第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

 当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、国内経済は緩やかに回復しております。一方で世界経済においては、金融引き締めに伴う影響や海外景気の下振れが懸念され、国内外の見通しは引き続き不透明な状況が続いております。

 このような経営環境下、当社のソフトウェア開発技術を活用し未来社会の構築に貢献すべく「Speed up your Business」をスローガンに掲げ、コンピュータの性能を最大限に引き出し大量データの高速処理を実現するソフトウェア及びハードウェア等を提供するとともに、これらの知見がより広く社会に活用されることを目指し、新規SaaS事業の展開を行っております。

 主力のSolution事業では、自動運転を対象としたアルゴリズム開発や高速化案件、半導体メーカー向けソフトウェア開発案件が長期安定して継続しております。その他においても、高速化サービスに対する旺盛な需要を背景に、日本国内の製造業向け案件を中心として安定的な収益を獲得しております。

 SaaS事業においては、量子コンピュータ向けプログラムの開発・実行プラットフォーム「Fixstars Amplify」、コピペコード管理「CloneTracker」、乳がんAI画像診断支援事業等の開発を進めております。

 また、海外においては米国子会社のFixstars Solutions, Inc.が日本のお客様の米国業務の一翼を担う一方、研究機関等を対象とした高速化案件の拡大に取り組んでおります。

 以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は、1,854,347千円(前年同期比8.1%増)、営業利益524,591千円(前年同期比8.2%増)、経常利益524,961千円(前年同期比8.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益337,793千円(前年同期比3.4%増)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、以下の数値はセグメント間の取引消去後となっております。

①Solution事業

 Semiconductorの分野では、モバイル機器やデータセンタ等で利用の進むNANDフラッシュメモリを対象として、ファームウェア及びデバイスドライバの開発等、Mobilityの分野では、自動運転を対象としたアルゴリズム開発及び高速化案件や、次世代モビリティに関連する研究開発及び高速化支援を行っております。また、LifeScienceの分野では医療画像診断装置における高精細画像のリアルタイム処理やゲノム解析、Financeの分野ではリスク計算やHFTの高速化支援、Industrialの分野では産業機器等におけるマシンビジョンシステムの高速化支援等を提供しております。

 この結果、売上高は1,781,614千円(前年同期比7.1%増)、セグメント利益(営業利益)は572,317千円(前年同期比1.2%増)となりました。

 

②SaaS事業

 各SaaS事業において、将来の収益獲得に向けて積極的な投資・開発を行っております。

 この結果、売上高は72,733千円(前年同期比38.7%増)、セグメント損失(営業損失)は47,725千円(前年同期はセグメント損失(営業損失)80,457千円)となりました。

 

 

(2) 財政状態の分析

(総資産)

 当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて519,381千円減少し、7,663,191千円となりました。これは、配当金の支払、借入金の返済及び納税等を主な要因として、現金及び預金が614,381千円減少したことが主な要因であります。

 

(負債)

 当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて392,535千円減少し、1,964,946千円となりました。これは、未払法人税等が156,790千円、長期借入金が198,999千円減少したこと等が主な要因であります。

 

(純資産)

 当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて126,846千円減少し、5,698,245千円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益を337,793千円計上した一方で、配当金の支払が418,307千円あったことにより利益剰余金が80,514千円減少したこと、為替換算調整勘定が30,815千円減少したことが主な要因であります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

中期経営ビジョンについて

 2023年11月9日に、2024年9月期から2026年9月期にかけての中期経営ビジョンを発表いたしました。生成AI・数理最適化がより一層身近になり、世界の計算量が爆発的に増加を続けると見込まれる2030年に向けて、フィックスターズの高効率なソフトウェアが、クラウドとエッジの両サイドでコンピューティング基盤を支える世界の実現を目指します。

 中期経営ビジョンの初年度である当期においては下記に取り組んでまいります。

 ①ソフトウェア高速化、SDK開発等の当社コア技術に対する旺盛な需要を背景に、フロー型収益を拡大

 ②クラウドサービスやエッジデバイスの提供によりストック型収益を積み上げ

 ③採用活動に注力するとともに「技術」と「経営」がわかる人材を育成

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における、当社グループ全体の研究開発費の総額は48,509千円であります。

 なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。