第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は、創業以来「夢ある商品とサービスを通して、喜びと心の満足を創りだしていきます。」という経営理念の下、「すべての行動はお客様の「また来るね」の一言のために」すなわちお客様の期待を超え続ける商品とサービスを通して、顧客の感動を追求し続けることを経営方針としております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は、売上高、営業利益、経常利益、売上高経常利益率であります。当該KPIを採用した理由は、投資家が当社の経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、また、当社は企業の継続的成長を実現していくために、会社全体の経営状況を判断できる売上高経常利益率を重要経営指標として位置付け、将来、継続的に売上高経常利益率10%を達成できることを長期的目標としております。営業収益の拡大に加えて、財務体質の強化を図り、早期の目標達成に努めてまいります。なお、2026年2月期の目標値は売上高88億円、営業利益5億円、経常利益5億円、売上高経常利益率6.2%であります。

 

(3) 経営環境

今後の経済環境の見通しにつきましては、内需主導で緩やかに回復することが期待できるものの、地政学リスク、アメリカのトランプ大統領による経済政策の変動や中国経済の動向など不安定要素が多く、先行き不透明な状況が続くと予想されます。

リユース小売業におきましては、人件費上昇、金利上昇など、厳しい状況にある一方、生活防衛や循環経済への関心の高まりにより、市場規模が継続的に拡大しております。。

 

(4) 中長期的経営戦略

当社は、「夢ある商品とサービスを通して、喜びと心の満足を創りだしていきます。」という経営理念の下、世の中に溢れかえって、不要だと思われているものの価値を再生することにより、「REUSE IS GOOD ~リユースを日常に~」というコーポレートメッセージを発信し、サステナビリティへの取組みに力を入れ、持続可能な環境・社会づくりに邁進してまいりました。今後もお客様が当社の商品やサービスを通して、夢・希望・勇気・満足・感動・楽しさ・癒し・元気を感じていただくことを目指してまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)及び(4)に記載の、経営方針及び中長期的経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

①業務効率化

2025年3月に、新しいPOSシステムの入れ替えが完了いたしました。

今後、新しいPOSシステムを活用した店頭業務の効率化を推進し、顧客満足度の向上及び収益性の改善を図ってまいります。

 

②商品政策

店頭買取をはじめ、買取専門店・宅配買取・法人仕入・海外買付を強化し、安定した多様な調達ルートを確保してまいります。

多ルート商品調達力を推進すると同時に、販売チャネルを増やし、各種商材の特性に応じて販路を定め、的確に多くのお客様に届けてまいります。

取扱商品につきましては、成長性の高い工具をはじめ、ファッション・ホビーをさらに強化促進し、ブランド・トレーディングカードを守り、良品買館のノウハウを活かして家電・生活用品などを育てていきます。

 

③店舗政策

イ.総合リユースショップ買取王国業態

総合リユースショップ買取王国業態に関して、業務の単純化・標準化・専門化を推進し、時流に合わせてお客様が再来店したくなる魅力的な売場づくりを追求いたします。その一環として、買取王国高畑店をリニューアルし、ホビー専門店として2025年6月13日にオープンする予定です。ホビー商材旗艦店として位置づけ、魅力あふれるホビー売場を創り出してまいります。

また、2025年3月2日の営業をもちまして、岐南店及び港店の一角にあるふるいちの売場を撤退いたしました。岐南店では、坪効率を考慮した売場の再編を行い、2025年3月29日にリニューアルオープンしました。このように、昨年の新店である岐南店、松原店及び良品買館より業態変更した宝塚インター店に関しては、より早期な投資回収に向けて様々な施策を通して、徹底的に取り組んでまいります。

その他には、2店舗の内外装改修工事を計画をしております。老朽化した店舗を綺麗にするとともに、地域に合わせた商品構成に見直し、お客様にご利用いただきやすい店舗づくりを推進いたします。

 

ロ.工具買取王国業態

工具買取王国業態に関して、誰でも買取・販売・マネジメントができる標準化システムの構築及び人材育成に注力し、直営及びフランチャイズ形式で多店舗展開を加速していくため、データベースづくりやオペレーションの深化を引き続き取り組んでまいります。

