文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、服を通してお客様を幸せにし、自信と喜びを提供することを使命とします。服を通してお客様と深い信頼関係を築き、服を通して持続可能なファッションを推進し社会と環境に貢献する会社になることを目指しております。
(2)経営環境及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2024年3月28日付にて事業再生計画を公表しております。当計画は、2025年2月期に約20億円の金融支援と約5億円のグロースパートナーズ株式会社の出資により債務超過の解消と上場維持、更にグロースパートナーズ株式会社との事業提携による、同社の有する知見やサポート機能・ネットワーク等を活用し、MD改革、OMO推進、顧客の囲い込み等の施策に取り組み、収益の改善を図るとともに、財務体質の改善を行い、事業の再生を図ることを主要な内容としております。計画数値は以下のとおりとなります。
|
実績(百万円) |
計画(百万円) |
||||
2025/2期 |
2025/2期 |
2026/2期 |
2027/2期 |
2028/2期 |
2029/2期 |
|
売上高 |
9,650 |
9,884 |
9,856 |
9,908 |
9,908 |
9,908 |
営業利益 |
203 |
57 |
19 |
56 |
71 |
132 |
経常利益 |
355 |
239 |
158 |
198 |
214 |
277 |
当期純利益 |
1,968 |
1,668 |
87 |
127 |
143 |
207 |
純資産 |
1,075 |
622 |
729 |
836 |
959 |
1,146 |
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社は、新型コロナウイルス感染症の影響等による売上高の大幅な落ち込みにより、2022年2月期事業年度末の純資産が△8億7千6百万円の債務超過となったことから、上場廃止基準に係る猶予期間入り銘柄となり、2024年2月期事業年度末においても同△19億1千5百万円と債務超過の状況が継続しておりましたが、その解消に向けた各種施策、収支改善に向けた事業構造改革、資本増強策等に取り組んだ結果、2025年2月期事業年度末の純資産が10億7千5百万円となり、上場維持基準(純資産基準)に適合する見込みとなりました。
また当社は、2024年2月29日時点において、新たに「流通株式時価総額」にも適合しない状況となったため、2024年5月30日付公表の「上場維持基準(流通株式時価総額)の適合に向けた計画書」を策定し、適合に向けた取り組みを進めてまいりましたが、当社の試算では流通株式時価総額基準に係る上場維持基準につきましても適合を確認しております。
(中期目標)
事業再生計画を完遂し、景気に左右されない、強い体質の会社に生まれ変わる。
(基本方針)
企業全体の改革を通じ、競争力を高め、持続可能な成長を実現することを目指す。
1.商品力の強化
・ブランドの存在意義を明確にし、感動を生む商品開発を推進
・中核商品のスーツ・オーダー・シャツ等の確立と改良
・雑貨・パーソナライズドアイテムを強化
・MDカレンダーを見直し、計画的な商品展開
2.生産力の強化
・商品レベルの向上と、生地・工場との開発強化
・短納期対応(QRシステム導入)
・国内外の生産体制を整備し、生産日数を短縮
3.在庫コントロールの徹底
・適正な生産・販売計画を策定
・在庫の最適化と徹底管理
4.マネジメントの改革
・実行力のある組織づくりとリーダー育成
・権限委譲を進め、意思決定の迅速化
・報告・連絡・相談(報/連/相)の再徹底
5.VMD改革
・VMD向上委員会の発足と活動強化・ビジュアリストを育成
・「美は醜に勝つ」を実証し、人々が感動しライバルが諦めてしまうような店作りを目指す
・店舗=舞台美術的空間の実現
6.サービスの改革
・サービス向上委員会の発足と活動・接客マニュアルの整備
・商品情報の提供を強化し、質の高い接客を実施
・ありがとうをいただけるサービスを目指す
7.マーケットの再定義
・新規事業への参入(駅ビル・都市型複合施設・EC・海外)
・原則として3年で見通しのつかない事業からは撤退
・重要、重点地区のマーケティングプランを策定
8.ブランディングの刷新
・既存ブランドのリブランディング(TQ・MF・GB・レディース)
・新規ブランドの立ち上げ (ECを中心に展開するブランド: DRAW)
9.組織改革
・組織の壁をなくし、風通しの良い組織にする
・意思決定のスピードを向上させる
・真のリーダーが率いる組織を目指す
10.教育・評価の見直し
・成果に基づく人事評価・報酬制度の導入
・若手人材の登用と成長支援
・昇格・教育制度の見直し
11.販促の見直し
・値引き販売から脱却し、ブランド価値を向上
・メンバーズカードやロイヤルティプログラムを見直し
・物語性を持たせたプロモーションとデジタルマーケティングの活用
・コラボレーション・パートナーシップを強化
12.物流・後方の改善
・物流コストの削減とEC出荷体制の改善
・財務体質の健全化
・マニュアルの整備と業務のスピード向上
・システムリポートを強化
当社は、事業再生計画を完遂することにより、事業の再建によるタカキューの完全復活を実現し、ステークホルダーの皆様の期待に応えるよう、企業価値の向上に誠心誠意努めてまいります。
