(1)会社の経営の基本方針
「何よりもお客さまの利益を優先しよう。」という企業理念に基づき、一人ひとりが自ら考え、自ら行動し、
自らやり遂げるという主体的行動力の向上を図りつつ、お客さまとの直接のふれあいの場となる「店舗だからこ
そ」の強みを磨き上げ、お客さまからのゆるぎない信頼をいただくことができる店舗構築に取り組んでおります。
その実現に向けては、お客さま視点で店舗ごとに異なる地域特性を踏まえた商品及びサービスの質的向上に取り
組むとともに、地域社会との共生による持続的な成長に努めつつ、お客さまからお寄せいただく声に真摯に耳を
傾け、誠実かつ迅速に行動することが重要であると考えております。
このような基本方針に基づき、一つひとつの店舗が地域をつなぐ架け橋として継続的に地域への貢献を果たし、
日常のより豊かな食生活の実現を応援する地域最良のスーパーマーケットチェーンの構築を目指してまいります。
(2)資本政策上の基本指標
売上高営業利益率、経常ROA(総資産経常利益率)並びにROE(自己資本当期純利益率)を経営効率の重要指標として位置付けております。売上高営業利益率については4%以上の実現を、経常ROAについては
10%以上、ROEについては10%以上を継続的な目標数値として掲げております。今後、重要指標の達成に向け、収益力の一層の強化を図るとともに、重点課題を明確にし、改善施策の着実な実行に努めてまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループは、各々の地域における食生活をより豊かにすることを使命とし、一つひとつの店舗が地域との共生に努めながら、持続的な成長を目指しております。お客さまの消費動向や価値観の変化、ライフスタイルの多様化やサステナブルな社会の更なる進展など、店舗を取り巻く環境がいっそうの速度をもって変化する中、店舗はお客さまや地域とのコミュニティの場としてより重要な役割を担うものと思われます。このような環境下、お客さまや地域社会からのゆるぎない信頼の確立と共存共栄を図るべく、以下優先的に対処すべき課題として取り組んでまいります。
①国内スーパーマーケット事業
・お客さまの安全安心を優先した店舗運営の徹底
・事業部制の活用による地域密着経営の更なる深耕
・新規店舗出店及び既存店舗の改装による店舗競争力の強化
・新規事業の推進による販路の拡大
・デジタルの積極的な活用による業務の効率化と構造改革の推進
・地域商品の開発及び導入推進
・お客さまニーズの変化や多様化するライフスタイルに応じた商品政策の推進
・成長を支える人材の確保と育成
・お客さま視点に基づく接客及びサービスレベルの質的向上
・配送効率の向上による強固な物流体制の構築
・エネルギーコストの上昇に対する省エネ投資の推進
・事業活動を通じた環境課題解決への貢献
・持続可能な地域社会の実現に向けた戦略の実行
②デリカ食品事業
・商品開発力の強化と供給拡大
・製造工程の改善、機器活用による効率的な生産体制の強化
これらの施策の着実な実行により、経営環境変化への対応を図るとともに、収益体質の改善と企業価値の向上に努めてまいります。課題への取組みを通じての2026年2月期の連結経営成績予想数値につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について」に記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末、又は当有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
当社は、「何よりもお客さまの利益を優先しよう。」という企業理念のもと、2023年よりサステナビリティ経営に向けた検討を始め、2050年までにどのような価値を社会に提供し、そのために解決が必要となる課題は何かを特定しました。具体的には、「想いをつなぎ、一途に「かたち」に。マックスバリュ東海は、「笑顔」と「元気」、「幸せ」あふれる地域を共創します。」という基本方針(価値創造ストーリー)を策定し、6つのマテリアリティ(解決すべき課題)を特定しています。また、「地域に生まれた、ありがとうの総量」をKGI(目指す目標)として、マテリアリティそれぞれに紐づく目標をKPIとして設定しています。
(1)ガバナンス
ステークホルダーの「ありがとうの総量」を増やすことに向け、方針の指示や目標の設定・評価、施策の実行を行う機能を経営の仕組みに取り込んでいます。
(2)戦略
「想いをつなぎ、一途に「かたち」に。マックスバリュ東海は、「笑顔」と「元気」、「幸せ」あふれる地域を共創します。」という基本方針(価値創造ストーリー)のもと、社会にとっての機会・リスク、当社にとっての機会・リスクの観点から、 「笑顔」と「元気」、「幸せ」あふれる地域の実現と当社の企業価値向上を両立するマテリアリティを特定しています。当社では、基本方針(価値創造ストーリー)の実現とマテリアリティ解決のためにKGI・KPIを策定し、これらを中期経営計画に反映することで、サステナビリティの取組みと自社の成長戦略の一体化及び深化を図っていきます。
[マテリアリティと主な解決方策]
・「笑顔」と「元気」、「幸せ」あふれる地域の共創:「人」の良さを活かした地域住民への価値の提供、コミュニテ
ィの中心となり地域の元気を共創
・「もったいないゼロ社会」の実現:余すことのない食材・食品の活用、資源の最大活用、エネルギーの自給自足の実
現
・地域の「おいしい」「ありがとう」創造への挑戦:おいしさの追求、時間・場所にとらわれない価値提供の実現、地
域の役に立つ事業の創造
・私に「うれしい」店づくり:誰もが買い物を楽しめる商品・店舗づくり、安全安心な商品の追求、災害時も安心できる店舗づくり
・「やりたい」「ありたい」を応援する組織づくり:仕事を通して自己実現できる組織づくり、誰もが活躍できる組織づくり、中長期的な目線での採用、助け合う組織・チームワーク力の向上
・地域や人との「つながり」を広げ深めるデジタルとの共存:デジタルを活用した付加価値の創出
[人的資本・多様性に関する方針]
上記マテリアリティのうち、「「やりたい」「ありたい」を応援する組織づくり」が当社の人的資本・多様性に関する方針の核となる部分です。個性や能力を活かして活躍したいと考える従業員が自主・自律的に自らのキャリアを描き、実現していくためのキャリア支援制度を充実させるとともに、多様な人材が活躍できる人事制度の整備・浸透、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けたエンゲージメント強化などに取り組んでまいります。
