文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
当社グループでは、“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ” の企業理念のもと、日本の未来を担う若者に住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献いたします。
① 企業理念“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”
日本の、そして地球のよりよい未来をつくるために、私たちセレコーポレーションが果たすべきこと。それは、この国の豊かさをつくりだした先人たちに敬意を表し、感謝の気持ちを抱きながら、この豊かさがよりいっそう広がる未来を描くこと。
そのために社会に貢献する永続企業でなければならないと考えます。
② 事業目的
「ゲストに最高の笑顔と感動を届け続ける」
生き方にこだわる若者たちの住まいの選択肢を増やし、住まいを通して「最高の笑顔と感動」を提供し続けることで、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼になること。これこそが、私たちセレコーポレーションの社会における存在意義であり、社会貢献であると位置づけています。
「社員一人ひとりのしあわせの総和が企業価値」
私たちが実現したい企業価値とは、社員一人ひとりの「しあわせ」の総和という、私たち独自の指標です。会社にとって一番の財産は社員であり、社員一人ひとりの「物心両面のしあわせ」を大切にしたいと考えています。
この「しあわせの総和」が大きくなればなるほど、より大きな歓びと感動をゲストに届けることができ、さらにオーナーさまの歓びへとつながり、社会が豊かになり、その果実として、私たちの企業価値が高まっていくと信じています。
③ 経営方針「持続可能な安定的成長」
成熟期を迎えている内需型事業を展開する私たちセレコーポレーションにとって大切なこと。それは、リスクの高い性急な成長路線を志向したり、いたずらに規模を追うことではなく、身の丈に合った堅実経営を貫き永続企業を目指すことです。
私たちは、理想として掲げる事業目的を達成するためにも、独創の事業基盤、確固たる経営基盤のもと、他が追随できない圧倒的な差別化の独自路線を邁進することで社会に存在感を発揮し、永きにわたり持続し、事業で社会に貢献する安定した成長を果たしていきたいと考えます。
④ 行動指針「信頼」「人財」「変化」
私たちセレコーポレーションの価値創造のために守るべき原則、それが行動指針です。
「信頼」と「人財」、そして「変化」。それぞれの言葉に、私たちの想いや信念、価値観を託しています。
「信頼」とは、社会の一員である私たちが、企業として果たすべき約束を守り続けることで得られるものです。会社そのものへの信頼、入居するゲストからの信頼、そして、住まいの品質やブランドに対する信頼。
私たちは、決して一朝一夕では得ることのできない信頼という価値を、日々の事業活動の積み重ねの中で培っていきます。
「人財」とは、会社にとって社員が何よりも大切な財産であると考えます。私たちセレコーポレーションでは「人材」と記さず、「人財」と記しています。
一人ひとりの社員がよりいっそう魅力ある人財に育っていくことで、私たちの会社は、さらに魅力ある会社へと成長していくと考えています。
「変化」とは、会社の成長を推進する原動力です。環境の変化をいち早く読み取り、柔軟かつ迅速に対応すること。そして、自らも変化することを恐れず、変化することに積極果敢に挑み、常に進化し続ける先に、豊かな未来が広がっていくと考えています。
⑤ 長期経営ビジョン「ビジョン2030」
当社では、2030年に向けて“ありたい姿”を定め、その実現のための長期経営ビジョン「ビジョン2030」を策定いたしました。この「ビジョン2030」は、さらに長期の経営ビジョンである「CEL未来戦略」の実現に向けた通過点との位置づけです。
「ビジョン2030」の基本戦略のコンセプトは、当社の企業理念に基づく原理原則「セレフィロソフィ」と「CEL未来戦略」に基づき、あくまで本業の付加価値を高めるため、本業及び本業周辺ビジネスの多面的経営の展開により目標を達成することを目指すものです。
ビジョン2030 ~企業価値の極大化と物心両面の「しあわせ」の実現~
・アパート専門メーカーとしてニッチトップの実現
・高付加価値追求による粗利益率の向上
<重要指標> ※目標年度は2030年2月期
売上高400億円、営業利益40億円、営業利益率10%、ROE10%、PBR1倍
平均年収900万円、週休3日制
今後の我が国経済は、企業収益、雇用・所得環境の改善等により景気は緩やかな回復を続けることが期待されるものの、人財不足や物価上昇、ウクライナ及び中東の地政学的リスク、米国の今後の政策動向による世界経済への影響など、依然として不透明な状況が続くものと想定されます。
また、新設貸家着工戸数は、各月の増減はあるものの、全国では概ね前年並みに推移しましたが、当社グループの事業エリアとなる東京都では前年を6.9%下回る結果となりました(出典:国土交通省「建築着工統計調査」)。
なお、当社の事業エリアである東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の人口流動は、転入超過が続いている状況です。
当社は、東京圏において生き方にこだわりを持つ25歳から35歳を中心とした若者たちに「最高の笑顔と感動を届け続ける」ことをモットーに、経営方針である「持続可能な安定的成長」を実現するため、確立された企業理念と事業目的の下、顧客・エリア・商品・構法など事業ドメインを選択と集中により絞り込み(ニッチ戦略)、いたずらに規模を追わず経営資源を集中させております。また、ゲスト(入居者)の多様な生活シーンに対応する平面に高さを加えた立体的な空間設計を主軸とした差別化商品を提供することによって、同じような間取りによる他社との価格競争を排しております。土地有効活用のコンサルティングから、建物の企画・設計、自社工場での構造部材製造、建物の自社建築、完成後のオペレーションまで一貫して担う「アパート専門メーカー」として収益性の高い独自のビジネスモデルを確立していくことを戦略としております。
各ビジネスモデルの事業戦略は下記のとおりです。
賃貸住宅事業
賃貸住宅事業におきましては、保有する土地の有効活用を検討しているオーナーさまに対し、赤煉瓦調の外壁とデザイン性のある門柱、オートロックや防犯カメラを標準装備し、各住戸を立体的に空間設計した当社基幹ブランド「My Style vintage」を主軸に、アパート経営の企画、設計、施工等を行っております。また、営業面ではオーナーさまがアパート経営を通じて実現したいことは何かを顕在化し、目的達成に向けた課題解決のため、ファイナンシャルプランナー的手法にて総合的な資金計画を提案し、経済的側面から実現に導くことができるようコンサルティング力の強化を図っております。
