高度な専門性及び知見を有する鎌田邦彦氏(社外監査役、独立役員)及び公認会計士として監査法人での豊富な実務経験と国内での複数の事業会社での経営に携わった経験や知見を有する姫岩康雄氏(社外監査役、独立役員)の3名から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)(本特別委員会の検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、当社取締役会は、2025年11月11日、(ⅰ)本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の取引条件(本取引における対価を含む。)の公正性・妥当性、(ⅲ)本取引に至る交渉過程等の手続の公正性、(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)を踏まえ、当社取締役会が本取引を行う旨(本公開買付けに賛同する旨の意見を表明すると共に、当社株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること、及び完全子会社化に必要な手続を行うこと。)の意思決定をすることが適切かを勧告し、また当社の一般株主にとって公正・妥当であるかについて意見を述べ、最終的に答申書にまとめ、当社取締役会に提出すること(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)当社取締役会は本特別委員会の判断を最大限尊重して意思決定するものとすること、及び(ⅱ)本特別委員会が本取引の条件につき公正・妥当であるとの判断に至らなかった場合、当社取締役会は当該条件による本取引に賛同しないものとすることを決議すると共に、本特別委員会に対し、(ⅰ)当社の役職員から、本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、(ⅱ)本取引の取引条件等に関する交渉について、当社に対して意見を述べる権限、(ⅲ)当社が選任した当社の外部専門家アドバイザーを承認(追認を含む。)する権限、(ⅳ)当社の費用負担において、当社の外部専門家アドバイザーに助言を求める権限、(ⅴ)当社の費用負担において、本特別委員会独自の外部専門家アドバイザーを選任する権限を付与することを決議しております(当該取締役会における決議の方法については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。
なお、本特別委員会は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2025年12月12日、上記の権限に基づき、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立した独自の法務アドバイザーとして弁護士法人淀屋橋・山上合同(以下「淀屋橋・山上合同」といいます。)を、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス・コンサルティング」といいます。)をそれぞれ選任する旨を決定しております。
また、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本特別委員会において、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びに当社の法務アドバイザーである大江橋法律事務所について、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否からの独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
さらに、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者グループから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を当社の社内に構築すると共に、かかる検討体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
当社は、大和証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けると共に、大江橋法律事務所から本取引における手続きの公正性を確保するための対応についての助言その他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
具体的には、当社は、2025年10月30日に意向表明書を受領したことを踏まえて、本特別委員会における検討・協議を進め、2025年11月28日に、本特別委員会より公開買付者に対し本取引の意義・目的に関して書面による質問をしたところ、2025年12月11日に、公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受け、同月17日開催の本特別委員会において、当該質問事項に対する質疑応答及び本取引の意義・目的に関する意見交換を行いました。さらに当社及び本特別委員会が同月23日に、本取引を実施する意義・目的や本取引の条件等に関する追加の質問を書面により行ったところ、当該質問事項について、2026年1月7日に書面による回答を受けました。
本公開買付価格や買付予定数の下限、公開買付期間について、当社は、2026年1月15日以降、公開買付者との間で、複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、当社及び本特別委員会は、公開買付者が当社に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、当該情報を前提としてファイナンシャル・アドバイザーである野村證券が実施した初期的な当社株式価値分析及び当該情報を前提として公開買付者で実施した初期的な当社株式価値分析内容を総合的に勘案した結果として、公開買付者から、2026年1月15日に本公開買付価格を950円(2026年1月15日の前営業日である2026年1月14日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値817円に対して16.28%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値797円に対して19.20%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値848円に対して12.03%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値881円に対して7.83%のプレミアム)とすること、下限は当社の発行済株式総数(自己株式数を除く)の3分の2から公開買付者が保有している当社株式数を控除した数とすること、公開買付期間は当社の一般株主に対して十分な検討期間を与える目的で34営業日とすることを含んだ本取引に関する第1回提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、同年1月20日、当該価格は当社の一般株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないとして本公開買付価格に加え、下限や公開買付期間といった公開買付の条件の総合的な再検討を要請しました。これを受けて、公開買付者から、同月21日に、本公開買付価格を1,020円(2026年1月21日の前営業日である2026年1月20日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値823円に対して23.94%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値809円に対して26.08%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値839円に対して21.57%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値881円に対して15.78%のプレミアム)、下限及び公開買付期間については変更を行わないとする旨の第2回提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、同月23日に、当該価格は、直近の1年間において、業績予想を2回(2025年3月期、2026年3月期)下方修正したことを受け、当該各下方修正の公表翌営業日の当社株価は前営業日比でいずれも一時期10%超下落しているといった当社株式の市場株価動向、過去の類似事例(公正なM&Aの在り方に関する指針が公表された2019年6月28日から2025年11月28日までに実施された親会社による完全子会社化を企図した公開買付けによる非公開化事例、以下「類似過去事例」といいます。)の合計82件におけるプレミアム水準(基準日の前営業日時点の対象者株式の株価終値に対するプレミアムの中央値である38.0%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値である39.9%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値である39.5%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値である38.0%)、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券及びプルータス・コンサルティングが実施した当社株式の株式価値分析の内容等に照らして、当社の一般株主の利益の確保に十分な水準であると依然として認められないとして本公開買付価格の再検討を改めて要請しました。その後、当社及び本特別委員会の要請を受け、公開買付者から同月27日に、本公開買付価格を1,080円(2026年1月27日の前営業日2026年1月26日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値809円に対して33.50%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値817円に対して32.19%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値829円に対して30.28%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値881円に対して22.59%のプレミアム)とする旨の第3回提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、同年2月3日に、当該価格では、引き続き、当社の一般株主に対して応募推奨を行うことはできないとして、本公開買付価格の再検討を要請しました。その後、当社及び本特別委員会の要請を受け、公開買付者から、同月5日、本公開買付価格を1,110円(2026年2月5日の前営業日2026年2月4日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値803円に対して38.23%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値814円に対して36.36%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値816円に対して36.03%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値876円に対して26.71%のプレミアム)とする旨の第4回提案を受けました。しかし、当社及び本特別委員会は、同年2月6日に、当該価格もなお、当社の一般株主に対し応募推奨をできる水準ではなく、当該価格が十分な水準でない場合は「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の設定の検討が必要であるとして、本公開買付価格の再検討を依頼しました。その後、当社及び本特別委員会の要請を受け、公開買付者から、同月9日に、本公開買付価格を1,150円(2026年2月9日の前営業日2026年2月6日時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値797円に対して44.29%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値815円に対して41.10%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値813円に対して41.45%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値874円に対して31.58%のプレミアム)とする旨の第5回提案を受けました。)その結果、2026年2月9日、当社及び本特別委員会は、類似過去事例におけるプレミアム水準と比較して遜色ない水準と評価できることから、公開買付者の提案にあるとおり本公開買付価格を1,150円とすることをもって本公開買付けに対する賛同及び応募推奨意見を表明する方向で調整を図る旨を回答いたしました。
以上の検討・交渉過程において、当社は、本公開買付価格に関する公開買付者との協議及び交渉にあたり、本特別委員会から聴取した意見並びに大和証券及び大江橋法律事務所からの助言を踏まえて検討を行っており、その際、本特別委員会においては、随時、本特別委員会のアドバイザーであるプルータス・コンサルティング及び淀屋橋・山上合同から助言を受けると共に、当社や当社のアドバイザーとの意見交換を行い、適宜、確認・承認を行ってきました。具体的には、まず、当社が公開買付者に対して提示し、また、大和証券及びプルータス・コンサルティングが当社株式の価値算定において基礎とする本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、事前に本特別委員会の確認を経て、その承認を受けております。また、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券は、公開買付者との交渉にあたっては、事前に本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、公開買付者との交渉方針等について本特別委員会から意見、指示、要請等を受け、これに従って対応を行っております。
そして、当社は、2026年2月12日付で、本特別委員会から、①本取引は当社の企業価値向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると考えられる旨、②本取引に係る取引条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されていると考えられる旨、③本取引に係る手続の公正性が確保されていると考えられる旨、④上記①乃至③を踏まえ、本取引は当社の一般株主にとって公正であると考えられる旨、⑤当社取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明することは適切であり、一般株主にとって公正であると考えられる旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けております(答申書の概要については、「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」をご参照ください。)。
(ⅲ)判断内容
以上の経緯の下で、当社は、2026年2月13日開催の当社取締役会において、大江橋法律事務所から受けた法的助言、大和証券から受けた財務的見地からの助言並びに2026年2月13日付で大和証券から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(大和証券)」といいます。)の内容、並びに本特別委員会を通じて淀屋橋・山上合同から受けた法的助言、2026年2月12日付でプルータス・コンサルティングから提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)」といいます。)の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が公正かつ妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。
その結果、以下のとおり、当社としても、公開買付者による本公開買付けを含む本取引を通じた当社の完全子会社化が当社の企業価値の向上に資するとの結論に至りました。
(ア)成長ポテンシャルの最大限の発揮
当社は「タカラバイオグループ中期経営計画2025」において、「ライフサイエンス産業のインフラを担うグローバル・プラットフォーマーとしての地位の確立」「グローカルな製造・マーケティング体制の整備」「品質管理工程の堅牢化・効率化と製造技術力の強化」「創薬基盤技術の価値最大化」「研究開発プロジェクトの選択と集中による新製品/サービスの開発スピードの加速」を事業戦略として標榜しております。
