当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、「関わる人々の幸せに貢献できる会社を創造しよう」を社是としております。お客様に、より快適な住まいと暮らしを営んでいただくための生活提案を行い、より良い品をより安く提供することを基本理念として、「お客様に感謝の気持ちと、お客様の立場に立った」いっそうのサービスをすることを行動理念とし生活を応援しております。
当社は、「地方都市、中山間地、離島のなくてはならないインフラになろう」の志・経営理念のもと、地域社会に貢献し、また、昨今における急激な経営環境の変化に迅速・的確に適応し、長期的な繁栄と成長を目指します。
(2)中長期的な会社の経営戦略等
①経営環境
原油等の資源価格の高騰や不安定な海外情勢及び円安による幅広い分野での物価上昇により、日本経済の先行きが懸念される状況にあります。また、小売業におきましても、継続する人口減少により市場規模が縮小していく中で、業種業態を問わず企業間競争は熾烈を極めております。加えて、人手不足、人口減少社会により、事業にとって必要な人材の確保が難しくなってきております。
②経営戦略
前項に記載しておりますように、厳しい経営環境が続く中、ホームセンター業界をはじめ、小売業界の市場競争は熾烈を極める状況にあります。当社は、過去、中国地方において150坪型の店舗を多店舗展開してまいりましたが、現在は、300坪型から1,000坪型の店舗を基本に新規出店及びリニューアルを行っております。
出店形態につきましては、単独での出店のほか、他業態が運営する商業集積への出店、当社が主体となり食品スーパー等のテナントの入店を受ける形態での出店などの複合型の形態によっております。
今後も、当社の営業エリアである中国地方、近畿地方において同様の政策による積極的な出店及びリニューアルを行い、商圏のドミナント化を進めてまいります。
商品及び販売政策につきましては、農家のお客様や建築関係のお客様へ「生産財」の商品の提供を強化するため、品揃えや売り方の改革を図ってまいります。加えて、接客、特注品対応、修理、貸出、技術提供等のサービス面の充実に取り組んでまいります。また、2024年3月に締結した島根県農業協同組合との業務提携及び2024年9月に締結した全国農業協同組合連合会との包括連携協定により、双方の持つ経営資源や経営ノウハウを相互に有効活用し、地域の農業を支える基盤として、より高い機能を具備した協力関係を構築することが、主力となる農業園芸部門を中心に業績に寄与するものと考えております。
自社カードシステムにつきましては、カード会員を対象としたポイントの付与による顧客サービスはもとより、イベントの開催や情報提供など、顧客満足度の向上とより一層の販売促進を行ってまいります。
③目標とする経営指標
当社は、全社の経営効率を高め、営業収益早期500億円の復活と、継続して経常利益率2%以上を目標としております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は「地方都市、中山間地、離島のなくてはならないインフラになろう」の志・経営理念のもとに、次の課題に取り組んでまいります。
「ホームセンターは、農業、園芸、資材、金物、工具、ワーキングの専門店である」の基軸にもとづき、商品・販売施策強化と修理、貸出、技術提供等のサービス面の充実を図ってまいります。
事業活動におきましては、人件費単価の上昇に対して生産性の向上を図るため、店舗の効率化と物流の再構築を進めます。合わせて、その他の経費の縮減に努めてまいります。
加えて、財務面におきましても、経営資源を最大限に有効活用し、企業体質及び財務体質の強化に努めてまいります。
当社のサステナビリティに関する基本的考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末時点現在において当社が判断したものであります。
当社は、「地方都市、中山間地、離島のなくてはならないインフラになろう」の志・経営理念を掲げております。当社の主な出店地であるこれら地域は、高齢化・人口減少などの影響でこれまで需要を担ってきた商店等が後継者難により廃業するケースが相次いでいます。
当社はその受け皿の一つとして地域を支える「なくてはならないインフラ」であることを目指しております。したがいまして、持続可能な社会の実現、とりわけ、地域社会の継続・発展は当社にとっての持続的な成長及び企業価値向上にも資するものであると考えております。
(1)ガバナンス
