文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、①技術への挑戦と顧客からの信頼、②人間性の尊重、③地域社会への貢献を企業理念とし、「技術と知識で豊かな社会の実現に貢献する」ことを目指しており、1923年創業当初からの試験機事業をはじめとして、社会インフラの安全・安心を支えるエンジニアリング事業などの事業を展開しております。
(2)経営戦略等
試験機事業では、マーケットシェアの拡大と収益基盤の強化に向けて、標準製品のブラッシュアップや代理店網を活用した営業基盤の強化、顧客の様々な試験ニーズに応えるための製品・技術開発力の強化、オーダーメイドの特殊製品の受注拡大、安定的な取引の継続が期待できる修理・校正・メンテナンスサービスの拡充等に取り組んでおります。エンジニアリング事業では、道路業界、建築業界、鉄道業界、電力業界等の既存顧客の深耕、海外を含む新規顧客の開拓、顧客との共同製品開発による売上の安定的拡大、生産性の向上等によりインフラマーケットへのさらなる浸透を進め、着実な成長を目指しております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、持続的な成長と安定的な収益の確保による企業価値の向上を基本的な経営目標としており、中長期的な経営指標としては、成長性の指標として売上高成長率10%以上、収益性・効率性の指標として営業利益率10%以上、ROE(自己資本利益率)10%以上、粗利益率35%以上、営業利益成長率10%以上、ROIC(投下資本利益率)7%以上、企業評価の指標としてPBR(株価純資産倍率)1倍超、を目標としております。
(4)会社の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境が改善する中で、政府の各種政策の効果もあって、国内景気は緩やかな回復が続くことが期待されますが、物価上昇の継続が個人消費に及ぼす影響や、アメリカの通商政策の動向による影響等がわが国の景気を下押しするリスクとなっており、金融資本市場の変動や中国経済の低迷、ロシアによるウクライナ侵攻の継続、中東地域をめぐる情勢等の影響に十分留意すべき状況となっております。
このような状況の下、当社は、2024年2月27日に2025年2月期から2027年2月期までの3ヵ年を対象とする中期経営計画を策定・公表いたしました。当該中期経営計画では、「未来志向の経営戦略」として、以下の3点を掲げております。
①デジタル化の推進
ハードウェア一辺倒の事業から、ソフトウェア、AI、ネットワーク等のデジタル化技術との融合を提案するハード・ソフトを一体化した事業体への発展を目指します。
②持続的成長のための投資
事業の基本である「先行投資⇒差別化製品開発⇒高付加価値提供⇒高収益」という本来あるべき企業体へ生まれ変わるための3ヵ年といたします。
③人財教育への投資
人財育成ほど確実な投資はありません。高付加価値を生み出し、提供できる人財を育成いたします。
また、各事業年度のミッションは以下のとおりとしております。
①2025年2月期のミッション:「事業拡大のためのプラットフォーム作り」
(主な戦略)
・社内デジタル化推進による業務効率化
・顧客サービスのデジタル化推進による高付加価値製品提供
・リスク管理体制の強化と収益性の高い事業への投資
②2026年2月期のミッション:「収益基盤の拡大」
(主な戦略)
・売上増加に寄与する核となる事業の特定と強化
・コスト構造の最適化と効率化
③2027年2月期のミッション:「市場の期待に応える」
(主な戦略)
・マーケットシェアの拡大と競争優位の確保
・カスタマーエクスペリエンスの向上と顧客ロイヤルティの構築
当社グループのコア事業である試験機事業とエンジニアリング事業は、産業の基盤と社会インフラの「安全・安心」を支える事業であり、社会に必要不可欠な製品・商品・サービスを提供する企業グループとして今後も成長していくために、顧客満足度の向上を目指して製品の品質・サービスの向上に取り組むとともに、コア事業の発展が期待できる他社との業務提携や事業シナジー効果が期待できる分野への進出も検討してまいります。この点、当社は、2023年4月21日に試験機事業のさらなる磨き上げを目的として、CAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアの開発およびその受託解析・開発業務を行っている㈱先端力学シミュレーション研究所と業務提携契約を締結し、新たな収益機会の創出や事業の開発について定期的に会合を行い、両社協働によるCAEソフトウェアを組み合わせた試験装置の引合いの獲得など提携効果の実現に向けて協力関係を築いてまいりましたが、今後、デジタルツイン技術を駆使したソリューションを提供する企業としての地位を確立することを目指し、提携関係をさらに強化するために、2024年3月18日に資本提携についての基本合意書を締結し、2025年3月31日付で同社の株式の過半数を取得して子会社化し、同社の営む事業(CAEソフトウェア開発・販売、CAE解析・開発サービス、AIソリューション提供等)を「デジタル事業」として当社グループの新たな柱とすることといたしました。