当社は、公開買付者グループが日本国内でのトップクラスのシェアを持った日本酒や焼酎、調味料の開発・製造等で長年に亘って培った発酵に関する技術力や安定的・効率的な製造体制に加え、国内にとどまらないグローバルな販売・仕入等のネットワークを有しており、公開買付者グループが酒類・食品領域で独自の強みを持った日本国内有数のメーカーとしての地位を構築していると考えております。一方で、当社は、当社の試薬製品やCDMO事業における遺伝子解析受託を研究開発用途から産業用途へ販売拡大すべく事業推進していますが、研究や医療以外の産業分野におけるニーズの把握などが必ずしも十分でなく、それらの分野への事業拡大の機会を捉え切れていない状況です。当社は、公開買付者グループが長年の事業運営を通じて培った製造・開発・販売に関する知見、ノウハウに加え、グローバルに跨る広範なネットワークなどの活用が可能となることで、新製品・新サービスの開発・研究、医療以外の産業向けへの販売拡大、さらには環境・工業/エネルギー・海洋・食料/植物などの新規事業分野の事業開発などを実現し、より広範囲のライフサイエンス産業という領域においてインフラを担うグローバル・プラットフォーマーとしての地位の確立につなげられると考えております。
現状は互いが独立した上場企業であるため、公開買付者と当社の一般株主との間で生じうる構造的な利益相反により一層踏み込んだ連携に一定の制約がございましたが、本取引後には、公開買付者グループと当社の利害を一致させ、同時に当社の意思決定の柔軟化・迅速化を実現することができるようになり、当社の事業における製造の効率化や製造管理・品質管理レベルの向上などの製造技術力の強化が可能となると考えております。さらに、これまで以上に製造・管理・販売面のノウハウの共有をはじめとした新規・既存を問わない事業上の密な協業が常に可能となることで、当社の成長ポテンシャルを最大限発揮できるようになると考えております。また、当社は、従前の公開買付者との親子上場の関係において存在していた上場企業間での迅速・柔軟な情報共有の制約が本取引を通じて解消されることで、当社従業員の経験が不足している領域で公開買付者との人材交流ができることや、当社従業員が公開買付者の有する工場管理・海外経験等の知見習得の機会を享受できることから、当社従業員のスキルアップが図れ、成長戦略の実行に不可欠な専門人材の確保・育成が可能になることが期待できます。さらに、情報共有の制約が本取引を通じて解消されることで、当社は、現状では親子上場ゆえに存在した利益相反上の問題による技術発明やノウハウに関する自由な意見交換や情報共有の制約から、十分に行えなかった公開買付者との情報交換や連携が密にできることになることで、より広範な範囲で連携して共同開発を行うことができ、新製品・新サービスの創出が可能になることが期待できます。
当社は、当社を含む公開買付者グループの価値観である「TaKaRa Five Values」(注9)や企業文化・風土を共通としていることから、本取引後の両者間の連携が円滑に進み、上記シナジーの比較的早期の実現が期待できます。また、公開買付者は、グループが一体となって酒類・食品領域をはじめとした様々な事業を展開している一方で当社との間において事業領域に重複が存在せず、上記の新規事業分野の事業開発のポテンシャルが幅広く期待できます。これらのことから、公開買付者は、当社の成長ポテンシャルが最大限に発揮できる最良のパートナーであると考えております。
(注9) 「TaKaRa Five Values」とは、企業として何を大切にしているか、すべきかを示した、当社を含む公開買付者グループ共通の価値観のことです。公開買付者グループ共通の拠り所として、社員一人ひとりのベクトルを合わせ、組織力を最大化し、グループVisionの実現を目指すための基盤と位置づけられています。
(イ)収益構造改革の促進
当社は新型コロナウイルスの世界的な流行の終息後より継続するライフサイエンス研究市場の世界的な低迷等の影響を受け、2026年3月期の業績予想を下方修正いたしました。かかる状況の下、当社は早期の収益力回復が必須であると考えております。
この点、当社は、公開買付者が国内酒類市場において、焼酎、清酒、みりん等複数カテゴリーにおいてトップクラスのシェアを持ったメーカーとして安定した事業基盤を構築し、加えて当社の設立以降、当社の親会社として当社の事業やライフサイエンス業界への深い知見を有していると考えていることから、公開買付者の財務的リソースや生産・管理面でのノウハウの当社への適時適切な投下が可能であり、それらのリソースやノウハウの投下の結果、当社の製造や管理業務における効率化ができることで、資産規模に見合った持続的に収益を生み出す構造へ展開できると考えております。
(ウ)人材交流の活発化を通じた知見の相互提供によるグループ事業戦略の加速
当社としては、上記(ア)に記載のとおり、現状の親子上場の状態において公開買付者と当社の一般株主との間の利益相反が生じることがないよう留意が必要であり、人材交流やノウハウの相互での共有が十分にできていない状況にあると考えております。本取引を通じて、当社の株主を公開買付者のみとして完全子会社化することにより、上場企業間での短期的には損失を伴う可能性のある施策の実行へのハードルとなる公開買付者と当社の一般株主との構造的な利益相反や公開買付者と当社がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っていることで発生していた情報連携等の制約が解消されるため、人材交流及びそれに伴う積極的な知見、ノウハウの相互での共有が可能となると考えております。
また、当社はライフサイエンス産業のインフラを担うグローバル・プラットフォーマーを目指すことを「タカラバイオグループ中期経営計画2025」で掲げており、やはり親子上場に起因する情報管理等の制約から従前において積極的に行うことができなかった酒類や食品領域のノウハウを有する公開買付者グループから当社への出向を通じた人材拡充が可能となることで、製造技術力や新規事業の開発を公開買付者と一体となって促進し、事業戦略の加速ができると考えております。
(エ)上場維持コストの削減
当社が上場を維持する上では、各種費用(上場料、開示書類の作成費用、株式事務代行機関への委託費用、監査費用等)や一般株主への対応等を含めた業務負荷等、経営上の負担が必要であり、さらには、近年のコーポレートガバナンス・コードの改定、資本市場に対する規制の強化等により、開示に要する費用や監査費用等の継続的に必要なコスト及び業務負荷は今後も増加していくことが見込まれます。
これに対して、当社の株主を公開買付者のみとして完全子会社化することにより、かかるコスト・業務負荷を削減することが可能となり、当社の喫緊の課題である収益構造改革にも資するものと考えております。
当社は以下の点から、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して合理的なプレミアムを付した価格及び合理的な諸条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
(ア)下記「(3)算定に関する事項」に記載されている大和証券による当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法により算出された当社株式の1株あたり株式価値のレンジの上限を大幅に上回っており、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による1株当たり株式価値の算定結果のレンジの中央値974円を大幅に上回っている、であること。
(イ)下記「(3)算定に関する事項」の「③ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)におけるプルータス・コンサルティングによる当社株式に係る株式価値算定結果において、市場株価法により算出された当社株式の1株当たり株式価値のレンジの上限を大幅に上回っており、DCF法による1株当たり株式価値の算定結果のレンジの範囲内であり、かつ中央値(954円)を大幅に上回っていること。
(ウ)下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付けの公正性を担保するための措置が講じられており、一般株主の利益が確保されていると認められること。
(エ)当該措置が講じられた上で、当社及び公開買付者グループから独立した本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯に交渉を重ね、当初の公開買付者からの提案価格である950円から引き上げられた価格であること。
(オ)当社における独立した本特別委員会から取得した本答申書において、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本公開買付価格、交渉過程の手続の公正性、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断されていること。
(カ)本公開買付価格に対するプレミアムは、本公開買付けの公表日の前営業日である2026年2月12日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値の819円に対して40.42%、同日までの過去1ヶ月間(2026年1月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値813円に対して41.45%、同日までの過去3ヶ月間(2025年11月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値808円に対して42.33%、同日までの過去6ヶ月間(2025年8月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値872円に対して31.88%であり、過去1ヶ月及び3ヶ月間の終値単純平均値に対しては40%を超えるプレミアムが付された金額となっており、類似過去事例におけるプレミアム水準(基準日の前営業日時点の対象者株式の株価終値に対するプレミアムの中央値である38.0%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値である39.9%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値である39.5%)と比べても一定のプレミアムが付されていると考えられること。他方、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムとしては、類似過去事例におけるプレミアム水準(基準日の過去6ヶ月間の東京証券取引所における対象者株式の株価終値に対するプレミアムの中央値である38.0%)と比べると必ずしも高い水準とまではいえないものの、当該過去事例のうち、本取引の公開買付金額の総額に近しい事例(上記類似過去事例のうち、買付総額500億円以上の事例)の合計25件におけるプレミアム水準(基準日の前営業日時点の東京証券取引所における対象者株式の株価終値に対するプレミアムの中央値である23.8%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値である29.9%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値である30.8%、同日までの過去6ヶ月間の中央値である29.3%)と比べると過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムも相応のプレミアム水準であると考えられること。
なお、当社は、2025年10月23日付「中間期業績予想の修正および特別損失の計上ならびに繰延税金資産の取り崩しに関するお知らせ」(以下「下方修正開示①」といいます。)に記載のとおり、2026年3月期中間期の連結業績予想の下方修正を行い、2025年11月11日付「通期業績予想の修正および配当予想の修正(無配)ならびに役員報酬の一部返上に関するお知らせ」及び2025年11月12日付「(訂正)『通期業績予想の修正および配当予想の修正(無配)ならびに役員報酬の一部返上に関するお知らせ』について」(以下、併せて「下方修正開示②」といいます。)に記載のとおり、2026年3月期通期の連結業績予想の下方修正を行っております。もっとも、下方修正開示①は特別損失の計上等を要因とするところ、特別損失の計上については、長期にわたり建設仮勘定で計上していた細胞加工やウイルスベクターなどの受託製造に係る設備について、大口顧客からの注文が見込めなくなり、その後営業活動を進めたものの、2025年6月に行った固定資産実査を機に今後の使用見込の有無を精査し、2025年8月より有限責任監査法人トーマツからの助言も得て、2026年3月期中間期に対象資産について減損損失を計上することとなったものです。また、下方修正開示②は、世界的なライフサイエンス研究市場が引き続き低迷するとの見込みや、日本における受託事業の新規案件獲得の未達等を要因とするものです。そのため、下方修正開示①及び下方修正開示②ともに、当社が意図的に当社株式の株価を下げる目的で当該下方修正を策定及び公表したものではありません。
また、公開買付者によると、本取引に向けた検討を開始したのは2025年9月下旬とのことであり、下方修正開示①に係る対象資産の減損損失の計上に至る判断経過及び下方修正開示②の要因はいずれも、公開買付者による本取引の検討開始前から存在するものといえるため、下方修正開示①及び下方修正開示②はいずれも本取引の検討開始とは無関係であり、本公開買付価格に対するプレミアム水準の判断において、下方修正開示以降の当社株式の株価も考慮の対象とすることに問題はないと考えております。
以上より、当社は、2026年2月13日開催の取締役会において、本公開買付けに賛同する意見を表明すると共に、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。
なお、上記当社取締役会における決議の方法は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。
野村證券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価が存在することから市場株価平均法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社株式の価値の算定を行い、公開買付者は、野村證券から2026年2月12日付で株式価値算定書(以下「本買付者側株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。
なお、野村證券は公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の諸要素を総合的に考慮し、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
野村證券による当社の株式価値の算定結果の詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 公開買付者における独立した第三者機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2026年2月12日付で、本株式価値算定書(大和証券)を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。また、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、公開買付者及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、大和証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。なお、大和証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行等も勘案の上、上記の報酬体系により大和証券を当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選定しました。
(ⅱ)当社株式に係る算定の概要
大和証券は、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案した市場株価法、及び当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2026年2月12日付で大和証券より本株式価値算定書(大和証券)を取得しました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法:808円から872円
DCF法 :777円から1,171円
大和証券が当社株式の株式価値算定の前提とした事業計画(以下「本事業計画」といいます。)(注10)は、本取引の取引条件の妥当性を検討することを目的として当社が作成し、その後、本特別委員会における検討を経て承認されております。本事業計画は、当社及び各子会社別の事業計画に基づき、当社が現時点で合理的に将来予測が可能な期間として、2026年3月期から2036年3月期までの11期間で構成されています。本事業計画の策定においては、米国及び中国を中心とした世界的なライフサイエンス研究市場の低迷の影響を受ける一方、今後緩やかに市況が回復していく見通しや物価上昇といった経営環境の変化と共に、Curio社買収により獲得したSpatial製品やシングルセル解析に利用するNGS製品の拡販や新製品の開発販売による売上拡大、遺伝子・細胞プロセッシングセンター3号棟の稼働、不採算領域の見直しなど事業の選択と集中による経費支出の抑制による収益性の確保といった各施策を勘案しております。
なお、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、本事業計画には加味しておりません。また、本事業計画には、当社が2025年11月11日に公表した2026年3月期の連結業績予想からの大幅な乖離は存在しません。
