コストプッシュインフレの継続や、首都圏における競争環境は業態を超えて激化していくことなどが見通され、更には少子高齢化の問題も経営に大きな影響を与えると考えられます。こうした環境の中、当社は㈱いなげやとの統合を契機に、これまでの事業会社間の関係を抜本的に見直し、共通する価値観と思想を基に全体の連携を強化するとともに、首都圏最大規模のスーパーマーケットとして強固な経営基盤を構築する体制へと移行してまいります。共通の思想として顧客起点を絶対の価値観とすることを念頭に置きUSMHの本部機能は、①規模を活かす、②コストを適正化し効率化を図る、③業務品質の向上を図り情報共有の迅速化と機能の充実を図る、ことなどを目標において変革してまいります。一方事業会社は、本部と同様に顧客起点を絶対の価値観として、現状を分析し、店頭の業務を見直して強化し、リソースの配分をシフトして競争の中で優位なポジションに立ち、支持を拡大していける取組を推進します。当社グループは、こうしたことを「顧客起点を絶対の価値観として経営構造の変革に挑みつづけることで、真の成長を実現する」という方針のもとに、2025年度より3年間(2026年2月期~2028年2月期)を対象とした事業会社と一体の第4次中期経営計画を策定し、①店舗サービスの強化(CXスコアの向上)をめざし、お客さまへのサービス向上と従業員による接客の強化、②生鮮やデリカなど主力商品の強化とともに、従業員トレーニング・教育の強化に基づく提供品質の向上、③人事総務・システム・商品といった各社組織の集約・スリム化、などの施策を速やかに実行してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
これまで当社グループでは、中期経営計画の推進に当たって不可抗力となる地球環境問題、社会持続性問題には対症療法的であったことを鑑み、社会性に対する思想とビジネスの関係を整合していく必要性の高まりから、当社グループの基本理念実現の根幹となる「サステナビリティ基本方針」を2023年4月に策定いたしました。
<サステナビリティ基本方針>
私たちは、基本理念において、「お客さまの豊かで健康的な食生活」や「地域の発展と繁栄」に貢献し、「時代に適応する企業」として、中長期的な企業価値の最大化と永続的な発展を実現していくことを掲げ、事業を通じた社会と企業の持続可能性の両立を目指しています。
この実現のため、私たちは、お客さまや地域社会、従業員、ビジネスパートナーをはじめとするステークホルダーの皆さまとつながりを深め、その期待や信頼にしっかりとお応えしていくとともに、持続可能な循環型社会の実現に貢献し、「豊かさ」「楽しさ」「健康」などの新たな価値を提供していくことのできる、食に関する事業の創造と革新に向けて、グループの総力を結集して取り組んでまいります。
<サステナビリティ推進体制>
サステナビリティ推進の進捗管理として、当社管理本部内にサステナビリティ担当を配置しました。また、サステナビリティ担当がグループ各社と連携し、取り組み推進及びモニタリングを実施しております。加えて、取り組み内容は経営会議にて共有し、重要事項については取締役会へ報告しております。イオングループの主要会社とサステナビリティ所管部署とも情報の共有や連携を通じて、取り組みを効果的に推進しております。
<マテリアリティ(重要課題)>
当社グループのサステナビリティ推進におけるガバナンス体制は、当社の経営会議が、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みや、人的資本・多様性に関する課題をはじめとしたサステナビリティ経営のマネジメントを担っています。当経営会議は、当社の最高意思決定機関である取締役会の直下に設置されており、議長を当社の代表取締役社長が務めていることに加えて、執行役員である各事業会社の代表取締役社長や執行役員及び当社各本部の本部長が出席しております。
当社グループでは、人材の確保を含む人材育成に関する方針及び社内整備環境に関する方針は、以下のとおりであります。
(人財確保・人財育成に関する考え方)
当社グループでは事業会社ごとに地域における食のインフラ機能としてのスーパーマーケット経営を創業以来続けてまいりました。特に、お客さまへの安定的な商品やサービスを提供する基盤として、教育する仕組みや施設、店舗で実践ができているかどうかのサポート体制が当社グループの強みでもあり、今後も磨き続けていきたいと考えております。
一方で、お客さまの価値観や生活様式が多様化している現代においては、これまで事業会社中心に推進してきた育成にとどまらず、新しい価値(店舗・商品・サービス等)を提供していくことが求められております。そのため、当社においては、各事業会社の人財育成プログラムとは重複しない、経営戦略を実践するスキルトレーニングプログラム、成長事業開発プログラム、プロジェクトワークの推進等を企画・立案し、グループ横断で次世代人財の育成と人財確保を推進しております。
(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンに関する考え方)