株主の皆様におかれましては、引き続きより一層のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、サステナビリティに関する事項を含む重要な経営課題について、取締役会で協議するとともに、社内に体制を構築し、議題の解決を図ってまいります。
(2)戦略
当社は、企業の継続性のほか、社会及び環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題について、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、適切に対処するよう努めております。
活動の一例として、350種類以上の有害物質の排除を対象とした製品の開発、また、同時にそれに携わる人や工場、環境にも配慮し、SDGsとトレーサビリティにも注目した商品も手掛けております。
また、全店規模での不要衣料の為の回収ボックスの設置し、これら回収した洋服から、再び服を作るサーキュラーエコノミーの活動、同じく回収した衣料からバイオジェット燃料を製造するプロジェクトへの参加などが挙げられます。店舗廻りでは、プラスチック製のショッパーを廃止し、全て紙製のショッパーに変更しました。また、これを機に、ノベルティーとしてアフリカ産(エチオピア)エコバッグを2万枚生産し、これを配布する活動を行い、「マイバッグ運動」を社内外に広く浸透させるなどの活動に取組んでまいりました。
また、「適量生産・適量購入・循環利用によるファッションロスゼロ」と「2050年カーボンニュートラル」を目指す取り組みとして、OMO事業およびオーダー事業を拡大し、大量消費・大量生産の抑制、およびCO₂の削減を図ってまいります。
今後はこれらの活動における基本方針を策定し、適宜開示してまいります。
当社は、社員の成長が企業の成長へ繋がるものであり、また、今後の更なる成長には人材確保が必要不可欠であると考えております。
人材育成方針として、「教育チャンネル」を開設し、毎月教育動画を従業員向けに配信し、取締役の参加する会議において、状況報告、および議論を行っております。また、社内環境整備方針として、衛生委員会を設置し、月に一度、有給休暇の取得状況、残業時間の管理、健康診断の受診状況の確認や、ストレスチェック等、従業員の健康や社内環境の改善に向けて議論をしております。また、男性の育児休業の促進や、ダブルワークの導入等、ワークライフバランスの向上に取り組んでおります。
(3)リスク管理
当社は、サステナビリティに関するリスクを含め、当社を取り巻く業務や取引における潜在的なリスクを認識すべく、社内規程に基づきリスク管理を実施し、必要に応じてその運用状況の評価を行っております。また、コンプライアンス、情報セキュリティ管理などにおいても継続的に改善を行い、社内で研修を実施しております。重要なリスクおよび機会に関しては、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。なお、当社のリスクに関する詳細は、「
(4)指標及び目標
当社はサステナビリティに係る課題への対応を行うことは持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資するものであると認識し、事業を通じた課題の解決や社会貢献に向けた活動を推進しておりますが、現段階では各取り組みに関しての指標及び目標を設定しておりません。具体的な目標設定や状況の開示については今後の課題として検討してまいります。
また、当社では、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について次の指標を用いております。
指標 |
実績(2025年2月末) |
目標 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
離職率 男性 女性 合計 |
男性: 9.2% 女性: 合計: 9.8% |
|
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ファッショントレンド及びお客様の嗜好の変化などによるリスク
当社の扱う商品は、個人消費の動向、他社との競合に伴う市場変化などの要因に加え、ファッショントレンドの変化やお客様の嗜好の変化による影響を受けやすいため、動向に合った商品の企画と仕入が行われなかった場合、財政状態および経営成績に影響を受ける可能性があります。
当社は、お客様のニーズを的確に反映した素材やスタイリングの開発、店舗タイプ別の品揃え体制の構築によりこれらリスクの低減を進めてまいります。
(2)個人情報に関するリスク
当社はクレジットカード会社との提携による顧客管理と、当社独自のメンバーズカード発行による顧客情報を扱っております。これらの個人情報の管理については、社内体制の整備、情報インフラにおけるセキュリティの確保、従業員への教育等の対応を行っております。しかしながら、万一当該情報の漏洩、流出があった場合には、損害賠償の発生、社会的信用の低下などにより業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)固定資産の減損損失に関するリスク