(3)リスク管理
マテリアリティは、国際的なガイドライン等のほか、世界経済フォーラムグローバルリスク報告書や当社営業地域の地域課題等から集約した社会課題について、社会にとっての機会・リスク、当社にとっての機会・リスクの観点で、当社経営層のみでなく、コミュニティ社員を含む従業員が評価を行った上で、マテリアリティとして特定しました。
[マテリアリティの特定のプロセス]
1. 検討課題の特定
国際的なガイドライン等(SDGs、SASBスタンダード、SASB業種別マテリアリティマップ、GRIスタンダード、ISO26000)のほか、世界経済フォーラムグローバルリスク報告書や当社営業地域の地域課題等から集約した約500程度の社会課題を当社プロジェクトチームでグルーピングを行い、検討対象とする119項目を選定しました。ここから社会にとっての機会・リスク、当社にとっての機会・リスクの観点から評価を行い14の検討課題を抽出しました。
2. 役員・従業員による評価
社外取締役を含む役員、コミュニティ社員を含む従業員それぞれの視点から、抽出された各検討課題について、社会にとっての機会・リスク、当社にとっての機会・リスクの評価を行いました(役員は個別ディスカッションの形式、従業員はアンケートの形式で評価を把握)。
3. マテリアリティの特定
役員・従業員による評価を踏まえ、6つを当社が取り組むべきマテリアリティ(案)として決定、取締役会での議論を経て当社のマテリアリティとして特定しました。なお、全社的なリスクについては、リスクマネジメント委員会を設置し、当社グループに影響を及ぼす可能性のあるリスクを網羅的に把握する体制を構築しております。サステナビリティ委員会としての機能は、効率的かつ機動的な取組みの促進の観点から環境委員会に集約し、サステナビリティに関する取組みの進捗の評価・管理等を行っています。
(4)指標及び目標
「想いをつなぎ、一途に「かたち」に。マックスバリュ東海は、「笑顔」と「元気」、「幸せ」あふれる地域を共創します。」という基本方針(価値創造ストーリー)を実現するKGI指標として「地域に生まれた、ありがとうの総量」を定めています。これは、地域との共創のなかで事業を拡大していこうという財務・非財務を融合した総合指標です。このKGI指標と連動した形で、各マテリアリティにKPIを設定しており、取組みに一貫性をもたせ、着実な進捗をモニタリングしています。KGI指標については、2027年2月期までに年間2億個(※)を目標に掲げており、当事業年度は年間1.8億個(※)となりました。
※お客さま、従業員、お取引先さま、株主さまとのつながりの一つひとつから「ありがとう」が生まれるものと仮定し、この数量を独自基準で集計しております。
KGI |
マテリアリティ |
解決の方策 |
KPI |
地域に生まれた「ありがとう」の総量 |
「笑顔」と「元気」、「幸せ」あふれる地域の共創 |
「人」の良さを活かした地域住民への 価値の提供 |
地域住民の満足度 |
コミュニティの中心となり地域の元気を共創 |
地域とのつながりの数 |
||
「もったいないゼロ社会」の実現 |
余すことのない食材・食品の活用 |
食品・食材の最大活用 |
|
資源の最大活用 |
資源活用の進捗度 |
||
エネルギー自給自足の実現 |
創エネルギー利用量 |
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地域の「おいしい」「ありがとう」創造への挑戦 |
おいしさの追求 |
おいしさ指数 |
|
時間・場所に囚われない価値提供の実現 |
店舗外売上 |
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地域の役に立つ事業の創造 |
現場の挑戦力 |
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私に「うれしい」店づくり |
誰もが買い物を楽しめる商品・店舗づくり |
①笑顔指数 ②店舗の笑顔創出力指数 |
|
安全安心な商品の追求 |
①安全で安心な商品の追求 ②オーガニック商品売上高 |
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災害時も安心できる店舗づくり |
災害対策の充実度 |
||
「やりたい」「ありたい」を応援する組織づくり |
仕事を通して自己実現できる組織づくり |
自己実現のしやすさ |
|
誰もが活躍できる組織づくり |
従業員の多様性度合 |
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中長期的な目線での採用 |
末永く働いてくれる従業員数 |
||
助け合う組織・チームワーク力の向上 |
職場・店舗への愛着度合 |
||
地域や人との「つながり」を広げ深めるデジタルとの共存 |
デジタルを活用した付加価値の創出 |
価値創造時間の創出量 |
また、当社は上記「(2)戦略」において記載した人的資本・多様性に関する方針に基づき、次の指標及び目標を掲げております。なお、本指標及び目標については、主要な事業を営む会社において、関連する指標のデータの管理とともに具体的な取り組みが行われているものの、連結会社に属する全ての会社では行われていないため、指標に関する目標及び実績は、連結会社における主要な事業を営む当社のものを記載しております。
指標 |
2023年度実績 |
2024年度実績 |
|
基本理念への共感度 ※1 |
3.31 |
3.38 |
3.50 |
エンゲージメントスコア ※2 (レーティング) |
スコア:52.0 (レーティングB) |
スコア:49.9 (レーティングB) |
スコア:53.0 (レーティングBB) |
|
16.1% |
|
|
|
53.8% |
|
|
障がい者雇用率 |
3.05% |
3.46% |
3.63% |
※1 基本理念への共感はイオングループ共通の目標を達成していくための判断のよりどころが「イオンの基本理念」です。理念への共感こそが価値提供の基盤であり、お客さまや地域社会での貢献を実現すべく、全従業員が基本理念に共感している状態を目指します。基本理念への共感度はエンゲージメントサーベイの自社アンケート結果から算出したスコアであり、5段階にてスコア化(1.0~5.0)しております。