また、当社は、2023年3月30日付で㈱東京証券取引所より、当社株式について特設注意市場銘柄(現在は「特別注意銘柄」に名称変更)の指定を受けたことから、上場維持とステークホルダーの皆様からの信頼回復に向けてガバナンス・内部管理体制の整備・強化を進めるべく、2023年8月28日付で「改善計画・状況報告書」を策定・公表し、グループの役職員一丸となって内部管理体制等の改善に向けて取組みを進めました。その後、当社は、2024年4月1日に内部管理体制確認書を東京証券取引所に提出するとともに、同年4月2日に改善措置の実施状況および運用状況を更新した改善計画の進捗状況を公表しましたが、2024年5月1日に、既に退任している当社の元取締役で㈱東京衡機エンジニアリングの社長を兼務していた者による外注先を介した製造委託料の水増し・キックバックの不正行為が発覚したことにより過年度決算の訂正を行いました。その後、2024年5月24日に、㈱東京証券取引所より、改善計画に関し各種社内組織や規程等の整備といった一定の対応が行われていることが認められたものの、内部管理体制に関して更なる対応を必要とする状況が認められるとして、特別注意銘柄の指定継続がなされました。これを受けて、当社は、内部管理体制の整備・運用に関して更なる取組みが必要な状況を踏まえ、改めて原因分析を行ったうえで、改善計画・再発防止策の具体的な内容および実施スケジュール等を見直し、再発防止に向けた改善措置を当社グループの役職員一丸となって計画に従って実施し、内部管理体制等の改善に向けた取組みを進め、2024年9月30日に内部管理体制確認書を㈱東京証券取引所に再提出し、当該確認書に基づいた審査を受け、その結果、改善が不十分であった事項への対応が行われ、相応の内部管理体制が整備、運用されていることが認められ、2024年11月23日付で特別注意銘柄の指定および監理銘柄(審査中)の指定を解除されました。当社は、特別注意銘柄の指定解除にあたっては、ガバナンス・内部管理体制の強化を最重要課題と位置づけ、徹底した再発防止策を講じ、その過程で、不正防止と業務の効率化に資する社内システムの導入、人員補強、人財の育成、外部の専門家の活用などの体制の再構築に必要な追加対応を行ったことにより、当連結会計年度においては販売管理費が増加しましたが、今後の健全な企業運営のために必要不可欠な投資であったと捉えております。この不祥事対応につきましては、多額の損害の回復に向けて、引き続き元取締役に対する責任追及を進めてまいります。
当社は、上場会社としてステークホルダーの皆様の信頼の下で事業の発展を目指すために、引き続きコンプライアンス・ガバナンス強化に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社は、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図り、株主、従業員、顧客、取引先、地域社会等当社に関わるすべてのステークホルダーの利益に資することを目的に「東京衡機コーポレートガバナンス基本方針」を定め、日々の誠実な事業活動を通じて広く社会から信頼されるように努めるとともに、会社設立以来培ってきた技術と知識で豊かな社会の実現に貢献することを目指しております。また、企業理念及びコーポレートオブジェクティブに基づき、国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を尊重し、持続可能な豊かな社会の実現に貢献すべく、企業行動指針とあわせて以下の「サステナビリティ基本方針」を定め、当社グループの活動と社会の抱える様々な課題との関わりを常に意識し、長期的な視点に立ってすべてのステークホルダーに配慮して行動することで、社会からの信頼の向上、経営リスクの回避並びに新たなビジネスチャンスの獲得につなげ、当社グループの持続的成長と企業価値の向上を目指しております。当社グループにおけるサステナビリティの推進並びにサステナビリティ全般に関するリスク及び機会の監督については、当社の取締役会が権限と責任を有しており、グループ各社各部門のサステナビリティに関する重要課題や取組について審議・決定を行っております。
イ.公正かつ透明性の高い責任ある健全な企業活動
・国内の法令及び関係機関の規則、国際条約その他の国際ルール並びに公正な取引慣行を遵守し、公正かつ透明で自由な競争及び適正な取引を行います。
・賄賂や談合などの不正行為は決して行わず、ステークホルダーへの責任を意識した健全な企業活動を行います。
・社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては、警察その他の外部機関と連携し、組織全体で毅然とした態度で臨み、あらゆる関係を遮断いたします。