店舗の損益状況の悪化により、固定資産の減損損失判定において減損損失を認識した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。減損リスクへの対応として、月次決算を含め損益状況を常時管理し、各店舗毎に収益改善に向けた施策を講じております。
(4)商品の生産体制に関するリスク
当社のプライベートブランド商品は、取引先を限定して生産を行っており、生産・企画面で瑕疵があった場合、適正な時期に適量の商品を陳列することができなくなります。また取扱商品の生産地は、中国を中心に、バングラデシュ、ミャンマー、ベトナム、インドネシアなど諸外国が多いため、各国の政情や輸入手続きに問題が発生した場合、商品供給に支障が出て、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況に対し、取引先への品質管理の指導、複数の取引先との取組みによる生産地の分散など、リスクを低減できる体制を目指しております。
(5)天候・災害等によるリスク
当社の扱う商品は、季節毎にマーチャンダイジングを行っており、冷夏、暖冬、台風など天候によって影響を受ける可能性があります。
また、地震、風水害等の自然災害が発生した場合、入居している建物、商品の損害及び店舗の修復に伴う休業等により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)テナント入居している商業施設について
当社がテナント入居している商業施設の集客力が何らかの要因で低下した場合、業績に影響を与える可能性があります。また商業施設側の経営が悪化した場合にも差入れている保証金、敷金の回収が困難になり、業績に影響を与える可能性があります。
(7) 原材料等のコスト上昇リスク
当社の扱う商品は、中国を中心に、バングラデシュ、ミャンマー、ベトナム、インドネシアなど諸外国で生産しているものが多いため、原材料価格、現地の人件費、運賃等のコストアップによる原価上昇リスクがあります。
(8) 工事費用の高騰リスク
当社は数多くの店舗を有しており、出店、改装、退店に際して実施する工事費用が高騰した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 感染症の拡大によるリスク
新型コロナウイルス等、感染症の拡大により、緊急事態宣言等が発出された場合、商品供給の停滞、店舗における営業休止等により業績への影響が拡大する可能性があります。店舗においては予防、拡大防止のため、消毒液の設置、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保等の対策を行っております。また、感染症の影響を受けにくいEコマース事業の強化、拡大を基本方針として対応を進めてまいります。
(10) 経営環境に関するリスク
当社の取り扱うファッション衣料品は、いわゆる基礎的支出の対象(生活必需品)ではなく、選択的支出(嗜好品)の対象ととらえられており、一般に選択的支出(嗜好品)は、収入面での不安がもたらす家計の防衛意識などから、支出抑制の対象となりやすい傾向にあり、日本の経済情勢の影響を強く受けます。このため消費に影響する政策等国内の要因はもとより、世界的な経済活動の低迷等が日本の経済情勢に悪影響を与え、当社の収益に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(11) 風評リスク
当社に対する風評が、マスコミ報道やインターネットの掲示板への書き込み等により流布した場合に、お客さまや投資家の理解・認識に影響を及ぼすことにより、当社の社会的信頼・信用が毀損される可能性があります。
当社では、風評に適時適切に対応することで、影響の極小化を図るよう努めておりますが、悪質な風評が流布した場合には、当社の業績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社といたしましては、当該動向に対して情報収集を行うとともに、状況に合わせた対応を行うことでリスクの低減に努めております。
(12) システムに関するリスク
当社は業務のシステム化を推進し、POSシステムをはじめ、仕入管理、債権管理、お客様の個人情報の記録・保存・管理などを、安定したシステム運用に依拠して行っております。万が一に備え、バックアッププランを含む緊急対応体制を整備し、システム全般に適切なセキュリティ対策を講じております。しかし、事故、火災、自然災害、停電、人為的ミス、ソフトウェアの不具合、外部からの不正アクセスなどにより、システムの安定運用が困難となった場合、当社の事業活動に支障をきたし、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 特定人物への依存リスク
当社の事業改革を担っている代表取締役社長執行役員伊藤健治は、アパレルファッション事業に関する豊富な知識と経験を有しており、経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社の事業活動全般において極めて重要な役割を果たしております。
当社では、過度に同氏に依存しない体制を構築するため、経営幹部の育成と権限委譲を進めており、経営組織の強化に努めております。とはいえ、何らかの理由で同氏が業務を遂行できなくなった場合、当社の業績や財務状況に影響を与える可能性があります。
(14) 株式の希薄化に関するリスク
