第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、食料品を中心に販売するスーパーマーケット経営を通じ、「Better Life with Community(地域社会の人々に、より充実した生活を)」を経営理念に、お客様に支持され信頼される店作りを進め、スーパーマーケットとしての社会的役割を経営の基本としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、厳しい外部環境の中、安定成長と財務体質の強化を図り、企業価値を常に最大にするための体制作りを行ってまいります。そのために、連結売上高経常利益率を重要な経営指標と捉え、4.5%以上の確保に向けて、今後の事業戦略に反映させてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、経営方針の実現のため、中長期の経営戦略として、標準化したフォーマットでの計画出店を行い、新たな商圏開発に取り組むとともに、あわせて既存店の改装等による店舗活性化や店舗状況に合わせた諸施策を実施し、一層のドミナント化とお客様に支持される店舗展開を行います。
 また、高収益の企業体質を維持、継続していくために、効率経営によりさらなるローコストオペレーションに取り組んでまいります。

 

 (4)会社の優先的に対処すべき課題

今後の経営環境は、個人消費の先行きが不透明なことに加え、企業間競争の激化等依然厳しい状況が続くものと思われます。このような状況の中で、当社グループが経営戦略を実現するために、優先的に対処すべき課題は以下のとおりであります。

① 新規優良立地の確保による計画的出店

② 高い労働生産性の実現

③ 経費コントロールの徹底

④ 自社物流の展開による効率化の推進

⑤ 連結子会社の収益性の向上

これらの施策により、高収益体質を維持し、競争力のある企業グループを目指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、気候変動等の環境課題、人権、人的資本経営、サプライチェーン等に関するサステナビリティを巡る課題への対応が、リスクの減少のみならず中長期的な企業価値の向上につながる重要な経営課題であると認識しております。

リスク管理委員会は、当社グループの経営資源の保全、社会的評価及びステークホルダーへ影響を与えうるリスク(不確実性)に対して、迅速かつ的確に対応することを目的として設置しています。2024年1月より、サステナビリティを巡る課題への対応は、全社的な視点から包括的に評価し戦略的なアプローチが必要なことから、その課題への対応をリスク管理委員会の所管事項としました。

リスク管理委員会は、代表取締役社長を委員長、業務執行取締役を委員として構成し、オブザーバーとして常勤監査役が委員会に出席しています。リスク管理委員会は、サステナビリティを巡る課題に対する方針の策定、担当取締役の任命、リスクと機会の特定、指標及び目標の設定のほか、取組計画の承認及び進捗状況の監督等を行っています。リスク管理委員会は、2025年2月期においては7回開催し、その議事内容は、委員会事務局(業務サポート部)がその議事内容を記録し、取締役会に報告し、取締役会との連携を図っています。

また、当社グループのサステナビリティに関する考え方、目標、取組状況等について、ステークホルダーの皆様と共有するため、2023年3月にサステナビリティ広報室を設置し、IR専門部署である業務サポート部とともに、サステナビリティ情報開示の充実を図っています。


スーパーマーケットを事業活動の中心としている当社グループが、持続可能な社会の実現に向け果たすべき役割について、リスク管理委員会において、その洗い出しを行い、下表のとおり特定しました。

E/環境

・気候変動対応

・循環型社会への貢献

・廃棄物排出量の削減

S/人的資本経営

・様々な課題を解決し、新しい価値を作り出す人間力のある人材の育成

・ダイバーシティ

・健康経営

S/地域社会との連携

・安全安心な商品の供給

・地域社会への貢献

G/コーポレートガバナンス

・コンプライアンスの徹底

・リスクマネジメント

 

今後も、取組の進捗状況、外部環境及び社会意識の変化を踏まえ、定期的な見直しを行っていきます。

 

 

(2)戦略

①気候変動への対応に関する戦略 

(気候変動対応に関する指標・目標の設定)

持続可能な社会の実現に貢献するため、環境マネジメントの重要なテーマとして、次の項目を選定し、各種施策を推進しています。

1. 政府が推進する「2050年目標(カーボンニュートラル:CO2排出量ゼロ)」の実現に向け、当社グループでは、長期目標として「2050年度のGHG(温室効果ガス)排出実質ゼロ」を目指し、再生可能エネルギーへの転換、省エネ・創エネの取り組み等、その対応を進めていきます。

2. 循環型社会の実現のため、事業活動から排出される資源ゴミだけでなく、販売した製品の包材等の回収を積極的に行い、資源利用量の削減に取り組んでいきます。

3. 廃棄物排出量削減のため、デジタル技術やデータを活用した発注数量コントロール、販売方法の見直し、食品リサイクルの推進を行い、排出量の削減に取り組んでいきます。

4. その他、環境に対する負荷の軽減または回避、汚染の削減等に取り組むとともに、法令及び規制を遵守いたします。

 

(シナリオ分析の前提条件)

当社グループは、スーパーマーケットを展開する当社(株式会社ベルク)、惣菜を中心とした加工食品の製造を行う株式会社ホームデリカと、販売資材、消耗品等の供給及び店舗等の清掃業務を行う株式会社ジョイテックで構成されています。

TCFDシナリオ分析の実施対象範囲は、スーパーマーケット事業を展開する当社グループ全体とし、時間軸は、当社グループ中期経営計画実行年度及び政府の温室効果ガス排出削減目標の時間軸にあわせ、短期 2027年、中期 2030年、長期 2050年に設定しました。

また、急速に脱炭素社会が実現する「1.5℃シナリオ」及び気候変動により自然災害の甚大化と頻度が増加する「4℃シナリオ」について、次のように設定しました。

設定シナリオ

1.5℃シナリオ

※急速に脱炭素社会が実現

4℃シナリオ

※気候変動により

自然災害の甚大化と頻度が増加

現象

産業革命以前と比較して平均気温上昇が1.5℃程度。気候変動対策の政策・法規制が大幅に強化され、この結果、脱炭素に向けて社会変容が発生する。災害等の物理的リスクは現状比不変。

産業革命以前と比較して平均気温上昇が4℃程度。気候変動対策の政策・法規制及び脱炭素社会への移行が進まず、気候変動による物理的なリスクが顕在化。

参照

シナリオ

物理面

 IPCC SSP1-1.9

持続可能な発展の下で、気温上昇を1.5℃以下に抑えるシナリオ

IPCC SSP5-8.5

化石燃料依存型の発展の下で、気候政策を導入しない最大排出量シナリオ

移行面

IEA WEO2023 NZE シナリオ

(Net Zero Emissions Scenario)