ダイバーシティの推進は社会的課題への対応だけではなく、経営戦略の一つとして捉えています。国籍・性別・年齢・心身の障がいの有無・性的指向等による差別を排し、能力と成果に貫かれた人事を基本的な考え方とし、多様な人財の能力を十分に活かし、社会環境の変化に対応し、常にお客さまのニーズに柔軟に応じ革新しつづける組織の実現を目指しています。
(社内整備環境に関する考え方)
役職や雇用区分に関わらず、すべての働く一人ひとりが『家族に誇れる仕事をするため』には、仕事と私生活の両面で充実していることが重要だと考えています。子育てや介護と仕事との両立の時間を創出するためにも、生産性の高い働きによる私生活時間の拡充を推進します。
働く一人ひとりが働きがいを感じ、成長の意欲を高く持つためには、仕事における成功体験、多様なメンバーとの協働体験、チームワークの発揮などが重要だと考えています。そのためにも、働く一人ひとりの体験や経験を促進します。
当社グループは、より長く健康的に働き続けられることで、仕事の『習熟』が高まり、職場への『定着』が醸成される職場環境を目指します。そのためにも、一人ひとりの心身の健康増進に繋がる取り組みや、お互いが支えあう社内風土の醸成を推進し、職場環境の整備をし続けてまいります。
(人財の育成及び社内環境整備に関する指標の内容)
人的資本・多様性に関して、女性の活躍に優先順位を置き、2030年の女性管理職比率の目標値を設定しました。加えて、事業会社ごとに2025年度までの社内目標に向けて、ロードマップを策定し、各事業会社の推進責任者によるDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)ミーティングを開催し、各社の取り組みを推進しております。
『女性管理職比率 目標(2030年度末まで) 30%』
(注)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異についての実績は、
サステナビリティ推進におけるマテリアリティに関連するリスク及び気候変動関連リスクを含めた全社的リスクを、「リスク管理規程」に従い、網羅的に把握し、グループ内に潜在するリスクについて影響度と発生可能性の重要度を評価し、当社及び各事業会社において検討した対策を実行してまいります。
当社グループでは、マテリアリティとして「カーボンニュートラルの実現」及び「廃棄物の削減と再生利用の推進」を掲げ、気候変動対策として中長期的なCO2排出量の削減目標及び廃棄物削減目標を設定し、削減に取り組んでいます。
※2024年11月30日に統合いたしました、㈱いなげやを考慮した目標に設定しなおしております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) スーパーマーケット事業における市場動向及び競合等の影響
スーパーマーケット業界は、異業種も含めた出店競争が激化しており、また景気や個人消費の動向、消費税法等の法改正、異常気象等の影響を受けやすい業界でもあります。当社グループのドミナントエリアにおいても、今後も競合店舗の新規出店が続いた場合、当社グループの売上及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは食料品等を中心に季節商品も販売しており、冷夏・長雨等の異常気象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制
当社グループは、消費者保護、独占禁止、大規模小売業者出店規制、各種税制、環境・リサイクル関連法規等の適用を受けています。当社グループとしては、法令遵守を旨とし、社内体制の万全を期しております。しかしながら、今後、予期せぬ法的規制・法改正への対応等により、営業活動が制限されたり、個人消費が悪化することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 店舗数の増加及び減少
当社グループは、スーパーマーケットを中心に多店舗展開を行っております。新規出店及び店舗閉鎖は計画的に実施しておりますが、営業環境等の予期せぬ変化で計画どおりに進まない場合や、既出店近隣地域への競合施設の出店等により顧客動向が変化した場合、当初計画の変更、計画外の新規出店、店舗閉鎖が発生する可能性があり、これに伴って当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 食品の安全性
当社グループは、お客さまに安心してお買い物をしていただけるように、食中毒の未然防止、食品の検査体制の充実、商品履歴の明確化等に努めております。しかしながら、万が一にも食中毒や商品の信頼性を損なう事件・事故等の予期せぬ事態が発生すれば、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 金利・金融市場の動向
当社グループの資金調達・金利負担において、今後の金融市場の動向・金利変動が、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 訴訟事件