これらに加えて、今後は、IoTスマートアパート(オートロックの共用インターホンとスマートフォンが連動し、不在時でも宅配便や来客対応が可能なほか、室内の照明器具やエアコンなどをスマートフォンで操作でき、セキュリティセンサーや防犯カメラとスマートフォンが連動できるアパート)の商品化によって競争力強化を図るほか、SDGsに賛同し、高断熱材、ペアガラスサッシ等により断熱性を高め、省エネエアコンや高効率給湯器、LED照明などの省エネ設備の導入により消費エネルギーを低減したアパートへの取り組みなど、アパート建築を通した社会貢献を行ってまいります。
賃貸開発事業
2020年10月より事業を開始した賃貸開発事業におきましては、不動産購入資金に対する家賃収入といった投資利回りよりも、エリアや駅近など地価が下落しづらいことを物件選択において重視される土地を保有されていない富裕層に対して、豊かな資産承継に貢献できるようなアパート経営の提案を行うことで、当社の新たな収益基盤の構築に取り組んでおります。
また、新たな収益基盤を目指し、城南(品川区・目黒区・港区・大田区)・城西(渋谷区・新宿区・世田谷区・中野区・杉並区・練馬区)エリアに絞込み、駅からの距離・規模・ルックスなどを基準に、将来にわたり価値を維持できるような土地を仕入れ、その土地の資産価値に相応する付加価値の高い「My Style vintage」を建築し販売を行ってまいります。
賃貸経営事業
賃貸経営事業におきましては、賃貸住宅事業及び賃貸開発事業と協働して受注前の段階から同行訪問営業を強化し、管理物件の受託営業活動に注力しております。
また、管理アパートの入居者募集などを行う賃貸仲介協力業者の組織であるセレリーシングパートナーズ(2025年2月末で16社)、日常の建物点検、清掃や維持管理業務などを委託するメンテナンス協力業者の組織であるセレメンテナンスパートナーズ(2025年2月末で10社)により業者間との連携強化に努め、ゲストに対する課題を共有することにより、機動的かつきめ細やかなサービスの提供に努めてまいります。
さらに、建物修繕などのメンテナンスに加え、オーナーさまの大切なアパート資産を長期にわたりサポートする建物延長保証制度の提供、オーナーさまの賃貸収益向上に繋がるリフォーム、リノベーションにも積極的に取り組んでまいります。
ビジョン2030 ~企業価値の極大化と物心両面の「しあわせ」の実現~
・アパート専門メーカーとしてニッチトップの実現
・高付加価値追求による粗利益率の向上
<重要指標>
当社は、アパート経営において、コンサルティングから賃貸経営までワンストップでオーナーさまの人生設計における課題解決に向けた選択肢を提供し、フルサポートできる体制づくりを目指しております。
アパート専門メーカーとして、アパート経営に特化し、若者のニーズに合った空間設計とモノづくりによる差別化により付加価値を提供し、経営方針である「持続可能な安定的成長」を実現するために優先的に対処すべき課題は以下のとおりであります。
「ビジョン2030」を達成するためには、優秀な人財を継続的に確保し、育成することが最も重要であると認識しております。そのため当社では、全ての従業員に対し、自己研鑚を重ね、高い専門性を身に付けること、自律的に行動していくことを求めております。
持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現していくことを目的として、社員一人ひとりの役割と責任を明確にして、個々が最大限に力を発揮することを促進するため、ジョブ型人事制度を導入しております。
また、当社はカンパニー制を導入し、カンパニーごとの判断の迅速化に加え、カンパニー長の成長により次世代の経営者の育成へと繋げております。
当社は、付加価値向上による収益力強化と効率性重視による費用削減から、高利益体質の創出を目指します。そのためには、さらなる生産性の向上が必要と考えております。
デジタル化による効率化、技術改革による工期短縮、建設現場におけるIT導入による安全性確保及び効率化推進、共通部材による生産の効率化を進めます。
当社は、付加価値向上による収益力強化と効率性重視による費用削減から、高利益体質の創出を目指します。当社の旗艦ブランド「My Style vintage」の商品構成比を100%まで高めるほか、当社独自の賃貸・建物管理メニューを提供してまいります。
あわせて、着実かつ安定的な成長の実現のため、賃貸住宅事業、賃貸開発事業及び賃貸経営事業を通じて構築されるオーナーさま及びゲストとのネットワークをリソースとする派生ビジネスを主軸とした新規ビジネスモデルを構築し、多面的経営の展開を目指してまいります。
④技術力の強化
日本製鉄株式会社(旧:新日鐵住金株式会社)との共同開発により主要鋼材の軽量化と耐久性強化を実現した“新型式構法:セレZ” の活用により、敷地対応への更なる自在性の向上を図るとともに、生産性の向上とコスト低減を目指してまいります。
また、2020年10月に国土交通大臣より型式部材等製造者認証を千葉工場で取得し、生産品質の更なる均一化を図るほか、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上の共同研究を行うなど、新たな部材の開発と効率的な施工方法の研究を進めてまいります。
当社グループの継続的な発展のためには、コーポレート・ガバナンス機能の強化が重要な課題であると考えております。財務報告の信頼性を確保するため、内部統制システムの適切な運用が重要であると認識しており、カンパニーごとに内部統制の専任担当者を配置し、ガバナンスの強化を図っております。ステークホルダーに対して経営の適正化や健全性を確保しつつ、より一層効率化された組織体制の構築に向けて内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
当社は、当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所が定める流通株式比率は当社の上場するスタンダード市場においては25%以上と定められております。
当社の流通株式数は投資家の売買を通じて変動いたしますが、当社はその動向を注視し、必要に応じて主要な株主に保有株式の売出し等にご協力をいただくなど、当社株式の流動性向上に努めてまいる方針です。
2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
現在、当社グループでは取締役会、未来戦略会議、常勤役員会議を中心としたガバナンス体制を構築しておりますが、サステナビリティに関するリスク及び機会を識別し、監視・管理するための体制は構築できていません。
