第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

 

回次

国際会計基準

移行日

第17期

第18期

決算年月

2023年3月1日

2024年2月

2025年2月

売上収益

(千円)

7,330,186

11,649,705

税引前利益

(千円)

1,574,727

2,461,226

親会社の所有者に帰属する
当期利益

(千円)

1,161,035

1,799,365

親会社の所有者に帰属する
当期包括利益

(千円)

1,177,694

1,866,419

親会社の所有者に帰属する
持分

(千円)

3,762,239

4,251,405

4,571,842

総資産額

(千円)

5,441,805

6,939,128

8,602,846

1株当たり親会社所有者
帰属持分

(円)

237.5

271.35

295.46

基本的1株当たり当期利益

(円)

73.41

113.39

希薄化後1株当たり
当期利益

(円)

72.70

112.55

親会社所有者帰属持分比率

(%)

69.1

61.3

53.1

親会社所有者帰属持分
当期利益率

(%)

29.0

40.8

株価収益率

(倍)

45.8

41.9

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

1,255,266

1,909,176

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

331,578

349,743

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

599,043

3,022,987

現金及び現金同等物

の期末残高

(千円)

3,925,835

4,250,479

3,486,412

従業員数

(名)

908

1,213

2,238

〔ほか、平均臨時
雇用人員〕

-〕

-〕

-〕

 

(注) 1.第18期より国際会計基準(以下「IFRS会計基準」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。

2.当社は、2023年11月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第16期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり親会社所有者帰属持分、基本的1株当たり当期利益及び希薄化後1株当たり当期利益を算定しております。

 

 

 

回次

日本基準

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

決算年月

2021年2月

2022年2月

2023年2月

2024年2月

2025年2月

売上高

(千円)

5,244,343

7,330,186

11,649,705

経常利益

(千円)

1,033,662

1,558,439

2,205,914

親会社株主に帰属する
当期純利益

(千円)

793,970

1,171,690

1,764,075

包括利益

(千円)

793,970

1,171,690

1,764,075

純資産額

(千円)

3,714,683

4,197,845

4,415,938

総資産額

(千円)

5,227,584

6,259,712

7,665,953

1株当たり純資産額

(円)

234.37

267.32

284.14

1株当たり当期純利益金額

(円)

50.55

74.09

111.16

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

49.63

73.37

110.34

自己資本比率

(%)

71.0

66.9

57.4

自己資本利益率

(%)

21.4

29.7

41.1

株価収益率

(倍)

39.1

45.4

42.7

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

852,193

1,191,040

1,639,831

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

107,006

331,578

349,743

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

196,674

534,816

2,753,642

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

3,925,835

4,250,479

3,486,412

従業員数

(名)

908

1,213

2,238

 

(注) 1.第18期の諸数値につきましては、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

2.第16期より連結財務諸表を作成しているため、それ以前については記載しておりません。

3.第16期の自己資本利益率は、連結初年度のため、期末自己資本に基づいて計算しております。

4.平均臨時雇用者数は、その総数が従業員数の100分の10未満のため、記載を省略しております。

5.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第16期の期首から適用しております。

6.当社は、2023年11月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っております。第16期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を算定しております。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

 

回次

第14期

第15期

第16期

第17期

第18期

決算年月

2021年2月

2022年2月

2023年2月

2024年2月

2025年2月

売上高

(千円)

3,084,973

3,922,944

4,832,546

6,061,399

7,210,318

経常利益

(千円)

542,494

688,011

1,004,868

1,491,675

1,832,364

当期純利益

(千円)

415,711

542,774

782,315

1,146,324

1,358,826

持分法を適用した
場合の投資利益

(千円)

資本金

(千円)

50,000

592,800

599,361

601,421

603,697

発行済株式総数

(株)

720,000

7,790,000

7,920,500

15,892,600

16,034,354

純資産額

(千円)

1,277,378

2,905,753

3,703,028

4,160,824

4,032,653

総資産額

(千円)

2,400,784

3,901,230

5,100,965

5,938,968

6,079,271

1株当たり純資産額

(円)