当社は、急速に変化し続ける事業環境に対応するため、毎期、翌年の事業計画を策定する中で具体的な施策について計画し、取締役会において実行の意思決定をいたします。2025年2月28日付取締役会において、環境分野、社会分野、ガバナンス分野における当社のサステナビリティに関する活動状況、進捗状況並びに今後の取組内容について報告・確認いたしました。
(2)リスク管理
当社は、事業活動に関する一般的なリスク及び当社グループ特有のリスクを把握する過程で、サステナビリティ関連のリスクも把握し、取締役会において方針の立案、施策の進捗状況管理を行っていく予定です。
(3)サステナビリティに関する重要項目及び具体的な取組み
当社は、持続可能な社会の実現に貢献するため、SDGs宣言を定め、これを基本方針として様々な取組みを行っております。概要は以下のとおりであります。
1.地域を支えるインフラへ
地方都市、中山間地、離島の持続可能な生活基盤となる、生活になくてはならない商品、サービスを提供するインフラとして、地域の事業と暮らしを支えてまいります。
(主な取組み)
・地域生活の利便性維持・向上に向けた地方都市、中山間地域、離島への出店や、園芸機械、自転車の修理サービスの提供
2.環境との調和
省エネ・省資源などの事業活動を通じた環境負荷低減と、循環型農業実現に繋がる取り組みを通じて、地域と地球の環境保全に貢献してまいります。
(主な取組み)
・店舗照明のLED化やバッテリー式フォークリフトの導入
・再生可能エネルギーの活用
・出雲の森プロジェクトへの支援(森林保全)
・地元の牧場と連携した牛糞リサイクル推進
なお、新たに下記の項目を進めてまいります。
・より環境負荷の低い商品(LED、内燃機関からバッテリーへの転換)の販売促進
・新店におけるZEB認証取得の推進
(指標及び目標)
目標:CO2排出量2030年までに2013年度比で60%削減
CO2排出量の状況
|
2013年度 |
2023年度 |
削減率 |
|
|
|
52.9% |
3.豊かな地域社会の形成
地域経済活性化に繋がる取り組みや、次世代人材の育成、地域の防災対応強化に向けた取り組みを通じて、持続可能で豊かな地域社会の実現を目指します。
(主な取組み)
・地域での積極的な人材採用、地元学生の職場体験受入
・自治体との災害対策連携協定の締結と災害物資備蓄等による対応強化
・地元企業との取引、商品仕入
4.働きがいのある企業づくり
人権の尊重と労働安全衛生の徹底のもと、社員一人ひとりにとって働きやすく、働き甲斐を持てる環境を提供してまいります。
(人材育成方針)
当社は志・経営理念の実現のため、社員のスキルや知識習得に関しても、経営における重要な事項と捉え、研修・セミナーの受講など必要な機会を積極的にとらえるよう随時奨励しております。
(社内環境整備方針)
当社は、様々な人材の「可能性」に着目し、相応のスキルや意欲のある候補者であれば、国籍、性別、学歴、背景などで限定することなく、多様な人材を採用していく方針をとっております。また、社内での待遇や昇進可能性などについても、各々の社員が持っているそれら固有の属性によって差別することはありません。成果を出していることが認められた者については、適切に相応の評価を行い、それに基づき処遇を向上させる決定をしております。特に女性活躍推進は重要かつ喫緊の課題として取り組んでまいります。
(主な取組み)
・女性の活躍推進に関する行動計画の策定
・人材育成強化に向けた階層・職務別研修や資格取得支援の充実
・勤務間インターバル制度、団体長期障害所得補償制度の導入、両立支援制度整備などの就労環境整備
・障害のある方にも働きやすい施設整備・環境改善
・協会けんぽ島根支部「健康事業所宣言」の実施
(指標及び目標)
・
目標:毎年6名以上または
|
年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
2024年度 |
|
人数 |
4人 |
7人 |
6人 |
8人 |
|
割合 |
24% |
33% |
35% |
|
・資格取得支援制度と取得率
人材育成の指標として「DIYアドバイザー」等各種資格の取得を定めています。取得推進のため試験用研修、受験費用補助、資格手当の支給などを行っています。
|
資格名称 |
2022年度 (62期) 取得者 |
2023年度 (63期) 取得者 |
2024年度 (64期) 取得者 |
2024年度 (64期) 末時点総取得者数 |
|
|
|
24 |
25 |
|
216 |
|
|
|
14 |
26 |
|
96 |
|
|
|
12 |
11 |
|
233 |
|
|
|
2 |
9 |
|
195 |
|
|
|
11 |
6 |
|
329 |