世界全体として2050年にGHG排出量をネットゼロにすることを前提に策定されたシナリオ(2100年の温度上昇1.5℃)

IEA WEO2023 STEPSシナリオ

(Stated Policies Scenario)

50%の確率で、2100年の温度上昇2.4℃となるシナリオ

 

シナリオ分析を実施するにあたり、1.5℃シナリオ及び4℃シナリオにおける当社グループを取り巻く将来の世界観を整理いたしました。

1.5℃シナリオにおいては、環境規制が進み低炭素社会へ移行し、炭素税の導入やフロン規制強化など、移行リスクに関連するコストが増加することが想定されます。一方で、顧客の環境に対する意識が向上し、環境配慮型商品の需要が増加すると考えられます。

4℃シナリオにおいては、脱炭素社会への移行は失敗し気温は大きく上昇、物理的リスクが顕在化することが想定されます。異常気象や気温上昇による食料品の収量・品質悪化、食料品価格の上昇等が想定され、安定的な食品供給の重要性が高まると考えられます。

 

(気候変動による重要なリスクと影響度の定性評価)

当社グループでは、主要な事業であるスーパーマーケット事業において、気候変動により想定されるリスクと機会の洗い出しを行う過程で、バリューチェーン分析を実施しております。

分析においては、スーパーマーケット事業におけるバリューチェーンを大きく5つの枠組みに簡略化し、各段階におけるリスクと機会の洗い出しを行った後、リスク重要度評価を行い、当社グループにとって重要度の高いリスクと機会を特定しました。その後、対象事業と関係のあるシナリオを参照し、特定したリスクと機会に対して、財務的影響を把握しました。

リスク

要因

考えられるリスク

事業インパクト

時間軸

対応策

1.5℃

4℃

財務的

影響

移行
リスク

政策

規制

炭素税導入

炭素税の導入によるコストの増加

費用

増加

中・長期

・GHG排出量削減目標の設定及び削減施策の実行

・電力等のエネルギー調達先・方法の見直し

GHG排出量規制強化

フードロスへの対応強化にかかるコストの増加

費用

増加

短・中・長期

・適正発注による発生抑制

・食品残渣のリサイクル及び適正処理

・サプライヤーとの協働

・在庫管理最適化

・フードバンクへの寄付

・補助金の活用

代替フロン規制強化

フロン規制強化による設備投資コストの増加

費用

増加

短・中・長期

・設備更新計画の立案及びコストシミュレーション

・適切な点検、メンテナンスの実施

・補助金の活用

物理的リスク

急性

気候変動による災害激甚化、サプライチェーンの寸断・脆弱化

店舗罹災時における復旧コストの増加

費用

増加

短・中・長期

・BCPの策定及び災害発生時の早期営業再開準備

・ハザードマップを活用した危険度の把握及び対応

・自治体等との連携による相互支援体制の整備、構築

浸水・停電等の被害による店舗や製造拠点の営業停止

売上

減少

短・中・長期

生産地や物流機能への被害による商品・資材の欠品・供給不足

売上

減少

中・長期

・商品調達及び物流体制の強靭化、多様化、分散化

慢性

平均気温の上昇、降水・気象パターンの変化

農・畜・水産物の収量低下による原材料価格の上昇

費用

増加

中・長期

・気候変動の影響を受けやすい重要品目の特定及び産地との連携

・原材料の調達ルートや輸送手段の多様化、分散化

・気候耐性のある原材料の調達拡大による安定的な仕入れの確保

・気候変動に左右されない冷凍食品や加工食品の拡充

農・畜・水産物の欠品・品質低下等による販売機会ロス

売上

減少

中・長期

 

※ リスク重要度評価を実施するにあたり、「発生した際の影響の大きさ」及び「発生頻度」の2軸の評価基準を用い、その影響度を小・中・大の3つに分類しております。

 

機会

考えられる機会

影響度

機会の取込施策

1.5℃

4℃

機会

資源
効率

発注システム高度化によるフードロス削減、原材料調達コストの減少

・省エネ・再エネ設備の導入に際しての資金調達手段の多様化

・上記における費用対効果を最大化させるコストシミュレーション及びシナリオ分析の実施

・専門部署「データコントロール室」による適正な発注数量のコントロール実施

・全店舗、全工場における食品残渣のリサイクル実施(堆肥化・飼料化・ガス化)

・自然冷媒を使用する冷蔵、冷凍ケースの導入拡大

食品残渣の有効活用によるフードロス削減、廃棄コスト減少

自然冷媒を使用した設備の導入によるエネルギー効率の向上、GHG排出量削減

市場

産地との連携による調達力強化

・気候変動の影響を受けやすい重要品目の特定及び産地との連携

製品とサービス

顧客嗜好に合わせた環境配慮型商品の仕入・開発による売上増加

・環境配慮型商品の仕入・開発による売上増加

自社ネットスーパーの利便性強化により利用者増加、売上拡大

・ネットスーパーにおける機能の充実化、サービス提供地域の拡大

レジリエンス

サプライチェーンの見直し、再構築によるレジリエンス強化

・各自治体のハザードマップ等を活用し、事業所別危険度を把握

・BCP計画(被害の事前想定と事業継続に向けた計画)の策定、被害が発生した場合の早期営業再開に向けた体制構築

・原材料の調達ルートや輸送手段の多様化

・自治体との連携による相互支援体制の整備、構築

調達ルートの多角化による競争力強化、売上増加

 

※ 影響度については、「〇」は影響が大きいと想定されるもの、「△」は限定的に影響を受けるものとしております。

 

(事業インパクト評価を踏まえた財務的影響の整理)