当社グループの各社は、仕入先、不動産賃貸人、その他の取引先と多種多様な契約を締結しており、これらの関係先と良好な関係を構築するよう努めていますが、諸事情によりこれら関係先との間で訴訟が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) システム及び情報管理
当社グループは、店舗及び事務所等においてネットワークを構築し、営業・財務・個人データ等の様々な会社情報を管理しております。社内情報管理規程等を設けて厳正な情報管理を実施しておりますが、犯罪行為やネットワーク障害等により、情報の漏洩・流失、及びシステムが破壊されることにより営業活動に支障が出る可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社グループの社会的信用を失うとともに、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 自然災害・感染症等の発生による影響
当社グループは、店舗又は事務所、食品製造工場及び配送センター等の施設を保有しており、地震・洪水等の自然災害や犯罪等の発生により、これらの施設の運営に支障をきたす場合や、設備等の回復に多額の費用が発生する場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 燃料費の高騰に伴うリスク
当社グループは、再生可能エネルギーの導入・利用の拡大を踏まえ、調達ルートの見直し、新規調達ルートの開拓等の検討を進めておりますが、特にスーパーマーケット事業におきましては、商品の冷凍・冷蔵のための電力は不可欠であり、燃料費の高騰により電気料金や配送費等が上昇した場合、経費の増加要因となり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 資産の減損
当社グループは店舗に係る有形固定資産やのれんなど固定資産を有しています。店舗・物件に対しては、十分な検討を重ねた上で投資回収が可能と判断し出店していますが、その後の急激な事業環境の変化等により、一定期間での投資回収が見込めないと判断した店舗に対し減損処理を行っています。今後において意図しない急激な事業環境の変化が生じ、減損損失を計上した場合、当社グループの財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経済環境は、食料品やサービスなどの物価上昇が継続して家計を圧迫し、消費者の生活防衛意識は一層顕著となりました。また、原材料費・エネルギー費・物流費等のコスト上昇は沈静化せず、企業の倒産件数は増加が続き、有効求人倍率は前年を下回るといった景気全体に暗い影を落とす一年となりました。
さまざまな機能が集中し人口の減少も比較的緩やかと言われる首都圏においても、高齢化が進む地方と都市部との経済格差は拡大しており、ここに多くの店舗を展開する当社にとっても低価格・高品質のバランスがより一層求められ、地域ごとに異なる市場環境を認識しながら、それぞれの地域にあった店づくりや品揃えを迅速に実現することが求められております。
こうした環境の中、当社は2024年11月末の㈱いなげやとの統合を契機に、これまでの事業会社間の関係を抜本的に見直し、共通する価値観と思想を基に全体の連携を強化するとともに、首都圏最大規模のスーパーマーケットとして強固な経営基盤を構築する体制へと移行する取り組みを開始しました。具体的には、①規模を活かした加工食品、日配食品を始めとした一括仕入調達体制の構築、②コスト適正化のため人事・総務・ITなどバックオフィス部門の集約による共通業務の効率化、③業務品質の向上に向けIT・ロジスティクス・店舗開発などの業務統合による、情報共有の迅速化とマーケティング機能の充実、などを主要な目標において取り組みを進めております。
また、当社グループは当連結会計年度に「マルエツ草加デリカセンター」を本格稼働させ、伸長が続く調理食品の品揃えの充実を図ると共に、店舗作業の軽減を実現するべく、当社グループの約500店舗への商品供給を開始しました。
当連結会計年度の営業収益は、㈱マルエツの既存店客数の伸長や㈱カスミの客数の復調、新たに統合した㈱いなげやの2024年10月~2025年2月の数値の算入等により、前期比114.8%となり、売上総利益高も前期比115.9%となりました。売上総利益率は、物価の上昇や競争環境の激化への対応として加工食品を中心に価格を据え置き訴求したことなどから、想定した水準を下回る結果となりました。また、販管費は労務費や水道光熱費・物流費の上昇、デリカセンターへの投資等の影響から、前期に対し16.2%の増加となりました。この結果、営業利益は前期に対し減益となり、加えて子会社において税制改正に伴う外形標準課税の税率変更や、税効果会計の分類変更を織り込んだため、当連結会計年度の当期純利益は減少しました。
当社グループ子会社の㈱マルエツは来店客数及び客単価が前期を上回り、営業収益は増収となり、また売上総利益も改善し最終利益も増益となりました。
一方、㈱カスミは、客数が回復し客単価も前期を上回ったことで営業収益は増収が図れたものの、外形標準課税の税率変更や税効果会計の変更等の影響を21億円受けたことにより、当期純利益は前期に対し30億円の減益となりました。
