第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、主に山口県及び九州の主要都市において、ファミリータイプの「オーヴィジョン」マンション及び分譲戸建「オーヴィジョン」ホームを提供しております。「オーヴィジョン」シリーズにおいては、「人と地球にやさしい暮らし」をコンセプトに、環境に配慮した良質な住まいの提供を通して、「人」と「社会」と「環境」の調和した未来の創造を目指しております。
 また、親会社である西部ガスホールディングス株式会社及び同社グループの関連部門と連携し事業推進体制を整備しております。引き続き、同社及び同社グループとのシナジー効果の最大化に向け、プロジェクト用地情報の共有をはじめとするグループ連携を深めてまいります。

 

(2) 経営指標

当社グループは、用地の取得資金及び建築資金等の一部を主に金融機関からの借入金により調達しております。安定的な事業展開を行うために、自己資本の拡充による財務基盤の強化が重要であると認識しており、最も重視している経営指標は自己資本比率であります。
   なお、自己資本比率の目標値を30%以上としておりますが、持続的な成長と更なる企業価値向上に努めた結果、販売用不動産等の棚卸資産が増加し、当連結会計年度末における自己資本比率は21.7%となりました。引き続き自己資本の拡充と有利子負債の圧縮等を行うことにより自己資本比率の向上に努めてまいります。

 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

①経営環境

当社が属する不動産業界におきましては、住宅取得に対する税制優遇や賃金上昇の側面等もあり、住宅需要は底堅く推移しているものの、地価の上昇、労務費及び建築資材の高騰から分譲マンションの建設費が上昇傾向にあります。また、住宅ローン金利水準の動向等にも懸念があることから、今後の事業環境は楽観視できない状況にあります。

このような環境の中、当社は山口県及び九州の主要都市を中心に不動産事業を行い、持続的な成長と更なる企業価値向上に努めております。

 

②中長期的な会社の経営戦略

中期経営計画(2026年2月期~2028年2月期)の主要な業績目標は以下のとおりであります。

(単位:百万円)

 

2026年2月期

2027年2月期

2028年2月期

中期経営計画

3ヶ年目標

売上高

21,000

21,000

23,000

65,000

営業利益

2,000

2,000

2,200

6,200

経常利益

1,900

1,900

2,000

5,800

親会社株主に帰属する当期純利益

1,300

1,300

1,400

4,000

 

 

 目標達成に向けたセグメントごとの中長期的な経営戦略は以下のとおりであります。

 

(不動産分譲事業)

不動産分譲事業におきましては、再開発や複合開発などの開発事業を積極的に行っていくほか、他社との共同事業(JV)への積極参入や福岡都市圏での用地仕入強化を行い、引渡戸数はマンション500戸以上、戸建100戸以上の販売体制を目指してまいります。また、ZEH(注)仕様の住宅など環境に配慮した住宅の供給にも注力してまいります。

(注)ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、「住まいの断熱性能や省エネ性能を向上し、さらに太陽光発電などで生活に必要なエネルギーをつくり出すことにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気等)をゼロ以下とすることを目指した住宅」であります。

 

 

 

(不動産管理事業)

不動産管理事業におきましては、ストック事業として管理関連事業の強化を行い、7,000戸の管理戸数と管理戸数の増加に伴う組織体制の整備を行ってまいります。

 

 

(不動産賃貸事業)

不動産賃貸事業におきましては、オフィスビル事業の強化をするとともに、将来的な開発を見据えた立地かつ収益性を考慮した賃貸不動産の厳選取得を行ってまいります。

 

(その他)

その他の事業におきましては、郊外や狭小等の分譲マンション開発の困難な用地について、近隣環境等に考慮しながら、宅地造成開発による販売、賃貸マンション、コンパクトマンション等の供給をするなど、土地の有効活用策を検討し、事業を行ってまいります。

 

2026年2月期において、収益に大きく寄与する分譲マンションについては、405戸の引渡しを計画しております。分譲戸建については、引き続き山口県内を中心として80戸の引渡しを計画しております。

 