事業インパクト評価において影響度「大」と評価したリスクについて、財務への影響を具体的に整理しました。今後は定量的な数値の算定・把握に取り組んでいきます。

シナリオ

リスク

要因

考えられるリスク

財務への影響度の想定

1.5℃

シナリオ

移行リスク

政策・規制

炭素税導入

炭素税の導入によるコスト増加

・炭素税の導入により、当社グループが排出するScope1、Scope2に対する炭素税負担が増加

GHG排出量規制強化

フードロスへの対応強化にかかるコストの増加

・フードロスに関わる各種規制が強化された場合、食品廃棄コストや環境コスト(サプライチェーンにおける上流・下流での炭素税負担の転嫁)の増加により、費用増加

代替フロン規制強化

フロン規制強化による設備投資コストの増加

・代替フロンに関する規制が強化された場合、フロン排出削減のため、冷蔵・冷凍設備の入替が必要となり、費用増加

4℃

シナリオ

移行リスク

政策・規制

GHG排出量規制強化

フードロスへの対応強化にかかるコストの増加

・フードロスに関わる規制が強化された場合、主に食品廃棄コストの増加により、費用増加

物理的リスク

急性

気候変動による災害激甚化、サプライチェーンの寸断・脆弱化

店舗罹災時における復旧コストの増加

・風水害等による災害の激甚化により、店舗が罹災することで復旧コストが発生、費用増加

浸水・停電等の被害による店舗や製造拠点の営業停止

・風水害等による災害の激甚化により、店舗や製造拠点において浸水・停電等の被害が発生。営業停止により売上減少

生産地や物流機能への被害による商品・資材の欠品・供給不足

・風水害等による災害の激甚化により、生産地や物流機能への被害が発生。商品や資材の供給が滞ることにより、商品の欠品や品不足が発生し、売上減少

・一方、大規模災害時の消費者による買いだめ等の行動により、一時的な売上増加も発生

物理的リスク

慢性

平均気温の上昇、降水・気象パターンの変化

農・畜・水産物の収量低下による原材料価格の上昇

・平均気温の上昇や天候不順により、サプライチェーンの上流において、農・畜・水産物の収量低下が発生。供給不足により原材料価格が上昇し、費用増加

・平均気温の上昇や天候不順により、サプライチェーンの上流における生産性低下による欠品・品質低下が発生。品不足や品質低下により販売量が低下し、売上減少

農・畜・水産物の欠品・品質低下などによる販売機会ロス

 

 

(対応策の検討)

政府が推進する「2050年目標(カーボンニュートラル:CO2排出量実質ゼロ)」の実現に向け、当社グループでは、長期目標として「2050年度のGHG(温室効果ガス)排出実質ゼロ」を目指し、その対応を進めていきます。GHG排出量削減の取り組みでは、排出量の8割を占める電気の使用に伴う間接排出を重点に、省エネ・創エネのほか、再生可能エネルギーへの転換を推進し、削減目標の達成を目指していきます。

電力使用量を抑える「省エネ」は、設備面では、店舗照明を蛍光灯使用時と比較して消費電力が約半分となるLED照明への切り替え、効率よく保冷する開閉式扉のショーケースの導入等を行い、運用面では、使用電力を見える化し、コントロールするデマンドモニターを全店に設置し、電力使用量の削減に取り組んでいます。

電気を創る「創エネ」では、物流センターや店舗において「太陽光発電」の設備導入を順次進め、CO2を排出しない再生可能エネルギーの採用を拡大しています。2025年2月末現在では44か所の事業所に「太陽光発電」設備を導入し、CO2排出量4,319t-CO2に相当する1,021万kWhを発電しました。

「再生可能エネルギーへの転換」では、店舗や物流センターで使用する電力を非化石電源に順次切り替え、2025年2月期には、電力会社から供給される電力の約8割を発電時に化石燃料を使用せず大気中のCO2を増加させない「非化石電源」への切り替えを行い、101,140t-CO2相当のCO2排出を削減しました。

また、GHG排出量の約1割を占める代替フロンについては、従来の代替フロンガスから自然冷媒を使用する冷蔵ケースを導入することにより、GHG排出量の削減に取り組んでいます(2025年2月末現在、19店舗に導入)。

店舗及び冷凍機器の更新を伴う既存店舗の改装では、半数以上の店舗に自然冷媒機器を導入しています。

 

当社グループでは、資源循環型社会への貢献の取り組みとして、スーパーマーケット事業の特性を活かしたリサイクル活動を積極的に推進し、資源利用量の削減に取り組んでいます。

全店舗の店頭に「リサイクルステーション」を設置し、ペットボトル・牛乳パック・食品トレー・アルミ缶等を回収しています。お客様には、販売した商品の包材を次回のお買物時にご持参いただくことで、普段の生活スタイルの中でリサイクル活動にご協力いただいています。回収ボックスの大型化や回収作業の効率化を図ることで、より多くの回収量を目指しています。また、店舗の営業に伴って排出されるダンボール、発泡スチロール、雑紙についても、店頭回収と同様に、リサイクルを行っています。

回収した資源ゴミは、自社配送の帰り便を活用して、物流拠点に隣接した自社「リサイクルセンター」に配送しています。リサイクルセンターは、2004年に開設され、回収した資源ゴミの減容及び溶解処理を行い、2025年2月期には、ダンボール(29,554トン)をはじめ、39,882トンをリサイクルしました。

 

廃棄物排出量の削減への取り組みは、食料品を取り扱うスーパーマーケットにとって重要なテーマの一つです。

廃棄物の発生抑制では、当社グループの特長である本社主導型経営により、デジタル技術やデータ分析を活用し、専門部署「データコントロール室」が適正な発注数量のコントロールを行っています。また、商品化や販売方法の見直しにより、食品残渣の削減、売り切りに取り組んでいます。

また、発生してしまった食品残渣は、全店舗、全工場において食品リサイクル(堆肥化・飼料化・ガス化)を実施しており、当社の食品リサイクル率は69.9%(2024年2月期)となっています。また、微生物による分解処理機の設置(44か所)、脱水処理による運搬や焼却時の環境負荷の軽減に取り組んでいます。

2024年3月には、専門部署「フードロス対策室」を新設し、施策推進を深化させるとともに、サプライヤーとの協働により、サプライチェーン上のフードロスに関する課題の解決に取り組んでいます。

 

②人材の多様性の確保を含む人的資本に関する戦略 

当社グループの経営理念は、社名の由来でもある「Better Life with Community(地域社会の人々に より充実した生活を)」であり、これをコンセプトに生鮮食料品を中心に地域密着型のストアづくりに取り組んでいます。

小売業は変化対応業であり、常に時代の変化を見据え、社会環境の変化に対応していかなければなりません。当社グループの中長期的な企業価値の向上を図り、持続可能な社会の実現へ貢献するために、人材育成及び社内環境整備は重要な経営課題の一つであると認識しております。

 

(人材育成に関する方針)