※2 エンゲージメントスコアは㈱リンクアンドモチベーション社の「モチベーションクラウド」によって算出し、他社平均50.0に対する偏差値を開示しております。エンゲージメントスコアレーティングは、引き続き、組織の信頼関係が健全な状態であることを示すBランク以上になるよう、エンゲージメントの改善に取り組んでまいります。
(注)当社及び連結子会社における管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の
男女の賃金の差異についての実績は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性
労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異 」に記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在、または当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)リスク管理体制
当社グループは、当社代表取締役社長を最高責任者とし、社内取締役、常勤監査役、執行役員、関係部門長をメンバーとするリスクマネジメント委員会を設置しております。各執行役員がそれぞれ所管する部門における責任者となり、業務に関連して発生しうる潜在的なリスクを洗い出しております。また、当社事業における特徴的なリスクのみならず、一般的な企業経営リスク、時勢のリスク等を含め、網羅的に把握する体制を構築しております。その上で、「全社ビジネスへの影響度」と「発生可能性」の二軸で重要度をマッピングし、重点リスクを決定します。プロセスは年次単位で行い、見直しを図っております。重点リスクごとに担当部門を選定し、当該部門の執行役員は、特定されたリスクに対する影響の緩和や回避のための計画策定と実施及び周知を担い、同委員会で定期的に進捗状況を報告しております。また、同委員会において検討された事項は取締役会に報告し、適宜指導を受ける体制としております。
(2)事業等のリスク
当社グループの経営成績、株価及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因について主なものを記載しております。当社はこれらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び万が一発生した場合には適切な対応に努め、事業活動に支障を来さないよう努力してまいります。
① 市場動向及び競争等に関するリスク
当社は、静岡県、愛知県、三重県、岐阜県、滋賀県、神奈川県及び山梨県において食料品を中心とするスーパーマーケット事業を展開しております。スーパーマーケット業界は業種業態を超えた競争が激化しており、また景気や個人消費の動向、異常気象等の影響を受けやすい業界でもあるため、それらが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクへの対応として、ライフスタイルの変化、業種業態を超えた競争、外部環境の変化に対応できるよう、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境及び対処すべき課題等」に挙げました優先的に対処すべき課題に取り組んでおります。
② 食品の安全性に関するリスク
当社グループは、多様化するお客さまのニーズに応えるため、様々な食品を取り扱っております。また、取り扱っている食品のうち生鮮・デリカ部門においては、業種業態を超えた競争上の差別化を図るためにインストア製造を行っております。さらに、連結子会社のデリカ食品株式会社においては惣菜の製造・販売を行っております。
これらの食品につき、不適切な食材や異物の混入等の商品品質上の事故等が予期せぬ形で発生した場合は、当社グループの社会的信用の低下を招き、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、食品の「安全」「安心」を経営の最重要課題の一つとしておりますので、これらのリスクへの対応として、衛生管理や各種食品表示における従業員教育を実施しているとともに、万が一事故等が発生した場合の対応及び善後策の実施を迅速に行うための品質管理体制を構築しております。
③ 出店開発及び賃借物件に関するリスク
当社グループは成長戦略として現在の店舗展開地域におけるドミナント化を志向しており、今後も新規出店を進める計画であります。
当社グループとしては、当然のことながら計画どおりの店舗開設及び当該店舗からの利益創造を最重要課題に据えておりますが、今後の出店開発において競合の激化や消費マインドの動向等により、店舗開設及び当該店舗からの利益創造が計画どおりに進捗しない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、多くの店舗において土地建物を賃借しております。これらの賃借店舗においては、契約期間満了後も営業を継続するためには賃貸人との契約期間更新の合意が必要となりますが、賃貸人側の事情で更新合意に至らない場合、営業を終了しなければならない場合があります。
これらのリスクへの対応として、当社は社内取締役、執行役員、関係部門長をメンバーとする出店開発会議を設置しており、新規出店候補案件や店舗の契約満了時の対応を様々な角度から慎重に検討しております。さらに、業種業態を超えた競争に打ち勝つとともに、お客さまのライフスタイルの変化、外部環境の変化に対応できる店舗フォーマットモデルを設定し、店舗の標準化を目指しております。
④ 減損会計の適用に関するリスク
当社グループは、店舗に係る有形固定資産及びのれんなどの固定資産を保有しております。当社グループは、店舗の収益性の低下により各店舗の簿価が回収できない場合、もしくは会計基準の変更がある場合、当該店舗について減損処理を行うことがあります。また、当社グループは、のれん等の経済価値が下落した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクへの対応として、減損の兆候がある資産に対する運営の立て直しを行い、投資額を回収できるよう努めております。
⑤ 他企業の買収(M&A)等に関するリスク
当社グループは店舗展開地域におけるドミナント化を志向しているため、成長戦略の一環として同一地域内の他企業の買収または他企業への投資を行うことがあります。
しかし、今後M&A等が行われ、期待されるシナジー効果が発揮されない場合には、当社グループの業務運営、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクへの対応として、買収あるいは投資を検討する際には対象企業の事業、財務内容、契約等を入念に調査しております。