|
|
|
3 |
6 |
|
27 |
|
|
|
2 |
1 |
|
14 |
|
5.誠実・公正でサステナブルな事業活動
コンプライアンス徹底のもと、健全で透明性の高い経営体制を確立し、ステークホルダーの皆様から信頼される、サステナブルな事業活動を実践してまいります。
(主な取組み)
・コーポレートガバナンス体制の構築と情報の積極開示
・コンプライアンス体制整備と継続的啓発の実施(全社員に対しコンプライアンス研修を毎月実施)
・地域や環境と調和する持続可能な事業活動の追求
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
(1)出店に関するリスク
当社は、中国地方、近畿地方において営業活動を行っており、出店地域や出店形態により300坪型から1,000坪型の店舗により出店を行っております。
経済環境の変化や、競合他社の動向により、当社の出店政策及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の営業エリアである中国地方、近畿地方において積極的な出店及びリニューアルを行い、商圏のドミナント化を進めております。
(2)出店に関する法的規制について
① 「大規模小売店舗立地法」(平成12年6月1日施行)による規制について
売場面積1,000㎡を超える店舗の出店につきましては、大規模小売店舗立地法の定めにより環境対策等の規制が行われており、規制をクリアできなければ出店することができないこととなっております。
現在、当社は、300坪型から1,000坪型の店舗にて出店を行っておりますが、平米数で1,000㎡を超える場合には、大規模小売店舗立地法の規制の対象となるため、出店にあたり、スケジュールの難航やコスト負担の増加などの影響を受ける可能性があります。
② 商品販売に係る法的規制について
ホームセンターにおきましては、販売にあたり法的規制を受ける「医療機器」「灯油」「農薬」等の商品を取り扱っております。
当社は、これらの法的規制を遵守のうえ営業を行っておりますが、許認可の状況及び有資格者の確保の状況によっては、出店政策及び営業に影響を及ぼす可能性があります。
積極的に資格の取得を進め、影響を少なくするように努めております。
(3)災害等に関するリスク
当社は、風水害、火災などによる損害が発生した場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このため、店舗及び本社等の建物や店舗の商品について火災保険(地震など保険の対象外は除き)に加入しております。
また、資源価格の高騰、不安定な海外情勢及び円安による物価上昇の影響から、今後の企業活動及び消費の低迷や雇用の悪化等により、売上の減少等業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)天候要因によるリスク
当社の中心でありますホームセンターにおきましては、冷暖房用品や海浜用品、祭事用品などの季節性の高い商品を取り扱っております。このため、冷夏、暖冬などの気候条件の不順により、予定する販売高を達成できない場合、売上高の減少や、余剰在庫を抱える可能性があり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報保護について
当社では、顧客に対するサービスを目的として、「会員カード」「ポイントカード」「クレジットカード」の発行や「懸賞」の受付等を行っているため、顧客に関する情報を保管しております。
犯罪行為やシステム障害等により、情報の流出が起こる可能性があり、また、提携先クレジット会社等からの情報の流出の可能性があります。こうした事態が発生した場合は、社会的信用の低下による売上の減少や被害者から損害賠償の責に問われるなど、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
顧客情報の流出につきましては、「個人情報保護規程」を制定し、厳重な管理をしております。
(6)同業他社及び他業態との競争激化によるリスク
ホームセンター業界は、他のホームセンター及び他業態との競争が熾烈を極める状況となっております。現在、当社は、中国地方で98店舗(ホームセンター97店舗、ブックセンター1店舗)、近畿地方で24店舗(ホームセンター24店舗)を営業しており、今後も、中国地方、近畿地方において出店を計画しております。