当社グループでは、「様々な課題を解決し、新しい価値を創り出す人間力のある人材」の育成を目指し、一人ひとりのレベルや立場、特性に応じた教育プログラム、技術や知識の習得を行うトレーニングセンターの設置、デジタルツールの活用、体験型学習への転換等、変化を楽しみながら、お客様の笑顔を見たい、地域に貢献していきたいという従業員の成長をサポートしています。

 

 ・ 階層別・職種別研修(新入社員・フォローアップ・スペシャリスト・キャリア採用)

 ・ 技術研修(作業技術・商品知識・販売知識・産地視察・工場視察)

 ・ 管理者研修(部門チーフ・副店長・店長・課長塾)

 ・ 特別研修(若手人材育成・ビジネススキル・食とマナー)

 ・ 部門横断したテーマ別勉強会(商品開発・デジタル学習)

 ・ 外部セミナーへの派遣

 ・ 自己啓発支援(通信教育・デジタル学習ツール・社内資格認定試験)

 

(社内環境整備に関する方針)

従業員一人ひとりが能力を発揮するには、「従業員が前向きにチャレンジできる社内環境の整備」が不可欠であると考えており、様々な取り組みを推進しています。

 

 ・ 仕事のやりがいを醸成する従業員エンゲージメントの向上とハラスメント対策

 ・ 仕事とプライベートを両立し、働きやすさを実現するワークライフバランス

 ・ 多様な視点や価値観を共有し、従業員の個性と能力を発揮するダイバーシティの推進

 ・ 従業員が心身ともに健康であることを推進する健康経営・労働安全衛生の取り組み

 

(従業員エンゲージメント)

従業員一人ひとりの能力が最大限発揮できるように従業員との良好な関係をつくり、仕事のやりがいを醸成する取り組みを推進し、従業員エンゲージメントの向上を図っています。商品開発及び接客等の優れた取り組み、技術及び知識に優れた従業員に対する表彰を行ない、また、1on1面談及び自己申告制度を通じて従業員の立場や特性に応じた意見や悩みを把握することで、能動的に業務に取り組める社内風土、環境づくりを行っています。

 

当社は、「経営資源の成長分野への重点的な投入、従業員の能力開発やスキル向上等を通じて、持続的な成長と生産性向上に取り組み、付加価値の最大化に注力する」ことを方針としています。その上で、生み出した収益・成果に基づいて、「賃金決定の大原則」に則り、自社の状況を踏まえた適切な方法による賃金の引上げを行うとともに、それ以外の総合的な処遇改善としても、従業員のエンゲージメント向上や更なる生産性の向上に資するよう、人材投資を中心に積極的に取り組むことを通じて、従業員への持続的な還元を目指しています。賃金の引上げについては、社会情勢や経営環境を考慮しつつ、適切な定期昇給、人事評価制度を通じた役割・成果に応じた評価・報酬制度の適正性向上、業務効率化による労働環境改善等も含めた総合的観点での賃上げに取り組んでいきます。

また、人材投資については、研修制度の拡充や自己啓発支援制度の活用による人材育成強化、人材の多様性の推進等により、人的資本の拡充に取り組んでいきます。

 

ハラスメント行為は、人権侵害にあたるだけでなく、従業員のメンタル不調・モチベーションの低下につながる等、企業価値向上を阻害する課題として、経営陣のみならず、従業員一人ひとりが予防・防止に取り組むことが重要と考えます。毎年4月を「ハラスメント防止啓発月間」とし、全従業員向けにトップメッセージの発信、ハラスメント防止研修の実施、ポスターの掲示等を行ない、予防・防止への意識を高める機会として取り組んでいます。ハラスメント行為の相談・通報窓口として、コンプライアンス委員会が運営する「従業員情報ダイヤル」を設置し、必要に応じて調査・是正措置を行なうこととしています。

また、当社グループは、地域社会の人々により充実した生活を提供するために事業活動を行い、お客様との関係を大切にしていますが、時にはお客様からの不適切な言動や行為によって、従業員が困惑したり、不快な思いをすることがあることから、2023年11月に従業員の安全配慮義務の観点からこのような課題に対する行動指針を定め、公表・店内掲示を行いました。

2025年2月には、従業員への実態調査結果から接客時の名札(名前の非表示)を変更し、従業員の心理的負担の軽減、プライバシーへの配慮を行っています。

 

(ワークライフバランス)

仕事とプライベートを両立し柔軟な働き方ができる職場環境の整備は、従業員の成長を促し、業務が効率化するだけではなく、従業員の健康維持、多様な人材の活躍につながると考え、従業員一人ひとりの「働きやすさ」の実現を目指しています。

 

労働時間の適正化及び休暇の取得促進については、部門横断的に課題を共有し解決するための会議を開催しています。多様な働き方については、地域限定社員制度の導入により従業員の生活環境や価値観、ライフステージに合わせた正社員区分の選択が可能となっています。また、積極的なデジタルの活用によるテレワークの推進を行う等、仕事とプライベートを両立する取り組みを行い、埼玉県の多様な働き方実践企業認定制度の「プラチナ」に認定されています。特に、女性従業員の育児休暇取得率が100%である一方、男性従業員の取得率は1割程度と低い水準であることが課題でした。2022年4月に育児・介護休業法が改正されたことを機に、男性従業員への育休取得の意向確認を強化し、育児休暇取得対象者に対する育児休業によるメリット、様々なサポート体制の周知を行い、また、育児休暇中の代替人員体制を整備することで、2030年までに100%取得を目指していきます。

2005年4月より施行された「次世代育成支援対策推進法」を実践していくために、以下のとおり行動計画を策定しています。すべての社員がその個性と能力を充分に発揮し、安心して働きつづけることができるような雇用環境を整備し、仕事と子育てを両立させ、次世代育成支援について地域に貢献できるような策定内容とし、取り組んでいきます。

 

 ・ 男性従業員の育児休業取得率を70%以上にする

 ・ 男性従業員の育児休業取得者のうち、1か月以上取得する割合を50%以上にする

・ 雇用するすべてのフルタイム労働者一人当たりの各月の法定時間外労働及び法定休日労働の合計時間数を平均25時間未満とする

 ・ キャリア形成のサポート強化

 