ロ.持続可能な社会の形成に向けた産業・インフラ・技術革新を支える製品・サービスの提供
持続可能な社会の形成に向けた産業・インフラ・技術革新を支える製品・サービスを提供することで、人々の安心・安全を確保し、気候変動対応や脱炭素化、生物多様性など地球環境を大切にする豊かな社会の実現に貢献してまいります。
ハ.地球環境に配慮した事業活動と環境保全活動の推進
地球環境に配慮して事業活動を行い、環境問題への対応を重要なリスク管理の一つと認識し、以下の通り地球環境保全に取り組みます。
① 環境に配慮した技術と製品の開発に取り組み、地球環境保全と企業活動の調和に努めます。
② 省資源と省エネルギーを推進し、環境負荷の低減に努めます。
③ 廃棄物の分別・リサイクル及び化学物質の適正管理を行い、環境汚染の防止に努めます。
④ 環境関連法規や各種要求事項の順守に努め、環境保全に積極的に取り組みます。
⑤ 各事業所で環境目標や管理基準等を定め、継続的な改善に努めます。
ニ.全世界の人々の基本的人権と平和の尊重
・人種や国籍、性別など個人の属性にかかわらず全世界の人々の基本的人権を尊重し、いかなる場合であれ暴力、拷問、虐待、搾取などの非人道的行為には反対し、事業活動においては、社会的に弱い立場にある人に配慮し、差別的扱いや児童労働、強制労働等の違法不当な行為は禁止いたします。
・国際平和を誠実に希求し、国際社会における平和と安全を維持するための取組みに賛同するとともに、組織犯罪やテロリズムなどの撲滅に向けた違法な資金・武器等の取引の規制に関する国際的な貿易ルールを遵守いたします。
ホ.従業員一人一人が働きがいをもって活躍できる職場の形成
・企業活動は従業員の働きの上に成り立つものであることを認識し、従業員一人一人の人間性を尊重し、皆が働きがいをもって活躍できる職場を形成するために、労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境と豊かな社会生活の場を提供いたします。
・女性の活躍推進を含む多様性の確保に努め、性別や国籍、障害の有無等に関わりなく、様々な価値観や考え方を有した多様な人材がその能力や個性を十分に発揮することができる企業風土を醸成いたします。
・従業員の能力に応じた公平な処遇を行うとともに、会社の成長と合わせて従業員が自発的にやりがいを持って成長できるように教育訓練を充実させ人材の育成に取り組みます。
ヘ.地域社会・コミュニティへの貢献と協働
・日々の誠実な事業活動を通じて地域社会・コミュニティから信頼されるように努めるとともに、様々なステークホルダーと協働して持続可能な豊かな社会の実現に貢献してまいります。
・良き企業市民として積極的に社会貢献活動に取り組むとともに、従業員が自発的にボランティア活動などの社会貢献活動に取り組むことができる環境づくりに努めます。
当社は、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、役員・従業員の知識、能力、意識を高めるために、研修に関する基本的な社内規程として「グループ研修規程」を定めております。当社グループは、当該規程に基づき計画的に研修を実施することによりグループ全体でコンプライアンス意識を醸成するとともに、組織の目的・目標と組織における自らの役割・責任を的確に理解し、向上心をもって行動を起こし、不祥事対応・不祥事予防に取り組むことができる組織人の育成を目指しております。
また、当社グループの中期3ヵ年経営計画の「未来志向の経営戦略」の一つとして「人財教育」への投資を掲げており、人財育成ほど確実な投資はないと考え、高付加価値を生み出し、提供できる「人財」の育成に取り組んでおります。研修については、各部門で実施する専門研修やOJTのほか、グループ共通で、コンプライアンス研修等の全社研修や管理職研修、役員研修、中堅社員研修、新入社員研修等の階層別研修を実施しておりますが、そのほかに、当社グループでは、従業員一人ひとりの自己啓発・自律的なキャリア構築を推奨し、業務に関連する資格の取得及び講習の受講について費用を補助する制度を実施しております。
人材の確保に向けては、少子化による労働者人口の減少や従業員の高齢化、技術・知識・経験の伝承の必要性の観点から、性別や国籍、障害の有無等に関わりなく、様々な人材が活躍できる環境や仕組みを整備し、多様な人材がその能力や個性を発揮し活躍できる組織の構築を推進するとともに、優秀な人材を確保するために、新卒を対象とした定期採用のほかに、即戦力としての活躍が期待できる中途社員の採用及び管理職への登用も積極的に行っております。また、従業員の定着率を向上させるため、働きがいのある職場環境や安全・安心な労働環境の整備に努め、男女ともに育児・介護休業や子の看護休暇、介護休暇、育児・介護短時間勤務等を取得しやすい職場となっており、必要に応じてテレワークを行えるようにしております。