⑥ 人材の確保に関するリスク
当社グループは事業の特性上、現状は人材に大きく依存しており、店舗運営をはじめとした各分野において優秀な人材を確保・育成することが成長戦略に不可欠であります。
しかし、少子高齢化の進行による人口構成の変化等により、人材の確保・育成が計画どおりに進まない場合や、労働需給の逼迫等により従業員にかかる費用が増加する場合、当社グループの業務運営、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクへの対応として、必要な分野において積極的な新規採用を行うことはもちろんのこと、一人が複数の役割をこなすことができる「多能工」の取り組みや各種教育の実施、設備導入による作業の省力化など、既存業務の効率化を絶えず進めております。
⑦ 情報システムに関するリスク
当社グループは、店舗運営、商品調達その他多くの業務を情報システムに依存しており、その情報システムに障害が発生した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクへの対応として、電源・通信回線の二重化、バックアップシステム構築、不正侵入防止の安全対策、信頼性の高い外部のデータ・センターへの業務委託等、情報システムの安全性を確保する体制を構築しております。
⑧ 個人情報の管理におけるリスク
当社グループは、小売事業の顧客から得た個人情報を保有しております。これらの個人情報が予期せぬ形で事件事故等により流出した場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクへの対応として、当社グループでは個人情報保護方針を制定するとともに社内規程・マニュアル等を作成し、厳格な運用と従業員への教育を実施しておりますほか、個人情報の管理体制を強化する事を目的として「プライバシーマーク」を取得しております。また「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)」にあわせて、個人の識別番号の情報漏えいを防ぐためのセキュリティー設備を導入しております。
⑨ 自然災害等に関するリスク
国内において当社グループが店舗展開する地域は東海地震、東南海地震及び南海地震の被害想定地域であります。店舗施設等の周辺地域においてこれらの大地震や津波その他台風等の自然災害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクへの対応として、安否確認システムにより従業員が安否を速やかに報告する訓練を定期的に実施するなどの災害対策を講じているほか、イオングループ各社と協力しながらこれらの被災リスクを想定した防災訓練を年2回実施しており、災害時に事業を継続あるいは早期復旧するための体制を構築しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の活性化が進み、雇用・個人消費の回復やインバウンド需要の増加等により景気は緩やかな回復基調を示す一方で、世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れや中国経済の停滞が国内景気を下押しするリスクが懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が継続しております。当社が属する食品スーパーマーケット業界においては、エネルギー・原材料価格の高騰に起因した食品価格の上昇に伴う消費マインド低迷の影響を受けるとともに、人件費・電気料金等のコスト負担の増加、業種・業態を超えた競争環境の激化といった経営課題も継続するなど、予断を許さない状況にあります。
このような中、当社グループは、ブランドメッセージである“想いを形に、「おいしい」でつながる。”を具現化すべく、新たに策定した中期経営計画(2024年度~2026年度)で掲げた3つの基本戦略「事業構造の変革」「テクノロジーの活用を通じた付加価値の創造」「サステナビリティ経営の推進」に取り組んでおります。また、本年度新たに制定した「サステナビリティ基本方針」に基づき、これまで以上に地域社会への貢献度を高めつつ、持続的な企業価値向上を目指した取組みを進めております。
[国内事業]
事業活動におきましては、時間帯に応じた品揃えや鮮度・出来たて商品の訴求といった基本の徹底に注力するとともに、成長カテゴリー商品の販売強化として、デリカ商品の拡充に加え、冷凍食品の品揃え拡大に向けた冷凍ケースの入替を50店舗で実施いたしました。食料品の値上げに伴う節約志向の高まりに対しては、火水曜市やお客さま感謝デーといった得意日の販促強化とともに、低価格・高品質な商品の提供に努める「トップバリュ」の展開強化に向けて、新商品・リニューアル商品、増量・値下げ商品の拡販を進めたほか、食べきり・使いきりに適した小容量商品の品揃え拡充に取り組みました。
商品面では、「じもの」(注釈1参照)商品に関する取組みとして、更なる品揃えの拡大につなげるべく、多くの店舗従業員が自店の展開商品を選定する楽しさを実感できるよう、「じもの商品大商談会」をリアルとオンラインで同時開催いたしました。また、より多くのお客さまに地域商品の魅力をお届けするため、「あなたが選ぶ!じものスター誕生」企画商品の店頭での展開に加え、新たにネットショップを活用した商品の取り扱い拡大を実施いたしました。当社の推進する「ちゃんとごはん」(注釈2参照)の取組みでは、地域とのつながりの深耕と豊かな食生活の提案に向け、「ちゃんとごはんSTUDIO」を活用し食と健康に関する情報発信や料理体験の場の提供拡大に努めたほか、産官学連携により行政や大学との共同開発弁当を販売いたしました。加えて、地域のお客さまの健康保持・増進に向け、「健康キャンペーン」を複数の店舗で開催し、健康測定や効果的な栄養摂取方法の案内を進めてまいりました。また、物流面の取組みでは、2024年問題への対応として、配送便体制の見直しや積載効率の改善などに継続して取り組みました。
店舗展開では、2024年3月にマックスバリュ浜松新橋店(浜松市中央区)、7月にマックスバリュ大府横根店(愛知県大府市)、9月にマックスバリュエクスプレス清水町徳倉店(静岡県駿東郡清水町)、11月にマックスバリュエクスプレス伊東荻店(静岡県伊東市)とマックスバリュ豊橋富士見台店(愛知県豊橋市)の計5店舗を新規開設いたしました。加えて、既存店舗の競争力を高めるべく計16店舗にて改装を実施いたしました。そのほか3月に1店舗を閉鎖した結果、国内事業における店舗数は静岡県109店舗、愛知県56店舗、三重県48店舗、滋賀県6店舗、岐阜県8店舗、神奈川県16店舗、山梨県1店舗の計244店舗となりました。