市場株価法では、2025年2月12日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における基準日の終値819円、直近1ヶ月間(2026年1月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値813円、直近3ヶ月間(2025年11月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値808円及び直近6ヶ月間(2025年8月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値872円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を808円~872円と算定しております。
DCF法では、本事業計画を基に、本事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり価値の範囲を777円~1,171円と算定しております。また、割引率は加重平均資本コストを用い、7.6%~8.6%を採用しており、当社の規模を考慮し、サイズリスク・プレミアムを含め算出しております。継続価値の算定にあたっては乗数モデル及び定率成長モデルを採用し、乗数モデルでは業界各社の水準等を踏まえ、EBITDAに対する企業価値の倍率を11.5倍~14.5倍として当社の継続価値を1,931億円~2,435億円と算出しております。定率成長モデルでは国内外のインフレ率及び当社が属する業界成長率等を踏まえて、永久成長率は2.5%~3.5%として当社の継続価値を1,556億円~2,230億円と算定しております。なお、重要性を有する資産として、現預金は、当社における過去の運転資本推移等を総合的に考慮し推計した事業用現預金を控除して株式価値の算定において加算しております。
また、DCF法で算定の前提とした当社財務予測の数値は以下のとおりであり、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2028年3月期から2030年3月期においては、米国及び中国市場などライフサイエンス研究市場の回復、Spatial製品やNGS製品の販売拡大、TBI-1301の開発進展、AAVのライセンスアウトによる収入、CDMO事業の収益拡大など予定している各種施策が進捗することにより、対前年度比較で営業利益、EBITDA及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。また、2029年3月期は、補助金受領によるフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。
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(単位:百万円) |
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2026年3月期 (3ヶ月) |
2027年3月期 |
2028年3月期 |
2029年3月期 |
2030年3月期 |
2031年3月期 |
|
売上収益 |
11,958 |
45,577 |
49,996 |
54,549 |
59,676 |
66,241 |
|
営業利益 |
△84 |
△3,634 |
△1,553 |
1,075 |
3,158 |
6,096 |
|
EBITDA |
1,071 |
1,235 |
3,787 |
6,565 |
8,870 |
11,811 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
3,194 |
△11,506 |
△7,551 |
26,726 |
3,208 |
5,881 |
|
|
2032年3月期 |
2033年3月期 |
2034年3月期 |
2035年3月期 |
2036年3月期 |
|
売上収益 |
68,910 |
72,617 |
76,454 |
80,346 |
84,390 |
|
営業利益 |
5,854 |
6,981 |
8,129 |
9,263 |
10,439 |
|
EBITDA |
11,626 |
12,870 |
14,129 |
15,362 |
16,632 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
7,041 |
7,986 |
8,091 |
8,972 |
9,812 |
(注10) 本事業計画は、当社が2025年7月頃から検討を開始した中期経営計画案(以下「中期経営計画案」といいます。なお、中期経営計画案は、本取引が実行されると当社が公開買付者の完全子会社となることが予定されているため、本書提出日時点では、中期経営計画として完成しておらず、取締役会での決議が実施される予定や、公表される予定もありません。)と並行して当社が本取引の検討開始後に作成したもので、本事業計画の6年目までは中期経営計画案と同じ内容であり、中期経営計画案の対象外である7年目以降については独自に作成したものです。また、本事業計画(ただし、中期経営計画案と重複する6年目までに限る)の作成にあたっては、公開買付者の出身者である当社代表取締役の宮村毅氏が関与しているものの、同人の知識及び経験に照らすと、同人が関与せずに作成された場合は、当社の本事業計画の実現可能性及び十分性に関する懸念が大きく、同人を本事業計画の作成に関与させる必要性が高いことから、同人を本事業計画の作成過程に関与させています。なお、同人の関与は、あくまで当社事業管理部が作成した本事業計画案(ただし、中期経営計画案と重複する6年目までに限る)を確認し、利益を押し上げる方向でコメントを行ったのみであり、同人が自ら本事業計画案の作成を主導したわけではありません。また、同人によるコメント内容の妥当性(いずれのコメントも事業計画を矮小化する意図はなかったこと)について、特別利害関係人を除く当社の社内取締役全員(峰野純一氏、日下部克彦氏及び浜岡陽氏)による確認を得ております。また、以上の取扱いについては、本特別委員会の承認を得ております。
③ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係
本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥当性を確保するために公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対して、当社株式の価値算定を依頼し、2026年2月12日付で、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得いたしました。
プルータス・コンサルティングは、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
なお、本特別委員会は、いずれの第三者算定機関からもフェアネス・オピニオンは取得しておりませんが、本株式価値算定書(大和証券)及び本株式価値算定書(プルータス)の取得により、価格の妥当性は十分に検証されていることや、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられていることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると判断しております。
また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
(ⅱ)当社株式に係る算定の概要
プルータス・コンサルティングは、複数の算定手法の中から当社株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案するために市場株価法、当社業績の内容や予想等を評価に反映するためにDCF法を算定方法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、本特別委員会は、2026年2月12日付でプルータス・コンサルティングより本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得しました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法:808円から872円
DCF法 :661円から1,247円
市場株価法では2026年2月12日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所プライム市場における基準日の終値819円、直近1ヶ月間(2026年1月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値813円、直近3ヶ月間(2025年11月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値808円及び直近6ヶ月間(2025年8月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値872円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を808円~872円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した本事業計画を基に、本事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期第4四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たり価値の範囲を661円~1,247円までと算定しております。なお、割引率は加重平均資本コストを用い、6.8%~8.6%を採用しております。継続価値の算定にあたっては永久成長率法及び倍率法を採用し、永久成長率法では、理論上想定される長期的な経済環境等を踏まえ成長率を0%とし、継続価値を1,207億円~1,526億円と算定しております。倍率法では、EBIT及びEBITDAの倍率を採用し、業界各社の水準等を踏まえてそれぞれ15.9倍~17.9倍及び10.0倍~10.7倍として、当社の継続価値を1,660億円~2,367億円と算定しております。
非事業用資産として、必要運転資金(当社における過去の資金繰り実績等を総合的に考慮して算出しております。)を控除した余剰現預金を加算しております。
なお、本事業計画の作成主体等を含む前提については、上記「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の「(ⅱ)当社株式に係る算定の概要」に記載のとおりです。
プルータス・コンサルティングがDCF法の算定の前提とした当社財務予測の数値は以下のとおりであり、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2028年3月期から2031年3月期においては、米国及び中国市場などライフサイエンス研究市場の回復、Spatial製品やNGS製品の販売拡大、TBI-1301の開発進展、AAVのライセンスアウトによる収入、CDMO事業の収益拡大など予定している各種施策が進捗することにより、対前年度比較で営業利益、EBITDA及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。また、2029年3月期は、補助金受領によるフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでおります。
また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、上場維持コストの削減効果を除き、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味しておりません。
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(単位:百万円) |
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2026年3月期 (3ヶ月) |
2027年3月期 |
2028年3月期 |
2029年3月期 |
2030年3月期 |
2031年3月期 |
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売上収益 |
11,958 |
45,577 |
49,996 |
54,549 |
59,676 |
66,241 |
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営業利益 |
△84 |
△3,634 |
△1,553 |
1,075 |
3,158 |
6,096 |
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EBITDA |
1,079 |
1,271 |
3,824 |
6,602 |
8,907 |
11,848 |
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フリー・キャッシュ・フロー |
△2,893 |
△11,428 |
△7,549 |
26,675 |
3,196 |
5,845 |
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2032年3月期 |
2033年3月期 |
2034年3月期 |
2035年3月期 |
2036年3月期 |
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売上収益 |
68,910 |
72,617 |
76,454 |
80,346 |
84,390 |
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営業利益 |
5,854 |
6,981 |
8,129 |
9,263 |
10,439 |
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EBITDA |
11,663 |
12,907 |
14,166 |
15,399 |
16,669 |
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フリー・キャッシュ・フロー |
6,806 |
7,067 |
7,924 |
8,800 |
9,255 |
プルータス・コンサルティングは、当社株式の株式価値の算定に際し、当社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、それらの資料及び情報等が、すべて正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を行っておりません。また、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)に関して独自の評価・査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。ただし、プルータス・コンサルティングは、算定の基礎とした当社の本事業計画について、当社との間で質疑応答を行いその内容を確認しております。また、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会がその内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性を確認し、不合理でないことを確認しております。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所プライム市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本非公開化手続の実施を予定しているとのことですので、かかる手続が実行された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、当社株式が上場廃止となった後は、当社株式を東京証券取引所プライム市場において取引することはできません。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、以下の本非公開化手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
本公開買付けの成立により、公開買付者が、合計で当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至り、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式のすべてを売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。本株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を本売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して本株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社がその取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、本売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、本売渡株主が所有する当社株式のすべてを取得するとのことです。そして、公開買付者は、本売渡株主に対し、本売渡株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において、本株式売渡請求を承認する予定です。