当社グループは、引き続き不動産市況の変動に適切に対応するとともに、他社との差別化を一層推進し、長期的な競争優位性を維持しながら収益力向上を図るため、特に以下の内容を重要課題として取り組んでまいります。

 

 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①資金繰りを考慮した事業展開

当社グループの分譲マンション開発には期間を要し、その間に発生する建築費等の支出を考慮した場合、複数の案件を手掛けることは、資金繰りに支障をきたす可能性があります。当社グループは今後も、販売中の既存物件の契約状況に十分に配慮しながら、適切なファイナンスを実行し事業拡大を図ってまいります。

 

②経営管理体制の強化

当社グループの属する不動産業界は、「建築基準法」、「国土利用計画法」、「都市計画法」、「宅地建物取引業法」等、建築や不動産取引に関わる多数の法令及び各自治体で定められる建築に関する条例等の法的規制を受けております。これらの法令や各種業務に伴い発生するリスクは著しく多様化し、その影響は増大しております。

また、企業の社会的責任も増大してきており、企業は自身の責任と判断でそのリスクを管理し、収益を上げていくことが必要であります。当社グループは、多様化するリスクを正確に把握し、業務が適正かつ効率的に遂行される仕組みである内部統制システムの構築を進めるとともに、グローバルな視点から国内外のステークホルダーの期待に応えるため、コーポレート・ガバナンスの強化を最重要視した経営管理体制の構築に取り組んでまいります。

 

③人材育成の強化と人材の確保

当社グループでは、役員及び従業員のスキルアップが不可欠と認識しており、職種に応じた専門知識の修得だけでなく、他分野での知識の修得を奨励する資格手当制度を定めております。今後においても、これらの制度を拡充し人材の育成に努めてまいります。また、事業発展の前提となる人材の確保につきましては、中途採用に加え、新卒の定期採用等を積極的に実施し、優秀な人材の確保に努める方針であります。
 

④再開発プロジェクト及び複合プロジェクトにおける進捗管理

当社グループでは、再開発プロジェクト及び複合プロジェクトを手掛けており、仕掛販売用不動産が大きく増加している要因となっております。再開発プロジェクト及び複合プロジェクトは、その性格上、事業規模の大型化や開発期間が長期化いたします。当社グループは、プロジェクトの進捗など、適切に管理を行い、事業拡大を図ってまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

当社グループは、6つの企業理念及び「率先垂範の精励」という社員行動規範を遵守し、全役職員一人一人が企業の社会的責任を自覚し、法令遵守を励行するだけでなく、地球環境への負荷低減に配慮した社会活動を実施しております。また、サステナビリティに関する取組として、「オーヴィジョン」シリーズ及び「Kenwa Style」シリーズを通じて、地球環境に配慮した良質な住まいや住環境を提供し、「人」と「社会」と「環境」の調和した未来を創造することにより持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

(2)具体的な取組

(ガバナンス)

当社グループでは、各事業部の企画会議にて、環境へ配慮した住宅を企画・検討をしております。当期より、GHG排出量の数値を集計しており、今後、企画会議にて内部・外部の環境変化におけるリスクを適宜把握し、サステナビリティの実現に向けた重要課題(マテリアリティ)を設定、重要課題に対する対策を検討してまいります。これらの検討事項を取締役会にて報告・議論することで当社グループのサステナビリティに対する取り組みを推進していくとともに、ガバナンス体制の強化を目指してまいります。

 

(戦略)