当社は、当社グループの事業に関連する内外の様々なリスクを適切に管理するために、「リスク管理規程」を定め、当社グループにおけるリスクは内部統制室にて管理し、リスクへの対応については、内部統制室が事務局を務める内部統制委員会において審議・決定を行い、その影響度や発生可能性、重要性に応じて取締役会に諮っております。当社グループの各社各部門は、所管業務に係る業務リスクを洗い出し、当該リスクについて、リスクの発生可能性や影響度を評価して、対策が必要なリスクを特定し、リスクの程度に応じて具体的な対策を定め、必要に応じて所管するリスクを監視・管理するためにチェックリストを作成し、リスクのチェックを行うとともに、対策を実施済みのリスクについては、その効果を測定するために定期的にモニタリングを行うものとしております。
当社グループは、サステナビリティに関するリスクとして、環境問題への対応を重要なリスク管理の一つと認識し、上記の「サステナビリティ基本方針」に基づき、各工場において、温室効果ガスの排出量の削減や電気使用量の削減、コピー用紙の使用量削減、廃棄物・リサイクル品の分別の推進、環境配慮設計、化学物質の適正管理などを実施し、環境関連法規を遵守しながら地球環境保全に取り組むことによりリスクの低減を図っております。
また、当社グループの事業に必要な人材の確保・育成ができない場合は、事業活動が停滞するリスクがあると考えられることから、上記のとおり働きやすい職場環境や安全・安心な労働環境の整備に努めるとともに、従業員の適切な労働時間管理やストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等により健康増進を図ることなどでリスクの低減を図っております。
当社グループ全体としては、サステナビリティに関する具体的な指標及び目標を設定しておりませんが、上記のとおりリスクへの対応を行っており、子会社の㈱東京衡機試験機の相模原工場においては、自主環境保全活動を行っており、毎年度、温室効果ガスの排出量や電気使用量の削減目標を設定して取り組みを行っております。また、子会社の各工場の照明器具はLED照明に切り替えを行い、省エネルギーの推進に努めております。さらに、働きやすい職場環境の整備の一つとして、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に則り、仕事と子育ての両立支援を進め、男女ともに子育てをしながら働き続けることができる制度を整え、対象者には制度利用について説明を行い、男性の育児休暇の取得推進についても取り組んでおります。
また、当社グループは、女性管理職比率及び男女間賃金格差の是正について具体的な数値目標は設定しておりませんが、女性従業員のキャリア形成支援については働きやすい環境の整備(育児休暇・育児短時間勤務の取得推進等)を進め、職場への復帰を容易にし、子育てをしながらも管理職への昇格等を目指すことができるよう努めてまいります。
当社グループの事業活動その他に関するリスクについて、投資家の判断上、重要であると考えられる主な事項は以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の防止および発生した場合の適切な対処に努めております。
なお、以下に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
① 災害・事故
地震・豪雨等の自然災害や火災等の事故に対しては、防災対策や設備点検等を実施しておりますが、万一災害・事故が発生した場合、設備の損壊、電力供給停止および道路・橋梁等の周辺インフラの機能不全に起因する生産活動の停止・停滞により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外での事業活動
当社グループの事業には、海外における商品の仕入・販売が含まれております。このため、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受け、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、海外での事業活動には、予期せぬ法律や規制の変更、インフラの脆弱性、地域紛争、感染症蔓延その他の要因による社会的または経済的混乱といったリスクがあるため、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 製品の欠陥
当社グループは、製品・商品・サービスに対して、品質管理体制を強化し、信頼性の維持に努めておりますが、予期せぬ欠陥およびリコールが発生する可能性があります。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品等の欠陥は、多額のコストにつながり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 市場の動向
当社グループが参入する諸市場に大きな収縮を与える国内あるいは世界的な金融または経済的混乱が発生した場合、売上高の減少、債権の回収長期化等が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新製品開発と他社との提携