今後は、サステナビリティ推進のための仕組みを構築し、事業活動や社会問題との関連性についての議論と整理を行ってまいります。また、事業活動に重大な影響を及ぼす懸念のあるリスクについての識別、評価を行い、社会課題の解決と当社グループの持続的成長の両面で重要課題として取り纏めを行い、取締役会においてリスク及び機会の審議及び監督を行う体制を構築してまいります。
当社グループは、“子どもたちの 子どもたちの 子どもたちへ”の企業理念のもと、日本の未来を担う若者たちに住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献すべく、事業を展開しております。
当社グループは「アパート専門メーカー」として提供する商品の「付加価値」にこだわり、オーナーさまへ提供しております。一例としては、高い断熱性能の断熱材や省エネ性能の高い照明等を取り入れた「東京ゼロエミ住宅」仕様についてオーナーさまへご提案することにより、持続可能な安定的成長及び脱炭素社会の実現に向けて推進しております。また、「住宅性能表示制度」における評価項目の一つである耐震等級について、その最高基準である「耐震等級3」への対応も可能とする等、ゲスト(居住者)の安全性向上の面からも、さらなる「付加価値」を提供しております。
(3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
会社にとって社員が何よりも大切な財産であるという考えから、当社では「人材」と記さず、「人財」と記しております。一人ひとりの社員がよりいっそう魅力ある人財に育っていくことで、私たちの会社は、さらに魅力ある会社へと成長していけると考えています。
企業価値を高めていくためには人的資本は経営の根幹に位置付けられるものと捉えております。
長期経営ビジョン「ビジョン2030」と連動した人財戦略を策定、実行してまいります。とくに、人財の活性化、人財育成、人財獲得、環境整備の観点から、企業価値を極大化するための施策を実行します。
“ありたい姿”をいかに実現するかという観点から、人財戦略を策定・実行して持続的な企業価値向上を目指します。
リスク管理に係る重要な事項は取締役会または常勤役員会議で決定しております。代表取締役山口貴載を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を設置し、想定されるリスクに対処できるよう、「リスク管理規程」に基づき、内部監査室と協働し、外部専門家等の助言を得て迅速かつ適切に動ける体制を整備しております。
サステナビリティ課題に関わるリスクについても、統合的なリスク管理体制のもとで管理し、モニタリングや課題解決を図っております。
企業価値を高めていくためには人的資本は経営の根幹に位置付けられるものと捉えておりますが、具体的な指標及び目標については、人的資本への取り組みを踏まえ検討中です。
当社及び連結子会社は関連法令による公表義務の対象ではないため、「第1 企業の概況 5 従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」の記載を省略しております。
今後、サステナビリティの基本方針の策定と併せ、当社グループの実情に合わせた指標及び目標の設定を検討してまいります。
当社は、当社グループの事業活動に関する主要リスクについて、所管部門によるリスクマネジメントの取り組みを通じて継続的に見直しを行っております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
また、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しておりますが、当社グループに関する全てのリスクを網羅するものではございません。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
当社グループは、東京圏(1都3県)に限定して展開しておりますが、東京圏において大規模な地震や台風等の自然災害が発生した場合、被災した当社グループの建築現場・事業所・情報設備等の修復や、オーナーさまの建物の点検、被災したオーナーさま及びゲストへの支援活動などにより、多額の費用が発生する可能性があります。また、被災地域において、社会インフラが大規模に損壊し、相当期間にわたり生産・流通活動が停止することで建築資材・部材の供給が一時的に途絶えたり、多数の社員が被災し勤務に支障をきたすことにより、契約締結・工事着工・工事進捗が滞り、また、管理物件の被害等が発生することにより、リーシング活動に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、下請代金支払遅延等防止法、建築士法、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律、都市計画法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、建設工事に係る資材再資源化等に関する法律、水質汚濁防止法、騒音防止法、振動規制法、大気汚染防止法、借地借家法、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律、改正民法(賃貸借)、保険業法、不動産の表示に関する公正競争規約、労働安全衛生法、犯罪収益移転防止法、暴力団排除条例、建設業許可等に則り事業活動を行っております。
これらの法令等を遵守するために、内部統制委員会による継続的な法令遵守の取り組みを実行しており、コーポレートガバナンス及びコンプライアンス推進体制を強化しておりますが、法改正や新たな法令等への対応に不備が生じた場合や、想定できない法令違反が生じた場合には、事業活動が制限され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社が事業に関し取得している許認可等は以下のとおりであります。本書提出日現在、これらの許認可等が取消となる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由により許認可等の取消等があった場合、当社の事業の活動に支障をきたすとともに当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品に関する品質基準は、設計、施工及び検査等、全てマニュアルで定められております。品質検査にあたっては、施工業者が行う自主検査の他に、工程内検査(現場担当者の検査)、外部施工検査機関(検査会社の検査)、発注者検査、行政検査(第三者機関を含む)の各検査を実施することにより品質の向上を図っております。