当社は、2024年1月25日開催の取締役会において、第1回新株予約権の発行決議を行っており、行使期間を2025年5月23日から2029年5月23日としております。2025年2月末現在、本新株予約権は322,000個となっており、全て行使された場合は32,200,000株が発行されることになります。
本新株予約権の行使により、将来、当社の株式価値の希薄化や株式売買の需給への影響をもたらし、当社の株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進む中、インバウンド需要もあり、緩やかに持ち直しております。一方で、不安定な国際情勢に伴う原材料価格・エネルギーコストの高騰や円安基調の継続による物価上昇等の影響により、個人消費の先行きは不透明な状態が継続しています。
当アパレル・ファッション業界におきましては、景気の改善によって市場環境が回復しつつある一方、国内外の物価上昇の長期化や、円安による仕入原価の高止まり等の影響に加えて、記録的な高気温が10月度以降も続いたことで秋物需要が低迷する等、経営環境は引き続き厳しい状況で推移しました。
このような中、当社は、2024年3月28日付公表の事業再生計画を完遂することにより事業の再建を果たし、ステークホルダーの皆様のご期待に応えるよう、企業価値の向上に誠心誠意努めてまいりました。
商品面では、中核商品である既製スーツやドレスシャツの着実な販売とともに、オフィスカジュアル商品の品揃えの充実、オーダースーツの更なる売上拡大を図りました。主力の既製品スーツについては、長引く残暑や自然災害などにより秋冬商品の立ち上がりは伸び悩みましたが、年度末にかけて成人式等のマーケットニーズに適合した準備と販促により第4四半期の売上を牽引しました。また気温低下に伴いコート等の冬物衣料も売上を伸ばしました。一方でオーダースーツは低調に推移しました。品揃えを強化したオフィスカジュアル等のカジュアル商品は、ジャケットやパンツを中心に年間を通して順調に推移しました。
営業面では、月度毎に各店舗の注力商品を明確化し、商品のコーディネートや機能説明等、接客レベルの向上を図りました。またスタイルコーディネーターの運用強化等の施策に加え、政策・商品の社内説明会により、社員の全社的な政策への理解と商品知識の共有、モチベーションの向上を図りました。販促施策としては、YouTubeとインスタグラムで春のハレ着特集やフレッシャーズフェアの動画広告等を実施した他、新聞やテレビ等のメディアへの積極的な露出も図りました。
Eコマースでは、ビジネスシーンの変化に対応した商品の記事コンテンツ特集をリリースする等、検索による訪問の件数増加に向けた施策に取り組みました。
店舗面では、契約満了等により、タカキュー2店舗、メイル・アンド・コ―1店舗、エム・エフ・エディトリアル2店舗、グランバック1店舗を退店した結果、当事業年度末では前期末比6店舗減の114店舗(タカキュー84店舗、メイル・アンド・コー16店舗、エム・エフ・エディトリアル12店舗、グランバック2店舗)となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は96億5千万円(前期比3.8%減)となりました。一方で利益面では、コストコントロールの徹底や店舗数の減少等によるコスト減に加えて、資本政策費用の負担が減った結果、販売費及び一般管理費が前期に対して8.3%減少し、営業利益は2億3百万円(前期は営業損失4千万円)、経常利益は3億5千5百万円(同経常利益5千2百万円)、更に金融支援による債務免除益14億9千9百万円、法人税等調整額△1億9千4百万円の計上により、当期純利益は19億6千8百万円(同当期純損失1億2百万円)となりました。
なお、当社は衣料品販売の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
b.財政状態
財政状態の状況につきましては、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.経営成績等 1)財政状態」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に対して2億4千8百万円増加し、13億7千8百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロ-)
営業活動によるキャッシュ・フローは、9千8百万円の支出(前年同期比1億6千万円の支出減少)となりました。これは税引前当期純利益18億4千6百万円、減価償却費1億4千7百万円、売上債権の減少9千万円等による資金増、債務免除益14億9千9百万円、仕入債務の減少5億8千3百万円、未払金の減少8千3百万円等の資金減によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロ-)
投資活動によるキャッシュ・フロ-は、6千5百万円の支出(前年同期比1億3千1百万円の支出増加)となりました。これは、敷金及び保証金の回収による収入7千9百万円等の資金増、無形固定資産の取得による支出8千3百万円、資産除去債務の履行による支出4千万円、有形固定資産の取得による支出2千6百万円等の資金減があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロ-)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4億1千2百万円の収入(前年同期比5億7千8百万円の収入増加)となりました。これは、利息の支払5千3百万円、リース債務の返済4千万円等の資金減がありましたが、新株及び新株予約権発行による収入5億5百万円の資金増があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の状況