177.41

373.01

467.26

264.96

255.56

1株当たり配当額

(1株当たり中間配当額)

(円)

(-)

(-)

(-―)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益金額

(円)

28.87

36.94

49.81

72.48

85.63

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益金額

(円)

35.93

48.90

71.78

84.99

自己資本比率

(%)

53.2

74.5

72.6

69.9

65.0

自己資本利益率

(%)

38.9

26.0

23.7

29.2

33.5

株価収益率

(倍)

28.4

39.7

46.4

55.5

配当性向

(%)

営業活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

352,910

492,893

投資活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

85,727

15,306

財務活動による
キャッシュ・フロー

(千円)

64,175

895,066

現金及び現金同等物
の期末残高

(千円)

1,580,707

2,983,973

従業員数

(名)

523

653

771

886

1,087

株主総利回り

(%)

188.8

320.8

453.5

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(-)

(-)

(108.5)

(149.4)

(153.2)

最高株価

(円)

2,282

4,335

3,705

(7,410)

5,830

(11,660)

最低株価

(円)

1,720

1,909

1,875

(3,750)

3,115

(6,230)

 

 

(注) 1.持分法を適用した場合の投資利益については、関連会社が存在していないため記載しておりません。

     2.第14期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は非上場であり、期中平均株価が把握できないため、記載しておりません。

   3.当社は、2021年11月30日に東京証券取引所マザーズに上場したため、第15期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、新規上場日から第15期の末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。

     4.1株当たり配当額及び配当性向については、配当を実施していないため、記載しておりません。

     5.第14期の当社株式は非上場であるため株価収益率を記載しておりません。

     6.2019年5月29日開催の定時株主総会決議により、2019年6月1日付で普通株式1株につき1.2株の株式分割を行い、2021年7月14日開催の取締役会決議により、2021年7月29日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行い、2023年10月11日開催の取締役会決議により、2023年11月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っておりますが、第14期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額、1株当たり当期純利益金額及び潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額を算定しております。

7.第16期及び第17期の株主総利回り及び比較指標は、2022年2月末を基準として算定しております。

8.平均臨時雇用者数は、その総数が従業員数の100分の10未満のため、記載を省略しております。

9.2021年11月30日付をもって東京証券取引所市場マザーズに株式を上場いたしましたので、第14期および第15期までの株主総利回り及び比較指標については記載しておりません。

10.最高株価及び最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所マザーズにおけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所グロース市場におけるものであります。なお、2021年11月30日付をもって同取引所に株式を上場いたしましたので、それ以前の株価については記載しておりません。なお第17期および第18期の株価については株式分割後の最高株価及び最低株価を記載しており、株式分割前の最高株価及び最低株価は括弧内に記載しております。

11.第16期より連結財務諸表を作成しているため、第16期以降の営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フロー及び現金及び現金同等物の期末残高は記載しておりません。

12.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第16期の期首から適用しております。

 

 

2 【沿革】

 