当社グループは品質には万全を期しておりますが、想定範囲を超える契約不適合責任等が発生した場合には、多額の費用発生や当社グループの評価を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの属するアパート建築業界では、過去に他社において顧客の融資資料改ざんや建物の屋根裏、壁の内側等の施工未実施が発覚する等の不祥事が発生しました。当社グループにおいては、全社的なコンプライアンス意識の醸成や内部統制の整備、品質検査の充実等の内部管理体制強化を通じて、これらの未然防止に努めております。
しかしながら、これらの取り組みの範囲を超えた不測の事象が発生した場合や、当社グループに直接関係がない場合においても、アパート建築業界全体に対する批判的な風評が発生し、顧客による買い控え等が生じた場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの持続可能な安定的成長に向けて、優秀な人財の確保が必要不可欠であると認識しております。そのため、優秀な人財を採用するとともに、育成にも注力しております。しかしながら、適切かつ十分な人員を採用できなかった場合や退職や休職等により人財が減少した場合、または育成が想定していたとおりに進まなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を行うに際し、多数の建設現場や工場を有しているため、特に安全、環境面を最優先に配慮し、対策した上で事業を行っております。しかしながら、これらの配慮、対策にもかかわらず、現場での事故、環境汚染等の事故等が発生した場合には、人的・物的な被害等により業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、個人情報・機密情報の保護には特に配慮し、対策を進め事業活動を行っておりますが、コンピュータウイルスの侵入やサイバー攻撃等により、個人情報・機密情報の漏洩・改ざん、システム停止等が生じるリスクがあります。このような事態が発生した場合、顧客からの損害賠償請求や社会的信用が大きく毀損されることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業を遂行していく上で、各種関係法令を遵守し、また、社員がコンプライアンスを理解し、実践することに最善の努力をしております。しかしながら、通常の事業の過程でも訴訟を提起されるリスクを抱えております。万一、提訴された場合、または訴訟の結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社は本書提出日現在において、重大な訴訟を提起されている事実はありません。
商標権をはじめとする知的財産権については、当社グループが有する知的財産権に侵害の疑いが生じた場合には、顧問弁護士及び弁理士に依頼し、必要な処置を講ずることとしております。また、他社の知的財産権を侵害することは、当社グループの主たる事業活動に重大な悪影響を及ぼすものと認識しており、その防止に努めております。しかしながら、予期せず第三者との間で、知的財産権等の帰属・侵害に関する主張及び請求を受けた場合や、損害賠償請求及び使用差止請求等を受けた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(発生可能性:中、発生する時期:特定無し、影響度:中)
当社グループの賃貸経営事業は、アパートのプロパティマネジメント業務を行っております。オーナーさまが家賃保証システム(一括借上システム)を採用した場合、当社がアパートを借上げ、ゲストに転貸いたします。当社は、「ゲストに最高の笑顔と感動を届け続ける」空間設計を提供することにより、ゲスト確保に努めてまいりますが、外部環境の変化、ゲスト獲得の競争の激化等により、ゲストや賃料が計画どおりに確保できなくなる可能性があります。その場合、ゲスト確保のため賃料水準を下げる施策などにより、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの戦略として、旗艦ブランド「My Style vintage」における「圧倒的な差別化による付加価値の提供」を掲げており、コンサルティング内容、デザイン性等において、他社との差別化を図ってまいりますが、競合先による類似商品・サービスの投入等により当社グループの競争力を確保できない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主要なお客様であるアパートのオーナーさまについて、日本経済の情勢や税制などの法制度、金融市場動向・金利動向、人口動態がアパート経営の収益性に影響を及ぼすことから、これらの変動によってオーナーさまの需要動向に変化があった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループは賃貸住宅事業において、土地を所有するオーナーさまに対して、土地の有効活用法としてアパートの建設を提案するコンサルティング営業を行い建設受注を獲得しており、また賃貸開発事業において、富裕層における豊かな資産承継の一助として、当社にて取得した土地を販売することによる建設受注の獲得、あるいは、当社で建築したアパートの販売(建売販売)も行っております。現在においてアパート経営は土地活用の有効な手段の一つとされておりますが、税制改正により、アパート経営に関連する税負担等に変動があった場合、建設案件の受注獲得及び建売販売に影響し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、オーナーさまがアパート経営を行う際、建物の建築代金を金融機関からの借入れにて調達することがあるため、金利の急激な上昇及びアパートローンに対する金融機関の融資姿勢に変化が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。アパートローンを利用する顧客に対しては資金計画上2~3割程度の自己資金負担の提案による過度なローンへの依存の回避、及び融資斡旋部署を設置して金融機関との連携強化を図っております。
当社グループは賃貸開発事業において、アパート経営を希望するオーナーさまが土地を所有していない場合、高い入居率が見込める土地を厳選してオーナーさまに提案・販売しております。しかしながら、地価の上昇や他社との競合等により、従来どおりの良質の物件を獲得することが困難になった場合、建設案件の受注獲得に影響し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新規取引先の開拓、使用材料の汎用品促進、新構法の導入等によって、工事原価の抑制に努めてまいりますが、原材料・資材価格・人件費等の高騰による仕入価格や工事原価の上昇を売上価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、空間設計を重視した設計を基に、自社製造の鋼材と自社施工によるアパートの建築を行っており、新商品の開発並びに新技術及び新構法の研究開発に取り組んでおりますが、競争力のある新商品、新技術、新構法が開発されないまたは開発に遅れが生じるなどにより、原価低減が計画どおりに行えない場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが保有している有価証券、販売用不動産、固定資産及びその他の資産について、時価の下落等による減損または評価損の計上によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