①カーボンニュートラルに向けた取組

当社グループでは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様の住宅を供給し、環境へ配慮した住宅供給を実施してまいります。マンションにおいては「ゼロからの発想、ゼロからの創造。0-VISION(ゼロヴィジョン)」を掲げ、お客様が希望されるライフスタイルに合わせて快適な暮らしを実現するという使命を果たしながら、環境への負荷が少ない住環境を提供し、地球環境にやさしい効率的な設備システム等を供給してまいります。今後のオーヴィジョンマンションの供給に際し、省エネ基準より20%以上の1次エネルギーの消費量を削減する仕組みであるZEH-M Oriented(ゼッチ・マンション・オリエンテッド)の認定を受けたマンションを供給してまいります。当期のZEH-M Oriented仕様のオーヴィジョンマンション供給戸数は27戸の供給(供給戸数全体の3.7%)となり、第28期においては133戸(供給戸数全体の53.2%)の供給を予定しております。将来的にはZEH-M Oriented仕様のマンションの供給数を段階的に増加させ、GHG排出量の削減に寄与してまいります。GHG削減量等の指標に関しては、当期より集計を実施しており、その集計を元に今後、検証・検討してまいります。

また、戸建住宅においては、「オーヴィジョン」シリーズ、「Kenwa Style」シリーズを通じて、未来の住まいから逆算した次世代で標準となる設備・仕様を意識したサステナブルな住宅推進を実施しております。将来的な供給戸数やGHG削減量等の指標に関しては、当期より集計を実施しており、その集計を元に今後、検証・検討してまいります。

 

②人材育成の取組

a.学習環境の構築

当社グループでは、役員及び従業員のスキルアップが不可欠と認識しており、eラーニングを活用した社員教育や新入社員へ向けた研修(オリエンテーション等や部署別ジョブローテーション)を実施しております。また、職種に応じた専門知識の修得だけでなく、他分野での知識の修得を奨励する資格手当制度を定めており、あらゆる人材に対し、能力開発及びキャリアアップの機会を公平に提供し、従業員の思う働きがいを高め、自己成長意欲及び主体性を持った人材を育成しております。これらの精度を拡充し人材の育成に努めてまいります。また、当社は多様な価値観を有する人材による意見交換を通じた意思決定が、企業価値の向上に資すると考えており、国籍、性別等に囚われず、その能力・成果に応じた人事評価を行うことを基本方針としております。中途採用に加えて新卒採用を積極的に実施し、人材の確保に努めてまいります。

b.社員エンゲージメント施策の実施

従業員に向けた定期的なストレスチェックの実施や、健康診断の励行などの取組を実施しており、従業員の健康・安全のための取組を実施しております。ワークライフバランスの取れる働き方に関しては、育児休暇・介護休暇の取得推進等、福利厚生の増進を継続的に実施しております。

c.複数大学との産学連携による地域活性化の推進

複数の大学と連携し、地域に根差した実践的な教育・企画等を通じ、地域社会の未来をリードする若者の育成と若者の地元への定着を推進することで、地域の活性化に貢献することを目指しております。

 

(リスク管理)

サステナビリティに関する重要課題、認識した重要課題に対する監視・管理等のため、サステナビリティ関連のリスクと発生可能性について分析し、対応策を検討してまいります。リスクの影響度と発生時期については、各部署と連携し、定期的な確認を実施し、経営企画会議にて報告・協議を実施してまいります。必要に応じて、取締役会へ報告し、重要課題を見直すなど適切に対処してまいります。

 

(指標及び目標)

 a.気候変動に関する取組

カーボンニュートラルに向けた取組に関する指標及び目標については、当期より、営業所別のGHG排出量の測定をおこなう体制を構築しております。現在、当社グループに属する全ての会社の共通目標や会社ごとの具体的な目標設定をしておりませんが、集計したデータを元に検討してまいります。

b.人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略についての指標及び目標については、当社グループに属する全ての会社の共通目標や会社ごとの具体的な目標設定をしていないため、その具体的な目標設定については、今後の課題として慎重に検討してまいります。

また、管理職に占める女性労働者の割合については、「第1 企業の概況 5 従業員の状況(4)管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

 

3【事業等のリスク】

当社グループの事業及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

(1) 有利子負債への依存について

当社グループは、事業用地の取得資金及び建築資金の一部を主に金融機関からの借入金により調達しており、有利子負債依存度が高い水準にあります。今後においても、事業拡大に伴い有利子負債は高い水準で推移するものと想定され、資金調達が十分に実行できない場合や金利が上昇した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 引渡時期による業績変動について