2025年2月期においては、従業員が安心して長期的に働ける職場環境の整備のため、新たに2つの制度を導入しました。2024年9月からは、従業員が不幸にも亡くなった際に、その遺族を支援する新たな制度「従業員遺族サポート制度」を導入しました。この制度は、従業員が安心して働ける環境を提供するとともに、万一の場合でも、遺族が安心して暮らせる環境を整えることを目的としています。

また、2024年10月からは、新卒で入社する正社員を対象に「奨学金返還支援(代理返還)制度」を導入しました。この制度は、独立行政法人日本学生支援機構から奨学金を借りている社員に対し、当社が同機構への返還を代理で行うことで社員の心理的及び経済的な負担を大幅に軽減し、この支援を通じて社員が安心して長期的に働ける環境を整えるとともに、個々のキャリア形成とモチベーションの向上に繋げることを目的にしています。

 

(ダイバーシティの推進)

多様な視点や価値観が存在することが、会社の持続的な成長を確保する上で強みとなるとの認識に立ち、従業員の個性と意欲を尊重し、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。

 

女性が活躍できる雇用環境の整備を行うため、2021年4月から2026年3月までの「女性活躍推進法に基づく行動計画」を策定しています。現状においては、正社員における女性の比率が低く、また、平均勤続年数において差があるとの課題認識から、目標を設定し取り組みを推進しています。

 

1. 正社員に占める女性の割合を2021年3月末時点の22.6%から25%までに引き上げる

2. 女性の平均勤続年数を男性の平均勤続年数に対して70%以上とする

 

働く女性従業員に向け「誰もが働きやすい会社」を実現するため、キャリアプラン形成、働く環境及び女性特有の課題等について、女性の働き方・女性活躍をテーマにプロジェクトを立ち上げ、従業員アンケートや研修を通じ、その改善に取り組んできました。2025年3月に、女性活躍推進をはじめとするダイバーシティに関する専門部署「キャリアイノベーション室」を設置し、女性管理職・スペシャリストの育成及びキャリア支援等、多様な人材が活躍できるキャリア開発と組織全体の生産性向上を推進することとしました。

 

当社グループでは、国籍にかかわらず積極的に外国人採用を行い、2024年2月期からインド人のシステムエンジニアを新規採用しました。また、外国籍の従業員が安心して勤務や生活ができるように体制を整え、一人ひとりの個性や多様性を尊重しながら、組織で活躍できる職場づくりに取り組んでいます。

 

当社グループの障がい者雇用は、法定雇用率の達成は当然ながら、障がい者の方々が当社グループの一員として個々の特性や強みを生かして働く職場づくりを目指しています。採用に当たっては、特別支援学校・就労支援機関・ハローワークを始めとしたサポート機関と連携し、業務や職場環境を理解したうえで採用を行っています。

当社は、2019年に障がい者雇用優良事業所として「厚生労働大臣表彰」を受賞し、また、2020年には、障がい者就労農園「わーくはぴねす農園さいたま川越(埼玉県川越市)」に参画し、地域の障がい者を雇用し、農園で栽培した野菜を近隣店舗で販売を行なう、スーパーマーケットならではの取り組みを開始しています。

 

(健康経営の推進)

当社グループは、従業員一人ひとりの健康が企業の持続的な成長の基盤であると考え、健康経営を積極的に推進します。

当社グループは、健康経営の実現がリスクの減少のみならず中長期的な企業価値の向上につながる重要な経営課題であると認識し、経営理念である「Better Life with Community(地域社会の人々に より充実した生活を)」の実現には、従業員が心身ともに健やかに働くことが必要不可欠であり、その為に健康で活力のある職場環境の整備に努める必要があると考えます。

従業員の健康保持・増進の取り組みは、当社グループの将来の企業価値に大きな影響を与える要素であり、従業員の健康状態の悪化は、企業の生産性を低下させることになり、さらには、人材の定着率の悪化等、有能な人材の確保・定着にも悪影響を及ぼす可能性がある重要な経営課題の一つとして認識しています。

また、当社グループでは、役員及び従業員が守るべき行動規範である「ベルク行動基準」において「安全かつ衛生的な職場環境を維持し、従業員の健康を重視した快適な職場環境に努めます」とし、倫理規範である「商売六訓」においては「働いている従業員も健康で幸せになろう」と明文化することで、役員及び従業員がこの価値観を共有しています。

 

健康経営の推進体制と取組内容として、代表取締役社長が委員長を務める「リスク管理委員会」において、課題に対する方針の策定、健康経営を担当する取締役の任命、リスクと機会の特定、指標と目標の設定のほか、取組計画の承認及び進捗状況の監督を行っています。リスク管理委員会は、2か月に1度の頻度で開催され、健康経営の推進に関する取組状況の確認を行い、その議事内容は、委員会事務局(業務サポート部)が作成する議事録を取締役会に報告し、取締役会との連携を図っています。

2024年3月には、専門部署「メンタルヘルス室」を設置し、ストレスチェック等のサーベイ結果を分析し、課題の抽出、対策の立案を行い、不調者の発生を未然に防ぐ体制を整備しました。

人事教育部及びメンタルヘルス室を中心に、従業員組織である労働組合との協議、健康保険組合との連携を図り、定期健康診断の実施とフォローアップ、健康増進プログラムの実践、メンタルヘルスケア等の取り組みを推進しています。

 

 ・ 従業員の健康課題の把握と必要な対策の検討

 ・ 健康経営の実践に向けた土台づくり

 ・ 従業員の健康づくりに関する施策の実行

 

従業員の安全と健康保持、労働災害事故防止などのため、各拠点で労働安全衛生委員会を開催し、その意見を反映させています。委員会では、労働災害の発生状況や労働時間の管理状況について確認、報告、対応を行っています。また、職場での安全確保の意識醸成のため、毎年8月を「労災防止強化月間」とし、全従業員向けにトップメッセージの発信、重点項目の共有及び対策の啓発活動を行っております。

2025年2月期においては、従来の立ち姿勢でのレジ接客を見直し、従業員の身体的負担を軽減することでより良い接客につなげていく取り組みを開始しました。この取り組みは、SAFEコンソーシアムが主催し労働災害防止の取り組みを表彰する令和6年度「SAFEアワード」において、安全な職場づくり部門の「ゴールド賞」を受賞しました。

 

(3)リスク管理

当社グループの全社的なリスク管理は、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会において、経営資源の保全、社会的評価及びステークホルダーへ影響を与えうるリスク(不確実性)に対して迅速かつ的確に対応するため、当社グループを取り巻くリスクの特定、リスクの評価と洗い替え、リスクの顕在化を未然に防ぐための体制整備や対策について策定しています。