販売用不動産については、アパート経営のための用地仕入に際して、立地条件、競合物件の動向、地中埋設物の有無、仕入価格変動等について、十分な調査を行い、その結果を踏まえて仕入を行っております。しかしながら、不動産価格の急激な変動による販売価格の引き下げ、土壌汚染や地中埋設物の瑕疵が発見されることによる事業中止、延期が発生した場合には、事業計画の遂行に重大な問題が生じ、販売用不動産の評価損が発生する恐れがあります。その結果、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、関係会社の経営の自主性を尊重しながら、当社グループの企業集団として一体性を有することを基本方針としてグループ経営を行っております。事業戦略上、企業の買収、組織再編等を行った場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、在宅勤務や時差出勤の実施並びにWEB会議システムを利用した社内会議や商談を推奨する等の働き方の変化を進めており、感染症の予防につながっております。今後、感染症が流行した場合には、事業活動の制約が大きくなり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は22,036百万円であり、前連結会計年度末に比べて725百万円増加しました。これは主に販売用不動産が394百万円増加したものの、完成工事未収入金471百万円が減少したことにより、現金及び預金が820百万円増加したこと等によるものです。
固定資産は2,837百万円であり、前連結会計年度末に比べて33百万円減少しました。これは主に繰延税金資産が95百万円増加した一方で、有形固定資産が76百万円、投資有価証券が66百万円減少したこと等によるものです。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は4,181百万円であり、前連結会計年度末に比べて136百万円減少しました。これは主に、賞与引当金が102百万円増加したものの、未払法人税等が324百万円減少したこと等によるものです。
固定負債は273百万円であり、前連結会計年度末に比べて159百万円減少しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は20,418百万円であり、前連結会計年度末に比べて986百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を1,416百万円計上したこと、配当金の支払362百万円により、利益剰余金が1,053百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は82.1%(前連結会計年度末は80.4%)となりました。
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善、堅調な企業収益等を背景とした設備投資の拡大により、緩やかな景気回復基調となりました。一方で、不安定な金融市場の動向、物価高騰、ウクライナ及び中東の地政学的リスク、米国の政権交代による世界経済への影響等、先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの主要事業である賃貸住宅市場においては、エネルギー資源や建築資材価格が依然として高止まりする中、人財不足や働き方改革関連法施行に伴う労務費の上昇等もあり建築コストは右肩上がりの状況が続きました。これらの影響もあり、当連結会計年度における新設貸家着工戸数は、全国では概ね前年並みに推移しましたが、当社グループの事業エリアとなる東京都では前年を6.9%下回る結果となりました。
・新設貸家着工戸数 (出典:国土交通省「建築着工統計調査」)
このような環境の中、当社グループは、 “子どもたちの子どもたちの子どもたちへ” の企業理念のもと、日本の未来を担う若者たちに住まいの選択肢を増やし、若者たちのより素晴らしい未来を拓く一翼を担うことで社会に貢献すべく、事業を展開してまいりました。
当社では2030年に向けてありたい姿を定め、その実現のための長期経営ビジョン「ビジョン2030」を2024年4月に策定いたしました。「ビジョン2030」のコンセプトは、当社の企業理念に基づく原理原則「セレフィロソフィ」と「CEL未来戦略」に基づき、あくまで本業の付加価値を高めるため、本業及び本業周辺ビジネスの多面的経営の展開により目標を達成することを目指すものです。「ビジョン2030」は、さらに長期の経営ビジョンである「CEL未来戦略」の実現に向けた通過点と位置づけております。
「ビジョン2030」につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」をご参照ください。
当社グループの当連結会計年度における売上高は23,922百万円(前年同期比3.5%増)、営業利益は2,018百万円(前年同期比23.2%増)、経常利益は2,039百万円(前年同期比23.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,416百万円(前年同期比27.6%増)となりました。
各セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
(賃貸住宅事業)
賃貸住宅事業におきましては、衣食住の「住」の領域で東京圏において生活にこだわりを持つ25歳から35歳の未来を担う若者たちに感動を届け続けるため、旗艦ブランドである「My Style vintage」を軸としたアパートの企画、設計、施工等の請負事業を行い、未だ確立されていない「住まいの選択肢」を増やすことに注力してまいりました。
賃貸住宅事業は、3つの組織(カンパニー)に分かれており、役割ごとに迅速かつ効率的な業務執行が可能な体制を実現しております。
〔アセットマネジメントカンパニー〕アパート経営の提案型営業による受注活動
〔建設カンパニー〕アパートの企画・設計・自社施工及び監理
〔生産カンパニー〕千葉工場での構造部材の製造・加工及び型式管理
当連結会計年度における活動は以下のとおりです。