当社グループの主力事業である不動産分譲事業は、分譲マンションの売買契約成立時ではなく顧客への引渡しをもって売上を計上する引渡基準を採用しております。そのため、天災やその他の予想し得ない事態の発生による建築工事の遅延や、不測の事態の発生による住宅設備機器のサプライチェーンへの影響等による引渡しの遅延があった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 住宅の品質管理及び保証について

当社グループでは、不動産分譲事業における建築工事を外注により行っており、当社グループが販売する建物の種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものについては、外注先の施工会社による工事保証にて担保しております。しかしながら、施工会社の財政状態が悪化または破綻する等により施工会社が負うべき契約不適合の担保責任が履行されない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 土地仕入時において予想できないリスクについて

当社グループでは、事業用地の取得に際して、様々な調査を行い、用地取得の意思決定をしておりますが、用地取得時には予想がつかない土壌汚染や地中埋設物等の瑕疵が発見された場合や近隣への建築工事中の騒音や竣工後の日影の影響等に対する近隣住民の反対運動が発生した場合には、プロジェクトの工程に遅れをきたすと同時に、追加費用が発生するため、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事業用地の仕入について

当社グループでは、経済情勢により、不動産市況、不動産販売価格の動向が変化した場合、事業用地の取得価格の変動要因となります。今後、事業用地の取得が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 建築工事費(建築資材・部材価格を含む)などの動向について

当社グループの主力事業である不動産分譲事業は、施工会社との間において工事請負契約を締結し、建物の建築工事を行っており、建築工事費は契約時に決定しております。国内外の経済情勢等の影響により、建築資材・部材価格の高騰等が発生した場合、建築工事費が上昇する可能性があります。基本的に建築工事費や事業用地等の仕入価格は、分譲マンションの販売価格に転嫁することから、これらの価格の動向が販売活動に影響した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 不動産市況の動向やテナントの退去・利用状況等の動向について

当社グループは、賃貸用不動産を保有しております。今後の不動産市況の動向やテナントの退去・利用状況等の動向によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 経済動向・経営環境・不動産市況の変化について

当社グループの属する不動産業界は、景気動向、金利動向、不動産市況、新規供給物件動向、不動産販売価格動向、不動産税制等の影響を受けやすいため、景気見通しの悪化や、大幅な金利の上昇、供給過剰による販売価格の下落発生等、諸情勢に変化があった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 開発・販売地域が集中していることに関するリスクについて

当社グループの開発及び販売地域は、山口・九州エリアに集中しております。当社グループは、今後の成長のために、他地域での開発及び販売を進めていくことも検討しておりますが、同地域の景気が悪化した場合や同地域に重大な災害が生じた場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 在庫に関するリスクについて

当社グループは、分譲マンション・分譲戸建の企画・販売を行うために、先行して用地の仕入を行います。そのような中、急激な景気の悪化、金融機関の金融情勢による金利の上昇及び住宅関連税制の改廃等の要因により、分譲マンション・分譲戸建の不動産に対する需要が減退した場合、当社グループの販売計画の遂行が困難となり、プロジェクト計画の遅延による滞留在庫の増加の影響などから、資金収支の悪化、金利負担の増加などを招く可能性があります。また、「棚卸資産の評価に関する会計基準」により、正味売却価額が取得原価を下回った販売用不動産及び仕掛販売用不動産等について評価損を計上した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 法的規制等について

当社グループの属する不動産業界は、「建築基準法」、「国土利用計画法」、「都市計画法」、「宅地建物取引業法」等、建築や不動産取引に関わる多数の法令及び各自治体で定められる建築に関する条例等の法的規制を受けております。また、子会社の株式会社トラストコミュニティにおきましては、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等による法的規制を受けております。このため、将来におけるこれらの法的規制の改廃、大幅な変更、新法の制定等により、事業計画の見直しの必要が生じる場合や、これらの法的規制等に定める事項に抵触した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