当社グループは、新製品開発が業容拡大の最適手段と考え、多様な製品の開発を継続しておりますが、新製品の投入時期の遅れ等により市場ニーズに対応できない可能性もあるため、たとえば試験機事業においては、海外有力メーカーとその製品の販売契約等を締結し、市場ニーズに即応する最先端の製品を市場に供給する体制を構築しております。ただし、万一、これらの契約が不測の事態により継続しない場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。
⑥ 人材の確保と育成
当社グループは、事業基盤の強化・拡大のために、必要な人材確保と育成を重要な経営課題と認識しており、社員の自立的な成長を基本とする人事制度等により人材育成を図っておりますが、事業展開のスピードに見合った人材採用と育成が計画通りに進まない場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合、既存の株主が有する株式の株式価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
なお、当連結会計年度末時点における新株予約権による潜在株式総数は124,337株であり、発行済株式総数7,133,791株の1.7%に相当しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍を乗り越え、インバウンド需要が回復し、経済活動が本格的に正常化の過程に入る一方で、円安の長期化や原材料・エネルギー価格の高騰、中国経済の先行き懸念、中東情勢の緊迫化、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、米国トランプ政権の関税政策等、我が国経済を取り巻く世界情勢は依然として予断を許さない状況となっております。
このような状況の下、当社は、当社グループの技術と知識で持続可能な豊かな社会の実現に貢献すべく、社会の抱える様々な課題との関わりを常に意識し、グループ一丸となって持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでおります。また、㈱東京衡機試験機においては、既存顧客を中心に受注拡大に注力しつつ、原価管理を徹底しコスト低減を図るため、相模原工場と豊橋工場の連携を強化するとともに、CAE(Computer Aided Engineering)ソフトウェアの開発およびその受託解析・開発業務を行っている㈱先端力学シミュレーション研究所(2025年3月31日付で子会社化)と連携して設計・見積り業務の効率化に向けたデータベースの構築などの事業拡大のためのプラットフォーム作りに取り組んでおり、2024年2月27日に公表した中期3ヵ年経営計画に則り、今後さらに成長していくための施策を進めております。
当社グループの主力事業は当社創業以来の試験機事業であり、これとあわせて「ゆるみ止め製品」のエンジニアリング事業を展開し、強固な収益基盤を確立していくことに注力しております。この二つのコア事業は産業の基盤と社会インフラの「安全・安心」を支える事業であり、社会に必要不可欠な製品・商品・サービスを提供する企業グループとして今後も成長していくために、顧客満足度の向上を目指して製品品質・サービスの向上に取り組んでおります。試験機事業の持分法適用関連会社である㈱ZR東京衡機サービスにつきましては、同社の親会社である㈱ツビックローエルと戦略的な連携を深め、当社グループの試験機のメンテナンスサービスのほか、ZwickRoell SE社製品の日本市場でのアフターサービスの充実・拡大を進めております。
また、当社は、2023年3月30日付で㈱東京証券取引所より、当社株式について特設注意市場銘柄(現在は「特別注意銘柄」に名称変更)の指定を受け、グループの役職員一丸となってガバナンス・内部管理体制を抜本的に改善し整備していくための改善措置・再発防止策の実行に取り組み、2024年4月1日に㈱東京証券取引所に内部管理体制確認書を提出しましたが、2024年5月1日に、既に退任している当社の元取締役で㈱東京衡機エンジニアリングの社長を兼務していた者による外注先を介した製造委託料の水増し・キックバックの不正行為が発覚したことにより過年度決算の訂正を行いました。その後、2024年5月24日に、㈱東京証券取引所より、改善計画に関し各種社内組織や規程等の整備といった一定の対応が行われていることが認められたものの、内部管理体制に関して更なる対応を必要とする状況が認められるとして、特別注意銘柄の指定継続がなされました。