営業活動につきましては、アセットマネジメントカンパニーにおいて、引き続き賃貸管理契約が見込め管理受託数の拡大に繋がる紹介先(金融機関、コンサルタント、士業等)の開拓に努め、新たなビジネスマッチング契約を締結した他、顧客獲得に向けてパートナーズ組織とのイベントを多数開催する等、新規情報源の開拓に注力いたしました。また、旗艦ブランド「My Style vintage」の販売強化を目的に自社ウェブサイトを改良し、「My Style vintage」の魅力を分かりやすく発信することで、ウェブサイトからの集客数の増加を図りました。
さらに、脱炭素社会の実現に貢献できる高性能の断熱材や省エネ性能の高い照明等を取り入れた「東京ゼロエミ住宅」仕様について、オーナーさまへの提案を積極的に推進した他、賃貸経営事業と連携を強化し賃料への適正な価格転嫁に継続して取り組みました。
生産活動につきましては、資源高及び「2024年問題」と呼ばれる時間外労働の抑制策に起因する人件費・輸送費の上昇等による原価高騰への対策を進めました。建設カンパニーにおいて、施工業者も含めた現場就労時間の改善を行った他、原価抑制、工期短縮、施工品質向上に取り組みました。具体的には、建築現場の安全確保及び入退場管理を目的とした顔認証システムの導入、保全向上と現場管理の更なる効率化を目的としたWebカメラの設置を推進し、試行導入を行いました(2026年2月期の本格導入を予定)。また生産カンパニーにおいて、使用部材の自社製造を担う千葉工場(「ISO9001」認証取得)にて、更なる品質向上及び効率改善に取り組む等、生産性向上に努め、本社・千葉工場の協働による原価抑制に取り組みました。なお、2025年3月1日付で千葉工場は「千葉工場カンパニー」として独立し、体制強化を図っております。
研究開発活動につきましては、生産性の向上を目的として「新構法:セレZ」の型式改良開発を行いました。商品においては、「若者の二人暮らし」に本当に求められる価値と空間をテーマに、独創性を追求した新空間設計「Fwin suite(ファインスイート)」を開発しました。また産学連携によるアパートの開発・研究に引き続き取り組み、若者たちの思考・居住性・多様性や利便性について共立女子大学と「アパートのひとり暮らし」をテーマとした共同研究、千葉工業大学及び東京理科大学と遮音性能向上に関する共同研究を引き続き行ってまいりました。さらに、SDGsの持続可能な開発目標に賛同し、脱炭素社会に貢献できるよう、省エネルギー性能を強化したアパートの商品開発にも継続して注力してまいりました。
その他、中長期的な成長や将来の世代交代を見据え、専門的な資格を有する優良な技術者、幅広い経験を持つ多能工人財の育成にも積極的に取り組みました。
以上の活動の結果、当連結会計年度における売上高は11,022百万円(前年同期比18.5%増)、セグメント利益は1,006百万円(前年同期比61.6%増)となりました。
(賃貸開発事業)
賃貸開発事業は開発カンパニーが担当しており、『土地の資産価値』に重きを置いた資産性の高い収益不動産の選択肢を提供することで、富裕層における豊かな資産承継の一助となるよう取り組んでおります。
生き方にこだわりを持つ当社のゲスト(入居者)が住みたい街であり、かつ資産価値の高い「城南・城西エリア」に絞り込み、「駅近の立地」「約100坪の適切な規模」「ルックス(良好な接道状況にある整形地)」を合わせた4つの要素にこだわった希少性の高い土地の選定を行い、その土地に以下の特長をもった商品を企画・設計・施工し販売を行ってまいりました。
・『ワンルームを1LDKへ』という発想で設計された「Feel」に収納量の増大とリモートワークを可能とする
書斎機能を追加した「Feel+1」
・設備仕様のすみずみまでこだわったパワーカップル向け商品「Fwin」
・赤煉瓦調の外観にクラシカルな門柱門扉等の高級感あふれる外装を施した旗艦ブランド
「My Style vintage」
当連結会計年度におきましては、販売面では、商品の認知度を高めるため完成現場見学会に購入検討者及び紹介会社の来場促進活動を継続し、販売を行ってまいりました。仕入面では、富裕層に好まれる資産価値・希少価値の高い角地にこだわり用地取得を推進しました。
また、全物件に高い断熱効率を実現する「東京ゼロエミ住宅」仕様を採用し、脱炭素社会実現に向けた取り組みを推進した他、付加価値向上のため「住宅性能表示制度」における評価項目の一つである耐震等級について、条件を満たした物件であれば、その最高基準である耐震等級3まで実現可能とすることで、資産価値向上及びゲストの安全性向上といったオーナーさまの要請に応える選択肢を増やしました。
その他、中長期的な営業活動を見据え、販売手法の見直し及び資金効率の改善を進めた他、引き続き人財の育成を進め、組織力の強化を図りました。
以上の活動の結果、当連結会計年度における売上高は4,662百万円(前年同期比7.7%減)、セグメント利益は706百万円(前年同期比5.7%減)となり、売上高は計画に届かなかったものの、利益率の改善により計画を上回るセグメント利益となりました。
(賃貸経営事業)
賃貸経営事業におきましては、当社の事業目的である「ゲストに最高の笑顔と感動を届け続ける」ことによって、若者たちがより素晴らしい未来を拓いていくこと、そしてそれがオーナーさまのアパート経営の成功につながり、安定した資産承継に繋がっていくという考え方のもと、ゲストへ快適な居住環境を提供するよう努めております。オーナーさまに対しては、会員組織「セレパートナーズ倶楽部」によるサポートサービスを提供し、併せて一括借上や家賃集金代行等によるゲストの募集、入退去管理、家賃回収、レポーティング等の賃貸管理業務、及び日常の建物点検、設備の保守点検、植栽の管理、清掃等の建物管理業務といった賃貸オペレーションを担うプロパティマネジメント業務を行っております。
なお、オーナーさまの大切なアパート資産を長期にわたりサポートするため、2024年6月1日付でリフォームカンパニーを設立いたしました。建物修繕などのメンテナンスはもちろん、オーナーさまの賃貸収益向上に繋がるリフォーム、リノベーションにも積極的に取り組んでまいります。
賃貸経営事業は、3つの組織に分かれており、役割ごとに迅速な業務執行が可能な体制を実現しております。
〔プロパティコミュニティカンパニー〕賃貸管理物件のプロパティマネジメント業務
〔リフォームカンパニー〕リフォーム、リノベーション及びメンテナンス業務
〔㈱セレレントパートナーズ〕不動産賃貸保証業務
当連結会計年度におきましては、引き続き賃貸住宅事業及び賃貸開発事業と協働して受注前の段階から同行訪問営業を強化し、管理物件の受託営業活動に注力してまいりました。その結果、当連結会計年度末の管理戸数は12,475戸(前期末比161戸増)となりました。