また、新規ドミナントエリアでの新店舗の認知度を早く上げられる手法を模索し、実験・検証を行い、確立してまいります。

2026年2月期においては、2025年3月8日に、グランドオープンいたしました工具買取王国柴田本通店(名古屋市南区)を含め、直営店舗7店舗の出店を計画しております。

 

ハ.総合リユースショップ良品買館業態

総合リユースショップ良品買館業態に関して、2024年8月末に事業譲受後、寝屋川店を良品買館業態の家具家電専門のアウトレット店舗としてリニューアルし、お客様により鮮度の高い商品を提供する環境整備を行いました。今後、店頭業務の効率化、商品化速度のアップ、また適正な人員配置や店舗立地の特性に合わせて買取王国商材の導入などの運営改善を推進するとともに、さらに人材育成に力を入れてまいります。良品買館業態としての強みを磨き、収益性を高めてまいります。

 

ニ.おたから買取王国業態

おたから買取王国業態に関して、広告手法を見直し、社内遠隔査定体制を活用して、より効率的な店舗運営の仕組みを構築して、早期の出店再開を目指しております。

 

ホ.マイシュウサガール業態

マイシュウサガール業態に関して、2025年3月1日に半田インター店(愛知県半田市)、2025年3月14日に岐阜北方店(岐阜県本巣郡)の2店舗をグランドオープンいたしました。国内の3次流通として自社の店舗を支えるとともに同業他社の困りごと解決にも取り組んでまいります。店頭でお客様にサービスを提供することに専念できるように、2025年2月期に商品加工等を物流センターへ集中化することが完了しました。今後、さらに生産効率を高めてまいります。

 

④その他新業態

会社が永続していくために、時流に合わせて変化することが必要不可欠だと考えております。

当社は、インターネットを介してより広い範囲のお客様のニーズを満たすため既存の国内ECの強化に加え、越境ECを開始するEC事業、不要になった品物で大学・非営利団体等へ寄付を行える寄付事業「モノドネ」に、今後も経営資源を投入して、推進してまいります。

また、当社の強みを活かした販売買取強化戦略並びに海外進出の布石として、2025年5月2日に、新たな古着専門店業態としてKOV(買取王国ヴィンテージ)の第1号店を名古屋市中区の大須地区にオープンをいたしました。既存買取王国の仕入での競争優位性を高め、さらなる顧客満足度向上に繋げてまいります。

前述の越境ECの開始に加え、アメリカの子会社REIG CORPORATIONも出店に向けて準備を始めております。世界に目を向けて、今までよりもっと広範囲のお客様に喜びと心の満足を創り出せるように行動してまいります。

 

 

(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

①人財育成

「人を育成する前に店を作るな」とあるように、当社の事業の多くは多店舗展開で成り立っております。中古品の買取価格については、真贋チェックを行った上で適正な買取価格を提示できる店舗スタッフの存在が欠かせません。また、買取価格(一部商品を除く)以外に店頭販売価格、陳列・演出方法、店舗スタッフのマネジメントなどを権限委譲する形で店舗展開を行っております。そのため、各種人財の確保育成は、当社の優先的に対処する課題であると認識しております。

当社の人事理念「人の役に立つ人間になる」に基づき、当社独自の人材育成制度として、GUTs(Grow Up Together System)『仲間と共に学び成長する制度』を確立しております。GUTs(Grow Up Together System)は、等級や職能に応じて社員育成ステージをつくり、職場内の関係性を通じて、知識や技術、人間的成長をお互いに促す人材育成制度により、浸透・運用を進め、店舗経営を任せられる人財育成を図ってまいります。

また、全従業員向けのキャリアパス制度を実践しながら、より自社の経営課題を解決できる制度の確立を目指しております。当該制度は新人の早期戦力化にフォーカスし、アルバイト等の正社員登用にも活用されております。

 

②組織環境の活性化

当社事業を更に発展させるために、全従業員が活躍できる社内の組織づくり・環境の醸成に取り組む必要性があると認識しております。

 既存事業の拡大、新規事業の構築などを通して、全従業員がやりがいを実感し、活躍できる魅力的な職場づくりに努めると共に、職能資格制度を新しく導入いたしました。明確な職能要件の提示、定期面談の実施などにより、全従業員の自主的な能力向上、並びに柔軟な組織編制を目指しております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