なお、サステナビリティに関するリスク管理については、全社的な視点から包括的に評価し、戦略的なアプローチが必要なことから、その課題への対応をリスク管理委員会の所管事項としております。

気候関連のリスク評価手法については、「発生した際の影響の大きさ」と「発生頻度」の2軸を用いてリスク重要度評価を実施しております。今後は、機会の管理についても全社的なマネジメントシステムに組み入れるべく、運用を検討してまいります。

 

(4)指標及び目標

①気候変動対応に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

政府が進める「2050年目標(カーボンニュートラル:CO2排出量実質ゼロ)」に向け、当社グループは、長期目標として「2050年度のGHG(温室効果ガス)排出実質ゼロ」を目指していきます。

中期目標及び短期目標の達成に向けて、GHG排出量の大部分を占める電気の使用に伴う間接排出について、省エネ・創エネの取り組みのほか、2030年度までに電力使用量の50%以上を再生可能エネルギーに切り替えを行う等の取り組みを行っていきます。

Scope3については、今後、ステークホルダーの協力のもと、順次把握を行っていきます。

なお、当事業年度実績について、気候変動に関する一部実績は、確定に時間を要するため、有価証券報告書上では見込値とし、当社ホームページで確定値を記載いたします。

 

指標

目標

GHG(温室効果ガス)排出量

Scope1・Scope2

長期目標

目標年度 2050年度

GHG排出実質ゼロ

中期目標

目標年度 2030年度

GHG排出量を50%削減する(2013年度比)

短期目標

目標年度 2027年度

基準年度(2013年度)と同水準にまで削減する

 

 

 

実績

(当事業年度)

基準年

(2013年度)

基準年比

Scope1

事業者自ら排出

燃料の燃焼による排出

6,415

3,035

211.4

工業プロセスによる排出

15,828

10,225

154.8

Scope2

他社からの供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出

19,351

58,285

33.2

合計(t-CO2)

41,595

71,545

58.1

 

(注)1 基準年のGHG排出量は推定値を含みます。

2 燃料の燃焼による排出は、各拠点での都市ガス・LPガスの使用、社有車のガソリン使用、A重油によるボイラーの使用等であります。

3 工業プロセスによる排出は、各拠点での冷凍冷蔵設備及び空調機器使用に伴うフロン類の漏洩等(地球温暖化係数を乗じてCO2排出量に換算)

4 電気等の使用に伴う間接排出は、各拠点での電力使用量であります。(自社商業施設でのテナント使用分を含む)

   5 GHG排出量算定の範囲は、当社グループ全体であります。

6 当事業年度の実績について、一部実績は、確定に時間を要するため有価証券報告書提出段階での見込み値であります。

 

➁人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

当社グループは、人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績

(当事業年度)

正社員に占める女性の割合

2026年3月末まで25.0

26.5

正社員平均勤続年数における
女性の男性に対する割合

2026年3月末まで70.0以上

60.0

管理職に占める女性労働者の割合

2030年2月期末まで10.0

3.6

男性労働者の育児休業取得率

2030年2月期末まで100.0

107.8

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)「大規模小売店舗立地法」について

当社は、スーパーマーケットの多店舗展開を行っておりますが、店舗の新規出店及び既存店の売場面積等の変更については、「大規模小売店舗立地法」の規制を受けております。これは売場面積1,000㎡を超える新規出店及び既存店の売場面積等の変更に対し、騒音、交通渋滞、ゴミ処理問題等、出店地近隣住民に対し生活環境を守る立場から都道府県または政令指定都市が一定の審査をし、規制を行う目的で施行されたものであります。当社の新規出店及び増床については、上記の法規制を受けております。 

 

(2) 食品衛生及び食の安全性について

当社及び当社グループの事業に関しては、「食品衛生法」の規制を受けており、所轄の保健所を通じて営業許可を取得しております。食品の安全性に日頃より十分な注意を払い、食中毒の未然防止、商品の検査体制の充実や生産履歴の明確化(トレーサビリティ)に努めております。しかし、万一食中毒の発生等でお客様にご迷惑をお掛けする事態が発生したり、当社グループ固有の衛生問題のみならず、社会全般にわたる一般的な衛生問題等が発生した場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (3) 品質表示等にかかる法的規制について

昨今、食品をはじめとする偽装事件等、商品の品質、安全性に関わる問題が発生しております。当社及び当社グループは、「JAS法」「計量法」「景品表示法」等の遵守に加え、社内計量士による自主検査を行い、適切な品質表示に努めております。しかし、販売する商品に問題が生じた場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 減損会計の適用について

店舗を出店する小売業として、建物、土地を一部自社所有により運営しております。事業用固定資産に対する減損会計の適用によって保有固定資産に減損処理が必要になった場合は、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 出店政策について

当社は、2025年2月末現在、埼玉県を中心とする首都圏を地盤にスーパーマーケットを144店舗展開しております。今後もドミナント化を意図した出店を行い、店舗密度を高めていく方針であります。出店場所が十分確保できない場合やドミナントの形成までに時間を要する場合、あるいは、競合他社の出店状況や価格競争の激化などによっては、当社の想定通りの成果が得られず、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(6) 物流センターについて

当社は、自社物流センターを運営しており、このセンターより全店舗に定時一括納品を行い、集中配送のメリットを生かした効率的物流体制をとっております。しかしながら、物流センターにおける事故等、不測の事態が生じた場合には、店舗への商品配送に遅延等の支障をきたす恐れがあり、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 差入保証金について

当社及び当社グループは、賃借による店舗出店にあたり、差入保証金の差入れを行っております。当連結会計年度末現在の差入保証金の残高は、10,849百万円であります。
  返還方法は、主に賃借期間にわたって分割返還となっておりますが、賃借先の経済的破綻等によりその一部または全部が回収できなくなった場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 金利変動による影響について

当社及び当社グループの設備投資資金は主に長期借入金によって調達しており、当連結会計年度末現在の有利子負債残高は、36,767百万円となっており、連結総資産の18.3%を占めております。このうち長期借入金は、34,452百万円(1年内返済含む)で、主に固定金利による借入であるため、金利変動による影響は比較的少ないものと考えられます。しかしながら、急激に金利が上昇した場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 人材の確保と育成について