年月

概要

2007年4月

東京都文京区湯島に、㈱ニキティスの100%子会社としてネットワークインテグレーション事業を事業目的とした、㈱ボードルア(資本金250万円)を設立

2007年6月

業務拡大により、本社を東京都渋谷区桜丘町に移転

2009年1月

業務拡大により、本社を東京都渋谷区代々木に移転

2009年9月

一般労働者派遣事業許可証を取得

2010年6月

業務拡大により、本社を東京都港区六本木に移転

2011年12月

業務拡大により、本社を東京都港区赤坂に移転

2012年2月

資本金を1,000万円へ増資

2012年3月

第二オフィスを東京都港区六本木に開設

2012年9月

ISO27001(ISMS:情報セキュリティマネジメントシステム)を取得

2016年8月

資本金を3,000万円へ増資

2017年12月

資本金を5,000万円へ増資

2019年2月

普通株式1株につき1,000株の割合で株式分割

2019年5月

()ニキティスから新設分割した()サーディンの子会社となる

2019年6月

普通株式1株につき1.2株の割合で株式分割

2019年6月

()サーディンとの間で当社を存続会社とする吸収合併を実施

2019年11月

本社に統合した第二オフィスを東京都港区六本木に再開設

2020年7月

第三オフィスを東京都港区六本木に開設

2021年1月

請負案件の受注増加により、第二オフィスを増床

2021年7月

社内研修施設拡張のため、第三オフィスを増床

2021年7月

普通株式1株につき10株の割合で株式分割

2021年11月

東京証券取引所マザーズに株式を上場

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより東京証券取引所マザーズからグロース市場へ移行

2022年4月

株式会社ZOSTECを連結子会社化

2023年3月

ALJOY株式会社を連結子会社化

2023年6月

請負案件の受注増加により、第二オフィスを東京都港区麻布台に移転

2023年11月

普通株式1株につき2株の割合で株式分割

2023年12月

業務拡大により、本社を東京都港区麻布台に移転

2023年12月

第三オフィスを本社に統合

2024年3月

株式会社FunClockを連結子会社化

2024年6月

株式会社アクティアスを連結子会社化

 

 

3 【事業の内容】

事業領域

当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、ITシステムの中でもITインフラストラクチャ分野に特化した事業を行っております。パソコンやスマートフォン、その他様々なアプリケーションやシステムを利用するためには、システムを動作させるサーバー、システムに接続するためのネットワーク、安全な通信・情報を守るためのセキュリティ、これらが構成されITサービスの利用が可能になるため、ITインフラストラクチャは今や生活インフラの一部となっております。当社はITインフラストラクチャにおける、ITコンサルティング、設計構築を行うマルチベンダー構築支援、運用保守を行うマネージドサービス、オンプレミス(※1)だけでなくクラウド(※2)上でITインフラストラクチャを稼働させるクラウド基盤導入支援を行っております。

 

本分野は、ITシステム全体をターゲットにしているシステム開発会社も行っておりますが、DX(※3)推進、IoT(※4)活用、サーバー仮想化技術(※5)及びオンプレミスに代わるクラウド利用の増加、無線LANインフラの拡大、ローカル5G(※6)の導入など社会的ニーズの多様化により、大容量のデータ通信やセキュリティ問題への対応など、従来に比べてITシステムはより複雑に、より専門性が高く高度な技術が必要な時代となってきているため、専門性のあるIT会社が注目を浴びるようになってきております。

 

IDC Japan株式会社(以下、「IDC Japan」)の「国内ITインフラストラクチャサービス市場予測、2023年~2028年」によると、2023年のITインフラストラクチャサービス市場の市場規模は2兆699億円であり、ITインフラ環境の複雑化も益々進み、2028年の市場規模は2兆4,619億円、2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は3.5%になると予測されています。(※7)

 

ITシステムのパラダイムシフトが起こる中、当社ではSDN(※8)やセキュリティ、ワイヤレス接続、ロードバランサー(※9)、クラウド、など特に専門性の高い領域にも注力することで、当該領域における2025年2月期の全体に占める売上比率は、それぞれSDN(10%)、セキュリティ(18%)、ワイヤレス接続(18%)、ロードバランサー(22%)、クラウド(26%)となりました(売上比率には2つ以上の分野の重複売上も含んでおります)。専門領域に特化した技術に取り組み、競争力を高めることにより、先行き不透明なの時代背景のなかでも堅調に成長し、2025年2月期の営業利益成長率は55.2%、営業利益率は21.1%となりました。

 

 

当社の事業領域

当社の事業領域を図示すると下記の通りとなります。

 


※1 オンプレミス(英:on-premises)

自社の中で情報システムを保有し、自社内の設備によって運用すること。

現在、クラウドサービスなど外部サーバーを使用することが一般化してきており、従来型の自社運用の総称として使われる。自社で自由にカスタマイズできる反面、一般に費用やサービス変更、災害時の対応などは、クラウドが優れている。

 

※2 クラウド(英:cloud)