また、マックスバリュ関東㈱は、前期末の1店舗閉鎖の影響により、営業収益が前期比99.1%となり、売上総利益率も前期に対して0.7%悪化したことで営業利益は前期を下回り、最終利益は前期に対し2億円の減益となりました。
㈱いなげやは、2024年10月から2025年2月までの期間において増収増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、営業収益が8,112億73百万円(前期比14.8%増)、営業利益が59億78百万円(前期比13.4%減)、経常利益が61億42百万円(前期比11.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が8億10百万円(前期比19.6%減)となりました。
〔店舗数〕
当連結会計年度において、㈱マルエツが4店舗、㈱カスミが4店舗を新設しました。一方、経営資源の効率化を図るため、㈱マルエツが2店舗、㈱カスミが3店舗を閉鎖し、また2024年11月末に経営統合した㈱いなげやの128店舗を加えた当社グループの当期末の店舗数は660店舗となりました。
〔主要子会社〕
㈱マルエツは、マルエツ プチ 稲荷町駅前店を含む4店舗を新規出店し、さらに既存店29店舗の活性化を実施しました。商品面では、「マルエツ草加デリカセンター」で開発・製造したオリジナルブランド「まいごころ」(おにぎりや巻き寿司などの米飯商品)、「うまごころ」(おかず等のお惣菜商品)のオリジナル商品開発を推進しました。また、電子棚札やセルフレジの導入を推進し、生産性向上に積極的に取り組みました。さらにお客さまの利便性向上を目的として、来店宅配サービスの「らくらくクマさん宅配便」を221店舗での展開に拡大し、「移動スーパー」も新たに3車両を追加し、5車両52カ所での販売体制としました。
㈱カスミは、お客さまの来店頻度の向上を目的に、消費頻度の高い商品の店頭価格の引き下げを継続するとともに、価格高騰が続いた青果物を、市だてなどの企画で訴求し販売を強化しました。また生産性向上のため、売場の規模の見直しを行いながら、計画的に人時を投入し人時売上高の向上に努めました。また、移動スーパーの運用を75車両とし、さらに無人販売を245拠点へとそれぞれ拡大しお客さまの利便性向上に努めました。
マックスバリュ関東㈱は、青果・鮮魚部門における「産地直送商品」の拡大、こだわり商品である「MeetsValu(ミーツバリュ)」の展開拡大、新鮮な素材を店内で加工し、惣菜として提供する「生鮮惣菜」などを強化し、地域のお客さまのライフスタイルにあわせた商品・サービスの強化を行いました。また千葉市と協業し、マックスバリュ関東3車両目となる「移動スーパー」を千葉市若葉区にて運行開始しております。
㈱いなげやは、立川栄町店(東京都立川市)、志木柏町店(埼玉県志木市)など12店舗の活性化に取り組みました。また、お客さまの来店頻度を高めることをテーマに、商品の開発、お値打ち価格での商品提供を推進し、惣菜コーナーでの新商品開発、新鮮なネタにこだわった「鮮魚鮨」の展開店舗拡大などの取り組みを強化しました。
〔環境・社会貢献〕
当社グループは、脱炭素社会の実現に向け、使用する電力の削減や再生エネルギー導入の推進、冷媒フロンの自然冷媒化などの地球温暖化係数(GWP)低減化への取り組みに加え、廃棄物の削減に向けたフードロス対策や環境配慮型資材の導入、更にはお客さまとの協働による資源の店頭回収に注力しております。また2024年8月には当社グループで2例目となる食品残さの「再生利用事業計画(食品リサイクル・ループ)」が、農林水産省、環境省、経済産業省の大臣認定を取得しており、今後も認証店舗の拡大に取り組んでまいります。
また当社では、「統合報告書2023」を2024年5月に開示し、当社グループが重要課題として設定した各項目について、具体的なロードマップと達成水準を設定しながら、それらの目標達成に向けた取り組みを推進しています。
当社グループでは、事業会社ごとに地域社会の課題解決に向けて、地域の特性やニーズに合わせた社会貢献活動、お客さまと共に取り組む食品支援活動や募金活動、あるいは地域行政との包括連携協定、買物困難地域への移動スーパーの運行などの活動を通じて、地域とのつながりの強化に努めております。
今後、㈱いなげやも加えて環境・社会貢献の活動を拡げると共に、グループ全体で地域課題に寄り添った活動に注力してまいります。
〔参考情報〕
主要連結子会社では、当連結会計年度における㈱マルエツ単体の営業収益は4,012億65百万円(前期比2.9%増)、㈱カスミ単体の営業収益は2,750億29百万円(前期比1.9%増)、マックスバリュ関東㈱単体の営業収益は447億65百万円(前期比0.9%減)、㈱いなげや単体の営業収益は894億97百万円(2024年10月~2025年2月)の結果となりました。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ970億99百万円増加し、3,826億4百万円となりました。