a.商品仕入実績
区分別仕入実績
区分別 |
第75期 (2023年3月1日~2024年2月29日) |
第76期 (2024年3月1日~2025年2月28日) |
仕入高(千円) |
仕入高(千円) |
|
重衣料 |
1,799,627 |
1,852,051 |
中衣料 |
209,494 |
181,736 |
軽衣料 |
1,856,949 |
1,913,273 |
その他衣料等 |
△132,121 |
△145,262 |
合計 |
3,733,949 |
3,801,799 |
(注)その他衣料等はスカート、ワンピース等であり、店舗への商品配送の代行等に伴う仕入控除を含めております。
区分別売上実績
区分別 |
第75期 (2023年3月1日~2024年2月29日) |
第76期 (2024年3月1日~2025年2月28日) |
売上高(千円) |
売上高(千円) |
|
重衣料 |
4,401,892 |
4,338,222 |
中衣料 |
446,270 |
416,221 |
軽衣料 |
4,805,846 |
4,539,006 |
その他衣料等 |
372,665 |
356,676 |
合計 |
10,026,675 |
9,650,127 |
(注)その他衣料等はスカート、ワンピースのほか、クレジットカード会員獲得に伴う手数料収入、衣料品の修理・加工に伴う収入等であります。
c.県別売上実績
地域 |
第75期 ( 2023年3月1日 ~2024年2月29日) |
第76期 ( 2024年3月1日 ~2025年2月28日) |
|||||||
売上高 (千円) |
構成比率 (%) |
期末店舗数 (店) |
売上高 (千円) |
構成比率 (%) |
期末店舗数 (店) |
店舗異動状況 |
|||
新規出店 (店) |
退店 (店) |
||||||||
|
北海道 |
627,501 |
6.3 |
9 |
621,798 |
6.4 |
7 |
- |
2 |
北海道地区計 |
627,501 |
6.3 |
9 |
621,798 |
6.4 |
7 |
- |
2 |
|
|
青森県 |
110,523 |
1.1 |
2 |
111,533 |
1.2 |
2 |
- |
- |
|
秋田県 |
61,039 |
0.6 |
1 |
60,948 |
0.6 |
1 |
- |
- |
|
岩手県 |
154,608 |
1.5 |
2 |
157,789 |
1.6 |
2 |
- |
- |
|
宮城県 |
347,770 |
3.5 |
6 |
343,048 |
3.6 |
6 |
- |
- |
|
山形県 |
74,062 |
0.7 |
1 |
73,945 |
0.8 |
1 |
- |
- |
|
福島県 |
129,436 |
1.3 |
2 |
88,119 |
0.9 |
2 |
- |
- |
東北地区計 |
877,440 |
8.8 |
14 |
835,385 |
8.7 |
14 |
- |
- |
|
|
茨城県 |
255,520 |
2.5 |
3 |
241,395 |
2.5 |
3 |
- |
- |
|
栃木県 |
227,678 |
2.3 |
4 |
226,750 |
2.3 |
3 |
- |
1 |
|
群馬県 |
160,944 |
1.6 |
2 |
140,132 |
1.5 |
1 |
- |
1 |
|
埼玉県 |
645,312 |
6.4 |
6 |
459,173 |
4.8 |
6 |
- |
- |
|
千葉県 |
419,719 |
4.2 |
8 |
419,327 |
4.3 |
8 |
- |
- |
|
東京都 |
941,406 |
9.4 |
9 |
931,301 |
9.7 |
9 |
- |
- |
|
神奈川県 |
418,763 |
4.2 |
5 |
435,191 |
4.5 |
5 |
- |
- |
関東地区計 |
3,069,346 |
30.6 |
37 |
2,853,272 |
29.6 |
35 |
- |
2 |
|
|
新潟県 |
192,459 |
1.9 |
3 |
193,959 |
2.0 |
3 |
- |
- |
|
富山県 |
94,991 |
0.9 |
2 |
104,338 |
1.1 |
2 |
- |
- |
|
石川県 |
81,763 |
0.8 |
1 |
70,068 |
0.7 |
1 |
- |
- |
|
山梨県 |
126,155 |
1.3 |
2 |
120,682 |
1.3 |
2 |
- |
- |
|
長野県 |
49,662 |
0.5 |
1 |
51,838 |
0.5 |
1 |
- |
- |
|
岐阜県 |
218,577 |
2.2 |
3 |
201,549 |
2.1 |
3 |
- |
- |
|
静岡県 |
250,816 |
2.5 |
4 |
263,445 |
2.7 |
4 |
- |
- |
|
福井県 |
89,548 |
0.9 |