コンピューターの利用形態のひとつ。インターネットなどのネットワークに接続されたコンピューター(サーバー)が提供するサービスを、利用者が必要に応じて利用できる仕組み。

クラウドサービスは、利用者側にハードの購入やソフトのインストールも不要であるため、アカウントがあればどの端末、どの場所からでもアクセスできる利便性が最大の特徴。

 

※3 DX(英:Digital Transformation)

デジタルトランスフォーメーション:

2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念。IoT、AI(人工知能)、ビッグデータなど、デジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセスを変革し、競争上の優位性を確立すること。それによって企業として安定した収益を得られるような仕組みを作ること、略称は「DX」。

 

 

※4 IoT(英:Internet of Things)

これまでインターネットに繋がっていなかったモノをインターネットに繋げる技術・仕組み・状態等を指す表現。

従来インターネットはコンピューター同士(IT関連機器)を接続するためのものだったが、IT技術の発達により、現在ではスマートフォンやタブレット端末、テレビやスマートスピーカー等のデジタル情報家電をインターネットに接続する流れが増加。

また、今後はデジタル化された映像、音楽、写真、文字情報や様々なデータがインターネットを介して伝達されることが予想される。

 

※5 サーバー仮想化技術(英:virtualization)

1台のサーバー上で複数システムを同時動作させることで、複数の業務システムの処理を可能にする技術。1台の物理サーバーではあるものの、複数のサーバー(論理サーバー)が稼働する仮想的環境を構築することで多くの業務処理を行えるだけでなく、サーバーリソースの無駄がなく、より有効な活用が可能となる。

同様に、ネットワークやデスクトップ仮想化技術も論理構成を利用することで、より有効で拡張性の高い管理を可能とする。

 

※6 5G(英:5th Generation)

次世代通信規格、第5世代移動通信システムのこと。「高速・大容量」「低遅延」「多数端末との接続」という3つの特徴を持つ。従来の通信機器をはじめ、ドローン、自動運転、遠隔医療など様々な分野での活用が見込まれている。

 

※7 出典:

IDC Japanプレスリリース「国内ITインフラストラクチャサービス市場予測を発表」(2024年10月15日)

 

※8 SDN(英:Software-Defined Networking)

SDNはソフトウエアによって仮想的なネットワーク環境を作る技術。ネットワークをソフトウエアで集中制御することで、ネットワーク構成や設定などを柔軟に動的に変更することができる技術のこと。

SDNを導入することで物理的な制約に縛られず、ネットワーク構成の大幅な変更が可能となる。

 

※9 ロードバランサー(英:Load Balancer)

サーバーにかかる負荷を、平等に振り分けるための装置またはその仕組み(ロードバランシング)。

これによって、例えばWebサイトへのアクセス集中やサーバー故障などの場合でも、アクセス中の利用者に安定したサービス提供ができるなど、1つのサーバーにかかる負担を軽減することができる。

 

 

 

・業務内容

当社はITインフラストラクチャにおける、コンサルティングから保守運用まで、高度な顧客ニーズに応えるサービスと技術を提供しております。

ITインフラストラクチャの新規導入やシステム更改における現状の課題や要望をヒアリング、要件定義を行い、設計いたします。得意分野である基本的なネットワーク・サーバーの構築の他、近年需要が高い仮想化、ロードバランサー、セキュリティ、ワイヤレスなど、オンプレミス・クラウドどちらの環境上でも設計・検証・構築を支援し、構築後は導入、運用(監視、保守、障害分析、改善業務など)もサービス提供しております。


 

(1)売上分類

当社のサービス提供に関する売上分類としましては、主に次の2種類に分類されます。

 

① フロー型売上

プロジェクト別に単発での作業となります。業務の遂行に要した時間に対して、事前に決めたサービス提供者の時間単価を乗じた報酬を受領、または依頼を受けた成果物提供についての見積りを提示し、成果物が完成後、納品検収ベースで報酬を受領しております。保守運用業務に至るまでに、インフラの構築に関するコンサル業務、要件定義、システムの構築など多岐にわたる依頼を受けており、この業務を遂行した結果、保守運用フェーズに移行するため②ストック型売上へと発展していくことがあります。
 