しかし、当社の営業エリアにおきましては、多店舗展開を進めるドラッグストアや大規模商業施設及び他のホームセンターの出店が続いており、オーバーストアの状態となっている地域もあります。また、現在、当社のドミナントエリアである地域におきましても、他社の出店により競争にさらされることとなり、こうした競争は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
このため、当社は農家のお客様や建築関係のお客様へ「生産財」の商品の提供を強化するため、品揃えや売り方の改革を図っております。加えて、接客、特注品対応、修理、貸出、技術提供等のサービス面の充実にも取り組んでおります。
(7)固定資産の減損等に関するリスク
「固定資産の減損に係る会計基準」におきましては、当社の資産又は資産グループについて、減損損失を認識する必要があると判定されたものについては、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上することとされております。こうした減損の判定につきましては継続的に行うこととされているため、減損の発生状況によっては、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、好調なインバウンド需要や企業収益の堅調さから底堅く推移し、緩やかな回復基調となりました。個人消費におきましても、人手不足や賃上げを背景とした雇用・所得環境の改善により、宿泊、飲食、レジャー等のサービス消費は堅調であったものの、エネルギー価格の高止まりや、食品、日用品等の生活必需品における物価上昇により、日常生活における消費者マインドの停滞等の課題も残り、本格的な景気回復には至りませんでした。
営業収益につきましては、「ホームセンターは、農業、園芸、資材、金物、工具、ワーキングの専門店である」の基軸のもと、園芸農業、資材工具関連部門を中心に、継続して商品力の強化に取り組んでまいりましたが、前事業年度を下回る結果となりました。要因としましては、気候変動による季節商品への影響に加え、物価上昇での節約意識の高まりによる買い控えや客数の減少が続いていることなどから、増加には至りませんでした。
園芸植物や農業・園芸用品は、春先の低温・降雪や厳しい残暑等の天候が影響し、木材や建築資材は、住宅建築市場の低迷や資材価格の高騰により需要が伸び悩みました。一方、夏場の猛暑と厳冬により、エアコン、暖房器具等の家電製品や季節衣料、灯油等は好調でした。また、衣類洗濯洗剤、家庭紙等の日用消耗品も堅調に推移し、地震、台風対策として防災関連商品にも動きが見られました。
損益につきましては、営業収益は減少したものの、値入の改善による売上総利益の増加と経費の抑制による販売費及び一般管理費の減少から、営業利益、経常利益は前事業年度を上回りましたが、特別利益の減少と特別損失の増加により、当期純利益は前事業年度を下回りました。
以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の財政状態は、総資産が388億6千9百万円で前事業年度末比3億5千9百万円の増加、負債が259億4千3百万円で前事業年度末比2億6千3百万円の増加、純資産が129億2千5百万円で前事業年度末比9千6百万円の増加となりました。
b.経営成績
当事業年度の営業収益(売上高及び営業収入)は443億7千6百万円で、前事業年度比2億7千7百万円(0.6%)の減少となりました。うち売上高は、434億8千2百万円で、前事業年度比2億8千2百万円(0.6%)の減少となり、営業収入は8億9千3百万円で、前事業年度比4百万円(0.5%)の増加となりました。
商品別売上高では、家庭雑貨・家庭電器が119億9千3百万円で前事業年度比1億4百万円の増加、趣味・嗜好が63億4千9百万円で前事業年度比1億6千1百万円の減少、農業・園芸が117億7百万円で前事業年度比8千8百万円の減少、建築・DIYが117億4千5百万円で前事業年度比9千2百万円の減少、その他の売上が14億9百万円で前事業年度比2億2千万円の増加、関連事業が2億7千7百万円で前事業年度比2億6千5百万円の減少となりました。
損益面では、営業利益は4億7千2百万円で、前事業年度比1億5千3百万円(48.1%)の増加となり、経常利益は4億5千8百万円で前事業年度比1億4千1百万円(44.5%)の増加、当期純利益は1億5千2百万円で、前事業年度比3千6百万円(19.2%)の減少となりました。
店舗につきましては、ホームセンター1店の開店と、1店の全面改装を実施し、移転に伴う閉店1店を含むホームセンター5店及びブックセンター2店を閉店いたしました。これにより、当事業年度末の店舗数は122店(ホームセンター121店、ブックセンター1店)となり、前事業年度末比6店の減少となりました。