これを受けて、当社は、内部管理体制の整備・運用に関して更なる取組みが必要な状況を踏まえ、改めて原因分析を行ったうえで、改善計画・再発防止策の具体的な内容および実施スケジュール等を見直し、再発防止に向けた改善措置を当社グループの役職員一丸となって計画に従って実施し、内部管理体制等の改善に向けた取組みを進め、2024年9月30日に内部管理体制確認書を㈱東京証券取引所に再提出し、当該確認書に基づいた審査を受け、その結果、改善が不十分であった事項への対応が行われ、相応の内部管理体制が整備、運用されていることが認められ、2024年11月23日付で特別注意銘柄の指定および監理銘柄(審査中)の指定を解除されました。当社は、特別注意銘柄の指定解除にあたっては、ガバナンス・内部管理体制の強化を最重要課題と位置づけ、徹底した再発防止策を講じ、その過程で、不正防止と業務の効率化に資する社内システムの導入、人員補強、人財の育成、外部の専門家の活用などの体制の再構築に必要な追加対応を行ったことにより、当連結会計年度においては販売管理費が増加しましたが、今後の健全な企業運営のために必要不可欠な投資であったと捉えております。この不祥事対応につきましては、多額の損害の回復に向けて、引き続き元取締役に対する責任追及を進めてまいります。
当社グループの主力事業である試験機事業では、新型コロナウイルス感染症の影響が収束し、国内企業の景況感は上向きになり設備投資意欲にも回復の動きが見られる中で、鉄鋼業界、自動車業界、重工業業界などからのオーダーメイドの試験機の受注・引き合いが好調に推移し、前年同期に好調であった標準的製品の受注は伸び悩んだものの、受注全体としては期初の計画を上回ることができました。売上高については、大型案件の納期遅れにより第4四半期に案件が集中し、売上予定案件の一部期ずれが生じたことから、期初の計画を下回ったものの、前年同期を上回る水準を確保することができました。損益については、中期3ヵ年経営計画の初年度である2025年2月期は事業拡大のためのプラットフォーム作りの期としてデジタル化推進による業務の効率化等を進めたことから販売管理費は増加しましたが、原価の高騰が続く厳しい経営環境下においても、売上総利益率の向上を目指した取り組みを進めた結果、営業利益は前年同期を大幅に上回ることができました。
エンジニアリング事業では、主力のゆるみ止めナット・スプリングについて、引き続き高速道路や橋梁、エネルギー関係等の社会インフラや国内建設市場、住宅業界等に向けて製品の浸透と市場シェアの拡大に努めた結果、公共工事や都市開発関係で使用するゆるみ止め製品の販売は堅調に推移し、住宅メーカーや設備工事会社等の新たな顧客の開拓も進んだものの、前年同期に好調であったエネルギー関係向け製品の受注・売上が落ち込んだことなどから、売上高は前年同期を下回り、営業利益は赤字となりました。当社は、上記のとおり、エンジニアリング事業の子会社の前社長が過去に外注先を介して製造委託費の水増し・キックバックを行っていた不祥事について過年度決算の訂正を行いましたが、当該不祥事によりエンジニアリング事業の営業活動にも影響が及びました。そのため、新たな役員体制の下、外注先管理を中心とした取引先管理体制の整備・再構築などの再発防止策を実行し、お客様の信頼回復に努めた結果、エネルギー関係向け製品の引合いも徐々に回復してきましたが、期中での業績挽回には至りませんでした。なお、不正を犯した子会社の前社長はすでに逮捕・起訴されており、今後は民事での責任追及を行ってまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,483,885千円(前年同期比3.5%増)、営業利益25,149千円(前年同期比81.1%減)、経常利益36,785千円(前年同期比73.1%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は62,941千円(前年同期比30.9%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(試験機事業)
試験機事業では、新型コロナウイルス感染症の影響が収束し、国内企業の景況感は上向きになり設備投資意欲にも回復の動きが見られる中で、鉄鋼業界、自動車業界、重工業業界などからのオーダーメイドの試験機の受注・引き合いが好調に推移し、前年同期に好調であった標準的製品の受注は伸び悩んだものの、受注全体としては期初の計画を上回ることができました。売上高については、大型案件の納期遅れにより第4四半期に案件が集中し、売上予定案件の一部期ずれが生じたことから、期初の計画を下回ったものの、前年同期を上回る水準を確保することができました。損益については、中期3ヵ年経営計画の初年度である2025年2月期は「事業拡大のためのプラットフォーム作り」の期と位置付け、デジタル化推進による業務の効率化等を進めたことから販売管理費は増加しましたが、原価の高騰が続く厳しい経営環境下においても、売上総利益率の向上を目指した取り組みを進めた結果、営業利益は前年同期を大幅に上回ることができました。