② ストック型売上

システムの保守運用維持費用として月額報酬を受領しており、本収入は、継続性が高く安定収益の基盤となっております。当該サービスの継続性が高い理由としては、対応しているシステムが存在している限り保守・運用は必要となるものであり、また、当社の高い技術レベルが評価されたものと考えております。

当社では、1年以上継続してサービス提供を行う契約が年々増えており、ストック型売上も毎年増加しております。今後も継続性の高い案件は安定した収益の柱となると見込んでおります。ストック型売上の継続状況につきましては、下記プロジェクト開始時期別のストック型売上推移をご参照ください。

なお、本業務遂行の結果、日常でのコミュニケーション及び相談を受ける機会が増加するため、①フロー型売上へと発展していくことも多々あります。

 

 上記2分類に大別した場合の売上高(単体)の推移は下記となっております。

(単位:千円)

 

2020年

2月期

2021年

2月期

2022年

2月期

2023年

2月期

2024年

2月期

2025年

2月期

フロー型売上

1,104,251

1,345,354

1,642,533

2,297,224

3,195,472

3,811,395

ストック型売上

1,543,755

1,739,618

2,280,410

2,535,323

2,865,916

3,398,923

 

 

 

(2)顧客属性

当社の顧客を大別すると、事業会社(IT通信業、金融業、流通業、医療、官公庁等)、事業会社の情報システム関連子会社、通信事業者、又当社と同業となる事業者であり、これらの幅広い業種の顧客に対応したネットワーク、サーバーの設計構築業務、運用保守業務を提供しております。当社は幅広い業種の顧客に専門技術を要するサービスを提供することで収益性を向上させております。

今後IT技術が益々進化していき、それに伴い分野別の専門性が高まり、システムへの投資が拡大すると当社としては考えておりますが、当社はエンタープライズ顧客(※10)との取引拡大・深耕に注力しております。

エンタープライズ顧客は、案件における先端技術分野の割合が多く、採算性が高くなる傾向があることもあり、今後はこれまで蓄積してきた技術ナレッジをエンタープライズ顧客へ重点的に展開することにより、合計売上割合を増加させていくことに注力してまいります。

 

エンタープライズ顧客 合計売上の推移

 


 

※10 顧客セグメントについて

エンタープライズ:日経225、日経400、日経500のいずれかに採用されている企業、または売上500億円以上の企業
 

 

 

 事業系統図

当社の事業系統図は、下記の通りとなります。

 


 

※11 ブリッジSE

お客様先に常駐しフロント業務を行い、案件を弊社へ橋渡しする役割のエンジニア。

 

(3)人材教育及び育成

ITインフラストラクチャ分野のサービスでは、高度な専門性を持った技術力が求められておりますが、この技術力を維持、強化するためには継続的な従業員教育が極めて重要となります。

当社では、効率的な人材の育成と継続的な教育を重要な経営戦略と位置づけ、新卒採用を開始した2014年以降、人材教育のナレッジを蓄積してきました。全社員を対象とした教育プログラムは年々充実してきております。主な教育プログラムは以下のとおりです。

 

教育プログラム:

・資格取得マラソン(年数回行われる資格取得イベント)

定期的に資格取得強化期間を設け資格取得を促します。資格保有者である有識者がマンツーマンで研修を行い各社員知識の習得に努めます。

 

・ボードルアカレッジ

資格取得で得た知識や業務で必要とされる知識の理解を深めるための実技演習プログラムです。社内における有識者とマンツーマン体制で実機を用いてシステムを構築する演習を行います。(実技演習、実技試験)

 

・その他

技術推進委員会やリーダー研修、優秀者表彰制度などがございます。

 

 