当社は、「夢ある商品とサービスを通して、喜びと心の満足を創りだしていきます。」という経営理念の下、世の中に溢れかえって、不要だと思われているものの価値を再生することを中心に事業活動を行い、リユースが当たり前のライフスタイルを構築することで、持続可能な社会の実現と当社の持続可能な発展に繋げてまいります。

 

(1)ガバナンス

当社の事業活動を通して、リユースが当たり前のライフスタイルを構築することで、持続可能な社会の実現と当社の持続可能な発展に繋げていこうと考えております。サステナビリティに関するリスクの監視及び管理を行う為のガバナンスの過程、統制手続き等について、コーポレート・ガバナンスの体制と区別しておりません。取締役会がサステナビリティ全般に関する最終的な責任と権限を有しております。詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のとおりであります。

 

(2)戦略

当社における、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

 人材の育成及び社内環境整備に関する方針

当社では、人材は経営を担う重要な財産の1つであり、人財の成長を通して社会に貢献し、存続し続けることが企業の責任であると考えております。

人事理念「人の役に立つ人間になる」に基づき、下記の人材育成及び社内環境整備に関する共通方針を定めております。

 

①挑戦を楽しむ(主体性、自発性)

主体性、自発性を持ち、お客様のことを想い、共に働く仲間のことを想い、前向きな挑戦をし続けることができる人を育成します。

失敗を恐れず、前向きな失敗を推奨する組織をつくります。

 

②仲間と共に勝つ(協調性)

協調性を持ち、共に働く仲間として、正しい価値観のもとでの競争し合い、助け合い、支え合って共にお客様に喜んでいただける成果を創り出せる人を育成します。

お客様を喜ばせるという成果に向かい、成功事例、失敗事例を積極的に共有し、全従業員が安心して真剣に意見を交し合える環境をつくります。

 

③同根異才(自律)

共有すべき価値観を「同じ根っこ」として持った上で、自律し、それぞれの個性を発揮し、お客様に常に新しい感動をお届けし続ける人を育成します。

仕事を通して学び、一人一人が持っている可能性を引き出す環境をつくります。

 

上記の方針を踏まえ、人材育成制度として、GUTs(Grow Up Together System)『仲間と共に学び成長する制度』を運用しております。また、キャリアパスチームが全従業員向けのキャリアパス制度の運用をサポートし、新人の早期戦力化にフォーカスして取り組んでおります。

社内環境整備においては、上記の方針に沿った行動を賞賛する企業文化を醸成し、個々の努力や成長が評価される職能資格制度を導入し、的確に運用してまいります。

 

(3)リスク管理

リスク管理に関する中長期的な取り組みについては、当社は将来の不確実な事象により損害を被る可能性をリスクと捉え、内部監査担当主導でリスクの洗い出しを行い、作成したリスク一覧表を全社員に共有し、リスク管理を徹底しております。その結果等を定期的に取締役会に報告しております。

また、より現場に寄り添うため、管理本部にSSS(ショップ・スタンダード・サポート)チームを結成しております。定期的に店舗巡回を通して、客観的な視点及び組織横断的監視で、様々なリスク軽減に取り組んでおります。

なお、当社が認識する事業上のリスク等に関する詳細は、「3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社では、上記の「(2)戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。

 

人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標

サステナビリティ目標として会社の成長の源泉である人的資本の充実の観点から、積極的な人財採用に取り組んでおります。

社員採用においては、アルバイト等の社員登用を10名、新卒採用を20名、計30名の社員採用を目標としております。

アルバイト採用においては、友人紹介キャンペーン、求人広告などを通して、店舗の人手不足を解消し、充足率100%を目標としております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)買取仕入について

社名が示すとおり、当社にとって中古品の買取仕入は売上を安定的に計上するための生命線であるため、一般顧客からの店頭においての買取、インターネット上の告知による宅配買取、協力先で行う催事買取、顧客宅や中古取扱業者等への直接訪問による出張買取等により、買取仕入の安定的な商品確保に努めております。

しかし、今後の景気動向や競合する買取業者の増加、フリマアプリの急成長、顧客心理の変化、貴金属等一部の商品については貴金属・地金相場の変動等により、安定的な商品確保に支障をきたした場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、中古品は新品に比較して売上総利益率が高くなる傾向があり、当社利益の源泉となっておりますが、積極的な事業展開に伴い、中古品の不足分を新品仕入により補う場合には、当社の売上総利益率は低下する可能性があります。