当社はホームセンターを主たる事業とする一般小売業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)当事業年度においてホームセンター事業の商品分類を変更しており、これまでの「園芸農業・資材工具」を「農業・園芸」と「建築・DIY」にそれぞれ独立して記載し、前事業年度比については、商品分類変更後の区分に組み替えて表示しております。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により増加した資金を、主として店舗建設等の投資活動と長期借入金の返済に充当し、前事業年度末に比べ6千6百万円増加の12億7千9百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は20億2千9百万円(前事業年度は6億2千4百万円の増加)となりました。
主な要因は、資金収入の税引前当期純利益2億6千万円、棚卸資産の減少4億9千万円及び非資金費用の減価償却費11億6千8百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は19億1千3百万円(前事業年度は17億6千2百万円の減少)となりました。
主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出15億6百万円等によるものであります。
支出の主な内容は、店舗の新規出店及び改装等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は4千9百万円(前事業年度は10億4千9百万円の増加)となりました。
主な要因は、長期借入金42億円の調達に対し、短期借入金の純減額11億円、長期借入金29億6千9百万円の返済及び配当金8千1百万円の支出等によるものであります。
③ 仕入及び販売の実績
当社はホームセンターを主たる事業とする一般小売業の単一セグメントであり、部門別に示すと次のとおりであります。
a.仕入実績
|
部門別 |
当事業年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
|||
|
金額(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
||
|
|
家庭雑貨・家庭電器 |
8,477,980 |
28.2 |
- |
|
|
趣味・嗜好 |
4,433,793 |
14.7 |
- |
|
|
農業・園芸 |
8,107,288 |
27.0 |
- |
|
|
建築・DIY |
7,814,616 |
26.0 |
- |
|
|
その他 |
1,213,699 |
4.0 |
- |
|
|
ホームセンター事業 |
30,047,378 |
99.9 |
96.7 |
|
|
関連事業 |
44,773 |
0.1 |
12.7 |
|
合計 |
30,092,151 |
100.0 |
95.7 |
|
b.販売実績
|
部門別 |
当事業年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
||||
|
金額(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|||
|
売上高 |
|
家庭雑貨・家庭電器 |
11,993,330 |
27.0 |
100.9 |
|
|
趣味・嗜好 |
6,349,934 |
14.3 |
97.5 |
|
|
|
農業・園芸 |
11,707,177 |
26.4 |
99.3 |
|
|
|
建築・DIY |
11,745,255 |
26.5 |
99.2 |
|
|
|
その他 |
1,409,643 |
3.2 |
118.5 |
|
|
|
ホームセンター事業 |
43,205,342 |
97.4 |
100.0 |
|
|
|
関連事業 |
277,183 |
0.6 |
51.1 |
|
|
|
売上高合計 |
43,482,525 |
98.0 |
99.4 |
|
|
営業収入 |
|
ホームセンター事業 |
882,559 |
2.0 |
101.9 |
|
|
関連事業 |
10,971 |
0.0 |
47.2 |
|
|
|
営業収入合計 |
893,531 |
2.0 |
100.5 |
|
|
売上高及び営業収入合計 |
44,376,056 |
100.0 |
99.4 |
||