上述の通り、社員がこれらの研修プログラムを通して技術向上に努めている事が大きな特徴と言えます(ボードルアカレッジ参加率89.72%(対象者:2022年3月~2023年2月入社社員))。また、2024年2月期より社内認定試験を新設し、ボードルアカレッジに加え細かく目標を設定することにより、自主的な学習を促しております。マンツーマンで手厚い指導と技術研修を行っておりますが、社員一人ひとりが自己研鑽に取り組むよう、きめ細かくフォローアップを行っており、コミュニケーションを通じてモチベーションを維持していくことが育成において重要と認識しております。

 

また、当社がITインフラストラクチャ関連の案件向けサービスを重点的に提供しているため、当初の数年間はネットワーク・サーバーに関する基礎的なフェーズ(構築補佐、保守、運用監視等)や技術領域(ルーター、スイッチ、サーバー基礎)の業務を経験し、その後より難易度の高いフェーズ(コンサル、要件定義、設計、構築)や技術領域(SDN、クラウド、セキュリティ、ロードバランサー、仮想化等)に能力、技術力を高めていくことができる体制を整えております。

 

資格取得者数            (2025年2月現在)

ネットワーク関連資格

CCNA資格(※12)

CCNP資格(※13)

882名

388名

 

 

※12 CCNA

CCNA(Cisco Certified Network Associate)とは、シスコシステムズ社が提供する、ネットワークエンジニアの技能を認定する資格。同社の主力商品であるCiscoルーター、スイッチに関する技術力の証明となるだけでなく、基礎的なネットワーク技術を持つことの証明となる。

※13 CCNP

CCNP(Cisco Certified Network Professional)とは、世界最大手のネットワーク関連機器メーカーであるシスコシステムズ社が提供するシスコ技術者認定のうち、プロフェッショナルレベルの技術者を認定する資格のこと。下記CCNAの上位資格として位置づけられており、ネットワークの導入、運用、保守などを行うための応用的な技術を持つことの証明となる。

 

4 【関係会社の状況】

 

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業の内容

議決権の所有

(又は被所有)

割合(%)

関係内容

株式会社ZOSTEC

東京都渋谷区

20,000

ネットワーク・サーバーインテグレーション事業

100.0

従業員の

役員兼務1名

ALJOY株式会社

東京都渋谷区

20,000

ネットワーク・サーバーインテグレーション事業

100.0

従業員の

役員兼務1名

株式会社FunClock

東京都港区

20,000

テスト、検証、品質管理業務等

100.0

役員兼務2名

株式会社アクティアス

東京都港区

20,000

ネットワーク・サーバーインテグレーション事業

100.0

役員兼務2名

 

(注)1.当社グループは、単一の報告セグメントであるため、「主要な事業の内容」欄には関係会社が行う主要な事業を記載しています。

2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

 

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

2025年2月28日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

ITインフラストラクチャ事業

2,238

 

(注) 1.従業員数は就業人員(当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者の総数は、100分の10未満のため記載を省略しております。

2.ITインフラストラクチャ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の従業員数の記載は行っておりません。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 2025年2月28日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

1,087

28

3.5

4,090

 

(注) 1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者の総数は、100分の10未満のため記載を省略しております。

2.平均年間給与は、1年以上在籍したものの平均であり、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社は、ITインフラストラクチャ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び男女の賃金の差異

① 提出会社

当事業年度

補足説明

管理職に占める女性労働者の割合(%)

(注)2

男性労働者の育児休業取得率(%)(注)3

労働者の男女の賃金の差異(%)(注)1

全労働者

正規雇用労働者

パート・

有期労働者

69.0

91.0

91.0

 

(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。創業期入社の社員が男性偏重であったため、現時点の年次による年収等の男女比には差が生じておりますが、同年次の社員においては、性別に関係なく同一の基準を適用しております。

2.管理職に占める女性労働者の割合は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。

3. 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(1991年労働省令第25号)第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。

 

② 連結子会社

当社の子会社である株式会社アクティアスの労働者の男女の賃金差異は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出し96.9%です。株式会社ZOSTEC、ALJOY株式会社、株式会社FunClockは「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)の規定による公表義務の対象ではないため、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異の記載を省略しております。