新たな顧客接点の創出では、買物不便の解消に努めるべく、移動スーパーを新規に17台稼働し総計34台へと運行体制を拡充するとともに、既存コースの見直しを進めました。また、当社ネットショップにおける新たな販売サイトとして、「LINEショップ」を開設いたしました。加えて、地域の様々なシーンにおける買物機会の提供に向け、ネットスーパーを新規に2拠点開設し総計28拠点体制へと拡大したほか、無人店舗「Maxマート」の新規出店を進めるとともに、「Uber Eats」を利用した商品配達サービスを拡大いたしました。また、イオンのトータルアプリである「iAEON」を通じたお得なクーポン配信など、デジタルを活用したお買い得情報の提供に努めるとともに、株式上場20周年を記念したセールやキャンペーンを実施いたしました。これらの取組みを通じて、「事業構造の変革」を進めております。
システム面では、業務の生産性向上とサービスレベルの向上を目的に、電子棚札を185店舗で導入したほか、キャッシュレスセルフレジの全店舗への導入を完了するとともに店舗ごとの増設を進めました。加えて、鮮度の高い商品の提供と発注業務の負担軽減に向け、日本気象協会が提供する気象予測データを用いた農産品の自動発注支援システムを活用し、発注精度の向上による在庫量の適正化を進めました。これらの取組みを通じて、「テクノロジーの活用を通じた付加価値の創造」を進めております。
サステナビリティ経営の推進におきましては、上記事業活動を含む財務面と下記取組みを中心とした非財務面を融合した当社のサステナビリティ基本方針を2024年4月に制定し、継続的な社内啓蒙を通じた実効性向上に取り組んでおります。
環境保全・社会貢献活動の観点では、お客さまと同じ地域社会の一員として、店舗を通じて直接お客さまと接することができる事業特性を活かしつつ、「地域社会との共生」「脱炭素社会の実現」「資源循環の促進」「生物多様性の保全」を進めております。
「地域社会との共生」については、地域の活動支援を目的に、「しずおか富士山WAON」「あいち三英傑WAON」「伊勢志摩 WAON」など計9種類のご当地WAONを発行しており、お客さまのご利用金額の一部を各自治体に贈呈いたしました。誰もが買物を楽しめる店舗づくりに向けては、新規出店・改装店舗にて、ご高齢の方やお子さまなど高い位置の商品分類表示が見えにくいお客さまのために、「フロアサイン(床面分類表示)」の導入を進めてまいりました。また、令和6年能登半島地震の復興支援を目的として、石川県の商品を販売・PRする「石川県応援フェア」開催とともに、支援募金を実施いたしました。加えて、地域の防災に関する協定締結を進めてまいりました。
「脱炭素社会の実現」に向けては、お客さまのご協力のもと、2007年より買物袋持参運動を開始しており、三重県で開催の環境フェアにてオリジナルマイバッグの作製ブースを設営し、レジ袋使用量の削減につなげてまいりました。また、再生可能エネルギーへの転換を進めるべく、PPA「Power Purchase Agreement(電力販売契約)」モデルを活用した太陽光発電システムを導入いたしました。
「資源循環の促進」への取組みとして、循環型社会の構築に向け、食品トレーや紙パック、アルミ缶、ペットボトルのリサイクル資源について、店頭に回収ボックスを設置し、資源の回収と再利用に努めてまいりました。また、お客さまとともに食品ロスについて考え、地域の一員として食品ロス削減に取り組むべく、10月の食品ロス削減月間にあわせて全店舗にて「イオン フードドライブ」を実施し、お寄せいただいた食品約1.5tを各地域のフードバンク団体に贈呈いたしました。
「生物多様性の保全」のために、地域の皆さまとともに行う社会貢献活動の一環で多様な募金活動に取り組んだほか、地域に生産拠点を持つお取引先さまや地元生産者さまのご理解とご支援のもと、売上の一部を地域の保全活動や活性化に活用いただく「ありがとうキャンペーン」活動を実施いたしました。また、持続可能な社会の実現に向け、「イオン ハートフル・ボランティア」における取組みの一環として、新入社員を含む当社従業員にて「浜名湖花博2024」の会場内でボランティア活動を実施したほか、三重県の海岸部清掃を継続的に実施いたしました。
働く環境の整備の観点では、働き方に関する意識改革・労働環境改善の取組みを継続しながら、より主体的に成長でき、働きがいにつながる社員教育・研修体制の充実に努めてまいりました。主な教育施策として、「次世代人材の育成」「理念・行動指針の浸透」「現職強化教育」「DX教育」に取り組んでおります。
「次世代人材の育成」として、新入社員のフォローアップとともに、若手社員間で双方向のコミュニケーションが可能な体制を整備すべく、「ブラザー・シスター制度」を継続いたしました。また、中核的役職である店長と次席者である副店長の育成強化に向け、市場分析や戦略立案の基礎知識、マネジメントスキルなどについて体系的に学ぶ機会を提供し、次世代を担う総合的な人材の養成に努めてまいりました。
「理念・行動指針の浸透」として、店舗・本社間における意思疎通を深めることで会社として目指すべき方向性の認識を共有すべく、本社従業員がメンターとなり店舗との情報伝達・意見交換及びビジョンの浸透を進める、「月例ミーティング」の取組みを推進いたしました。また、ビジョンの更なる浸透を図るべく、「理念浸透リーダー研修」に継続して取り組んでまいりました。
「現職強化教育」として、管理者のキャリアに対する意識向上をテーマに、「現職強化研修」を実施いたしました。また、部門担当者からリーダーを目指すうえで必要とする知識や技術を学ぶ場を提供すべく、候補者研修を実施いたしました。
「DX教育」として、従業員が備える現状のITスキルと素質の可視化を目的に、「スキルアセスメント」を実施いたしました。また、ITスキルの習得を通じて社内のDX化やITリテラシー向上を図るべく、「DXアカデミー」に継続して取り組んでまいりました。
また、人材の確保・育成に向けた取組みとして、多様な人材が活躍できるよう、新たな人事制度を導入するとともに、身だしなみの社内基準を変更するなど、一人ひとりの個性を尊重した働きやすい職場環境の整備に取り組んでまいりました。近年の物価上昇から従業員の生活を守ることで従業員満足の向上に努めるべく、二期連続で大幅な賃上げを実施いたしました。