上記手続に関連する一般株主の権利保護を目的とした会社法上の手続として、本株式売渡請求がなされた場合には、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、かかる申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者が、合計で当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2026年5月中旬を目途に開催することを当社に要請する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者からこれらの要請を受けた場合には、これらの要請に応じる予定です。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案について承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主は、本臨時株主総会において承認された本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより、株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定めに従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。公開買付者は、当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主(ただし、公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、当社に要請する予定とのことです。本株式併合の割合は未定ですが、公開買付者は、公開買付者のみが当社株式のすべてを所有することを企図し、本公開買付けに応募しなかった当社の株主の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定されるよう当社に要請する予定とのことです。当社は、本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
また、本株式併合に関連する一般株主の権利保護を目的とした規定として、本株式併合がなされた場合であっても、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、本公開買付けに応募しなかった当社の株主は、当社に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるもののすべてを公正な価格で買い取ることを請求できる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められており、当該申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった当社の株主に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社は、公開買付者と協議の上、決定次第、速やかに公表する予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。また、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様が自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び当社は、公開買付者は当社株式の所有割合が60.91%に達する当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付けの公正性を担保するため、以下の措置を講じております。
なお、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
なお、公開買付者は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「① 本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、当社株式73,350,000株(所有割合:60.91%)を所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(Majority of Minority)」の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において以下の措置が講じられていることから、公開買付者及び当社としては、当社の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーである野村證券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。
野村證券は、複数の株式価値算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価が存在することから市場株価平均法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社株式の価値の算定を行い、公開買付者は、野村證券から2026年2月12日付で株式価値算定書(以下「本買付者側株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです(注11)。
なお、野村證券は公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の諸要素を総合的に考慮し、当社の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
野村證券により上記各手法において算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価平均法:808円から872円
DCF法 :1,008円から1,395円
市場株価平均法では、2026年2月12日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日終値819円、直近5営業日の終値単純平均値808円、直近1ヶ月間の終値単純平均値813円、直近3ヶ月間の終値単純平均値808円及び直近6ヶ月間の終値単純平均値872円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を808円から872円と算定しているとのことです。
DCF法では、当社より受領し、公開買付者による確認の上、野村證券に提供された2026年3月期から2036年3月期までの11期分の事業計画(当社から受領した事業計画にフリー・キャッシュ・フローは含まれておりません。)における収益や投資計画、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2026年3月期第四半期以降の当社の将来の収益予想に基づき、当社が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を1,008円から1,395円と算定しているとのことです。なお、野村證券がDCF分析に用いた財務予測においては、大幅な増減益が見込まれる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2026年3月期においては、世界的なライフサイエンス研究市場の低迷や受託事業の新規案件獲得の未達による売上高の減少を主因として、対前年度比で営業利益、EBITDA及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでいるとのことです。一方で、2027年3月期から2031年3月期においては、米国及び中国市場を含むライフサイエンス研究市場の回復に加え、試薬事業及びCDMO事業の収益拡大を主因として、対前年度比で営業利益、EBITDA及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでいるとのことです。また、当該事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該事業計画には加味されていないとのことです。
公開買付者は、野村證券から取得した本買付者側株式価値算定書における当社の株式価値の算定結果に加え、2025年11月中旬から2026年1月中旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社の取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2026年2月13日、本公開買付価格を1,150円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である1,150円は、本公開買付けの実施についての公表日(2026年2月13日)の前営業日である2026年2月12日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値819円に対して40.42%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月間の終値単純平均値813円に対して41.45%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間の終値単純平均値808円に対して42.33%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間の終値単純平均値872円に対して31.88%のプレミアムを加えた価格となります。
(注11) 野村證券は、当社の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、公開買付者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2026年2月12日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、野村證券の算定は、公開買付者の取締役会が当社の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
上記「(3)算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、当社は、本公開買付けに関する意見を決定するにあたり、公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券に対して、当社の株式価値の算定を依頼し、2026年2月12日付で、本株式価値算定書(大和証券)を取得いたしました。なお、大和証券は、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)設置等の経緯
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、2025年11月11日に開催された臨時取締役会における決議により、本特別委員会を設置いたしましたが、かかる本特別委員会の設置に先立ち、当社は、2025年10月下旬から、公開買付者グループから独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を構築するため、大江橋法律事務所の助言も得つつ、公開買付者グループとの間で重要な利害関係を有しない当社のすべての独立社外取締役及び独立社外監査役に対して、公開買付者から2025年10月30日に本取引の実施に向けた検討・協議を開始したい旨の意向表明書を受領した旨、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、本特別委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を個別に説明いたしました。また、当社は、並行して、大江橋法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補となる当社の独立社外取締役及び独立社外監査役の独立性及び適格性等について確認を行うと共に、公開買付者グループとの間で重要な利害関係を有していないこと、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことについても確認を行いました。そのうえで、当社の独立社外取締役及び独立社外監査役において、大江橋法律事務所の助言を得つつ、協議した結果、異議がない旨が確認されたことから、当社は、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、金融機関や事業会社での実務経験や大学での経済学の教授を務め豊富な学術的知見を有する河島伸子氏(社外取締役、独立役員)、弁護士として法務における高度な専門性及び知見を有する鎌田邦彦氏(社外監査役、独立役員)、公認会計士として監査法人での豊富な実務経験と国内での複数の事業会社での経営に携わった経験や知見を有する姫岩康雄氏(社外監査役、独立役員)の3名を本特別委員会の委員の候補として選出いたしました(なお、河島伸子氏、鎌田邦彦氏及び姫岩康雄氏の3名は、いずれも当社の2026年3月期の定時株主総会終結時をもって社外取締役又は社外監査役を退任予定です。また、本特別委員会の委員長には、委員間の互選により、当社独立社外取締役である河島伸子氏が就任しており、本特別委員会の委員は設置当初より変更されておりません。)。
そのうえで、当社は、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年11月11日開催の臨時取締役会決議により本特別委員会を設置すると共に(なお、本特別委員会の委員長には、委員間の互選により、当社独立社外取締役である河島伸子氏が就任しており、本特別委員会の委員は設置当初より変更されておりません。)、本特別委員会に対し、本諮問事項を諮問いたしました。また、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、(ⅰ)当社の役職員から、本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、(ⅱ)本取引の取引条件等に関する交渉について、当社に対して意見を述べる権限、(ⅲ)当社が選任した当社の外部専門家アドバイザーを承認(追認を含む。)する権限、(ⅳ)当社の費用負担において、当社の外部専門家アドバイザーに助言を求める権限、(ⅴ)当社の費用負担において、本特別委員会独自の外部専門家アドバイザーを選任する権限を付与することを決議しております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2025年11月12日より2026年2月12日までの間に合計18回開催された他、各会日間においても必要に応じて都度電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。
具体的には、本特別委員会は、まず、その独立性及び専門性・実績等を検討のうえ、2025年12月12日、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自の法務アドバイザーとして淀屋橋・山上合同を、公開買付者グループ及び当社グループから独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任する旨を決定いたしました。本特別委員会は、淀屋橋・山上合同及びプルータス・コンサルティングが公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当しないこと、及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性に問題がないことを確認しております。
また、本特別委員会は、当社のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である大和証券並びに当社の法務アドバイザーである大江橋法律事務所について、その独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認のうえ、その選任を承認しております。
さらに、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことを確認のうえ、承認をしております。
そのうえで、本特別委員会は、淀屋橋・山上合同から受けた法的助言及び大江橋法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
本特別委員会は、公開買付者から、本取引を提案するに至った背景、本取引の意義・目的、本取引実施後の経営体制・経営方針等についての説明を受け、質疑応答を行っております。
また、本特別委員会は、当社から、本取引の意義・目的、本取引が当社の事業に及ぼす影響、本取引実施後の経営体制・経営方針等に関する当社の見解及び関連する情報を聴取すると共に、これらに関する質疑応答を行っております。