なお、宅地建物取引業免許については、当社グループの主要な事業活動において必要不可欠な免許であります。現時点では、免許または登録の取消事由・更新欠格事由(宅地建物取引業法第65条及び第66条)に該当する事実は存在しておりませんが、今後、何らかの理由により免許及び登録の取消・更新欠格による失効等があった場合には、当社グループの主要な事業活動に支障をきたし、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの有する免許、許可及び登録については、以下のとおりであります。

会社名

法令名

免許・許可・登録等

有効期限

㈱エストラスト

宅地建物取引業法

宅地建物取引業免許
国土交通大臣(4)第7207号

2026年2月15日

㈱エストラスト

建設業法

一般建設業許可
山口県知事許可(般-2)第18142号

2025年6月27日

㈱エストラスト

建築士法

一級建築士事務所登録
山口県知事登録E第2350号

2030年4月9日

㈱トラストコミュニティ

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

マンション管理業者登録
国土交通大臣(4)第072877号

2025年12月28日

㈱トラストコミュニティ

宅地建物取引業法

宅地建物取引業免許
山口県知事(3)第3487号

2030年3月17日

㈱トラストコミュニティ

建築士法

一級建築士事務所登録
山口県知事登録 第3081号

2027年1月18日

㈱エストラスト不動産販売

宅地建物取引業法

宅地建物取引業免許

山口県知事(1)第3769号

2027年1月5日

建和住宅㈱

宅地建物取引業法

宅地建物取引業免許
山口県知事(7)第2695号

2028年11月28日

建和住宅㈱

建設業法

特定建設業許可
山口県知事許可(特-3)第14145号

2026年12月5日

建和住宅㈱

建築士法

二級建築士事務所登録

山口県知事登録D第3821号

2026年10月15日

 

 

(12) 小規模組織であることによるリスクについて

当社グループは、小規模組織であり、今後の成長のために販売、仕入、開発、管理における優秀な人材の確保が必要なものと認識しておりますが、当社グループが必要とする人材を適時に確保できる保証はありません。また、当社グループが必要とする人材が適宜に採用できなかった場合、あるいは従業員数の増加に対して管理体制の構築が順調に進まなかった場合には、当社グループの業務に支障をきたす可能性があります。また人員増強、教育及びシステム等の設備強化等に伴って、固定費の増加等から収益性の悪化を余儀なくされ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 個人情報管理について

当社グループでは、多数のお客様の個人情報をお預かりしており、個人情報については、個人情報保護基本規程等に基づいて厳重に管理しております。また、社内の情報管理システムを強化するとともに、従業員等に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底を行っております。しかしながら、これらの対策にもかかわらず個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用等に影響を与え、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 親会社について

当社の親会社である西部ガスホールディングス株式会社は、当社の経営に関し、当社の独自の企業文化、経営の自主性を維持する方針であります。今後においても同社は当社の自主的な経営を尊重しつつ連携を深めていくものとしておりますが、同社の経営方針に変更があった場合、当社の事業運営等に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は、親会社との間で以下の関係を有しております。

 

(i) 西部ガスホールディングス株式会社との取引について

当社と西部ガスホールディングス株式会社の間には、当連結会計年度における重要な取引関係はありません。

(ⅱ) 西部ガスグループ企業との関係について

当社と西部ガスグループ各社との間には、当連結会計年度における重要な取引関係はありません。

 

 

なお、上記は当社グループが事業を継続する上で、予想される主なリスクを具体的に例示しており、これらに限定されるものではありません。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1. 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、社会活動の正常化が進み、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復、個人消費の持ち直し等により、一部を除き、景気状況は緩やかな回復傾向となっております。しかしながら、米国の経済政策を巡る不確実性や金融・為替市場の動向、円安に伴う物価上昇やエネルギー資源の価格高騰、ウクライナ情勢等の地政学的リスクや金融資本市場の変動の影響等から依然として先行きは不透明な状況が続いております。

当社グループが属する不動産業界におきましては、金融市場金利の上昇による住宅ローン金利の上昇がある一方で、政府による各種住宅支援策が継続されていることや賃金上昇の側面もあることから、景況は底堅く推移しました。反面、円安による物価上昇に伴う建築コストの上昇や建設労働者不足、今後の住宅ローン金利水準の動向等には、予断を許さない状況が続いております。