1 |
92,404 |
1.0 |
1 |
- |
- |
|
愛知県 |
542,321 |
5.4 |
8 |
544,487 |
5.6 |
8 |
- |
- |
|
三重県 |
185,856 |
1.9 |
3 |
176,901 |
1.8 |
3 |
- |
- |
中部地区計 |
1,832,153 |
18.3 |
28 |
1,819,675 |
18.9 |
28 |
- |
- |
地域 |
第75期 ( 2023年3月1日 ~2024年2月29日) |
第76期 ( 2024年3月1日 ~2025年2月28日) |
|||||||
売上高 (千円) |
構成比率 (%) |
期末店舗数 (店) |
売上高 (千円) |
構成比率 (%) |
期末店舗数 (店) |
店舗異動状況 |
|||
新規出店 (店) |
退店 (店) |
||||||||
|
滋賀県 |
52,840 |
0.5 |
1 |
67,859 |
0.7 |
1 |
- |
- |
|
京都府 |
183,872 |
1.8 |
3 |
178,143 |
1.8 |
3 |
- |
- |
|
奈良県 |
121,781 |
1.2 |
2 |
130,098 |
1.3 |
2 |
- |
- |
|
大阪府 |
610,649 |
6.1 |
7 |
586,374 |
6.1 |
6 |
- |
1 |
|
和歌山県 |
44,490 |
0.4 |
1 |
43,831 |
0.5 |
1 |
- |
- |
|
兵庫県 |
263,372 |
2.6 |
5 |
246,195 |
2.6 |
4 |
- |
1 |
近畿地区計 |
1,277,006 |
12.7 |
19 |
1,252,503 |
13.0 |
17 |
- |
2 |
|
|
岡山県 |
114,071 |
1.1 |
1 |
120,606 |
1.2 |
1 |
- |
- |
|
鳥取県 |
41,636 |
0.4 |
1 |
40,003 |
0.4 |
1 |
- |
- |
中国地区計 |
155,707 |
1.6 |
2 |
160,610 |
1.7 |
2 |
- |
- |
|
|
香川県 |
69,235 |
0.7 |
1 |
50,611 |
0.5 |
1 |
- |
- |
|
愛媛県 |
41,650 |
0.4 |
1 |
38,348 |
0.4 |
1 |
- |
- |
四国地区計 |
110,885 |
1.1 |
2 |
88,959 |
0.9 |
2 |
- |
- |
|
|
福岡県 |
403,163 |
4.0 |
6 |
369,329 |
3.8 |
6 |
- |
- |
|
佐賀県 |
87,572 |
0.9 |
1 |
89,211 |
0.9 |
1 |
- |
- |
|
熊本県 |
50,623 |
0.5 |
1 |
43,114 |
0.4 |
1 |
- |
- |
|
宮崎県 |
50,076 |
0.5 |
1 |
56,402 |
0.6 |
1 |
- |
- |
九州地区計 |
591,436 |
5.9 |
9 |
558,057 |
5.8 |
9 |
- |
- |
|
店舗合計 |
8,541,478 |
85.2 |
120 |
8,190,263 |
84.9 |
114 |
- |
6 |
|
その他 |
1,485,197 |
14.8 |
- |
1,459,864 |
15.1 |
- |
- |
- |
|
合計 |
10,026,675 |
100.0 |
120 |
9,650,127 |
100.0 |
114 |
- |
6 |
(注)その他の主な内容は、Eコマースの売上高、クレジットカード会員獲得に伴う手数料収入、衣料品の修理・加工に伴う収入等であります。
d.出店形態別地区別販売実績
|
形態別 |
ショッピングセンター等 |
駅ビル |
路面店 |
合計 |
||||
地区別 |
年度 |
店舗数 (店) |
売上高 (千円) |
店舗数 (店) |
売上高 (千円) |
店舗数 (店) |
売上高 (千円) |
店舗数 (店) |
売上高 (千円) |
北海道地区 |
2024年2月期 |
8 |
551,476 |
- |
- |
1 |
76,025 |
9 |
627,501 |
2025年2月期 |
7 |
525,922 |
- |
- |
- |
95,876 |
7 |
621,798 |
|
東北地区 |
2024年2月期 |
13 |
812,878 |
- |
- |
1 |
64,561 |
14 |
877,440 |
2025年2月期 |
13 |
770,610 |
- |
- |
1 |
64,775 |
14 |
835,385 |
|
関東地区 |
2024年2月期 |
34 |
2,502,147 |
1 |
102,024 |
2 |
465,174 |
37 |
3,069,346 |
2025年2月期 |
31 |
2,294,533 |
2 |
111,808 |
2 |
446,929 |
35 |
2,853,272 |
|
中部地区 |
2024年2月期 |
28 |
1,832,153 |
- |
- |
- |
- |
28 |
1,832,153 |
2025年2月期 |
28 |
1,819,675 |
- |
- |
- |
- |