加えて、本特別委員会は、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、当社の作成した事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について当社から説明を受け、質疑応答を行ったうえで、これらの合理性を確認し、承認をしております。そのうえで、上記「(3)算定に関する事項」の「② 当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」及び「③ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、プルータス・コンサルティング及び大和証券は、当社の事業計画の内容を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、プルータス・コンサルティング及び大和証券から、それぞれが実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行ったうえで、これらの事項について合理性を確認しております。
また、本特別委員会は、当社の公開買付者との交渉について、随時、当社や当社のアドバイザーから報告を受け、プルータス・コンサルティングから受けた財務的見地からの助言及び淀屋橋・山上合同から受けた法的見地からの助言も踏まえて審議・検討を行い、当社の交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べました。具体的には、本特別委員会は、当社が公開買付者から本公開買付価格の各提案を受領次第、当社より本公開買付価格に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けたうえで、当社に対して計4回にわたり、公開買付者に対して本公開買付価格の増額を要請すべき旨を意見し、当社が当該意見に従って公開買付者と交渉を行ったこと等により、当社と公開買付者との間の協議・交渉過程に実質的に関与いたしました。
その結果、当社は、2026年2月9日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり1,150円とすることを含む提案を受け、結果として、本公開買付価格を、公開買付者の当初提示額である950円から1,150円にまで引上げております。
さらに、本特別委員会は、大江橋法律事務所から、複数回、本公開買付けに対する意見表明に係る当社作成のプレスリリース(「親会社である宝ホールディングス株式会社による当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨のお知らせ」。以下「本プレスリリース」といいます。)のドラフトの内容について説明を受け、淀屋橋・山上合同から助言を受けつつ、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、淀屋橋・山上合同及び大江橋法律事務所から受けた法的助言、プルータス・コンサルティング及び大和証券から受けた財務的見地からの助言、並びに2026年2月12日付で提出を受けた本株式価値算定書(大和証券)の内容及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2026年2月12日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しております。
(ア)答申内容
① 本取引は当社の企業価値向上に資するものであって、本取引の目的は合理的なものである
② 本取引の取引条件(本取引における対価を含む。)は公正かつ妥当である
③ 本取引においては公正な手続を通じた当社の一般株主の利益に対する十分な配慮がなされている
④ 当社取締役会が、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主に対し、本公開買付けに応募することを推奨し、本非公開化手続の意思決定をすることは適切であり、また、当社の一般株主にとって公正かつ妥当なものである本取引は当社の企業価値向上に資するものであって、本取引の目的は合理的なものである
(イ)答申の理由
1 本特別委員会の審議・検討内容
本特別委員会は、本諮問事項に対する答申を行うにあたり、①当社が大和証券から提出を受けた本株式価値算定書(大和証券)、本特別委員会がプルータス・コンサルティングから提出を受けた本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)、本株式価値算定書(大和証券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)による株式価値算定の基礎となった本事業計画、その他公表されている書類を含む本特別委員会における検討のために必要と認めた書類等の検討、②公開買付者に対するインタビュー(本取引概要、本取引実行後の経営方針等、本取引の意義、本取引ストラクチャー等に関する事項)を行い、③当社の外部専門家アドバイザー及び特別委員会の外部専門家アドバイザーに対する質疑応答を実施している。
また、本特別委員会は、2025年11月12日から2026年2月12日まで合計18回の特別委員会の開催及び同委員会における詳細な審議・検討を行った。
2 本取引の目的の合理性(本取引が当社の企業価値向上に資するかを含む。)について
(1)本取引の目的
本特別委員会は、本取引の目的及び本取引により向上することが見込まれる当社の企業価値の具体的内容等について、当社及び公開買付者に対して質疑を行った。それらの内容をまとめると、概要は以下のとおりである。
ア.当社の現状・課題に関する当社の説明
本特別委員会は、当社グループを取り巻く経営環境について、当社から、大要下記のような説明を受けている。
・当社グループの主要事業は、試薬・機器等の開発・製造・販売事業、CDMO事業及び遺伝子医療事業であるところ、2024年3月期にスタートした「タカラバイオグループ中期経営計画2025」において、3ヵ年の定量目標及び試薬、機器、CDMO、遺伝子医療の各事業上で設定した事業戦略、また、事業構造の変革を企図した経営基盤強化戦略に基づき事業を推進している。
・しかし、世界的なライフサイエンス研究市場の低迷が新型コロナウイルスの流行の終息後も継続し、「タカラバイオグループ中期経営計画2025」策定時の前提とは大きな乖離が生じ、2026年3月期の業績については売上高、営業利益の予想値の下方修正を余儀なくされた。
・米国の政府方針による研究助成金の大幅削減や中国市場における競合他社との競争激化など先行きの不透明感が高まっているが、当社グループは、先行投資した設備などの資産を有効活用して収益を伸ばし、各事業を成長軌道に戻すことを目指している。
イ.当社の現状・課題に関する公開買付者の説明
本特別委員会は、当社のみならず公開買付者からも説明を聴取する必要があると考え、公開買付者から、当社グループを取り巻く経営環境に対する公開買付者の認識について、大要下記のような説明を受けている。
・当社を取り巻く事業環境については、当社が属するライフサイエンス産業支援領域は、中長期的な市場成長のポテンシャルは依然として高いものの、コロナ禍を経て事業環境が急激に変化している。加えて、直近では、物価高・高金利等に伴う研究予算の縮減や、特に米国における研究助成金の削減などにより、研究開発活動の低下と先行き不透明感が強まっている。
・コアビジネスである試薬・機器事業では、mRNA関連技術やバイオインフォマティクスの進展に伴う研究の高度化による需要の変化や競合企業の増加に加え、中国企業を中心とした汎用品の低価格化などにより競争環境が急変しており、事業の競争力・収益性は低下してきている。また、CDMO事業においても、日本の細胞医療・遺伝子治療分野の開発の停滞、顧客の開発方針の変更等による遺伝子医療関連分野の受託案件の減少や遺伝子解析分野での価格競争激化、及び競合企業の参入などにより、コロナ禍の期間も含めて、これまで進めてきた多額の設備投資及び人員の増加に見合った事業収益の拡大を進めることができておらず、当社の2025年度(2026年3月期)を最終事業年度とする「タカラバイオグループ中期経営計画2025」の売上高計画143億円については未達となる見通しである。さらに、2028年3月期に稼働予定のCGCP3号棟の建設が進む中、2026年3月期にはCGCP2号棟の一部について減損損失を計上しており、当社におけるこれらの設備投資に見合った事業成長が当初の想定どおりに進んでいない状況である。
・こうした市場や競争環境の急激な変化等により、現在の当社の事業は、獲得できる売上に対して、費用構造や保有資産が過大となっているという構造的な問題を抱えている状況である。当社のコアビジネスである試薬・機器事業の競争力・収益性は低下しており、また、先行投資型ビジネスであるCDMO事業においても設備投資の回収に当初の想定以上の時間を要する厳しい状況である。このような状況を速やかに解消する上では、セグメント別・品目別の損益管理や原材料・製品在庫の管理など、経営管理のさらなる高度化が必要である。
・当社の当面の課題は「抜本的な収益構造改革による収益力の早期回復」及び「ライフサイエンス産業支援領域の先行き不透明感を踏まえた新たな成長戦略やビジネスモデルの確立」である。加えて、当社を含む公開買付者グループ全体の中長期的な持続的成長に向けて、「新規事業創出への取組を強化」することも重要である。
ウ.本取引により期待されるシナジーに関する公開買付者の説明
本特別委員会は、公開買付者から、本取引の実施後に公開買付者が企図している当社の企業価値向上策及び想定している効果として、以下の内容の説明を受けた。
(ア)当社の収益構造改革の速やかな実行
・獲得できる売上に対して、費用構造や保有資産が過大となっているという当社事業が抱える構造的な問題に対し、当社の完全子会社化によって実現される迅速で柔軟な意思決定構造を最大限活用し、収益構造改革を進めるための施策を可能な限り速やかに実行に移すことが必要である。
・しかしながら、当社と公開買付者がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、当社の一般株主を含む各ステークホルダーの利益を考慮した慎重な検討が必要になることから、迅速かつ柔軟な意思決定に制約が生じるため、実行できる施策が制約される部分がある。加えて、当社の上場企業としての経営独立性の観点もあり、製造管理、在庫管理、原価管理といった事業運営の基盤となる業務やその他管理系の業務においても、両者間におけるノウハウや情報の共有、あるいは人員交流には一定の制約があるため、これらを通じた事業運営の高度化や、業務効率化、コストダウンなどの最大化が図りづらい状態にあった。
・このような状況に対し、本取引によって当社を完全子会社化し上記のような制約を解消することで、当社の事業におけるグローバルなサプライチェーンや提供する商品・サービスなどの見直しといった、事業構造改革の迅速な意思決定と実行が可能になる。
・公開買付者グループでは、国内の酒類・調味料・酒精事業を中心に、製造・生産管理、在庫管理、原価管理等の高度化に継続的に取り組み、また、間接部門においても、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)や働き方改革等も含めた多様なアプローチでのコストダウンや業務効率化を推進し、一定の成果を獲得してきた。完全子会社化により、当社を含めた公開買付者グループ内でのノウハウ・情報の共有や人員交流を進めることで、公開買付者グループで培われた考え方やノウハウを当社における原価や販管費等の削減、業務の効率化や品質の向上にも積極的に応用することが可能となる。このことを通じて、セグメント別・品目別の損益管理などに基づいた事業運営の高度化を進め、事業構造改革を迅速かつ適切に行うとともに、製造原価の低減、適正な価格設定、原料や製品在庫の適正化による運転資本の削減、間接材も含めた様々なコストダウンや業務効率化の推進などを実現し、収益構造の変革を迅速に進めることが可能となる。
(イ)公開買付者の基盤を活用した当社の既存事業の強化及び事業領域の拡大
・公開買付者は、公開買付者グループ傘下の主力企業である宝酒造及び宝酒造インターナショナルグループが、酒類・日本食材領域において、長年の事業運営によって蓄積した安定的・効率的な製造・開発・販売等に係るケイパビリティに加え、国内のみならずグローバルな販売・仕入等のネットワークを有しており、日本国内の同業他社にはない強みを保持している。他方で、当社は、ライフサイエンス産業支援領域において試薬・機器事業、CDMO事業及び遺伝子医療事業を展開する中、ライフサイエンス産業支援領域以外の新たな産業分野への製品・サービス拡販を企図しているものの、当該分野におけるニーズを十分に捕捉できていない状況である。
・こういった状況に対し、完全子会社化によって実現できる当社との密な情報共有と連携により、公開買付者の持つ安定的・効率的な製造・開発・販売等のノウハウを共有できることは、当社の既存事業における製造の効率化及び技術力の一層の強化に寄与する。また、公開買付者の保有するグローバルなネットワークの活用が可能になることで、当社の既存事業領域であるライフサイエンス産業支援領域/健康・医療分野以外の、環境や工業・エネルギー、海洋、食料・植物といった「バイオものづくり」に関連する新たな産業分野向けの商品・サービスの開発・販売を推進し、その事業領域をさらに広げることが可能になる。
(ウ)当社を含めた公開買付者グループにおける新規事業開発の強化
・公開買付者グループは、「宝グループ 長期Vision 2050」において、「バイオテクノロジー」をコアコンピタンスとして、酒類・日本食材領域では「和酒・日本食を世界の日常に」する、ライフサイエンス産業支援領域では「健康を一人ひとりへ」届ける、そして「新しい領域で価値を創る」ことにも挑戦することで、企業価値向上と社会的な存在感を高めていく考えを示している。
・公開買付者グループにおける新規事業の創出に向けては、当社の長期ビジョンでも示されている、ライフサイエンス産業支援領域/健康・医療分野以外の、環境や工業・エネルギー、海洋、食料・植物といった「バイオものづくり」に関連する分野での商品・サービス領域も含まれることを想定しており、当社を含めた公開買付者グループ全体として、ヒト・モノ・カネ・情報といった有形無形の経営資源を配分・投下していくことが重要である。加えて、特にアイデアの仮説検証・事業計画作成などのフェーズにおいては、当社の事業とは異なる公開買付者の事業領域と当社の事業領域のそれぞれの知見やノウハウを融合していくことが不可欠である。
・しかしながら、当社と公開買付者がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、当社において公開買付者以外の一般株主が存在することから、公開買付者が当社に対して企業価値向上に資する経営資源の提供をした場合、利益の一部が公開買付者グループ外に流出するといった問題が公開買付者の株主等から指摘される可能性もあり、公開買付者グループ全体として、当社に対する経営資源の配分には一定の制約があると考えている。また、当社の上場企業としての経営独立性の観点もあり、公開買付者と当社それぞれが蓄積してきた独自の技術やノウハウや顧客情報などは、秘密情報に該当することから情報の共有にも制約があるため、新規事業開発における知的財産や無形資産の効率的・効果的・融合的な活用を阻害する要因となりうる。
・このような状況に対し、本取引によって当社を完全子会社化し上記のような制約を解消することで、利益相反の関係性が解消されることから、当社を含めた公開買付者グループ全体としての経営資源の配分・投下における制約がなくなり、新規事業の開発及び事業化に向けてより効果的かつ迅速な取り組みを進めることが可能となる。また、当社を含めた公開買付者グループ全体での秘密情報も含めた様々な情報の共有が可能になるため、知的財産やその他の無形資産のより効率的・効果的・融合的な活用も可能になる。
・これらのことを通じて、当社のコアコンピタンスである「DNA力」を含めた「バイオテクノロジー」を活かした、公開買付者グループ全体としての新たな事業領域の創出の実現性が大きく高まる。具体的なテーマについては、当社と今後協議・検討していく必要があるが、一例として、農業や環境分野における新たな技術開発やソリューションの提供による原料確保や環境負荷低減に資する商品・サービスの提供などを実現することができる。
・このようなプロセスを通じて、当社を含めた公開買付者グループにとって有益な有機化合物のバイオ技術を利用した効率的な生産や、公開買付者グループのその他の事業が持つ国内外の様々なネットワーク等を活かした当社の既存事業領域の拡張など、双方の既存事業を拡大することができる。
・こういった取り組みによる新規事業開発やスケールアップは、当社の既存事業である試薬・機器事業やCDMO事業などにおける、ライフサイエンス産業支援の枠を超えた新たな領域での売上・利益の獲得にもつながるものである。
(エ)上場維持コストの削減
・当社が上場を維持する上では、各種費用(上場料、開示書類の作成費用、株式事務代行機関への委託費用、監査費用等)や一般株主への対応等を含めた業務負荷等、経営上の負担が必要であり、さらには、近年のコーポレートガバナンス・コードの改定、資本市場に対する規制の強化等により、開示に要する費用や監査費用等の継続的に必要なコスト及び業務負荷は今後も増加していく見通しである。
・これに対して、当社の完全子会社化が実現した場合は、かかるコスト・業務負荷を削減することが可能となり、当社の収益構造改革にも資する。
エ.本取引により期待されるシナジーに関する当社の説明
本特別委員会は、当社から、本取引について以下のシナジーが実現可能であると考えている旨の説明を受けた。
(ア)成長ポテンシャルの最大限の発揮