流動資産は、449億25百万円増加し、1,196億35百万円となりました。これは主に、現金及び預金121億2百万円、棚卸資産67億24百万円、未収入金71億78百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は、521億35百万円増加し、2,629億31百万円となりました。これは主に、有形固定資産360億94百万円、無形固定資産が19億18百万円、投資その他の資産141億22百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。
繰延資産は、38百万円増加し、38百万円となりました。これは、社債発行費が38百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ440億22百万円増加し、1,792億76百万円となりました。
流動負債は、327億75百万円増加し、1,154億33百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金119億41百万円、短期借入金30億円、1年内返済予定の長期借入金85億58百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は、112億46百万円増加し、638億43百万円となりました。これは主に、リース債務36億28百万円、資産除去債務35億29百万円がそれぞれ増加したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ530億77百万円増加し、2,033億28百万円となりました。これは主に、資本剰余金が506億24百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ146億2百万増加し、357億36百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益69億5百万円、減価償却費164億71百万円、減損損失35億83百万円、棚卸資産の増加22億73百万円、未払消費税等の減少21億95百万円などにより、144億85百万円の収入(前年同期比70億10百万円の収入の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出226億79百万円、無形固定資産の取得による支出38億10百万円、貸付による支出110億円、貸付金の回収による収入120億5百万円などにより、162億56百万円の支出(前年同期比92億96百万円の支出の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の調達による収入30億円、長期借入れによる収入125億円、長期借入金の返済による支出56億77百万円、配当金の支払24億円などにより、69億43百万円の収入(前年同期比73億85百万円の収入の増加)となりました。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの資金の源泉は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金となります。
設備投資等の長期資金需要は、自己資金又は金融機関からの長期借入金等により賄い、運転資金等の短期資金需要は、主に自己資金又は短期借入金により賄っております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は357億36百万円、有利子負債の残高は633億15百万円となっております。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、営業活動から生じる損益が継続してマイナスである物件及び環境の著しい悪化がみられる店舗において、資産グループから得られる将来キャッシュ・フローが帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、決算時点で入手可能な情報に基づき判断しておりますが、事業計画や店舗を取り巻く環境の変化等により、前提とした条件や仮定に変更が生じ回収可能価額が減少した場合、減損処理が発生する可能性があります。
(当社による㈱いなげやの完全子会社化に関する株式交換契約及び経営統合契約締結、これに伴う当社における子会社の異動等)
当社及び㈱いなげや(以下「いなげや」)は、2024年4月18日付の両社の取締役会決議により、当社を株式交換完全親会社、いなげやを株式交換完全子会社とする株式交換を実施することを決定し、2024年4月18日、両社間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」)を締結するとともに、当社、㈱マルエツ、㈱カスミ、マックスバリュ関東㈱、いなげや、及びイオン株式会社、は当社によるいなげやの経営統合に関する経営統合契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)に記載のとおりで
す。
該当事項はありません。