このような環境下ではありましたが、当社の主要供給エリアである山口県及び九州の主要都市を中心に不動産事業を展開した結果、需要は底堅く推移しました。

当社の主力事業である不動産分譲事業では、収益に大きく寄与する分譲マンションについては、425戸(前年同期比76戸増)の引渡が完了いたしました。山口県において展開する分譲戸建については、69戸(前年同期比7戸減)の引渡が完了いたしました。その結果、当連結会計年度において分譲マンション及び分譲戸建ての総引渡戸数は494戸(前年同期比69戸増)となり、売上高、営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は増加いたしました。費用面については、モデルルーム費などの販売費及び一般管理費が減少いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は19,218百万円(前期比6.5%増)、営業利益は1,998百万円(同75.2%増)、経常利益は1,931百万円(同78.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,339百万円(同83.7%増)となりました。

 

セグメントの業績を示すと次のとおりであります。

 

(不動産分譲事業)

不動産分譲事業におきましては、分譲マンション425戸(前期比76戸増)、分譲戸建69戸(同7戸減)の引渡を行いました。分譲マンションの引渡戸数の増加により売上高が増加いたしました。また、費用面でも広告宣伝費等の販売費及び一般管理費が減少いたしました。

以上の結果、売上高は17,137百万円(前期比23.0%増)、セグメント利益は2,289百万円(同85.6%増)となりました。

 

(不動産管理事業)

不動産管理事業におきましては、当社グループの管理物件が増加し、マンション管理戸数は6,532戸(前期比723戸増)となりました。管理戸数増加により管理手数料収入が増加し、リフォーム工事等の完成工事高についても増加いたしました。

以上の結果、売上高は673百万円(前期比11.5%増)、セグメント利益は98百万円(同12.0%増)となりました。

 

    (不動産賃貸事業)

不動産賃貸事業におきましては、当社グループが保有する賃貸用不動産から安定的に収益を確保いたしました。

以上の結果、売上高は440百万円(前期比22.9%増)、セグメント利益は207百万円(同19.1%増)となりました。

 

(その他)

その他附帯事業として、不動産の売却等を行った結果、売上高は967百万円(前期比69.3%減)、セグメント利益は152百万円(同57.2%減)となりました。

 

 

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて8,273百万円増加し、43,917百万円となりました。このうち流動資産は、前連結会計年度末に比べて7,806百万円増加し、36,400百万円となり、固定資産は、前連結会計年度末に比べて466百万円増加し、7,517百万円となりました。流動資産の主な増加の要因は、現預金の増加2,571百万円及び販売用不動産4,462百万円の増加によるものです。また、固定資産の主な増加の要因は、モデルルーム用地の購入に伴う土地の増加261百万円、建物及び構築物の増加116百万円であります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて7,050百万円増加し、34,381百万円となりました。このうち流動負債は、前連結会計年度末に比べて8,073百万円増加し、27,578百万円となり、固定負債は、前連結会計年度末に比べて1,022百万円減少し、6,803百万円となりました。流動負債の主な増加の要因は、未払金の増加3,736百万円及び前受金の増加2,556百万円であります。また、固定負債の主な減少の要因は、返済による社債の減少550百万円及び用地仕入及びマンションの進捗に伴う長期借入金の減少516百万円であります。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,222百万円増加し、9,536百万円となりました。主な増加の要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,200百万円増加したことであります。

 なお、当連結会計年度末において、自己資本比率は21.7%、1株当たり純資産額は1,581円08銭となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動により3,501百万円増加、投資活動により521百万円減少、財務活動により409百万円減少しております。以上の結果、前連結会計年度に比べて2,571百万円増加し10,261百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な原因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、3,501百万円(前連結会計年度は1,697百万円の増加)となりました。これは、前受金が2,556百万円、未払金が3,736百万円増加したこと及び棚卸資産が4,614百万円増加したこと等による資金の増加によります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、521百万円(前連結会計年度は544百万円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得により514百万円を支出したこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュフロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、409百万円(前連結会計年度は327百万円の増加)となりました。これは、長期借入れによる収入が10,820百万円、短期借入金の純増額が1,030百万円あった一方、長期借入金の返済による支出が11,970百万円あったこと等による資金の減少によります。