 

(2) 人財の確保育成について

中古品の買取価格については、貴金属等の相場がある場合を除き、あらかじめ流通価格が決まっておりません。また、ブランドも含め嗜好性の多様化や近年における中古品流通量の増大により、商品仕入においては、真贋チェックを行った上で適正な買取価格を提示できる店舗スタッフの存在が欠かせません。従いまして、さまざまな商品についての専門知識を有する人財の確保・育成は、当社の重要な経営課題であると認識しております。

仮に、店舗スタッフの確保・育成が計画どおりに進まない場合、当社の出店計画は制約を受けることとなります。また、経験豊富な店舗スタッフの退職は、当社の重要な経営資源の流出であり、短期間に多数の店舗スタッフが退職した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) コピー商品の仕入販売によるリスクについて

衣料・アクセサリー・時計・バッグ・フィギュア等の商品について、著名ブランドのコピー商品が全世界で流通しており、これらのコピー商品に関するトラブルは社会的な問題となっております。当社においては、日ごろから店舗スタッフの真贋チェック能力を養い、商品知識が豊富な店舗スタッフを育成することにより、コピー商品の仕入防止に努めております。また、店頭に出す前に再度チェックを行い、誤って仕入れたコピー商品については、すべて廃棄処分としコピー商品の陳列防止に努めております。

今後も、お客様からの信頼を維持していくため、当社はコピー商品の排除を徹底してまいります。

しかしながら、中古品を取り扱う以上、常にコピー商品に関するトラブル発生のリスクが潜んでおり、大きなトラブルが発生した場合には、当社に対する信頼性が低下することにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)盗品の買取リスクについて

古物営業法に関する規制により、買い受けた商品が盗品であると発覚した場合、1年以内であれば被害者はこれを無償で回復することを求めることができるとされております。

当社においては、法令遵守の観点から古物台帳(古物の買い受けを記載した台帳)を整備し、盗品買取が発覚した場合には、被害者への回復に適切に対応できる体制を整えており、盗品買取発覚時の被害者への返還に適切に対応してまいります。

また、盗品の買取防止策として、大量の同一商品の持ち込みについては必ず入手経路を確認する等の買取防止策を講じております。

しかしながら、事業の性格上、完全には盗品の買取を防止することは出来ないことから、盗難品の被害者への返還に伴い、仕入ロスが発生する可能性があります。

 

(5)新規出店について

当社は、郊外型店舗展開を東海地方(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)、関西地方(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県)、北陸地方(石川県、富山県)で行っております。前事業年度に引き続き、地域情勢等を勘案して、地域の絞り込みによる新規出店をしてまいります。また、新規出店から初期投資額を早期に回収する収支モデルを構築し、その確かな実現を目指してまいります。

ただし、当社が新規出店を決定する際の条件を満たす物件がない場合には、新規出店計画どおりに経営資源を投下できず、当社の業績が影響を受ける可能性があります。また、新たな地域への出店の場合、認知度が低いこと等から買取仕入が想定どおりに進まない可能性があります。

最近5年間の店舗数の推移は次のとおりであります。

 

2021年2月

2022年2月

2023年2月

2024年2月

2025年2月

新規出店(店)

5

9

2

4

18

FC店舗直営化(店)

1

直営店舗FC化(店)

閉店(店)

3

2

2

期末店舗数(店)

41

48

49

53

69

 

    (注1)本社及びECと、FCは店舗数に含まれておりません。

なお、ECとはイー・コマースの略で、商品を自社ホームページ等へインターネットを通じて出品し、一般顧客と直接売買業務を行っております。

  (注2)2025年2月期の新規出店(店)については、株式会社ベストバイからの事業譲受店舗(良品買館9店舗、ツールマン1店舗)も含んでおります。

 

(6)固定資産の減損について

当社は、減損会計を適用することによって、各店舗において減損兆候の判定を行っております。店舗の営業損益に悪化が見られ短期的には回復が見込まれない場合、減損損失が計上され、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)天候及び世界的感染症の影響について

当社の主力品目は一般衣料、靴、服飾雑貨品、腕時計等のファッション(当事業年度売上高構成比41.7%)であり、当該品目では季節性の高い商品を取り扱っております。そのため、ファッション品目の販売動向は、冷夏や暖冬などといった天候の影響を受ける可能性があります。