(注)1 当事業年度より、ホームセンター事業の商品分類を変更いたしました。これに伴い、これまでの「園芸農業・資材工具」を「農業・園芸」と「建築・DIY」にそれぞれ独立して記載し、「趣味・嗜好」に含めていた灯油を「その他」に含める等の変更をいたしました。
前年同期比につきまして、販売実績におきましては組替後の金額により比較した比率となっております。部門別の仕入実績におきましては前事業年度の組替後の金額を正確に把握することが困難であることから記載を省略しております。
2 ホームセンター事業の各部門の内容は次のとおりであります。
|
家庭雑貨・家庭電器 |
台所用品、家庭用品、日用消耗品、食料品、電器パーツ、家電製品、収納・イン テリア等 |
|
趣味・嗜好 |
ペット用品、カー・レジャー用品、オフィス用品・文具等 |
|
農業・園芸 |
園芸・農業用品、園芸植物、農業資材、切り花、農業機械等 |
|
建築・DIY |
工具、補修・塗装用品、作業衣料、住設・エクステリア用品、建築金物、木材・ 建材等 |
|
その他 |
灯油等 |
3 関連事業の内容は次のとおりであります。
書籍・CD・DVD等
4 仕入実績の金額は、仕入価格によっております。
c.県別売上実績
|
県別 |
当事業年度 (自 2024年3月1日 至 2025年2月28日) |
|||||
|
金額 (千円) |
構成比 (%) |
前年 同期比(%) |
期末 店舗数(店) |
店舗数 前期比増減 (店) |
||
|
売上高 |
島根県 |
7,703,239 |
17.3 |
100.0 |
18 |
- |
|
鳥取県 |
3,384,216 |
7.6 |
100.7 |
12 |
- |
|
|
山口県 |
6,948,612 |
15.7 |
102.1 |
23 |
- |
|
|
岡山県 |
4,827,905 |
10.9 |
101.1 |
13 |
- |
|
|
広島県 |
11,848,737 |
26.7 |
100.3 |
31 |
- |
|
|
兵庫県 |
3,647,350 |
8.2 |
99.0 |
11 |
△3 |
|
|
京都府 |
3,444,631 |
7.8 |
101.7 |
6 |
- |
|
|
和歌山県 |
1,178,184 |
2.7 |
107.1 |
6 |
- |
|
|
奈良県 |
219,906 |
0.5 |
68.9 |
1 |
△1 |
|
|
その他 |
2,557 |
0.0 |
93.1 |
- |
- |
|
|
ホームセンター事業合計 |
43,205,342 |
97.4 |
100.0 |
121 |
△4 |
|
|
関連事業 |
277,183 |
0.6 |
51.1 |
1 |
△2 |
|
|
売上高合計 |
43,482,525 |
98.0 |
99.4 |
122 |
△6 |
|
|
営業収入 |
ホームセンター事業 |
882,559 |
2.0 |
101.9 |
- |
- |
|
関連事業 |
10,971 |
0.0 |
47.2 |
- |
- |
|
|
営業収入合計 |
893,531 |
2.0 |
100.5 |
- |
- |
|
|
売上高及び営業収入合計 |
44,376,056 |
100.0 |
99.4 |
- |
- |
|
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。この財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的な判断に基づき会計上の見積りを行っており、当該見積りは、現在入手可能な情報に基づく最善の見積りにより行っておりますが、見積り及び見積りに用いた仮定には不確実性が伴い、実際の結果はこれらの見積りとは異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当事業年度末の流動資産の残高は159億4千万円で前事業年度比5億3千6百万円(3.3%)の減少となりました。この主な要因は、商品4億8千4百万円の減少によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産の残高は229億2千8百万円で前事業年度比8億9千6百万円(4.1%)の増加となりました。この主な要因は、有形固定資産5億2千1百万円及び建設協力金4億3千4百万円の増加によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末の流動負債の残高は132億6千9百万円で前事業年度比1億7千4百万円(1.3%)の増加となりました。