当社及び当社グループは、優れた人材の採用及び教育を最重要課題の一つとしており、今後の事業拡大には、既存従業員に加え、パートタイマーも含めた優秀な人材の確保が不可欠であると認識しております。従業員に対しては、昇格試験制度や業績評価制度、また報奨金制度などのインセンティブを導入し、志気向上を促すとともに、各種研修プログラムの充実を図り、人材育成に力を注いでおります。しかし、必要とされる人材の採用、教育が計画どおり進まない場合、出店計画の見直しや、店舗管理レベル、商品力の低下等、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 個人情報の保護について

当社は、多数の個人情報を所有しております。これらの情報の管理につきましては、個人情報保護法に基づき、個人情報に関する規程の整備、従業員への教育、情報システムのセキュリティ対策等を行っております。また、マイナンバーに関する特定個人情報の管理体制についても万全の対応を図っております。しかしながら、万一、個人情報の流出が発生した場合には、当社及び当社グループの信用が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) システムトラブルについて

当社及び当社グループは、通信ネットワークやコンピューターシステムを使用し、商品の調達や発注・販売など多岐にわたるオペレーションを実施しております。システムの運用・管理には万全を期しておりますが、想定外の自然災害や事故等により設備に甚大な被害があった場合や、コンピューターウイルスの不正侵入または従業員の過誤等によるシステム障害が発生した場合は、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 外部環境の変化による影響について

当社及び当社グループは、食品スーパーマーケットとして、価格競争の激化、他社の出店増加に伴う競合の激化、景気後退に伴う買上点数並びに客数の減少、異常気象等による生鮮相場の大幅な変動等、外部環境の変化により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 自然災害による影響について

当社は、埼玉県を中心とする首都圏に出店をしておりますが、当該地域において自然災害が発生した場合、店舗施設・本社・物流センターへの倒壊損傷等が引き起こり、店舗の営業継続に影響を及ぼす可能性があります。これら災害等に対する備えとして、従業員の安否確認システムの導入、災害対策マニュアル等の策定や火災や地震の避難訓練等、対策を講じております。

 

(14) 感染症による影響について

当社及び当社グループは、様々な感染症拡大防止のため、お客様及び従業員等の健康と安全を最優先として感染防止に取り組んでおります。しかしながら、感染症の拡大により、当社グループの販売活動や流通・仕入活動が阻害された場合、さらに人的被害があった場合、臨時休業や対策費用の支出等により、当社及び当社グループの財務状況及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 知的財産の保護について

当社及び当社グループは、商標等の知的財産の保護のための体制を整備しその対策を講じております。しかし、他社との間に知的財産を巡り紛争が生じたり、他社からの知的財産の侵害を受けたりした場合は、多大な損害を被る恐れがあります。一方、当社及び当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性もあります。このような事態に陥った場合、当社及び当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16) 業務・資本提携について

当社は、2006年7月31日にイオン株式会社との間に、関東圏における食品スーパー事業に関し、①商品供給 ②販売促進施策 ③開発業務 における業務提携及び1年以内に当社の発行済株式総数の15%を限度とする資本提携契約を締結いたしました。また、2007年5月よりイオン株式会社から取締役1名を受け入れております。
  当社は、イオン株式会社との業務・資本提携を継続していく方針でありますが、何らかの理由で継続できない場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社の財務及び営業または事業の方針の決定に、イオン株式会社の承認を要する事項は特にございません。また、上記業務・資本提携を変更する予定はなく、現時点での関係を継続する方針であります。
 上記の状況をふまえ、イオン株式会社につきましては「関係会社の状況」には記載しておりません。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

  ①財政状態及び経営成績の状況

 (業績等の概要)

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。しかしながら、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなり、先行き不透明な状況が続いております。

 小売業界におきましては、原材料価格や商品製造コストの高騰に伴う商品調達価格の上昇、物価上昇に伴う個人消費の持ち直しに足踏みがみられるなど、厳しい状況が続いております。

 このような状況の中で当社グループは、スーパーマーケットとして地域社会の人々により充実した生活を提供すべく、「Better Quality & Lower Price」を掲げ、おいしく鮮度の良い商品の販売、価格訴求及びお客様に支持され信頼される店舗づくりを推進いたしました。

 主な取り組みにつきましては、以下のとおりであります。 

 販売政策におきましては、ポイントカード販促や各種キャンペーンの実施、SNSを利用した情報の発信を行い、幅広い層のお客様への来店動機を高めてまいりました。ネットスーパー「ベルクお届けパック」、当社独自の電子マネーカード「ベルクペイ」は導入店舗を拡大し、利便性向上を図ってまいりました。また、移動スーパー「とくし丸」も拡大展開を続け、高齢者等に対する買物支援の取り組みを進めました。

 商品政策におきましては、プライベートブランド「くらしにベルク kurabelc(クラベルク)」を含めた自社開発商品の取扱いをより一層拡大することで、目的を持ってお買い物に来ていただけるお客様を増やすことに貢献いたしました。

 店舗運営におきましては、当社最大の特長である標準化された企業体制を基盤にしながら、適正な人員配置や省力器具の運用を日々見直し、チェーンオペレーションの効率を向上いたしました。

 店舗投資におきましては、新店を7店舗、2024年3月に東京都練馬区に「練馬高松店」、4月に群馬県中之条町に「中之条店」、7月に東京都葛飾区に「葛飾高砂店」、9月に埼玉県白岡市に「白岡上野田店」、10月に群馬県みどり市に「フォルテ桐生市場店」、11月に埼玉県杉戸町に「杉戸下高野店」、2025年2月に埼玉県狭山市に「クルベ北入曽店」を出店いたしました。また、既存店6店舗の改装を実施し、惣菜及び簡便商品の拡充、快適なお買い物空間を提供するための設備の更新を行いました。2025年1月に千葉県市川市の「市川原木店」を閉店し、2025年2月末現在の店舗数はベルク141店舗、クルベ3店舗の計144店舗であります。

 物流体制におきましては、商品を産地やメーカーから大量一括調達し、自社物流を活かした配送の高効率化等を行うことで、商品の価格強化と品質の安定化を目指しました。また、店舗作業に合わせた配送体制の見直しを引き続き行い、店舗運営の効率化に取り組みました。