また、専任の賃貸仲介協力業者の組織「セレリーシングパートナーズ」(2025年2月末現在16社)において、毎月の定例報告会を開催した他、協力業者の担当者を対象とした研修会を継続開催する等、担当者一人ひとりが当社アパートの強みについて理解を深め、共有するよう努めました。さらに、メンテナンス協力業者の組織「セレメンテナンスパートナーズ」(2025年2月末現在10社)の協力のもと、建物管理業務の更なる品質向上を目的としたインスペクション(建物状況調査)の導入や、スピーディーな修繕対応が可能となる建物管理サポートプランへの切り替えをオーナーさまにご提案する等、ゲスト及びオーナーさまにご満足いただけるようサービス向上に努めた結果、高水準の入居率(2025年2月末現在98.5%)を維持することができました。
なお、新たに設立しましたリフォームカンパニーにおいては、建物延長保証制度を見直し、オーナーさまの資産の長寿化を目的とした再延長保証制度を新設し、受注活動を継続しております。
以上の活動の結果、当連結会計年度における売上高は10,013百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益は1,135百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べて820百万円増加し、18,561百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,525百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,063百万円を計上し、法人税等1,098百万円を支払ったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は99百万円となりました。これは主に有形固定資産及び無形固定資産を取得したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は605百万円となりました。これは配当金の支払として362百万円、短期借入金を200百万円返済したこと等によるものです。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループの生産機能は賃貸住宅事業に含められるため、賃貸開発事業及び賃貸経営事業については記載しておりません。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.受注高及び受注残高は建築請負契約を締結した取引を集計しております。なお、賃貸開発事業の受注高及び受注残高は、建築条件付土地売買契約及び建築請負契約を締結している取引を集計しています。
3.賃貸経営事業は、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。
当連結会計年度(自 2024年3月1日 至 2025年2月28日)
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、10%未満のため記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載しております。
(売上高・売上原価・売上総利益)
当連結会計年度の売上高は23,922百万円と前連結会計年度と比較して819百万円増加(前年同期比3.5%増)しました。
当連結会計年度は、賃貸住宅事業において、物件の引渡が好調であった前連結会計年度に比較して、当連結会計年度の引渡棟数が減少した一方で、一棟当たり単価が上昇したことにより、売上高が538百万円増加し、9,295百万円となり、賃貸開発事業において、前連結会計年度までに仕入れた物件について、物件売却棟数が減少したことから、売上高が前連結会計年度と比較して407百万円減少し、4,614百万円となりました。また、賃貸経営事業においても、オーナーサービスの強化、管理受託率の向上等により、売上高が前連結会計年度と比較して688百万円増加し10,011百万円となりました。
売上原価は19,210百万円と前連結会計年度と比較して70百万円増加(前年同期比0.4%増)しました。前連結会計年度に引き続き、各種資材等の高騰という影響はあったものの、顧客のアパート経営の事業性を考慮して原価高騰の影響を販売価格に転嫁したこと等により、当連結会計年度の売上総利益率は19.7%と、前連結会計年度の17.2%から上昇しました。
上記の結果、当連結会計年度の売上総利益は4,711百万円と前連結会計年度と比較して749百万円増加(前年同期比18.9%増)しました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,693百万円と前連結会計年度と比較して368百万円増加(対前年同期比15.9%増)しました。増加した主な要因は、人員増による人件費の増加によるものです。
上記の結果、当連結会計年度の営業利益は2,018百万円と前連結会計年度と比較して380百万円増加(前年同期比23.2%増)しました。
(営業外収益・営業外費用・経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は28百万円であり、前連結会計年度と比較して4百万円増加(前年同期比19.5%増)しました。
営業外費用は6百万円であり、前連結会計年度と比較して3百万円増加(前年同期比113.0%増)しました。
上記の結果、当連結会計年度の経常利益は2,039百万円と前連結会計年度と比較して381百万円増加(前年同期比23.0%増)しました。
(特別損益・法人税等・親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、政策目的保有株式の売却により23百万円の特別利益を計上しました。
当連結会計年度の法人税等の金額は646百万円であり、前連結会計年度と比較して97百万円増加(前年同期比17.9%増)しました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1,416百万円と前連結会計年度と比較して306百万円増加(前年同期比27.6%増)しました。
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは1,525百万円の資金流入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,063百万円を計上し、法人税等1,098百万円を支払ったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは99百万円の資金流出となりました。これは主に、有形固定資産及び無形固定資産への投資によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは605百万円の資金流出となりました。これは配当金の支払として362百万円、短期借入金を200百万円返済したこと等によるものです。