加えて、ダイバーシティ経営推進の取組みとして、多様性のある企業風土の醸成に向け、店舗管理者を目指す女性社員を対象とした「なでしこ勉強会」を実施し、研修の一環として受講者が開発した商品を販売いたしました。健康経営推進の取組みとして、従業員の健康リテラシー向上に努めるべく、特定保健指導の受診勧奨や「健康チャレンジキャンペーン」への参加を促進してまいりました。また、経済産業省と日本健康会議が共同で行っている認定制度「健康経営優良法人」に二期連続で認定されました。
これらの取組みの結果、通期における全店売上高の前期比は103.2%、既存店売上高では102.0%となりました。なお、同対比に用いた数値は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用していない数値となります。
[連結子会社]
国内にて惣菜や米飯等を製造・加工するデリカ食品株式会社におきましては、地産域消の拡大に向けたじもの食材を使用した商品の開発に加え、トップバリュ商品の開発製造に取り組んだほか、商品改廃と製造効率の改善、教育体制の整備に努めてまいりました。
中国事業であるイオンマックスバリュ(広州)商業有限公司におきましては、お値打ち価格を訴求した火曜日の「超級火曜市」、美味しいごちそうメニューを提案する週末の「超級週末」の展開に加え、「10元均一」の実施による買上点数向上施策を基軸とした売上と客数の向上に取り組んでまいりました。また、地域コミュニティとの共同イベント実施に加え、セルフレジでの精算のお手伝いや駐車場までの持ち運びといったお客さまのサポートを行う「赤い帽子サービス」の活動推進など、地域密着の取組みを強化してまいりました。なお、同社は設立以来、収益獲得のため店舗活性化、商品力の強化、デジタル化等の様々な取り組みによる経営基盤の強化を図ってまいりましたが、想定した客数の確保には大きく及ばず、2025年5月17日開催の株主会にて解散及び清算する決議を行いました。今後の清算日程につきましては、現地法令に従い必要な手続きが完了次第、清算結了となる予定であります。
(注釈1)「じもの」・・・当社では、地元で長年親しまれている商品や地元企業さまが生産する商品など、そ
れぞれの地域に根ざした商品を「じもの」と呼び、これら商品の販売活動を通じて、地域の活性化
を応援しております。
(注釈2)「ちゃんとごはん」・・・当社では、お客さまに健康でいきいきとした生活を送っていただくため、
バランスの良い食事、すなわち“ちゃんとごはんを食べる”ことを知っていただく機会として、健
康的な食生活のご提案や、食事バランスを考慮したお弁当や惣菜の紹介などに取り組んでおり、こ
のような取組みの総称を「ちゃんとごはん」と呼んでおります。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりとなりました。
(ア)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し、21億75百万円増加し、1,354億20百万円となりま
した。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比し、56億76百万円減少し、469億72百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比し、78億52百万円増加し、884億48百万円になりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度の成績は、営業収益3,774億18百万円(前期比2.9%増)、営業利益140億61百万円(同4.3%増)、経常利益140億84百万円(同4.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益93億87百万円(同12.9%増)となりました。
(ウ)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し33億6百万円減少し、374億71百万円となりました。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、97億61百万円(前連結会計年度は182億28百万円の収入)となりました。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果支出した資金は、108億65百万円(前連結会計年度は64億92百万円の支出)となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果支出した資金は、22億30百万円(前連結会計年度は21億16百万円の支出)となりました。
当社グループは、「スーパーマーケット事業」と「その他事業(ミスタードーナツ、不二家のFC事業等)」の2つを事業セグメントとしております。「その他事業」については、報告セグメントとして区分する重要性が乏しいため、「その他事業」を「スーパーマーケット事業」に結合した結果、報告セグメントが単一となるため、セグメント情報の開示は省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在、または当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。また、当社グループは、「スーパーマーケット事業」と「その他事業(ミスタードーナツ、不二家のFC事業等)」の2つを事業セグメントとしております。「その他事業」については、報告セグメントとして区分する重要性が乏しいため、「その他事業」を「スーパーマーケット事業」に結合した結果、報告セグメントが単一となるため、セグメント情報の開示は省略しております。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績
(ア) 財政状態
・資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し、21億75百万円増加し、1,354億20百万円となりました。これは現金及び預金の減少28億31百万円、有形固定資産の増加47億34百万円などによるものであります。
・負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比し、56億76百万円減少し、469億72百万円となりました。これは未払法人税等の減少32億14百万円、賞与引当金の減少13億19百万円などによるものであります。