また、世界的感染症の流行は、世界経済に大きな影響を与え、企業の経済活動を縮小させます。その場合には、当社の業績にも大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)当社の営業エリアについて

当社は、全69拠点中49拠点が、東海地方(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)で営業しており、当該地域の急激な経済的衰退が生じた場合における売上高の伸び悩みや、大地震をはじめとした大規模災害による販売活動への影響等、販売店舗の地域集中に伴うリスクが存在しております。

 

(9)商品の価値下落について

当社は多種多様な商品を取り扱っており、また、これらを時代環境に応じて変化させることにより、特定の商品に依存しない安定した営業体制を構築してまいりました。しかしながら、一部商品は、流行による陳腐化や牽引役となる人気商品の有無により価値が急激に変動する場合があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)業界の状況について

従来、リユース小売業においては、骨董品、古書、古道具等、希少価値の高い商品の取り扱いを事業の特徴とする業態が大半を占めておりました。しかしながら、最近では幅広い分野において中古品の流通量が増大しており、ブランド衣料、アメリカンカジュアル衣料、ジャパントイ、トレーディングカード、中古ゲーム等、当社が取り扱っている商品を対象とする新規参入が目立ってきております。

今後、この傾向がさらに強まり、競合店の増加やインターネットを介した売買の普及等による中古品の買取競争が激化した場合には、人気商品の確保が難しくなること、買取価格の相場が変動すること等から、当社業績が影響を受ける可能性があります。また、当社業態を模した総合リユース小売業の出現が想定されますが、この場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)有利子負債への依存について

当社は、新規出店に必要な資金を金融機関からの借入金で調達しております。当事業年度末における有利子負債の額は1,342百万円であり、総資産額に占める割合は25.7%であります。現在は、当該資金を主に固定金利に基づく長期借入金により調達しているため、一定期間においては金利変動の影響を受けないこととなりますが、予期せぬ外的要因により資金調達が困難となり、借入金利が上昇した場合には、金融費用が増加する等、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)古物営業法に関する規制について

当社は、都道府県公安委員会から営業許可をいただいており、「古物営業法」を遵守した営業を行っております。そのため、新規出店においては新規届出を、既存店舗においては事項変更が生じた場合には、都度手続きをしております。古物台帳の管理・保管の徹底、古物営業法に係る社内マニュアルの整備及び社内教育の実施に努めております。本書提出日現在において、許可の取消し事由は発生しておりませんが、万が一同法に定める規則に違反した場合には、営業許可の取消し、または営業停止等の処分を受ける可能性があり、その場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)個人情報の管理について

当社は、古物営業法等に基づき商品を買取仕入する際に個人情報を取得することがあります。また、会員入会申込書に記載された個人情報を取得することがあります。このため、当社は社内マニュアルの整備及び社内教育を実施し、個人情報管理の強化を図っております。

現在のところ個人情報の漏洩と思われる事例は発生しておりませんが、個人情報が漏洩した場合には、社会的信用の失墜、事後対応による多額の経費等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)敷金及び保証金について

当社が賃貸借契約により差入れている敷金及び保証金の残高は当事業年度末において394百万円であります。万一、賃貸人の財政状況が悪化し、敷金及び保証金の回収が不能となった場合、賃料との相殺等による回収ができない範囲で貸倒損失が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

  当事業年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、雇用と所得環境が改善していることで景気は緩やかな回復傾向が続いております。一方で、不安定な世界情勢や為替相場の影響による資源・エネルギー価格の高騰、物価の上昇などのリスクが大きく存在し、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

リユース小売業界におきましては、社会的な循環経済への関心や消費者の生活防衛意識などが高まったことにより、引き続きフォローの風が吹いておりますが、人件費上昇、店舗運営費用の高騰などで厳しい環境が続いております。

このような外部環境に対応するために、当社は様々な取り組みを進めてまいりました。

商品政策においては、全体の商品調達力を高めるために、各店舗の「とことん買取」を推進し、さらに、法人買取、宅配買取、海外仕入など商品調達ルートの強化を行ってまいりました。その結果、仕入金額が前事業年度より6億円以上増加いたしました。