以上の結果、試験機事業の売上高は3,075,519千円(前年同期比5.8%増)、営業利益は624,120千円(前年同期比37.7%増)となりました。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業では、主力であるゆるみ止めナット・スプリング製品について、高速道路や橋梁、エネルギー関連をはじめとする社会インフラ分野、ならびに建設・住宅市場における製品浸透と市場シェアの拡大に努めてまいりました。その結果、公共工事や都市開発向け製品の販売は堅調に推移し、住宅メーカーや設備工事会社等の新規顧客開拓も着実に進展しました。一方で、高付加価値製品の需要において、前期に大口受注があったエネルギー関連向けの取引が一巡したことにより、売上構成比に変化が生じ、売上高・営業利益ともに前年同期を下回る結果となりました。また、当連結会計年度においては、前期に発覚した不正対応に係る監査対応費用の発生に加え、原価管理および製造管理に関する社内システムの導入、人員体制の補強、外部専門家の活用等、体制強化を目的とした施策を実施したことにより、販管費が一時的に増加し、営業利益は赤字となりました。これらの施策は、業務の効率化と不祥事の再発防止、ならびに持続的な収益力の強化に資する先行投資であり、当社グループでは今後、再成長分野における高付加価値製品の供給体制を再構築し、製品別採算性の向上と市場開拓の両立による収益回復を図ってまいります。
以上の結果、エンジニアリング事業の売上高は386,322千円(前年同期比15.9%減)、営業損失は132,274千円(前年は88,594千円の営業利益)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ482,070千円減少し、474,578千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローの減少は594,287千円(前年同期は219,595千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益50,236千円、売上債権の増加額401,040千円、棚卸資産の増加額176,584千円、仕入債務の増加額71,300千円、法人税等の支払額160,209千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローの減少は47,507千円(前年同期は186,386千円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出45,957千円、無形固定資産の取得による支出5,503千円、資産除去債務の履行による支出4,241千円、投資有価証券の売却による収入5,000千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローの増加は159,724千円(前年同期は35,434千円の増加)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出70,838千円、長期借入れによる収入450,000千円、長期借入金の返済による支出209,854千円等によるものであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価額によっております。
2 セグメント間の取引は相殺消去しております。
3 その他は、提供するサービスの性格上生産実績に馴染まないため記載しておりません。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価額によっております。
2 セグメント間の取引は相殺消去しております。
3 エンジニアリング事業及びその他は受注生産ではないため、上記の金額に含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引は相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損、棚卸資産の評価、貸倒引当金、賞与引当金及び法人税等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
詳細は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要となるものは、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態の分析
(資産の部)
総資産は3,773,667千円となり、前連結会計年度末に比べ108,844千円増加いたしました。
流動資産は2,696,622千円となり、前連結会計年度末に比べ97,166千円増加いたしました。これは主に現金及び預金の減少482,070千円、受取手形及び売掛金の増加389,713千円、電子記録債権の減少53,216千円、仕掛品の増加119,563千円によるものであります。
固定資産は1,077,045千円となり、前連結会計年度末に比べ11,677千円増加いたしました。これは主に建物及び構築物の増加11,176千円、繰延税金資産の減少5,899千円、投資有価証券の増加4,531千円によるものであります。