・純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比し、78億52百万円増加し、884億48百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上93億87百万円、剰余金の配当による減少19億11百万円などによるものであります。
(イ) 経営成績
|
2025年2月期 |
|||||
|
当社 |
増減額 |
前期比 |
連結 |
増減額 |
前期比 |
営業収益 |
372,500 |
10,620 |
102.9 |
377,418 |
10,676 |
102.9 |
売上高 |
364,666 |
10,515 |
103.0 |
369,576 |
10,587 |
102.9 |
売上総利益 |
99,867 |
2,328 |
102.4 |
100,946 |
2,244 |
102.3 |
営業利益 |
14,026 |
670 |
105.0 |
14,061 |
578 |
104.3 |
経常利益 |
14,051 |
666 |
105.0 |
14,084 |
567 |
104.2 |
当期純利益または親会社株主に帰属する当期純利益 |
9,227 |
1,086 |
113.3 |
9,387 |
1,074 |
112.9 |
・営業収益
本年度は、国内事業において、小型店2店舗を含む5店舗の新規出店や店舗の大型改装を含む16店舗の改装を実施するとともに、引き続き消費動向の変化への対応に注力したことや、ノンストア事業の展開を拡大したことによりなどにより客数・客単価が前期を上回って推移し、営業収益は3,774億18百万円(前期比102.9%)となりました。
営業収益を部門別、地域別に分解した情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(収益認識関係)1.顧客との契約から生じる収益を分解した情報」に記載しております。
・売上総利益
当連結会計年度における売上総利益は、1,009億46百万円(前期比102.3%)となりました。その主な要因は、原材料高騰の影響を受ける中、イオン「トップバリュ」の販売強化により利益改善を進めたことなどによるものであります。
・販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、947億27百万円(前期比101.9%)となりました。人件費は、新たに電子棚札を導入したほか、セルフレジの導入など引き続き効率化投資を実施したことにより生産性が向上し人件費の伸びを吸収しました。設備費は、冷凍・冷凍ケースの設備刷新及び再生可能エネルギー活用等で電気使用量の増加を抑制しました。
・営業利益
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ5億78百万円増加し、140億61百万円(前期比104.3%)となり、売上高営業利益率は3.8%となりました。
・経常利益
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ5億67百万円増加し、140億84百万円(前期比104.2%)となり、総資本経常利益率は、10.5%となりました。
・特別利益、特別損失
当連結会計年度における特別利益は、発生いたしませんでした(前連結会計年度も発生せず)。また、特別損失は前連結会計年度に比べ93百万円減少し、8億15百万円(前期比89.7%)となりました。
・親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ6億61百万円増加し、132億68百万円(前期比105.2%)となりました。税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、前連結会計年度に比べ4億13百万円減少し、38億80百万円(前期比90.4%)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度を上回りましたが、賃上げ促進税制を適用したことなどにより法人税等が減少したことによるものであります。以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ10億74百万円増加し、93億87百万円(前期比112.9%)となり、自己資本当期純利益率は11.1%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(ア) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し33億6百万円減少し、374億71百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、97億61百万円(前連結会計年度は182億28百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益132億68百万円、減価償却費51億28百万円、法人税等の支払額64億2百万円などであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、108億65百万円(前連結会計年度は64億92百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出104億50百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、22億30百万円(前連結会計年度は21億16百万円の支出)となりました。これは、配当金の支払額19億11百万円などによるものであります。
(イ) 資本政策上の指標数値の実績
(連結) |
|
|
|
|
|
|
2021年2月期 |
2022年2月期 |
2023年2月期 |
2024年2月期 |
2025年2月期 |
売上総利益率 (%) |
27.3 |
27.4 |
27.0 |
27.5 |
27.3 |
売上高営業利益率 (%) |
3.4 |
3.2 |
3.0 |
3.8 |
3.8 |
ROA(総資本経常利益率)(%) |
9.4 |
9.1 |
8.7 |
10.7 |
10.5 |
・売上高経常利益率 (%) |
3.4 |
3.2 |
3.0 |
3.8 |
3.8 |
・総資本回転率 (回転) |
2.8 |
2.8 |
2.9 |
2.7 |
2.7 |
ROE(自己資本当期利益率)(%) |
7.3 |
10.6 |
8.6 |
10.8 |