以上の結果、期末における現金及び現金同等物の残高は18,561百万円となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、賃貸開発事業における土地の仕入代金、材料費、労務費、外注費及び経費等の製造経費、人件費や賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。当社の方針として運転資金については自己資本で賄うことを原則としております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しており、連結財務諸表の作成に当たり、資産、負債、収益及び費用の報告に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いております。これらの見積り及び仮定に基づく会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の会計方針は、連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすものと考えております。
(販売用不動産)
通常の販売目的で保有する販売用不動産等は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、収益性の低下により正味売却価額が取得原価よりも下落している場合は、正味売却価額をもって貸借対照表価額とし、差額を簿価切下額として売上原価に計上しております。
正味売却価額の見積りにあたっては、近隣地域における市場価格や当該不動産の想定利回り等に基づいて算定された将来の販売見込額に販売に係る費用を踏まえ算定しておりますが、経済情勢や不動産市況の悪化等により正味売却価額が想定以上に下落した場合には、評価損を計上する必要があります。
(請負工事に係る収益)
当社グループの請負工事に係る収益は、一定の期間にわたり履行義務の充足が認められる工事について、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。その他の工事については、それぞれ履行義務を充足した時点で収益を計上しております。
工事の基本的な仕様や作業内容は顧客の指図に基づいて行われることから、工事原価総額の見積りにあたっては、工事に対する専門的な知識と施工経験を有する工事現場責任者による一定の仮定と判断を伴い不確実性を伴うものとなります。具体的には、工事は契約から完成まで一般に長期にわたることから工事の進行途上における工事契約の変更、悪天候による施工の遅延、建設資材単価や労務単価等の変動が生じる場合があり、工事原価総額の適時・適切な見直しには複雑性が伴います。このため、仮定した個別の工事契約ごとの諸条件と異なる事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループの繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営環境の悪化等によりその見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、将来の課税所得の見積りが減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討しております。当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することになります。固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に基づき、算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社の業績を悪化させる可能性があります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであり、事業環境の変化をはじめ様々なリスク要因が当社グループの成長及び経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
経営者の問題意識と今後の対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の課題に対処し、当社グループが今後も持続可能な安定的成長を果たしていく必要があると認識しております。
当社グループの主力事業であるアパート経営は、オーナーさまに長期的な資産形成に資するものであることから、当社が安定的に成長し持続し続けることが、オーナーさまの安定的な資産形成を確実なものとし、ステークホルダー全ての安心につながると考えています。
当連結会計年度において、当社の事業目的を達成するための長期的な経営の課題として、生産性の向上、収益力の改善を掲げており、その評価のための指標としては営業利益率6.0%以上を定めておりました。また会社の安定的な成長が、オーナーさまの安定的な資産形成を確実なものとし、ステークホルダー全ての安心につながると考え、継続企業としての安全性の観点から自己資本比率60.0%以上を維持することを目標として定めておりました。
当社が定めた各種指標の目標及び当連結会計年度末の状況は下表のとおりであります。
当社では2024年4月に、2030年2月期を目標時期とする長期ビジョン「ビジョン2030」を策定いたしました。この「ビジョン2030」に掲げる目標のうち、達成状況を判断するための客観的な指標は下表のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループでは、賃貸住宅事業において、ゲスト(入居者)の住空間の充実とオーナーさまの安定的な資産形成を実現するため自社のものづくりにこだわり、新技術、新構法の開発及び実用化等のための研究開発活動を行っております。
具体的には多様化、高度化し、広汎な範囲にわたる顧客ニーズに応えられるような住空間を提供する商品や、新たな構法に対応した製品、長寿命化により長期安定した資産価値を提供しながら環境保全に貢献できるような製品を研究、開発し、提供することを基本方針とし、以下の取り組みを実施しております。
狭小地やアクセスの悪い現場で効率的かつ精度の高い施工を行うため、工場で製作する鉄骨部材の改善、改良、開発を行なっております。
空気音遮音試験、気密試験、室内汚染物質試験、劣化試験等を行い、より長寿命で高品質な製品、構法の開発を行なっております。
お客さまアンケート等により得られた顧客ニーズ分析により、商品の改善、他社と差別化したデザインや居住空間を提供する新商品の開発を行なっております。
当連結会計年度における研究開発費は