(負債の部)
流動負債は1,163,685千円となり、前連結会計年度末に比べ217,916千円減少いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の増加71,300千円、短期借入金の減少70,838千円、未払法人税等の減少101,536千円、未払金の増加8,585千円、契約負債の減少64,348千円によるものであります。
固定負債は985,469千円となり、前連結会計年度末に比べ222,588千円増加いたしました。これは主に長期借入金の増加252,366千円、退職給付に係る負債の減少23,343千円によるものであります。
(純資産の部)
純資産は1,624,512千円となり、前連結会計年度末に比べ104,172千円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加62,941千円、新株予約権の増加41,090千円によるものであります。
b. 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は3,483,885千円(前年同期比3.5%増)となりました。これは主に試験機事業およびエンジニアリング事業において、販売が堅調に推移したことによります。営業利益は25,149千円(前年同期比81.1%減)となりました。これは主に前期に発覚した不正対応に係る監査対応費用の発生に加え、原価管理および製造管理に関する社内システムの導入、人員体制の補強、外部専門家の活用等、体制強化を目的とした施策を実施し、販管費が一時的に増加したことによります。経常利益は36,785千円(前年同期比73.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は62,941千円(前年同期比30.9%減)となりました。
c. キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、営業キャッシュ・フローで充当することを基本としており、必要に応じて借入により資金調達を実施しております。
④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な経営指標として、売上高成長率10%以上、営業利益率10%以上、ROE(自己資本利益率)10%以上、粗利益率35%以上、営業利益成長率10%以上、ROIC(投下資本利益率)は7%以上、PBR(株価純資産倍率)1倍超を目標としております。
当連結会計年度は、売上高成長率3.5%、営業利益率0.7%、ROE(自己資本利益率)4.1%、粗利益率34.3%、営業利益成長率△81.1%、ROIC(投下資本利益率)0.71%、PBR(株価純資産倍率)0.77倍となり、目標とする指標を下回る結果となりました。
1 技術援助契約
(注) 上記契約に従い、HORIBA Europe GmbH に対し、毎年一定額のロイヤルティを支払っております。
2 販売代理契約
(注) 上記契約は、ZwickRoell GmbH & Co.KGの製品の日本国内における販売代理に関する製造元および総販売元との三者契約であります。
当社グループの研究開発活動は、試験機事業を主体にユーザーニーズの高度化・多様化に対処すべく、システム化、自動化、高付加価値化を重点として製品の改良・開発を実施しております。また、試験技術を発展させ、環境保全に貢献できる技術の基礎研究と製品の企画開発にも注力しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は
試験機事業では、前年度からの継続開発案件とシャルピー衝撃試験機の計装化アンプリニューアルや転がり疲れ試験機の高速化などに取り組みました。
継続開発案件では、油圧万能試験機用新型計測装置の開発を行いました。万能試験機、圧縮試験機、構造物試験機などの油圧試験機と組み合わせて使用する新型計測制御装置であり、操作性の向上などを含めたバージョンアップ開発に昨年着手し、今期、ハードウエア設計、製作、ソフトウエアの製作及び検証を実施しました。次年度も継続して取り組み商品化を目指します。
シャルピー衝撃試験機の計装化アンプは、計装刃との組み合わせでシャルピー衝撃試験における衝撃力を高速に計測し、破壊の様子を推定することができる装置です。最新の電子部品で設計見直しを行い、製作、検証し、リニューアルしました。
転がり疲れ試験機は、既存製品を高速化する為に改良設計を行い、従来の定格回転数をUPすることができました。
また、㈱先端力学シミュレーション(ASTOМ社)との協力関係強化のため、当社が製造販売している試験機(リアル試験機)と、ASTOМ社が取り扱うCAE解析装置(バーチャル試験機)を組み合わせたソリューションを早期に市場へ展開することを目的としてデモ用システム(試験機+CAE装置)の製作及び受注済み案件のための基盤構築を行いました。これらの研究開発費の金額は52,400千円であります。