店舗政策においては、店舗開発部門が、業態ごとの出店方針等を勘案しながら、精力的に開発活動を展開してまいりました。当初の出店計画通りに出店を進めた上、会社の運営状況に合わせて、マイシュウサガール業態に1店舗を出店いたしました。当事業年度の各業態ごとの出店経緯は以下のとおりであります。

 業 態

オープン日

 店 舗 名

買取王国

2024年3月1日

岐南店(岐阜県羽島郡岐南町)

2024年4月19日

松原店(大阪府松原市)

工具買取王国

2024年3月16日

大津1号店(滋賀県大津市)

2024年6月1日

高岡8号店(富山県高岡市)

2024年8月2日

鳴海店(愛知県名古屋市緑区)

2024年9月28日

松原天美店(大阪府松原市)

2024年11月29日

刈谷1号店(愛知県刈谷市)

マイシュウサガール

2024年6月21日

春日井店(愛知県春日井市)

 

 

積極的な出店に加えまして、2024年8月31日に総合リユースショップ良品買館事業の9店舗、プロ工具専門店 ツールマン事業の1店舗及び商品センターを事業譲受いたしました。この取り組みにより、当社の事業基盤を大きく拡大してまいりました。

他の取り組みとして、顧客満足度の向上及び全社の業務効率化を同時に満たせる新しいPOSシステムの開発が完了いたしました。2024年12月より、買取王国、良品買館、マイシュウサガール及びWHYNOT業態の店舗において、順次入れ替えを行いました。

その他に、一昨年に新設した営業企画部門が企画した買取王国業態全店舗の「御朱印巡礼祭イベント」に、総勢6,000名以上のお客様が参加され、そのうち158名のお客様が全店巡礼を達成してくださりました。お客様が楽しめる店舗づくりを推進した取り組みの成果が表れております。

以上の結果、当事業年度の売上高が過去最高を記録いたしました。一方、利益ベースにおきましては、各種投資の実施・物価上昇・人件費上昇による販売費及び一般管理費の増加により、前事業年度を下回っております。売上高は7,822百万円(前年同期比16.1%増)、営業利益は422百万円(前年同期比14.8%減)、経常利益は465百万円(前年同期比11.1%減)、当期純利益は328百万円(前年同期比8.9%減)となりました。

 

財政状態の状況

(資産)

流動資産は、前事業年度末に比べ498百万円増加し、3,517百万円となりました。これは、商品が468百万円、売掛金が69百万円増加した一方、現金及び預金が81百万円減少したことなどによるものです。 

固定資産は、前事業年度末に比べ282百万円増加し、1,709百万円となりました。これは、有形固定資産が153百万円、無形固定資産が62百万円、投資その他の資産が67百万円増加したことなどによるものです。

 この結果、総資産は前事業年度末に比べ780百万円増加し、5,227百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、前事業年度末と比べ21百万円増加し、988百万円となりました。これは、未払金が19百万円増加し、未払費用が30百万円増加した一方、未払消費税等が50百万円減少したなどによるものです。

固定負債は、前事業年度末と比べ447百万円増加し、1,175百万円となりました。これは、長期借入金が352百万円、資産除去債務が28百万円増加したことなどによるものです。

 この結果、負債合計は前事業年度末と比べ469百万円増加し、2,164百万円となりました。

 

 

(純資産)

当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて311百万円増加し、3,062百万円となりました。これは、譲渡制限付株式報酬としての新株発行により資本金が9百万円、資本剰余金が9百万円、当期純利益により利益剰余金が328百万円増加した一方、配当金の支払により利益剰余金が36百万円減少したことによるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ332百万円減少し、932百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は107百万円(前事業年度は354百万円の資金増)となりました。これは主に、税引前当期純利益487百万円などにより資金が増加した一方、棚卸資産の増加額289百万円、法人税等の支払額162百万円により資金が減少したことなどによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は758百万円(前事業年度は109百万円の資金減)となりました。これは主に、関係会社貸付金の回収による収入300百万円により資金が増加した一方、定期預金の預入による支出252百万円、関係会社貸付けによる支出333百万円、有形固定資産の取得による支出245百万円、事業譲受による支出275百万円などにより資金が減少したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は318百万円(前事業年度は0百万円の資金増)となりました。これは、長期借入れによる収入900百万円により資金が増加した一方で、長期借入金の返済による支出544百万円、配当金の支払額が36百万円により資金が減少したことによるものであります。