・当社は「タカラバイオグループ中期経営計画2025」において、「ライフサイエンス産業のインフラを担うグローバル・プラットフォーマーとしての地位の確立」、「グローカルな製造・マーケティング体制の整備」、「品質管理工程の堅牢化・効率化と製造技術力の強化」、「創薬基盤技術の価値最大化」、「研究開発プロジェクトの選択と集中による新製品/サービスの開発スピードの加速」を事業戦略として標榜している。
・当社は、公開買付者グループが、トップクラスのシェアを持った日本酒や焼酎、調味料の開発・製造等で長年に亘って培った発酵に関する技術力や、安定的・効率的な製造体制に加え、国内にとどまらないグローバルな販売・仕入等のネットワークを有しており、公開買付者グループが酒類・日本食材領域で独自の強みを持った日本国内有数のメーカーとしての地位を構築している。一方で、当社は、当社の試薬製品やCDMO事業における遺伝子解析受託を研究開発用途から産業用途へ販売拡大すべく事業推進しているが、研究や医療以外の産業分野におけるニーズの把握などが必ずしも十分でなく、それらの分野への事業拡大の機会を捉え切れていない状況である。当社は、公開買付者グループが長年の事業運営を通じて培った製造・開発・販売に関する知見、ノウハウに加え、グローバルに跨る広範なネットワークなどの活用が可能となることで、新製品・新サービスの開発・研究、医療以外の産業向けへの販売拡大、さらには環境・工業/エネルギー・海洋・食料/植物などの新規事業分野の事業開発などを実現し、より広範囲のライフサイエンス産業という領域においてインフラを担うグローバル・プラットフォーマーとしての地位の確立につなげられる。
・現状は互いが独立した上場企業であるため、公開買付者と当社の一般株主との間で生じうる構造的な利益相反により一層踏み込んだ連携に一定の制約があったが、本取引後には、公開買付者グループと当社の利害を一致させ、同時に当社の意思決定の柔軟化・迅速化を実現することができるようになり、当社の事業における製造の効率化や製造管理・品質管理レベルの向上などの製造技術力の強化が可能となる。さらに、これまで以上に今後の長期Visionを達成するために不可欠な製造・管理・販売面のノウハウの共有をはじめとした新規・既存を問わない事業上の密な協業が常に可能となることで、当社の成長ポテンシャルを最大限発揮できるようになると考えている。また、当社は、従前の公開買付者との親子上場の関係において存在していた上場企業間での迅速・柔軟な情報共有の制約が本取引を通じて解消されることで、当社従業員の経験が不足している領域で公開買付者との人材交流ができることや、当社従業員が公開買付者の有する工場管理・海外経験等の知見習得の機会を享受できることから、当社従業員のスキルアップが図れ、成長戦略の実行に不可欠な専門人材の確保・育成が可能になることが期待できる。さらに、情報共有の制約が本取引を通じて解消されることで、当社は、現状では親子上場ゆえに存在した利益相反上の問題による技術発明やノウハウに関する自由な意見交換や情報共有の制約から、十分に行えなかった公開買付者との情報交換や連携が密にできることになることで、より広範な範囲で連携して共同開発を行うことができ、新製品・新サービスの創出が可能になることが期待できる。
・公開買付者は、当社との間で、公開買付者グループの価値観である「TaKaRa Five Values」や企業文化・風土を共通としていることから、本取引後の両者間の連携が円滑に進み、上記シナジーの比較的早期の実現が期待できる。また、公開買付者は、グループが一体となって飲料・食品領域をはじめとした様々な事業を展開している一方で当社との間において事業領域に重複が存在せず、上記の新規事業分野の事業開発のポテンシャルが幅広く期待できる。これらのことから、公開買付者は、当社の成長ポテンシャルが最大限に発揮できる最良のパートナーであると考えている。
(イ)収益構造改革の促進
・当社は新型コロナウイルスの世界的な流行の終息後より継続するライフサイエンス研究市場の世界的な低迷等の影響を受け、2026年3月期の業績予想を下方修正した。かかる状況の下、当社は早期の収益力回復が必須であると考えている。
・この点、当社は、公開買付者グループが国内酒類市場において、焼酎、清酒、みりん等複数カテゴリーにおいてトップクラスのシェアを持ったメーカーとして安定した事業基盤を構築し、加えて当社の設立以降、当社の親会社として当社の事業やライフサイエンス業界への深い知見を有していると考えていることから、公開買付者の財務的リソースや生産・管理面でのノウハウの当社への適時適切な投下が可能であり、それらのリソースやノウハウの投下の結果、当社の製造や管理業務における効率化ができることで、資産規模に見合った収益を持続的に生み出す構造へ展開できると考えている。
(ウ)人材交流の活発化を通じた知見の相互提供によるグループ事業戦略の加速
・当社としては、上記(ア)に記載のとおり、現状の親子上場の状態において公開買付者と当社の一般株主との間の利益相反が生じることがないよう留意が必要であり、人材交流やノウハウの相互での共有が十分にできていない状況にあると考えている。本取引を通じて、当社の株主を公開買付者のみとして完全子会社化することにより、短期的には損失を伴う可能性のある施策の実行へのハードルとなる公開買付者と当社の一般株主との構造的な利益相反や公開買付者と当社がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っていることで発生していた情報連携等の制約が解消されるため、人材交流及びそれに伴う積極的な知見、ノウハウの相互での共有が可能となると考えている。
・また、当社はライフサイエンス産業のインフラを担うグローバル・プラットフォーマーを目指すことを「タカラバイオグループ中期経営計画2025」で掲げており、やはり親子上場に起因する情報管理等の制約から従前において積極的に行うことができなかった飲料・食品領域のノウハウを有する公開買付者グループから当社への出向を通じた人材拡充が可能となることで、製造技術力や新規事業の開発を公開買付者と一体となって促進し、事業戦略の加速ができると考えている。
(エ)上場維持コストの削減
・当社が上場を維持する上では、各種費用(上場料、開示書類の作成費用、株式事務代行機関への委託費用、監査費用等)や一般株主への対応等を含めた業務負荷等、経営上の負担が必要であり、さらには、近年のコーポレートガバナンス・コードの改定、資本市場に対する規制の強化等により、開示に要する費用や監査費用等の継続的に必要なコスト及び業務負荷は今後も増加していく見通しである。
・これに対して、当社の非公開化が実現した場合は、かかるコスト・業務負荷を削減することが可能となり、当社の喫緊の課題である収益構造改革にも資する。
オ.評価
当社及び公開買付者が本取引の実施後に企図している当社の企業価値向上策は、互いに矛盾することもなく、本取引に関与する当事者間において本取引のシナジーに関する認識が一致していることが認められるところ、当該各シナジーには、以下のとおり合理性が認められる。
(ア)収益構造改革の促進
・当社及び公開買付者は、公開買付者の生産・管理面でのノウハウ等を当社に対し迅速かつ適切に投下することが可能になり、当社の業務効率性等が改善されることで収益構造の早期回復を実現できると予測している。
・公開買付者グループは、国内有数の飲食料品メーカーとして、製造・生産管理、在庫管理、原価管理等の高度化に継続的に取り組み、また、間接部門においても、コストダウンや業務効率化で一定の成果を獲得してきた。また、公開買付者は、当社の親会社として当社の事業やライフサイエンス業界への深い知見を有している。そのため、公開買付者の有するノウハウ等の迅速かつ適切な投下により、当社の業務効率性等が改善されることで収益構造の早期回復を実現できるとの予測には、合理性が認められる。
(イ)当社既存事業の強化及び事業領域の拡大
・当社及び公開買付者は、CDMO事業をはじめとした当社の既存事業における製造の効率化及び技術力が一層強化され、また、当社の事業領域が拡大されると予測している。
・当社は、研究や医療以外の「バイオものづくり」に関連する産業分野におけるニーズの把握などが必ずしも十分でなく、それらの分野への事業拡大の機会を捉え切れていない状況である。一方で、公開買付者は、長年の事業運営によって蓄積した製造・開発・販売に関する知見、ノウハウ、グローバルネットワークを保有しており、これらを当社製品の新製品開発や産業向けへの販売拡大、製造管理や品質管理等に活用できる。そのため、当社の既存事業における製造の効率化及び技術力が一層強化され、また、当社の事業領域が拡大されるとの予測には、合理性が認められる。
(ウ)当社を含めた公開買付者グループにおける新規事業開発の強化
・当社及び公開買付者は、「DNA力」を含めた「バイオテクノロジー」に関する知見を有する当社と飲料・食品領域のノウハウを有する公開買付者により、公開買付者グループ全体としての新たな事業領域の創出が可能になると予測している。
・公開買付者は、当社とグループの価値観である「TaKaRa Five Values」や企業文化・風土を共通としていることから、本取引後の両者間の連携が円滑に進み、飲料・食品領域のノウハウを有する公開買付者グループより当社への出向を通じた人材拡充等が図られると考えられる。一方で、当社と公開買付者グループとの間で事業領域に重複が存在しないことから、新規事業分野における事業開発のポテンシャルは幅広い。そのため、当社と公開買付者によって公開買付者グループ全体としての新たな事業領域の創出が可能になり、当社の成長ポテンシャルを最大限に発揮できるとの予測には、合理性が認められる。
(エ)上場維持コストの削減
当社及び公開買付者は上場維持に係るコスト・業務負荷が削減され、当社の収益構造改革にも資すると予想しているが、当社が上場を維持する上で要している各種費用や一般株主対応等の業務負荷が削減されることで、当社の支出の削減及び他の領域への業務リソースの投下が可能になることから、当該予測には合理性が認められる。
以上のとおり、当社及び公開買付者の予測は、客観的な事実に基づいているほか、当社の従前の開示内容と矛盾した点もない。また、本特別委員会の委員は、全員が当社の社外役員を務めているところ、当社および公開買付者の予測は、これまで社外役員として認識してきた当社の事業に関する情報から得た知見とも整合的であり、合理的なものであると認められる。
その上で、本取引に関与する当事者は、本取引のシナジーとして、収益構造改革の促進・当社既存事業の強化及び事業領域の拡大・当社を含めた公開買付者グループにおける新規事業開発の強化・上場維持コストの削減を挙げており、上記ア及びイで検討した当社の事業課題の解決に関する基本的な視座に照らしても、本取引のシナジーについては、当社の企業価値の向上に資するものであると認められる。
(2)本取引成立後の当社の経営方針
本特別委員会は、本取引成立後の当社の経営方針に関する公開買付者の考えについて、以下のとおり確認した。
・公開買付者は、当社の完全子会社化後、当社及び公開買付者との協議・連携を強化し、一体運営を行うことで、当社を含めた公開買付者グループ間での技術やノウハウ・顧客・市場の相互活用を推進し、当社の収益構造改革による黒字化や新たな成長戦略の再構築を早期に目指す方針である。
・本取引後の当社の経営体制については、本答申書作成日現在において未定であるが、今後当社と協議の上で、取締役をはじめとした役員の員数・待遇等の変更や、非上場化に伴う決裁・報告・連絡体制の見直しなどを検討する予定である。なお、公開買付者からの取締役派遣も継続する予定である。
・また、公開買付者は、今後当社と協議の上、適正な人員数やグループ内での出向・転籍を含めた人事異動等について検討していく予定である。なお、本公開買付け成立後の当社の従業員については、原則として、現状の雇用条件を変更しない予定としている。
(3)本取引のデメリット
本特別委員会は、本取引のデメリットに関する公開買付者及び当社の考えについて、以下のとおり確認した。
・当社の上場廃止に伴うデメリットとして、一般的には、資本市場から資金調達を行うことができなくなることや、取引先を含む外部からの社会的信用の獲得、知名度の維持、及びそれらに基づく採用活動等による優秀な人材確保といった上場企業であることによるメリットを享受できなくなることが挙げられる。
・しかし、資金調達においては、現時点での当社の財務基盤は健全であることや公開買付者グループの信用力を活用できることから、影響はないと考えている。また、当社と取引先の信頼関係は既に一定程度構築されており、上場廃止を理由に既存の取引関係が大きく剥落することはないと考えられること、当社においてこれまでの事業運営により積み重ねられてきた社会的信用や知名度は、上場廃止により直ちに失われるものではなく、むしろ当社が上場企業として長期間の事業運営によって一定の社会的信用を積み上げてきた公開買付者の完全子会社となることで維持・向上することが期待されること、公開買付者グループの採用活動の方法の見直し等により採用活動への影響は抑えることが可能と考えられることから、本取引後も、上場廃止に伴うデメリットによる影響は僅少であり、上記の当社の企業価値向上が見込まれるメリットがデメリットを上回るものと考えている。
(4)小括
当社及び公開買付者から説明された内容に不合理な点は認められず、当社を取り巻く事業環境、当社の事業課題、当社の事業における今後の見通し等に鑑み、本取引を実施することは、上記(1)に記載の各シナジー効果を獲得し、当社の事業課題克服に繋がることが期待できるものであり、本取引により想定される上記(3)に記載の一定のデメリットを考慮したとしても、全てのステークホルダーにとって、当社の企業価値向上に資すると認められる。
以上から、本取引の目的は合理的であると判断するに至った。
3 本取引の取引条件(本取引における対価を含む。)の公正性・妥当性について
(1)独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社は、当社グループ及び公開買付者グループ並びに本取引の成否から独立した第三者算定機関である大和証券から本株式価値算定書(大和証券)を取得し、また、本特別委員会は、当社グループ及び公開買付者グループ並びに本取引の成否から独立した本特別委員会独自の第三者算定機関としてプルータス・コンサルティングを選任し、プルータス・コンサルティングから本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得しているところ、本特別委員会は、同算定書において用いられた算定方法等について、大和証券及びプルータス・コンサルティングから詳細な説明を受けた。
本株式価値算定書(大和証券)によれば、当社株式の1株当たりの株式価値は、市場株価法によると808円から872円、DCF法によると777円から1,171円、とされている。
本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)によれば、当社株式の1株当たりの株式価値は、市場株価法によると808円から872円、DCF法によると661円から1,247円、とされている。
本特別委員会は、大和証券及びプルータス・コンサルティングに対して、評価手法の選択、市場株価法における市場株価・出来高についての分析、DCF法における算定の基礎となる本事業計画、本事業計画を基礎とした財務予測、継続価値の算定方法、割引率の算定根拠等に関する質疑応答を行い、その算定結果の差異について検討した結果、これらについて一般的な評価実務に照らして不合理な点は認められなかった。
当該算定の前提となっている当社の財務予測は、2026年3月期から2036年3月期までの11期間を対象期間とする本事業計画に基づくものである。本事業計画の作成過程については、当社より、以下のとおり説明を受けた。
・当社は、2025年7月頃から、2027年3月期から2031年3月期を対象期間とする中期経営計画案の検討を開始しており、本取引がなかった場合、中期経営計画として完成させ、2026年3月に開催される取締役会で承認を受け、後日公表する予定であった。
・中期経営計画案の作成過程において、本取引の提案を受けたことから、本事業計画は、中期経営計画案と並行して作成され、同期間の財務予測は、中期経営計画案と同内容となっている。
・中期経営計画案及び本事業計画のうち2031年3月期までの部分(以下、併せて「事業計画(2031年3月期迄)」という。)は、本取引に関与しない当社各事業部門及び本取引に関与しない当社各子会社が作成した初期的な計画を事業管理部が集約し、それに対して当社代表取締役である宮村毅氏がコメントをする形で作成された。宮村毅代表取締役の知識及び経験に照らすと、同人が関与せずに作成された当社の事業計画(2031年3月期迄)の実現可能性及び十分性に関する懸念が大きく、同人を事業計画(2031年3月期迄)の作成に関与させる必要性が高いことから、同人を事業計画(2031年3月期迄)の作成に関与させたものである。なお、2032年3月期以降の本事業計画は、中期経営計画案の対象期間外であるため、特別利害関係人の宮村毅代表取締役以外の執行役員及び事業管理部が独自に作成した。
・宮村毅代表取締役は、公開買付者の専務執行役員の地位にあるが、同代表取締役が事業計画(2031年3月期迄)の作成にあたり行ったコメントは、いずれも、事業管理部が作成した初期的な計画を上方修正すべき旨のコメントであり、本事業計画の矮小化や株式価値を引き下げる意図のものではなかった。また、本事業計画の作成経過において不合理な点が見受けられないことや、宮村毅代表取締役によるコメント内容の妥当性(いずれのコメントも本事業計画を矮小化する意図はなかったこと)について、特別利害関係人を除く当社の社内取締役全員(峰野純一氏、日下部克彦氏及び浜岡陽氏)による確認を得ている。