この主な要因は、1年内返済予定の長期借入金10億5千7百万円及び設備関係支払手形1億6千5百万円の増加に対して短期借入金11億円の減少によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債の残高は126億7千4百万円で前事業年度比8千9百万円(0.7%)の増加となりました。この主な要因は、長期借入金1億7千3百万円の増加によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産の残高は129億2千5百万円で前事業年度比9千6百万円(0.8%)の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金7千1百万円の増加によるものであります。
2)経営成績
当事業年度の営業収益(売上高及び営業収入)は443億7千6百万円となりました。
売上高は、「ホームセンター事業」が432億5百万円、「関連事業」が2億7千7百万円、売上高全体では434億8千2百万円で前事業年度比2億8千2百万円(0.6%)の減少となりました。なお、営業収益に占める売上高の割合は98.0%であります。
売上総利益は129億6百万円で、前事業年度比6千2百万円(0.5%)の増加となり、売上高に対する売上総利益率は29.7%で前事業年度比0.4ポイント上昇いたしました。
営業収入は、「ホームセンター事業」が8億8千2百万円、「関連事業」が1千万円、営業収入全体では8億9千3百万円で前事業年度比4百万円(0.5%)の増加となりました。なお、営業収益に占める営業収入の割合は2.0%であります。
営業総利益は、137億9千9百万円で前事業年度比6千7百万円(0.5%)の増加となり、営業収益に対する営業総利益率は31.1%で前事業年度比0.3ポイント上昇いたしました。
販売費及び一般管理費は、133億2千7百万円で前事業年度比8千6百万円(0.6%)の減少となり、営業収益販管費率は30.0%で前事業年度と同率となりました。
営業利益は4億7千2百万円で前事業年度比1億5千3百万円(48.1%)の増加、経常利益は4億5千8百万円で前事業年度比1億4千1百万円(44.5%)の増加、当期純利益は1億5千2百万円で前事業年度比3千6百万円(19.2%)の減少となりました。
また、1株当たり当期純利益は18.82円(前事業年度は1株当たり当期純利益23.29円)となりました。
これらの要因につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載しております。
b.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの分析につきましては、第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、主に自己資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金で調達しております。
2025年2月28日現在、長期借入金の残高は131億8千9百万円であります。また、当事業年度末において、㈱山陰合同銀行との間で合計40億円の当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております(借入実行残高5億円、借入未実行残高35億円)。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、営業収益早期500億円の復活と、経常利益率2%以上を目標としております。
当事業年度の営業収益は443億7千6百万円、経常利益は4億5千8百万円であり、前事業年度との対比で減収増益となりました。当事業年度においては営業収益、経常利益率とも目標とする指標を達成できませんでしたが、今後も継続して目標達成に向け取り組んでまいります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の営業基盤であります中国地方・近畿地方は、同業他社を始め、多店舗展開を進めるドラッグストア、大規模商業施設等の出店により競争が激化しており、取り巻く環境は厳しさを増しております。また、エネルギーコスト及び物流コスト等の増加や天候要因等が、経営成績に影響を及ぼすことが予測されます。
このような要因に対して、「ホームセンターは、農業、園芸、資材、金物、工具、ワーキングの専門店である」の基軸にもとづき、商品・販売施策強化と、修理・貸出・技術提供等のサービス面の充実を図ってまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。