11.1 |
・売上高当期利益率 (%) |
1.5 |
2.2 |
1.8 |
2.3 |
2.5 |
・総資本回転率 (回転) |
2.8 |
2.8 |
2.9 |
2.7 |
2.7 |
・財務レバレッジ (倍) |
1.7 |
1.7 |
1.7 |
1.6 |
1.5 |
ROA(総資本経常利益率 =売上高経常利益率×総資本回転率)についての分析
当連結会計年度のROAは10.5%であり、前連結会計年度の10.7%に比し0.2ポイント減少しました。ROAを構成する売上高経常利益率は3.8%であり、前連結会計年度と同様であります。
ROE(自己資本当期利益率 =売上高当期利益率×総資産回転率×財務レバレッジ)についての分析
当連結会計年度のROEは11.1%であり、前連結会計年度の10.8%に比し0.3ポイント増加しました。ROEを構成する売上高当期利益率は2.5%(前期は2.3%)であり、ROEを上げる方向に働いております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
2026年2月期の連結成績予想(2025年3月1日~2026年2月28日)
|
(%表示は、対前期増減率) |
|
営業収益 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
||||
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
円 銭 |
通期 |
393,000 |
4.1 |
14,300 |
1.7 |
14,200 |
0.8 |
9,400 |
0.1 |
294.86 |
連結経営成績の予想につきましては、上記のとおりであります。
文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度において、当社グループは、新店に25億22百万円、既存店舗の活性化に21億97百万円の投資を行うとともに、他の既存店舗等につきましても電子棚札、冷凍ケースやセルフレジなどの導入を進めてまいりました。その総額は106億37百万円(未払金調整前)となりました。
当社は、フリー・キャッシュ・フローを営業活動により獲得したキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計として定義しており重要な資金の調達源として位置づけております。当連結会計年度においては、成長加速に向け積極投資を実施した結果、フリー・キャッシュ・フローはマイナス11億4百万円となり、財務活動により支出した22億30百万円を含めて、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比し33億6百万円減少し、株主還元後のフリー・キャッシュ・フローの累計は374億71百万円となりました。小売業である当社グループは、日々の売上金の入金があり、運転資金とフリー・キャッシュ・フローの区分けが必要な財政状況下にはなく、十分な水準の手元流動性を確保しております。一方で、今後の事業展開に伴う新たなる資金需要に対しての機動的対応策として金融機関からの借入も選択の範囲においております。当社グループと各取引金融機関は現在良好な関係にあり、また、下記キャッシュ・フロー指標のトレンドの数値は、主としてリース会計上のリース債務及びその利息により構成されており、新たなる借入負担に対する余力を備えております。
キャッシュ・フロー指標のトレンド |
2022年2月期 |
2023年2月期 |
2024年2月期 |
2025年2月期 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
36.6 |
20.0 |
9.9 |
18.9 |
インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) |
26.0 |
53.2 |
117.2 |
51.4 |
(注) 各指標は以下の算式を使用しております。
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー÷利払い
営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
契約会社名 |
契 約 名 称 |
相手方名称 |
内 容 |
契約期間又は契約締結日 |
マックスバリュ東海 株式会社 |
トップバリュ商品販売基本契約 |
イオントップバリュ株式会社 |
イオンPB商品の販売 |
2008年6月21日から |
2009年6月20日まで |
||||
(以降1年毎自動更新) |
||||
マックスバリュ東海 株式会社 |
商品券共通利用契約 |
イオンリテール株式会社 |
イオン商品券の販売・利用 |
2012年10月21日から |
2013年2月28日まで |
||||
(以降1年毎自動更新) |
||||
マックスバリュ東海 株式会社 |
ITサービス基本契約 |
イオンアイビス株式会社 |
情報の授受・情報システムの利用 |
2019年5月1日から (以降1年毎自動更新) |
マックスバリュ東海 株式会社 |
ロイヤルティ契約 |
イオン株式会社 |
グループ経営ノウハウ利用・ブランド使用 |
2023年3月1日から 2024年2月29日まで (以降1年毎自動更新) |
マックスバリュ東海 株式会社 |
商品売買基本契約 |
イオン商品調達株式会社 |
H&BC商品・グロサリー商品・デイリー商品の販売 |
2022年10月21日から |
2023年10月20日まで |
||||
(以降1年毎自動更新) |
||||
マックスバリュ東海 株式会社 |
イオン総合物流システム 利用等に関する契約 |
イオングローバルSCM株式会社 |
物流業務委託 |
2009年11月21日から |
2010年2月20日まで |
||||
(以降1年毎自動更新) |
||||
マックスバリュ東海 株式会社 |
WAONPOINT 加盟店契約 |
イオンマーケティング株式会社 |
グループ共通電子マネーの利用 |
2017年2月28日から |
2018年2月27日まで |
||||
(以降1年毎自動更新) |
||||
マックスバリュ東海 株式会社 |
ITサービス基本契約 |
イオンスマートテクノロジー株式会社 |
グループ公式アプリその他ITサービスの提供 |
2022年3月1日から |
2027年2月28日まで |
||||
(以降1年毎自動更新) |
特記すべき事項はありません。