 

 

(3) 生産、受注及び販売の実績

  ① 生産実績

  該当事項はありません。

 

    ② 契約実績

  当連結会計年度の契約実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 2023年3月1日
    至 2024年2月29日

当連結会計年度
(自 2024年3月1日
  至 2025年2月28日

前期比(%)

件数

契約高(百万円)

件数

契約高(百万円)

不動産分譲事業

 

 

 

 

 

 分譲マンション

405

14,330

377

14,472

1.0

 分譲戸建

81

2,540

75

2,514

△1.0

合     計

486

16,870

452

16,987

0.7

 

(注) 1.件数については、戸数を表示しております。

2.不動産管理事業、不動産賃貸事業及びその他の事業においては、事業の性質上記載を省略しております。

 

当連結会計年度の契約残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 2023年3月1日
    至 2024年2月29日

当連結会計年度
(自 2024年3月1日
  至 2025年2月28日

前期比(%)

件数

契約高(百万円)

件数

契約高(百万円)

不動産分譲事業

 

 

 

 

 

 分譲マンション

372

13,419

323

13,056

△2.7

 分譲戸建

19

607

25

819

34.9

合     計

391

14,026

348

13,876

△1.1

 

(注) 1.件数については、戸数を表示しております。

2.不動産管理事業、不動産賃貸事業及びその他の事業においては、事業の性質上記載を省略しております。

 

    ③ 販売実績

   当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度
(自 2023年3月1日
    至 2024年2月29日

当連結会計年度
(自 2024年3月1日
  至 2025年2月28日

前期比(%)

件数

販売高(百万円)

件数

販売高(百万円)

不動産分譲事業

 

 

 

 

 

 分譲マンション

349

11,565

425

14,835

28.3

 分譲戸建

76

2,368

69

2,302

△2.8

 不動産分譲事業計

425

13,934

494

17,137

23.0

不動産管理事業

604

673

11.5

不動産賃貸事業

358

440

22.9

そ    の    他

3,147

967

△69.3

合     計

425

18,044

494

19,218

6.5

 

(注) 1.件数については、戸数を表示しております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

2. 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される見積り及び判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

①売上高・売上総利益

 当連結会計年度における売上高は19,218百万円(前期比1,174百万円増)、売上原価は15,045百万円(前期比431百万円増)となりました。主な増加の要因はマンション引渡戸数の増加及び不動産賃貸収入の増加によるものであります。また、売上原価について、建築コスト等が増加となったものの、購入販売不動産の原価が減少したため、原価率は78.2%と前連結会計年度より2.7%減少いたしました。

 その結果、売上総利益は4,173百万円(前期比742百万円増)となりました。

 

②営業利益

 当連結会計年度における営業利益は1,998百万円(前期比857百万円増)となりました。主な増加の要因は、広告宣伝費などの販売費及び一般管理費の減少によるものであります。

 

③経常利益

 当連結会計年度における経常利益は1,931百万円(前期比847百万円増)となりました。営業外収益は166百万円(前期比15百万円増)となりました。また、営業外費用は233百万円(前期比26百万円増)となりました。

 

④親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,339百万円(前期比610百万円増)となり

ました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループの資金需要のうち主なものは、用地の取得資金及び建築資金等の事業資金等であります。当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に維持・確保するため、自己資金を活用するほか、金融機関より借入金や社債によって調達しております。調達においては、金利情勢に注意を払いつつ、適切なコストで安定的に資金を確保するべく、主要取引行等とは調達枠を設けた当座貸越契約を締結する等、資金調達における流動性を補完するとともに、金融機関と良好な関係を維持継続してまいります。
  当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1. 経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(4)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、3 事業等のリスクに記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。