 

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

当社の主要な運転資金需要は、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、主要な設備投資資金需要は、店舗の新規出店及び老朽化した店舗の改装であります。

これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、銀行借入による資金調達にて対応していくこととしております。

なお、当事業年度末における借入金の残高は1,342百万円、現金及び現金同等物の残高は1,183百万円となっております。

 

③仕入及び販売の状況

a. 仕入実績

当社は、総合リユース小売業の単一セグメントであり、当事業年度における仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

当期仕入高(千円)

前年同期比(%)

ファッション

1,534,854

126.6

工具

701,903

118.1

ホビー

624,427

135.8

ブランド

562,652

112.9

トレカ

180,020

54.0

その他

365,326

142.7

合  計

3,969,184

118.3

 

 

 

b. 販売実績

当社は、総合リユース小売業の単一セグメントであり、当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。

 品目別販売実績

品目

当期売上高(千円)

前年同期比(%)

ファッション

3,259,344

117.2

工具

1,449,194

114.0

ホビー

1,395,436

124.4

ブランド

791,506

109.8

トレカ

250,452

65.8

その他

676,940

145.7

合  計

7,822,875

116.1

 

 

各品目の主な内容は以下のとおりです。

品目

主な内容

ファッション

一般衣料、靴、服飾雑貨品、腕時計等

工具

電動工具、エア工具、エンジン工具、油圧工具、ハンドツール等

ホビー

食玩、ジャパントイ(注)、各種フィギュア、プラモデル、ミニカー、モデルガン、楽器、スポーツ用品、釣具等

ブランド

ブランド商品(バッグ、時計を含む)、宝石、貴金属製品及び地金

トレカ

トレーディングカード等

その他

ゲームソフト、生活用品、携帯電話、家具、金券、酒、その他

 

(注) ジャパントイとは、日本のアニメキャラクター玩具や特撮ヒーロー玩具等、日本企画のおもちゃを総称したものであります。

 

 地域別販売実績

所在地

売上高(千円)

前年同期比(%)

愛知県

5,042,085

103.9

岐阜県

1,153,323

122.7

大阪府

771,378

181.3

京都府

179,390

98.6

三重県

176,982

105.3

静岡県

144,216

95.8

兵庫県

133,620

石川県

100,134

447.0

奈良県

52,791

滋賀県

36,909

富山県

32,043

合  計

7,822,875

116.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

売上高については、主力商材のファッション・工具・ホビーが順調に推移しました。トレカに関しては、相場の大幅な下落に伴い減収となりましたが、他商材の増収幅が大きく、売上高は7,822百万円(前事業年度6,739百万円)となり、前年同期を16.1%上回りました。

粗利率について、商品回転率を重視し、早期現金化などに努めたことにより、前事業年度の51.4%から52.8%になりました。

販売費及び一般管理費の売上比率は前事業年度より3.4%上回り、47.4%となりました。これらの結果、当事業年度の営業利益は422百万円(前事業年度495百万円)、経常利益は465百万円(前事業年度523百万円)となり、前年同期を下回ることとなりました。

法人税等を計上した結果、当期純利益328百万円(前事業年度360百万円)となりました。

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。インターネットの普及が人々の生活様式に根本的な変化を引き起こしています。当社は、常に顧客の感動を追求し、環境の変化や顧客のニーズに適応していく必要があると認識しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。

(キャッシュ・フロー)

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(資金需要)

当社の主要な運転資金需要は、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、主要な設備投資資金需要は、店舗の新規出店であります。

これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関借入による資金調達にて対応していくこととしております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の財務諸表の作成にあたっては、事業年度末における資産、負債の報告数値及び収益、費用の報告数値に影響を与える見積り、判断及び仮定を必要としております。当社は財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じて、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があり、この差異は、財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断する客観的な指標等について

当社は、継続的な事業拡大のため、「売上高経常利益率」を重要な指標として位置づけております。当事業年度における売上高経常利益率は6.0%(前事業年度7.8%)となりました。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、2024年7月16日開催の当社取締役会決議に基づき、同日付で株式会社ベストバイとの間で事業譲渡契約を締結し、同年8月31日付で事業譲受を実施完了いたしました。

詳細は第5[経理の状況]1[財務諸表等][注記事項](企業結合等関係)に記載のとおりです。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。