28 |
1,819,675 |
|
近畿地区 |
2024年2月期 |
17 |
1,104,770 |
2 |
172,236 |
- |
- |
19 |
1,277,006 |
2025年2月期 |
16 |
1,060,083 |
1 |
192,420 |
- |
- |
17 |
1,252,503 |
|
中国地区 |
2024年2月期 |
2 |
155,707 |
- |
- |
- |
- |
2 |
155,707 |
2025年2月期 |
2 |
160,610 |
- |
- |
- |
- |
2 |
160,610 |
|
四国地区 |
2024年2月期 |
2 |
110,885 |
- |
- |
- |
- |
2 |
110,885 |
2025年2月期 |
2 |
88,959 |
- |
- |
- |
- |
2 |
88,959 |
|
九州地区 |
2024年2月期 |
9 |
591,436 |
- |
- |
- |
- |
9 |
591,436 |
2025年2月期 |
9 |
558,057 |
- |
- |
- |
- |
9 |
558,057 |
|
合計 |
2024年2月期 |
113 |
7,661,456 |
3 |
274,260 |
4 |
605,761 |
120 |
8,541,478 |
2025年2月期 |
108 |
7,278,452 |
3 |
304,229 |
3 |
607,581 |
114 |
8,190,263 |
(注)1.上記売上高は損益計算書記載の売上高からクレジットカード会員獲得に伴う手数料収入、衣料品の修理・加工に伴う収入等を除外した店舗売上高であります。
2.店舗数は期末現在のものであります。
3.出店形態
① ショッピングセンター(SC)等……ショッピングセンターあるいはファッションビル等にテナントとして出店しているものであります。
② 駅ビル……………………………………八重洲地下街㈱等の経営するステーションビルにテナントとして出店しているものであります。
③ 路面店……………………………………商店街等に独立店舗として出店しているものであります。
e.単位当たりの売上実績
項目 |
第75期 ( 2023年3月1日 ~2024年2月29日) |
第76期 ( 2024年3月1日 ~2025年2月28日) |
|
売上高(千円) |
10,026,675 |
9,650,127 |
|
1㎡当たり売上高 |
売場面積(月平均)(㎡) |
29,225.6 |
27,497.9 |
1㎡当たり期間売上高(千円) |
343 |
350 |
|
1人当たり売上高 |
従業員数(月平均)(人) |
490 |
452 |
1人当たり期間売上高(千円) |
20,462 |
21,295 |
(注)売場面積は、期中平均により算出しており「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律」に基づく面積であります。又、売場面積及び売上高には、当社が他社に転貸しているものは含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産の部)
資産の部は、前事業年度末に対して8千1百万円増加し、56億9千1百万円となりました。主な要因は、流動資産で現金及び預金が2億4千8百万円、商品が3千2百万円、投資その他の資産で投資有価証券が6億5千5百万円それぞれ増加し、流動資産で売掛金が9千万円、前払費用が6百万円、固定資産で有形固定資産が1千8百万円、無形固定資産が2千4百万円、投資その他の資産で関係会社株式が6億3千5百万円、敷金が7千8百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(負債の部)
負債の部は、前事業年度末に対して29億1千万円減少し、46億1千5百万円となりました。主な要因は、流動負債で未払消費税等が4千6百万円、前受金が3千1百万円、固定負債で長期借入金が9億9千4百万円それぞれ増加し、流動負債で支払手形及び買掛金・電子記録債務が5億8千3百万円、短期借入金が28億7千3百万円、一年内返済予定長期借入金が1億2千1百万円、リース債務が4千万円、未払金が8千5百万円、未払費用が1千7百万円、変動報酬引当金が4千5百万円、固定負債で繰延税金負債が1億8千7百万円、資産除去債務が3千2百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(純資産の部)
純資産の部は、前事業年度末に対して29億9千1百万円増加し、10億7千5百万円となりました。主な要因は、株主資本で利益剰余金が54億3千7百万円、評価・換算差額等でその他有価証券評価差額金が1千2百万円、新株予約権が1千万円それぞれ増加し、株主資本で資本剰余金が24億6千8百万円減少したこと等によるものであります。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、前期に比べ、3億7千6百万円減少し、96億5千万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前期に比べ、2億7千2百万円減少し、58億8千3百万円となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前期に比べ、5億1千7百万円減少し、56億7千9百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、2億3百万円となりました。(前期は4千万円の損失)