事業計画(2031年3月期迄)を含む本事業計画の作成過程に係る上記説明を踏まえると、本事業計画はその作成過程において不合理な点は見受けられず、株式価値算定の前提として本事業計画を利用することには合理性が認められる。なお、中期経営計画案は、本取引が実行されると当社が公開買付者の完全子会社となることが予定されているため、本答申書作成日時点では、中期経営計画として完成しておらず、取締役会での決議が実施される予定や、公表される予定もないとのことである。
大和証券及びプルータス・コンサルティングによる株式価値算定の前提となった本事業計画に示される当社財務予測の数値においては、大幅な増減益及びフリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれている。
その具体的内容は本プレスリリースに記載される予定であるが、2027年3月期から2031年3月期の各事業年度において、増減について具体的な変動項目・数値を挙げて説明がされる予定であり、当該説明は具体性を持った合理的なものであると認められる。
したがって、本株式価値算定書(大和証券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)による本株式の株式価値評価額は不合理なものではないと判断される。なお、いずれの第三者算定機関からもフェアネス・オピニオンは取得していないが、本株式価値算定書(大和証券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)の取得により、価格の妥当性は十分に検証されていることや、「4 本取引に至る交渉過程等の手続の公正性について」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置が講じられていることを踏まえ、本公開買付価格を含む本取引の公正性が担保されていると判断される。
(2)本公開買付価格について
本公開買付価格は、本株式価値算定書(大和証券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)による市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限額(872円)を大幅に上回るものである。また、本株式価値算定書(大和証券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)によるDCF法による算定結果のレンジの中央値を大幅に上回る金額であることが認められる。
加えて、公開買付価格(1,150円)は、本公開買付けの公表予定日の前営業日である2026年2月12日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値の819円に対して40.42%、同日までの過去1ヶ月間(2026年1月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値813円に対して41.45%、同日までの過去3ヶ月間(2025年11月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値808円に対して42.33%、同日までの過去6ヶ月間(2025年8月13日から2026年2月12日まで)の終値単純平均値872円に対して31.88%であり、本公開買付けの公表予定日の前営業日の終値並びに過去1ヶ月及び3ヶ月間の終値単純平均値に対しては40%を超えるプレミアムが加算されたものである。経済産業省がM&A指針を公表した後の2019年6月28日以降に公表された、本件に類似するといえる親会社による完全子会社化を企図した公開買付けの事例82件におけるプレミアムの中央値(公表予定日前営業日の終値に対して38.0%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して39.9%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して39.5%、直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して38.0%)との比較においては、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムを除き、いずれも中央値を超えている。他方、過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムとしては、上記事例におけるプレミアム水準と比べると必ずしも高い水準とまではいえないものの、上記事例のうち、本件の公開買付金額の総額に近しい事例(買付総額500億円以上の事例)25件におけるプレミアム水準(基準日の前営業日時点の東京証券取引所における対象者株式の株価終値に対するプレミアムの中央値である23.8%、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値である29.9%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムの中央値である30.8%、同日までの過去6ヶ月間の中央値である29.3%)も考慮すると相応のプレミアム水準であるといえる。
以上の点を踏まえると、本公開買付価格は、合理的な水準のプレミアムが付されているものであり、妥当な価格であると認められる。
(3)交渉過程の手続の公正性
下記「4 本取引に至る交渉過程等の手続の公正性について」のとおり、本公開買付けを含む本取引に至る交渉過程の手続は公正であると認識しているところ、本公開買付価格は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。
(4)下方修正開示について
当社は、下方修正開示①に記載のとおり、2026年3月期中間期の連結業績予想の下方修正を行い、また、下方修正開示②に記載のとおり、2026年3月期通期の連結業績予想の下方修正を行っている。
当社によれば、下方修正開示①は、世界的にライフサイエンス研究市場が低迷する中、米国の政府方針による研究助成金の大幅削減や中国の経済状況などの影響が加わり、産業界およびアカデミアにおける研究開発のアクティビティが世界的に低下し、売上高が前回発表予想を下回る見込みとなったこと、その結果、営業利益及び経常利益についても前回発表予想を下回る見込みとなったこと、及び、特別損失の計上を要因とするものである。そして、特別損失の計上については、長期にわたり建設仮勘定で計上していた細胞加工やウイルスベクターなどの受託製造に係る設備について、大口顧客からの注文が見込めなくなり、その後も営業活動を進めたものの、2025年6月に行った固定資産実査を機に今後の使用見込の有無を精査し、2025年8月より有限責任監査法人トーマツからの助言も得て、2026年3月期中間期に対象資産について減損損失を計上することとなったものであるとのことである。また、下方修正開示②は、世界的なライフサイエンス研究市場が引き続き低迷するとの見込みや、日本におけるCDMO事業の新規案件獲得の未達等を要因とするものであり、下方修正開示は本取引と無関係に行われたものとのことである。
公開買付者によると、本取引に向けた検討を開始したのは2025年9月下旬とのことであり、下方修正開示①の要因や対象資産の減損損失の計上に至る判断過程及び下方修正開示②の要因はいずれも、公開買付者による本取引の検討開始前から存在するものであることも踏まえると、下方修正開示は本取引の検討開始と無関係であると考えることは合理的であり、意図的に当社株式の株価を下げる目的で行われたものではないと考えられる。そのため、前記(1)記載の大和証券及びプルータス・コンサルティングによる市場株価法の算定並びに前記(2)記載のプレミアム水準の判断において、下方修正開示以降の当社株式の株価も考慮の対象とすることに問題はないと考えられる。
(5)本取引の方法の合理性
本取引は、公開買付者による現金を対価とする公開買付け及びその後の本非公開化手続(株式等売渡請求又は株式併合)の実施による二段階買収という方法が予定されている。
一段階目として公開買付けを行い、二段階目として株式等売渡請求又は株式併合を行うという方法は、完全子会社化の取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、いずれの手続においても裁判所に対する売買価格の決定の申立て又は株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。
また、本公開買付けに応募しなかった一般株主は、本公開買付けの後に実施される予定の本非公開化手続において、最終的に金銭が交付されることになるところ、当該手続において交付される金銭の額については、本公開買付価格に株主が所有していた本株式の数を乗じた価格と同一となるよう決定される予定である旨が、プレスリリース等で明示される予定である。したがって、本取引と類似の事例において採用される一般的な手法であること、一般株主が対価について異議を述べる機会も確保されていること等から、手続として合理性が認められる。
(6)小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引の取引条件(本取引における対価を含む。)は公正・妥当であると判断するに至った。
4 本取引に至る交渉過程等の手続の公正性について
(1)独立した特別委員会の設置
当社は、当社が公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、本取引の公正性を担保するという観点から、本取引について検討するにあたっては、当社グループ及び公開買付者グループ並びに本取引の成否から独立した財務アドバイザーである大和証券並びに法務アドバイザーである大江橋法律事務所から助言・意見等を得ながら、当社グループ及び公開買付者グループ並びに本取引の成否から独立した本特別委員会を設置した。
本特別委員会の委員はいずれも、当社グループ及び公開買付者グループ並びに本取引の成否から独立性を有している。また、本特別委員会の委員の報酬について成功報酬は採用されておらず、本特別委員会の委員は、本取引の成否に関して重要な利害関係を有していない。
そして、本特別委員会は、当社の企業価値の向上及び当社の一般株主の利益の確保の観点から、本公開買付価格をはじめとする本公開買付けの買付条件の公正性・妥当性及び本取引の一連の手続の公正性といった点について慎重に検討及び協議を行っている。なお、当社取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の判断を最大限尊重して意思決定することとし、本特別委員会が本取引の条件につき公正・妥当であるとの判断に至らなかった場合、当社取締役会は当該条件による本取引に賛同しないものとすることを決議している。
(2)外部専門家の独立した専門的助言等の取得
本特別委員会は、第1回特別委員会において、大和証券及び大江橋法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、当社の財務アドバイザー及び法務アドバイザーとして承認するとともに、本特別委員会としてもこれらのアドバイザーから専門的助言を受けることに異議がない旨を確認している。また、本特別委員会は、プルータス・コンサルティング及び淀屋橋・山上合同の独立性及び専門性に問題がないことを確認し、プルータス・コンサルティングを本特別委員会独自の第三者算定機関、淀屋橋・山上合同を本特別委員会独自の法務アドバイザーとして選任し、公開買付者との交渉方針を含む財務的見地、法的見地からの助言を受けている。
(3)当社による協議・交渉の過程
当社は、本特別委員会が事前に承認した交渉方針に従い、本公開買付価格について、一般株主の利益保護の観点からその公正性・妥当性を確保するための実質的な協議・交渉を公開買付者との間で複数回にわたって行っている。具体的な交渉経過は以下のとおりである。
① 2026年1月15日、当社は、公開買付者より、本公開買付けにおける本公開買付価格を950円とすることを含む本取引の諸条件に関する提案を受けた。
② これに対し、当社は、本特別委員会の承認を得た上で、同月20日、公開買付者に対し、当該提案価格は、当社の一般株主の利益に対して十分な配慮がなされた水準とは認められないと考えていることから、提案価格の引上げを検討するよう要請した。
③ 2026年1月21日、当社は、公開買付者より、本公開買付価格を1,020円とする再提案を受けた。
④ これに対し、当社は、本特別委員会の承認を得た上で、同月23日、公開買付者に対し、当該提案価格は、直近の1年間において、業績予想を二度(2025年3月期、2026年3月期)下方修正しており、2026年2月13日まで未公表であった本事業計画が織り込まれていない当社株式の市場株価動向、過去の類似事例(完全子会社化を企図した非公開化事例)におけるプレミアム水準、当社のファイナンシャル・アドバイザーである大和証券及びプルータス・コンサルティングが実施した当社株式の株式価値分析の内容等に照らして、当社の一般株主の利益の確保に十分な水準であると依然として認められないと考えていることから、提案価格の引上げを検討するよう要請した。
⑤ 2026年1月27日、当社は、公開買付者より、本公開買付価格を1,080円とする再提案を受けた。
⑥ これに対し、当社は、本特別委員会の承認を得た上で、2月3日、公開買付者に対し、当該提案価格は、当社株式の市場株価動向、過去の類似事例におけるプレミアム水準、本取引により発現するシナジーの一般株主への公正な分配の観点等を総合的に考慮すると、一般株主の利益確保の観点からは十分な水準ではないと考えていることから、提案価格の引上げを検討するよう要請した。
⑦ 2026年2月5日、当社は、公開買付者より、本公開買付価格を1,110円とする再提案を受けた。
⑧ これに対し、当社は、本特別委員会の承認を得た上で、2月6日、公開買付者に対し、当該提案価格は、引き続き本公開買付けに賛同し、当社の一般株主に対し応募推奨をできる水準ではないと考えていることから、提案価格の引上げを検討するよう要請した。
⑨ 2026年2月9日、当社は、公開買付者より、最終提示価格として、本公開買付価格を1,150円とする再提案を受けた。
⑩ 最終提示価格は、当該提案を受けた2026年2月9日の前営業日(2026年2月6日)時点の東京証券取引所プライム市場における当社株式の株価終値797円に対して44.29%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値815円に対して41.10%のプレミアム、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値813円に対して41.45%のプレミアム、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値874円に対して31.58%のプレミアムが付された金額となっており、過去の類似事例におけるプレミアム水準と比べても相応のプレミアムが付されていると考えたこと、及びDCF法による算定結果のレンジの中央値を大幅に上回る金額であったことから、当社は、2026年2月9日、本特別委員会の承認を得た上で、当該時点における当社の考えとして、本公開買付価格を1,150円とすることをもって本公開買付けに対する賛同及び応募推奨意見を表明する方向で調整を図る旨を回答した。
以上の交渉経過において、本特別委員会は、公開買付者からの上記①、③、⑤、⑦及び⑨の各価格提案の都度委員会を開催し、当社及び大和証券から各提案内容の詳細について説明を受けた上で、大和証券及びプルータス・コンサルティングによる当社の株式価値の試算結果、各提案価格のプレミアム水準、過去の類似事例(完全子会社化を企図した非公開化事例)におけるプレミアム水準並びに各アドバイザーからの助言等を踏まえ、各提案に対する回答の内容・方法等について、本公開買付価格を一般株主にとってできる限り有利な価格とするための意見を述べるとともに、当該意見が反映された回答の内容・方法等を承認することにより、価格交渉に実質的に関与した。さらに、当社は、上記のとおり本特別委員会の承認を得た内容・方法等に従って、各価格提案に対する回答を行った。
具体的には、当社は大和証券を窓口として、本特別委員会が承認した回答書の提示を含む価格交渉を公開買付者の財務アドバイザーである野村證券を介して実施し、当社と公開買付者の交渉の結果として、1株当たり1,150円という本公開買付価格の決定に至るまでには、本株式1株当たり950円とする公開買付者の当初の提案より、計4回、総額200円(当初提案からの引上げ率21.05%)(小数点以下第三位を四捨五入。)の価格の引上げを受けている。
(4)当社の特別利害関係人を除く取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
当社取締役会において、特別利害関係人を除く当社の取締役6名全員において審議の上、全員一致により本取引に賛同の意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議を予定しており、当該決議は、同取締役会に参加する当社の監査役5名全員から上記決議を行うことについて異議がない旨の意見が得られることが前提とされている。