 一方、グループ会社である「株式会社ホームデリカ」は、製造能力の増強とおいしい商品の供給体制を構築し、商品力の強化を図ってまいりました。また、「株式会社ジョイテック」は、備品、消耗品及び販売用資材等の供給と開発等、当社グループのサービス業務の強化に取り組みました。

 これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、営業収益(売上高及び営業収入)が387,779百万円(前年比110.2%)、営業利益が17,011百万円(前年比117.4%)、経常利益が17,388百万円(前年比116.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益が12,385百万円(前年比116.0%)となりました。

 

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ16,353百万円増加200,717百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,109百万円増加40,017百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が805百万円及び商品及び製品が1,931百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ13,244百万円増加160,699百万円となりました。この主な要因は、建物及び構築物が3,389百万円土地が3,330百万円及び建設仮勘定が2,626百万円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

 負債は、前連結会計年度末に比べ6,398百万円増加90,797百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,760百万円増加49,205百万円となりました。この主な要因は、買掛金が1,900百万円増加したこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,638百万円増加41,592百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が2,268百万円増加したこと等によるものであります。

 

 (純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ9,955百万円増加109,920百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が9,965百万円増加したこと等によるものであります。

 

  ②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ805百万円増加し、17,833百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、22,690百万円(前年同期に比べ1,631百万円増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、21,719百万円(前年同期に比べ5,491百万円増加)となりました。これは、有形固定資産の売却による収入が減少したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、165百万円(前年同期に比べ3,216百万円減少)となりました。これは、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。

 

 ③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、小売業のみを営んでおり、単一のセグメントであるため、商品別により記載しております。

(販売実績)

商品別売上状況

商品別

当連結会計年度
(自 2024年3月1日
  至 2025年2月28日)

売上高(百万円)

前年同期比(%)

青果

51,782

113.8

海産

28,285

108.9

精肉

40,521

110.7

デリカ

42,320

111.6

生鮮計

162,910

111.5

一般食品

141,517

110.1

菓子

63,649

109.0

雑貨

12,303

102.4

グロサリーギフト

1,059

102.7

グロサリー計

218,530

109.3

合計

381,440

110.2

 

 

(仕入実績)

商品別仕入状況

商品別

当連結会計年度
(自 2024年3月1日
  至 2025年2月28日)

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

青果

41,340

113.6

海産

19,383

109.7

精肉

28,591

113.0

デリカ

24,923

113.9

生鮮計

114,238

112.8

一般食品

105,172

109.9

菓子

47,383

109.1

雑貨

9,430

103.3

グロサリーギフト

857

104.1

グロサリー計

162,844

109.3

合計

277,083

110.7

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
 

  ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高)

当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ35,367百万円増加し、381,440百万円(前年比110.2%)となりました。その主な要因は、仕入原価上昇に伴う商品の、他社と比較した際の相対的な価格の安さを維持しながらの適時適切な値上げ、積極的な販売促進活動、ポイントカード販促等の実施、前連結会計年度に出店した6店舗が年間稼動したこと及び当連結会計年度に新規出店した7店舗が売上高の増加に寄与したこと等によるものであります。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ8,915百万円増加し、103,080百万円(前年比109.5%)となりました。売上総利益率は27.0%となりました。

(営業収入)

当連結会計年度における営業収入は、前連結会計年度に比べ554百万円増加し、6,338百万円(前年比109.6%)となりました。

(営業総利益)

当連結会計年度における営業総利益は、前連結会計年度に比べ9,469百万円増加し、109,419百万円(前年比109.5%)となり、売上高対営業総利益率は28.7%となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ6,954百万円増加し、92,408百万円(前年比108.1%)となりました。その主な要因は、賃金上昇及び人員数の増加による給与手当(前年差3,146百万円増)及び電気料金単価上昇に伴う水道光熱費(前年差772百万円増)等が増加したこと等によるものであります。売上高対販売費及び一般管理費率は24.2%となりました。

(営業利益)

当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ2,515百万円増加し、17,011百万円(前年度117.4%となりました。 

(経常利益) 

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ2,416百万円増加し、17,388百万円(前年比116.1%)となり、売上高対経常利益率は、4.6%となり、目標とする経営指標である4.5%を達成いたしました。
(特別損益)

当連結会計年度において、特別損失として、314百万円の計上をしております。内訳は固定資産除却損294百万円等であります。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ2,341百万円増加し、17,074百万円(前年比115.9%)となりました。
 税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、前連結会計年度に比べ633百万円増加し、4,688百万円(前年比115.6%)となりました。
 以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,707百万円増加し、12,385百万円(前年比116.0%)となりました。

 

 

  ②経営成績に重要な影響を与える要因について

「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

  ③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、主として営業活動により得られた資金のほか、金融機関からの借入により必要資金を調達しており、当連結会計年度においては、業績の堅調な推移により安定的にキャッシュ・フローを創出でき、新規出店、既存店の改装等の設備資金及び出店予定用地の取得を行いました。

当社グループでは、財務健全性を図りながら、適正な株主還元と業容拡大のための成長投資を継続して計画しております。

 

  ④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りにつきましては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、以下の会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 
イ 固定資産の減損
 当社グループは、店舗における営業活動から生じる損益が継続してマイナスである等減損の兆候がある店舗資産については減損損失の認識を判定し、減損損失の測定については各資産グループの帳簿価額を回収可能価額まで減額し減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては決算時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、今後市場環境について想定を上回る変化が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。 


ロ 繰延税金資産の回収可能性
 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画における課税所得に基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの業績の推移などから将来の課税所得を合理的に見積り判断しておりますが、今後将来の不確実な経済条件の変動等により課税所得の予測に影響を与える変化が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
 
ハ 退職給付債務の算定
 確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、死亡率、退職率や年金資産の長期期待運用収益率等の様々な計算基礎があります。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、将来の退職給付費用及び債務が変動する可能性があります。
 
ニ 資産除去債務の計上
 当社グループは、主に店舗用土地建物の不動産賃借契約に伴う原状回復義務等に備えるため、資産除去債務を計上しております。計上にあたっては、過去の実績を基に算定した原状回復費用の見込み額を現在価値に割り引いて算出しておりますが、今後新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

契約会社名

相手方の名称

相手先の
所在地

契約の内容

契約期間

提出会社

イオン株式会社

日本

①商品供給②販売促進施策③開発業務における業務提携及び当社の発行済株式総数の15%を限度とする株式取得による資本提携。

2006年7月31日当初契約。

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。