(経常利益)
経常利益は、3億5千5百万円となりました。(前期は5千2百万円)
(当期純利益)
当期純利益は、19億6千8百万円となりました。(前期は1億2百万円の損失)
3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入の他、販売費及び一般管理費の営業費用であります。
設備投資需要のうち主なものは、改装およびシステム関連投資等であります。
これらの資金需要につきましては、自己資金で賄うことを基本としておりますが、必要に応じて銀行借入により資金調達を行うこととしております。
なお、当事業年度末現在における借入金及びリース債務等を含む有利子負債残高は、19億9千1百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、13億7千8百万円となっております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
経営上の重要な契約
(事業提携契約)
当社は、2024年1月25日の取締役会の決議において、グロースパートナーズ株式会社(以下「GP」といいます。)との間で、下記のとおり事業提携契約を締結いたしました。概要については次のとおりであります。
1.事業提携の理由
当社は、2024年1月25日の株式会社地域経済活性化支援機構による当社への再生支援決定を受け、第三者割当増資を伴う再生計画の確実な実現に向け、GPのもつ業績向上に向けた各種プロジェクトの企画・運営に関するノウハウ(成長戦略の策定、ウェブ・マーケティング、オペレーションの改善、DX支援等)の提供を受け、業績向上のための諸施策の検討と着実な実行をGPと共同で積極的に進めることを目的といたします。
2.事業提携の内容
GPからは、以下の各事項を含む支援を受けております。
(1)成長戦略策定
(2)ウェブ・マーケティング
(3)価格戦略(プライシング)
(4)オペレーション改善
(5)DX支援
(6)その他当社及びGPが別途合意する業務
(債権者間協定)
当社は、2024年1月25日開催の取締役会において、株式会社みずほ銀行及びグロースパートナーズ株式会社(以下「GP」といいます。)と連名にて、株式会社地域経済活性化支援機構(以下「機構」といいます。)に対して、事業再生計画(以下「本事業再生計画」といいます。)を提出して再生支援の申込みを行い、同日、機構より再生支援決定の通知を受け、機構の再生支援手続きの中で、当社の企業価値の最大化を図って参りました。そのような中で、2024年3月28日までに、当社に対して金融債権を有する取引金融機関等の全てから、約15億円の債権放棄及び約5億円の債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ(DES))等の金融支援を含む本事業再生計画に同意する旨の回答がなされ、2024年3月28日付で、株式会社地域経済活性化支援機構法第31条第1項に定める買取決定等を頂きました。なお、機構の再生支援手続の中での取引金融機関等による金融支援の実行は、①金融商品取引法に基づく届出の効力が発生していること、②2024年3月25日付当社臨時株主総会において承認済みのA種種類株式及びB種種類株式の発行に関する規定の新設等に係る定款の一部変更の効力が発生していることを条件とされておりました。
2024年5月23日付けで、第三者割当によるA種種類株式及び新株予約権発行に係る払込みが完了するとともに、同日付で債権者間協定を締結し、全ての取引金融機関等による債権放棄及び債務の株式化等の金融支援が実行されました。
(シンジケーション形式のコミットメントライン契約)
当社が金融機関と締結しているシンジケーション形式によるコミットメントライン契約(前事業年度末における借入残高11億5千万円)には、2022年2月期決算以降各年度の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を正の値に維持する旨の財務制限条項が付されております。
前事業年度末において財務制限条項に抵触しておりますが、株式会社地域経済活性化支援機構より金融機関に対して回収等停止要請を行い応諾を得ております。
なお、本契約につきましては、2024年3月28日付にて、各参加金融機関によるリファイナンス(借換)により全額弁済のうえ解消しております。
当該契約の概要は次のとおりです。
(1)組成金額 11億5千万円
(2)契約締結日 2021年6月4日
(3)コミットメント期限 2024年3月28日
(4)アレンジャー兼エージェント 株式会社みずほ銀行
(5)参加金融機関 株式会社みずほ銀行、三井住友信託銀行株式会社、株式会社横浜銀行
(6)適用利率 全銀協TIBOR+2.70%
(7)担保・保証 無担保・無保証
(8)財務制限条項等 2022年2月期決算以降、各年度の決算期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を正の値に維持すること。なお、前事業年度末における判定は、免除いただくことについて金融機関から承諾を得ております。
該当事項はありません。