なお、当社の取締役のうち取締役会長仲尾功一は2024年6月まで公開買付者の取締役を兼任しており、代表取締役宮村毅及び取締役木村睦は、それぞれ公開買付者の専務執行役員、代表取締役を現に兼任していることから、特別利害関係人に該当すると判断し、本取引における当社の意思決定には参加していない。また、上記取締役会における審議及び決議に参加した取締役のうち、峰野純一氏、日下部克彦氏及び浜岡陽氏は当社が2002年に設立される前に公開買付者に在籍していたが、いずれも公開買付者の従業員の地位を有しなくなってから20年間以上が経過しており、かつ、本取引に関し、公開買付者側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における当社の意思決定に関して利益相反のおそれはないものと判断し、上記取締役会における審議及び決議に参加する予定である。
(5)マーケット・チェック
当社は市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する積極的なマーケット・チェックは行っていないが、公開買付者が当社の親会社であることに鑑みるとかかる措置は相当であると考えられる。
公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付期間を34営業日とし公開買付期間を比較的長期にすることにより、当社の株主に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保している。また、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しているいわゆる間接的なマーケット・チェックが実施される見込みと評価できる。
(6)強圧性の排除
①本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、本株式(公開買付者が所有する株式を除く。)の株式売渡請求をすること又は株式併合を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することが予定されており、当社の株主に対して株式買取請求権又は価格決定請求権が確保されない手法は採用しないこと、②株式売渡請求又は株式併合をする際に、当社の株主に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(公開買付者及び当社を除く。)の所有する本株式の数を乗じた価格と同一となるよう決定される予定であることから、当社の株主に対して本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮している。
(7)適切な情報開示
本特別委員会は、当社が提出予定の意見表明報告書及び意見表明プレス並びに公開買付者が公表予定の公開買付届出書の各ドラフトの内容について説明を受け、大江橋法律事務所及び淀屋橋・山上合同からも助言を受けてその内容を確認した。これらのドラフトにおいては、本株式価値算定書(大和証券)及び本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)の概要、本特別委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、答申書等について充実した情報開示がなされる予定となっている。
(8)マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定
本公開買付けにおいては、買付予定数の下限についてマジョリティ・オブ・マイノリティの考え方は採用されていない。
もっとも、M&A指針においても、支配株主による従属会社の買収のように買収者の保有する対象会社の株式の割合が高い場合における企業価値の向上に資するM&Aに対する阻害効果の懸念が指摘されるなど、マジョリティ・オブ・マイノリティの採用は必須とはされておらず、本件でもマジョリティ・オブ・マイノリティを設定しないことが決定的なマイナス要因となるものではない。
さらに、本公開買付けの実施に関して、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定以外の公正性担保措置が多く採用されていることが認められる。
したがって、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティが採用されていなくても、本取引の取引条件の公正さは阻害されない。
(9)公正性を疑わせるその他の事情の不存在
以上の点に加え、本取引に係る協議、検討及び交渉の過程において、当社が公開買付者より不当な影響を受けたことを推認させる事実は認められない。
(10)小括
以上のような点を踏まえ、本特別委員会において、慎重に協議及び検討した結果、本取引においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引に至る交渉過程等の手続は公正であると判断するに至った。
5 結論
当社取締役会が本取引を行う旨(本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること、及び本非公開化手続に必要となる手続を行うこと。)の意思決定をすることが適切か、また、当社の一般株主にとって公正・妥当かについて上記1乃至3その他の事項を踏まえ慎重に検討した結果、当社取締役会が本取引を行う旨の意思決定をすることは適切であり、また、本取引が当社の一般株主にとって公正・妥当であると判断するに至った。
④ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
本特別委員会は、本諮問事項の検討を行うにあたり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の妥当性を確保するために公開買付者グループ及び当社グループから独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるプルータス・コンサルティングに対して、当社株式の価値算定を依頼し、2026年2月12日付で、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)を取得いたしました。
詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「③ 特別委員会における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
プルータス・コンサルティングは、公開買付者関係者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
また、本取引に係るプルータス・コンサルティングの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
⑤ 特別委員会における独立した法律事務所からの助言
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本特別委員会は、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立した法務アドバイザーとして淀屋橋・山上合同を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本特別委員会における本諮問事項に関する検討及び審議に関する法的助言を受けております。また、淀屋橋・山上合同は、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。淀屋橋・山上合同の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
⑥ 当社における独立した法律事務所からの助言
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者グループ及び当社グループ並びに本取引の成否から独立した法務アドバイザーとして大江橋法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及び過程その他の意思決定にあたっての留意点等に関する法的助言を受けております。
また、上記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)検討の経緯」に記載のとおり、本特別委員会において、大江橋法律事務所の独立性及び専門性・実績等に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けております。
なお、大江橋法律事務所は、公開買付者グループ及び当社グループの関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。大江橋法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず、稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。
⑦ 当社における独立した検討体制の構築
上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、当社は、公開買付者グループから独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築いたしました。具体的には、当社は、2025年10月1日に本取引の実施に向けた検討を開始した旨の通知を受領した後、本取引に関する検討並びに公開買付者との協議及び交渉を行うプロジェクトチームを設置し、そのメンバーは、原則として、公開買付者グループ(当社グループを除く。)各社の役職員を兼務しておらず、かつ過去23年以内に公開買付者グループ(当社グループを除く。)各社の役職員としての地位を有していたことのない当社の役職員のみから構成されるものとし、かかる取扱いを継続しております。なお、当該プロジェクトチームのメンバーのうち、4名(当社の執行役員)については過去に(2002年に当社が設立される前に)公開買付者に在籍しておりましたが、当社に転籍してから23年以上が経過しており、公開買付者グループ(当社グループを除く。)の役職員を兼務していないこと、また、当該4名は現在当社の執行役員として、それぞれ、コーポレート本部・人事総務本部担当兼コーポレート本部長、人事総務本部長兼総務部長、製造本部・海外事業本部担当兼SCM本部長及びCDM本部・CDM推進本部・ViSpot事業本部担当兼CDM推進本部長の各役職にあり、当社における定量面での検討に精通しており、本取引に関する検討(当社の株式価値算定の基礎となる本事業計画の作成を含みます。)並びに公開買付者との協議及び交渉への関与が不可欠かつ代替できないことから、独立した特別委員会を設置し、公正性を担保するための措置を講じることを踏まえ、プロジェクトチームに参画しております。また、以上の取扱いを含めて当社の検討体制(本取引の検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。
⑧ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社は、大江橋法律事務所から得た法的助言、大和証券から得た財務的見地からの助言、本株式価値算定書(大和証券)の内容、本特別委員会を通じて入手した淀屋橋・山上合同からの法的助言、本株式価値算定書(プルータス・コンサルティング)、本特別委員会から入手した本答申書、公開買付者との間で実施した複数回にわたる継続的な協議の内容及びその他の関連資料を踏まえ、公開買付者による本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が公正かつ妥当なものか否かについて慎重に協議・検討を行った結果、上記「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2026年2月13日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明すると共に、当社株式について本公開買付けに応募することを推奨することを決議しております。
上記の当社取締役会においては、当社の取締役9名のうち、宮村毅氏及び木村睦氏は公開買付者の関係者であり、また、仲尾功一氏は公開買付者に在籍していた期間の終了時から1年を経過していない公開買付者の出身者であるため、当社が公開買付者の子会社であり、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、当社取締役会における審議及び決議がこれらの問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、これらの3氏を除く6名の取締役において審議の上、全員一致により上記の決議を行っております。
また、当社の取締役のうち、仲尾功一氏、宮村毅氏及び木村睦氏の3名は、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記取締役会を含む本取引に係る取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場で本取引の協議及び交渉に参加しておりません。
なお、上記取締役会における審議及び決議に参加した取締役のうち、峰野純一氏、日下部克彦氏及び浜岡陽氏は当社が2002年に設立される前に公開買付者に在籍しておりましたが、いずれも公開買付者の従業員の地位を有しなくなってから20年間以上が経過しており、かつ、本取引に関し、公開買付者側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における当社の意思決定に関して利益相反のおそれはないものと判断し、上記取締役会における審議及び決議に参加しております。
また、上記取締役会に出席した監査役(監査役合計5名)はいずれも上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。なお、上記取締役会に出席した監査役のうち、掛見卓也氏は2020年3月まで公開買付者に在籍しており、雲聡氏は当社が2002年に設立される前に公開買付者に在籍しておりましたが、公開買付者の従業員の地位を有しなくなってからそれぞれ5年間以上、20年間以上が経過しており、かつ、本取引に関し、公開買付者側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことから、本取引における当社の意思決定に関して利益相反のおそれはないものと判断し、上記取締役会に出席しております。
⑨ 取引保護条項の不存在
当社及び公開買付者は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
⑩ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、上記「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けの決済の完了後速やかに、公開買付者が本公開買付けの成立により取得する株式数に応じて、本株式売渡請求をすること又は本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会の開催を当社に要請することを予定しており、当社の株主の皆様に対して、株式買取請求権又は価格決定申立権が確保されない手法は採用しないこと、(ⅱ)本株式売渡請求又は本株式併合をする際に、当社の株主の皆様に対価として交付される金銭は本公開買付価格に当該各株主(当社及び公開買付者らを除きます。)の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように決定されることを明らかとしていることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。
また、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付者は、公開買付期間を法令に定められた最短期間に照らして比較的長期間である34営業日としているとのことです。公開買付期間を比較的長期にすることにより、当社の株主の皆様に対して本公開買付けに対する応募につき適切な判断機会を確保し、もって本公開買付価格の公正性を担保することを企図しているとのことです。
(7)公開買付者と自社の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
該当事項はありません。
|
氏名 |
役職名 |
所有株式数(株) |
議決権数(個) |
|
仲尾 功一 |
取締役会長 |
76,600 |
766 |
|
宮村 毅 |
代表取締役社長 |
14,000 |
140 |
|
峰野 純一 |
取締役副社長 |
14,400 |
144 |
|
日下部 克彦 |
取締役副社長 |
9,800 |
98 |
|
浜岡 陽 |
取締役副社長 |
17,200 |
172 |
|
木村 睦 |
取締役 |
53,200 |
532 |
|
河島 伸子 |
取締役 |
0 |
0 |
|
木村 和子 |
取締役 |
0 |
0 |
|
松村 謙臣 |
取締役 |
0 |
0 |
|
掛見 卓也 |
常勤監査役 |
2,000 |
20 |
|
雲 聡 |
常勤監査役 |
2,000 |
20 |
|
鎌田 邦彦 |
監査役 |
0 |
0 |
|
姫岩 康雄 |
監査役 |
0 |
0 |
|
牧川 方昭 |
監査役 |
0 |
0 |
|
計 |
|
189,200 |
1,892 |
(注1) 役名、職名、所有株式数及び議決権数は2025年9月30日現在のものです。
(注2) 河島伸子氏の戸籍上の氏名は横山伸子です。
(注3) 河島伸子氏、木村和子氏及び松村謙臣氏は、社外取締役です。
(注4) 鎌田邦彦氏、姫岩康雄氏及び牧川方昭氏は、社外監査役です。